(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220531BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
(21)【出願番号】P 2021008620
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】500104314
【氏名又は名称】ニッセイ情報テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】摺木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】板坂 喜宏
(72)【発明者】
【氏名】菊地 悠
(72)【発明者】
【氏名】内部 桃子
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/098039(WO,A1)
【文献】特開2020-194221(JP,A)
【文献】特開2006-185074(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0132445(KR,A)
【文献】保険のパンフレットは“見て、聴いて、楽しむ時代”へ~メディケア生命、AR技術を商品パンフレットに導入,メディケア生命保険株式会社ニュースリリース,メディケア生命保険株式会社,2015年05月14日,特に第1,2頁,[online],[令和3年12月24日検索],インターネット,<URL:https://news.medicarelife.com/release/down2.php?attach=id=145&seq=1401&category=43&page=2>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告に紐づけられ
、顧客の情報と、所定のURLとが紐づけられたコードが、
前記顧客の携帯端末に搭載されたカメラにより読み取られると、前記携帯端末から
前記所定のURLへのアクセスを受け付ける受付部と、
前記カメラにより読み取られた前記コードから前記顧客を特定し、前記コードの読取履歴を
前記顧客の情報に紐づけて取得する履歴取得部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記広告に含まれる所定の情報が前記カメラの撮影範囲内に存在すると、拡張現実を用いた操作画像を、前記携帯端末に提供する操作画像提供部を更に備え、
前記履歴取得部は、前記顧客による前記操作画像の操作履歴を取得する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記操作画像に含まれる第1のボタンがタップされると、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関
し、図、音声及び動画の少なくとも何れかによる説明を、前記携帯端末に提供する説明提供部、
を更に備えた情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理装置であって、
前記操作画像に含まれる第2のボタンがタップされると、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関
し、映像又は音声を介した質疑応答のための対話手段を、前記携帯端末
を介して提供する対話提供部、
を更に備えた情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記操作画像提供部は、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかの価格に関する前記所定の情報に基づいて、少なくとも前記第2のボタンを含む前記操作画像を、前記携帯端末に提供する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報処理装置であって、
前記質疑応答は、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかの価格見積もりに関するものである
情報処理装置。
【請求項7】
請求項4~6の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記対話提供部は、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかの販売員を示す画像とともに、前記対話手段を前記携帯端末に提供する
情報処理装置。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一に記載の情報処理装置であって、
前記操作画像に含まれる第3のボタンがタップされると、前記顧客が前記業者の担当と通話できるよう、前記携帯端末に搭載された電話を起動させる電話起動部、
を更に備えた情報処理装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか一に記載の情報処理装置であって、
前記操作画像に含まれる第4のボタンがタップされると、前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかを申し込むための申込画面を、前記携帯端末に提供する申込画面提供部、
を更に備えた情報処理装置。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか一に記載の情報処理装置であって、
前記履歴取得部は、前記顧客による前記操作画像の操作履歴を、前記顧客の情報に紐づけて取得する
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一に記載の情報処理装置であって、
前記業者が提供する前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかは、保険商品である
情報処理装置。
【請求項12】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記業者が提供する前記商品及びサービスのうち少なくとも何れかは、医療保険商品であり、
前記質疑応答には、前記顧客の性別と、前記顧客の生年月日または年齢と、前記顧客の健康状態に関する情報と、が質問として含まれる、
情報処理装置。
【請求項13】
請求項
12に記載の情報処理装置であって、
前記質疑応答には、前記顧客の、所定の病気の罹患履歴に関する情報が質問として更に含まれる、
情報処理装置。
【請求項14】
業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告に紐づけられ、前記広告が置かれた店舗の情報と、所定のURLとが紐づけられたコードが、顧客の携帯端末に搭載されたカメラにより読み取られると、前記携帯端末から前記所定のURLへのアクセスを受け付ける受付部と、
前記カメラにより読み取られた前記コードから前記店舗を特定し、前記コードの読取履歴を前記店舗の情報に紐づけて取得する履歴取得部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータを用いて、
業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告に紐づけられ
、顧客の情報と、所定のURLとが紐づけられたコードが、
前記顧客の携帯端末に搭載されたカメラにより読み取られると、前記携帯端末から
前記所定のURLへのアクセスを受け付けるステップと、
前記カメラに読み取られた前記コードから前記顧客を特定し、前記コードの読取履歴を
前記顧客の情報に紐づけて取得するステップと、
を
実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品及びサービスの少なくとも何れか(以下、商品等とする。)を提供する業者は、一般的に、自社の商品等の販売を促進するための広告を顧客に提供する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業者は、自社の商品等の広告を、例えば郵送によって、又は店舗等の閲覧可能な場所に配置することによって、顧客に提供することができる。また、業者は、広告の電子データを、ダイレクトメール等によって顧客に提供することができる。
【0005】
しかしながら、広告を上記のような手段で顧客に提供するのみでは、業者は、顧客が提供された広告を読んだか否かを把握することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告に紐づけられたコードが、顧客の携帯端末に搭載されたカメラにより読み取られると、前記携帯端末からのアクセスを受け付ける受付部と、前記コードの読取履歴を取得する履歴取得部と、を備えた情報処理装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】情報処理装置2の機能ブロックを示す図である。
【
図3】情報処理システム1の処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図4】商品等に関する広告Pと、QRコードCの一例を説明する図である。
【
図7】情報処理システム1の処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】情報処理システム1の処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図9】第2のボタンB2を表示する態様の例を示す図である。
【
図11】情報処理システム1の処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図12】情報処理システム1の処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<情報処理システム>
本実施形態の情報処理システム1は、業者が提供する商品等の広告の関連情報を、顧客に提供するとともに、商品等に興味を持つ顧客の情報を取得するシステムである。
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システム1の構成を示す図である。情報処理システム1は、情報処理装置2と、携帯端末4とを備えている。情報処理装置2と、携帯端末4とは、インターネットを通じて通信可能に接続されている。情報処理装置2は、業者が管理するサーバであり、携帯端末4は、顧客が所有するスマートフォンやタブレット等のインターネットに接続可能な端末である。なお、詳細は後述するが、携帯端末4には、少なくとも、電話と、カメラが設けられており、更にインターネット上のウェブサイトを閲覧するためのブラウザがインストールされている。
【0012】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図1には、情報処理装置2のハードウェア構成の一例が示されている。情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)20、主記憶装置21、補助記憶装置22、入力装置23、出力装置24、及び通信装置25を含むコンピューターである。
【0013】
CPU20は、主記憶装置21に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、情報処理装置2が有する上記各装置の動作を制御する。また、CPU20は、プログラムに従って、四則演算や論理演算を行う。
【0014】
主記憶装置21は、CPU20が実行中のプログラムやデータを一時的に格納する。主記憶装置21は、例えばRAM(Random Access Memory)等の半導体記憶装置により構成することができる。
【0015】
補助記憶装置22は、CPU20によって実行あるいは処理されるプログラムや各種データを格納する。補助記憶装置22は、例えばハードディスク等の磁気記憶装置、CDやDVD等の光記憶装置、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置等により構成することができる。補助記憶装置22には、本実施形態に係る各種のコードから構成される情報処理プログラム、顧客情報DB(後述)等が格納されている。なお、「情報処理プログラム」は、情報処理装置2が有する各種機能(詳細は後述)を実現するためのプログラムである。
【0016】
入力装置23は、情報処理装置2の外部から内部へ各種データを取り込むためのユーザインタフェースである。入力装置23は、キーボード、マウス、マイク等の装置である。
【0017】
出力装置24は、情報処理装置2の内部における処理結果等を、情報処理装置2の外部に出力するためのユーザインタフェースである。出力装置24は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置、プリンタ、スピーカ等の装置である。
【0018】
通信装置25は、情報処理装置2を各種通信網に接続するためのネットワークインターフェースである。通信装置25は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して他のコンピューターからデータを受信し、受信したデータを補助記憶装置22や主記憶装置21に記憶する。また、通信装置25は、補助記憶装置22や主記憶装置21に記憶されているデータを、ネットワークを介して他のコンピューターへ送信する。通信装置25は、例えばネットワークカード等の装置である。
【0019】
[情報処理装置の機能ブロック]
図2は、本実施形態の情報処理装置2の機能ブロックを示す図である。本実施形態の情報処理装置2には、CPU20が所定のプログラムを実行することにより、受付部30と、送信部31と、操作画像提供部32と、履歴取得部33と、説明提供部34と、対話提供部35と、電話起動部36と、申込画面提供部37とが実現される。
【0020】
受付部30は、顧客の携帯端末4から、情報処理装置2へのアクセスを受け付ける。具体的には、受付部30は、例えば、業者が配布した広告等に掲載されたQRコード(登録商標)が、顧客の携帯端末4に搭載されたカメラにより読み取られたことを検知すると、携帯端末4からのアクセスを受け付ける。このとき、後述する履歴取得部33は、カメラがQRコードを読み取った際の読取履歴を取得する。
【0021】
なお、本明細書において、「業者」とは、商品やサービスを販売する者を意味する。「顧客」とは、業者が、業者が生産した商品や、提供するサービスを販売する対象を意味する。本明細書において、顧客は、業者による商品やサービスを購入する意思があるか否かを問わない。
【0022】
送信部31は、受付部30が顧客の携帯端末4からのアクセスを受け付けると、携帯端末4へ、携帯端末4のカメラへのアクセス許可を求める情報を送信する。
【0023】
操作画像提供部32は、携帯端末4のカメラのアクセスが許可された後に、広告に含まれる所定の情報がカメラの撮影範囲内に存在することを検知すると、拡張現実(AR:Augmented Reality)を用いた操作画像Oを、顧客の携帯端末4に提供する。
【0024】
なお、広告に含まれる「所定の情報」とは、拡張現実の画像を表示させるための情報であり、例えば広告の表紙、特定の項目を示し図として認識されるテキスト、特定の図又は表等が対応する。
【0025】
履歴取得部33は、カメラがQRコードを読み取った際の読取履歴を取得する。更に、履歴取得部33は、顧客が携帯端末4の画面に表示された操作画像Oを操作した際の操作履歴を取得する。
【0026】
説明提供部34は、操作画像Oに含まれる所定のボタン(後述)がタップされると、商品等に関する説明を、携帯端末4に提供する。なお、ここで、説明提供部34が携帯端末4に提供する説明とは、例えば、商品等の情報を説明するための動画や音声である。また、説明提供部34は、操作画像Oに含まれる所定のボタンがタップされると、商品等の広告動画を再生し、携帯端末4の表示部4aに表示させてもよい。
【0027】
対話提供部35は、操作画像Oに含まれる所定のボタン(後述)がタップされると、商品等に関する質疑応答のための対話手段を、携帯端末4に提供する。「対話手段」とは、映像、音声等を介して、顧客に質問をしたり、顧客からの質問を受け付けたり、顧客からの質問に対して応答したりするためのチャットボットである。なお、詳細は後述するが、「質疑応答」は、チャットボットにより提供される商品等の価格見積もりに関するものである。
【0028】
電話起動部36は、操作画像Oに含まれる所定のボタン(後述)がタップされると、顧客が業者の担当と通話できるよう、携帯端末4に搭載された電話を起動させる。
【0029】
申込画面提供部37は、操作画像Oに含まれる所定のボタン(後述)がタップされると、商品等を申し込むための申込画面を、携帯端末4に提供する。
【0030】
[操作画像が表示されるまでの処理]
図3は、操作画像Oが顧客の携帯端末4に表示されるまでの処理の流れを説明するフローチャートである。また、
図4は、業者が提供する商品等に関する広告P、及びQRコードCが印刷されたチラシの一例を示す図である。
【0031】
ここで、広告Pは、表紙P1と、商品等の説明の頁とを含む冊子である。本実施形態の広告Pは、所定の医療保険業者が提供する複数の保険商品のうち、がん保険に関するものである。商品等の説明の頁には、がん保険に関する詳細なテキストP2による説明や、表P3による説明が含まれている。
【0032】
また、QRコードCは、広告Pに関する拡張現地の画像を携帯端末4の画面に表示させるためのURLを示すコードである。なお、広告Pと、QRコードCが印刷されたチラシは、同封された状態で業者から顧客に郵送される。
【0033】
また、本実施形態では、QRコードCは、顧客ごとに割り当てられたコードである。そして、QRコードCが割り当てられた顧客に関する情報は、例えば、
図5に示すように、情報処理装置2の補助記憶装置22に顧客情報DBとして記録されている。したがって、詳細は後述するが、情報処理装置2を管理する業者は、QRコードCが読み取られた情報に基づいて、広告の情報へとアクセスした顧客を把握することができる。
【0034】
図5は、顧客情報DBの一例を示す図である。顧客情報DBは、この例では、顧客ごとに、顧客ID(左列)、氏名(中列)及び電子メールアドレス(右列)を含んでいる。なお、顧客情報DBは、この例に加えて、顧客の住所、生年月日等を含んでもよい。
【0035】
また、本実施形態では、広告Pと、コードCとを郵送により顧客に提供することとしたがこれに限られない。例えば、広告Pと、QRコードCとの電子データを、ダイレクトメール等によって顧客に提供してもよい。また、インターネットを介して広告Pを入手するための所定のURLと、QRコードCとを、顧客に郵送またはダイレクトメールにより提供してもよい。
【0036】
先ず、
図3に示すように、顧客が携帯端末4に搭載されたカメラをチラシに掲載されたQRコードCにかざし、カメラはQRコードCを読み取る(S101)。このステップにより、携帯端末4のブラウザは、QRコードCに紐づけられた所定のURLへアクセスする。
【0037】
つぎに、S101において、携帯端末4がQRコードCを読み取ると、情報処理装置2の受付部30は、顧客の携帯端末4からのアクセスを受け付ける(S201)。ここで、所定のURLは、業者が提供するウェブサイトを指定する情報であり、情報処理装置2で管理される
【0038】
また、履歴取得部33は、顧客がS101においてQRコードCを読み取った際の読取履歴を取得する(S202)。ここで、QRコードCは、顧客の情報が紐づけられているため、履歴取得部33は、顧客による読取履歴を、顧客の情報に紐づけて取得し、例えば、補助記憶装置22に記憶する。この結果、業者は、どの顧客が、どのタイミングで商品等に関心を示したかを把握することができる。
【0039】
次いで、送信部31は、携帯端末4へ、携帯端末4に搭載されたカメラへのアクセス許可を求める情報を送信する(S203)。
【0040】
携帯端末4は、送信部31からのアクセス許可を求める情報を受信すると、アクセスを許可するか拒否するかを顧客に問うポップアップ(不図示)を表示部4aに表示する。そして、顧客が許可を示すポップアップをタップすると、情報処理装置2のカメラへのアクセスが許可される(S102)。なお、この状態では、携帯端末4のカメラは、S101で起動されている。このため、情報処理装置2は、カメラに入力される画像を認識することができる。
【0041】
次いで、顧客は、携帯端末4のカメラを、広告Pの所定の画像にかざす(S103)。ここで、広告Pの所定の画像とは、本実施形態では広告Pの表紙P1である。
【0042】
次いで、操作画像提供部32は、広告Pの表紙P1が、携帯端末4のカメラの撮影範囲内に存在することを検知すると(S204)、携帯端末4に拡張現実を用いた操作画像Oを提供する(S205)。
【0043】
この結果、携帯端末4の表示部4aは、
図6に示すように、情報処理装置2からの拡張現実を用いた操作画像Oを表示する(S104)。なお、携帯端末4は、例えば、携帯端末4に予めインストールされているブラウザを介して操作画像Oを表示することができる。
【0044】
図6は、携帯端末4の表示部4aに表示された拡張現実を用いた操作画像Oの一例を説明する図である。この例では、操作画像Oは、販売員を示す画像Sと、第1~第4のボタンB1~B4及びホームボタンB5を含んでいる。なお、操作画像Oの背景には、カメラの撮影画像が表示され、この例では、撮影画像として広告Pの表紙P1が表示されている。
【0045】
販売員を示す画像Sは、顧客が、広告Pについての関連情報を、少ない手間で理解したり、入手したりすることを支援するための画像である。第1~第4のボタンB1~B4は、顧客が操作画像Oを介して情報処理装置2を操作することにより、後述するいくつかの機能を実現するためのボタンである。これらの詳細については、以下で具体例と共に詳述する。
【0046】
[商品等の説明を提供する処理]
図7は、情報処理装置2が、顧客に商品等の説明を提供する処理の流れを説明するフローチャートである。先ず、顧客は、上記S104において操作画像Oに表示された第1のボタンB1をタップする(S105)。第1のボタンB1は、説明提供部34による説明を取得するためのボタンである。
【0047】
次いで、履歴取得部33は、S105で第1のボタンB1がタップされたことを検知し(S206)、顧客が第1のボタンB1をタップした際の操作履歴を取得する(S207)。
【0048】
次いで、説明提供部34は、商品等に関する説明を、携帯端末4に提供する(S208)。なお、ここで、携帯端末4に提供される「商品等に関する説明」は、顧客が、例えば、視覚や聴覚を介し、商品等の内容を把握できるものであればよいため、例えば、図や音声で提供されてもよいし、動画で提供されてもよい。更に、「商品等に関する説明」は、テキストによるメッセージが画像として提供されてもよい。
【0049】
本実施形態では、商品等に関する説明は、広告Pの内容に基づいた説明である。例えば、S105において、広告Pの表紙P1が操作画像Oの背景に表示された状態で第1のボタンB1がタップされた場合、広告Pに掲載されたがん保険の概要が音声で提供される。
【0050】
次いで、携帯端末4は、説明提供部34から提供された説明を、表示部4aに表示させる(S106)。これによって、顧客は、動画又は音声による広告Pの説明を受けることができる。なお、顧客が、説明提供部34による説明を視聴中に中断したいと考えた場合、ホームボタンB5をタップすることによって、提供されている説明を中断することができる。
【0051】
[対話による質疑応答を提供する処理]
図8は、情報処理システム1が、顧客に対話による質疑応答を提供する処理の流れを説明するフローチャートである。先ず、顧客は、操作画像Oに表示された第2のボタンB2をタップする(S107)。第2のボタンB2は、対話提供部35による対話手段を取得するためのボタンである。
【0052】
なお、操作画像提供部32が第2のボタンB2を表示する際に検知する所定の画像は、
図6に例示する表紙P1に限られない。
図9は、第2のボタンB2を表示する態様の他の例を示す図である。この例では、広告Pの表P3を含む部分が操作画像Oの背景に表示された状態を示している。この例において、表P3は、広告Pの商品等において、年齢と保険料の関係を示す表である。この場合、操作画像提供部32は、カメラの撮影画像から表P3を検知し、販売員を示す画像Sと、少なくとも第2のボタンB2を含む操作画像Oを提供する。
【0053】
次いで履歴取得部33は、S107で第2のボタンB2をタップされたことを検知し(S209)、顧客が第2のボタンB2をタップした際の操作履歴を取得する(S210)。
【0054】
次いで、対話提供部35は、商品等に関する質疑応答のための対話手段を、携帯端末4に提供する(S211)。
【0055】
次いで、携帯端末4は、対話提供部35から提供された対話手段により、表示部4aを介して質疑応答を行う(S108)。
図10は、対話提供部35から提供された対話手段を説明する図である。
【0056】
図10の例では、対話提供部35は、対話手段を携帯端末4に提供する。この例では、対話手段は、商品等の販売員を示す画像Sを含んでいる。顧客は、商品等の販売員を示す画像Sが発する質問に、口頭で応答することができる。質問には、例えば、顧客の性別と、顧客の生年月日または年齢と、顧客の健康状態に関する情報と、顧客の所定の病気の罹患履歴に関する情報とが含まれる。ここで所定の病気とは、例えば、がん等が含まれる。しかし、所定の病気には特に限定はなく、保障内容に応じて設定されればよい。
【0057】
この例では、質疑応答の内容が文字情報に変換され、文字情報による質疑応答の履歴が示されている。そして、質疑応答が終了すると、応答の内容に応じた保険料の見積額が対話提供部35によって自動計算され、計算結果が示される。
【0058】
なお、顧客が、質疑応答中に質疑応答を中断したいと考えた場合、ホームボタンB5をタップすることによって、質疑応答を中断させることができる。
【0059】
[電話を起動する処理]
図11は、情報処理システム1が、顧客が業者の担当と通話できるよう、携帯端末4に搭載された電話を起動する処理の流れを説明するフローチャートである。先ず、顧客は、操作画像Oに表示された第3のボタンB3をタップする(S109)。
【0060】
次いで履歴取得部33は、S109で第3のボタンB3をタップされたことを検知し(S212)、顧客が第3のボタンB3をタップした際の操作履歴を取得する(S213)。
【0061】
次いで、電話起動部36は、顧客が業者の担当と通話できるよう、携帯端末4の電話を起動し、業者の担当の所属する所定の部門に電話を発信する指示を携帯端末4に送信する(S214)。
【0062】
次いで、携帯端末4は、電話起動部36から送信された指示に基づいて、電話を起動し、電話を所定の部門へと発信する(S110)。一般に、顧客が商品等について問い合わせ際には、適切な連絡先を顧客自身で探す必要がある。しかしながら、
図11の処理が実行されると、顧客は、商品等を扱う担当が所属する適切な部門へ簡単に連絡を取ることができる。
【0063】
[申し込み画面を提供する処理]
図12は、情報処理システム1が、顧客に商品等の申し込み画面を提供する処理の流れを説明するフローチャートである。先ず、顧客は、操作画像Oに表示された第4のボタンB4をタップする(S111)。
【0064】
次いで履歴取得部33は、S111で第4のボタンB4をタップされたことを検知し(S215)、顧客が第4のボタンB4をタップした際の操作履歴を取得する(S216)。
【0065】
次いで、申込画面提供部37は、商品等を申し込むための申込画面を、携帯端末4に提供する(S217)。
【0066】
次いで、携帯端末4は、申込画面提供部37から提供された申込画面を、表示部4aに表示させる(S112)。これによって、顧客は、申込画面に必要事項を入力し、入力した事項を情報処理装置2に送信することによって、例えば商品等の売買契約を結ぶことができる。また、顧客が、申込画面への入力中に申し込みを中断したいと考えた場合、ホームボタンB5をタップすることによって、説明を中断させることができる。なお、ここでは、携帯端末4では、申込画面が表示されることとしたが、携帯端末4に表示される画面はこれに限られない。例えば、情報処理装置2と、携帯端末4とが、
図12と同様の処理を実行することにより、携帯端末4に来店日時を予約する予約画面が表示されることとしても良い。
【0067】
なお、本実施形態では、広告Pで紹介される商品をがん保険としたが、他の保険商品であっても良い。広告Pで紹介される商品は、例えば、がん保険以外の医療保険商品、医療保険以外の生命保険商品、損害保険商品等であってもよい。また、広告Pで紹介される商品が、定期死亡保険や就業不能保険の場合、質問として「特定期間内の特定の病気に関する質問」が含まれていてもよい。「特定期間」とは、例えば、現在を基準とした過去の所定期間等である。特定期間については、保険商品の種類や特定の病気に応じて設定されればよい。更に、広告Pで紹介される商品は、保険商品に限られず、例えば、不動産、家電製品、自動車、携帯電話等であっても良い。このような商品に関する広告に対しても、本実施形態を用いることにより、顧客が広告にアクセスしたか否かに関する情報を取得できる。
【0068】
[QRコードを印刷したチラシが店舗に配置されている場合]
業者は、広告Pを、業者の店舗等の顧客に閲覧可能な場所に配置することによって、顧客に提供することもできる。このとき、QRコードCは、例えば、広告Pと同一の冊子に印字されている。そして、QRコードCは、広告Pが置かれた店舗の情報が紐づけられている。
【0069】
この様なQRコードCが読み取られると、履歴取得部33は、QRコードCの読取履歴を、店舗の情報に紐づけて取得する。この結果、例えば、広告Pにアクセスした顧客が、どの店舗の顧客であるかを把握することができる。
【0070】
===まとめ===
以上、情報処理装置2は、広告Pに紐づけられたQRコードCが、顧客の携帯端末4に搭載されたカメラにより読み取られると、履歴取得部33は、QRコードCが読み取られた際の読取履歴を取得する(例えば、
図3の処理S202)。したがって、業者は、配布された広告Pが読まれたか否かを把握することができる。
【0071】
また、情報処理装置2は、業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告Pに紐づけられたコードCが、顧客の携帯端末4に搭載されたカメラにより読み取られると、携帯端末4からのアクセスを受け付ける受付部30と、広告Pに含まれる所定の情報がカメラの撮影範囲内に存在すると、拡張現実を用いた操作画像Oを、携帯端末4に提供する操作画像提供部32と、顧客による操作画像Oの操作履歴を取得する履歴取得部33と、を備える。
【0072】
このような構成によれば、履歴取得部33が、QRコードCの読取履歴、及び顧客による操作画像Oの操作履歴を取得する。そのため、業者は、業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる。さらに、本実施形態の操作画像Oは、広告Pに含まれる所定の情報に基づいて携帯端末4に表示されるため、操作画像Oの操作履歴に基づいて、広告Pのうち、どの箇所が顧客に閲覧されたかを把握することができる。
【0073】
また、情報処理装置2は、操作画像Oに含まれる第1のボタンB1がタップされると、商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する説明を、携帯端末4に提供する説明提供部34、を更に備える。このような構成によれば、広告Pに記載された説明が難解な場合に、顧客に理解させるよう支援をすることができる。
【0074】
また、情報処理装置2は、操作画像Oに含まれる第2のボタンB2がタップされると、商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する質疑応答のための対話手段を、携帯端末4に提供する対話提供部35、を更に備える。このような構成によれば、顧客は、対話により、顧客に必要な情報のみを得ることができる。
【0075】
また、情報処理装置2において、操作画像提供部32は、商品及びサービスのうち少なくとも何れかの価格に関する所定の情報に基づいて、少なくとも第2のボタンB2を含む操作画像Оを携帯端末4に提供する。このような構成によれば、顧客は、対話により、商品及びサービスのうち少なくとも何れかの価格について、顧客に必要な情報のみを得ることができる。
【0076】
また、情報処理装置2において、質疑応答は、商品及びサービスのうち少なくとも何れかの価格見積もりに関するものである。このような構成によれば、顧客は、対話により、価格見積もりに関する情報を得ることができる。
【0077】
また、本実施形態の情報処理装置2において、対話提供部35は、商品及びサービスのうち少なくとも何れかの販売員を示す画像Sとともに、対話手段を携帯端末4に提供する。このような構成によれば、顧客に安心感を与えた上で、質疑応答をすることができる。
【0078】
また、情報処理装置2は、操作画像Oに含まれる第3のボタンB3がタップされると、顧客が業者の担当と通話できるよう、携帯端末4に搭載された電話を起動させる電話起動部36、を更に備える。このような構成によれば、顧客は、対人による対話が可能になり、商品等について、更に詳細な情報を得ることができる。
【0079】
また、情報処理装置2は、操作画像Oに含まれる第4のボタンB4がタップされると、商品及びサービスのうち少なくとも何れかを申し込むための申込画面を、携帯端末4の画面に表示させる申込画面提供部37、を更に備える。
【0080】
本実施形態の情報処理装置2において、コードCは、顧客の情報が紐づけられており、履歴取得部33は、顧客による操作画像Oの操作履歴を、顧客の情報に紐づけて取得する。このような構成によれば、業者は、商品等を購入する見込のある顧客の情報を得ることができる。
【0081】
情報処理装置2は、コードCにおいて、広告Pが置かれた店舗の情報が紐づけられており、履歴取得部33は、コードCの読取履歴、及び顧客による操作画像Oの操作履歴を、店舗の情報に紐づけて取得する。このような構成によれば、業者は、複数の店舗の夫々に配置された広告が読まれた否かを、店舗ごとに把握することができる。
【0082】
情報処理装置2において、業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかは、保険商品である。このような構成によれば、保険商品を取り扱う業者は、業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる。
【0083】
また、情報処理装置2において、業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかは、医療保険商品であり、質疑応答には、顧客の性別と、顧客の生年月日または年齢と、顧客の健康状態に関する情報と、が質問として含まれる。このような構成によれば、顧客の固有の情報に関連する医療保険商品の情報を容易に得ることができる。
【0084】
また、情報処理装置2において、質疑応答には、顧客の、所定の病気の罹患履歴に関する情報が質問として更に含まれる。このような構成によれば、顧客の固有の情報に関連する医療保険商品の情報を更に容易に得ることができる。
【0085】
本実施形態の情報処理方法は、業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告Pに紐づけられたコードCが、顧客の携帯端末4に搭載されたカメラにより読み取られると、携帯端末4からのアクセスを受け付けるステップと、広告Pに含まれる第2情報がカメラの撮影範囲内に存在すると、拡張現実を用いた操作画像Oを、携帯端末4の画面に表示させるステップと、顧客による操作画像Oの操作履歴を取得するステップと、を含む。
【0086】
このような構成によれば顧客による操作画像Oの操作履歴が取得される。そのため、業者は、業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0087】
1:情報処理システム
2:情報処理装置
20:CPU
21:主記憶装置
22:補助記憶装置
23:入力装置
24:出力装置
25:通信装置
30:受付部
31:送信部
32:操作画像提供部
33:履歴取得部
34:説明提供部
35:対話提供部
36:電話起動部
37:申込画面提供部
4:携帯端末
4a:表示部
B1:第1のボタン
B2:第2のボタン
B3:第3のボタン
B4:第4のボタン
B5:ホームボタン
S:販売員を示す画像
C:QRコード
O:操作画像
P:広告
P1:表紙
P2:テキスト
P3:表
【要約】
【課題】業者が提供する広告が、顧客に読まれたか否かを容易に把握することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】業者が提供する商品及びサービスのうち少なくとも何れかに関する広告に紐づけられたコードが、顧客の携帯端末に搭載されたカメラにより読み取られると、前記携帯端末からのアクセスを受け付ける受付部と、前記コードの読取履歴を取得する履歴取得部と、を備えた情報処理装置。
【選択図】
図4