(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20220531BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20220531BHJP
G02B 13/16 20060101ALI20220531BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
G02B13/16
G03B21/14 Z
(21)【出願番号】P 2018076953
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2017242991
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514274487
【氏名又は名称】リコーインダストリアルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100090103
【氏名又は名称】本多 章悟
(72)【発明者】
【氏名】飛内 邦幸
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-158817(JP,A)
【文献】特開平03-139607(JP,A)
【文献】特開2013-37339(JP,A)
【文献】国際公開第2014/076897(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/150757(WO,A1)
【文献】特開2014-126603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
CODE V
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大側から縮小側に向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、正の屈折力を持つ第4レンズ群を配し、第4レンズ群中もしくは第4レンズ群の拡大側に開口絞りを固定的に配してなり、縮小側が略テレセントリックであり、
第1レンズ群中に、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズ:LPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズ:LNの2枚のレンズが拡大側から順に配されて、前記正レンズ:LPと前記負レンズ:LNの間に、縮小側に大きな曲率を持つ負の空気レンズが形成され、
ズーミングに際し、第4レンズ群および前記開口絞りが固定で、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群が光軸方向に独立して移動し、前記ズーミングによる全変倍域においてF値が一定である投射用ズームレンズ。
【請求項2】
請求項1記載の投射用ズームレンズであって、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群は、拡大側から縮小側へ移動し、第2レンズ群、第3レンズ群は、縮小側から拡大側へ移動し、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群の移動量:DP1G、第2レンズ群の移動量:DP2Gが、条件:
(1) 0.1 < DP1G/DP2G < 2.0
を満足する投射用ズームレンズ。
【請求項3】
請求項1または2記載の投射用ズームレンズであって、
拡大側の共役点が無限遠の時の空気中におけるバックフォーカス:Bf、広角端における全系の焦点距離:fW、第1レンズ群の焦点距離:f1が、条件:
(2) 1.0 < Bf/fW < 2.7
(3) 1.7 <|f1/fW|< 10.0
を満足する投射用ズームレンズ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
第1レンズ群中の負レンズ:LNのアッベ数:νLN、部分分散比:θgFが、条件:
(4) 0.01< θgF-(0.6438-0.001682νLN) <0.05
を満足する投射用ズームレンズ。
【請求項5】
請求項
1~4の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
第2レンズ群は1枚の正レンズで構成され、該正レンズのd線に対する屈折率:N2Gが、条件:
(5) 1.8 < N2G
を満足する投射用ズームレンズ。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
第1レンズ群は、拡大側から縮小側へ向かって順に、1aサブレンズ群、負の屈折力を持つ1bサブレンズ群、正の屈折力を持つ1cサブレンズ群を配してなり、拡大側の共役点を遠距離から近距離方向へ移動させるフォーカシングに際して、前記1cサブレンズ群が光軸上を拡大側から縮小側に移動するとともに、前記1aサブレンズ群と前記1bサブレンズ群の間隔が変化する投射用ズームレンズ。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の投射用ズームレンズ
を搭載してなる投射型画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子やDMD等の「画像表示素子」に表示された小さい原画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型画像表示装置はプロジェクタ等として広く知られ、被投射面との距離に煩わされることなく、投射画像のサイズを変更できる「投射用ズームレンズ」を搭載したプロジェクタは、その使い易さから広く普及している。
投射用ズームレンズは、従来から種々のタイプのものが知られているが、最も拡大側に「負の屈折力のレンズ群」を配した「ネガティブリード」型のものは、広画角、縮小側のテレセントリック性、長いバックフォーカス等、投射用ズームレンズに適した光学的特性を実現し易いものとして知られている(例えば、特許文献1~3)。
【0003】
ズームレンズは一般に、ズーミングによってそのF値(開口数:Fナンバ)が変動し、広角端より望遠端のF値が大きく、暗くなり易い。
ズーミングに伴うF値の変動を抑制することについては、特許文献1に記載があり、特許文献2、3に開示された投射用ズームレンズは、ズーミングに伴うF値の変動が抑制されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、広角端から望遠端に至る全変倍域においてF値が一定で、ネガティブリード型の新規な4群構成の投射用ズームレンズの実現を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の投射用ズームレンズは、拡大側から縮小側に向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、正の屈折力を持つ第4レンズ群を配し、第4レンズ群中もしくは第4レンズ群の拡大側に開口絞りを固定的に配してなり、縮小側が略テレセントリックであり、第1レンズ群中に、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズ:LPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズ:LNの2枚のレンズが拡大側から順に配されて、前記正レンズ:LPと前記負レンズ:LNの間に、縮小側に大きな曲率を持つ負の空気レンズが形成され、ズーミングに際し、第4レンズ群および前記開口絞りが固定で、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群が光軸方向に独立して移動し、前記ズーミングによる全変倍域においてF値が一定である。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、広角端から望遠端に至る全変倍域においてF値が一定で、ネガティブリード型の新規な投射用ズームレンズを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1の広角端と望遠端におけるレンズ構成を示す図である。
【
図2】実施例1の広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図3】実施例1の広角端におけるコマ収差を示す図である。
【
図4】実施例1の中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図5】実施例1の中間焦点距離におけるコマ収差を示す図である。
【
図6】実施例1の望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図7】実施例1の望遠端におけるコマ収差を示す図である。
【
図8】実施例2の広角端と望遠端におけるレンズ構成を示す図である。
【
図9】実施例2の広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図10】実施例2の広角端におけるコマ収差を示す図である。
【
図11】実施例2の中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図12】実施例2の中間焦点距離におけるコマ収差を示す図である。
【
図13】実施例2の望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図14】実施例2の望遠端におけるコマ収差を示す図である。
【
図15】実施例3の広角端と望遠端におけるレンズ構成を示す図である。
【
図16】実施例3の広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図17】実施例3の広角端におけるコマ収差を示す図である。
【
図18】実施例3の中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図19】実施例3の中間焦点距離におけるコマ収差を示す図である。
【
図20】実施例3の望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図21】実施例3の望遠端におけるコマ収差を示す図である。
【
図22】実施例4の広角端と望遠端におけるレンズ構成を示す図である。
【
図23】実施例4の広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図24】実施例4の広角端におけるコマ収差を示す図である。
【
図25】実施例4の中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図26】実施例4の中間焦点距離におけるコマ収差を示す図である。
【
図27】実施例4の望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図28】実施例4の望遠端におけるコマ収差を示す図である。
【
図29】実施例5の広角端と望遠端におけるレンズ構成を示す図である。
【
図30】実施例5の広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図31】実施例5の広角端におけるコマ収差を示す図である。
【
図32】実施例5の中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図33】実施例5の中間焦点距離におけるコマ収差を示す図である。
【
図34】実施例5の望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図35】実施例5の望遠端におけるコマ収差を示す図である。
【
図36】実施例1の投射用ズームレンズが広角端で、投射距離2700mmから1550mmにフォーカシングする様子を示す図である。
【
図37】実施例1の広角端で、投射距離1550mmにおける球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【
図38】実施例1の広角端で、投射距離1550mmにおけるコマ収差を示す図である。
【
図39】投射型画像表示装置の実施の1形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上に記載した投射用ズームレンズの構成、即ち「拡大側から縮小側に向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、正の屈折力を持つ第4レンズ群を配し、第4レンズ群中もしくは第4レンズ群の拡大側に開口絞りを固定的に配してなり、縮小側が略テレセントリックで、ズーミングに際し、第4レンズ群および前記開口絞りが固定で、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群が光軸方向に独立して移動し、前記ズーミングによる全変倍域においてF値が一定」である構成を「構成1」という。
【0009】
以下、実施の形態に即して説明する。
図1、
図8、
図15、
図22、
図29に、投射用ズームレンズの実施の形態を5例、例示する。勿論、この発明の投射用ズームレンズは、これら実施の形態に限定されるものではない。
図1、
図8、
図15、
図22、
図29に示す実施の形態は、この順序で、後述の具体的な実施例1ないし5に対応している。
これらの図において、上の図は「広角端におけるレンズ構成」を示し、下の図は「望遠端におけるレンズ構成」を示す。図の左方が拡大側(被投射面側)であり、右方が縮小側(画像表示素子側)である。繁雑を避けるため、上記各図を通じて符号を共通化する。
即ち、符号G1、G2、G3、G4により、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、第4レンズ群を示し、符号Sにより「開口絞り」を示す。さらに、符号MDにより「画像表示素子」を示す。これらの実施の形態においては、画像表示素子MDとして「液晶パネル」が想定され、図中の符号CGは液晶パネルの画像表示面のカバーガラスを示している。
また、これら実施の形態では、赤・緑・青の各色成分の画像を合成してカラー画像を拡大投射するものが想定され、上記各図における符号Pは「色合成用のプリズム」を示している。図に示す画像表示素子MDは「緑色画像成分用の液晶パネル」を代表して示し、他の2色の画像表示素子は図示を省略されている。
【0010】
上記各図に示すように、投射用ズームレンズは、拡大側から縮小側へ向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群G1、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4を配し、第4レンズ群中もしくは第4レンズ群の拡大側に開口絞りSを固定的に配してなる。
投射用ズームレンズは、縮小側が略テレセントリックであり、ズーミングに際し、第4レンズ群G4および開口絞りSが固定で、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3が光軸方向に独立して移動する。
また、ズーミングによる全変倍域においてF値が一定である。「ズーミングによる全変倍域においてF値が一定」は、F値が全変倍域において厳密に一定である場合のみならず、実質的に一定である場合も含む。
【0011】
この発明の投射用ズームレンズは、上記の如く、拡大側から「負・正・正・正の屈折力」を持つ4つのレンズ群から構成されている。第4レンズ群G4と開口絞りSとは「固定」であるから、ズーミングに際して移動しない。
ズーミングに際しては、第1レンズ群G1ないし第3レンズ群G3の3つのレンズ群が独立して光軸上を移動し、最適位置に配分されることで全ズーム域に亘り「良好な光学性能」が実現される。
開口絞りSと第4レンズ群G4は固定されているので、画像表示素子MDから出て開口絞りSを通過する光束径は常時「一定」である。第4レンズ群G4は正の屈折力を持つので「開口絞りSから拡大側へ出ていくマージナル光線」の光軸に対する角度は緩やかであり、第1レンズG1乃至第3レンズ群G3をズーミングで光軸上を移動させても「マージナル光線が全く遮られない」ようにできF値をズーミングに関わらず一定にできる。
また、投射用ズームレンズの明るさを決める開口絞りSは、第4レンズ群G4中もしくは第4レンズ群G4の拡大側に固定的に配され、開口絞りSの中心を通過する主光線もズーミングに際して変化しないので、全ズーム域に亘り良好なテレセントリック性が実現される。
広角端から望遠端へのズーミングに際しての、第1レンズ群G1ないし第3レンズ群G3の移動は、上記の如く「互いに独立」であるが、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群G1は拡大側から縮小側へ移動し、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3は、縮小側から拡大側へ移動することができる。この構成を「構成2」という。
上記各図に実施の形態を示した投射用ズームレンズでは「広角端から望遠端へのズーミングに際する第1レンズ群G1ないし第3レンズ群G3の移動」が、上記構成2の如くなっている。レンズ全長は広角端側で長くなるので、第1レンズ群G1ないし第3レンズ群G3の移動を上記構成2の如くにすると「広角時の収差補正」が比較的容易となる。
【0012】
構成2の場合、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群G1の移動量:DP1G、第2レンズ群G2の移動量:DP2Gが、条件:
(1) 0.1 < DP1G/DP2G < 2.0
を満足するようにする。
【0013】
構成1または2の投射用ズームレンズはまた、拡大側の共役点が無限遠の時の空気中におけるバックフォーカス:Bf、広角端における全系の焦点距離:fW、第1レンズ群の焦点距離:f1が、条件:
(2) 1.0 < Bf/fW < 2.7
(3) 1.7 <|f1/fW|< 10.0
を満足することが好ましい。この構成を「構成3」という。
条件(1)と条件(2)、(3)とは「共に満足」されるようにしてもいし、条件(2)、(3)のみが満足されるようにしてもよい。
【0014】
上記構成1または2または3の投射用ズームレンズはまた、第1レンズ群G1中に、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズ:LPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズ:LNの2枚のレンズが拡大側から順に配されて、正レンズ:LPと負レンズ:LNの間に、「縮小側に大きな曲率を持つ負の空気レンズ」が形成されるように構成できる。この構成を「構成4」という。
【0015】
上記構成4に言う「曲率」の大小は「曲率の絶対値の大小」である。
構成4の投射用ズームレンズにおいては、第1レンズ群G1中の負レンズ:LNのアッベ数:νLN、部分分散比:θgFが、条件:
(4) 0.01< θgF-(0.6438-0.001682νLN) <0.05
を満足することが好ましい。条件(4)が満足される投射用ズームレンズの構成を「構成5」という。
【0016】
構成1ないし5の何れかの投射用ズームレンズは、第2レンズ群G2を1枚の正レンズで構成することができる。この構成を「構成6」という。
構成6の投射用ズームレンズでは、第2レンズ群G2を構成する1枚の正レンズのd線に対する屈折率:N2Gが、条件:
(5) 1.8 < N2G
を満足する。
【0017】
構成1ないし6の何れかの投射用ズームレンズは、第1レンズ群G1を「拡大側から縮小側へ向かって順に、1aサブレンズ群、負の屈折力を持つ1bサブレンズ群、正の屈折力を持つ1cサブレンズ群を配し、拡大側の共役点を遠距離から近距離方向へ移動させるフォーカシングに際して、1cサブレンズ群が光軸上を拡大側から縮小側に移動するとともに、1aサブレンズ群と1bサブレンズ群の間隔が変化する」ように構成することができる。この構成を「構成7」という。
【0018】
以下に、上に挙げた条件(1)~(5)の意義等を説明する。
条件(1)のパラメータ:DP1G/DP2Gは、広角端から望遠端へのズーミングにおける「第2レンズ群G2の移動量に対する第1レンズ群G1の移動量の比」である。なお、ここに言う「移動量」は移動方向によらない「変位の絶対値」であり、DP1G、DP2Gは共に正の数値である。
パラメータ:DP1G/DP2Gが、条件(1)の上限を超えると、第1レンズ群G1の移動量が大きくなり、広角端における「全長やレンズ外径」が過大となり、投射用ズームレンズが大型化し易い。
また、パラメータ:DP1G/DP2Gが、条件(1)の下限を超えると、第1レンズ群G1の移動範囲が制限され、高い光学性能の維持が困難になり易い。
【0019】
条件(1)を満足することにより、投射用ズームレンズの「コンパクト性と良好な光学性能をバランス」させることが容易になる。
【0020】
条件(2)のパラメータ:Bf/fWは、広角端における全系の焦点距離:fWに対する「拡大側の共役点が無限遠の時の空気中におけるバックフォーカス」の割合であり、パラメータ:Bf/fWが大きく(小さく)なると、広角端における焦点距離:fWが小さく(大きく)なったり、バックフォーカス:Bfが大きく(小さく)なったりする。
【0021】
焦点距離:fWが小さくなると、全系の屈折力が大きくなって「諸収差の補正」が困難となり易く、バックフォーカス:Bfが小さくなると、画像表示素子側の光学配置(前述のプリズムPの配置等)が困難になり易い。また、焦点距離:fWが大きくなると、全系の屈折力が小さくなって「投射画像が小さく」なり易く、バックフォーカス:Bfが大きくなりすぎると、投射用ズームレンズを含む投射型画像表示装置を大型化させ易い。
パラメータ:Bf/fWを条件(2)の範囲内とすることにより、投射用ズームレンズの光学性能と画像表示素子側の光学配置の容易さをバランスさせることができる。
【0022】
条件(3)のパラメータ:|f1/fW|は、広角端における全系の焦点距離:fWに対する第1レンズ群G1の焦点距離:f1の割合を絶対値で表すものであり、パラメータ:|f1/fW|が大きく(小さく)なると、第1レンズ群G1の負の屈折力が弱く(強く)なったり、全系の屈折力が強く(弱く)なったりする。
【0023】
第1レンズ群G1の負の屈折力が弱くなると、拡大側の画角が小さくなり、投射用ズームレンズとしては広画角の実現が困難となり易く、全系の屈折力が強くなると「諸収差の補正」が困難となり易い。
第1レンズ群G1の負の屈折力が強くなると、拡大側の画角は大きくなるが、コマ収差や像面湾曲等の収差を良好に保つことが困難となり易い。また、全系の屈折力が小さくなりすぎると「投射画像が過小」になり易い。
【0024】
条件(3)が成り立つ範囲では「広画角と光学性能の両立」が容易である。
従って、条件(2)と(3)とを合わせて満足させることにより、投射用ズームレンズのバックフォーカスと広画角と光学性能とを良好にバランスさせ易い。
【0025】
構成4の投射用ズームレンズでは、第1レンズ群G1内において、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズ:LPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズ:LNの2枚のレンズを拡大側から順に配することにより、正レンズ:LPと負レンズ:LNの間に、縮小側に大きな曲率を持つ「空気レンズ」を負レンズとして形成しており、倍率色収差を補正し易いレンズとなっている。
【0026】
構成5における条件(4)は、上記構成5における負レンズ:LNの材料に対する条件であって、この条件(4)を満足する材料で負レンズ:LNを構成することにより、倍率色収差を「有効に小さく」することができる。
【0027】
なお、条件(4)における部分分散比:θgFは、以下の如くに定義される。
即ち、光学ガラスの屈折率を「g線(435.83nm)に対してNg、F線(486.13nm)に対してNF、C線(656.27nm)に対してNC」とするとき、部分分散比θgFは、
θgF=(Ng-NF)/(NF-NC)
で定義される。
【0028】
負レンズ:LNを、アッベ数:νLNと部分分散比:θgFが条件(4)を満足する材質で構成することで投射用ズームレンズの倍率色収差を「より小さく」でき、広い画角に亘り良好な画像を得ることが可能となる。
【0029】
構成6の投射用ズームレンズでは、第2レンズ群G2が条件(5)を満足する1枚の正レンズで構成されている。
構成6のように、4群のレンズ群中に「1枚のレンズで構成されるレンズ群」を含めることにより、低コストでコンパクトな投射用ズームレンズの実現が可能になる。
【0030】
ところで、プロジェクタが広画角化すると、スクリーンまでの距離の変更により投射距離が変化した場合、「像面の平坦性」を維持しつつフォーカシングすることは必ずしも容易でない。
【0031】
構成7の投射用ズームレンズでは、第1レンズ群G1を「拡大側から、1aサブレンズ群、負の屈折力を持つ1bサブレンズ群、正の屈折力を持つ1cサブレンズ群の3つのサブレンズ群」で構成し、遠距離から近距離方向へのフォーカシングに際して、1cサブレンズ群が光軸上を拡大側から縮小側に移動すると共に、1aサブレンズ群と1bサブレンズ群の間隔を「1aサブレンズ群と1bサブレンズ群とのうちの少なくとも一方」を移動することにより、像面の平坦性を保持しつつ、広い投射距離範囲を持つことができるようにしている。
【0032】
投射用ズームレンズの具体的な実施例の説明の前に、投射型画像表示装置の実施の1形態を、
図39を参照して説明する。
図39は、投射型画像表示装置の1形態例であるプロジェクタを説明するための図である。
符号10で示す「プロジェクタ」は、図示を省略されたコンピュータ等から与えられる「画像情報」を被投射面S上にカラーの拡大投射画像として投射する装置である。
符号11は「コントローラ」、符号LRは「赤色光光源」、符号LGは「緑色光光源」、符号LBは「青色光光源」を示し、符号MDRは「赤色成分画像用の液晶パネル」、符号MDGは「緑色成分画像用の液晶パネル」を示し、符号MDBは「青色成分画像用の液晶パネルを示す。
符号Pは色合成用のプリズムを示す。プリズムPは「ダイクロイック膜を用いたクロスプリズム」である。
符号ZLNは「投射用ズームレンズ」を示す。この投射用ズームレンズZLNとして、請求項1~7の投射用ズームレンズ、例えば、後述の実施例1~5の投射用ズームレンズを用いることができる。
【0033】
コントローラ11は、コンピュータやCPUとして構成され、赤色光光源LR、緑色光光源LG、青色光光源LBの点滅や、投射用ズームレンズZLNのズーム機構やフォーカス機構を制御する。
コントローラ11はまた、外部から与えられる「画像情報」に応じて、液晶パネルMDR、MDG、MDBを制御し、これらに、赤色成分画像、緑色成分画像、青色成分画像を表示する。
液晶パネルMDRに表示された赤色成分画像は、赤色光光源LRからの赤色光により照射され、液晶パネルMDRを透過した赤色光は、赤色成分画像により強度変調されて「赤色画像光」となり、プリズムPに入射する。
液晶パネルMDGに表示された緑色成分画像は、緑色光光源LGからの緑色光により照射され、液晶パネルMDGを透過した緑色光は、緑色成分画像により強度変調されて「緑色画像光」となり、プリズムPに入射する。
液晶パネルMDBに表示された青色成分画像は、青色光光源LBからの青色光により照射され、液晶パネルMDBを透過した青色光は、青色成分画像により強度変調されて「青色画像光」となり、プリズムPに入射する。
プリズムPは、入射してくる赤色画像光、緑色画像光、青色画像光を「1光束」に合成し、カラー画像光として投射用ズームレンズZLNに入射させる。
カラー画像光は、投射用ズームレンズZNLにより、被投射面であるスクリーンS上に「画像情報によるカラー画像」を拡大投射する。
【0034】
以下、投射用ズームレンズの具体的な実施例を5例挙げる。
これら5例の実施例である実施例1ないし実施例5は、前述の如く、
図1、
図8、
図15、
図22、
図29図に示した実施の形態の具体的な数値例である。
実施例1~実施例5とも、投射用ズームレンズは、拡大側から縮小側に向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群G1、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4を配してなっている。
【0035】
また、何れの実施例においても、第1レンズ群G1は、望遠端の図に示すように、拡大側から1aサブレンズ群、1bサブレンズ群、1cサブレンズ群(それぞれ符号1a、1b、1cで示し、以下、サブレンズ群1a、サブレンズ群1b、サブレンズ群1cと呼ぶ。)の3つのサブレンズ群から成る。
サブレンズ群1bは、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズLPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズLNの2枚のレンズを配し、これら正レンズLPと負レンズLNの間に「縮小側に大きな曲率を持つ負の空気レンズ」を形成している。
また、サブレンズ群1cは「1枚の正レンズ」で構成されている。
【0036】
実施例1~実施例5をそれぞれ示す各図は、広角端・望遠端とも、投射距離(投射用ズームレンズの最も拡大側のレンズ面と被投射面であるスクリーンとの光軸上の距離):2700mmに合焦するように、上記各サブレンズ群1a~1cの間隔を調整した状態を示している。
【0037】
各実施例のデータ表記において、「面番号」は、投射用ズームレンズを構成する各レンズのレンズ面、開口絞りS、プリズムPの面を、拡大側(スクリーン側)から縮小側(画像表示素子側)へ数えた番号で表しており、スクリーンを「物面」、画像表示素子(液晶パネルが想定されている。)の画像表示面を「像面」として表記している。
「R」により各面(開口絞りSの面および、色合成用のプリズムP、カバーガラスCGの面を含む)の曲率半径(非球面にあっては近軸曲率半径)を表し、「D」により光軸上の面間隔を表す。
「Nd」及び「νd」により、各レンズの材質の「d線に対する屈折率とアッべ数」を示す。「像高」は光軸から画像表示面の最大高さ、「BF」は拡大側の共役点が無限遠の時の空気中(プリズム、カバーガラスのない状態)における最も縮小側のレンズ面から近軸像までの距離(バックフォーカス)を表し、「レンズ全長」は最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの距離で表す。
長さの次元を持つ量の単位は、特に断らない限り「mm」である。
【0038】
以下の実施例の投射用ズームレンズには非球面レンズが含まれるが「非球面の形状」は、光軸と非球面の交点を原点とし、光軸に対する高さ:h、光軸方向の変位:Z、近軸曲率半径:R、円錐定数:K、n次の非球面係数:An、として、周知の式:
Z=(1/R)・h2/[1+√{1-(1+K)・(1/R)2・h2}]
+A4・h4+A6・h6+A8・h8+・・・+An・hn
で表し、上記R、K、An、を与えて形状を特定する。なお、非球面を採用した面は、面番号に「*印」を付して示している。
【0039】
「実施例1」
実施例1は
図1に広角端(上図)と望遠端(下図)のレンズ構成を示したものである。
【0040】
第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4は何れも複数枚のレンズで構成され、第3レンズ群G3は1枚の正メニスカスレンズ(凸面を拡大側に向けている。)により構成されている。
開口絞りSは、第4レンズ群G4における最も拡大側のレンズの「拡大側の面」に近接して固定的に設けられている。
以下に、投射距離:2700mmの場合における実施例1のデータを示す。
「レンズデータ」
面番号 R D Nd νd
物面 ∞ 2700.000
1 114.618 3.500 1.48749 70.44
2 54.709 4.074
3 60.770 17.000 1.92286 20.88
4 102.279 5.000
5 111.779 2.750 1.49700 81.61
6 39.599 13.028
7* 148.678 2.200 1.49710 81.56
8* 41.011 11.593
9 -196.388 2.000 1.49700 81.61
10 81.610 22.928
11 -93.776 10.997 2.00100 29.13
12 -60.028 1.567
13 -51.963 6.963 1.92286 20.88
14 -95.916 1.030
15 414.322 10.553 1.49700 81.61
16 -69.792 (可変)
17 80.858 3.000 1.85478 24.80
18 40.491 0.200
19 40.631 8.288 1.80610 33.27
20 124.218 (可変)
21 145.482 4.159 1.49700 81.61
22 1434.729 (可変)
23(絞り) ∞ 0.586
24 -209.853 3.000 1.49700 81.61
25 -111.085 13.272
26 -38.171 2.000 1.70154 41.15
27 114.986 2.309
28* 59.121 9.929 1.49710 81.56
29* -39.140 0.200
30 103.020 2.000 1.72342 37.99
31 47.443 2.264
32 86.362 12.522 1.49700 81.61
33 -30.834 0.200
34 -31.066 1.300 1.85026 32.27
35 237.978 0.500
36 287.469 8.663 1.92286 20.88
37 -55.202 0.200
38 107.474 8.068 1.49700 81.61
39 -109.500 11.000
40 ∞ 52.000 1.51680 64.17
41 ∞ 5.700
42 ∞ 3.000 1.48640 65.40
43 ∞ 0.300
像面 ∞ 。
「非球面データ」
非球面のデータを以下に示す。
「第7面」
K=14.487449、
A4=-3.942359×10-7、
A6=-1.825420×10-9、
A8=1.319733×10-12、
A10=-4.961563×10-16、
A12=-9.173501×10-20
「第8面」
K=1.804924×10-1、
A4=-1.853522×10-6、
A6=-2.994599×10-9、
A8=5.834780×10-13、
A10=1.544799×10-16、
A12=-6.299101×10-19
「第28面」
K=-2.585589、
A4=-7.187182×10-8、
A6=1.148045×10-9、
A8=-4.755433×10-12、
A10=1.928669×10-14、
A12=-2.895439×10-17
「第29面」
K=1.593398、
A4=4.389851×10-6、
A6=4.345218×10-9、
A8=4.293337×10-12、
A10=9.280262×10-15、
A12=1.567078×10-17 。
【0041】
「可変間隔」
上に示したレンズデータにおいて「可変」と表示された面間隔が「可変間隔」であり、広角端・中間焦点距離(中間と表示)・望遠端の各ズーム位置における可変間隔の値を以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
D16 60.562 30.495 4.651
D20 2.000 6.307 8.135
D22 9.593 16.693 24.193 。
【0042】
「各種データ」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における各種データを以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
焦点距離 25.316 27.823 30.328
F値 2.0 2.0 2.0
半画角 32.63° 30.29° 28.21°
像高 16.000 16.000 16.000
BF 53.300 53.300 53.300
レンズ全長 270.000 251.341 234.823 。
【0043】
「各条件式のパラメータの値」
条件(1)ないし(4)の各パラメータの値を以下に示す。
(1)DP1G/DP2G = 1.697
(2)Bf/fW = 2.105
(3)|f1/fW|= 8.267
(4)θgF-(0.6438-0.001682νLN) = 0.0282 。
【0044】
実施例1の投射用ズームレンズの「広角端」における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図2に、コマ収差の図を
図3に示す。各収差図は、545nmの波長を持つ緑色光の収差を示すが、球面収差図、コマ収差図には赤、青の光を代表して波長:635nmと460nmの収差も示している。非点収差図におけるSはサジタル像、Mはメリディオナル像の収差を示す。
「中間焦点距離」における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図4に、コマ収差の図を
図5に、「望遠端」における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図6に、コマ収差の図を
図7に示す。
【0045】
上に示したデータは、上述の如く投射距離:2700mmにおけるものであるが、広角端の状態で、投射距離:2700mmから投射距離:1550mmへのフォーカシングの様子を
図36に示す。図の如く、投射距離:1550mmへのフォーカシングでは、1cサブレンズ群1cが光軸上を拡大側から縮小側に移動すると共に、サブレンズ群1bも独立に拡大側から縮小側へ移動してサブレンズ群1aとの間隔を変化させている。
【0046】
実施例1の投射用ズームレンズが、投射距離:1550mmにフォーカシングしたときのサブレンズ群1a、1b、1cの間隔(面間隔:D4、D14)と、サブレンズ群1cと第2レンズ群G2との間隔(面間隔:D16)を以下に示す。
【0047】
「投射距離:1550mm」
D4 5.976
D14 1.550
D16 59.066 。
【0048】
実施例1の広角端における投射距離1550mmでの球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図37に、コマ収差の図を
図38に示す。
【0049】
「実施例2」
実施例2は
図8に広角端(上図)と望遠端(下図)のレンズ構成を示したものである。
実施例2の投射用ズームレンズは、第2レンズ群G2が「1枚の正レンズ」で構成された例である。第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4は何れも複数枚のレンズで構成され、開口絞りSは、第4レンズ群G4における最も拡大側のレンズの「拡大側の面」に近接して固定的に設けられている。
【0050】
以下に、投射距離:2700mmの場合における実施例2のデータを示す。
「レンズデータ」
面番号 R D Nd νd
物面 ∞ 2700.000
1 106.475 15.200 2.00100 29.13
2 220.727 0.301
3 124.860 2.750 1.49700 81.61
4 39.850 14.797
5* 307.585 2.400 1.49710 81.56
6* 43.995 18.953
7 -56.784 2.000 1.75211 25.05
8 124.361 5.460
9 -227.051 7.001 1.92286 20.88
10 -67.272 4.686
11 -44.259 2.000 1.92286 20.88
12 -68.008 1.143
13 -71.087 7.457 1.49700 81.61
14 -45.906 (可変)
15 250.192 7.437 2.00100 29.13
16 -169.442 (可変)
17 197.701 9.413 1.49700 81.61
18 -45.054 0.200
19 -44.446 2.000 1.55298 55.07
20 -77.077 (可変)
21(絞り) ∞ 2.767
22 -95.565 2.000 1.67270 32.17
23 255.948 3.181
24 -52.160 3.622 1.75367 37.50
25 -98.918 6.104
26* 102.081 5.544 1.49710 81.56
27* -74.376 3.737
28 80.121 5.447 1.69895 30.05
29 56.062 1.626
30 103.243 11.158 1.49700 81.61
31 -28.331 0.215
32 -27.996 1.300 1.78470 26.29
33 92.968 0.500
34 100.437 16.000 1.92286 20.88
35 -60.534 5.251
36 59.052 11.000 1.49700 81.61
37 358.459 11.000
38 ∞ 32.000 1.51680 64.17
39 ∞ 5.700
40 ∞ 3.000 1.48640 65.40
41 ∞ 0.300
像面 ∞ 。
【0051】
「非球面データ」
非球面のデータを以下に示す。
「第5面」
K=61.859984、
A4=1.798782×10-6、
A6=-1.185521×10-9、
A8=9.774983×10-13、
A10=-3.965492×10-16、
A12=1.446459×10-19
「第6面」
K=7.329964×10-1、
A4=-8.599894×10-8、
A6=-2.502768×10-9、
A8=1.943342×10-12、
A10=-2.455757×10-15、
A12=9.117421×10-19
「第26面」
K=11.758452、
A4=-3.911935×10-7、
A6=1.636185×10-9、
A8=-1.203025×10-11、
A10=4.108715×10-14、
A12=-4.538341×10-17
「第27面」
K=3.356161、
A4=1.992653×10-6、
A6=2.513905×10-9、
A8=-9.939873×10-12、
A10=3.180958×10-14、
A12=-2.551441×10-17 。
【0052】
「可変間隔」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における可変間隔の値を以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
D14 13.016 6.263 1.000
D16 72.834 68.546 64.341
D20 1.500 11.231 20.434 。
【0053】
「各種データ」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における各種データを以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
焦点距離 25.235 27.767 30.303
Fナンバ 2.0 2.0 2.0
半画角 32.55° 30.03° 27.80°
像高 16.000 16.000 16.000
BF 40.114 40.114 40.114
レンズ全長 270.000 268.690 268.424 。
【0054】
「各条件式のパラメータの値」
条件(1)ないし(5)の各パラメータの値を以下に示す。
(1)DP1G/DP2G = 0.151
(2)Bf/fW = 1.590
(3)|f1/fW|= 1.864
(4)θgF-(0.6438-0.001682νLN) = 0.0282
(5)N2G = 2.00100 。
【0055】
実施例2の投射用ズームレンズの広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図9に、コマ収差の図を
図10に示す。また、中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図11に、コマ収差の図を
図12に、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図13に、コマ収差の図を
図14に示す。
【0056】
「実施例3」
実施例3は
図15に広角端及び望遠端におけるレンズ構成を示したものである。
第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4は何れも複数枚のレンズで構成され、第3レンズ群G3は1枚の両凸レンズ(縮小側の曲率が大きい)により構成されている。
開口絞りSは、第4レンズ群G4における最も拡大側のレンズの「拡大側の面」に近接して固定的に設けられている。
以下に、投射距離:2700mmの場合における実施例3のデータを示す。
「レンズデータ」
面番号 R D Nd νd
物面 ∞ 2700.000
1 111.988 21.000 1.80100 34.97
2 353.405 0.300
3 108.551 3.500 1.51742 52.15
4 43.816 20.341
5 1162.620 2.750 1.49700 81.61
6 109.151 4.616
7* -418.057 2.200 1.49710 81.56
8* 53.539 15.607
9 -60.127 2.000 1.64769 33.84
10 124.336 4.892
11 -295.755 7.729 2.00100 29.13
12 -63.180 5.069
13 -41.292 2.000 1.85896 22.73
14 -108.948 1.114
15 -113.795 11.000 1.49700 81.61
16 -45.584 (可変)
17 203.171 3.000 1.74950 35.33
18 111.286 1.094
19 135.399 9.000 2.00100 29.13
20 -196.122 (可変)
21 233.997 12.000 1.49700 81.61
22 -98.771 (可変)
23(絞り) ∞ 0.228
24 -719.282 2.481 1.68893 31.16
25 265.551 17.265
26 -42.036 2.000 1.90366 31.32
27 -99.248 0.200
28* 2101.383 5.878 1.49710 81.56
29* -45.695 0.200
30 119.627 2.000 1.90366 31.32
31 76.104 1.288
32 141.988 11.444 1.49700 81.61
33 -28.319 0.200
34 -28.050 4.492 1.80000 29.84
35 103.923 0.500
36 116.494 12.024 1.92119 23.96
37 -59.588 0.200
38 65.633 9.678 1.49700 81.61
39 -182.804 11.000
40 ∞ 42.000 1.51680 64.17
41 ∞ 5.700
42 ∞ 3.000 1.48640 65.40
43 ∞ 0.300
像面 ∞ 。
【0057】
「非球面データ」
非球面のデータを以下に示す。
「第7面」
K=-37.152181、
A4=2.035364×10-6、
A6=-1.486835×10-9、
A8=1.184204×10-12、
A10=-1.673910×10-16、
A12=2.125291×10-21
「第8面」
K=1.093743、
A4=4.746222×10-9、
A6=-2.039794×10-9、
A8=1.102163×10-12、
A10=-7.473956×10-16、
A12=7.969077×10-19
「第28面」
K=99.000000、
A4=5.695715×10-7、
A6=4.119019×10-9、
A8=-1.012245×10-11、
A10=4.685321×10-14、
A12=-2.976678×10-17
「第29面」
K=1.838004、
A4=2.959810E-06×10-6、
A6=4.783293E-09×10-9、
A8=-2.233030E-12×10-12、
A10=1.660811E-14×10-14、
A12=3.195174E-17×10-17 。
【0058】
「可変間隔」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における可変間隔の値を以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
D16 14.092 6.740 1.000
D20 75.121 69.569 64.273
D22 1.500 12.192 22.220 。
【0059】
「各種データ」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における各種データを以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
焦点距離 25.403 27.950 30.503
Fナンバ 2.0 2.0 2.0
半画角 32.32° 29.86° 27.67°
像高 16.000 16.000 16.000
BF 46.707 46.707 46.707
レンズ全長 290.000 287.789 286.781 。
【0060】
「各条件式のパラメータの値」
条件(1)ないし(4)の各パラメータの値を以下に示す。
(1)DP1G/DP2G = 0.326
(2)Bf/fW = 1.839
(3)|f1/fW|= 1.951
(4)θgF-(0.6438-0.001682νLN) = 0.0237 。
【0061】
実施例3の投射用ズームレンズの広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図16に、コマ収差の図を
図17に示す。中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図18に、コマ収差の図を
図19に、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図20に、コマ収差の図を
図21に示す。
【0062】
「実施例4」
実施例4は、
図22に広角端と望遠端におけるレンズ構成を示したものである。
【0063】
第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4は何れも複数枚のレンズで構成され、第3レンズ群G3は1枚の両凸レンズ(縮小側の曲率が大きい)により構成されている。
開口絞りSは、第4レンズ群G4における最も拡大側のレンズの「拡大側の面」に近接して固定的に設けられている。
以下に、投射距離:2700mmの場合における実施例4のデータを示す。
「レンズデータ」
面番号 R D Nd νd
物面 ∞ 2700.000
1 106.633 21.000 1.72342 37.99
2 427.284 0.300
3 170.178 3.500 1.48749 70.44
4 47.235 19.803
5 537.432 2.750 1.48749 70.44
6 64.471 5.466
7* 286.531 2.200 1.49710 81.56
8* 54.437 16.423
9 -60.774 2.000 1.56732 42.84
10 128.100 5.396
11 -248.768 7.235 2.00100 29.13
12 -68.141 5.369
13 -43.185 2.000 1.92286 20.88
14 -98.449 1.132
15 -103.303 10.883 1.49700 81.61
16 -46.284 (可変)
17 217.309 2.500 1.74950 35.33
18 127.562 1.348
19 167.365 9.000 2.00100 29.13
20 -178.035 (可変)
21 212.483 5.705 1.49700 81.61
22 -101.832 (可変)
23(絞り) ∞ 0.748
24 -152.981 2.000 1.74950 35.33
25 313.017 16.926
26 -39.736 2.285 1.95375 32.32
27 -66.341 1.733
28* 614.135 6.380 1.51633 64.07
29* -46.622 0.200
30 99.655 2.000 1.95000 29.37
31 62.036 1.218
32 91.701 11.953 1.49700 81.61
33 -31.060 0.230
34 -30.915 1.300 1.80000 29.84
35 116.551 0.500
36 132.765 11.422 1.92286 20.88
37 -76.908 1.117
38 82.897 9.617 1.49700 81.61
39 -101.970 11.000
40 ∞ 52.000 1.51680 64.17
41 ∞ 5.700
42 ∞ 3.000 1.48640 65.40
43 ∞ 0.300
像面 ∞ 。
【0064】
「非球面データ」
非球面のデータを以下に示す。
「第7面」
K=56.901336、
A4=1.482434×10-6、
A6=-1.545069×10-9、
A8=1.165322×10-12、
A10=-4.247046×10-17、
A12=-1.260937×10-19
「第8面」
K=1.121687、
A4=8.824482×10-8、
A6=-2.344765×10-9、
A8=1.563168×10-12、
A10=-4.784365×10-16、
A12=1.802333×10-19
「第28面」
K=64.173010、
A4=3.161508×10-7、
A6=2.635179×10-9、
A8=-9.254100×10-12、
A10=2.780843×10-14、
A12=-1.947356×10-17
「第29面」
K=1.850683、
A4=2.683265×10-6、
A6=3.895499×10-9、
A8=-2.669465×10-12、
A10=1.066311×10-14、
A12=1.172932×10-17 。
【0065】
「可変間隔」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における可変間隔の値を以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
D16 14.660 6.981 1.000
D20 80.200 74.367 68.942
D22 1.500 12.004 21.829 。
【0066】
「各種データ」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における各種データを以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
焦点距離 25.388 27.931 30.478
Fナンバ 2.0 2.0 2.0
半画角 32.34° 29.87° 27.68°
像高 16.000 16.000 16.000
BF 53.300 53.300 53.300
レンズ全長 290.000 286.992 285.411 。
【0067】
「各条件式のパラメータの値」
条件(1)ないし(4)の各パラメータの値を以下に示す。
(1)DP1G/DP2G = 0.506
(2)Bf/fW = 2.099
(3)|f1/fW|= 1.950
(4)θgF-(0.6438-0.001682νLN) = 0.0282 。
【0068】
実施例4の投射用ズームレンズの広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図23に、コマ収差の図を
図24に示す。中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図25に、コマ収差の図を
図26に、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図27に、コマ収差の図を
図28に示す。
【0069】
「実施例5」
実施例5は
図29に広角端及び望遠端におけるレンズ構成を示したものである。
【0070】
第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4は何れも複数枚のレンズで構成され、第3レンズ群G3は1枚の両凸レンズ(縮小側の曲率が大きい)により構成されている。
開口絞りSは、第4レンズ群G4における最も拡大側のレンズの「縮小側の面」に近接して固定的に設けられている。即ち、実施例5においては、開口絞りSは第5レンズ群G5の群内に設けられている。
以下に、投射距離:2700mmの場合における実施例5のデータを示す。
「レンズデータ」
面番号 R D Nd νd
物面 ∞ 2700.000
1 111.334 18.000 1.80610 33.27
2 441.176 0.300
3 249.515 3.500 1.48749 70.44
4 44.028 20.661
5 -9238.189 2.750 1.51680 64.20
6 106.798 2.000
7* 391.367 2.200 1.49710 81.56
8* 57.122 17.111
9 -64.048 2.000 1.57501 41.51
10 114.698 4.356
11 2397.226 8.644 2.00100 29.13
12 -80.888 5.939
13 -46.980 2.000 1.92286 20.88
14 -123.591 1.102
15 -124.621 10.998 1.49700 81.61
16 -50.435 (可変)
17 416.080 2.500 1.70154 41.15
18 174.850 0.631
19 201.499 9.000 2.00330 28.27
20 -170.065 (可変)
21 167.462 5.975 1.48749 70.44
22 -111.663 (可変)
23 -105.269 2.000 1.80610 33.27
24 3212.681 0.332
25(絞り) ∞ 20.192
26 -52.062 2.000 1.95000 29.37
27 -123.972 0.222
28* 165.408 5.658 1.51633 64.07
29* -58.736 0.200
30 114.999 2.000 1.95000 29.37
31 63.467 1.502
32 122.330 11.308 1.49700 81.61
33 -27.726 0.200
34 -27.905 1.632 1.80610 33.27
35 138.481 0.500
36 164.685 10.647 1.92119 23.96
37 -56.828 0.351
38 73.781 9.065 1.49700 81.61
39 -135.234 11.000
40 ∞ 62.000 1.51680 64.17
41 ∞ 5.700
42 ∞ 3.000 1.48640 65.40
43 ∞ 0.300
像面 ∞ 。
【0071】
「非球面データ」
非球面のデータを以下に示す。
「第7面」
K=99、
A4=1.858978×10-6、
A6=-1.427975×10-9、
A8=9.626988×10-13、
A10=-9.565907×10-17、
A12=1.547740×10-20
「第8面」
K=1.129596、
A4=4.985104×10-8、
A6=-2.351118×10-9、
A8=1.660536×10-12、
A10=-1.020311×10-15、
A12=5.282089×10-19
「第28面」
K=34.101408、
A4=3.085869×10-7、
A6=3.454313×10-9、
A8=-8.006743×10-12、
A10=3.516745×10-14、
A12=-1.723407×10-17
「第29面」
K=1.869507、
A4=2.435073×10-6、
A6=4.272971×10-9、
A8=-3.191354×10-12、
A10=1.795321×10-14、
A12=2.750137×10-17 。
【0072】
「可変間隔」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における可変間隔の値を以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
D16 15.222 7.189 1.000
D20 85.801 78.561 72.085
D22 1.500 12.108 21.918 。
【0073】
「各種データ」
広角端・中間・望遠端の各ズーム位置における各種データを以下に示す。
ズーム位置 広角端 中間 望遠端
焦点距離 25.336 27.873 30.413
Fナンバ 2.0 2.0 2.0
半画角 32.42° 29.93° 27.72°
像高 16.000 16.000 16.000
BF 59.893 59.893 59.893
レンズ全長 290.000 285.335 282.480 。
【0074】
「各条件式のパラメータの値」
条件(1)ないし(4)の各パラメータの値を以下に示す。
(1)DP1G/DP2G = 1.122
(2)Bf/fW = 2.364
(3)|f1/fW|= 2.051
(4)θgF-(0.6438-0.001682νLN) = 0.0282 。
【0075】
実施例5の投射用ズームレンズの広角端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図30に、コマ収差の図を
図31に示す。中間焦点距離における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図32に、コマ収差の図を
図33に、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差の図を
図34に、コマ収差の図を
図35に示す。
【0076】
各実施例とも、広角端・中間焦点距離・望遠端ともに各収差が良好に補正されて高い性能を有している。
以上に説明したように、この発明によれば、以下の如き投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置を実現できる。
[1]
拡大側から縮小側に向かって順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群(G1)、正の屈折力を持つ第2レンズ群(G2)、正の屈折力を持つ第3レンズ群(G3)、正の屈折力を持つ第4レンズ群(G4)を配し、第4レンズ群中もしくは第4レンズ群の拡大側に開口絞り(S)を固定的に配してなり、縮小側が略テレセントリックであり、ズーミングに際し、第4レンズ群(G4)および前記開口絞り(S)が固定で、第1レンズ群(G1)、第2レンズ群(G2)、第3レンズ群(G3)が光軸方向に独立して移動し、前記ズーミングによる全変倍域においてF値が一定である投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0077】
[2]
[1]記載の投射用ズームレンズであって、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群(G1)は、拡大側から縮小側へ移動し、第2レンズ群(G2)、第3レンズ群(G3)は、縮小側から拡大側へ移動し、広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群の移動量:DP1G、第2レンズ群の移動量:DP2Gが、条件:
(1) 0.1 < DP1G/DP2G < 2.0
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0078】
[3]
[1]または[2]記載の投射用ズームレンズであって、拡大側の共役点が無限遠の時の空気中におけるバックフォーカス:Bf、広角端における全系の焦点距離:fW、第1レンズ群の焦点距離:f1が、条件:
(2) 1.0 < Bf/fW < 2.7
(3) 1.7 <|f1/fW|< 10.0
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0079】
[4]
[1]ないし[3]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、第1レンズ群中に、縮小側に大きな曲率を持つ正レンズ:LPと、拡大側に大きな曲率を持つ負レンズ:LNの2枚のレンズが拡大側から順に配されて、前記正レンズ:LPと前記負レンズ:LNの間に、縮小側に大きな曲率を持つ負の空気レンズが形成されている投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0080】
[5]
[4]記載の投射用ズームレンズであって、第1レンズ群(G1)中の負レンズ:LNのアッベ数:νLN、部分分散比:θgFが、条件:
(4) 0.01< θgF-(0.6438-0.001682νLN) <0.05
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0081】
[6]
[1]ないし[5]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、第2レンズ群(G2)は1枚の正レンズで構成され、該正レンズのd線に対する屈折率:N2Gが、条件:
(5) 1.8 < N2G
を満足する投射用ズームレンズ(実施例2)。
【0082】
[7]
[1]ないし[6]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、第1レンズ群は、拡大側から縮小側へ向かって順に、1aサブレンズ群、負の屈折力を持つ1bサブレンズ群、正の屈折力を持つ1cサブレンズ群を配してなり、拡大側の共役点を遠距離から近距離方向へ移動させるフォーカシングに際して、前記1cサブレンズ群が光軸上を拡大側から縮小側に移動するとともに、前記1aサブレンズ群と前記1bサブレンズ群の間隔が変化する投射用ズームレンズ(実施例1~5)。
【0083】
[8]
[1]ないし[7]の何れか1項に記載の投射用ズームレンズを搭載してなる投射型画像表示装置(
図39)。
【0084】
また、実施例1~5は何れも第1~第4レンズ群中に「1枚のレンズのみで構成されるレンズ群(実施例1、3~5では第3レンズ群G3、実施例2では第2レンズ群G2)」が含まれており、前述の如く、低コストでコンパクトな投射用ズームレンズを実現している。
【0085】
以上、発明の好ましい実施の形態について説明したが、この発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0086】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
S 開口絞り
P プリズム
CG カバーガラス
MD 画像表示素子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【文献】特許第4864600号公報
【文献】特許第5596500号公報
【文献】特許第5302123号公報