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特許7081955シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220531BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47K10/42 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018068195
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019177922
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】市川 晴菜
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】実公昭15-000884(JP,Y1)
【文献】米国特許第03749281(US,A)
【文献】実開平01-126989(JP,U)
【文献】実開昭57-077176(JP,U)
【文献】実開昭48-071043(JP,U)
【文献】特開平11-076097(JP,A)
【文献】実公昭02-007681(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0067186(US,A1)
【文献】特開平2-132024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に折り畳まれた複数枚のシートが積層されてなるシート積層体を収容する本体部を有し、
前記本体部が、上下方向の下方に設けられた底面と、前記上下方向と交差する前後方向の前方に設けられて前記底面に連続する正面と、前記前後方向の後方に設けられて前記正面と対向しかつ前記底面に連続する背面とを有する、シートディスペンサーであって、
前記シート積層体の積層方向が、前記前後方向であり、
前記正面の前記底面寄りに設けられて前記シートが取り出される取出部と、
前記底面に設けられて、前記背面から前記正面の前記取出部に向かって下降する傾斜面を備える傾斜部とを有し、
前記傾斜部は、前記上下方向の上方に向かって凸となるように傾斜する前記傾斜面を有する、シートディスペンサー
【請求項2】
前記傾斜部は、前記取出部寄りの前記傾斜面の傾斜角度が、前記正面に対して20~60度である、請求項に記載の、シートディスペンサー。
【請求項3】
前記取出部寄りに設けられて、前記前後方向と交差する左右方向に延びるロールバーを有する、請求項1または2に記載のシートディスペンサー。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシートディスペンサーに着脱可能に取り付けられて、前記傾斜部を構成する、シートディスペンサー用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシートディスペンサーは、産業用ワイパー等のシートが収容され、室内の台等に置いて使用される。このようなシートディスペンサーには、個々に折り畳まれた複数枚のシートが上下方向に積層された状態で、ディスペンサーの正面に設けられた取出口からシートが引き出されるものがある(例えば、特開2017-178416号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2017-178416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシートディスペンサーでは、引き出されるシートが上方に積層されたシートに押さえ付けられて、シートが詰まって引き出せないことがある。また、ディスペンサー内でシートの残量が少なくなると、上方に積層された隣り合うシートとの摩擦によって、数枚のシートがまとめて引き出されることがある。このように、従来のシートディスペンサーは、シートの取出し性に問題がある。
【0005】
本発明の目的は、シートの取出し性に優れるシートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の態様は、個々に折り畳まれた複数枚のシートが積層されてなるシート積層体を収容する本体部を有し、前記本体部が、上下方向の下方に設けられた底面と、前記上下方向と交差する前後方向の前方に設けられて前記底面に連続する正面と、前記前後方向の後方に設けられて前記正面と対向しかつ前記底面に連続する背面とを有する、シートディスペンサーであって、前記シート積層体の積層方向が、前記前後方向であり、前記正面の前記底面寄りに設けられて前記シートが取り出される取出部と、前記底面に設けられて、前記背面から前記正面の前記取出部に向かって下降する傾斜面を備える傾斜部とを有する、シートディスペンサーを提供する。
【0007】
ここで、「個々に折り畳まれた複数枚のシートが積層されてなるシート積層体」とは、シート積層体を構成する各シートが少なくとも1回折り返されて畳まれた状態で複数枚積み重ねられていることを示す。また「正面の底面寄り」とは、正面の上下方向の中央よりも下方側に取出部が設けられていることを示す。さらに、「背面から正面の取出部に向かって下降する傾斜面」とは、傾斜面が正面の取出部に連続して配置され、上下方向における底面から傾斜面までの高さが背面から正面に向かって低くなることを示す。
【0008】
第1の態様では、正面の底面寄りに設けられた取出部に向かって背面から傾斜面が下降する傾斜部が、本体部の底面に設けられている。そして、このような傾斜部が設けられた状態で、各シートが折り畳まれた状態で本体部の前後方向に複数枚積層されたシート積層体がシートディスペンサーに収容されている。このような構成では、引き出される正面側のシートが、積層される背面側のシートによって上下方向に押さえ付けられることがない。これにより、第1の態様では、ディスペンサー内にシートが詰まりにくく、各シートを取出部から引き出すことができる。
【0009】
また、第1の態様では、背面から正面の取出部に向かって下降する傾斜面に沿って、シート積層体の積層方向が前後方向となるようにシートディスペンサーに収容されることで、隣り合うシートの底面側の下端が前後方向に重ならない。すなわち、隣り合うシートが上下方向にずれて重なるように前後方向に積層される複数枚のシート(シート積層体)がシートディスペンサー内に収容される。これにより、第1の態様では、前後方向に積層された隣り合うシートとの摩擦が小さくなるため、数枚のシートがまとめて引き出されることを抑制することができる。
【0010】
このように、第1の態様では、シートディスペンサー内にシートが詰まり難く、またシートを最後まで1枚ずつ引き出すことができる。したがって、第1の態様によれば、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。
【0011】
本発明に係る第2の態様は、前記傾斜部が、前記上下方向の上方に向かって凸となるように傾斜する前記傾斜面を有する、シートディスペンサーを提供する。第2の態様では、上下方向の上方に向かって凸となるように傾斜部の傾斜面を傾斜させることで、正面に対する傾斜面の傾斜角度が背面側よりも正面の取出部側で小さくなる。これにより、第2の態様では、前後方向に積層された各シートが、底面に沿って正面の取出部に向かってガイドされ易くなるため、シートがさらに詰まり難くなる。
【0012】
また、第2の態様では、前後方向に積層される複数枚のシートにおいて隣り合うシートの上下方向のずれが、背面側よりも正面の取出部側で大きくなる。これにより、前後方向(Y方向)に積層された各シートは、背面側から正面側に向かって隣り合うシート間の摩擦が小さくなっていき、該シート間の摩擦は、取出部の手前で最も小さくなる。そのため、第2の態様によれば、シートディスペンサー内でシートの残量が少なくなった場合に数枚のシートがまとめて引き出されることをさらに抑制することができる。

【0013】
本発明に係る第3の態様は、前記傾斜部は、前記取出部寄りの前記傾斜面の傾斜角度が、前記正面に対して20~60度である、シートディスペンサーを提供する。第3の態様では、このように取出部寄りの傾斜面の傾斜角度を、正面に対して20~60度とするのが好ましく、より好ましくは25~50℃であり、さらに好ましくは30~45度である。ここで、「取出部寄り」とは、上下方向および前後方向のいずれにも交差する左右方向に沿った取出部の近傍を示す。
【0014】
第3の態様では、取出部寄りの傾斜面の傾斜角度を、正面に対してこのような範囲にすることにより、数枚のシートがまとめて引き出されることを確実に抑制することができる。なお、正面に対する取出部寄りの傾斜面の傾斜角度が小さすぎると、引き出されるシートと隣り合うシートとの摩擦が大きくなって数枚がまとめで引き出される可能性がある。また、正面に対する取出部寄りの傾斜面の傾斜角度が大きすぎると、シートディスペンサー内でシートの残量が少なくなった場合にシートが底面に倒れ、上方に積層された隣り合うシートとの摩擦によって、数枚のシートがまとめて引き出される可能性がある。
【0015】
本発明に係る第4の態様は、前記取出部寄りに設けられて、前記前後方向と交差する左右方向に延びるロールバーを有する、シートディスペンサーを提供する。第4の態様では、このようなロールバーを正面の取出部寄りに設けることで、前後方向(Y方向)に積層された各シートは、取出部の手前でロールバーと傾斜部の傾斜面との間を通過する。これにより、シート積層体を構成するシートのうち最も正面側に位置するシート(引き出されるシート)の底面側の下端だけが、取出部にガイドされ易くなる。このため、第4の態様によれば、シートの詰まりを確実に抑制しながら、シートをスムーズに引き出すことができる。
【0016】
また、このような構成では、隣り合うシートの上下方向のずれが、正面の取出部寄りでさらに大きくなる。そのため、第4の態様によれば、シートディスペンサー内でシートの残量が少なくなった場合でも、数枚のシートがまとめて引き出されることを確実に抑制することができる。
【0017】
本発明に係る第5の態様は、第1~第4の態様のシートディスペンサーに着脱可能に取り付けられて、前記傾斜部を構成する、シートディスペンサー用アタッチメントを提供する。第5の態様では、このような傾斜部を構成するシートディスペンサー用アタッチメントを、従来の底面が平らなシートディスペンサー(シート積層体の積層方向が上下方向であるシートディスペンサー)に取り付けることで、従来の形態が異なるシートディスペンサーにおいても、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、シートの取出しが容易なシートディスペンサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るシートディスペンサーを示す図である。
図2】本実施形態(第1実施形態)に係るシートディスペンサーを正面から視た図である。
図3】本実施形態(第1実施形態)に係るシートディスペンサーを側面から視た図である。
図4図2のA-A線断面図である。
図5図4において、シート(シート積層体)を省略した図である。
図6】本実施形態(第1実施形態)に係るシートディスペンサーの傾斜部を示す図である。
図7】本実施形態(第2実施形態)に係るシートディスペンサーを側面から視た断面図において、シート(シート積層体)を省略した図である。
図8】本実施形態(第2実施形態)に係るシートディスペンサーの傾斜部を示す図である。
図9】本実施形態(第3実施形態)に係るシートディスペンサーを正面から視た断面図である。
図10】本実施形態(第3実施形態)に係るシートディスペンサーを側面から視た図である。
図11図9のB-B線断面図である。
図12】従来のシートディスペンサーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、理解を容易にするため、各図における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、以下に示す説明では、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0021】
本明細書では、シートディスペンサーの上下方向(高さ方向)の一方を上または上方といい、他方を下または下方という場合がある。また、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用いる。なお、X方向は、後述するシートディスペンサーの側面が対向する方向(図1の左右方向)であり、Y方向は、X方向と水平に直交する方向(正面と背面とが対向する方向または前後方向)であり、Z方向は、X方向とY方向とのいずれにも直交する方向(天面と底面とが対向する方向または上下方向)である。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るシートディスペンサーを示す図である。図2は、本実施形態(第1実施形態)に係るシートディスペンサーを正面から視た図である。図3は、第1実施形態に係るシートディスペンサーを側面から視た図である。図4は、第1実施形態に係るシートディスペンサーを側面から視た断面図である。図5は、第1実施形態に係るシートディスペンサーの傾斜部を示す図である。
【0023】
本発明の実施形態に係るシートディスペンサー100は、図1図4に示すように、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLを収容する本体部10を有する。本体部10は、天面11、底面12、正面13、背面14、側面15および側面16を有する直方体形状の箱体である。
【0024】
天面11は、上下方向(Z方向)の上方に設けられている。底面12は、上下方向(Z方向)の下方に設けられて天面11と上下方向(Z方向)に対向する。正面13は、前後方向(Y方向)の前方に設けられて底面12に連続する。背面14は、前後方向(Y方向)の後方に設けられて正面13と前後方向(Y方向)に対向し、かつ底面12に連続する。そして、側面15および側面16は、上下方向(Z方向)と直交しかつ前後方向(Y方向)とも直交する左右方向(X方向)に対向して、天面11、底面12、正面13、および背面14とともに本体部10内にシート積層体SLを収容する空間を形成する。
【0025】
また、本体部10の正面13の底面12寄りには、取出部20が設けられている。取出部20は、正面13に設けられおり、シートSTをシートディスペンサー100(本体部10)内からシートSTを取り出すことができる。ここで、正面13の底面12寄りは、正面13の上下方向(Z方向)の中央より下方側を示す(図1図2参照)。すなわち、シートSTは、正面13の上下方向(Z方向)の中央より下方側から取り出される。
【0026】
取出部20の形状は、特に限定されないが、例えば、図1図2に示すように、正面13に開口する矩形状の取出口21を設けることができる。取出口21が設けられる位置は、後述するシート積層体SL(シートST)の形態や用途等に応じて適宜決めることができるが、取出口21の下端が底面12の高さと略同じ高さであることが好ましい。すなわち、取出口21の下端と底面12との間に段差を設けない方が好ましい。
【0027】
また、矩形状の取出口21の幅中央に、上方に凸となるように湾曲する湾曲部22を設けてもよい。このような湾曲部22を設けることにより、取出部20からシートSTを取り出す際に、湾曲部22からシートディスペンサー100の本体部10内に手指を挿入することができるため、シートSTの引き出しが容易になる。
【0028】
なお、取出部20の寸法は、取り出されるシートSTの寸法に応じて、任意に定めることができる。例えば、左右方向(X方向)におけるシートSTの幅寸法に対して、取出部20の取出口21の長さは、好ましくは約-8~25mmであり、より好ましくは約-5~10mmである。また、取出部20を正面13の底面12寄りに設ける場合、底面12からの距離は、任意であるが、例えば、取出部20の取出口21と底面12との間隔が、好ましくは約0~30mm、より好ましくは約0~15mmである。
【0029】
なお、シートディスペンサー100の形状は、直方体形状に限定されず、例えば、立方体形状でもよい。また、シートディスペンサー100の材質は、特に限定されず、例えば、ABS、ポリスチレン、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂、段ボール等の紙、ステンレス等の金属を用いることができる。
【0030】
また、シートディスペンサー100の形態は、特に限定されないが、本体部10の天面11を蓋体にして天面11から本体部10内にシート積層体SLを収納するもの、本体部10の正面13、背面14、側面15及び/または側面16が開放する扉を設けて該扉から本体部10内にシート積層体SLを収納するもの等が挙げられる。また、シートディスペンサー100の設置態様は、特に限定されないが、例えば、底面12を介して台の上に置くもの、背面14を介して壁に掛けるもの等が挙げられる。
【0031】
シートディスペンサー100に収容されるシートSTは、図4に示すように、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLで構成されている。シート積層体SLは、シート積層体SLの積層方向LDが前後方向(Y方向)になるように、シートディスペンサー100の本体部10に収容される。すなわち、シート積層体SLがシートディスペンサー100の本体部10に収容された状態で、複数枚のシートSTは、シートディスペンサー100の前後方向(Y方向)に積層された状態で配置される。
【0032】
シート積層体SLは、複数枚のシートSTが個々に折り畳まれて1枚または1組ずつ引き出せるように積層されている。シートST(シート積層体SL)の折り返し回数は、少なくとも1回であり、好ましくは2回以上である。折り返し回数を多くすることにより、シートSTの寸法が小さくなるため、シートディスペンサー100の寸法を小さくすることができる。
【0033】
また、シート積層体SLの収納態様は、収納後のシート積層体SLの積層方向LDが前後方向(Y方向)であれば特に限定されないが、折り畳まれた各シートSTの折目部Fが本体部10の底面12側に配置された状態で、シート積層体SLが収納されているのが好ましい。このようなシート積層体SLの収納態様にすることで、取出部20からシートSTが1枚(または1組)ずつ引き出すことができる。
【0034】
シートST(シート積層体SL)の用途は、特に限定されず、ワイパー(ウエス)、ペーパータオル、キッチンペーパー、ティシュペーパー、トイレットペーパー等に用いることができる。また、これらのシートは、産業用、家庭用に限定されない。
【0035】
シートSTの材質は、特に限定されないが、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙シートである。なお、シートSTが紙シートの場合、原紙の原料がパルプを主材とする紙が用いられる。パルプ組成は、ウエスにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
【0036】
また、シートST(紙シート)におけるパルプ組成は、例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを適宜の比率で使用することができる。特に、針葉樹パルプを広葉樹パルプと比較してより多い組成のパルプ組成であることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、50:50~100:0とすることができ、好ましくは70:30~100:0である。なお、シートST(紙シート)のパルプ組成に含まれるパルプには、古紙パルプを用いても良い。
【0037】
シートST(紙シート)の坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は15~160g/m、不織布の場合は40~200g/mのものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定される。
【0038】
また、紙シートの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSTを構成する紙シートの紙厚は、1プライあたり、好ましくは50~500μmであり、より好ましくは60~330μm程度である。
【0039】
なお、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用い、4プライ製品であれば、4プライのまま測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーは載せるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は1枚のシートにつき4点以上測定して得られる平均値とする。
【0040】
また、シートSTを構成する紙シートには、エンボス加工が施されていても良い。このようなエンボス加工は、公知のピンエンボス付与方法により、図示しないピンを紙シートに刺して、紙シートの一方の面上にピンエンボスを形成するものである。
【0041】
シートSTのプライ数は、特に限定されないが、1プライ以上にすることができ、好ましくは2プライ(2枚重ね)以上、さらに好ましくは4プライ(4枚重ね)である。なお、2プライ(2枚重ね)以上のシートSTにエンボス加工を行う場合は、紙シートを2プライ(2枚重ね)にした状態で上述のピンエンボスを付与することができる。
【0042】
本実施形態では、図4図5に示すように、底面12に傾斜部30が設けられている。傾斜部30は、背面14から正面13の取出部20に向かって下降する傾斜面31を備える傾斜部30と有する。なお、背面14から正面13の取出部20に向かって下降する傾斜面31は、傾斜面31が正面13の取出部20に連続して配置され、上下方向(Z方向)における底面12から傾斜面31までの高さが背面14から正面13に向かって低くなることを示す。
【0043】
傾斜部30のうち、表面が本体部10の背面14から正面13に向かって下降するように傾斜する傾斜部30の形状は、特に限定されないが、例えば、図6に示すように本実施形態(第1実施形態)のシートディスペンサー100に設けられた形状を有する(図5図6参照)。
【0044】
具体的には、本実施形態(第1実施形態)のシートディスペンサー100では、図6に示すように、傾斜部30が、傾斜面31と支持部32とを有する。傾斜面31は、背面14から正面13に向かって下降する平面形状を有する。すなわち、傾斜面31は、図5図6に示すように、正面13から背面14に向かって右肩上がりに傾斜している。また、支持部32は、傾斜面31を背面14側で支持するように上下方向(Z方向)に延びる形状を有する。
【0045】
本実施形態(第1実施形態)では、正面13の底面12寄りに設けられた取出部20に向かって背面14から傾斜面31が下降する傾斜部30が、本体部10の底面12に設けられている。そして、このような傾斜部30が設けられた状態で、各シートSTが折り畳まれた状態で本体部10の前後方向(Y方向)に複数枚積層されたシート積層体SLがシートディスペンサー100に収容されている。
【0046】
このような構成では、シート積層体SLを構成する各シートSTが積層方向LDにばらけた状態で本体部10内に収容されるため、引き出される正面13側のシートSTが、積層される背面14側のシートSTによって上下方向(Z方向)に押さえ付けられることがない。これにより、第1実施形態では、シートディスペンサー100内にシートSTが詰まりにくく、各シートSTを取出部20から引き出すことができる。
【0047】
また、第1実施形態では、背面14から正面13の取出部20に向かって下降する傾斜面31に沿って、シート積層体SLの積層方向LDが前後方向(Y方向)となるようにシートディスペンサー100に収容されることで、隣り合うシートSTの底面12側の下端が前後方向(Y方向)に重ならない。すなわち、隣り合うシートSTが上下方向(Z方向)にずれて重なるように前後方向(Y方向)に積層される複数枚のシートST(シート積層体SL)がシートディスペンサー100内に収容される。これにより、第1実施形態では、前後方向(Y方向)に積層された隣り合うシートSTとの摩擦が小さくなるため、数枚のシートSTがまとめて引き出されることを抑制することができる。
【0048】
このように、第1実施形態では、シートディスペンサー100内にシートSTが詰まり難く、またシートSTを最後まで1枚ずつ引き出すことができる。したがって、第1実施形態によれば、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を提供することができる。
【0049】
図7は、本実施形態(第2実施形態)に係るシートディスペンサーを側面から視た断面図において、シート(シート積層体)を省略した図である。図8は、第2実施形態に係るシートディスペンサーの傾斜部を示す図である。
【0050】
本実施形態(第2実施形態)では、傾斜部30が、上下方向(Z方向)の上方に向かって凸となるように傾斜する傾斜面31を有する。具体的には、図7図8に示すように、傾斜部30は、傾斜面31と支持部32とを有する点で、第1実施形態における傾斜部30と共通する。しかし、第2実施形態における傾斜部30の傾斜面31が上方に向かって凸となる曲面である点で、第1実施形態(傾斜面31が平面である傾斜部30)と異なる。
【0051】
このような第2実施形態の構成では、上下方向(Z方向)の上方に向かって凸となるように傾斜部30の傾斜面31を傾斜させることで、正面13に対する傾斜面31の傾斜角度θが、背面14側よりも正面13の取出部20側で小さくなる(図7図8参照)。これにより、第2実施形態では、前後方向(Y方向)に積層された各シートSTが、底面12に沿って正面13の取出部20に向かってガイドされ易くなるため、シートディスペンサー100内にシートSTがさらに詰まり難くなる。
【0052】
また、第2実施形態では、前後方向(Y方向)に積層される複数枚のシートSTにおいて隣り合うシートSTの上下方向(Z方向)のずれが、背面14側よりも正面13の取出部20側で大きくなる。これにより、前後方向(Y方向)に積層された各シートSTは、背面14側よりも正面13側に向かって隣り合うシートST間の摩擦が小さくなっていき、該シートST間の摩擦は、取出部20の手前で最も小さくなる。そのため、第2実施形態によれば、シートディスペンサー100内でシートSTの残量が少なくなった場合に、数枚のシートSTがまとめて引き出されることをさらに抑制することができる。
【0053】
なお、本実施形態(第1実施形態および第2実施形態)では、図5図8に示すように、傾斜部30が、取出部20寄りの傾斜面31の傾斜角度(以下、傾斜角度θという)を有する。この傾斜角度θは、特に限定されないが、正面13に対して20~60度にするのが好ましく、より好ましくは25~50℃であり、さらに好ましくは30~45度である。なお、取出部20寄りは、取出部20の左右方向(X方向)に沿う取出部20の近傍17を示す。
【0054】
本実施形態では、傾斜角度θを、正面13に対してこのような範囲にすることにより、数枚のシートSTがまとめて引き出されることを確実に抑制することができる。なお、正面13に対する取出部20寄りの傾斜面31の傾斜角度θが小さすぎると、引き出されるシートSTと隣り合うシートSTとの摩擦が大きくなって数枚がまとめで引き出される可能性がある。また、本実施形態では、正面13に対する取出部20寄りの傾斜面31の傾斜角度θが大きすぎると、シートディスペンサー100内でシートSTの残量が少なくなった場合にシートSTが底面12に倒れる。シートSTが底面12に倒れると、上方に積層された隣り合うシートSTとの摩擦によって、数枚のシートSTがまとめて引き出される可能性がある。
【0055】
図9は、本実施形態(第3実施形態)に係るシートディスペンサーを正面から視た断面図である。図10は、第3実施形態に係るシートディスペンサーを側面から視た図である。図11は、第3実施形態に係るシートディスペンサーを側面から視た断面図である。
【0056】
第3実施形態のシートディスペンサー100では、前後方向(Y方向)と交差する左右方向に延びるロールバー40が、取出部20寄り(取出部20の近傍17)に設けられている。具体的には、ロールバー40は、図9図11に示すように、取出部20の近傍17に配置されて、ロールバー40の一端41が本体部10の側面15に固定され、ロールバー40の他端42が本体部10の側面16に固定されている。
【0057】
ロールバー40の材質は、特に限定されないが、例えば、金属、プラスチック、セラミック等の棒状部材が挙げられる。またロールバー40の形態は、特に限定されないが、例えば、棒状部材の場合は断面形状が円形であることが好ましい。また、断面形状が円形の場合は、ロールバー40を軸として回動するものでも、回動しないものでもよい。
【0058】
また、ロールバー40の形態は、特に限定されず、図9図11に示すように、1本の直線状の棒状部材を用いることができる。なお、ロールバーの形状は、直線状に限らず、ロールバーの全部または一部(例えば中央部分)を湾曲させてもよい。また、ロールバー40の本数は、1本に限定されず、複数本のロールバーを用いてもよい。なお、2本のロールバーを用いる場合は、本体部10の側面15、16寄りそれぞれ1本ずつ配置するのが好ましい。
【0059】
第3実施形態では、このようなロールバー40を正面13の取出部20寄りに設けることで、前後方向(Y方向)に積層された各シートSTは、取出部20の手前でロールバー40と傾斜部30の傾斜面31との間を通過する。これにより、シート積層体SLを構成するシートSTのうち最も正面13側に位置するシートST(引き出されるシートST1)の底面12側の下端F1だけが、取出部20にガイドされ易くなる(図11参照)。これにより、第3実施形態では、シートSTの詰まりを確実に抑制しながら、シートSTをスムーズに引き出すことができる。
【0060】
また、このような構成では、隣り合うシートSTの上下方向(Z方向)のずれが、正面13の取出部20寄りでさらに大きくなる。そのため、第3実施形態では、シートディスペンサー100内でシートSTの残量が少なくなった場合でも、数枚のシートSTがまとめて引き出されることを確実に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、傾斜部30をシートディスペンサー用アタッチメントとして提供してもよい(図3図5参照)。シートディスペンサー用アタッチメントは、上述のシートディスペンサー100に着脱可能に取り付けられる。そして、シートディスペンサー用アタッチメントは、上述の傾斜部30を構成することができる。
【0062】
シートディスペンサー用アタッチメントの形態は、特に限定されないが、例えば、図6に示すように、第1実施形態における傾斜部30(傾斜面31および支持部32)を構成する傾斜片で構成することができる。また、図5に示すように、第2実施形態における傾斜部30は、図6に示すシートディスペンサー用アタッチメント(第1実施形態における傾斜部30)の傾斜面31の形態を上方に凸となる曲面にしただけである。
【0063】
このように、シートディスペンサー用アタッチメントが1つあれば、シートディスペンサー100の底面12に設けられる傾斜面31を、背面14から正面13に向かって下降する傾斜面31にしたり、またこのような傾斜面31の表面を平面にしたり、上方に凸となる曲面にしたりすることができる。
【0064】
このような傾斜部30を構成するシートディスペンサー用アタッチメントは、従来の底面12が平らなシートディスペンサー100(シート積層体SLの積層方向LDが上下方向(Z方向)であるシートディスペンサー100)に取り付けることで、従来の形態が異なるシートディスペンサー100においても、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を提供することができる。
【0065】
このように、本実施形態に係るシートディスペンサー用アタッチメントを用いることにより、上述した本実施形態のシートディスペンサー100のような専用品を用いなくても、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を提供することができる。そのため、本実施形態に係るシートディスペンサー用アタッチメントは、シートディスペンサー100の汎用性を高めることができる。
【実施例
【0066】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
【0067】
[シートディスペンサー(試験体)]
試験体として、シートディスペンサー100を用意した。シートディスペンサー100の寸法は、左右方向(X方向)の長さを約180mm、前後方向(Y方向)の長さを約140mm、上下方向(Z方向)の高さを約300mmとした。また、取出部20の寸法は、取出口21の寸法として左右方向(X方向)の長さを約150mm、上下方向(Z方向)の幅を約15mmとし、湾曲部22の寸法として高さを約15mm、幅を約35mmとした。さらに、取出部20の取出口21と天面11との間隔は、約265mmとし、取出部20の取出口21と底面12との間隔は、約50mmとした。
【0068】
[シート積層体]
シートディスペンサー100に1個のシート積層体SLを収容した。シート積層体SLは、50枚(1枚4プライの50組)のシートSTが個々に折り畳まれて積層されたシート積層体を用いた。また、シート積層体SLは、シート積層体SL(複数枚のシートST)の積層方向LDがシートディスペンサー100の前後方向(Y方向)になるようにシートディスペンサー100の本体部10に収容した。また、シート積層体SLは、折り畳まれた各シートSTの折目部Fが本体部10の底面12側に配置された状態で収納した。また、シート積層体SLを構成するシートSTには、産業用ワイパー(商品名「エリエール/プロワイプ」、大王製紙株式会社製、4プライ、寸法:縦約405mm、横315mm、坪量79.9g/m、紙厚403μm、クラーク剛度縦9.67、横14.9)を用いた。なお、坪量はJIS P8124に準拠し、紙厚はJIS P81218に準拠し、クラーク剛度はJIS P8143に準拠している。ここで、クラーク剛度は、数値が高いほど産業用ワイパーが硬めであることを示す。
【0069】
[引き出し性]
シートディスペンサー100の正面13の取出部20からシートSTを引き出したときの取出しやすさ(引き出し性)を評価した。引き出し性は、各実施例・比較例につき、シートST(産業用ワイパー)50枚(50組)を、乾いた手で1枚(1組)ずつ引き出した。評価基準は、以下のとおりである。
◎:片手でストレスなく取り出せた
〇:片手で取れるが出しづらい
×:取り出せない
【0070】
[保持性]
シートディスペンサー100内に収容された産業用ワイパー(シートST)を最後まで1組ずつ取り出せるかを確認、評価した。保持性の確認、評価は、乾いた手で1組ずつ引き出した。評価基準は、以下のとおりである。評価は、◎および○が良好であり、△および×は不良とした。
◎:最後まで1枚(1組)ずつ取り出せた
○:最後だけ2枚(2組)まとまって出てきた
×:途中または最後で2枚(2組)以上まとまって出てきた。
【0071】
以下、実施例および比較例について説明する。
【0072】
[実施例1]
試験体として、本体部10の底面12にシートディスペンサー用アタッチメント(傾斜部30)を配置したシートディスペンサー100を用いた(図1図6参照)。傾斜部30は、背面14から正面13に向かって下降するように傾斜面31が傾斜するように配置した。傾斜部30(傾斜面31)の表面は平面であり、取出部20寄り傾斜角度θは約50度とした。また、支持部32の上下方向(Z方向)の高さを約95mmとした。この試験体について、引出し性および保持性を評価した。結果を表1に示す。
【0073】
[実施例2]
シートディスペンサー用アタッチメントとして、傾斜部30(傾斜面31)の表面が上方に凸となる曲面であり、取出部20寄りの傾斜角度θを約35度とした以外は、実施例1と同様に試験体を用意し(図1図7図8参照)、評価した。結果を表1に示す。
【0074】
[実施例3]
シートディスペンサー100の本体部10の取出部20寄り(取出部20の近傍17)の側面15および側面16に、前後方向(Y方向)と交差する左右方向に延びるロールバー40を設けた以外は、実施例1と同様に試験体を用意し(図9図11参照)、評価した。結果を表1に示す。
【0075】
[比較例1]
従来の底面12が平らなシートディスペンサー100を用い、シートディスペンサー用アタッチメント(傾斜部30)を配置せず、シート積層体SL(複数枚のシートST)の積層方向LDがシートディスペンサー100の上下方向(Z方向)になるようにシートディスペンサー100の本体部10にシート積層体SLを収容し、また、折り畳まれた各シートSTの折目部Fが本体部10の正面13側に配置された状態でシート積層体SLを収納した以外は、実施例1と同様に、試験体を用意し、評価した(図12参照)。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1より、本体部10の底面12にシートディスペンサー用アタッチメント(傾斜部30)を配置した、シート積層体SL(複数枚のシートST)の積層方向LDがシートディスペンサー100の前後方向(Y方向)になるようにシート積層体SLが収容されたシートディスペンサー100は、いずれも、引出し性、保持性がともに◎または○(良好)であった(実施例1~3)。
【0078】
一方、本体部10の底面12にシートディスペンサー用アタッチメント(傾斜部30)を配置せず、シート積層体SLがシート積層体SL(複数枚のシートST)の積層方向LDがシートディスペンサー100の上下方向(Z方向)になるようにシートディスペンサー100の本体部10に収容され、かつ、折り畳まれた各シートSTの折目部Fが本体部10の正面13側に配置された状態で収納されたシートディスペンサー100は、保持性がともに×(不良)であった(比較例1)。
【0079】
これらの結果から、シートディスペンサーにおいて、シート積層体の積層方向を本体部の前後方向とし、背面から正面の取出部に向かって下降する傾斜面を備える傾斜部を本体部の底面に設けることにより、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーが得られることが判った。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
100 シートディスペンサー
ST シート
ST1 最端部のシート
SL シート積層体
LD 積層方向
F 折目部
F1 下端
10 本体部
11 天面
12 底面
13 正面
14 背面
15 側面
16 側面
17 近傍
20 取出部
21 取出口
22 湾曲部
30 傾斜部(シートディスペンサー用アタッチメント)
31 傾斜面
32 支持部
40 ロールバー
41 一端
42 他端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12