(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】ガラス板を成形する方法、およびそこで利用される曲げ工具
(51)【国際特許分類】
C03B 23/03 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
C03B23/03
(21)【出願番号】P 2019527550
(86)(22)【出願日】2017-11-23
(86)【国際出願番号】 GB2017053527
(87)【国際公開番号】W WO2018096339
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-11-17
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591229107
【氏名又は名称】ピルキントン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェイ ボアセル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ステファン トミック
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-119041(JP,A)
【文献】国際公開第2016/141041(WO,A1)
【文献】特表2014-534154(JP,A)
【文献】米国特許第2840953(US,A)
【文献】特表2015-504409(JP,A)
【文献】特表2010-511590(JP,A)
【文献】実開平3-30228(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B23/00-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板を成形する方法であって、
ガラス板を提供することと、
前記ガラス板を成形に適した温度に加熱することと、
前記ガラス板を第1の曲げ工具上に配置することであって、前記ガラス板が、前記第1の曲げ工具の第1のセグメントの上に配置され、前記第1のセグメントが、前記第1の曲げ工具の成形面を少なくとも部分的に画定する、配置することと、
第1の位置から第2の位置まで前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントを移動させて、
前記第1のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(1)を、前記ガラス板の第1の
縁部分と接触させることであって、
前記第1のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ(1)の、前記ガラス板の前記第1の
縁部分との前記接触が、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の位置を調整する、接触させることと、
前記第1の曲げ工具上で前記ガラス板を成形することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ガラス板が、前記第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間で前記ガラス板をプレス曲げすることによって、前記第1の曲げ工具上で成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガラス板を前記第1の曲げ工具の前記成形面上で支持することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの移動が、前記第1の曲げ工具の第2のセグメントに向かう方向であ
る、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ガラス板を前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの上に配置する前に、前記第2の位置から前記第1の位置まで前記第1のセグメントを移動させることをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1の位置から第2の位置まで前記第1の曲げ工具の第2のセグメントを移動させて、
前記第2のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(2)を、前記ガラス板の第2の
縁部分と接触させることであって、
前記第2のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ(2)の、前記ガラス板の前記第2の
縁部分との前記接触が、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整する、接触させることをさらに含み、前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1の曲げ工具の前記第2のセグメントの移動が、前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントに向かう方向である、請求項1~
5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第1の位置から第2の位置まで前記第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させることをさらに含み、前記第1の曲げ工具の前記別のセグメントの移動が、前記第1のセグメントの移動方向に対して垂直な方向であり、及び/又は、
前記第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させて、
前記別のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(A)を、前記ガラス板の別の
縁部分と接触させることであって、
前記別のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ(A)の、前記ガラス板の別の
縁部分との前記接触が、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整する、接触させることをさらに含み、前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの移動が、ガラスの進行方向に対して垂直な方向であり、前記第1の曲げ工具の前記別のセグメントの移動が、ガラスの進行方向であり、及び/又は、
前記第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させることをさらに含み、前記第1の曲げ工具の前記別のセグメントの移動が、ガラスの進行方向とは反対の方向である、請求項1~
6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ガラス板を前記第1の曲げ工具上に配置する前に、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整することをさらに含
む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの移動が、ガラスの進行方向に対して垂直な方向である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ガラス板の前記第1の
縁部分が、
前記第1のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ
(1)によって接触され、
前記第1のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ
(1)が、前記ガラス板の前記第1の
縁部分に接触する前に、前記第1のセグメントと共に、かつ前記ガラス板に向かう方向に移動する、請求項1~
9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第1のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ
(1)が、上方向または下方向に垂直に移動するように構成された本体部分を備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間で前記ガラス板をプレス曲げする前に、前記本体部分が前記下方向に垂直に移動する、又は、
前記第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間で前記ガラス板をプレス曲げした後に、前記本体部分が前記上方向に垂直に移動する、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
第1の位置から第2の位置まで前記第1の曲げ工具の前記第2のセグメントを移動させて、
前記第2のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(2)を、前記ガラス板の第2の
縁部分と接触させることであって、
前記第2のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ(2)の、前記ガラス板の前記第2の
縁部分との前記接触が、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整する、接触させることをさらに含み、前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの移動および前記第1の曲げ工具の前記第2のセグメントの移動が、ガラス進行の方向に対して垂直な方向である、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
第1の位置から第2の位置まで前記第1の曲げ工具
の第3のセグメントを移動させて、
前記第3のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(3)を、前記ガラス板の第3の
縁部分と接触させることであって、
前記第3のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリ(3)の、前記ガラス板の前記第3の
縁部分との前記接触が、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整する、接触させることをさらに含み、前記第1の曲げ工具の前記第3のセグメントの移動が、前記第1のセグメントの移動方向に対して垂直であり、かつ前記第1の曲げ工具の第4のセグメントに向かう方向である、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の曲げ工具の第4のセグメントの上に前記ガラス板を配置し、
前記第4のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリ(4)を、前記ガラス板の第4の
縁部分と接触させて、前記第1の曲げ工具の前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整することをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、および第4のセグメントが、その外周領域において前記ガラス板を支持するリングとして構成される、及び/又は、
前記ガラス板がまた、前記第1の曲げ工具の前記第2のセグメントおよび前記第1の曲げ工具の前記第3のセグメントの上にも配置され、前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメント、前記第1の曲げ工具の第2のセグメント、前記第1の曲げ工具の第3のセグメント、および前記第1の曲げ工具の第4のセグメントが、それぞれ、前記成形面の不連続部分を画定する、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の曲げ工具の前記第4のセグメントが、前記第1の曲げ工具の前記第3のセグメントに向かって移動しない、請求項
15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ガラス板を成形するための曲げ工具であって、
ガラス板をその上で支持するための成形面であって、前記成形面が、第1のセグメントおよび第2のセグメントによって少なくとも部分的に画定され、前記第1のセグメントが、前記第2のセグメントから離間され、前記第1のセグメントが、前記第2のセグメントに向かう方向に、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、成形面と、
前記第1のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリであって、前記第1の位置決めアセンブリが、前記ガラス板の第1の
縁部分に接触して、前記成形面に対する前記ガラス板の位置を調整するように構成される、第1の位置決めアセンブリと、を備える、曲げ工具。
【請求項19】
前記第1のセグメントが前記第1の位置にあるときに、前記ガラス板が、前記曲げ工具上に配置され、前記第1のセグメントが前記第2の位置にあるときに、前記ガラス板が、前記第1の曲げ工具上で成形され
る、請求項
18に記載の曲げ工具。
【請求項20】
前記成形面が、その外周領域において前記ガラス板を支持するように構成される、請求項18または請求項19に記載の曲げ工具。
【請求項21】
前記第1のセグメントが前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するときに、前記第2のセグメントに向かう前記方向における前記第1のセグメントの前記移動が、ガラスの進行方向に対して垂直であるか、または前記ガラスの進行方向と同じであり、及び/又は、
前記第2のセグメントが、第1の位置から第2の位置まで、かつ前記第1のセグメントに向かう方向に移動可能であり、及び/又は、
前記第2のセグメントが、第1の位置から第2の位置まで、かつ前記第2のセグメントに向かう前記方向における前記第1のセグメントの移動に対して垂直な方向に移動可能である、請求項18~20のいずれかに記載の曲げ工具。
【請求項22】
前記成形面を少なくとも部分的に画定する第3のセグメントをさらに備える、請求項
18~21のいずれかに記載の曲げ工具。
【請求項23】
前記第3のセグメントが、第4のセグメントに向かう方向に移動可能であり;又は、
前記第3のセグメントが、前記ガラス板の後縁部分を受容するように構成され、および/または前記第3のセグメントの第1の端部が、前記第1のセグメントの第1の端部から離間され、かつ前記第3のセグメントの第2の端部が、前記第2のセグメントの第1の端部から離間され、および/または前記第4のセグメントが、前記ガラス板の前縁部分を受容するように構成され、かつ前記第3のセグメントに向かう方向に移動可能でなく;又は、
前記第3のセグメントが、前記ガラスの進行方向と同じ方向に移動可能であり;又は、
前記第3のセグメントが、前記第2のセグメントに向かう前記方向における前記第1のセグメントの前記移動に対して垂直な方向に移動可能である、請求項
22に記載の曲げ工具。
【請求項24】
前記第1のセグメントと機械的に連通する第2の位置決めアセンブリをさらに備え、前記第2の位置決めアセンブリが、前記第1の位置決めアセンブリから離間され、かつ前記ガラス板の前記第1の
縁部分に接触して、前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整するように構成され、及び/又は、
前記第2のセグメントと機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリをさらに備え、前記1つ以上の位置決めアセンブリが、前記ガラス板の第2の
縁部分に接触して、前記成形面に対する前記ガラス板の前記位置を調整するように構成される、請求項
18~23のいずれかに記載の曲げ工具。
【請求項25】
フレームをさらに備え、前記第1のセグメントが前記フレームに対して第1の位置にあるときに、前記ガラス板が、前記フレームに対して第1の位置にあり、前記第1のセグメントが前記フレームに対して第2の位置にあるときに、前記ガラス板が、前記フレームに対して第2の位置にあり、前記ガラス板の前記第1の
縁部分が、
前記第1のセグメントの前記第1の位置決めアセンブリと接触している、請求項
18~24のいずれかに記載の曲げ工具。
【請求項26】
請求項
18~25のいずれかに記載の曲げ工具を備える、ガラス成型ライン。
【請求項27】
ガラス板を成形する方法であって、ガラス板を提供することと、前記ガラス板を成形に適した温度に加熱することと、第1の曲げ工具を提供することであって、前記第1の曲げ工具が、フレームと、前記フレームに対して移動可能な第1のセグメントと、を備え、前記第1のセグメントが、それと機械的に連通する位置決めアセンブリを備える、提供することと、前記ガラス板を前記第1の曲げ工具上に配置することであって、前記ガラス板が、前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントの上に配置され、前記ガラス板が、前記フレームに対して第1の位置にある、配置することと、前記フレームに対する第1の位置から前記フレームに対する第2の位置まで前記第1の曲げ工具の前記第1のセグメントを移動させて、前記位置決めアセンブリを前記ガラス板の第1の縁部分に接触させ、それによって、前記ガラス板を、前記第1の曲げ工具の前記フレームに対する第2の位置まで移動させることと、前記第1の曲げ工具上で前記ガラス板を成形することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の下で、整理番号第62/425,954号が付与され、2016年11月23日に出願された、米国仮特許出願の利点を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に対向する曲げ工具を使用してガラス板を成形することに関する。本発明はまた、ガラス板を成形する方法、およびそこで利用される、成形を改善する曲げ工具にも関する。
【0003】
ガラス板を成形または曲げるための種々の過程が知られている。典型的に、ガラス板は、ガラス板が変形可能な温度に加熱され、次いで、曲げ過程が実行される。特定の曲げ過程において、被加熱ガラス板は、リング部材上で支持され、追加的な押圧力の支援を伴って、または伴うことなく、重力の影響下で垂下させることが可能である。他の既知のガラス板曲げ過程は、プレス曲げ過程であり、それによって、ガラス板(または入れ子対)が、通常は離間された垂直関係の一対の相補型成形部材の間で曲げられる。曲げに続いて、ガラス板は、所望の形状を有し、寸法を安定させ、かつ光学的に歪まないようにしなければならない。そうでない場合、曲げ過程は、廃棄物または低品質な製品をもたらす。
【0004】
廃棄物または低品質な製品をもたらし得る1つの要因は、曲げ工具のうちの1つ以上に対する被加熱ガラス板の位置である。ガラス板は、曲げる前に、付随する炉において曲げ温度に加熱し、一連のローラーを使用して移動させることができる。残念なことに、既知の過程は、ガラス板のローラーの上の、かつ炉の中へ入る前の位置決めを円滑にするだけである。結果的に、曲げる前のガラス板の整列が理想的でない場合がある。
【0005】
したがって、上述した問題を解決する、ガラス板を成形する方法および曲げ工具を開発することが有利であろう。
【0006】
故に、本発明は、第1の態様から、ガラス板を成形する方法を提供し、該方法は、ガラス板を提供することと、ガラス板を成形に適した温度に加熱することと、ガラス板を第1の曲げ工具上に配置することであって、ガラス板が、第1の曲げ工具の第1のセグメントの上に配置され、第1のセグメントが、第1の曲げ工具の成形面を少なくとも部分的に画定する、配置することと、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の第1のセグメントを移動させて、ガラス板の第1の部分と接触させることであって、ガラス板の第1の部分との接触が、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する、接触させることと、第1の曲げ工具上でガラス板を成形することと、を含む。
【0007】
好ましくは、ガラス板は、第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間でガラス板をプレス曲げすることによって、第1の曲げ工具上で成形される。
【0008】
好ましくは、本方法は、ガラス板を第1の曲げ工具の成形面上で支持することをさらに含む。
【0009】
好ましくは、本方法は、ガラス板を第1の曲げ工具の第1のセグメントの上に配置する前に、第2の位置から第1の位置まで第1のセグメントを移動させることをさらに含む。
【0010】
好ましくは、本方法は、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の第2のセグメントを移動させて、ガラス板の第2の部分と接触させることであって、ガラス板の第2の部分との接触が、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する、接触させることをさらに含み、第1の位置から第2の位置への第1の曲げ工具の第2のセグメントの移動は、第1の曲げ工具の第1のセグメントに向かう方向である。
【0011】
好ましくは、本方法は、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させることをさらに含み、第1の曲げ工具の別のセグメントの移動は、第1のセグメントの移動方向に対して垂直な方向である。
【0012】
好ましくは、本方法は、第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させて、ガラス板の別の部分と接触させることであって、ガラス板の別の部分との接触が、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する、接触させることをさらに含み、第1の曲げ工具の第1のセグメントの移動は、ガラスの進行方向に対して垂直な方向であり、第1の曲げ工具の別のセグメントの移動は、ガラスの進行方向である。
【0013】
好ましくは、本方法は、第1の曲げ工具の別のセグメントを移動させることをさらに含み、第1の曲げ工具の別のセグメントの移動は、ガラスの進行方向とは反対の方向である。
【0014】
好ましくは、本方法は、ガラス板を第1の曲げ工具上に配置する前に、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整することをさらに含む。
【0015】
好ましくは、第1の位置から第2の位置への第1の曲げ工具の第1のセグメントの移動は、ガラスの進行方向に対して垂直な方向である。
【0016】
好ましくは、ガラス板の第1の部分は、ガラス板の第1のピラー縁部分であり、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の第1のセグメントを移動させた後に、ガラス板の第1のピラー縁部が、第1の位置決めアセンブリの端面に当接する。
【0017】
好ましくは、ガラス板の第1の部分は、第1の位置決めアセンブリおよび第2の位置決めアセンブリによって接触され、第1の位置決めアセンブリおよび第2の位置決めアセンブリは、互いに離間され、第1の位置決めアセンブリおよび第2の位置決めアセンブリは、それぞれ、ガラス板に接触する前に、第1のセグメントと共に、かつガラス板に向かう方向に移動する。
【0018】
好ましくは、ガラス板の第1の部分は、ガラス板の縁部分である。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の位置から第2の位置への第1の曲げ工具の第1のセグメントの移動は、第1の曲げ工具の第2のセグメントに向かう方向である。
【0020】
これらの実施形態において、好ましくは、本方法は、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の第2のセグメントを移動させて、ガラス板の第2の部分と接触させることであって、ガラス板の第2の部分との接触が、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する、接触させることをさらに含み、第1の曲げ工具の第1のセグメントの移動および第1の曲げ工具の第2のセグメントの移動は、ガラス進行の方向に対して垂直な方向である。
【0021】
好ましくは、方法は、第1の位置から第2の位置まで第1の曲げ工具の第3のセグメントを移動させて、ガラス板の第3の部分と接触させることであって、ガラス板の第3の部分との接触が、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する、接触させることをさらに含み、第1の曲げ工具の第3のセグメントの移動は、第1のセグメントの移動方向に対して垂直であり、かつ第1の曲げ工具の第4のセグメントに向かう方向である。
【0022】
好ましくは、本方法は、第1の曲げ工具の第4のセグメントの上にガラス板を配置し、ガラス板の第4の部分と接触させて、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整することをさらに含む。
【0023】
好ましくは、第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、および第4のセグメントは、その外周領域においてガラス板を支持するリングとして構成される。
【0024】
好ましくは、ガラス板はまた、第1の曲げ工具の第2のセグメントおよび第1の曲げ工具の第3のセグメントの上にも配置され、第1の曲げ工具の第1のセグメント、第1の曲げ工具の第2のセグメント、第1の曲げ工具の第3のセグメント、および第1の曲げ工具の第4のセグメントは、それぞれ、成形面の不連続部分を画定する。
【0025】
好ましくは、第1の曲げ工具の第4のセグメントは、第1の曲げ工具の第3のセグメントに向かって移動しない。
【0026】
好ましくは、ガラス板の第4の部分は、ガラス板の前縁部分であり、ガラス板の前縁部分は、ストッパによって接触されて、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整し、ガラス板の前縁部分との接触の後に、ストッパは、ガラス板の前縁部分から離れて移動する。
【0027】
好ましくは、ストッパは、ガラス板の前縁部分から下方向に垂直に、またはガラスの進行方向に離れて移動する。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1の曲げ工具は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、を含む。
【0029】
好ましくは、第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、および第4のセグメントは、その外周領域においてガラス板を支持するリングとして構成される。
【0030】
好ましくは、ガラス板はまた、第1の曲げ工具の第2のセグメントおよび第1の曲げ工具の第3のセグメントの上にも配置され、第1の曲げ工具の第1のセグメント、第1の曲げ工具の第2のセグメント、第1の曲げ工具の第3のセグメント、および第1の曲げ工具の第4のセグメントは、それぞれ、成形面の不連続部分を画定する。
【0031】
好ましくは、第1の曲げ工具の第4のセグメントは、第1の曲げ工具の第3のセグメントに向かって移動しない。
【0032】
好ましくは、ガラス板の第4の部分は、ガラス板の前縁部分であり、ガラス板の前縁部分は、ストッパによって接触されて、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整し、ガラス板の前縁部分との接触の後に、ストッパは、ガラス板の前縁部分から離れて移動する。好ましくは、ストッパは、ガラス板の前縁部分から下方向に垂直に、またはガラスの進行方向に離れて移動する。
【0033】
いくつかの実施形態において、ガラス板の第1の部分は、第1の位置決めアセンブリによって接触され、第1の位置決めアセンブリは、ガラス板の第1の部分に接触する前に、第1のセグメントと共に、かつガラス板に向かう方向に移動する。
【0034】
好ましくは、第1の位置決めアセンブリは、上方向または下方向に垂直に移動するように構成された本体部分を備える。
【0035】
好ましくは、第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間でガラス板をプレス曲げする前に、本体部分は、下方向に垂直に移動する。
【0036】
好ましくは、第1の曲げ工具と第2の曲げ工具との間でガラス板をプレス曲げした後に、本体部分は、上方向に垂直に移動する。
【0037】
好ましくは、本方法は、本体部分の上面を、第2の曲げ工具と接触させて、本体部分を下方向に移動させることをさらに含む。
【0038】
第2の態様から、本発明は、ガラス板を成形するための曲げ工具を提供し、該方法は、ガラス板をその上で支持するための成形面であって、成形面が、第1のセグメントおよび第2のセグメントによって少なくとも部分的に画定され、第1のセグメントが、第2のセグメントから離間され、第1のセグメントが、第2のセグメントに向かう方向に、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、成形面と、第1のセグメントと機械的に連通する第1の位置決めアセンブリであって、第1の位置決めアセンブリが、ガラス板の第1の部分に接触して、成形面に対するガラス板の位置を調整するように構成される、第1の位置決めアセンブリと、を備える。
【0039】
好ましくは、第1のセグメントが第1の位置にあるときに、ガラス板は、曲げ工具上に配置され、第1のセグメントが第2の位置にあるときに、ガラス板は、第1の曲げ工具上で成形される。
【0040】
好ましくは、成形面は、その外周領域においてガラス板を支持するように構成される。
【0041】
好ましくは、第1のセグメントが第1の位置から第2の位置まで移動するときに、第2のセグメントに向かう方向における第1のセグメントの移動は、ガラスの進行方向に対して垂直であるか、またはガラスの進行方向と同じである。
【0042】
好ましくは、第2のセグメントは、第1の位置から第2の位置まで、かつ第1のセグメントに向かう方向に移動可能である。
【0043】
好ましくは、第2のセグメントは、第1の位置から第2の位置まで、かつ第2のセグメントに向かう方向における第1のセグメントの移動に対して垂直な方向に移動可能である。
【0044】
好ましくは、ガラス板の第1の部分は、ガラス板のピラー縁部分、前縁部分、または後縁部分である。
【0045】
好ましくは、曲げ工具は、成形面を少なくとも部分的に画定する、第3のセグメントをさらに備え、好ましくは、第3のセグメントは、ガラスの進行方向と同じ方向に移動可能である。
【0046】
好ましくは、曲げ工具は、成形面を少なくとも部分的に画定する、第3のセグメントをさらに備え、好ましくは、第3のセグメントは、第2のセグメントに向かう方向における第1のセグメントの移動に対して垂直な方向に移動可能である。
【0047】
好ましくは、第1の位置決めアセンブリの本体部分の一部分を受容するための溝が、第1のセグメントに提供される。
【0048】
好ましくは、第1の位置決めアセンブリは、第1のセグメントに取り付けられ、かつ第2のセグメントに向かって第1のセグメントと共に移動する。
【0049】
好ましくは、曲げ工具は、第1のセグメントと機械的に連通する第2の位置決めアセンブリをさらに備え、第2の位置決めアセンブリは、第1の位置決めアセンブリから離間され、かつガラス板の第1の部分に接触して、成形面に対するガラス板の位置を調整するように構成される。
【0050】
好ましくは、曲げ工具は、第2のセグメントと機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリをさらに備え、1つ以上の位置決めアセンブリは、ガラス板の第2の部分に接触して、成形面に対するガラス板の位置を調整するように構成される。
【0051】
好ましくは、曲げ工具は、フレームをさらに備え、第1のセグメントがフレームに対して第1の位置にあるときに、ガラス板は、フレームに対して第1の位置にあり、第1のセグメントがフレームに対して第2の位置にあるときに、ガラス板は、フレームに対して第2の位置にあり、ガラス板の第1の部分は、第1の位置決めアセンブリと接触している。
【0052】
いくつかの実施形態において、第2のセグメントは、第1の位置から第2の位置まで、かつ第1のセグメントに向かう方向に移動可能であり、第2のセグメントが第1の位置から第2の位置まで移動するときに、第1のセグメントに向かう第2のセグメントの移動が、ガラスの進行方向に対して垂直である。
【0053】
いくつかの実施形態において、曲げ工具は、成形面を少なくとも部分的に画定する、第3のセグメントをさらに備え、第3のセグメントが、第4のセグメントに向かう方向に移動可能である。
【0054】
好ましくは、第3のセグメントは、ガラス板の後縁部分を受容するように構成される。
【0055】
好ましくは、第3のセグメントの第1の端部は、第1のセグメントの第1の端部から離間され、第3のセグメントの第2の端部は、第2のセグメントの第1の端部から離間される。
【0056】
好ましくは、第4のセグメントは、ガラス板の前縁部分を受容するように構成され、かつ第3のセグメントに向かう方向に移動可能でない。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の位置決めアセンブリは、本体部分を備え、本体部分は、第1の位置から第2の位置まで、かつ第2の位置から第1の部分まで移動可能である。
【0058】
好ましくは、本体部分は、ガラス板が成形される前に第1の位置にあり、ガラス板が成形された後に第2の位置にある。
【0059】
好ましくは、本体部分の一部分は、第2の位置にあるときに、第1のセグメントに提供された溝によって受容される。
【0060】
好ましくは、本体部分が第1の位置にあるときに、本体部分の上面は、成形面に対して傾斜した様態で配向される。
【0061】
好ましくは、付勢部材が本体部分に力を印加して、本体部分を第2の位置から第1の位置まで移動させる。
【0062】
いくつかの実施形態において、第1の位置決めアセンブリは、本体部分を備え、本体部分は、第1のセグメントの上に配置され、かつ上方向または下方向に垂直に移動するように構成される。
【0063】
好ましくは、本体部分は、第1のセグメントの内縁部に向かって延在する。
【0064】
好ましくは、本体部分は、ガラス板の第1の部分に接触するように構成された端面を備える。
【0065】
第3の態様から、本発明はまた、本発明の第2の態様による、曲げ工具を備えるガラス成形ラインも提供する。
【0066】
好ましくは、ガラス成形ラインは、第2の曲げ工具をさらに備える。
【0067】
好ましくは、ガラス成形ラインは、ガラス板が曲げ工具上で支持されている間に、重力の影響下で垂下させることによってガラス板を成形するためのものである。
【0068】
好ましくは、ガラス成形ラインは、ガラス板を成形に適した温度に加熱するための炉をさらに備える。
【0069】
好ましくは、曲げ工具は、曲げステーションの一部分として提供され、曲げステーションはまた、曲げ工具の上側の場所までガラス板を運搬するための複数のローラーと、曲げ工具の上側でガラス板の少なくとも一部分を支持するための流体パッドアセンブリと、を含む。
【0070】
好ましくは、ガラス成形ラインは、成形後にガラス板を冷却するためのガラス焼きなまし炉をさらに備える。
【0071】
好ましくは、ガラス成形ラインは、第2の曲げ工具をさらに備え、第2の曲げ工具は、フルフェイスモールドである。
【0072】
好ましくは、ガラス成形ラインは、ガラス板を成形61に適した温度に加熱するための炉をさらに備え、ガラス成形ラインは、炉を通してガラス板を運搬するためのローラーをさらに備える。
【0073】
本発明はまた、他の態様から、ガラス板を成形する方法も提供し、該方法は、ガラス板を提供することと、ガラス板を成形に適した温度に加熱することと、第1の曲げ工具を提供することであって、第1の曲げ工具が、フレームと、フレームに対して移動可能な第1のセグメントと、を備え、第1のセグメントが、それと機械的に連通する位置決めアセンブリを備える、提供することと、ガラス板を第1の曲げ工具上に配置することであって、ガラス板が、第1の曲げ工具の第1のセグメントの上に配置され、ガラス板が、フレームに対して第1の位置にある、配置することと、フレームに対する第1の位置からフレームに対する第2の位置まで第1の曲げ工具の第1のセグメントを移動させて、位置決めアセンブリをガラス板の第1の縁部分に接触させ、それによって、ガラス板を、第1の曲げ工具のフレームに対する第2の位置まで移動させることと、第1の曲げ工具上でガラス板を成形することと、を含む。
【発明の概要】
【0074】
ガラス板を成形する方法の実施形態を提供する。一実施形態において、本方法は、ガラス板を提供することを含む。ガラス板は、成形に適した温度に加熱される。ガラス板は、第1の曲げ工具上に配置される。ガラス板は、第1の曲げ工具の第1のセグメントの上に配置される。第1の曲げ工具の第1のセグメントは、第1の曲げ工具の成形面を少なくとも部分的に画定する。第1の曲げ工具の第1のセグメントは、第1の位置から第2の位置まで移動させて、ガラス板の第1の部分と接触させる。ガラス板の第1の部分との接触は、第1の曲げ工具の成形面に対するガラス板の位置を調整する。ガラス板は、第1の曲げ工具上で成形される。
【0075】
また、ガラス板を成形するための曲げ工具の実施形態も提供する。一実施形態において、曲げ工具は、ガラス板をその上で支持するための成形面を備える。成形面は、第1のセグメントおよび第2のセグメントによって少なくとも部分的に画定される。第1のセグメントは、第2のセグメントから離間され、第1のセグメントは、第2のセグメントに向かう方向に、第1の位置から第2の位置まで移動可能である。第1の位置決めアセンブリは、第1のセグメントと機械的に連通する。第1の位置決めアセンブリは、ガラス板の第1の部分に接触して、成形面に対するガラス板の位置を調整するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の上記および他の利点は、添付の図面に照らして考慮すると、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。
【0077】
【
図1】本発明による、ガラス成形ラインの一実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のガラス成形ラインの一部分の上面図である。
【
図3】
図1のガラス成形ラインの使用に適した曲げ工具の一実施形態の斜視図である。
【
図6】明確にするために
図3の曲げ工具の他の部分を取り外した、
図3の曲げ工具の一部分の上面図である。
【
図8】位置決めアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図10】曲げ工具および
図8の位置決めアセンブリの一実施形態の一部分の上面図である。
【
図11】第2の位置から第1の位置への
図8の位置決めアセンブリの移動を例示する、
図8の位置決めアセンブリの側面図である。
【
図12】位置決めアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図14】第2の位置から第1の位置への
図12の位置決めアセンブリの移動を例示する、
図12の位置決めアセンブリの側面図である。
【
図15】位置決めアセンブリが第1の位置あるときの曲げ工具および
図8の位置決めアセンブリの一実施形態の一部分、ならびに第2の曲げ工具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明は、そうでないと明示的に指定されている場合を除いて、様々な代替の配向および工程順序を想定することができることを理解されたい。また、添付図面に例示され、以下の明細書に記載されている具体的な方法、デバイス、装置、および特徴は、本発明の概念の例示的実施形態に過ぎないことも理解されたい。したがって、開示される実施形態に関連する特定の寸法、方向、または他の物理的特性は、別途明示的に記述されない限り、限定するものとみなされるべきではない。また、そうでない場合もあるが、上で述べた実施形態において見出される同一の要素は、本明細書のこの節内で同一の識別子によって参照され得る。
【0079】
ガラス板を成形する方法、ガラス成形ライン、およびそこで利用される曲げ工具の実施形態は、本明細書に記載され、
図1~
図15を参照する。
【0080】
ガラス板は、自動車用のウインドスクリーンなどのウインドウの一部分として利用することができる。しかしながら、ガラス板は、他の自動車用途を有することができる。例えば、ガラス板は、サイドウインドウ、サンルーフ、またはリアウインドウを形成するために利用することができる。そのようなウインドウは、モノリシックまたは積層とすることができる。加えて、ガラス板は、他の車両用途を有することができる。例えば、ガラス板は、オンハイウェイ車両およびオフハイウェイ車両への用途を有することができる。また、ガラス板は、建築用途、電子用途、産業用途、機関車用途、造船用途、航空宇宙用途、および他の用途を有することができる。
【0081】
特定の実施形態において、ガラス板は、ソーダ石灰-ケイ酸塩組成物を有することができる。典型的なソーダ石灰-ケイ酸塩ガラス組成物は(重量%で)、69~74%のSiO2、0~3%のAl2O3、10~16%のNa2O、0~5%のK2O、0~6%のMgO、5~14%のCaO、0~2%のSO3、および0.005~2%のFe2O3である。ガラス組成物はまた、他の添加物、例えば精製補助剤を含有することもでき、通常、最高2%の量で存在する。他の実施形態において、ガラス板は、別の組成物とすることができる例えば、ガラス板は、ホウケイ酸塩組成物またはアルミノケイ酸塩組成物のものとすることができる。ガラス板は、0.5~25ミリメートル(mm)の厚さ、典型的には0.5~8mmの厚さを有することができる。
【0082】
ガラス板の形状は、実施形態によって異なり得る。しかしながら、特定の実施形態において、ガラス板は、平面図において矩形の外形を有することができる。好ましくは、ガラス板は、第1の主表面と、第2の主表面と、を有する。第2の主表面は、第1の主表面に対向する。また、ガラス板は、前縁部分と、後縁部分と、を含むことができる。本明細書で使用するとき、ガラス板の縁部部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続するガラス板の副表面を指すことができる。ガラス板は、1つ以上の縁部分を含むことができる。ガラス板の各縁部分は、平坦にする、または湾曲させることができる。したがって、前縁部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続し、かつ後縁部分に先立ってガラスの進行方向に運搬される、ガラス板の副表面を指すことができる。一実施形態において、後縁部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続する、ガラス板の最も長い副表面である。この実施形態において、前縁部分は、後縁部分の長さ未満である長さのものである。他の実施形態(図示せず)において、前縁部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続する、ガラス板の最も長い副表面であり、後縁部分は、前縁部分の長さ未満の長さのものである。加えて、ガラス板は、第1のピラー縁部分と、第2のピラー縁部分と、を含むことができる。第1のピラー縁部分および第2のピラー縁部分は、ガラス板の両側に配置される。一実施形態において、第1のピラー縁部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続する、ガラス板の副表面である。別の実施形態において、第2のピラー縁部分は、第1の主表面を第2の主表面に接続する、ガラス板の副表面である。
【0083】
図1は、ガラス成形ライン100の一実施形態を例示する。特定の実施形態において、ガラス成形ライン100は、プレス曲げ型のものである。他の実施形態(図示せず)において、ガラス成形ラインは、重力曲げ型のものである。
【0084】
好ましくは、ガラス成形ライン100は、予熱炉104を含む。予熱炉104は、ガラス板の曲げが生じる前に、1つ以上のガラス板を加熱する役割を果たす。予熱炉104において、ガラス板106が成形に適した温度に加熱される。例えば、ガラス板106は、590~670℃の温度に加熱することができる。故に、ガラス板106はまた、被加熱ガラス板とも称することができる。
【0085】
ガラス板106は、ローラー108上を、炉104を通して輸送される。ローラー108は、離間される。被加熱状態のガラス板106は、変形可能であり、したがって、より多くの支持を必要とするので、ローラー108の間隔は、予熱炉104の出口付近で減少する。
【0086】
予熱炉104の後には、曲げステーション110が続く。曲げステーション110は、センタリング装置102を含むことができる。センタリング装置102は、ガラス板106が第1の曲げツール112に配置される前に、該ガラス板の位置決めを調整するために使用することができる。
図2に示されるように、提供されたときに、センタリング装置102は、複数の位置決め器126、128を含むことができる。位置決め器126、128は、ガラス板106が成形される前の第1の曲げ工具112の成形面に対するガラスシート106の位置決めを円滑にするために、第1の曲げ工具112の周辺縁部の周りに配置することができる。
【0087】
図2に最良に例示されるように、上方向および下方向に垂直に移動することができる第1の位置決め器126は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置される前に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。他の実施形態(図示せず)において、第1の位置決め器126は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。一実施形態において、第1の位置決め器126は、ガラス板106の前縁部分に接触する、1つ以上の部分130、130Aを含むことができる。別の実施形態において、第1の位置決め器126は、ガラス板106の両側に接触する、別個の部分132、132Aを含むことができる。ガラス板106の前縁部分に接触する、第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aはまた、ストッパとしての機能も果たすことができ、該ストッパは、ガラス板106が第1の曲げ工具112を超えて移動することを防止する。ガラス板106が位置決めされた後に、ガラス板106に接触している第1の位置決め器126の部分130、130A、132、132Aを、ガラス板106を曲げている間に曲げ工具112、114のうちの1つ以上に干渉しないように、ガラス板106から離して移動させることができる。センタリング装置102はまた、第2の位置決め器128も含むことができる。好ましくは、第2の位置決め器128は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置される前に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。別の実施形態(図示せず)において、第2の位置決め器128は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。これらの実施形態において、第2の位置決め器128は、ガラス板106が位置決めされているときに、該ガラス板の後縁部分に接触している、1つ以上の部分134、134Aを含むことができる。ガラス板106の後縁部分に接触している第2の位置決め器128の部分134、134Aは、それぞれ、枢動アーム136、136Aに取り付けることができる。ガラス板106が曲げステーション110内で完全に位置決めされた後に、枢動アーム136、136Aを回転させて、第2の位置決め器128をガラス板106と接触させることができる。ガラス板106が位置決めされた後に、ガラス板106に接触している第2の位置決め器128の部分134、134Aを、ガラス板106を曲げている間に曲げ工具112、114のうちの1つ以上に干渉しないように、ガラス板106から離して回転させることができる。
【0088】
再度
図1を参照すると、第1の曲げ工具112の上側の場所までガラス板106を運搬するための複数のローラー138が提供される。複数のローラー138のうちの各ローラーは、ガラス板106をガラスの移動方向に運搬するように回転することが好ましく、該ローラーは、ガラス成形ライン100に関して
図1に例示され、第1の曲げ工具112の部分に関して
図2に例示される。また、第1の曲げ工具112が静置位置にあるときに、第1の曲げ工具112の上側のある高さまたは距離で、複数のローラー138がガラス板106を運搬することも好ましい。また、複数のローラー138がガラス板106を運搬する高さが実質的に一定であることも好ましくなり得る。
【0089】
ガラス板106が予熱炉104を出ると、ガラス板106は、予熱炉104内のローラー108から複数のローラー138へ移送される。
図2に例示されるように、特定の実施形態において、複数のローラー138は、異なる長さであるローラーを含むことができる。他の実施形態(図示せず)において、複数のローラーは、実質的に等しい長さのローラーを備えることができる。
図1および
図2に例示されるように、複数のローラー138のうちの各ローラーは、隣接するローラーから離間される。ローラーに提供される空間は、等しいサイズとすることができる。複数のローラー138のうちの各ローラーは、各ローラーが下方向または上方向に垂直に移動することができるという点で移動可能であることが好ましい。
【0090】
特定の実施形態において、ガラス成形ライン100は、流体パッドアセンブリ140を含む。流体パッドアセンブリ140は、ガラス板106を第1の曲げ工具112上に位置決めすること、および複数のローラー138から第1の曲げ工具112へガラス板106を移すことを円滑にする。流体パッドアセンブリ140は、1つ以上の流体パッド142を含む。複数の流体パッド142が提供されることが好ましい。複数の流体パッド142が提供されたときに、流体パッド142は、配列として構成することができる。センタリング装置102、複数のローラー138、流体パッドアセンブリ140、および流体パッド142は、PCT特許出願第PCT/GB2017/053414号に記載されているように動作することができる。
【0091】
好ましくは、流体パッドアセンブリ140が提供されたときに、ガラス板106の前縁部分が、ストッパとして作用する第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aに到達する前に、流体パッドアセンブリ140が起動される。特定の実施形態において、第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aは、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するために利用することができる。第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aは、上方向または下方向に垂直に移動可能とすることができる。第1の曲げ工具112の成形面116に対してガラス板106を接触させて、位置決めした後に、第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aは、ガラス板が成形されているときに曲げ工具112、114のうちの1つ以上との干渉を回避するために、ガラス板106の前縁部分から離れて移動する。一実施形態において、第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aは、垂直に下方向に、ガラス板106の前縁部分から離れて移動する。別の実施形態において、第1の位置決め器126の1つ以上の部分130、130Aは、ガラスの移動方向に、ガラス板106から離れて移動する。
【0092】
再度
図1を参照すると、曲げステーション110は、第1の曲げ工具112を含み、特定の実施形態では、第2の曲げ工具114を含む。曲げステーション110は、
図1に示されるよりも多くの曲げ工具112、114を備え得ることを認識することができる。また、
図1に示される曲げ工具112、114は、
図1に示される位置以外の位置に配向することができる。
【0093】
第2の曲げ工具114は、雄型工具とすることができる。一実施形態において、第2の曲げ工具114は、フルフェイスモールドである。これらの実施形態において、第2の曲げ工具114は、凸状の成形面144を含むことができる。第2の曲げ工具114の適切な実施形態もまた、国際特許出願公開第WO2016/189319号A1にも記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
上で述べたように、ガラス板106は、第1の主表面146と、第2の主表面148と、を有する。
図15に例示されるように、ガラス板106が第1の曲げ工具112に配置された後に、ガラス板106の第1の主表面146は、第1の曲げ工具112の成形面116に面する。第2の曲げ工具114が提供されたときに、ガラス板106の第2の主表面148は、第2の曲げ工具114の成形面144に面する。
【0095】
第1の曲げ工具112は、雌型工具とすることができる。一実施形態において、第1の曲げ工具112は、リング型モールドである。
図2に最良に例示されるように、第1の曲げ工具112は、矩形の外形を有するガラス板106を支持するように構成された、同じく略矩形の外形または外周を有することができる。第1の曲げ工具112は、成形面116、特に凹状の成形面を備える。本明細書で使用するとき、第1の曲げ工具112の成形面116は、ガラス板106がその任意の位置、構成、または配向で配置される、第1の曲げ工具112の一部分を指す。より具体的には、第1の曲げ工具112は、その上でガラス板106を成形および支持するための上部成形面116を含む。ガラス板106が第1の曲げ工具112によって受容された後に、ガラス板106が成形面上で支持される。成形面116は、ガラス板106をその外周領域において支持するように構成することができる。第1の曲げ工具112はまた、その上で、積み重ねたガラス板、特に炭酸カルシウムなどの適切な離型剤によって分離される入れ子対を支持することもできる。
【0096】
成形面116は、第1のセグメント118によって少なくとも部分的に画定される。いくつかの実施形態において、成形面116は、第2のセグメント120によって少なくとも部分的に画定される。第1のセグメント118は、第2のセグメント120から離間される。記載および例示される実施形態において、第1のセグメント118は、ガラス板106の第1のピラー縁部分を受容するように構成された第1の曲げ工具112のセグメントを参照して記載され、表される。しかしながら、第1のセグメント118は、ガラス板106の後縁部分またはガラス板106の前縁部分を受容するように構成された第1の曲げ工具112のセグメントを指すことができることを理解されたい。ガラス板106の縁部分が受容されると、第1のセグメント118は、ガラス板106の縁部分を支持するように構成される。加えて、特定の実施形態において、第2のセグメント120は、ガラス板106の第2のピラー縁部分を受容するように構成された第1の曲げ工具112のセグメントを参照して記載され、表される。しかしながら、第2のセグメント120は、ガラス板106の後縁部分またはガラス板106の前縁部分を受容するように構成された第1の曲げ工具112のセグメントを指すことができることを理解されたい。ガラス板106の縁部分が受容されると、第2のセグメント120は、ガラス板106の縁部分を支持するように構成される。
【0097】
第1のセグメント118および第2のセグメント120のうちの一方の端部には、第3のセグメント122が位置決めされる。より具体的には、第3のセグメント122の第1の端部は、第1のセグメント118の第1端部から離間され、第3のセグメント122の第2の端部は、第2のセグメント120の第1端部から離間される。第3のセグメント122は、提供されたときに、第1の曲げ工具112の成形面116を少なくとも部分的に画定する。特定の実施形態において、第3のセグメント122は、ガラス板106の後縁部分を受容するように構成される。これらの実施形態において、ガラス板106の後縁部分が受容されると、第3のセグメント122は、ガラス板106の後縁部分を支持するように構成される。
【0098】
第1のセグメント118および第2のセグメント120の他方の端部には、第4のセグメント124が位置決めされる。より具体的には、第4のセグメント124の第1の端部は、第1のセグメント118の第2の端部から離間され、第4のセグメント124の第2の端部は、第2のセグメント120の第2の端部から離間される。第4のセグメント124は、提供されたときに、第1の曲げ工具112の成形面116を少なくとも部分的に画定する。特定の実施形態において、第4のセグメントは、ガラス板106の前縁部分を受容するように構成される。これらの実施形態において、ガラス板106の前縁部分が受容されると、第4のセグメント124は、ガラス板106の前縁部分を支持するように構成される。
【0099】
好ましくは、提供されたときに、第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、および第4のセグメントは、それぞれ、第1の曲げ工具112の成形面116の不連続部分を画定する。ガラス板106が第1の曲げ工具112の成形面116上で支持されたときに、ガラス板106は、第1のセグメント118、第2のセグメント120、第3のセグメント122、および第4のセグメント124の上に配置される。セグメント118~124は、略矩形の外形を画定することができる。特定の実施形態において、第1のセグメント118、第2のセグメント120、第3のセグメント122、および第4のセグメント124は、その外周領域においてガラス板106を支持するリングとして構成される。しかしながら、第1の曲げ工具112は、他の構成を有することができる。例えば、一実施形態において、第1のセグメント118は、第2のセグメント120と並列関係で提供されない場合がある。他の実施形態において、第3のセグメント122は、第4のセグメント124と並列関係で提供されない場合がある。さらに他の実施形態において、第1の曲げ工具112の外形は、台形とすることができ、または成形される特定のガラス板を支持するように最適に構成された他の形態を有することができる。また、
図2に例示されるように、セグメント118~124のうちの1つ以上は、1つ以上の湾曲部分を含むことができる。
【0100】
セグメント118~124のうちの1つ以上は、移動可能である。セグメント118~124のうちの1つ以上が移動可能であり、かつ提供されたセグメント118~124が第1の曲げ工具112の成形面116を画定するが、特定の実施形態では、第1の曲げ工具112の成形面116もまた、全体的または部分的に移動する。セグメント118~124のうちの1つ以上の移動は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、かつガラス板106が成形される前に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整することを可能にする。好ましくは、セグメント118~124のうちの2つ以上が移動可能である。より好ましくは、セグメント118~124のうちの3つが移動可能である。この実施形態において、第1のセグメント118、第2のセグメント120、および第3のセグメント122は、移動可能とすることができ、第4のセグメント124は、固定位置を有することができる。しかしながら、他の実施形態(図示せず)において、各セグメント118~124は、移動可能である。
【0101】
一実施形態において、第1のセグメント118は、移動可能である。この実施形態において、第1のセグメント118は、移動可能であり、かつ第2のセグメント120に向かう方向に移動することが好ましい。また、第1のセグメント118が移動可能であり、かつ第2のセグメント120から離れる方向に移動することも好ましい。特定の実施形態において、第1のセグメント118が第2のセグメント120に向かって移動する方向は、ガラスの移動方向に対して垂直であるか、またはガラスの移動方向と同じ方向である。好ましくは、第1のセグメント118は、第1の位置から第2の位置まで、および第2の位置から第1の位置まで移動する。第1のセグメント118が、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで移動するときに、第1のセグメント118が移動する方向がガラス移動の方向に対して垂直であることが好ましい。好ましくは、ガラス板106は、第1のセグメント118が第1の位置にあるときに、第1の曲げ工具112上に配置される。好ましくは、第1のセグメント118が第2のセグメント120に向かって移動するときに、第1のセグメント118が第2の位置から第1の位置まで移動する。また、第1のセグメント118が第2のセグメント120から離れる方向に移動するときに、第1のセグメント118が第1の位置から第2の位置まで移動することも好ましい。また、第1のセグメント118は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上で成形されるときに、第2の位置にあることも好ましい。いくつかの実施形態において、第1のセグメント118は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで1秒以下で移動する。他の実施形態において、第1のセグメント118は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで0.5秒以下で移動する。
【0102】
好ましくは、第2のセグメント120は、移動可能である。第2のセグメント120が移動可能であるときに、第2のセグメント120は、移動可能であり、かつ第1のセグメント118に向かう方向に移動することが好ましい。また、第2のセグメント120が移動可能であり、かつ第1のセグメント118から離れる方向に移動することも好ましい。特定の実施形態において、第2のセグメント120が第1のセグメント118に向かって移動する方向は、ガラスの移動方向に対して垂直であるか、またはガラスの移動方向と同じ方向である。他の実施形態において、第2のセグメント120は、第1のセグメント118に向かって移動可能でない。好ましくは、第2のセグメント120は、移動可能であり、かつ第1の位置から第2の位置まで、および第2の位置から第1の位置まで移動する。好ましくは、第2のセグメント120が第1のセグメント118に向かって移動するときに、第2のセグメント120が第2の位置から第1の位置まで移動する。また、第2のセグメント120が第1のセグメント118から離れる方向に移動するときに、第2のセグメント120が第1の位置から第2の位置まで移動することも好ましい。好ましくは、第2のセグメント120が第1の位置にあるときに、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置される。また、ガラス板106が第1の曲げ工具112上で成形されるときに、第2のセグメント120が第2の位置にあることも好ましい。いくつかの実施形態において、第2のセグメント120は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで1秒以下で移動する。他の実施形態において、第2のセグメント120は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで0.5秒以下で移動する。
【0103】
第1のセグメント118の移動および第2のセグメント120の移動は、同時の様態で生じ得る。例えば、第1のセグメント118が、ガラスの移動方向に対して垂直な方向に、第2のセグメント120に向かって移動し、第2のセグメント120が、ガラス移動の方向に対して垂直な方向に、第1のセグメント118に向かって移動する実施形態において、第1のセグメント118の移動および第2のセグメント120の移動は、同時に生じ得る。第1のセグメント118および第2のセグメント120が同時に移動するいくつかの実施形態において、第1のセグメント118および第2のセグメント120はどちらも、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、該ガラス板に向かって移動することができる。他の実施形態において、第1のセグメント118および第2のセグメント120はどちらも、ガラス板106が成形された後に、ガラス板106から、および/または互いに離れて移動することができる。
【0104】
一実施形態において、第3のセグメント122は、移動可能である。この実施形態において、第3のセグメント122は、移動可能であり、かつ第4のセグメント124に向かう方向に移動することが好ましい。また、第3のセグメント122が移動可能であり、かつ第4のセグメント124から離れる方向に移動することも好ましい。特定の実施形態において、第3のセグメント122は、ガラスの移動方向に対して垂直な方向に、第4のセグメント124に向かって移動する。しかしながら、第3のセグメント122は、ガラスの移動方向と同じ方向に、第4のセグメント124に向かって移動することが好ましい。第3のセグメント122はまた、他のセグメントに対しても移動することができる。例えば、いくつかの実施形態において、第3のセグメント122は、第1のセグメント118が移動する方向に対して垂直な方向に移動する。これらの実施形態において、第3のセグメント122はまた、第2のセグメント120が移動する方向に対して垂直な方向に移動することもできる。好ましくは、第3のセグメント122は、移動可能であり、かつ第1の位置から第2の位置まで、および第2の位置から第1の位置まで移動する。好ましくは、第3のセグメント122が第4のセグメント124に向かって移動するときに、第3のセグメント122が第1の位置から第2の位置まで移動する。また、第3のセグメント122が第4のセグメント124から離れる方向に移動するときに、第3のセグメント122が第2の位置から第1の位置まで移動することも好ましい。好ましくは、ガラス板106は、第3のセグメント122が第1の位置にあるときに、第1の曲げ工具112上に配置される。また、第3のセグメント122は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上で成形されるときに、第2の位置にあることも好ましい。いくつかの実施形態において、第3のセグメント122は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで1秒以下で移動する。他の実施形態において、第3のセグメント122は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで0.5秒以下で移動する。
【0105】
特定の実施形態(図示せず)において、第4のセグメント124は、移動可能である。そのような1つの実施形態において、第4のセグメント124は、移動可能であり、かつ第3のセグメント122に向かう方向に移動することが好ましい。また、第4のセグメント124は、移動可能であり、かつ第3のセグメント122から離れる方向に移動することも好ましい。好ましくは、第4のセグメント124が第3のセグメント122に向かって移動するときに、第4のセグメント124が第1の位置から第2の位置まで移動する。また、第4のセグメント124が第3のセグメント122から離れる方向に移動するときに、第4のセグメント124が第2の位置から第1の位置まで移動することも好ましい。第4のセグメント124が第3のセグメント122に向かって移動するときには、第4のセグメント124がガラスの移動方向とは反対の方向に移動することが好ましい。いくつかの実施形態において、第4のセグメント124は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで1秒以下で移動する。他の実施形態において、第4のセグメント124は、第1の位置から第2の位置まで、または第2の位置から第1の位置まで0.5秒以下で移動する。
【0106】
第4のセグメント124が第3のセグメント122に向かって移動する実施形態において、第3のセグメント122の移動および第4のセグメント124の移動は、同時の様態で生じ得る。例えば、第3のセグメント122が、ガラスの移動方向に、第4のセグメント124に向かって移動し、第4のセグメント124が、反対方向に、第3のセグメント122に向かって移動する実施形態において、第3のセグメント122の移動および第4のセグメント124の移動は、同時に生じ得る。第3のセグメント122の移動および第4のセグメント124の移動が同時に生じるいくつかの実施形態において、第3のセグメント122および第4のセグメント124はどちらも、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、ガラス板106に向かって同時に移動することができる。他の実施形態において、第3のセグメント122および第4のセグメント124はどちらも、ガラス板106が成形された後に、ガラス板106から、および/または互いに同時に離れて移動することができる。さらに別の実施形態において、第3のセグメント122の移動および第4のセグメント124の移動は、第1のセグメント118の移動および第2のセグメント120の移動と同時の様態で生じ得る。
【0107】
しかしながら、他の実施形態では、第4のセグメント124が第3のセグメント122に向かって移動しないことが好ましい場合がある。これらの実施形態において、ガラス板106の位置は、成形の前に、第4のセグメント124に対して変化し得る。例えば、第4のセグメント124がガラス板106の前縁部分を受容するように構成され、ガラス板106が成形される前に第3のセグメント122が第4のセグメント124に向かって移動するときに、ガラス板106の前縁部分は、第4のセグメント上を、第1の位置から第2の位置までガラスの進行方向に移動することができる。これらの実施形態において、第4のセグメント124の位置は、固定することができる。
【0108】
好ましくは、ガラス板106を成形する前に2つ以上のセグメント118~124が移動するときに、セグメント118~124は、所定の順序でガラス板106に向かって移動する。例えば、ガラス板106を成形する前に、第1のセグメント118および第2のセグメント120は、互いに、かつガラス板106に向かって移動することができる。この実施形態において、第1のセグメント118および第2のセグメント120は、上に記載したように、互いに、かつガラス板106に向かって同時に移動することができる。第1のセグメント118および第2のセグメント120の移動に続いて、第3のセグメント122は、第4のセグメント124およびガラス板106に向かって移動することができる。しかしながら、他の実施形態において、第1のセグメント118、第2のセグメント120、および第3のセグメント122は、別の所定の順序で移動することができる。例えば、特定の実施形態において、第1のセグメント118、第2のセグメント120、および第3のセグメント122は、それぞれ、ガラス板106に向かって同時に移動することができる。代替的に、他の実施形態において、第1のセグメント118および第2のセグメント120が互いに、かつガラス板106に向かって移動する前に、第3のセグメント122は、第4のセグメント124およびガラス板106に向かって移動することができる。この実施形態において、第1のセグメント118および第2のセグメント120は、互いに、かつガラス板106に向かって同時に移動することができる。ガラス板106を成形する前に、2つ以上のセグメント118~124が所定の順序でガラス板106に向かって移動するときに、移動する各セグメントが、所定の時間で、その第1の位置からその第2の位置まで移動することが好ましい。所定の時間は、2つ以上のセグメント118~124のうちの1つ以上が移動し始めたときに開始し、2つ以上のセグメント118~124の全てが、所定の順序で、第1の位置から第2の位置までガラス板106に向かって移動した後に終了することが好ましい。好ましくは、所定の期間は、2秒以下である。
【0109】
いくつかの実施形態において、ガラス板106が第1の曲げ工具から取り除かれた後に、移動可能である各セグメント118~124は、その第2の位置からその第1の位置まで移動する。
【0110】
いくつかの実施形態において、ガラス板106が同時の様態で、または別の所定の順序で第1の曲げ工具から取り除かれた後に、移動可能である各セグメント118~124は、その第2の位置からその第1の位置まで移動することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、移動可能である各セグメント118~124は、ガラス板106が成形された後に、その第2の位置からその第1の位置まで移動する。
【0112】
いくつかの実施形態において、移動可能である各セグメント118~124は、ガラス板106が同時の様態で、または別の所定の順序で成形された後に、その第2の位置からその第1の位置まで移動することができる。
【0113】
各セグメント118~124の垂直位置は、1つ以上の支持体150を利用して調整することができる。特定のセグメント118~124の垂直位置は、第1の曲げ工具112の加熱および冷却によって生じるそのセグメントまたは別のセグメントの変化を補償するように調整することができる。1つ以上の支持体150は、それぞれ、変更することができる長さを有する。各セグメント118~124は、そこに取り付けられた1つ以上の支持体150を有するので、1つ以上の支持体150のうちの少なくとも1つの長さを変更することで、セグメントの位置を調整する。セグメントの位置は、セグメントに取り付けられた1つ以上の支持体150の長さを増加または減少させることによって、垂直方向に調整される。
【0114】
以下、1つ以上の支持体150を、
図7に例示される第3のセグメント122、およびベース部材152を参照して記載する。第3のセグメント122、1つ以上の支持体150、およびベース部材152について下に提供される説明はまた、第1のセグメント118、第2のセグメント120、および第4のセグメント124、ならびに第1のセグメント118、第2のセグメント120、および第4のセグメント124の各々に接続されたそれぞれのベース部材に取り付けられた1つ以上の支持体150にも適用することができることを認識されたい。
【0115】
以下、
図7を参照すると、1つ以上の支持体150のうちの各支持体が第3のセグメント122に取り付けられ、また、反対側では、1つ以上の支持体150のうちの各支持体がベース部材152に取り付けられる。ベース部材152は、上部フランジ154を含むことができる。一方の側では、上部フランジ154が1つ以上の支持体150に取り付けられる。反対側では、上部フランジ154が第1の壁部分156の第1の端部および第2の壁部分158の第1の端部に取り付けられる。上部フランジ154はまた、その上端部で、1つ以上の垂直延在リブ160にも取り付けられる。1つ以上の垂直延在リブ160のうちのリブ162、164はまた、第1の壁部分156および第2の壁部分158のそれぞれにも取り付けることができる。1つ以上の垂直延在リブ160はまた、下部フランジ166にも取り付けることもできる。第1の壁部分156の第2の端部および第2の壁部分158の第2の端部もまた、下部フランジ166に取り付けることができる。
【0116】
セグメントの移動を可能にするために、ベース部材152は、下部フランジ166を介して一対のヒンジ168、170に取り付けられる。
図7に例示されるヒンジ168、170は、明確にするために特定の部分を取り除いた分解様態で表される。
図7に例示される各ヒンジ168、170は、下部フランジ166に取り付けられた第1の部材172を含むことが好ましい。第1の部材172には、ピン(図示せず)を受容するための開口部が提供される。ピンはまた、第2の部材174の一対の開口部を通しても配置される。第1の部材172および第2の部材174は、各部材172、174の開口部を通してピンを配置することによって結合される。第2の部材172の各開口部には、ブッシング(図示せず)を提供することができる。好ましくは、各ブッシングは、ピンの一部分の周囲に配置される。一実施形態において、ブッシングは、ピンの回転を可能にする。別の実施形態において、ピンの回転は、別の種類のベアリングによって可能にすることができる。第2の部材172の位置は、第2の部材172の端部を、
図3および
図4に例示されるフレーム176に取り付けることによって固定される。
【0117】
フレーム176は、固定部材である。したがって、第1の曲げ工具112がフレーム176を備える実施形態において、移動可能であるセグメント118~124は、フレーム176に対して移動することができる。例えば、一実施形態において、第1のセグメント118は、フレーム176に対して移動可能である。この実施形態において、第1のセグメント118は、フレーム176に対する第1の位置にあり、かつフレーム176対する第1の位置から第2の位置まで移動することができる。第1のセグメント118は、必要に応じて、フレーム176に対する第2の位置から、フレーム176に対する第1の位置まで逆に移動することができる。第1の曲げ工具112が、移動可能である他のセグメント120~124を備えるときに、移動可能である他のセグメント120~124は、フレーム176に対する第1の位置またはフレーム176に対する第2の位置にあることができ、それらのセグメント12~124は、第1のセグメント118について上に記載したように、フレーム176に対する第1の位置から該フレームに対する第2の位置まで、またはその逆に移動することができる。また、ガラス板106は、フレーム176に対して移動可能である。例えば、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、かつガラス板106が成形される前に、ガラス板106は、フレーム176に対する第1の位置にあり、フレーム176に対する第1の位置からフレーム176に対する第2の位置まで移動することができる。好ましくは、フレーム176は、硬質材料で構築される。一実施形態において、フレーム176は、プラットフォームである。
【0118】
ベース部材152は、回転軸178を中心に移動可能である。回転軸178は、各ピンを通って延在する。ベース部材152は、回転軸178を中心に、時計回りおよび反時計回りの方向に移動可能である。回転軸178を中心とするベース部材152の移動は、第3のセグメント122が、上に記載したように移動することを可能にする。例えば、一実施形態において、ベース部材152の移動は、第3のセグメント122をその第1の位置からその第2の位置まで時計回り方向に移動させる。この実施形態において、ベース部材152の移動は、第3のセグメント122をその第2の位置からその第1の位置まで反時計回り方向に移動させる。好ましくは、例示されるように、第3のセグメント122は、回転軸178の上側に提供される。これらの実施形態において、回転軸178は、第3のセグメント122と略平行の関係で提供される。
【0119】
他のセグメント118、120、124のうちの1つ以上が上に記載したように移動するときに、移動するセグメント118、120、124に接続されたそれぞれのベース部材の各々、およびそれに接続されたセグメント118、120、124の各々が、第3のセグメント122およびベース部材152について上に記載した様態に類似する様態で移動することが好ましい。ベース部材152A、152Bが第1のセグメント118および/または第2のセグメント120をその第1の位置からその第2の位置まで、およびその逆に移動させるときに、各ベース部材152A、152Bが、上に記載した回転軸178との垂直な関係で提供される回転軸を有することが好ましい。しかしながら、例えば第4のセグメント124が定位置を有するときなどの、セグメントが移動可能でない実施形態において、第1の曲げ工具112は、回転軸を中心に移動しないように構成されたベース部材152Cを備えることが好ましい。これらの実施形態において、
図3に例示されるベース部材152Cは、それが回転軸を中心に移動することを阻止する様態で、フレーム176に取り付けることができる。好ましくは、これらの実施形態において、回転軸を中心に移動しないように構成されたベース部材152Cは、当技術分野において既知の構成のものである。
【0120】
回転軸178を中心とするベース部材152の移動は、1つ以上の駆動アセンブリ180を利用して達成することができる。例えば、回転軸178を中心にベース部材152を移動させるために、一対の駆動アセンブリ180を提供することができる。以下、
図3~
図6を参照すると、各駆動アセンブリ180は、駆動装置182を備えることができる。各駆動装置182は、
図6に最良に例示される、被駆動部材184を作動させるベルト、チェーン、または別の駆動部材を備えることができる。各被駆動部材は、ねじ、ロッド、またはねじ付き端部を有する別の部材とすることができる。各被駆動部材184は、所望の移動方向に向かう方向、またはそこから離れる方向に作動する。一実施形態において、端部では、各被駆動部材184が、被駆動部材184を受容するコネクタ186に取り付けられる。コネクタ186および被駆動部材184は、ねじ接続を介して互いに取り付けることができる。一実施形態において、各コネクタ186は、類似的に構成される。例示される実施形態において、各コネクタ186は、クレビスまたは類似の部材である。コネクタ186のうちの1つ以上は、ベース部材152の一部分に取り付けることができる。代替的に、コネクタ186のうちの1つ以上は、セグメント118~124、1つ以上の支持体150のうちの少なくとも1つの支持体、または第1の曲げ工具112の別の部分に取り付けることができる。
【0121】
好ましくは、回転軸178を中心にベース部材152を移動させるために一対の駆動アセンブリ180が提供されるときに、駆動アセンブリ180は、第1の伝達シャフトアセンブリ188を介して互いに接続される。第1の伝達シャフトアセンブリ188は、単一のシャフトまたは2本以上のシャフトを備えることができる。第1の伝達シャフトアセンブリ188は、第1の伝達シャフトアセンブリ188に接続された第1のモータ190からトルクを受ける。第1の伝達シャフトアセンブリ188によって受けたトルクは、第1の伝達シャフトアセンブリ188に接続された一対の駆動アセンブリ180に伝達される。一対の駆動アセンブリ180によって受けたトルクは、各駆動装置182を駆動するために利用される。
【0122】
類似的に、上に記載した態様に類似する様態で他のセグメント118、120、124のうちの1つ以上を移動させるために1つ以上の追加的なベース部材が提供されるときに、1つ以上の追加的なベース部材が、上に記載したように、回転軸を中心に移動することが好ましい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、1つ以上の追加的なベース部材の移動は、1つ以上の追加的な駆動アセンブリ180A、180Bを利用して達成することができる。1つ以上の追加的な駆動アセンブリ180A、180Bは、上に記載した1つ以上の駆動アセンブリ180と同じ様態で構成されることが好ましい。一実施形態において、1つ以上の追加的な駆動アセンブリ180A、180Bは、第1の一対の駆動アセンブリ180Aと、第2の一対の駆動アセンブリ180Bと、を備える。この実施形態において、第1の一対の駆動アセンブリ180Aおよび第2の一対の駆動アセンブリ180Bは、第2の伝達シャフトアセンブリ192を介して互いに接続される。第2の伝達シャフトアセンブリ192は、単一のシャフトまたは2本以上のシャフトを備えることができる。第2の伝達シャフトアセンブリ192を介して第1の一対の駆動アセンブリ180Aおよび第2の一対の駆動アセンブリ180Bを互いに接続することは、例えば、第1のセグメント118に接続されたベース部材152Aおよび第2のセグメント120に接続されたベース部材152Bを、同時の様態で、それぞれの回転軸を中心に移動させることを可能にする。ベース部材152A、152Bが同時の様態で移動することを可能にすることは、第1のセグメント118および第2のセグメント120が、上に記載したように同時に移動することを可能にする。
【0123】
第2の伝達シャフトアセンブリ192は、第2の伝達シャフトアセンブリ192に接続された第2のモータ194からトルクを受ける。第2の伝達シャフトアセンブリ192によって受けたトルクは、第2の伝達シャフトアセンブリ192に接続された第1の一対の駆動アセンブリ180Aおよび第2の一対の駆動アセンブリ180Bに伝達される。第1の一対の駆動アセンブリ180Aおよび第2の一対の駆動アセンブリ180Bによって受けたトルクは、上に記載したように、各駆動装置182を駆動するために利用される。
【0124】
第1のモータ190および第2のモータ194は、1つ以上のコントローラ(図示せず)によって制御することができる。1つ以上のコントローラは、第1のモータ190および第2のモータ194に電力を送る信号を提供することによって、第1のモータ190および第2のモータ194を調整する。一実施形態では、第2のモータ194に電力を送る前に、第1のモータ190に電力を送ることができる。他の実施形態では、第2のモータ194に電力を送った後に、第1のモータ190に電力を送ることができる。
【0125】
第1のセグメント118をその第1の位置からその第2の位置まで移動させること、および第2のセグメント120をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることが所望されるときに、第2のモータ194に電力を送ることができる。第3のセグメント122をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることが所望されるときに、第1のモータ190に電力を送ることができる。したがって、第1のセグメント118をその第1の位置からその第2の位置まで移動させ、同時に、第2のセグメント120をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることが所望されるときに、および第3のセグメント122をその第1の位置からその第2の位置まで移動させる前に、第2のモータ194に電力を送った後に、第1のモータ190に電力が送られる。
【0126】
1つ以上のコントローラが第1の曲げ工具112の他の部分と通信して、そこに信号を提供することができる。加えて、1つ以上のコントローラが複数のローラー138および流体パッドアセンブリ140と通信して、そこに信号を提供することができる。1つ以上のコントローラによって第1の曲げ工具112および駆動機構(図示せず)に提供される信号は、第1の曲げ工具112、複数のローラー138、および/または流体パッドアセンブリ140の下方向または上方向の垂直の移動を指示することができる。また、特定の実施形態において、1つ以上のコントローラは、第2の曲げ工具114と通信し、そこに信号を提供して、第2の曲げ工具114の下方向または上方向の垂直の移動を指示することも認識されたい。1つ以上のコントローラはまた、センタリング装置102と通信し、そこに信号を提供して、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置される前に、ガラス板106の位置決めを調整することもできる。
【0127】
特定の実施形態において、1つ以上のコントローラは、ソフトウェアとも称することができる一組のプログラミング命令の制御の下で、動作すること、および/または上に記載した信号を提供することができる。1つ以上のコントローラは、プログラミング命令が記憶されたメモリ(図示せず)を含むことができる。一実施形態において、一組のプログラミング命令は、1つ以上のコントローラが、所定のシーケンスで、流体の流れ、成形面116に対するガラス板106の位置決め、ならびに/または曲げ工具112、114、複数のローラー138、および流体パッドアセンブリ140の移動を調整することを可能にする。
【0128】
1つ以上のコントローラはまた、信号を受信することもできる。例えば、1つ以上のコントローラは、ガラス成形のライン100内のガラス板106の場所を示す光センサ(図示せず)と通信することができる。他の実施形態において、1つ以上のコントローラは、センタリング装置102、第2の曲げ工具114、1つ以上の弁、ならびに/または複数のローラー138および流体パッドアセンブリ140に接続された駆動機構から信号を受信することができる。
【0129】
ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、かつ成形される前に、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整することができる。第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するために、セグメント118~124のうちの少なくとも1つが、上に記載したように、その第1の位置からその第2の位置まで移動して、ガラス板106の1つ以上の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。一実施形態では、第1のセグメント118がその第1の位置からその第2の位置まで移動して、ガラス板106の第1の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。この実施形態において、ガラス板106の第1の部分は、ガラス板106の第1のピラー縁部分とすることができる。しかしながら、他の実施形態において、ガラス板106の第1の部分は、ガラス板106の第2のピラー縁部分である。さらに他の実施形態において、ガラス板106の第1の部分は、ガラス板106の前縁部分または後縁部分とすることができる。好ましくは、ガラス板106の第2の部分は、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bによって接触されて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整する。一実施形態では、第2のセグメント120がその第1の位置からその第2の位置まで移動して、ガラス板106の第2の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。この実施形態において、ガラス板106の第2の部分は、ガラス板の第2のピラー縁部分とすることができる。しかしながら、他の実施形態において、ガラス板の第2の部分は、ガラス板の第1のピラー縁部分とすることができる。さらに他の実施形態において、ガラス板106の第2の部分は、ガラス板106の前縁部分または後縁部分とすることができる。さらに他の実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bによって接触されて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整する。いくつかの実施形態では、第3のセグメント122がその第1の位置からその第2の位置まで移動して、ガラス板106の第3の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。そのような1つの実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、ガラス板106の後縁部分である。しかしながら、別の実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、ガラス板106の前縁部分である。他の実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、ガラス板106の第1のピラー縁部分または第2のピラー縁部分とすることができる。また、ガラス板106の第4の部分が1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bによって接触されて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整することも好ましくなり得る。いくつかの実施形態では、第4のセグメント124がその第1の位置からその第2の位置まで移動して、ガラス板106の第4の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。そのような1つの実施形態において、ガラス板106の第4の部分は、ガラス板106の前縁部分である。しかしながら、別の実施形態であるにおいて、ガラス板106の第4の部分は、ガラス板106の後縁部分である。他の実施形態において、ガラス板106の第4の部分は、ガラス板106の第1のピラー縁部分または第2のピラー縁部分とすることができる。
【0130】
ガラス板106の1つ以上の部分と、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとの接触は、必要に応じて、ガラス板106の位置を、第1の曲げ工具112の成形面116上の所望の位置に調整する。ガラス板106の1つ以上の部分と1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させるために、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bが第1の曲げ工具112の成形面116の外周に隣接して配置されることが好ましい。1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bの各々は、ガラス板106に接触して、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。好ましくは、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、それぞれ、類似的に構成される。しかしながら、本方法は、利用して実践することができ、第1の曲げ工具112は、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bのうちの1つ以上が類似的に構成されないときに構成することができる。
【0131】
各位置決めアセンブリ196、196A、196Bがセグメント118~124と機械的に連通すること、および各セグメント118~124がそれらと機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bを有することが好ましい。例えば、例示されるように、第1のセグメント118、第2のセグメント120、第3のセグメント122、および第4のセグメント124は、それぞれ、それらと機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196Aを有することができる。例えば第1のセグメント118などの、移動するセグメントと機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、ガラス板106の一部分に接触する前に、ガラス板106に向かう方向にセグメントと共に移動する。移動しないセグメントと機械的に連通する位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、ガラス板106の一部分に接触する前に、ガラス板106に向かう方向に移動しない。例えば、
図5に最良に例示されるような一実施形態において、2つの位置決めアセンブリ196、196Aは、第4のセグメント124と機械的に連通する。この実施形態において、第4のセグメント124は、第3のセグメント122に向かう方向に移動しない、固定位置を有する。また、この実施形態において、第4のセグメント124は、ガラス板106が第1の曲げ工具112の成形面116に配置された後に、ガラス板106に向かう方向に移動しない。したがって、この実施形態において、第4のセグメント124と機械的に連通する2つの位置決めアセンブリ196、196Aは、ガラス板106の第4の部分に接触する前に、ガラス板106に向かう方向に移動しない。
【0132】
以下、1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bの特徴を下に記載する。1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、第1のセグメント118を参照して下に記載され得る。下に記載される1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bの実施形態は、上に記載したセグメント118~124のうちのいずれかによって利用することができることを理解されたい。
【0133】
図2および
図3に例示されるように、第1のセグメント118と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、第1の位置決めアセンブリ196を備える。第1の位置決めアセンブリ196は、ガラス板106の第1の部分に接触して、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の位置決めアセンブリ196は、第1の位置決めアセンブリ196が第1のセグメント118に取り付けられるように、第1のセグメント118と機械的に連通する。第1のセグメント118と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bはまた、第2の位置決めアセンブリ196Aも備えることができる。第1の位置決めアセンブリ196に類似して、第2の位置決めアセンブリ196Aは、ガラス板106の第1の部分に接触して、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。いくつかの実施形態において、第2の位置決めアセンブリ196Aは、第2の位置決めアセンブリ196Aが第1のセグメント118に取り付けられるように、第1のセグメント118と機械的に連通する。第1の位置決めアセンブリ196および第2の位置決めアセンブリ196Aは、類似的に構成されることが好ましい。
【0134】
特定の実施形態において、第1の位置決めアセンブリ196は、第1のセグメント118と共に移動する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、ガラス板106に接触する前に、第1の位置決めアセンブリ196は、ガラス板106に向かう方向に第1のセグメント118と共に移動する。そのような1つの実施形態において、第1の位置決めアセンブリ196は、ガラス板106に向かう方向に第1のセグメント118と共に移動して、ガラス板106の第1の部分に接触する。第2の位置決めアセンブリ196Aが提供される実施形態において、第1の位置決めアセンブリ196および第2の位置決めアセンブリ196Aは、互いに離間される。同様に、第2の位置決めアセンブリ196Aの移動は、第1の位置決めアセンブリ196について上に記載した通りであり、第2の位置決めアセンブリ196Aは、第1の位置決めアセンブリ196について上に記載した様態に類似する様態でガラス板106の第1の部分に接触する。ガラス板106が成形された後に、第1の位置決めアセンブリ196、および提供されたときには第2の位置決めアセンブリ196Aが、反対方向に第1のセグメント118と共に移動する。
【0135】
上に記載したように、第1のセグメント118は、第1の位置から第2の位置まで移動する。一実施形態において、および第1のセグメント118が第1の位置から移動した後に、第1の位置決めアセンブリ196は、ガラス板106の第1の部分に接触する。好ましくは、第1の部分は、ガラス板106の縁部分である。第1の位置決めアセンブリ196、および提供されたときに第2の位置決めアセンブリ196Aは、第1のセグメント118がその第2の位置にある前に、ガラス板106の第1の部分に接触することができる。第1のセグメント118が第2の位置にあり、ガラス板106の第1の部分が第1のピラー縁部分であるときに、ガラス板106の第1のピラー縁部分は、
図15に例示されるように、第1の位置決めアセンブリ196の端面198に当接する。第1のセグメント118の移動の前のガラス板106のサイズおよび整列に応じて、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、第1の位置決めアセンブリ196の端面198とガラス板106との間に空間(図示せず)を提供することができることを理解されたい。第1の位置決めアセンブリ196の端面198は、ガラス板106の第1のピラー縁部分に接触して、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように構成される。第1の位置決めアセンブリ196とガラス板106の第1のピラー縁部分との接触は、第1の位置から第2の位置までガラス板106を移動させることができる。
【0136】
上に記載したように、第1の位置決めアセンブリ196の端面198は、ガラス板106の位置が第1の曲げ工具112の成形面116に対して調整されているときに、ガラス板106の第1のピラー縁部分に接触することができる。以下、
図8~
図11を参照すると、第1の位置決めアセンブリ196の端面198は、本体部分200の端部に提供される。本体部分200は、硬質で耐久性のある設計のものであり、また、鋼で形成することができる。一実施形態において、本体部分200は、L字形状の断面とすることができる。
図10に例示されるように、本体部分200の一部分および端面198は、第1のセグメント118の上に位置付けられる。本体部分200は、第1のセグメント118の内縁部202に向かって延在する。
【0137】
接触材料(図示せず)を本体部分200に取り付けることができる。提供されたときに、接触材料が第1の位置決めアセンブリ196の端面198を覆うことが好ましい。接触材料は、1つ以上の締結具、溶接、接着剤によって、または別の方法によって、本体部分200に取り付けることができる。好ましくは、接触材料は、本体部分200の側部に結合される。接触材料が提供されたときに、接触材料が、接触されているガラス板106の一部分を分離して、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整することが好ましい。一実施形態において、接触材料は、ステンレスの鋼線織物から形成される。しかしながら、接触材料は、ガラス板106よりも軟質で高温用途に適した、他の織物様の材料から形成することができる。
【0138】
支持部材204は、本体部分200の一部分を受容する。本体部分200は、
図10に例示される1つ以上のピン206または別の部材を介して支持部材204に取り付けられる。1つ以上のピン206の各々は、その一実施例が
図15に例示される本体部分200の開口部207、およびその一実施例が
図8に例示される支持部材204の対応する開口部208に配置される。以下、
図10を参照すると、1つ以上のピン206は、本体部分200が、上方向または下方向に垂直に移動すること、および支持部材204を取り付けたままにすることを可能にする。本体部分200の上方向および下方向の垂直の移動を
図11に表す。支持部材204は、1つ以上の締結具210を介して第1のセグメント118に取り付けることができ、第1のセグメント118に対するその位置は、固定することができる。
【0139】
上で述べたように、本体部分200は、上方向または下方向に垂直に移動するように構成される。本体部分200は、第1の位置から第2の位置まで下方向に、および第2の位置から第1の位置まで上方向に垂直に移動することが好ましい。ガラス板106を成形する前に、または第1の位置決めアセンブリ196が静止状態であるときに、本体部分200は、第1の位置にある。ガラス板106が成形されているときに、本体部分200は、第2の位置にある。
【0140】
本体部分200が第1の位置にあるときに、本体部分200の上面212は、
図15に表される、第1の曲げ工具112の成形面116に対して傾斜した様態で配向される。本体部分200の上面212はまた、
図8に例示される、支持部材204の頂面214および/または1つ以上のピン206のうちの1つの中心線216に対して傾斜した様態で配向することもできる。しかしながら、
図11に表されるように、本体部分200の上面212の配向は、本体部分200が第2の位置にあるときに変化する。例えば、ガラス板106が成形されているときに、本体部分200の上面212は、支持部材204の頂面214と並列関係または実質的に並列関係で提供することができる。
【0141】
第1の位置決めアセンブリ196はまた、1つ以上の調整アセンブリ218も備える。
図8~
図10に例示されるように、一実施形態において、第1の位置決めアセンブリ196は、一対の調整アセンブリ218を備えることができる。この実施形態において、調整アセンブリ218は、互いに離間され、かつ第1の位置決めアセンブリ196の両側に位置決めされる。1つ以上の調整アセンブリ218は、ガラス板106が成形された後に、第1の位置決めアセンブリ196が静止状態に戻ること、および本体部分200がその第1の位置に戻ることを可能にする。
【0142】
各調整アセンブリ218は、調整機構を備える。
図8~
図11に例示される実施形態において、調整機構は、1つ以上の脚部を備える。
図8~
図11に例示される実施形態において、1つ以上の脚部は、第1の脚部220と、第2の脚部220Aと、を備える。1つ以上の脚部の各脚部220、220Aは、ねじ部材とすることができる。代替の種類の部材を第1の脚部220および2第2の脚部220Aとして利用することができることを認識されたい。例えば、一実施形態において、各脚部220、220Aは、各脚部220、220Aを本体部分200および/または支持部材204に接続するためのねじ付き端部を有するボルト部材または類似の部材とすることができる。好ましくは、第1の脚部220は、第2の脚部220Aから横方向に離間され、その逆も同じである。また、各脚部220、220Aは、本体部分200の開口部222および支持部材204の開口部224を通して配置されることも好ましい。付勢部材226は、各脚部220、220Aの周囲に提供される。各付勢部材226は、力を本体部分200に印加して、本体部分200をその第1の位置を維持するか、または第2の位置から第1の位置まで本体部分200を戻す。各付勢部材226は、本体部分200の開口部222のうちの1つの中へ延在して、付勢部材226がその中へ延在する開口部に隣接する本体部分200の一部分に係合する。これらの実施形態では、ワッシャ228を、各付勢部材226の端部と各脚部220、220Aの外端部との間に提供することができる。これらの実施形態において、各付勢部材226は、ばねとすることができる。各付勢部材226がばねであるときに、本体部分を第1の位置に維持するために付勢部材226によって本体部分200に印加される力は、ばね力である。
【0143】
図12~
図14は、1つ以上の位置決めアセンブリ196Bの別の実施形態を例示する。
図12~
図14に例示される実施形態において、調整機構218Aは、第1の脚部220と、第2の脚部220Aと、を備える。しかしながら、
図12~
図14に例示される実施形態において、第1の脚部220は、脚部220、220Aが互いに垂直な関係になるように、第2の脚部220Aから離間される。また、この実施形態において、第1の脚部220は、本体部分200に取り付けられ、第2の脚部220Aは、支持部材204に取り付けられる。付勢部材226Aは、第1の脚部220および第2の脚部220Aに接続される。付勢部材226Aは、上に記載した様態に類似する様態で動作する。しかしながら、
図12~
図14に例示される実施形態において、付勢部材226Aは、第1の脚部220を介して力を本体部分200に印加して、本体部分200を第1の位置に維持するか、または本体部分200を第1の位置に戻す。付勢部材226Aは、第1の脚部220の開口部230および第2の脚部220Aの開口部232を通して、第1の脚部220および第2の脚部220Aに接続される。これらの実施形態において、付勢部材226Aは、ばねとすることができる。付勢部材226Aがばねであるときに、本体部分200を第1の位置に維持するために付勢部材226Aによって本体部分200に印加される力は、ばね力である。
【0144】
以下、
図15を参照すると、本体部分200は、第1のセグメント118の内縁部202に向かって延在する。ガラス板106を成形する前に、本体部分200は、第1の位置にある。第1の位置において、本体部分200の端部面198の一部分および上面212の一部分は、ガラス板106が第1の曲げ工具112上に配置された後に、ガラス板106の第1の主表面146よりも高い高さにある。ガラス板106が成形される直前に、第2の曲げ工具114は、第1の位置決めアセンブリ196に接触し、かつ力を印加する。より具体的には、第2の曲げ工具114は、本体部分200の上面212に接触し、かつ力を印加する。第2の曲げ工具114によって本体部分200の上面212に印加される力は、付勢部材226、226A(複数可)によって本体部分200に印加される力よりも大きい。したがって、第2の曲げ工具114によって本体部分200の上面212に印加される力は、本体部分200を第1の位置から第2の位置まで下方向に垂直に移動させる。本体部分200が第1の位置から第2の位置まで下方向に垂直に移動するときに、本体部分200の一部分は、第1のセグメント118の外縁部に提供された溝234によって受容される。本体部分200は、本体部分200が第2の位置にあるときに、溝234によって受容される。
【0145】
ガラス板106を成形する間、本体部分200は、第2の位置にある。第2の位置において、本体部分200の上面212は、ガラス板106の第1の主表面146と整列または実質的に整列される。また、この時点で、端部面198は、ガラス板106の第1のピラー縁部分と平行または実質的に平行の関係で提供することができる。ガラス板106を成形した後に、第2の曲げ工具114は、第1の位置決めアセンブリ196との接触から取り除かれ、これは、第2の曲げ工具114によって本体部分200の上面212に提供された力を取り除く。第2の曲げ工具114が第1の位置決めアセンブリ196との接触から取り除かれた後に、付勢部材226、226A(複数可)によって印加された力は、本体部分200を第2の位置から第1の位置まで移動させることによって、本体部分200をその第1の位置に戻す。
【0146】
一実施形態において、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整することが所望されるときに、第1のセグメント118は、第1の位置から第2の位置まで移動される。第1のセグメント118をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることは、ガラス板106の第1の部分を、第1のセグメント118と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させる。ガラス板106の第1の部分を、第1のセグメント118と機械的に連通するより多くの位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整する。第2の位置において、第1のセグメント118と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、ガラス板106の第1の部分に接触する。この実施形態において、ガラス板106の第1の部分は、ガラス板106の第1のピラー縁部分とすることができる。好ましくは、ガラス板106の第2の部分は、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように接触される。好ましくは、ガラス板106の第2の部分は、ガラス板106の縁部分である。ガラス板106の第2の部分に接触させるために、第2のセグメント120は、第1の位置から第2の位置まで移動させることができる。第2のセグメント120をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることは、ガラス板106の第2の部分を、第2のセグメント120と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させる。ガラス板106の第2の部分を、第2のセグメント120と機械的に連通するより多くの位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板の位置を調整する。第2の位置において、第2のセグメント120と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、ガラス板106の第2の部分に接触する。この実施形態において、ガラス板106の第2の部分は、ガラス板106の第2のピラー縁部分とすることができる。いくつかの実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように接触される。好ましくは、ガラス板106の第3の部分は、ガラス板106の縁部分である。ガラス板106の第3の部分に接触させるために、第3のセグメント122は、第1の位置から第2の位置まで移動させることが好ましい。第3のセグメント122をその第1の位置からその第2の位置まで移動させることは、ガラス板106の第3の部分を、第3のセグメント122と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させる。ガラス板106の第3の部分を、第3のセグメント122と機械的に連通するより多くの位置決めアセンブリ196、196A、196Bと接触させて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整する。第2の位置において、第3のセグメント122と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bは、ガラス板106の第3の部分に接触する。この実施形態において、ガラス板106の第3の部分は、ガラス板106の後縁部分とすることができる。さらなる実施形態において、ガラス板106の第4の部分は、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整するように接触され得る。好ましくは、ガラス板106の第4の部分は、ガラス板106の縁部分である。ガラス板106の第4の部分に接触させるために、第4のセグメント124は、ガラス板106に向かって移動しないことが好ましい。代わりに、この実施形態では、ガラス板106が、第4のセグメント124と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bに向かって移動して、ガラス板106の第4の部分と、第4のセグメント124と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとを接触させる。ガラス板106の第4の部分と、第4のセグメント124と機械的に連通する1つ以上の位置決めアセンブリ196、196A、196Bとの接触は、ガラス板106を第1の曲げ工具112の成形面116に対して位置決めする。この実施形態において、ガラス板106の第4の部分は、ガラス板106の前縁部分とすることができる。上に記載したようにガラス板106が接触され、そして、上に記載した実施形態のうちの1つに従って第1の曲げ工具112の成形面116に対する所望の位置になった後に、ガラス板106が成形される。
【0147】
上に記載したようにガラス板106の1つ以上の部分を接触させて、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106の位置を調整する。好都合には、第1の曲げ工具112の成形面116に対するガラス板106のこのような位置決めは、成形する前のガラス板106と成形面116との向上した整列をもたらす。向上した位置合わせは、ガラス板106に所望の特性を与え、成形した後のガラス板106を高品質にすることを確実にする。さらに、ガラス成形ライン100および第1の曲げ工具112が流体パッドアセンブリ140を含むときに、他の成形方法およびガラス成形ラインと比較して、ガラス板106上のマーク印によって生じる光学的歪を低減させることができる。
【0148】
図1を再度参照すると、ガラス板106がプレス曲げを介して成形される実施形態では、ガラス板106を成形するために、第1の曲げ工具112と第2の曲げ工具との間の移動が生じる。ガラス板106がプレス曲げされる実施形態では、ガラス板106が上に記載したように第1の曲げ工具112の成形面116に対して位置決めされると、第2の曲げ工具114が移動しない状態で、第1の曲げ工具112が第2の曲げ工具114に向かって移動して、ガラス板106をプレス曲げすることが好ましい。この実施形態において、第1の曲げ工具112の移動に続いて、ガラス板106は、第1の曲げ工具112と第2の曲げ工具114の間でプレス曲げされる。しかしながら、他の実施形態において、第1の曲げ工具112は、第2の曲げ工具114に向かって移動することができ、第2の曲げ工具114は、第1の曲げ工具112に向かって移動することができる。代替的に、第2の曲げ工具114は、第1の曲げ工具112が移動しない状態で、第1の曲げ工具112に向かって移動することができる。これらの代替例のいずれかにおける目的は、第1の曲げ工具112と第2の曲げ工具114との間に相対移動を生じさせて、第1の曲げ工具112と第2の曲げ工具114との間でガラス板106をプレス曲げすることである。
【0149】
ガラス板106を所望の形状に形成するのを円滑にするために、プレス中に、第2の曲げ工具114に形成された通路236を真空に引くことができる。ガラス板106の成形の完了時に、ガラス板106は、第2の曲げ工具114の通路236を通して正圧を印加することによって、第2の曲げ工具114から解放することができる。
【0150】
曲げ過程の完了時に、運搬装置(図示せず)は、成形されたガラス板106をガラス焼きなまし炉238の中へ輸送する役割を果たす。ガラス焼きなまし炉238内で、成形されたガラス板106は、当技術分野で知られているように焼きなましまたは焼き戻しが行われ、そして、取り扱うことができる温度に冷却することができる。成形されたガラス板106は、ウインドスクリーン、サイドウインドウ、サンルーフ、またはリアウインドウなどの、車両用のウインドウの構築に使用することができる。そのようなウインドウは、モノリシックまたは積層とすることができる。
【0151】
特許法の規定に従って、本発明は、その好ましい実施形態を表すと考えられるものを記載してきたが、本発明は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、具体的に例示され、記載されているもの以外でも実施することができることに留意されたい。