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特許7082213統合ヘリウム・バルブを備えたベゼル固定システムを有する回転ベゼルを装着した小型時計
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  • 特許-統合ヘリウム・バルブを備えたベゼル固定システムを有する回転ベゼルを装着した小型時計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】統合ヘリウム・バルブを備えたベゼル固定システムを有する回転ベゼルを装着した小型時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/28 20060101AFI20220531BHJP
   G04B 37/08 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G04B19/28 A
G04B37/08 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020556248
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019066357
(87)【国際公開番号】W WO2020011512
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】18182381.6
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591260638
【氏名又は名称】チソット・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】エールサム,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ソーンダーズ,ローリー
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-128880(JP,A)
【文献】特公昭44-12091(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04G 3/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース・ミドル(2)と、前記ケース・ミドル(2)の上部面に取り付けられた回転ベゼル(3)であって、その下部表面全体にわたって一様に分散した複数の受け空間(15)を備えた回転ベゼル(3)とを含む小型時計ケースであって、前記小型時計ケースは、前記ベゼル(3)を固定するためのシステムを備え、前記システムは以下の要素、すなわち
・前記ケース・ミドル(2)の中に機械加工され、かつ、前記ベゼル(3)に対して半径方向に配向された第1の孔(7)と、
・前記第1の孔(7)の表面の少なくとも一部、または前記第1の孔(7)の内側に固定して取り付けられた管(8)の内部表面の雌ねじと、
・回転クラウン(6)であって、前記回転クラウン(6)が前記第1の孔(7)の内側に配置されたアーバー(9)に固着され、前記アーバー(9)が前記ケース・ミドル(2)の外部から内側に向かう方向に配置された以下の要素、すなわち
・前記雌ねじに対応する雄ねじを備えたセクション(10)と、
・前記方向に向かって小さくなる直径を有する円錐台形セクション(12)と、
・端部つば(14)と
を含む、回転クラウン(6)と、
・前記ケース・ミドル(2)内の第2の孔(20)の内側に配置されたピン(21)であって、前記第2の孔(20)が前記第1の孔(7)に対して横方向に配向され、前記ピン(21)がばね(22)を備え、かつ前記ピン(21)の第1の端部と前記アーバー(9)の外部表面の間の物理的接触を維持するために前記ばね(22)を通じて前記アーバー(9)に向かう方向に予負荷がかけられ、前記ピン(21)が、その第2の端部が前記ベゼル(3)の前記受け空間(15)のうちの1つの内側に収納され得るように寸法化される、ピン(21)と
を備え、
また、前記要素は、
・前記クラウン(6)を前記ケース・ミドル(2)の内部に向かってねじ込むことにより、前記ピン(21)の前記第1の端部と前記円錐台形セクション(12)の間の相互作用を介して、前記ばね(22)の前記予負荷に対する前記ピン(21)の運動をもたらし、この運動によって前記ピン(21)を前記ベゼル(3)の前記受け空間(15)のうちの1つの内側に押し込み、それにより前記ねじ込み操作の終了時に前記ベゼル(3)を固定し、
・前記クラウン(6)のねじを緩めることにより、前記ばね(22)によって加えられる戻り力の作用の下で前記ピン(21)を前記受け空間(15)から解放し、それにより前記ねじを緩める操作の終了時に前記ベゼル(3)の固定を解除する
ように配置されることを特徴とする小型時計ケース。
【請求項2】
ケース・ミドル(2)と、前記ケース・ミドル(2)の上部面に取り付けられた回転ベゼル(3)であって、その下部表面全体にわたって一様に分散した複数の受け空間(15)を備えた回転ベゼル(3)とを含む小型時計ケースであって、前記小型時計ケースは、前記ベゼル(3)を固定するためのシステムを備え、前記システムは以下の要素、すなわち
・前記ケース・ミドル(2)の中に機械加工され、かつ、前記ベゼル(3)に対して半径方向に配向された第1の孔(7)と、
・前記第1の孔(7)の表面の少なくとも一部、または前記第1の孔(7)の内側に固定して取り付けられた管(8)の内部表面の雌ねじと、
・回転クラウン(6)であって、前記回転クラウン(6)が前記第1の孔(7)の内側に配置されたアーバー(9)に固着され、前記アーバー(9)が前記ケース・ミドル(2)の外部から内側に向かう方向に配置された以下の要素、すなわち
・前記雌ねじに対応する雄ねじを備えたセクション(10)と、
・前記方向に向かって小さくなる直径を有する円錐台形セクション(12)と、
・端部つば(14)と
を含む、回転クラウン(6)と、
・前記ケース・ミドル(2)内の第2の孔(20)の内側に配置されたピン(21)であって、前記第2の孔(20)が前記第1の孔(7)に対して横方向に配向され、前記ピン(21)が、ばね(22)を備え、前記ピン(21)の第1の端部と前記アーバー(9)の外部表面の間の物理的接触を維持するために前記ばね(22)に予負荷がかけられ、前記ピン(21)が、その第2の端部が前記ベゼル(3)の前記受け空間(15)のうちの1つの内側に収納され得るように寸法化される、ピン(21)と
を備え、
前記アーバー(9)は、前記円錐台形セクション(12)の両側に配置された第1の円筒状セクション(11)および第2の円筒状セクション(13)を同じく含み、前記円錐台形セクション(12)の前記直径は、前記第1の円筒状セクション(11)の直径から前記第2の円筒状セクション(13)の直径に向かって徐々に変化し、
また、前記要素は、
・前記クラウン(6)を前記ケース・ミドル(2)の内部に向かってねじ込むことにより、前記ピン(21)の前記第1の端部と前記円錐台形セクション(12)の間の相互作用を介して、前記ばね(22)の前記予負荷に対する前記ピン(21)の運動をもたらし、この運動によって前記ピン(21)を前記ベゼル(3)の前記受け空間(15)のうちの1つの内側に押し込み、それにより前記ねじ込み操作の終了時に前記ベゼル(3)を固定し、
・前記クラウン(6)のねじを緩めることにより、前記ばね(22)によって加えられる戻り力の作用の下で前記ピン(21)を前記受け空間(15)から解放し、それにより前記ねじを緩める操作の終了時に前記ベゼル(3)の固定を解除する
ように配置されることを特徴とする小型時計ケース。
【請求項3】
前記アーバー(9)は、前記円錐台形セクション(12)の両側に配置された第1の円筒状セクション(11)および第2の円筒状セクション(13)を同じく含み、前記円錐台形セクション(12)の前記直径は、前記第1の円筒状セクション(11)の直径から前記第2の円筒状セクション(13)の直径に向かって徐々に変化する、請求項1に記載のケース。
【請求項4】
管(8)は前記第1の孔(7)の内側に固定して取り付けられ、前記管(8)が前記ケース・ミドル(2)の外部側壁から突出している部分を含み、前記壁から突出している前記管の部分の少なくとも内部表面が前記雌ねじを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のケース。
【請求項5】
前記クラウン(6)がその固定位置にねじ込まれると、前記管(8)から突出している部分が溝(19)に入るよう、前記クラウン(6)のボディーと前記アーバーの前記ねじが切られたセクション(10)の間に円形の前記溝(19)が存在する、請求項4に記載のケース。
【請求項6】
前記管(8)は、前記管(8)の残りの部分の直径より大きい直径を有する部分(25)を備え、前記部分(25)は前記ケース・ミドル(2)の前記外部側壁に当接するように取り付けられ、前記クラウン(6)の前記ボディーと、前記壁から突出している前記管(8)の前記部分の外部との間に封止ガスケット(26)が取り付けられ、前記クラウン(6)および前記アーバー(9)がそれらの固定位置に到達すると、前記ガスケット(26)が前記直径がより大きい部分(25)に押し付けられる、請求項5に記載のケース。
【請求項7】
前記アーバー(9)の内側に配置された減圧バルブ(29)をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のケース。
【請求項8】
前記端部つば(14)の直径は、前記つば(14)が前記第1の孔(7)の内側または前記管(8)の内側を摺動することができるよう、前記第1の孔(7)の直径、または前記第1の孔(7)の内側に固定して取り付けられた管(8)の直径に対応している、請求項1~7のいずれか一項に記載のケース。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の小型時計ケースを備えた小型時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ベゼルを備えた小型時計に関する。
【背景技術】
【0002】
主としてスポーツ小型時計に使用される、小型時計の回転ベゼルは、スポーツ・アクティビティ、等々の継続期間のための基準点として働く時間点を示すことができる。ダイバーの小型時計などの特定のタイプの小型時計の場合、ベゼルを固定して、そのあらゆる不時の起動、およびアクティビティの継続期間に関連する時間マーカーのあらゆる喪失を回避することができることが重要である。様々な固定システムが開発されており、それらは一般的に製造が複雑で、かつ、高価であり、あるいはそれらはベゼルの確実な固定を保証していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、小型時計ベゼルを固定するための、単純で、かつ、あらゆる状況における固定を保証するシステムを提供することである。添付の特許請求の範囲には、前記システムを備えた小型時計ケースが記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は小型時計に関し、小型時計のケースは、ミドル部品と、ベゼル固定システムを備えた回転ベゼルとを含む。システムは、アーバーに固着される回転クラウンを含み、アーバーは、ケース・ミドル内に構築された半径方向の孔の内側に配置されている。クラウンを回転させることにより、使用者は、アーバーを孔に対してねじ込み、あるいはねじを緩めることができる。アーバーは、アーバーに対して直角に取り付けられ、また、ばねによってアーバーに向かって戻されるピンと相互作用する円錐台形セクションを含む。アーバーを孔の中にねじ込むと、円錐台形セクションは、ベゼルの下部表面に提供された受け空間にピンを押し込み、それによりベゼルを固定する。アーバーのねじを緩めると、ばねによって加えられる戻り力によってピンを受け空間から自動的に解放する。
【0005】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされる、非制限例として与えられる好ましい実施形態についての以下の説明の中で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による小型時計ケースの外部構造の3Dイメージを示す図である。
図2図1の構造の平面図である。
図3】非固定位置における、本発明による固定システムの断面図である。
図4】固定位置における、本発明による固定システムの断面図である。
図5】小型時計ベゼルと協同する固定システムの3D図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の文章では、「下部」および「上部」という用語は、小型時計ケースが水平に保持され、時間指示手段が上向きに面している場合の小型時計ケースの要素の位置を記述している。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態による小型時計ケースのミドル部品2を示したものである。回転ベゼル3はケース・ミドル2の上部表面に取り付けられている。針を有する文字盤、数値アップリケおよび内部機構などの内部構成要素は示されていない。これらの構成要素は、本発明の主題を形成しているわけではなく、また、それらは、知られている方法によって、知られている技術を使用して製造することができる。ケース・ミドル2は、ブレスレットまたはストラップのひもを取り付けるためのホーン4を備えている。図2の平面図は、小型時計針を調整するための従来のクラウン5を示したものである。ケース・ミドル2は、本発明による固定回転ベゼル3のためのシステムの部品を形成する追加クラウン6を備えている。
【0009】
図3には、システムの非固定位置における固定クラウン6が断面図で示されている。ベゼル3は、知られている方法で、それぞれベゼルの中およびケース・ミドルの中に提供された一対の横方向のスロットの内側に収納された多角形ばね30によってケース・ミドル2上に回転拘束されている。固定システムの第1の要素は、ケース・ミドル2の中の半径方向の孔7によって形成されており、孔7の内側に管8が固定して取り付けられている。管8は、例えばケース・ミドル2の中に押し込み、結合し、あるいはねじ込むことができる。管8の一部はケース・ミドル2の外部側壁から突出している。管8は雌ねじを備えており、この雌ねじは、ケース・ミドル2から突出している部分の長さを少なくとも超えて延びており、固定クラウン6の対応するねじ山と協同することが意図されている。
【0010】
固定クラウン6はアーバー9に固着されており、その様々な部品が図3および図4に示されており、また、アーバーの3D図を示す図5に示されている。ケース・ミドル2の外側から内部へ、アーバー9は、ねじが切られたセクション10を有しており、前記セクションの雄ねじは、管8の内側に提供されている雌ねじに対応している。ねじが切られたセクション10は、クラウン6の内側の、クラウン6のボディーの中へ延びている円形の溝19の内側の表面に存在している。ねじが切られたセクション10には、第1の円筒状セクション11(ねじは切られていない)、円錐台形セクション12、およびつば14の中で終わっている第2の円筒状セクション13が続いている。円錐台形セクション12は、アーバーの直径を第1の円筒状セクション11の直径と第2の円筒状セクション13の直径の間で連続的に小さくしている。つば14の直径は、つば14が管8に対して摺動することができるよう、管8の内径に対応している。
【0011】
図5は、ベゼル3の下部面がベゼルの縁全体にわたって一様に分散している複数の軸方向の孔15を有していることを示している。
【0012】
さらに、図3および図4に示されているように、ケース・ミドル2は、アーバー9に対して直角に配向されている孔20を備えており、その内側にはピン21が取り付けられており、前記ピン21は、孔20に対して摺動してアーバー9と相互作用するようになっている。ピン21および固定アーバー9の中心軸は互いに直角であり、一点で交わることが好ましい。ピン21は、ピン21の内部端とアーバー9の表面の間の物理的接触を維持するために、ばね22によってアーバー9に向かって戻される。クラウン6のねじが完全に緩められると(図3)、ピン21は、最小直径のセクション13およびつば14と接触する。この位置では、ピン21の上部端は、ベゼル3の軸方向の孔15のいずれの内側にも収納されない。したがってベゼル3は自由であり、使用者によって回転させることができる。
【0013】
クラウン6を回転させることにより、使用者は、ねじが切られたセクション10を管にねじ込むことによってアーバー9を管8の中に入れることができる。アーバー9の運動は、ばね22によって加えられる予負荷力に対して、ピン21と円錐台形セクション12の斜面の間の相互作用を介して、ピン21をベゼルの軸方向の孔15のうちの1つに徐々に押し込む。図4に示されている固定位置では、ピン21の下部端は第1の円筒状セクション11と接触し、また、ピン21の上部端は孔15の内側に収納され、それによりベゼルを確実に固定し、ベゼルの偶発的な解放は不可能である。この固定位置では、ケース・ミドル壁から突出している管の部分は、円形の溝19の中に入っている。
【0014】
システムの固定を解除するためには、使用者は、クラウン6のねじを図3の構成に向かって緩める。ピン21は、ばね22によって、ピンが孔15から完全に出てベゼルを解放するまで降下する。ピン21は、孔20の内側に取り付けられたブロック23の中に摺動可能に配置され、かつ、封止ガスケット24を含むことが好ましい。
【0015】
アーバー9の上のねじ山と管8の上のねじ山の間の摩擦は、システムの確実な固定を保証し、使用者がクラウン6のねじを故意に緩めることによってのみ、システムを解放することができる。さらに、図に示されているように、管8は、管の残りの部分の直径より大きい直径を有する部分25を備えることができ、前記部分25は、ケース・ミドル2の外部側壁に当接するように取り付けられる。クラウン6は、クラウン・ボディーと管8の外部表面の間に封止ガスケット26を備えている。ガスケット26は、クラウン6がその固定位置に到達すると、直径がより大きい部分25に押し付けられることになる。ガスケット26は、クラウン6と直径がより大きい部分25の間の圧縮のため、封止効果を有することになるだけでなく、固定された囲いを保証することになる。
【0016】
図に示されている実施形態によれば、ヘリウム・バルブ29はクラウンの中、より正確にはアーバー9の内側に統合されている。バルブはアーバー9と同軸で配置されている。バルブは、ばね31によって予負荷がかけられたボディー30を有している。ボディー30は、その内部端に、ケース・ミドル2の内側の圧力にさらされる表面32を含む。定義済みの閾値を超えると、圧力は、ばね31によって加えられる予負荷力に打ち勝ち、ケース・ミドル2の内部を減圧することになる。1つまたは複数の封止ガスケット34および35がバルブのボディー30とアーバー9の内部表面の間に取り付けられている。ダイバーの小型時計の中にバルブを含むことは既に知られており、また、本発明は、図に示されている実施形態に限定されないが、アーバー9の内側にバルブを有していない実施形態、またはケース・ミドル2内のどこかに取り付けられたバルブを有する実施形態を同じく含む。バルブの機能は、飽和潜水の間に小型時計に侵入したガスを解放することである。浮上中、これらのガス、一般的にはヘリウムによって生成された圧力は小型時計を損傷し得る。
【0017】
図に示されている実施形態の変形態様は、特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって想定され得る。例えばクラウン6のボディーとアーバー9の間の溝19と、ケース・ミドル2から突出している管8の部分とを組み合わせることにより、良好な封止特性を有する頑丈な構造が得られる。それにもかかわらず、アーバーに固着されたクラウンの他の形態が可能である。例えば溝19は使用していないが、第1の円筒状セクション11の上に提供されたねじ山を使用して製造されたクラウンを想定することが可能である。さらに、前記第1の円筒状セクションおよび第2の円筒状セクションは本質的ではなく、円錐台形セクション12に対するピン21の端部位置を前記円錐台形セクション12自体の上に置くことができる。アーバー9は、ケース・ミドルの内側に取り付けられた管8の中ではなく、ケース・ミドル2中のねじが切られた孔の中に直接配置することができる。さらに、孔15は、単純に、ピン21の端部を受けることができる受け空間の例である。別の実施形態では、ベゼル3は、軸方向の歯形部をその下部表面に含み、2つの歯の間の凹所がピン21のための受け空間を形成しているようにすることも可能である。このような事例では、ピン21の端部は、前記端部の形状が凹所の形状に対応するように機械加工されることが好ましい。
【符号の説明】
【0018】
2 ミドル部品(ケース・ミドル)
3 回転ベゼル
4 ホーン
5 従来のクラウン
6 固定クラウン
7 半径方向の孔
8 管
9 アーバー
10 ねじが切られたセクション
11 第1の円筒状セクション
12 円錐台形セクション
13 第2の円筒状セクション(最小直径のセクション)
14 つば
15 軸方向の孔
19 溝
20 孔
21 ピン
22 ばね
23 ブロック
24 封止ガスケット
25 管の、管の残りの部分の直径より大きい直径を有する部分
26 封止ガスケット
29 ヘリウム・バルブ
30 多角形ばね
30 ボディー
31 ばね
32 ケース・ミドルの内側の圧力にさらされる表面
34 封止ガスケット
35 封止ガスケット
図1
図2
図3
図4
図5