(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/28 20140101AFI20220531BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20220531BHJP
A63F 13/21 20140101ALI20220531BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220531BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220531BHJP
【FI】
A63F13/28
A63F13/65
A63F13/21
G06F3/01 510
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020160255
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河本 拓
(72)【発明者】
【氏名】大木 健至
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0104596(US,A1)
【文献】特表2011-510444(JP,A)
【文献】小学校独自の新型コロナ・熱中症対策 傘さし登校始める 愛知・豊田市,CHUKYO TV NewsWEB [online],2020年05月27日,https://www.ctv.co.jp/news/articles/iqucv9yxiboicmgb.html,[2022年1月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
H05B 39/00-39/10、
45/00-45/58、
47/00-47/29
G06F 3/01
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の領域内の人の密度に関する第1情報
と、前記領域内の人数に関する第2情報とを取得する第1ステップと、
前記第1情報
と前記第2情報とに基づき、
所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも
密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更する第2ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第2ステップにおいて、前記第1情報と前記第2情報とに基づき、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出をより豪華な内容に変更することで、前記領域内の複数の人が、人同士の間隔を自発的に空けるように支援する請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2ステップにおいて、前記第1情報に基づき、予め設定するよりも人が密集したと判断すると、提供中の演出
の豪華さを抑えるように変更する請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1ステップにおいて、複数の所定の領域における前記第1情報と、前
記第2情報とを取得し、
前記第2ステップにおいて、前記第1及び第2情報に基づき、予め設定された数の領域で、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも
密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更する請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記領域内の人が広がって位置すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出
が豪華な内容に変更されることを
、前記領域内の前記人へ提示する第3ステップを前記プロセッサに実行させる請求項1乃至
4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1ステップにおいて、新たに人が到来したことについての第3情報を取得し、
前記第3ステップにおいて、前記第3情報に基づき、前記新たに到来した人が所定の移動先へ移動すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更することを
、前記領域内の人又は新たに到来した人へ提示する請求項
5記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定の移動先は、到来した領域内の位置、又は到来した領域以外の
所定の領域内の位置である請求項
6記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1情報は、人同士の間隔を空けるためのツールの検出に基づいて取得される請求項1乃至
7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記演出は、現実世界のイベントの演出である請求項1乃至
8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、前記方法は、前記プロセッサが、
所定の領域内の人の密度に関する第1情報
と、前記領域内の人数に関する第2情報とを取得する第1ステップと、
前記第1情報
と前記第2情報とに基づき、
所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも
密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更する第2ステップと
を実行する方法。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備える情報処理装置であって、前記プロセッサが、
所定の領域内の人の密度に関する第1情報
と、前記領域内の人数に関する第2情報とを取得する第1ステップと、
前記第1情報
と前記第2情報とに基づき、
所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも
密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更する第2ステップと
を実行する情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備える情報処理装置を有するシステムであって、
所定の領域内の人の密度に関する第1情報
と、前記領域内の人数に関する第2情報とを取得する第1手段と、
前記第1情報
と前記第2情報とに基づき、
所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも
密度が低いと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出
をより豪華な内容に変更する第2手段と
を具備するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、大規模な感染病の流行により、人同士が密接して活動することを避けることが推奨されている。このことは、イベント、及びテーマパーク等、他の娯楽施設でも同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人同士が密接してしまう環境を避けるため、娯楽施設では、例えば、入場者を制限する措置を取っている。また、娯楽施設では、入場者同士が自主的に間隔を空けるよう、協力を呼びかけている。
【0005】
しかしながら、協力の呼びかけは一種の強制力を有することがある。入場制限を経て入場した入場者は、協力の呼びかけを守らなければならない、という観念から、娯楽施設にいるにも関わらず、居心地の悪さを感じるおそれがある。
【0006】
なお、特許文献1では、プレイヤ同士が近距離にいる際に同一のゲームグループを形成することが記載されているが、プレイヤ間の間隔については記載されていない。
そこで、本開示の目的は、人同士が自発的に間隔を空けることを支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータが実行可能なプログラムである。プログラムは、プロセッサに、人同士がどれだけ密集しているかを表す第1情報を取得する第1ステップと、第1情報に基づき、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる第2ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、人同士が自発的に間隔を空けることを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】情報処理装置の機能的な構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置が記憶する演出情報DBのデータ構造を示す図である。
【
図4】情報処理装置が記憶する検出情報DBのデータ構造を示す図である。
【
図5】演出が提供される際の情報処理装置、検出装置、及び演出装置の動作を説明するための図である。
【
図6】参加者が誘導される際の情報処理装置、検出装置、及び誘導装置の動作を説明するための図である。
【
図7】演出を鑑賞するために集まった参加者を表す図である。
【
図8】誘導情報に従って移動する参加者を表す図である。
【
図9】適切な間隔を空けて演出を鑑賞する参加者に対して提供される演出を表す図である。
【
図10】所定数より少ない参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合を表す図である。
【
図11】規定数に達した参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合を表す図である。
【
図12】複数の検出領域における参加者の位置に連動して演出レベルが決定される場合の演出を表す図である。
【
図13】適切な間隔を空けて演出を鑑賞する参加者に対して提供される演出を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
本実施形態に係るシステムは、参加者に対して演出を提供するシステムである。システムは、参加者に演出を提供する際、参加者の人数、又は間隔に応じ、提供する演出を変化させることで、参加者間の間隔を空けさせるようにしている。
【0012】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、情報処理装置10と、検出装置20と、演出装置30と、誘導装置40とを含む。情報処理装置10と、検出装置20と、演出装置30と、誘導装置40とは、ネットワーク80を介して通信接続する。情報処理装置10と、検出装置20と、演出装置30と、誘導装置40との接続は、無線であっても有線であっても構わない。
【0013】
図1において、システム1が複数の検出装置20、及び演出装置30を含む例を示しているが、システム1に含まれる検出装置20、及び演出装置30は、それぞれ1台であっても構わない。また、
図1では、検出装置20、及び演出装置30が対になっている例を示しているが、検出装置20、及び演出装置30は対でなくてもよい。例えば、複数の検出装置20に対し、1台の演出装置30が設けられていてもよい。また、1台の検出装置20に対し、複数の演出装置30が設けられていてもよい。
【0014】
図1において、システム1が1台の誘導装置40を含む例を示しているが、システム1に含まれる誘導装置40は、複数台であってもよい。
【0015】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つの情報処理装置としてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る情報処理装置10を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は情報処理装置10に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0016】
検出装置20は、人、又は所定のツールを検出し、検出結果を情報処理装置10へ送信する。検出装置20は、例えば、人、又は所定のツールを検出しやすい、予め設定された位置に設置される。予め設定された位置は、例えば、柱の上、建物の上等、人よりも高い位置である。検出装置20は、検出する方向が固定されていても、変更可能であっていてもよい。検出装置20は、検出可能な領域の広さが変更可能であってもよい。
【0017】
また、検出装置20は、移動可能に設けられていてもよい。例えば、検出装置20は、水陸空の少なくとも何れかを移動可能な装置に設置される。具体的には、検出装置20は、例えば、ドローンに設置される。
【0018】
検出装置20は、例えば、以下の機器により人を検出する。なお、検出装置20として用いられる機器は例示するものに限定されない。
・人感センサ
・測距センサ
・光学センサ(例えばカメラ、赤外線カメラ)
【0019】
また、検出装置20は、例えば、以下の機器により所定のツールを検出する。
・ビーコンを利用した測位システム
・光学センサ(例えばカメラ)
・無線通信
【0020】
所定のツールは、例えば、人との間隔を一定に保つためのツールであり、人が把持していてもよいし、装着していてもよい。把持するタイプのツールである場合、当該ツールは、例えば、傘のような形状をしており、人との間隔が所定の距離以上狭まらないようにする。また、装着するタイプのツールである場合、当該ツールは、例えば、所定のキャラクターを模した翼の付いたコスチュームであり、人との間隔が所定の距離以上狭まらないようにする。所定のツールには、所定の電波を受信すると、自ツールを識別可能な情報を含む電波を返信するデバイスが設置されていてもよい。また、所定のツールには、自ツールの位置情報を送信する通信デバイスが設置されていてもよい。
【0021】
演出装置30は、参加者に感覚刺激を与えることにより演出を発生させる。感覚刺激は、例えば、参加者の視覚、聴覚、触覚、嗅覚、および味覚の少なくとも1つに対する現実世界での刺激である。演出装置30は、情報処理装置10の制御に従って動作する。
【0022】
演出装置30は、空間に設置される場合と、参加者に携行される場合とのうち少なくとも1つを含む。空間に設置される場合、演出装置30は、例えば、演出を参加者が確認可能な位置に設置される。また、演出装置30は、移動可能に設けられていてもよい。例えば、演出装置30は、水陸空の少なくとも何れかを移動可能な装置に設置される。具体的には、演出装置30は、例えば、ドローンに設置される。
【0023】
演出装置30が参加者に携行される場合、演出装置30は、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン)、ウェアラブルデバイス(スマートグラス、透過型HMD(Head Mounted Display)、スマートウォッチ)等である。参加者に携行される演出装置30は、イベント主催者から提供(例えば、貸与又は譲渡)されてもよいし、参加者の私物を利用してもよいし、参加者の私物にイベント主催者から提供されるパーツ(例えばUSB(Universal Serial Bus)接続可能なペンライト)又はアプリケーションを組み合わせることで構成されてもよい。
【0024】
演出装置30は、例えば、演出を発生させるため以下の機能を有する。なお、演出装置30が有する機能は例示のものに限定されない。
・発光する機能(例えば光源)
・画像を表示する機能(例えばディスプレイ)
・画像を投影する機能(例えばプロジェクタ)
・音を発生する機能(例えばスピーカ)
・振動する機能(例えばハプティクスデバイス)
・匂いを発生する機能(例えばアロマデバイス)
・味覚を刺激する機能(例えば、参加者の舌に味覚刺激液を供給可能なマウスピース型のデバイス)
・電気制御可能なデバイスを駆動する機能(例えば、ロボット)
・知覚可能な物理現象(例えば、霧、煙、水流、気流、熱、火、又は放電)を発生する機能
【0025】
演出装置30が参加者に携行される場合、演出装置30は、AR(Augmented Reality)画像、MR(Mixed Reality)画像、またはSR(Substitutional Reality)画像を表示してもよい。
【0026】
誘導装置40は、参加者を所定の位置へ誘導する。所定の位置は、例えば、人同士が飛沫感染を防げる程度の間隔を空けて滞在可能な位置を表す。飛沫感染を防げる程度の間隔とは、例えば、2m程度の間隔である。なお、システム1の運営者の設定により所定の位置を変更可能であってもよい。例えば、屋外のイベントか屋内のイベントかに応じて、人同士の間隔は適宜設定することが可能である。誘導装置40は、情報処理装置10の制御に従って動作する。
【0027】
誘導装置40は、空間に設置される場合と、参加者に携行される場合とのうち少なくとも1つを含む。空間に設置される場合、誘導装置40は、例えば、誘導情報を参加者が把握可能な位置に設置される。
【0028】
誘導装置40が参加者に携行される場合、誘導装置40は、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン)、ウェアラブルデバイス(スマートグラス、透過型HMD、スマートウォッチ)等である。参加者に携行される誘導装置40は、イベント主催者から提供(例えば、貸与又は譲渡)されてもよいし、参加者の私物を利用してもよいし、参加者の私物にイベント主催者から提供されるパーツ(例えばUSB接続可能なペンライト)又はアプリケーションを組み合わせることで構成されてもよい。
【0029】
誘導装置40は、例えば、参加者を誘導するため以下の機能を実施する。なお、誘導装置40により実施される機能は例示のものに限定されない。
・発光する機能(例えば光源)
・画像を表示する機能(例えばディスプレイ)
・音を発生する機能(例えばスピーカ)
【0030】
情報処理装置10は、検出装置20から検出された情報に基づき、演出装置30、又は誘導装置40を制御する。情報処理装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現される。
【0031】
情報処理装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0032】
図1に示すように情報処理装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0033】
通信IF12は、情報処理装置10が外部の装置と通信する際、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0034】
入出力IF13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0035】
メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0036】
ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0037】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0038】
<1.1 情報処理装置の機能的な構成>
図2は、情報処理装置10の機能的な構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部101と、記憶部102と、制御部103としての機能を発揮する。
【0039】
通信部101は、情報処理装置10が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0040】
記憶部102は、演出を制御するプログラムを記憶する。また、記憶部102は、演出を制御するための情報が蓄積されたデータベース、例えば、演出情報データベース(DB)181、及び検出情報データベース(DB)182を記憶する。
【0041】
演出情報DB181は、参加者の状態と、発生させる演出の種類(演出の華やかさ)との関係を記憶するデータベースである。つまり、演出情報DB181では、例えば、演出の華やかさを変更するための要件が記憶されている。演出の華やかさは、例えば、演出装置30が有する機能により発生される、光、画像、音、振動、匂い、味覚、動作、物理現象等のうちの少なくとも1つの種類、大きさ、数等により決定される。演出の華やかさは、演出の豪華さと換言可能である。
【0042】
検出情報DB182は、所定の領域内における参加者の密集度合に関する情報を記憶するデータベースである。密集度合は、例えば、参加者がどれだけ密集しているかを表す指標値である。密集度合には、例えば、所定のエリア内にいる参加者の密度が用いられる。また、密集度合としては、例えば、所定の範囲内にいる人数に基づく値が用いられてもよい。
【0043】
制御部103は、プロセッサ19が記憶部102に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部103は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール1031、送信制御モジュール1032、分析モジュール1033、演出制御モジュール1034、及び誘導制御モジュール1035として示す機能を発揮する。
【0044】
受信制御モジュール1031は、情報処理装置10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0045】
送信制御モジュール1032は、情報処理装置10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0046】
分析モジュール1033は、検出装置20の検出結果を分析する。例えば、分析モジュール1033は、検出結果を解析し、検出結果に含まれる人、又はツールの位置を特定する。分析モジュール1033は、特定した人、又はツールの位置に基づき、所定の検出領域に含まれる人数、又は密集度合を算出する。密集度合は、例えば、参加者がどれだけ密集しているかを表す指標値である。密集度合には、例えば、所定の検出領域内にいる参加者の密度が用いられる。また、密集度合としては、例えば、所定の領域内にいる人同士の間の距離に基づく値が用いられてもよい。
【0047】
演出制御モジュール1034は、分析モジュール1033の分析結果に基づき、演出装置30を制御する。具体的には、演出制御モジュール1034は、分析モジュール1033による分析で得られた情報と、記憶部102に記憶されている演出情報DB181とに基づき、演出装置30を制御する。
【0048】
誘導制御モジュール1035は、分析モジュール1033の分析結果に基づき、誘導装置40を制御する。具体的には、誘導制御モジュール1035は、分析モジュール1033により分析がなされると、分析結果に基づいて記憶部102に記憶されている検出情報DB182を更新する。誘導制御モジュール1035は、検出情報DB182に基づき、誘導装置40を制御する。
【0049】
<2 データ構造>
図3、
図4は、情報処理装置10が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図3、
図4は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
図3は、情報処理装置10が記憶する演出情報DB181のデータ構造の例を示す図である。
【0050】
図3に示すように、演出情報DB181のレコードは、項目「演出ID」と、項目「演出レベル」と、項目「密集度合」と、項目「人数」と、項目「エリア数」等とを含む。
【0051】
項目「演出ID」は、演出を識別する情報を表す。
【0052】
項目「演出レベル」は、演出の大きさについての情報を表す。項目「演出レベル」では、演出の大きさは、例えば、数値で表され、数値が大きいほど演出が大きくなる。
【0053】
項目「密集度合」は、演出レベルで表すレベルに該当するための、密集度合についての要件を表す。項目「密集度合」では、密集度合についての要件は、例えば、密集度合の範囲で表される。
【0054】
項目「人数」は、演出レベルで表すレベルに該当するための、人数についての要件を表す。項目「人数」では、人数についての要件は、例えば、人数の範囲で表される。
【0055】
項目「領域数」は、演出レベルで表すレベルに該当するための、領域数についての要件を表す。項目「領域数」で表される領域数の範囲は、例えば、密集度合についての要件と、人数についての要件とを満たす領域数の範囲を表す。
【0056】
演出レベルを設定するための要件は、演出毎に設定可能である。例えば、
図3によれば、演出ID「AAAA」、及び「BBBB」は、密集度合が低く、かつ、人数が多い場合、演出レベルは高くなる傾向にあり、密集度合が高い場合、又は、人が少ない場合は、演出レベルは低い傾向にある。また、演出ID「CCCC」は、密集度合が所定値より低く、かつ、人数が所定人数より多い領域が多い場合、演出レベルは高く、領域が少ない場合、演出レベルは低くなる。また、演出ID「DDDD」は、密集度合、及び人数が所定値となると開始され、密集度合が低く、かつ、人数が多くなると、演出レベルが高くなる。また、演出ID「EEEE」は、密集度合が低いと演出レベルが高くなり、密集度合が高いと演出レベルが低くなる。
【0057】
図4は、情報処理装置10が記憶する検出情報DB182のデータ構造の例を示す図である。
図4に示すように、検出情報DB182のレコードは、項目「検出領域」と、項目「人数」と、項目「密集度合」と、項目「エリアID」と、項目「検出情報」等とを含む。
項目「検出領域」は、検出領域を識別する情報を表す。
項目「人数」は、検出領域に存在する人の数を表す。
項目「密集度合」は、検出領域に存在する人の密集度合を表す。
項目「エリアID」は、エリアを識別する情報を表す。
項目「検出情報」は、参加者が検出されたか否かを表す。
【0058】
<3 動作>
参加者の人数、又は間隔に応じてシステム1が参加者へ演出を提供する際のシステム1の動作について説明する。
【0059】
図5は、演出が提供される際の情報処理装置10、検出装置20、及び演出装置30の動作を説明するための図である。
図6は、参加者が誘導される際の情報処理装置10、検出装置20、及び誘導装置40の動作を説明するための図である。
【0060】
(動作例1)
まず、密集していた参加者を適切な距離に誘導する際の動作について説明する。
演出制御モジュール1034は、予め設定された要件が満たされた場合、要件に対応した演出を提供するように演出装置30を制御する。予め設定された要件とは、例えば、以下である。なお、予め設定された要件は例示のものに限定されない。
・所定の時間への到達
・所定の時間間隔の経過
・所定の場所への到達
・所定のキャラクターとの遭遇
・所定の道具の収集
・所定のアトラクションの開始
・密集度、及び人数の所定値への到達
【0061】
このとき、例えば、演出制御モジュール1034は、演出の華やかさが最も低い演出レベル1で演出の提供を開始するように、演出装置30を制御する。演出の華やかさを表す指標は数値に限定されず、レベルを把握可能であればアルファベット等であってもよい。
【0062】
演出が開始されると、参加者は、演出を鑑賞するため、その場で立ち止まる。または、参加者は、演出をより鑑賞できる位置へ移動する。このため、演出を鑑賞しやすい位置には、参加者が密集することになる。
【0063】
図7は、演出を鑑賞するために集まった参加者の例を表す模式図である。
図7では、例えば、演出が花火のような光の放射である場合を表している。また、
図7では、花火を鑑賞可能な領域を含むように検出領域R1が設定されており、検出領域R1を監視可能なように、検出装置20が設置されている。
【0064】
図5に示すように、検出装置20は、検出領域R1における参加者の存在を検出する(ステップS21)。検出装置20は、検出結果を情報処理装置10へ送信する。具体的には、検出装置20が光学カメラである場合、検出装置20は、検出領域R1を撮影する。検出装置20は、画像データを情報処理装置10へ送信する。
【0065】
演出制御モジュール1034は、検出データに基づき、演出装置30の演出レベルを決定する(ステップS11)。具体的には、分析モジュール1033は、画像データを解析し、画像データに含まれる人、又はツールの位置を特定する。分析モジュール1033は、特定した人、又はツールの位置に基づき、検出領域R1に含まれる人数、又は密集度合を算出する。演出制御モジュール1034は、所定の演出IDの演出についての演出レベルを、演出情報DB181から、算出された人数、及び密集度合に基づいて決定する。
【0066】
演出装置30の演出レベルを決定すると、演出制御モジュール1034は、決定した演出レベルで演出を提供するように、演出装置30を制御する(ステップS12)。
【0067】
演出装置30は、制御に従い動作することで、演出を提供する(ステップS31)。
【0068】
図7では、検出領域R1に参加者が所定数存在し、それらの参加者が、1か所に密集している。この場合、演出制御モジュール1034は、演出の華やかさをある程度の華やかさ、例えば、演出レベル1に抑えるように演出装置30を制御する。つまり、
図7で示される参加者は、演出を鑑賞しやすい位置から鑑賞しているが、参加者達が密集してしまっているため、演出装置30により提供される演出は十分に華やかなものにはなっていない。
【0069】
演出制御モジュール1034が演出装置30を制御するのと並行し、誘導制御モジュール1035は、誘導装置40を制御している。例えば、誘導制御モジュール1035は、
図6に示すように、ステップS21で取得される検出データに基づき、誘導情報を生成する(ステップS13)。
【0070】
具体的には、誘導制御モジュール1035は、分析モジュール1033による分析結果に基づいて記憶部102に記憶されている検出情報DB182を更新する。つまり、誘導制御モジュール1035は、検出領域R1における人数、密集度合、検出領域R1内のエリアでの参加者の検出情報を更新する。誘導制御モジュール1035は、検出情報DB182の情報に基づき、誘導情報を生成する。より具体的には、複数の参加者が存在し、密集度合が所定値より高い場合、誘導制御モジュール1035は、広がって鑑賞すれば演出が豪華になる旨の誘導情報を生成する。
【0071】
「広がって鑑賞する」ことについては、様々な伝え方がある。例えば、
図7に示すように一人分の区画が何らかの手法により示されている場合、誘導制御モジュール1035は、参加者が各区画へ移動すれば演出が豪華になる旨の誘導情報を生成する。区画が何らかの手法により示されているとは、例えば、地面に区画が描かれている場合、地面に所定の間隔毎に印が設けられている場合等を表す。また、区画が示されていない場合においては、誘導制御モジュール1035は、例えば、周りの参加者と所定の距離だけ間隔を空ければ演出が豪華になる旨の誘導情報を生成する。所定の距離は、人同士が飛沫感染を防げる程度の距離を表す。飛沫感染を防げる程度の距離とは、例えば、2m程度の距離である。誘導制御モジュール1035は、生成した誘導情報を参加者に提示するように、誘導装置40を制御する(ステップS14)。
【0072】
誘導装置40は、生成された誘導情報を参加者へ提示するように動作する(ステップS41)。具体的には、誘導装置40は、検出領域R1内の参加者に対し、音声又は映像等により、例えば、「枠で囲った位置へ移動してください。演出が豪華になります!」等の誘導情報を伝える。
【0073】
図8は、誘導情報に従って移動する参加者の例を表す模式図である。
図8では、「枠で囲った位置へ移動してください。演出が豪華になります!」の誘導情報に従い、参加者が検出領域R1内に設定されている枠へ移動する。
【0074】
検出装置20は、検出領域R1を随時撮影し、検出領域R1内の枠で囲った位置へ移動した参加者を検出する(ステップS21)。演出制御モジュール1034は、検出データに基づき、演出レベルを決定する(ステップS11)。このとき、参加者の密集度合は誘導前よりも下がっているため、演出レベルは誘導前よりも上がることになる。演出装置30の演出レベルを決定すると、演出制御モジュール1034は、決定した演出レベルで演出を提供するように、演出装置30を制御する(ステップS12)。演出装置30は、制御に従い動作することで、演出を提供する(ステップS31)。
【0075】
図9は、適切な間隔を空けて演出を鑑賞する参加者に対して提供される演出の例を表す模式図である。
図9では、9人(3人の子供を含む)の参加者が予め設定されたエリアに一人ずつ滞在するようになっている。このとき、演出制御モジュール1034は、好ましい人数の参加者が、適切な間隔を空けて演出を鑑賞できているとして、高い演出レベルの演出を提供する。例えば、
図7で示す状態よりも、花火が大きくなり、花火の数が増え、音楽も豊かになっている。
【0076】
(動作例2)
所定数より少ない参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合がある。
【0077】
図10は、所定数より少ない参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合の例を表す模式図である。このとき、システム1は、例えば、以下のように動作する。
【0078】
検出装置20は、
図6に示すステップS21において、検出領域R1を撮影し、新たに検出領域R1に訪れた参加者を検出する。検出装置20は、例えば、検出領域R1の外側から現れた参加者を、新たに検出領域R1に訪れた参加者として判断する。また、検出装置20は、例えば、所定の早さ以上で移動する参加者を、新たに検出領域R1に訪れた参加者として判断してもよい。また、検出装置20は、例えば、予め設定された位置にいない参加者を、新たに検出領域R1に訪れた参加者として判断してもよい。
【0079】
誘導制御モジュール1035は、ステップS13において、ステップS21で取得される検出データに基づき、誘導情報を生成する。具体的には、誘導制御モジュール1035は、分析モジュール1033による分析結果に基づき、新たに検出領域R1に訪れた参加者を認識する。誘導制御モジュール1035は、検出情報DB182を参照し、検出領域R1内に、空いているエリアがあることを認識する。誘導制御モジュール1035は、新たに訪れた参加者が、参加者が存在していない位置へ移動すれば演出が豪華になる旨の誘導情報を生成する。
【0080】
誘導装置40は、ステップS41において、生成された誘導情報を参加者へ提示するように動作する。具体的には、誘導装置40は、検出領域R1内の参加者、又は新たに訪れた参加者に対し、音声又は映像等により、例えば、「エリアA1へ移動すると演出が豪華になります!」等の誘導情報を伝える。
【0081】
図10に示す例では、「エリアA1へ移動すると演出が豪華になります!」の誘導情報に従い、新たに訪れた参加者P1がエリアA1へ移動する。
【0082】
検出装置20は、検出領域R1を随時撮影し、エリアA1へ移動した参加者P1を検出する(ステップS21)。演出制御モジュール1034は、検出データに基づき、演出レベルを決定する(ステップS11)。このとき、参加者の密集度合に大きな変化はなく、適切なエリアで演出を鑑賞する参加者の人数が増えているため、演出レベルは参加者P1の誘導前よりも上がることになる。演出装置30の演出レベルを決定すると、演出制御モジュール1034は、決定した演出レベルで演出を提供するように、演出装置30を制御する(ステップS12)。演出装置30は、制御に従い動作することで、演出を提供する(ステップS31)。
【0083】
(動作例3)
規定数に達した参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合がある。
【0084】
図11は、規定数に達した参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している領域に、参加者が新たに訪れる場合の例を表す模式図である。このとき、システム1は、例えば、以下のように動作する。
【0085】
検出装置20は、
図6に示すステップS21において、検出領域R1、R2を撮影し、新たに検出領域R1に訪れた参加者を検出する。
【0086】
誘導制御モジュール1035は、ステップS13において、ステップS21で取得される検出データに基づき、誘導情報を生成する。具体的には、誘導制御モジュール1035は、分析モジュール1033による分析結果に基づき、新たに検出領域R1に訪れた参加者を認識する。誘導制御モジュール1035は、検出情報DB182を参照し、検出領域R1では空いているエリアがなく、検出領域R2ではエリアA1-2が空いていることを認識する。誘導制御モジュール1035は、検出領域R1に新たに訪れた参加者が、近傍の検出領域における空きエリアへ移動すれば演出が豪華になる旨の誘導情報を生成する。
【0087】
誘導装置40は、ステップS41において、生成された誘導情報を参加者へ提示するように動作する。具体的には、誘導装置40は、検出領域R1内の参加者、検出領域R1に新たに訪れた参加者、又は検出領域R2内の参加者に対し、音声又は映像等により、例えば、「エリアA1-2へ移動すると演出が豪華になります!」等の誘導情報を伝える。
【0088】
図11に示す例では、「エリアA1-2へ移動すると演出が豪華になります!」の誘導情報に従い、新たに訪れた参加者P1がエリアA1-2へ移動する。
【0089】
検出装置20は、検出領域R2を随時撮影し、エリアA1-2へ移動した参加者P1を検出する(ステップS21)。演出制御モジュール1034は、検出データに基づき、演出レベルを決定する(ステップS11)。このとき、検出領域R2において、参加者の密集度合に大きな変化はなく、適切なエリアで演出を鑑賞する参加者の人数が増えているため、検出領域R2での演出レベルは参加者P1の誘導前よりも上がることになる。演出装置30の演出レベルを決定すると、演出制御モジュール1034は、決定した演出レベルで演出を提供するように、演出装置30を制御する(ステップS12)。演出装置30は、制御に従い動作することで、演出を提供する(ステップS31)。
【0090】
(動作例4)
演出レベルの決定が複数の検出領域における参加者の位置と連動する場合がある。
【0091】
図12は、複数の検出領域における参加者の位置に連動して演出レベルが決定される場合の演出の例を表す模式図である。
図12に示される例では、検出領域R1~R4が表されているが、検出領域は4つ以上あっても構わない。システム1は、例えば、以下のように動作する。
【0092】
検出領域R1~R4にそれぞれ配置された検出装置20は、
図5に示すステップS21において、検出領域R1~R4を撮影し、検出領域R1~R4内の参加者を検出する。
【0093】
演出制御モジュール1034は、ステップS11において、ステップS21で取得される検出データに基づき、演出装置30の演出レベルを決定する。具体的には、分析モジュール1033は、画像データを解析し、画像データに含まれる人、又はツールの位置を検出領域R1~R4それぞれについて特定する。分析モジュール1033は、特定した人、又はツールの位置に基づき、検出領域R1~R4にそれぞれ含まれる人数、又は密集度合を算出する。演出制御モジュール1034は、人数の要件、密集度合の要件、及びエリア数の要件を満たす演出レベルを、演出情報DB181から決定する。
【0094】
演出装置30は、ステップS31において、制御に従い動作することで、演出を提供する。
図12に示す例では、複数の検出領域において、それぞれで規定人数の参加者が適切な間隔を空けて演出を鑑賞している。演出制御モジュール1034は、好ましい人数の参加者が、適切な状態で演出を鑑賞できている検出領域が所定以上あるとして、高い演出レベルの演出を提供する。
【0095】
以上のように、上記実施形態では、情報処理装置10は、分析モジュール1033により、参加者同士がどれだけ密集しているかを表す密集度合(第1情報)を取得する。演出制御モジュール1034は、取得した密集度合に基づき、予め設定するよりも参加者の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げるようにしている。これにより、情報処理装置10は、密集度合を下げることが参加者のメリットに繋がるようにすることが可能となる。
【0096】
また、上記実施形態では、分析モジュール1033は、前記第1ステップにおいて、所定の領域における密集度合と、この領域における人数(第2情報)とを取得する。そして、演出制御モジュール1034は、密集度合及び人数に基づき、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げるようにしている。単純に密集度合のみに注目すると、参加者が少なければよい環境とみなされてしまう。そこで、演出を開始又は豪華にすることの要件として、人数も考慮に入れることで、情報処理装置10は、人が増えることに対する抵抗感を低減させることが可能となる。また、情報処理装置10は、人数を増やすこと、及び密集度合を下げることが参加者のメリットに繋がるようにすることが可能となる。
【0097】
また、上記実施形態では、分析モジュール1033は、複数の所定の領域における密集度合を取得する。そして、演出制御モジュール1034は、予め設定された数の領域の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げるようにしている。これにより、情報処理装置10は、参加者が他の領域に移動することが参加者のメリットに繋がるようにすることが可能となる。
【0098】
また、上記実施形態では、分析モジュール1033は、複数の所定の領域における密集度合と、複数の領域における人数とを取得する。そして、演出制御モジュール1034は、密集度合、及び人数に基づき、予め設定された数の領域で、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げるようにしている。これにより、情報処理装置10は、参加者が他の領域に移動することが参加者のメリットに繋がるようにすることが可能となる。
【0099】
また、上記実施形態では、誘導制御モジュール1035は、広がって位置すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出のレベルが上がることを提示するようにしている。これにより、情報処理装置10は、参加者に対し、自発的な行動を促すことが可能となる。
【0100】
また、上記実施形態では、分析モジュール1033は、新たに参加者が到来したこと(第3情報)を検出する。そして、誘導制御モジュール1035は、新たな参加者の到来に基づき、新たに到来した参加者が所定の移動先へ移動すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出のレベルが上がることを提示するようにしている。これにより、情報処理装置10は、新たに到来した参加者の自発的な移動を促すことが可能となる。
【0101】
したがって、本開示に係る情報処理装置10によれば、人同士が自発的に間隔を空けることを支援することができる。
【0102】
(変形例)
なお、上記実施形態では、演出制御モジュール1034は、
・密集度合が低下した場合(つまり、密集が解消された場合)
・人数が増加し、かつ、密集度合が低下した場合
に、演出を開始するか、演出のレベルを上げる例を説明した。しかしながら、演出制御モジュール1034の処理はこれに限定されない。演出制御モジュール1034は、演出を開始するか、演出のレベルを上げた後に、密集度合が増加した場合(つまり、密集が再発生した場合)、演出レベルを下げるようにしてもよい。これにより、情報処理装置10は、適切な配置を参加者に維持させることが可能となる。
【0103】
また、演出制御モジュール1034は、演出を開始するか、演出のレベルを上げた後に、密集度合が増加した場合であっても、演出レベルを下げず、そのままの演出レベルを維持するようにしてもよい。これにより、情報処理装置10は、演出中の参加者の自由な行動を認めることが可能となる。つまり、参加者は、演出中に帰る等の行動を取ることが可能となる。
【0104】
また、上記実施形態では、例えば、演出情報DB181で示すように、演出の華やかさを変更するための密集度合、人数が予め設定されている場合を例に説明した。しかしながら、演出の華やかさを変更するための要件は、密集度合、人数の値に限定されない。演出の華やかさを変更するための要件は、密集度合、人数の変化値であってもよい。例えば、開始と終了の時刻が設定されている演出があるとする。このような場合、演出制御モジュール1034は、例えば、開始時刻における密集度合、人数を基準値とし、基準値からの変化値に基づいて演出レベルを変える。そして、終了時刻になると、演出制御モジュール1034は、演出を終了させると共に、演出レベルをリセットし、次の演出開始に備える。
【0105】
また、上記実施形態では、演出制御モジュール1034が、密集度合、人数の分析結果に基づき、演出を制御する場合を例に説明した。しかしながら、演出制御モジュール1034の処理は、密集度合、人数の分析結果に基づくものに限定されない。例えば、演出制御モジュール1034は、人との間隔を一定に保つためのツールの検出結果に基づいて演出を制御してもよい。
【0106】
このとき、例えば、検出装置20は、参加者に保持されるツール、又は参加者が装着するツールを検出する。演出制御モジュール1034は、検出結果と、記憶部102に記憶されている演出情報DB181とに基づき、演出装置30を制御する。つまり、ツールの検出結果は、人同士がどれだけ密集しているかを表す情報に相当する。具体的には、例えば、演出情報DB181に、検出領域内で検出された参加者の人数に対するツール所有者の割合が、演出を開始させるため、又は演出レベルを上げるための要件として設定されている。演出制御モジュール1034は、ツールの検出数に基づき、演出情報DB181に記憶されている要件を満たすか否かを判断し、演出装置30を制御する。
図13は、適切な間隔を空けて演出を鑑賞する参加者に対して提供される演出の例を表す模式図である。
【0107】
また、上記実施形態では、検出装置20で検出されたデータを、分析モジュール1033が分析する場合を例に説明したが、検出装置20で検出されたデータを、検出装置20が分析し、分析結果を情報処理装置10へ送信するようにしてもよい。つまり、検出装置20が検出データに基づいて、例えば、人数、密集度合等を取得し、取得したデータを情報処理装置10へ送信してもよい。
【0108】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0109】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0110】
(付記1)
プロセッサ19と、メモリ15とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、人同士がどれだけ密集しているかを表す第1情報を取得する第1ステップ(分析モジュール1033)と、第1情報に基づき、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる第2ステップ(演出制御モジュール1034)とを実行させるプログラム。
【0111】
(付記2)
第2ステップにおいて、第1情報に基づき、予め設定するよりも人が密集したと判断すると、提供中の演出のレベルを下げる(付記1)に記載のプログラム。
【0112】
(付記3)
第2ステップにおいて、演出のレベルを上げた後に、予め設定するよりも人が密集しても、演出のレベルを維持する(付記1)に記載のプログラム。
【0113】
(付記4)
第1ステップにおいて、所定の領域における第1情報と、領域における人数に関する第2情報とを取得し、第2ステップにおいて、第1及び第2情報に基づき、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる(付記1)乃至(付記3)の何れかに記載のプログラム。
【0114】
(付記5)
第1ステップにおいて、複数の所定の領域における第1情報を取得し、第2ステップにおいて、予め設定された数の領域の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる(付記1)に記載のプログラム。
【0115】
(付記6)
第1ステップにおいて、複数の所定の領域における第1情報と、複数の領域における人数に関する第2情報とを取得し、第2ステップにおいて、第1及び第2情報に基づき、予め設定された数の領域で、所定の人数に達しつつ、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる(付記1)に記載のプログラム。
【0116】
(付記7)
広がって位置すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出のレベルが上がることを提示する第3ステップ(誘導制御モジュール1035)をプロセッサに実行させる(付記1)乃至(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0117】
(付記8)
第1ステップにおいて、新たに人が到来したことについての第3情報を取得し、第3ステップにおいて、第3情報に基づき、新たに到来した人が所定の移動先へ移動すると、演出の提供が開始されるか、又は提供中の演出のレベルが上がることを提示する(付記7)に記載のプログラム。
【0118】
(付記9)
所定の移動先は、到来した領域内の位置、又は到来した領域以外の領域内の位置である(付記8)に記載のプログラム。
【0119】
(付記10)
第1情報は、人同士の間隔を空けるためのツールの検出に基づいて取得される(付記1)乃至(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0120】
(付記11)
演出は、現実世界のイベントの演出である(付記1)乃至(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
【0121】
(付記12)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、方法は、プロセッサが、人同士がどれだけ密集しているかを表す第1情報を取得する第1ステップと、第1情報に基づき、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる第2ステップとを実行する方法。
【0122】
(付記13)
プロセッサと、メモリとを備える情報処理装置であって、プロセッサが、人同士がどれだけ密集しているかを表す第1情報を取得する第1ステップと、第1情報に基づき、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる第2ステップとを実行する情報処理装置。
【0123】
(付記14)
プロセッサと、メモリとを備える情報処理装置を有するシステムであって、人同士がどれだけ密集しているかを表す第1情報を取得する第1手段と、第1情報に基づき、予め設定するよりも人の密集が解消されたと判断すると、演出の提供を開始するか、又は提供中の演出のレベルを上げる第2手段とを具備するシステム。
【符号の説明】
【0124】
1…システム
10…情報処理装置
101…通信部
102…記憶部
103…制御部
1031…受信制御モジュール
1032…送信制御モジュール
1033…分析モジュール
1034…演出制御モジュール
1035…誘導制御モジュール
15…メモリ
16…ストレージ
19…プロセッサ
20…検出装置
30…演出装置
40…誘導装置
80…ネットワーク
181…演出情報DB
182…検出情報DB