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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】ポンプ組立て体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20220531BHJP
   F16F 1/36 20060101ALI20220531BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20220531BHJP
   B05B 11/00 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B65D47/34 110
F16F1/36 C
F04B9/14 B
B05B11/00 101N
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021036104
(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公開番号】P2021173414
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0051963
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キ、ジュン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョル ギ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ウン
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-191571(JP,A)
【文献】特開昭63-012461(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1271151(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0200721(US,A1)
【文献】特表昭60-501617(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02481465(GB,A)
【文献】国際公開第2019/207613(WO,A1)
【文献】国際公開第02/002423(WO,A1)
【文献】特開2005-273784(JP,A)
【文献】特開2013-086877(JP,A)
【文献】米国特許第05065988(US,A)
【文献】国際公開第2019/206588(WO,A1)
【文献】特開2011-025144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 1/00- 6/00
F04B 9/14
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上支持体と、前記上支持体の下側に配備される下支持体と、前記上支持体と前記下支持体とを繋ぎ合わせ、前記弾性部材に対する付勢の際に屈曲変形する山と谷とが前記弾性部材が弾性変形する長手方向に沿って繰り返し形成される繋合部と、を備え、前記繋合部が、蛇腹状であり、前記弾性部材の側面が密閉され、前記山と前記谷の径が、前記長手方向に沿って増加する弾性部材と、
上部及び下部が開かれ、内部に中空が形成されたシリンダーと、
前記シリンダーの内壁に配備されるシールキャップと、
少なくとも一部が前記シリンダー内に嵌入して、前記シールキャップの上昇を抑えるシール部と、
下端に前記シールキャップにより開閉される流入口が形成され、前記流入口と連絡された通路が上端まで形成されるピストンロッドと、
前記ピストンロッドとともに昇降するように結合されたステムと、
を備え、
前記弾性部材は、前記ステムと前記シール部との間に介装されて、前記シール部から前記ステムに向かって弾性力を与え、
また、
前記ステムの上端部には、前記弾性部材の上端を支持する羽根部が外側に形成され、前記羽根部の外側には前記弾性部材の側面を支持して前記弾性部材の離脱を防ぐ下方折曲げ部が形成され、
前記シール部は、前記シリンダーと接し、前記弾性部材の下端部の側面に密着して前記弾性部材の離脱を防ぐ側壁、及び前記側壁の下端から内側に形成され前記弾性部材の下端を支持する基底部を備え、
前記羽根部に、前記弾性部材の圧縮及び圧縮の解除の際に生じる前記弾性部材の内部の空気の圧縮及び膨張を解消するために、前記弾性部材の内部と外部とを連通させる空気通路が形成される
ことを特徴とするポンプ組立て体。
【請求項2】
前記弾性部材は、部分的に圧縮された状態でポンプ組立て体内に収められる
請求項1に記載のポンプ組立て体。
【請求項3】
前記弾性部材の材質としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)POK、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオレフィンエラストマー(POE)及びエチレンオクテン/ブテン重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)のうちの少なくとも一種が挙げられる
請求項1に記載のポンプ組立て体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性部材及びこれを備えるポンプ組立て体に係り、さらに詳しくは、十分な弾性力を備えた、環境にやさしい弾性部材及びこれを備えるポンプ組立て体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポンプ容器は、容器本体の上部に結合されるポンプ組立て体のポンピング動作を通じて中身が外部に排出されるように構成されるものであって、中身が貯留される容器本体と、容器本体の上部に結合され、容器本体の内部を真空引きしてポンピング動作により中身を引き上げるポンプ組立て体と、ポンプ組立て体の上部に配設されて使用者の押下により昇降し、ポンプ組立て体に圧力を伝えるボタン部と、から構成される。
【0003】
ここで、ポンプ組立て体は、容器本体に貯留された中身が外部に排出されるようにポンピング動作を行うものであって、このような繰り返し的なポンピング動作のために内部に弾性力を与えるバネを備えていてもよい。通常、バネは、金属を材質とするため、製造コストが高いだけではなく、ポンプ組立て体がプラスチック及び金属といった異種の材質からなるため、リサイクルのためにこれを取り外して廃棄することを余儀なくされ、それ故に、リサイクルが決して容易ではないという不都合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の不都合を解消するために案出されたものであり、十分な弾性力を備えた、環境にやさしい弾性部材及びこれを備えるポンプ組立て体を提供することをその目的とする。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上において言及した技術的課題に何ら制限されるものではなく、未言及の他の技術的課題は、次の記載から本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に従い、弾性部材が提供される。前記弾性部材は、弾性部材であって、上支持体と、前記上支持体の下側に配備される下支持体と、前記上支持体と前記下支持体とを繋ぎ合わせ、前記弾性部材に対する付勢の際に屈曲変形されるように外側の方向に山と谷とが繰り返し形成される繋合部と、を備えていてもよい。
【0007】
また、前記弾性部材は、部分的に圧縮された状態でポンプ組立て体内に収められてもよい。
【0008】
さらに、前記弾性部材の材質としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)POK、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオレフィンエラストマー(POE)及びエチレンオクテン/ブテン重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)のうちの少なくとも一種を挙げることができる。
【0009】
さらにまた、前記弾性部材は、射出成形が容易になるように、前記山及び前記谷の大きさが長手方向に沿って増加してもよい。
【0010】
さらにまた、前記弾性部材は、蛇腹タイプのものであって、一つの繋合部が周りに沿って形成されて側面が密閉されてもよい。
【0011】
さらにまた、上支持体及び下支持体のうちの少なくとも一方には、前記弾性部材の圧縮時の空気抜きのための少なくとも一本の空気通路が形成されてもよい。
【0012】
さらにまた、前記弾性部材の前記繋合部は、互いに反対の方向を向くように形成される第1の繋合部及び第2の繋合部を備え、前記第1の繋合部及び前記第2の繋合部は、前記谷同士が繋ぎ合わせられて一体に形成されてもよい。
【0013】
さらにまた、前記繋合部の前記谷のうちの少なくとも一つの谷には、隣接する他の谷に向かって突出する制限部が形成されて、前記弾性部材の圧縮距離が制限されてもよい。
【0014】
さらにまた、前記繋合部の前記山には、最外側の第1の変曲点、及び前記第1の変曲点の内側の上下の方向への第2の変曲点及び第3の変曲点が形成されて、前記第1の変曲点ないし前記第3の変曲点を中心として屈曲変形が行われてもよい。
【0015】
本発明の実施形態に従い、ポンプ組立て体が提供される。前記ポンプ組立て体は、本発明の実施形態に係る弾性部材と、上部及び下部が開かれ、内部に中空が形成されたシリンダーと、前記シリンダーの内壁に配備されるシールキャップと、少なくとも一部が前記シリンダー内に嵌入して、前記シールキャップの上昇を抑えるシール部と、下端に前記シールキャップにより開閉される流入口が形成され、前記流入口と連絡された通路が上端まで形成されるピストンロッドと、前記ピストンロッドとともに昇降するように結合されたステムと、を備え、前記弾性部材は、前記ステムと前記シール部との間に介装されて、前記シール部から前記ステムに向かって弾性力を与えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、弾性部材の材質を軟質のプラスチックにすることにより、簡単な構造を通じてコストの節減を可能にし、他のポンプ組立て体の構成要素との分離・廃棄の問題を解決して環境にやさしい。
【0017】
また、本発明によれば、上支持体、下支持体及びこれらを繋ぎ合わせ、山と谷とが繰り返し形成される繋合部を通じて、弾性部材に十分な弾性力及び耐久性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る弾性部材を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る弾性部材を示す図である。
図3a】本発明の実施形態に係るポンプ組立て体の斜視図である。
図3b】本発明の実施形態に係るポンプ組立て体の断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る中身容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の詳細な説明の欄において引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
以下、添付図面に示されている内容に基づいて、本発明に係る例示的な実施形態について詳しく説明する。また、添付図面に示されている内容に基づいて、本発明の実施形態に係る装置を構成し且つ使用する方法について詳しく説明する。各図面に示されている同じ参照番号または符号は、実質的に同じ機能を行う部品または構成要素を示す。以下において記載される上下左右の方向は、便宜上、図面を基準としたものであり、必ずしも当該方向に本発明の権利が限定されるとは限らない。
【0020】
「第1の」、「第2の」などのように序数を含む言い回しは、様々な構成要素を説明するうえで使用可能であるが、前記構成要素は、前記言い回しによって何等限定されない。前記言い回しは、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でしか使えない。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲内において第1の構成要素は第2の構成要素と命名されてもよく、同様に、第2の構成要素もまた第1の構成要素と命名されてもよい。及び/又はという言い回しは、複数の関連する項目の組み合わせまたは複数の関連する項目のうちのいずれか一つの項目を含む。
【0021】
本明細書において用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を制限及び/又は限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。本明細書において、「備える」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものに過ぎず、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しない。
【0022】
明細書の全般に亘って、ある部分が他の部分と「連結」されているとか、「接続」されているとか、と言及された場合、これは、前記ある部分が前記他の部分に「直接的に連結されたり接続」されたりする場合だけではなく、これらの間に他の素子を間に挟んで「電気的に連結されたり接続」されたりする場合をも含む。なお、ある部分がある構成要素を「備える」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するわけではなく、他の構成要素をさらに備えていてもよいことを意味する。
【0023】
弾性部材は、長手方向に圧縮及び圧縮の解除が行われながら、弾性力を発揮することができる。弾性力を用いて、弾性部材は、ポンプ組立て体内においてポンプ組立て体のポンピング動作が行われるようにすることができ、ポンプ組立て体は、ポンピング動作を通じて中身を吸い込み且つ吐き出すことができる。
【0024】
一実施形態において、弾性部材は、ポンプ組立て体のピストンロッドの行程距離よりも長い長さを有していてもよい。前記長さは、弾性部材が伸縮していない、安定状態(steady state)の長さであって、例えば、前記長さは、ピストンロッドの行程距離の1.4倍~3倍の値であってもよい。但し、本発明は、これに限定されるものではなく、弾性部材の材質、形状などにより前記長さが種々に設定可能である。すなわち、弾性部材の長さは、繰り返し圧縮によるひずみを考慮して、ひずみ後の弾性部材の圧縮距離がピストンロッドの行程距離に対応するように、あるいは、これに近似するように決定されてもよい。
【0025】
一実施形態において、弾性部材は、部分的に圧縮された状態でポンプ組立て体内に収められてもよい。このために、弾性部材は、ポンプ組立て体の収容空間(例えば、ステムからシール部までの空間)よりも長い長さを有していてもよい。例えば、弾性部材は、それぞれの収容空間に比べて、1.3倍~3倍の長さまたは1.7倍~2.2倍の長さを有していてもよく、但し、本発明は、これに限定されるものではない。このように、弾性部材が部分的に圧縮されてポンプ組立て体に収められることにより、たとえ弾性部材が繰り返し圧縮により復元率が低下するように歪まれたとしても、弾性部材を収める収容空間の大きさが変化する必要なしに、弾性部材が安定的に配置されることが可能になる。
【0026】
一実施形態において、弾性部材は、複数から構成されてもよい。この場合、複数の弾性部材が長手方向に組み立てられてポンプ組立て体内に配備されてもよい。
【0027】
一実施形態において、弾性部材の少なくとも一部は、軟質のプラスチック材質からなってもよい。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)POK、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、エラストマー、ポリオレフィンエラストマー(POE)、共重合体、エチレンオクテン/ブテン重合体(Ethylene Octene/Butene Copolymers)などが挙げられる。但し、本発明は、これに何ら限定されるものではなく。このように、軟質のプラスチックを材質とすることにより、弾性部材を作製しやすくするとともに、従来の金属材質のバネよりも生産コストを節減することが可能である。また、従来の金属材質のバネよりも軽量であるため、弾性部材を備えるポンプ組立て体及び容器の重さを減らすことができて、持ち運びやすく、使い勝手のよさを与えることができる。なお、ポンプ組立て体の他の構成要素との分離・廃棄の問題を解決して環境にやさしい。
【0028】
一実施形態において、弾性部材は、射出成形により製造されてもよい。したがって、フロー成形などによる場合に比べてさらに安定的な性能を与えることができる。例えば、弾性部材が蛇腹(bellows)タイプである場合、通常、ブロー成形により製造されるが、このとき、弾性部材の厚さが均一に形成できないという不都合があった。しかしながら、射出成形による場合には、このように厚さが均一に形成できないという不都合が生じないので、不良率が下がり、しかも、非対称弾性の問題もまた解決することができる。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る弾性部材を示す図である。
【0030】
具体的に、図1の(a)は、弾性部材100の斜視図であり、図1の(b)は、弾性部材100の断面図である。
【0031】
図1を参照すると、弾性部材100は、上支持体110と、上支持体110の下側に配備される下支持体120と、上支持体110と下支持体120とを繋ぎ合わせ、弾性部材100に対する付勢の際に屈曲変形される少なくとも一つの繋合部130と、を備えていてもよい。
【0032】
上支持体110は、繋合部130の上端を支持してもよい。弾性部材100に対する付勢の際に上支持体110が下降しながら圧力を繋合部130に伝えることができ、付勢が解除されれば、繋合部130の弾性力により上支持体110は上昇しながら元の位置に戻ることができる。下支持体120は、繋合部130の下端を支持してもよい。下支持体120は昇降せず、ポンプ組立て体内において繋合部130を支持することにより、繋合部130の弾性力を上支持体110に向かわせることができる。
【0033】
上支持体110及び下支持体120には、内側に中空が形成されてもよい。弾性部材100の中空は、ポンプ組立て体のステムなどが内側に位置するようにしてもよく、弾性部材100の中空は、弾性部材100が内側に位置するようにしてもよい。このとき、上支持体110及び下支持体120は、例えば、円形のリング状を呈しても良いが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0034】
繋合部130は、上支持体110と下支持体120とを弾性的に繋ぎ合わせてもよい。このとき、繋合部130には、外側に突出する山131及び山131から内側に陥凹する谷132が長手方向に沿って繰り返し形成されてもよい。弾性部材100に対する付勢の際に、繋合部130は、屈曲変形されながら弾性力を生じさせることができる(すなわち、弾性圧縮)。また、この状態で付勢を解除すると、弾性力により繋合部130の屈曲変形が解除されながら元の状態に修復することができる。
【0035】
弾性部材100の繋合部130は、上支持体110と下支持体120とを繋ぎ合わせるが、蛇腹タイプに形成されてもよい。具体的に、弾性部材100の周りに沿って一つの繋合部130が配備されるが、繋合部130には、外側に突出した山131及び山131から内側に陥凹した谷132が長手方向に沿って繰り返し形成されることで、側面を密閉することができる。
【0036】
実施形態に応じて、上支持体110、下支持体120及び繋合部130は、互いに同一または異なる材質を有していてもよい。例えば、上支持体110及び下支持体120が繋合部130に比べてさらに剛性が高い材質を有していてもよい。また、例えば、繋合部130は、上支持体110及び下支持体120に比べてさらに弾性力が強い材質を有していてもよい。
【0037】
一実施形態において、弾性部材100のそれぞれは、複数から構成されてもよい。すなわち、複数の弾性部材100が連続してポンプ組立て体内に配置されてもよく、これらは互いに上支持体110及び/又は下支持体120により支持されてもよい。このように、複数の弾性部材100の組み合わせを通じて、弾性部材100の全体的な長さを種々に変化させることができる。
【0038】
一実施形態において、上支持体110の上面及び下支持体120の下面のうちの少なくとも一方には、係合突起及び係合溝のうちの少なくとも一方が形成されてもよい。弾性部材100のそれぞれが複数から構成される場合、これらは、係合突起及び係合溝間の係合により連結可能である。例えば、下支持体120の下面には係合突起が下側に形成され、上支持体110の上面には係合溝が上側に形成されて、複数の弾性部材100及び/又は複数の弾性部材100が長手方向に組み立てられることが可能になる。
【0039】
一実施形態において、弾性部材100における山131と谷132の大きさは、長手方向に沿って増加してもよい。例えば、山131と谷132が上支持体110から下支持体120に向かって進むにつれて増加してもよい。下支持体120に向かって進むにつれて山131と谷132が次第に大きくなるように形成されることにより、弾性部材100がより安定的にポンプ組立て体内に配置されることが可能になる。但し、これは単なる例示にすぎず、例えば、山131と谷132の大きさは、下支持体120から上支持体110に向かって進むにつれて増加してもよい。実施形態に応じて、弾性部材100は、射出成形により製造されてもよく、このとき、弾性部材100の山131と谷132の大きさが特定の方向に増加するようにして、射出に用いられた金型が取り外され易いようにすることができる。
【0040】
一実施形態において、弾性部材100の上支持体110及び下支持体120のうちの少なくとも一方には、弾性部材100の圧縮時の空気抜きのための少なくとも一本の空気通路が形成されてもよい。前記空気通路は、上支持体110の上面及び下支持体120の下面のうちの少なくとも一方が長手方向に突出し、及び/又は、陥凹することにより形成されてもよい。前記突出領域及び/又は陥凹領域が互いに対応するように形成される場合、これらは、係合突起及び/又は係合溝としての機能をすることができる。
【0041】
図1に示す弾性部材100の形状は、単なる例示的なものにすぎず、本発明が適用される実施形態に応じて種々の形状が適用可能である。
【0042】
図2は、本発明の実施形態に係る弾性部材を示す図である。
【0043】
具体的に、図2の(a)は、弾性部材200の斜視図であり、図2の(b)は、弾性部材200の正面図であり、図2の(c)は、弾性部材200の正面図である。
【0044】
図2の弾性部材200は、図1の弾性部材200と同様に説明され、以下、重複する説明は省略する。
【0045】
弾性部材200の繋合部230のうち、第1の繋合部230-1と第2の繋合部230-2は、互いに反対の方向を向くように、互いに対応するように形成されてもよく、第1の繋合部230-1及び第2の繋合部230-2は、対応する谷232が繋ぎ合わせられて一体に形成されてもよい。これを通じて、弾性部材200の第1の繋合部230-1及び第2の繋合部230-2が均一に圧縮されるようにできる。但し、これは単なる例示的なものにすぎず、実施形態に応じて、弾性部材200には、一つまたは三つ以上の繋合部230が形成されてもよい。
【0046】
一実施形態において、繋合部230の山231には、最外側の第1の変曲点240-1、及び第1の変曲点240-1の内側の上下の方向への第2の変曲点240-2及び第3の変曲点240-3が形成されてもよい。弾性部材200に対する付勢の際に、弾性部材200が圧縮されるとき、第1の変曲点240-1~第3の変曲点240-3を中心として屈曲変形が行われてもよい。屈曲に伴う負荷を多数の変曲点240-1、240-2、240-3に分散させることができる。
【0047】
一実施形態において、弾性部材200の谷232のうちの少なくとも一つの谷には(長手方向に)隣接する他の谷232に向かって突出する制限部が形成されてもよい。弾性部材200の圧縮の際に制限部が隣接する谷232または隣接する谷232の制限部に触れて弾性部材200の圧縮距離を制限してもよい。過度な圧縮による性能の低下を防ぐためである。
【0048】
図3aは、本発明の実施形態に係るポンプ組立て体の斜視図であり、図3bは、本発明の実施形態に係るポンプ組立て体の断面図である。
【0049】
図3a及び図3bのポンプ組立て体300は、図1の弾性部材100を備えるものとして示されるが、これは、単に説明の簡易さのためのものに過ぎず、図2の弾性部材200または本発明の他の実施形態に係る弾性部材がポンプ組立て体300に配備されてもよい。
【0050】
図3a及び図3bを参照すると、ポンプ組立て体300は、使用者から外力を印加されて、内部に圧力の変化を引き起こし、これを通じて、中身を流入及び吐出するためのものであり、具体的に、シリンダー310、シールキャップ320、シール部330、ピストンロッド340、ステム350及び弾性部材100を備えていてもよい。
【0051】
シリンダー310は、上下に貫通されて中身が流入及び流入される空間を提供してもよい。シリンダー310は、容器(図示せず)のスパウト(注ぎ口)部の内側に配設されるが、外側に載置羽根が形成されて、容器のスパウト部の上に載置されてもよい。シリンダー310の下端は、容器の内部に向かって延設されてもよく、容器と連通される入口が形成されてもよい。入口または入口に隣接して弁が配備されてもよい。弁は、逆止め弁であって、シリンダー310の内圧が正圧であるときに入口を密閉していて、シリンダー310の内圧が負圧に変化すると、入口を開いてもよい。
【0052】
シールキャップ320は、ピストンロッド340の開閉のためのものであり、外面がシリンダー310に密着し、内面がピストンロッド340と密着してもよい。シールキャップ320の内面の下端がピストンロッド340の受け部に密着されてピストンロッド340の流入口を密閉してもよく、シールキャップ320を基準としてピストンロッド340が下降すると、シールキャップ320の下端がピストンロッド340の受け部から遠ざかりながら流入口が開かれて、シリンダー310の内部と連通されることが可能になる。
【0053】
シール部330は、シリンダー310の上端に結合され、下端がシリンダー310の内側に延びるように構成されてもよい。具体的に、シール部330は、シリンダー310と接する側壁と、側壁の下端における内側に形成される基底部と、を備えていてもよい。基底部の底面(または、基底部の底面に形成された突起)によりシールキャップ320の上昇が抑えられる。また、基底部の上面に弾性部材100の下端が支持されてもよく、側壁により弾性部材100の外部への抜脱が防がれる。実施形態に応じて、弾性部材100の下端は、側壁に密着されて配置されてもよい。
【0054】
実施形態において、基底部の上面には少なくとも一つの下リードが形成されてもよい。下リードが弾性部材100の下端と接しながら、下リードの間に空気通路が形成されてもよい。弾性部材100が蛇腹タイプに実現される場合、弾性部材100の圧縮及び圧縮の解除の際に生じる内部空気の圧縮及び膨張が空気通路により解消されるようにできる。
【0055】
ピストンロッド340は、シリンダー310の内部に配備されるが、下側がシールキャップ320により囲繞され、上側がステム350に連結されてもよい。ピストンロッド340は、中空の環状を呈し、ピストンロッド340の下側には、シールキャップ320により開閉される流入口が形成され、ピストンロッド340の上側には、流入口を介して流入した中身が流出される流出口が形成されてもよい。また、ピストンロッド340の下端には受け部が形成されて、受け部にシールキャップ320の内面の下端が密着されると、流入口はシリンダー310の内部空間から密閉されるようにできる。ピストンロッド340は、ステム350によりシリンダー310内において垂直方向に移動することができる。ピストンロッド340が下側に移動すると、シールキャップ320の内面の下端が受け部から離間しながら流入口が開かれてシリンダー310の内部の中身がピストンロッド340の内部に流入することができる。ピストンロッド340が移動し続けると、中身は流出口を介して排出された後、ステム350を経てノズルの吐出孔を介して吐き出されることが可能になる。ピストンロッド340が上側に移動すると、シリンダー310はピストンロッド340の流入口を密閉することができ、シリンダー310の内部に負圧が生じて、容器部内の中身がシリンダー310の内部に流入することができる。
【0056】
ステム350は、ピストンロッド340と結合してピストンロッド340とともに昇降してもよい。具体的に、ステム350は、例えば、ノズルなどを介して外力が印加されると、下降しながらピストンロッド340を下降させ、外力が除去されると、上昇しながらピストンロッド340を上昇させてもよい。ステム350の上端には、周りに沿って外側に突出する羽根部が形成されてもよい。羽根部の底面により弾性部材100の上端が支持されてもよい。羽根部の底面からシール部330の基底部の上面までの長さにより弾性部材100の収容空間の長さが定義されてもよい。
【0057】
一実施形態において、羽根部の外側には、下方折曲げ部が形成されてもよい。下方折曲げ部により弾性部材100の離脱が防がれる。
【0058】
一実施形態において、羽根部の底面には、少なくとも一つの上リードが形成されてもよ。上リードが弾性部材100の上端と接しながら、上リードの間に空気通路が形成されてもよい。弾性部材100が蛇腹タイプに実現される場合、弾性部材100の圧縮及び圧縮の解除の際に生じる内部空気の圧縮及び膨張が空気通路により解消されるようにできる。
【0059】
弾性部材100は、ピストンロッド340の位置の復元のためのものであり、下支持体120がシール部330(例えば、基底部の上面など)により支持され、上支持体110はステム350により支持されてもよい。ここで、ステム350は、下端がピストンロッド340と結合され、上下に貫設されて、ピストンロッド340から流入する中身が上側に移動することができる。使用者がポンプ組立て体300を加圧すると、上支持体110及びステム350が下側に移動しながら繋合部130が圧縮されることが可能である。このとき、ステム350に結合されたピストンロッド340が一緒に下側に移動することができる。また、使用者が加圧を解除すると、繋合部130の弾性力が上支持体110及びステム350を上側に修復させることができる。このとき、ステム350に結合されたピストンロッド340が一緒に上側に移動することができる。
【0060】
一実施形態において、羽根部の底面からシール部330の基底部の上面までの長さは、弾性部材100の長さよりも短くても良い。すなわち、弾性部材100は、安定状態での長さよりも短い長さに圧縮されてポンプ組立て体300内に収められてもよい。
【0061】
図4は、本発明の実施形態に係る中身容器の断面図である。
【0062】
図4を参照すると、中身容器400は、容器部410、ヘッド部420、ノズル430及びポンプ組立て体300を備えていてもよい。
【0063】
容器部410は、中身が収められる収容空間を与えてもよい。容器部410に収められた中身は、ノズル430などを介して外部に吐き出されて使用者により使用可能になる。ここで、中身は、例えば、化粧品(すなわち、化粧料)や薬品であってもよいが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、容器部410に収められ、ノズル430を介して排出され得る多種多様な種類または成分の物質を含んでいてもよい。液状、ゲル状、粉末状など中身の剤形もまた様々であってもよい。なお、容器部410が瓶(bottle)タイプとして示されるが、これは単なる例示的なものにすぎず、チューブ(tube)、トトル(tottle)などの様々なタイプの容器部410が適用可能である。
【0064】
容器部410の上端には、ポンプ組立て体300(例えば、シリンダー310の羽根部)が載置されてもよい。ポンプ組立て体300により容器部410に収められた中身が外部に吐き出されることが可能になる。容器部410のスパウト部の外側にはヘッド部420が結合されてもよい。ヘッド部420は、内側及び/又は外側にポンプ組立て体300が配備される空間を備えていてもよく、ノズル430の一部が移動可能な空間を与えてもよく、ヘッド部420と容器部410との結合を通じて、ポンプ組立て体300を加圧して固定することができる。
【0065】
ノズル430は、使用者の外力を印加されてポンプ組立て体300に伝え、ポンプ組立て体300から吐き出される中身を外部に排出してもよい。ノズル430は、上側に使用者から外力を印加されて上下動することができ、下側にはピストンロッド340と接してもよい。ノズル430の昇降は、ピストンロッド340の昇降を引き起こすことができる。
【0066】
以上述べたように、実施形態がたとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、以上の記載から種々の修正及び変形を加えることが可能である。また、それぞれの実施形態は、必要に応じて、組み合わされて運用可能である。よって、他の実現、他の実施形態及び請求の範囲と均等なものもまた後述する請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0067】
100、200 弾性部材
110、210 上支持体
120、220 下支持体
130、230 繋合部
131、231 山
132、232 谷
230-1 第1の繋合部
230-2 第2の繋合部
240-1 第1の変曲点
240-2 第2の変曲点
240-3 第3の変曲点
300 ポンプ組立て体
310 シリンダー
320 シールキャップ
330 シール部
340 ピストンロッド
350 ステム
400 中身容器
410 容器部
420 ヘッド部
430 ノズル
図1
図2
図3a
図3b
図4