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▶ ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】無線ジャミング検知
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/12 20210101AFI20220531BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20220531BHJP
   H04B 17/345 20150101ALI20220531BHJP
   H04B 17/24 20150101ALI20220531BHJP
【FI】
H04W12/12
H04W24/10
H04B17/345
H04B17/24
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021075946
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2021175195
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】20205440
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バラッカ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ワイルド ソーステン
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 17/345
H04B 17/24
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えた第1のネットワーク要素であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線通信ネットワークの前記第1のネットワーク要素に、
前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を含む動作を実行させるように構成され、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、第1のネットワーク要素
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記出力された干渉測定データに基づいて、無線ジャミングの存在検知を実行することを含む動作をさらに実行させるように構成された、請求項1に記載の第1のネットワーク要素
【請求項3】
前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記第1のネットワーク要素と前記第2のネットワーク要素との間通信するための複数の無線シンボル中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示す、請求項1または2に記載の第1のネットワーク要素
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記制御ネットワーク要素から、前記疑似ランダムアルゴリズム情報を更新するための更新メッセージを受信することを含む動作をさらに実行させるように構成された、請求項1に記載の第1のネットワーク要素
【請求項5】
前記第1のネットワーク要素が、ネットワークノードを含み、前記第2のネットワーク要素が、ユーザ機器を含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記取得されたブランクサブキャリアインデックスデータに基づいて、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の伝送をブランキングするように前記ユーザ機器をスケジューリングすることを含む動作をさらに実行させるように構成された、請求項1~4のいずれか1項に記載の第1のネットワーク要素
【請求項6】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えた制御ネットワーク要素であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線通信ネットワークの前記制御ネットワーク要素に、
時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするため前記ブランキングパターン情報を利用するように、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのあるネットワークノードから、1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を含む動作を実行させるように構成され、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、制御ネットワーク要素
【請求項7】
前記複数のネットワークノードのうちの前記あるネットワークノードから受信された前記干渉情報が、前記ネットワークノードが前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉検知したか否かを示す、請求項に記載の制御ネットワーク要素
【請求項8】
前記ネットワークノードが干渉検知したか否かを示すことが、少なくとも1つのユーザ機器から前記ネットワークノードにより受信された前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データに基づく、請求項に記載の制御ネットワーク要素
【請求項9】
前記干渉情報が、前記複数のネットワークノードのうちの前記ネットワークノードと、前記複数のネットワークノードのうちの前記ネットワークノードによってサービスされるユーザ機器と、うち少なくとも1つにより取得された干渉測定データを含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記制御ネットワーク要素に、前記干渉測定データに基づいて、無線ジャミングの存在検知することを含む動作をさらに実行させるように構成された、請求項に記載の制御ネットワーク要素
【請求項10】
前記ブランキングパターン情報が、疑似ランダムアルゴリズムを含む、請求項のいずれか1項に記載の制御ネットワーク要素
【請求項11】
無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素のための方法であって、
前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を含
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、方法。
【請求項12】
無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素のための方法であって、
時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするため前記ブランキングパターン情報を利用するように、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのあるネットワークノードから、1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を含
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、方法。
【請求項13】
無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素において、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を少なくとも前記第1のネットワーク要素に実行させるためのプログラム命令を含み、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素において、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするため前記ブランキングパターン情報を利用するように、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのあるネットワークノードから、1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を少なくとも前記制御ネットワーク要素に実行させるためのプログラム命令を含み、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信に関する。
【背景技術】
【0002】
悪意ある行為は、たとえば通信システムに対する性能および完全性の問題を引き起こし得る。このような悪意ある行為の一例が無線ジャミングであり、これは、通信システムの性能の低減を目的に当該システムに対して干渉を意図的に放出する1つまたは複数の無線ジャマー(radio jammer)により実行される可能性がある。したがって、無線ジャミングの問題に対する解決手段を提供することが通信システムの性能の維持に役立つと考えられる。
【発明の概要】
【0003】
一態様によれば、独立請求項の主題が提供される。いくつかの実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0004】
実施態様の1つまたは複数の例については、添付の図面および以下の説明において、より詳しく説明する。他の特徴については、本明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0005】
一態様によれば、無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素のための装置であって、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリア(blanked subcarriers:ブランクにされたサブキャリア、空白にされたサブキャリア)を示すブランクサブキャリアインデックスデータ(blanked subcarrier index data)を取得することと、前記時間-周波数リソースグリッド上の無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行によって、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得することと、無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データ(interference measurement data)を出力することと、を実行するための手段を備えた、装置が提供される。
【0006】
一実施形態において、ブランクサブキャリアインデックスデータは、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報(pseudorandom algorithm information)を利用して生成される。
【0007】
一実施形態において、上記手段は、無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データを前記制御ネットワーク要素および前記第2のネットワーク要素の少なくとも一方に送信するように構成されている。
【0008】
一実施形態において、上記手段は、出力された干渉測定データに基づいて、無線ジャミングの存在検知を実行するように構成されている。
【0009】
一実施形態において、ブランクサブキャリアインデックスデータは、第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の通信のための複数の無線シンボル(radio symbols)中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示す。
【0010】
一実施形態において、上記手段は、制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信するとともに、受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、ブランクサブキャリアインデックスデータを決定するように構成されている。
【0011】
一実施形態において、上記手段は、制御ネットワーク要素から、疑似ランダムアルゴリズム情報を更新するための更新メッセージを受信するように構成されている。
【0012】
一実施形態において、第1のネットワーク要素がネットワークノードを含み、第2のネットワーク要素がユーザ機器を含み、上記手段は、取得されたブランクサブキャリアインデックスデータに基づいて、1つまたは複数のブランクサブキャリア上の伝送をブランキングする(blank:ブランクにする、空白にする)ようにユーザ機器をスケジューリングするように構成されている。
【0013】
一実施形態において、1つまたは複数のブランクサブキャリアは、1つまたは複数のブランク物理リソースブロック(blanked physical resource blocks:ブランクにされた物理リソースブロック、空白にされた物理リソースブロック)を示す。
【0014】
一態様によれば、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素のための装置であって、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、前記ブランキングパターン情報を利用して1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするように、無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、複数のネットワークノードのうちの1つから、1つまたは複数のブランクサブキャリアに実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、無線ジャミングが存在するものと判定した場合に、判定された無線ジャミングを軽減する1つまたは複数のアクション(動作)を開始することと、を実行するための手段を備えた、装置が提供される。
【0015】
一実施形態において、ブランキングパターン情報は、疑似ランダムアルゴリズムを含む。
【0016】
一実施形態において、複数のネットワークノードのうちの1つから受信された干渉情報は、ネットワークノードが1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉検知したか否かを示す。
【0017】
一実施形態において、ネットワークノードが干渉検知したか否かを示すことは、少なくとも1つのユーザ機器からネットワークノードにより受信された1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データに基づく。
【0018】
一実施形態において、干渉情報は、複数のネットワークノードのうちの1つおよび複数のネットワークノードのうちの1つによってサービスされるユーザ機器の少なくとも一方により取得された干渉測定データを含み、上記手段は、前記干渉測定データに基づいて、無線ジャミングの存在検知するように構成されている。
【0019】
一実施形態において、1つまたは複数のブランクサブキャリアは、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す。
【0020】
一実施形態において、前記手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。
【0021】
一態様によれば、無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素のための方法であって、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを取得することと、前記時間-周波数リソースグリッド上の無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行によって、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得することと、無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データを出力することと、を含む、方法が提供される。
【0022】
一態様によれば、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素のための方法であって、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、前記ブランキングパターン情報を利用して1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするように、無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成(設定)することと、複数のネットワークノードのうちの1つから、1つまたは複数のブランクサブキャリアに実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、無線ジャミングが存在するものと判定した場合に、判定された無線ジャミングを軽減する1つまたは複数のアクションを開始することと、を含む方法が提供される。
【0023】
一態様によれば、無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素において、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを取得することと、前記時間-周波数リソースグリッド上の無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行によって、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得することと、無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データを出力することと、を少なくとも装置に実行させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0024】
一態様によれば、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素において、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、前記ブランキングパターン情報を利用して1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするように、無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、複数のネットワークノードのうちの1つから、1つまたは複数のブランクサブキャリアに実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、無線ジャミングが存在するものと判定した場合に、判定された無線ジャミングを軽減する1つまたは複数のアクションを開始することと、を少なくとも装置に実行させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0025】
システムは、当初請求項1~6のいずれか1項に記載の複数の装置と、当初請求項7~12のいずれか1項に記載の少なくとも1つの装置と、を備える。
[当初請求項1]
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えた装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素に、
前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を含む動作を実行させるように構成された、装置。
[当初請求項2]
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記出力された干渉測定データに基づいて、無線ジャミングの存在の検知を実行することを含む動作をさらに実行させるように構成された、当初請求項1に記載の装置。
[当初請求項3]
前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記第1のネットワーク要素と前記第2のネットワーク要素との間で通信するための複数の無線シンボル中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示す、当初請求項1または2に記載の装置。
[当初請求項4]
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記制御ネットワーク要素から、前記疑似ランダムアルゴリズム情報を更新するための更新メッセージを受信することを含む動作をさらに実行させるように構成された、当初請求項1に記載の装置。
[当初請求項5]
前記第1のネットワーク要素が、ネットワークノードを含み、前記第2のネットワーク要素が、ユーザ機器を含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のネットワーク要素に、前記取得されたブランクサブキャリアインデックスデータに基づいて、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の伝送をブランキングするように前記ユーザ機器をスケジューリングすることを含む動作をさらに実行させるように構成された、当初請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
[当初請求項6]
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、当初請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
[当初請求項7]
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えた装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素に、
時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするために前記ブランキングパターン情報を利用するように、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのある(1つの)ネットワークノードから、1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を含む動作を実行させるように構成された、装置。
[当初請求項8]
前記複数のネットワークノードのうちの前記あるネットワークノードから受信された前記干渉情報が、前記ネットワークノードが前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉を検知したか否かを示す、当初請求項7に記載の装置。
[当初請求項9]
前記ネットワークノードが干渉を検知したか否かを示すことが、少なくとも1つのユーザ機器から前記ネットワークノードにより受信された前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データに基づく、当初請求項8に記載の装置。
[当初請求項10]
前記干渉情報が、前記複数のネットワークノードのうちの前記ネットワークノードと、前記複数のネットワークノードのうちの前記ネットワークノードによってサービスされるユーザ機器と、のうち少なくとも1つにより取得された干渉測定データを含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記制御ネットワーク要素に、前記干渉測定データに基づいて無線ジャミングの存在を検知することを含む動作をさらに実行させるように構成された、当初請求項7に記載の装置。
[当初請求項11]
前記1つまたは複数のブランクサブキャリアが、1つまたは複数のブランク物理リソースブロックを示す、当初請求項7~10のいずれか1項に記載の装置。
[当初請求項12]
前記ブランキングパターン情報が、疑似ランダムアルゴリズムを含む、当初請求項7~11のいずれか1項に記載の装置。
[当初請求項13]
無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素のための方法であって、
前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を含む、方法。
[当初請求項14]
無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素のための方法であって、
時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするために前記ブランキングパターン情報を利用するように、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのあるネットワークノードから、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を含む、方法。
[当初請求項15]
無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素において、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素から疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することと、
前記受信された疑似ランダムアルゴリズム情報に基づいて、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを決定することであり、前記ブランクサブキャリアインデックスデータが、前記無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される、決定することと、
前記時間-周波数リソースグリッド上の前記無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始することと、
前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するために、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行を引き起こすことと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを出力することと、
無線ジャミングの存在を検知するための前記干渉測定データを前記制御ネットワーク要素に送信することと、
を少なくとも装置に実行させるためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
[当初請求項16]
無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素において、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定することと、
前記1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするために前記ブランキングパターン情報を利用するように、、前記無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成することと、
前記複数のネットワークノードのうちのあるネットワークノードから、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上で実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信することと、
前記受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定することと、
無線ジャミングが存在するものと判定された場合に、前記判定された無線ジャミングを軽減するための1つまたは複数のアクションを開始することと、
を少なくとも装置に実行させるためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【0026】
以下、添付の図面を参照して、いくつかの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】実施形態が適用され得る無線通信システムの一例を示した図である。
図1B】実施形態が適用され得る無線通信システムの一例を示した図である。
図2】一実施形態に係るフロー図である。
図3】一実施形態に係るフロー図である。
図4A】一実施形態に係るサブキャリアブランキングパターンを示した図である。
図4B】いくつかの実施形態に係るブランキングパターンを示した図である。
図4C】例示的な一実施形態に係る疑似ランダムアルゴリズムを示した図である。
図5】一実施形態を示した図である。
図6A】一実施形態を示した図である。
図6B】一実施形態を示した図である。
図7A】一実施形態を示した図である。
図7B】一実施形態を示した図である。
図7C】一実施形態を示した図である。
図8】一実施形態に係る装置を示した図である。
図9】一実施形態に係る装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の実施形態は、例である。本明細書の複数の場所において「ある」実施形態、「一」実施形態、または「いくつかの」実施形態に言及する可能性があるが、これは必ずしも、同じ実施形態に言及することを意味するものでもなければ、当該特徴が単一の実施形態にしか当てはまらないことを意味するものでもない。また、異なる実施形態それぞれの単一の特徴の組み合わせによって、他の実施形態を提供するようにしてもよい。さらに、単語「備える(comprising)」および「含む(including)」は、上記実施形態が記載の特徴のみで構成されるようには制限しないものとして理解されるべきであり、また、このような実施形態は、具体的に記載されていない特徴/構造を含んでいてもよい。
【0029】
以下、実施形態が適用され得るアクセスアーキテクチャの一例として、ロングタームエボリューションアドバンスト(LTEアドバンスト(LTE-A))または新無線(NR(5G))に基づく無線アクセスアーキテクチャを用いることにより、異なる例示的な実施形態を説明するが、これらの実施形態は、このようなアーキテクチャに限定されるものではない。当業者であれば、パラメータおよび手順の適当な調整によって、好適な手段を有する他種の通信ネットワークにも実施形態が適用され得ることが認識されよう。好適なシステムに対する他のオプションのいくつかの例として、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)無線アクセスネットワーク(UTRANまたはE-UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE(E-UTRAと同じ))、無線ローカルエリアネットワーク(WLANまたはWiFi)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMAX)、Bluetooth(登録商標)、個人向け通信サービス(PCS)、ZigBee(登録商標)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA(登録商標))、超広帯域(UWB)技術を用いたシステム、センサネットワーク、モバイルアドホックネットワーク(MANET)、およびインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)、またはこれらの任意の組み合わせがある。
【0030】
図1Aは、簡素化されたシステムアーキテクチャの例であって、すべてが論理ユニットである一部の要素および機能エンティティのみを示しているが、その実施態様は、図示のものと異なっていてもよい。図1Aに示す接続は、論理的接続であり、実際の物理的接続は異なっていてもよい。当業者には、図1Aに示す以外の他の機能および構造もシステムが通常は含むことが明らかである。
【0031】
ただし、実施形態は一例として与えるシステムに限定されず、当業者であれば、必要な特性が付与された他の通信システムにも当該解決手段を適用可能である。
【0032】
図1Aの例は、例示的な無線アクセスネットワークの一部を示している。図1Aは、アクセスノード((e/g)NodeB等)104が与えるセル中の1つまたは複数の通信チャネル上で無線接続されるように構成された端末装置またはユーザ装置100および102を示している。(e/g)NodeBは、3GPP仕様に規定の通り、eNodeBまたはgNodeBを表す。ユーザ装置から(e/g)NodeBへの物理的リンクがアップリンクまたは逆方向リンクと呼ばれ、(e/g)NodeBからユーザ装置への物理的リンクがダウンリンクまたは順方向リンクと呼ばれる。当然のことながら、(e/g)NodeBまたはそれぞれの機能は、このような使用に適した任意のノード、ホスト、サーバ、またはアクセスポイント等のエンティティの使用により実装されていてもよい。
【0033】
通信システムは通常、2つ以上の(e/g)NodeBを備えており、この場合、(e/g)NodeBは、この目的で設計されたリンク(有線または無線)を介して相互に通信するように構成されていてもよい。これらのリンクは、シグナリング目的のみならず、ある(e/g)NodeBから別の(e/g)NodeBへのデータのルーティングに用いられるようになっていてもよい。(e/g)NodeBは、結合された通信システムの無線リソースを制御するように構成されたコンピュータ装置である。また、NodeBは、基地局、アクセスポイント、アクセスノード、または無線環境で動作可能な中継局を含むその他任意の種類のインターフェース装置とも称し得る。(e/g)NodeBは、送受信機を具備するか、または、送受信機に結合されている。(e/g)NodeBの送受信機から、ユーザ装置への双方向無線リンクを確立するアンテナユニットへの接続が提供されている。アンテナユニットは、複数のアンテナまたはアンテナ素子を含んでいてもよい。(e/g)NodeBは、コアネットワーク110(CNまたは次世代コアNGC)にさらに接続されている。システムに応じて、CN側の対応装置としては、サービングゲートウェイ(S-GW(ユーザデータパケットのルーティングおよび転送を行う))、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)が可能であり、外部のパケットデータネットワークまたはモバイル管理エンティティ(MME)等に対するユーザ装置(UE)の接続を可能にする。
【0034】
ユーザ装置(UE、ユーザ機器、ユーザ端末、端末装置等とも称する)は、エアインターフェース上のリソースが割り当てられ、配分される一種の装置を示しており、ユーザ装置について本明細書に記載の如何なる特徴も、中継ノード等の対応する装置について実装可能である。このような中継ノードの一例は、基地局に向かうレイヤ3リレー(自己バックホールリレー)である。
【0035】
ユーザ装置は通常、加入者識別モジュール(SIM)の有無に関わらず動作する無線移動体通信装置を含む携帯型コンピュータ装置を表し、移動局(移動式電話)、スマートフォン、個人用デジタル補助装置(PDA)、ハンドセット、無線モデムを用いた装置(警報または測定装置等)、ラップトップおよび/もしくはタッチスクリーンコンピュータ、タブレット、ゲームコンソール、ノートブック、ならびにマルチメディア装置が挙げられるが、これらに限定されない。当然のことながら、ユーザ装置は、ほぼアップリンクのみの装置であってもよく、その一例として、画像またはビデオクリップをネットワークにロードするカメラまたはビデオカメラがある。また、ユーザ装置は、人間同士の相互作用も人間-コンピュータ間の相互作用も要さずに物体がネットワークを介してデータを転送可能なシナリオであるインターネットオブシングス(IoT)ネットワークにおいて動作可能な装置であってもよい。また、ユーザ装置は、クラウドを利用してもよい。いくつかの用途において、ユーザ装置としては、無線部分を備えた小型の携帯装置(腕時計、イヤホン、または眼鏡等)が挙げられ、演算はクラウドで実行される。ユーザ装置(または、いくつかの実施形態においてはレイヤ3中継ノード)は、ユーザ機器機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成されている。また、ユーザ装置は、名称または装置を少し挙げるだけでも、加入者ユニット、移動局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、またはユーザ機器(UE)と呼ばれるものであってもよい。
【0036】
本明細書に記載のさまざまな技術は、サイバーフィジカルシステム(CPS)(物理エンティティを制御する演算要素を連携するシステム)にも適用可能である。CPSは、異なる場所で物理的対象に埋め込まれた大量の相互接続ICT装置(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラ等)の実装および利用を可能にし得る。モバイルサイバーフィジカルシステムでは、当該フィジカルシステムが固有のモビリティを有するが、これはサイバーフィジカルシステムの下位分類である。モバイルフィジカルシステムの例としては、人間または動物により移送されるモバイルロボティクスおよびエレクトロニクスが挙げられる。
【0037】
また、上記装置は、単一のエンティティとして示しているが、異なるユニット、プロセッサ、および/またはメモリユニット(図1Aにはすべてを示していない)が実装されていてもよい。
【0038】
5Gによれば、多入力多出力(MIMO)アンテナ、LTE(いわゆるスモールセルの概念)よりも多くの基地局またはノードの使用が可能であって、より小さな基地局と協働して動作するとともに、サービスのニーズ、使用事例、および/または利用可能なスペクトルに応じて多様な無線技術を採用するマクロサイトが挙げられる。5G移動体通信は、ビデオストリーミング、拡張現実、さまざまなデータ共有方法、およびさまざまな形態のマシンタイプアプリケーション(車両安全性、さまざまなセンサ、およびリアルタイム制御を含む(大規模)マシンタイプ通信(mMTC)等)といった広範な使用事例および関連用途をサポートする。5Gは、複数の無線インターフェースすなわち6GHz未満、センチ波、およびミリ波を有することが予想され、また、LTE等の既存のレガシー無線アクセス技術と統合可能である。LTEとの統合は、少なくとも初期段階にはシステムとして実現可能であり、LTEによりマクロカバレッジが提供されるとともに、LTEへの集約によって、スモールセルにより5G無線インターフェースアクセスがもたらされる。言い換えると、5Gは、RAT間実施可能性(LTE-5G等)およびRI間実施可能性(6GHz未満-センチ波、6GHz未満-センチ波-ミリ波等の無線インターフェース間実施可能性)の両者をサポートするように計画されている。5Gネットワークにおける使用が考えられる概念の1つとして、ネットワークスライシングが挙げられ、同じインフラ内での複数の独立した専用仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)の生成によって、レイテンシ、信頼性、スループット、およびモビリティに関する要件が異なるサービスを動作させることができる。
【0039】
LTEネットワークにおける現行のアーキテクチャは、無線中に十分に分散するとともに、通常は、コアネットワークにおいて十分に集中している。5Gにおける低レイテンシのアプリケーションおよびサービスでは、コンテンツを無線に近づける必要があり、ローカルブレイクアウトおよびマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)となる。5Gでは、データ源での解析および知識創出が可能となる。この手法では、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、およびセンサ等、ネットワークに継続して接続され得ないリソースを利用する必要がある。MECは、アプリケーションおよびサービスのホスティング用の分散コンピュータ環境を提供する。また、セルラー加入者に近接してコンテンツを格納し、処理することにより、応答時間を高速化可能である。エッジコンピューティングは、無線センサネットワーク、モバイルデータ取得、モバイルシグネチャ解析、ローカルクラウド/フォグコンピューティングおよびグリッド/メッシュコンピューティングとしても分類可能な協調分散ピアツーピアアドホックネットワーキングおよび処理、デューコンピューティング、モバイルエッジコンピューティング、クラウドレット、分散データ格納および読み出し、自律自己修復ネットワーク、リモートクラウドサービス、拡張および仮想現実、データキャッシング、インターネットオブシングス(大規模接続および/またはレイテンシクリティカル)、クリティカル通信(自動運転車、交通安全、リアルタイム解析、時間クリティカルな制御、ヘルスケア用途)等の広範な技術を網羅する。
【0040】
また、通信システムは、公衆交換電話網またはインターネット112等の他のネットワークとの通信も可能であるし、これらが提供するサービスの利用も可能である。また、通信ネットワークは、クラウドサービスの使用をサポート可能であってもよい(たとえば、コアネットワーク動作の少なくとも一部がクラウドサービスとして実行されるようになっていてもよい(これを図1Aにおいて「クラウド」114により示す))。また、通信システムは、たとえばスペクトル共有に関して異なる事業者のネットワークが協調する設備を提供する中央制御エンティティ等を備えていてもよい。
【0041】
エッジクラウドは、ネットワーク機能仮想化(NVF)およびソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)の利用によって、無線アクセスネットワーク(RAN)に組み込まれるようになっていてもよい。エッジクラウドの使用は、無線部分を含むリモート無線ヘッドまたは基地局に対して動作可能に結合されたサーバ、ホスト、またはノードにおけるアクセスノード動作の少なくとも一部の実行を意味し得る。また、複数のサーバ、ノード、またはホスト間でノードの動作を分散させることも可能である。クラウドRANアーキテクチャの適用によって、RANリアルタイム機能をRAN側(分散ユニットDU104)で実行可能であり、非リアルタイム機能を中央(中央ユニットCU108)で実行可能である。
【0042】
また、コアネットワーク動作と基地局動作との間の機能の分散は、LTEと異なっていてもよいし、あるいは、存在していなくてもよいことが了解されるものとする。潜在的に用いられる他の技術進歩としては、ビッグデータおよびオールIPがあり、ネットワークの構成および管理の方法を変更可能である。5G(または、新無線(NR))ネットワークは、複数の階層をサポートするように設計されており、MECサーバをコアと基地局またはNodeB(gNB)との間に配置可能である。当然のことながら、MECは、4Gネットワークにおいても同様に適用可能である。
【0043】
また、5Gでは、衛星通信の利用により、たとえばバックホールの提供によって、5Gサービスのカバレッジを増強または補完するようにしてもよい。考え得る使用事例としては、マシンツーマシン(M2M)もしくはインターネットオブシングス(IoT)装置または車両乗員に対するサービス継続性の提供、あるいは、クリティカル通信ならびに将来の鉄道、海上、および/もしくは航空通信のためのサービス可用性の保証がある。衛星通信では、静止地球軌道(GEO)衛星システムを利用するようにしてもよいが、低地球軌道(LEO)衛星システム、特に、メガコンステレーション(数百もの(ナノ)衛星が配備されるシステム)を利用することも可能である。メガコンステレーションの各衛星106は、地上のセルを生成する複数の衛星対応ネットワークエンティティを網羅していてもよい。地上のセルは、地上の中継ノード104を通じて生成されるようになっていてもよいし、地上または衛星に位置付けられたgNBにより生成されるようになっていてもよい。
【0044】
当業者には、図示のシステムが無線アクセスシステムの一部の一例に過ぎず、実際には、システムが複数の(e/g)NodeBを備えていてもよく、ユーザ装置が複数の無線セルにアクセス可能であってもよく、また、システムが物理レイヤ中継ノードまたは他のネットワーク要素等の他の装置を備えていてもよいことが明らかである。(e/g)NodeBのうちの少なくとも1つがホーム(e/g)NodeBであってもよい。また、無線通信システムの地理的エリアにおいては、複数の異なる種類の無線セルのほか、複数の無線セルが設けられていてもよい。無線セルは、直径が通例、最大数十キロメートルの大型セルであるマクロセル(または、アンブレラセル)であってもよいし、マイクロセル、フェムトセル、またはピコセル等の小型セルであってもよい。図1Aの(e/g)NodeBは、このような如何なる種類のセルを提供していてもよい。セルラー無線システムが複数種類のセルを含む多層ネットワークとして実装されていてもよい。通常、多層ネットワークにおいては、1つのアクセスノードが1種類の1つまたは複数のセルを提供するため、このようなネットワーク構造の提供には、複数の(e/g)NodeBが必要となる。
【0045】
通信システムの配置および性能の改善の要求を満たすため、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBの概念を導入済みである。通常、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBを使用可能なネットワークとしては、ホーム(e/g)NodeB(H(e/g)NodeB)のほか、ホームNodeBゲートウェイすなわちHNB-GW(図1Aには示さず)が挙げられる。HNBゲートウェイ(HNB-GW)は、通常は事業者のネットワーク内に設置されているが、多くのHNBからコアネットワークに戻るトラフィックを集約していてもよい。
【0046】
悪意ある装置による無線ジャミングは、図1Aを参照して上述したシステム等の通信システムの性能を脅かし得るセキュリティ攻撃の一種である。詳細に、無線ジャマーは、必ずしも情報の送信を伴わずに干渉を意図的に放出する悪意ある装置である。このような行為の目的は、サービス妨害(DoS)攻撃の実行と考えられる。いくつかの狭帯域または広帯域で送電するだけの基本的な装置から、チャネルが非アクティブの間は動作せず、チャネル上の伝送の検知に応答して送信を開始し得るより高度な反応性の装置まで、さまざまな種類の無線ジャマーが存在する。このような反応性の無線ジャマーは、規格化パケットすなわち当該無線帯域またはチャネル上で用いられる規格に準拠したパケットのフォーマットの無線ジャミング信号を送信することすら可能である。無線ジャマーは、2G~5Gのセルラー帯域、WiFi、Bluetooth、およびさまざまな衛星測位規格(たとえば、全地球測位システム(GPS)、全地球航法衛星システム(Glonass))等のさまざまな無線帯域に対して利用可能であってもよい。
【0047】
無線ジャミングは元来、ほとんどの国で違法であり、周囲のわずかな装置の性能を制限するのみであったため、従来の顧客サービス提供会社(CSP)によるLTEまでは、移動体通信システムに対するかなり限定的な脅威としか考えられていなかったが、たとえばファクトリオートメーションまたはV2X(Vehicular-to-everything)通信用に5Gが配置される場合には、無線ジャマーが垂直市場において、はるかに大きな悪影響を及ぼし得る。ファクトリオートメーションにおいては、プラントまたは工場のホール内で悪意ある装置が起動する可能性はないとしても、プラントの外側に配置された無線ジャマーがアクティブとなって、プラントの内側のいくつかの適法装置の送信を妨害しようとすることが考えられる。産業上の使用事例の信頼性および可用性の要件は、かなり高いと考えられるため、ごく普通レベルのジャミングが使用される場合には、十分なサービス品質を提供できないことについてのシステムの感度も高くなる可能性がある。工場の所有者は、このような攻撃が最終的に生産中断を成し遂げた場合には、莫大な経済的損失を被りかねない。このように閉じたシステムの例を図1Bに示すが、これは、図1Aを参照して説明したのと類似または同一のシステムであってもよい。
【0048】
図1Bを参照して、ネットワークノード104、182と連通したCU108を示す。ネットワークノード182は、詳細に上述したノード104に類似していてもよい。たとえば、CU/DU分割が用いられるようになっていてもよいし、CUおよびDUが同じ物理装置および/または論理装置中に位置付けられていてもよい。たとえば、CU/DU分割が用いられる場合は、CU-DU間通信がF1インターフェースを介して実現されるようになっていてもよい。また、簡単に上述した通り、マスター-スレーブ原理において、ノード104、182の一方がCU108の役割を実現することにより、当該システムまたはネットワークにおいて、CUの役割を有するノードが他のノード(たとえば、DU)のマスターとなる代替的なアーキテクチャを使用することも可能である。このような場合、異なるネットワーク要素間の通信は、Xnインターフェースを介して実現されるようになっていてもよい。
【0049】
CU108がノード104、182を制御するようにしてもよいし、ノード104、182が地理的に制限されたエリア51内でサービスを提供するようにしてもよい。このようなエリアは、たとえばプラントまたは工場のエリアであってもよい。図1Bの例においては、無線セル184のエリアにおけるネットワークノード104によって、サービスがUE100、102に提供される。この点では、2つのUEおよび2つのノードのみを示しているが、たとえばシステムの実施態様および必要なサービスレベルに応じて、前記装置が3つ以上存在していてもよいことが強調される。さらに、UE100とノード182との間およびUE100、102間の点線は、考え得る付加的または代替的な通信リンク(たとえば、マルチコネクティビティのシナリオまたはセルの変更)を示していてもよい。
【0050】
図1Bに示すように、無線ジャマー190は、制限エリア51の外側で無線ジャミング信号194を送信する。無線ジャミング信号194は、通信システムの性能の悪化を引き起こす可能性がある。たとえば、提供されるサービスレベルが低下する可能性もあるし、サービス全体が停止する可能性もある。一実施形態によれば、無線ジャマー190は、反応性の無線ジャマー190である。
【0051】
なお、この点において、無線ジャミングは、たとえばシステムの他の装置が引き起こす一般的な干渉とは異なると考えられる。たとえば、適法装置(たとえば、APまたはDU等のUEまたはネットワークノード)は、タイミング、電力、および/またはスケジューリング等の標準規則に準拠した干渉を生成可能である。ただし、無線ジャマーは、システムを意図的に攻撃する悪意ある装置であり、その行為は、極めて危険となり得る。スマートなジャミング攻撃なら、わずかなジャミング行為であっても、ネットワークが停止に追い込まれる可能性がある。無線ジャミングの目的が、検知および軽減が困難となるように無線ジャミングを実行することと考えられる点には理解が必要である。したがって、無線ジャマーは、タイミング、電力、および/またはスケジューリングの如何なる標準規則にも従わない可能性がある。このため、無線ジャマーがもたらす問題の抑制を対象とした解決手段の提供が必要と考えられる。特に、このような解決手段は、プライベートセルラーネットワーク(たとえば、プライベート5Gネットワーク)に有益と考えられるものの、同じ解決手段がさまざまな種類の無線通信ネットワークおよびシステムに適用可能であってもよい。したがって、無線ジャミングの存在検知のために無線通信ネットワークにおいて利用可能な無線ジャミング検知ソリューションを提案する。
【0052】
一実施形態において、図1Aおよび図1Bを参照して説明した無線ネットワークは、セルラーネットワークである。セルラーネットワークは、プライベートセルラーネットワークであってもよく、当該プライベートセルラーネットワークの複数のネットワーク要素間で同じブランクサブキャリアインデックスデータが共有される。提案の解決手段は、一組のJ個のネットワークノードがK個のUE装置と通信し、CUがこれらすべてのネットワークノードの動作を調整するプライベート5Gネットワークのシナリオに特に好適と考えられる。たとえば、この解決手段は、垂直プレーヤがその工場プラントおよび/または生産拠点において、それ自体のプライベート5Gネットワークの展開を決定する任意のインダストリ4.0シナリオに適用されるようになっていてもよい。
【0053】
図2は、一実施形態に係るフロー図である。図2を参照するに、無線通信ネットワークの第1のネットワーク要素における方法であって、時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを取得すること(ブロック202)と、前記時間-周波数リソースグリッド上の無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始すること(ブロック204)と、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行によって、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得すること(ブロック206)と、無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データを出力すること(ブロック208)と、を含む、方法が提供される。
【0054】
図3は、一実施形態に係るフロー図である。図3を参照するに、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素における方法であって、時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定すること(ブロック302)と、前記ブランキングパターン情報を利用して1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするように、無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成すること(ブロック304)と、複数のネットワークノードのうちの1つから、1つまたは複数のブランクサブキャリアに実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信すること(ブロック306)と、受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定すること(ブロック308)と、無線ジャミングが存在するものと判定した場合に、判定された無線ジャミングを軽減する1つまたは複数のアクションを開始すること(ブロック310)と、を含む方法が提供される。
【0055】
したがって、たとえば、提案の解決手段は、場合により検知される無線ジャミングの軽減に的を絞ったアクションの開始に利用されるようになっていてもよい。たとえば、このような軽減アクションとしては、以下の方法のうちの1つまたは複数が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。
直接スペクトル拡散(信号の拡散および逆拡散による)
周波数ホッピングスペクトル拡散(システム帯域上でのキャリアのホッピングによる)
ビームフォーミング(適正方向のビームステアリングのためのアンテナでの重み適用による)
電力制御(送信電力の増大による)
リンク適応(より堅牢なQAMコンステレーションサイズおよびコード化方式の使用による)
警報出力(各機関への警報等)
【0056】
記載の方法は、たとえば図1Aおよび図1Bのシステムにおいて適用可能であってもよい。図2に関して論じた第1のネットワーク要素は、たとえばネットワークノード104、UE100、もしくはUE102、またはその他何らかの類似するネットワーク装置であってもよい。同様に、第2のネットワーク要素は、ネットワークノード104、UE100、またはUE102を表していてもよい。たとえば、第1のネットワーク要素がネットワークノード104である場合、第2のネットワーク要素は、UE100またはUE102であってもよい。たとえば、第1のネットワーク要素がUE100またはUE102である場合、第2のネットワーク要素は、ネットワークノード104であってもよい。図2および図3に関して論じた制御ネットワーク要素は、たとえばCU108または無線通信ネットワークの類似の制御ユニットを表していてもよい。ステップ304において複数のネットワークノードを構成することは、たとえばCU108によってネットワークノード104、182を構成することを表していてもよい。複数のネットワークノードは、2つ以上のネットワークノードを含んでいてもよい。たとえば、複数のネットワークノードは、CU108が制御するすべてのネットワークノードを表していてもよい。また、システムが2つ以上のCUを備えることも可能である。このような場合は、CUが制御するすべてのネットワークノードにおいて、同じサブキャリアがブランキングされ得るように、異なるCU間で通信をさらに調整することも可能である。
【0057】
一実施形態において、第1のネットワーク要素は、UE100またはUE102である。
【0058】
一実施形態において、第1のネットワーク要素は、ネットワークノード104である。
【0059】
一実施形態において、制御ネットワーク要素は、CU108である。
【0060】
時間-周波数リソースグリッドは、たとえば本明細書で一例として使用するOFDMシンボル等の1つまたは複数の無線シンボルを表していてもよい。ただし、提案の解決手段は、無線シンボルに基づくシステム(たとえば、OFDM変調を利用するシステム)のみならず、他種のシステムにも適用可能であってもよい。このため、無線シンボルまたはOFDMシンボルと同様に記載のさまざまな例および実施形態は、異なる種類の時間-周波数リソース割り当てを利用するシステムに適用可能であってもよい。したがって、たとえば、1つまたは複数のブランクサブキャリアは、OFDMシンボル等の無線シンボルのブランクサブキャリアであってもよい。
【0061】
一実施形態によれば、ブランクサブキャリアインデックスデータ(たとえば、ブロック202において取得)は、無線通信ネットワークの制御ネットワーク要素(たとえば、CU108)により決定された疑似ランダムアルゴリズム情報を利用して生成される。これについては、以下により詳しく論じる。
【0062】
一実施形態によれば、ブランキングパターン情報は、疑似ランダムアルゴリズムを含むか、または、疑似ランダムアルゴリズムを表す。そこで、ブロック302は、疑似ランダムアルゴリズムを決定することを含んでいてもよく、ブロック304は、サブキャリアのブランキングに前記疑似ランダムアルゴリズムを利用するようにネットワークノードを構成することを含んでいてもよい。あるいは、ブランキングパターン情報は、たとえばブランキンの必要があるサブキャリアを直接示していてもよい。これらは、たとえば疑似ランダムパターンに従うようになっていてもよい。
【0063】
ジャミング攻撃の検知は、適法状態(たとえば、セルラー干渉またはフェージング)から、性能低下の原因となる悪意ある挙動を識別することを含むため、困難と考えられる。したがって、特定数のサブキャリアのブランキングする提案の解決手段は、無線ジャミング行為を検知しようとする際に有益となり得る。ここで図4Aを参照して、一例を考える。上記システムの装置は、直交周波数分割多重(OFDM)変調を使用し、OFDMシンボルがN個のサブキャリアを含むものと仮定する。なお、このシステムは、OFDM変調およびOFDMシンボルとは異なる変調および異なる無線シンボルを利用するようにしてもよい。ただし、簡素化を理由として、本明細書全体ではOFDMシンボルを一例として使用する。提供の例および実施形態は、たとえば無線シンボルに基づかないシステムおよび/またはOFDMシンボルとは異なる何らかの種類の無線シンボルを利用するシステムに適用可能であってもよい。一実施形態によれば、本明細書において論じる無線シンボルは、OFDMシンボルを表す。
【0064】
図4Aに示すように、OFDMシンボルの1つまたは複数のサブキャリアがブランキングされている(すなわち、ブランクサブキャリア402、404を白色背景で示す一方、非ブランクサブキャリア406をパターンで塗りつぶす)。非ブランクサブキャリア406は、システムにおいてユーザプレーンおよび/または制御プレーンデータの伝送に用いられるデータサブキャリアを表していてもよい。この例に示す通り、OFDMシンボル当たり1~3つのサブキャリアがブランキングされている。これらの数字は例示であり、実施態様に応じて異なっていてもよい。たとえば、特定のOFDMシンボルにおいてはサブキャリアをブランキングしないことも可能であるし、特定のOFDMシンボルにおいては4つ以上のサブキャリアをブランキングすることも可能である。ブランクサブキャリアは、伝送に用いられないサブキャリアを表していてもよい。すなわち、これらのサブキャリアをブランキングするように構成された異なるネットワーク要素がデータ伝送に前記サブキャリアを使用できない意味において、ブランクサブキャリアは空である。したがって、ネットワーク要素では、これらのブランクサブキャリア上の伝送がなく、検知/測定された電力が干渉または無線ジャミングに由来するものと仮定し得る。
【0065】
無線ジャマーは、各OFDMシンボルにおいてブランキングされたサブキャリアを検知可能であるが、各OFDMシンボルのブランクサブキャリアを決定するのに疑似ランダムアルゴリズムが用いられるため、後続のOFDMシンボルにおいてブランキングされるサブキャリアを前もって予測することはできない。したがって、前記ブランクサブキャリア上で送信可能であることから、本明細書に記載の方法の使用によって、当該ブランクサブキャリア上の無線ジャミング信号を検知可能である。このため、無線ジャマーが反応性であっても、(たとえば、信号帯域全体で)送信を開始する場合には、当該ブランクサブキャリア上でも送信を行うことになる。生成された干渉を受信機により観測可能であるため、無線ジャマーを検知可能となる。この検知には、熱雑音からの無線ジャミング信号の識別をさらに含んでいてもよい。このため、制御ネットワーク要素は、前記ブランクサブキャリア上で送信がなされないよう、疑似ランダムブランキングパターンを利用するようにすべての送信機を構成するようにしてもよい。制御ネットワーク要素は、すべての事例および実施態様において必ずしも、すべての送信機を制御するわけではなく、当該ブランクサブキャリア上に適法の干渉が存在し得る点には理解が必要である。ただし、たとえば、制御ネットワーク要素は、すべての既知の送信機および/または無線ジャミングの検知目的に十分と考えられる特定の制限エリア(たとえば、エリア51)中の送信機を制御するようにしてもよい。
【0066】
干渉測定および干渉測定データは、たとえばこのような測定が標準的な電力または信号強度の測定である一方、ブランクサブキャリア上で実行される意味において、広く了解されるものとする。そこで、これら干渉測定の目的は、無線ジャミングの検知および測定であってもよく、したがって、これらの測定を無線ジャミング測定として理解することも可能である。この背景において、干渉測定値の一例としては、たとえばネットワークノード104、182またはUE100、102により測定可能な干渉電力値(IPV)が挙げられる。
【0067】
図4Aを参照して論じた例示的な実施形態に記載の通り、サブキャリアのブランキングには、疑似ランダムブランキングパターンが用いられるようになっていてもよい。ランダムと疑似ランダムとの違いは、当業者には理解されるが、簡単に言うなら、疑似ランダムパターンは、予想通りにランダム出力を得るプロセス(たとえば、アルゴリズム等のコンピュータプロセス)により制御されたランダムパターンである。たとえば、2つの異なるネットワークノードに(たとえば、疑似ランダム生成器およびシードを含む)同じ疑似ランダムアルゴリズムが与えられた場合、両ノードは、与えられたアルゴリズムに基づいて、同じ疑似ランダムブランキングパターンを演算するようにしてもよい。あるランダムアルゴリズムにより、両ネットワークノードは、異なるブランキングパターンとなる可能性が最も高いため、ブランキング済みとなるべきサブキャリア上では、適法の伝送が行われることになる。そこで、疑似ランダムアルゴリズムによって、疑似ランダムブランキングパターンが求められるようになっていてもよい。ブロック202に記載の通り、第1のネットワーク要素によって、ブランクサブキャリアインデックスデータが取得されるようになっていてもよい。この取得には、制御エレメントまたは第2のネットワーク要素からブランキングパターンを受信することを含んでいてもよいし、第1のネットワーク要素がブランキングパターンを演算または決定することによりブランクサブキャリアインデックスデータを取得する際の基礎となる疑似ランダムアルゴリズム情報を受信することを含んでいてもよい。ブランクサブキャリアインデックスデータは、1つまたは複数のOFDMシンボルにおいてブランキングするサブキャリアを示していてもよい。
【0068】
一実施形態によれば、疑似ランダムアルゴリズム情報は、疑似ランダム生成器およびシードを含む。
【0069】
図4Bに示すいくつかの実施形態において示す通り、サブキャリアのブランキングには異なる方法が考えられる。これら異なるブランキング方法は、異なるブランキングパターンとして理解可能である。上述の通り、疑似ランダムブランキングパターン410(または単に、ブランキングパターン)は、ブランクサブキャリアインデックスデータにより示されるようになっていてもよく、また、疑似ランダムアルゴリズムにより求められるようになっていてもよい。したがって、異なる疑似ランダムアルゴリズム(たとえば、異なる生成器および/またはシード)により、ブランキングパターンが変化する可能性もあるし、異なるものになる可能性もある。
【0070】
一実施形態において、1つまたは複数のブランクサブキャリアは、1つまたは複数のブランク物理リソースブロック(PRB)430を含む。これは、1つまたは複数のブランクサブキャリアが1つまたは複数のブランクPRB(blanked PRB)を示すことを意味し得る。このため、本実施形態において、ブランキングは、1つまたは複数のPRBがブランキングされるように実行されるようになっていてもよい。たとえばLTEおよびNRのいくつかのシステムにおいては、ダウンリンク/アップリンク送信に用いられる最小の時間-周波数リソースユニットをリソースエレメント(RE)と称する場合がある。1つのREが1つのOFDM/シングルキャリア周波数分割多重アクセス方式(SC-FDMA)シンボル上の1つのサブキャリアであってもよい。そこで、本願における使用の通り、1つまたは複数のブランクサブキャリアは、1つもしくは複数のREならびに1つもしくは複数のPRBのブランキングを含む。1つのPRBが複数のREを含んでいてもよいためである。たとえば、NRにおいては、PRBが12個のサブキャリアを含んでいてもよい。
【0071】
たとえば、各無線シンボル(たとえば、OFDMシンボル)において、固定数のPRB432がブランキングされるようになっていてもよいし、非固定数のPRB434がブランキングされるようになっていてもよい。固定数は、たとえば各無線シンボルにおいて1つのPRBがブランキングされることを意味する一方、非固定数は、各無線シンボルにおいてブランキングされるPRBの数が異なっていてもよいことを意味し得る。非固定数は、乱数であってもよいし、疑似乱数であってもよい。
【0072】
一実施形態において、1つまたは複数のブランクサブキャリア420は、複数の無線シンボルにおけるブランクサブキャリアを含む(たとえば、図4A参照)。
【0073】
一実施形態において、無線シンボルにおける1つまたは複数のブランクサブキャリアの数は、複数の無線シンボルそれぞれにおいて同一(すなわち、固定)422である。
【0074】
一実施形態において、無線シンボルにおける1つまたは複数のブランクサブキャリアの数は、複数の無線シンボルそれぞれにおいてランダムまたは疑似ランダム424である。これは、たとえばブランクサブキャリアが1つのOFDMシンボルの後に、ブランクサブキャリアが3つのOFDMシンボルが存在していてもよいことを意味し得る。
【0075】
図4Cは、例示的な一実施形態に係る疑似ランダム生成器を示している。図4Cを参照して、各OFDMシンボルでブランキングされた一連のサブキャリアを生成するのに、疑似ランダム生成器が用いられるようになっていてもよい。単純な一例が図示のM系列(MLS)生成器により与えられ、長さLのシフトレジスタの使用によって、2L-1個のビットから成る疑似ランダム系列snを生成可能であり。たとえば、図4Cにおいては、Lに4が選択される。なお、MLSを用いることにより、系列snは、初期系列x0、x1、・・・、xL-1によって一意に規定される。図4Cは、疑似ランダムブランキングパターンの生成方法を説明するための一例として与えている。ただし、当技術分野において知られるその他何らかの種類の疑似ランダムアルゴリズムが用いられるようになっていてもよい。
【0076】
ここで、一実施形態を示す図5を見る。図5を参照するに、ブロック502において、第1のネットワーク要素(たとえば、ネットワークノードまたはUE)は、1つまたは複数のブランクサブキャリア上で測定データを取得するようにしてもよい。たとえば、第1のネットワーク要素は、干渉測定の実行によって前記データを取得するようにしてもよいし、たとえば測定を実行済みの第2のネットワーク要素から前記データを受信するようにしてもよい。測定データには、たとえば電力測定データ(たとえば、IPV)を含んでいてもよい。そこで、測定には、たとえば受信信号電力の測定を含んでいてもよい。i番目のブランクサブキャリア上で測定した電力は、Piで示されるようになっていてもよく、iは、ブランクサブキャリアインデックスを示す。そこで、たとえば3つのブランクサブキャリアが存在する場合は、iの値が1、2、および3となる。
【0077】
ブロック504においては、特定数のブランクサブキャリアに関する平均電力Pが演算されるようになっていてもよい。このステップは、第1のネットワーク要素、第2のネットワーク要素、または制御ネットワーク要素により実行されるようになっていてもよい(たとえば、図6A図7C参照)。前記特定数は、Mで示されるようになっていてもよい。パラメータMは、たとえばシステムにより選択されるようになっていてもよい。なお、M個より多いサブキャリアがブランキングされるようになっていてもよいが、平均電力は依然、M個のサブキャリアに基づいて計算されるようになっていてもよい。
【0078】
一実施形態によれば、無線ジャミングの存在の判定には、特定の無線シンボルのすべてのブランクサブキャリア上の干渉測定データが用いられる。そこで、たとえば、特定の無線シンボルにおいて3つのサブキャリアがブランキングされ、Mが少なくとも3である場合は、無線ジャミングの存在の判定に際して、すべてのブランクサブキャリアに関する測定が考慮に入れられる。特定の無線シンボルのすべてのブランクサブキャリアが一度に考慮され、ブランキングが無駄に実行されることのないように、Mを選択するのが有益と考えられる。たとえば、次の無線シンボルにおいて3つのサブキャリアがブランキングされる場合は、これらのブランクサブキャリア上の測定データも考慮に入れるため、Mは6に等しくする必要がある。Mの数字が大きくなると、別の無線シンボルの受信も必要となり得ることから、平均電力の決定を実行するのに要する時間も長くなる。そこで、一般的に、一実施形態によれば、無線シンボルのすべてのブランクサブキャリアが一度に考慮される。より詳細には、平均電力の決定に、前記すべてのサブキャリア上の干渉測定データが用いられる。ただし、上述の通り、無線シンボルのすべてのサブキャリアを一度に考慮可能であっても、すべてのブランクサブキャリアが決定に使用されることを意味するものではない。これらは、複数の無線シンボル上に拡散し得るためである。また、考慮する無線シンボルの数を増やすと、決定のレイテンシが増大する可能性がある。したがって、大きなMを選択すると、無線決定の精度が向上するものの、その一方でレイテンシが増大する可能性もある。
【0079】
ブロック506において、平均電力Pが閾値を超えた場合は、無線ジャミングが存在するものと判定され、プロセスがブロック508へと継続し得る。そうならない場合は、プロセスがブロック510へと継続し得る(すなわち、無線ジャミングは検知されない)。ブロック506は、たとえば第1のネットワーク要素または制御ネットワーク要素により実行されるようになっていてもよい。これらのさまざまなオプションについては、図6A図7Cに関して論じる。
【0080】
また、ブロック512においては、無線ジャミングが検知された場合に、対ジャミング技術(たとえば、上述)が適用されるようになっていてもよい。対ジャミングは、たとえば制御ネットワーク要素において開始されるようになっていてもよい。
【0081】
そして、より詳細には、サブキャリアがブランキングされ、あるサブキャリアの干渉が測定された後、統計的仮説検定(statistical hypothesis testing)に係る2つの異なる可能性が存在していてもよい。
仮説0:無線ジャミングが存在せず、熱雑音のみ存在する可能性がある(その電力P(W)は既知と仮定し得る)。たとえば、熱雑音は、他のサブキャリア(すなわち、ブランキングされていないサブキャリア)上で測定されるようになっていてもよい。雑音がランダム過程であることから、無線ジャミングのない単一のサブキャリア上で測定される電力は、P(W)と異なっていてもよいことに留意する。ただし、熱雑音の演算は、(たとえば、第1のネットワーク要素、第2のネットワーク要素、または制御ネットワーク要素で)依然として実行されるようになっていてもよい。
仮説1:無線ジャミングは存在しない。
【0082】
そして、M個のブランクサブキャリア上の平均電力Pは、ブロック504において以下のように演算されるようになっていてもよい。
【数1】
【0083】
ここで、ブロック506においては、平均電力がβP(W)と比較されるようになっていてもよく、βは、目標誤警報および誤検知確率により決まるパラメータであってもよい。誤警報は、無線ジャミングが検知されたものの、アクティブな無線ジャマーが存在しなかった状況を示し得る。誤検知は、無線ジャミングが検知されないものの、アクティブな無線ジャマーが存在したイベントを表し得る。そこで、P≧βP(W)の場合は、無線ジャミングが存在するものと判定されるようになっていてもよく、プロセスがブロック508へと継続し得る。この場合は、前述の閾値がβP(W)(すなわち、熱雑音電力推定値にパラメータβを乗じたもの)であってもよい。
【0084】
検知の理論は、パラメータβの使用と通じているため、本明細書では詳しく論じない。βを演算する方法として、雑音が実質的に白色ガウスであることを仮定するが、この場合は、以下の式を導出するようにしてもよい。
【数2】
ここで
【数3】
は、2M自由度のカイ二乗ランダム変数の累積分布関数(CDF)であり、PFAは、目標誤警報確率を示す。目標誤警報確率は、ネットワーク構成の所定のパラメータであってもよいし、たとえば制御ネットワーク要素またはネットワークノードが決定するパラメータであってもよい。なお、雑音が白色ガウスでない場合は、推定を増強するため、付加的なパラメータが用いられるようになっていてもよい。
【0085】
なお、Mは、トレードオフを提供可能なパラメータである。
Mの値が大きければ、無線ジャマーが存在する場合、非常に正確にこれを検知可能となる。ただし、非常に多くのブランクサブキャリアが平均電力の演算に用いられることから、レイテンシが生じる可能性もある。
Mの値が小さければ、無線ジャマーが存在する場合、あまり正確にこれを検知できなくなる。ただし、非常に高速に示唆可能となる。言い換えると、検知は、Mの値が小さくなるほど高速になり、Mの値が大きくなるほど低速になり得る。
【0086】
一実施形態において、上記決定には、2つの異なるMの値を利用する。このため、ブロック504において、平均電力は、2つの異なるMの値に対して演算されるようになっていてもよく、ブロック506の比較は、2つの異なるMの値を用いて求められた平均電力値に対して実行されるようになっていてもよい。そこで、たとえば、図5に示すアルゴリズムは、2つの異なるMの値(たとえば、M1およびM2(M1<M2))と並列に適用されるようになっていてもよい。たとえば、M=M2の場合は、ネットワークがより思い切った対ジャミングアクションを適用するようにしてもよい。たとえば、
M=M1の場合、ブロック512は、たとえば電力制御、共同送信および/または受信等のジャミング干渉軽減技術を実装することを含んでいてもよい。
M=M2の場合、ブロック512は、たとえば各機関に通知することを含んでいてもよい。
【0087】
一実施形態において、ブロック504においては、第1の数(M1)のブランクサブキャリアに対して第1の平均電力が演算され、第2の数(M2)のブランクサブキャリアに対して第2の平均電力が演算される。上述の通り、M1<M2である。
【0088】
一実施形態において、第1の平均電力が閾値を超えた場合は、第1の組のアクションがトリガされる。第2の平均電力が閾値を超えた場合は、第2の組のアクションがトリガされるようになっていてもよいが、第1および第2の組のアクションは異なる。これらのアクション各組は、たとえばブロック512と同様に実行されるようになっていてもよい。たとえば、上述の通り、これらは、無線ジャミングの影響の軽減に的を絞った異なるアクションであってもよい。第1の平均電力(すなわち、より高速に決定された電力)に基づいて軽減アクションを開始する一方、より正確な第2の平均電力によって、これらの軽減アクションを検証するのが有益と考えられる。すなわち、第2の平均電力の値が閾値を超えない場合は、たとえば第1の組のアクションがキャンセルされるようになっていてもよい。
【0089】
一実施形態において、第1の平均電力が閾値を超えた場合は、(たとえば、ブロック512と同様に)第1の組のアクションがトリガされる。第1の平均電力が閾値を超えたと判断した後、第2の平均電力が閾値を超えたか否かを判定する。第2の平均電力が閾値を超えた場合は、第1の組のアクションを継続し、それ以外の場合は、第1の組のアクションをキャンセルする。これらのアクションは、たとえば制御ネットワーク要素により実行されるようになっていてもよい。このため、原理上、第1および第2の両平均電力の値が閾値を超えた場合は、無線ジャミングが検知されるようになっていてもよい(ブロック508)。ただし、これにより、初期検知が第1の平均電力に基づいて実行され、検証が第2の平均電力に基づいて実行される。
【0090】
一実施形態によれば、プロセスは、無線ジャミング信号の方向および/または無線ジャマー(たとえば、無線ジャマー190)の場所を決定することをさらに含む。これを図5の任意選択ブロック514で示す。プロセスは、ブロック514から終了まで継続し得るか、または、無線ジャマーの場所または方向を各機関または他の人員に示すこと等、対ジャミング技術を適用することへと継続し得る。プロセスは、たとえばブロック508からブロック514へと進むようになっていてもよい。また、ブロック514および/または512は、任意選択であってもよい。ブロック514は、たとえば第1のネットワーク要素または制御ネットワーク要素により実行されるようになっていてもよい。そこで、(たとえば、ジャマーを除去可能な保安人員および/または機関にとって)ジャマーの場所をより識別可能となるため、Z個の複数のアンテナが利用可能な場合は、到来方向推定にブランクサブキャリアが用いられるようになっていてもよい。Zは、正の整数(たとえば、1、2、3,・・・)であってもよい。これは、利用可能な各ブランクOFDMリソースエレメント(blanked OFDM resource element)上の多くの観測結果を総計することによって、寸法Z×Zの経験的空間サンプル共分散を演算することにより実現されるようになっていてもよい。たとえば、プライベートネットワークの場合、これらのブランクリソース(blanked resources)は非アクティブであってもよく、調整によって、隣接ネットワークが低い電力レベルまたは無視できるほどの電力レベルを有するようにしてもよい。このようにして、これらの干渉測定サンプルに含まれる主要な電力は、無線ジャマーに由来すると考えられる。その後、到来方向推定技術(たとえば、最強ビーム、回転不変性技術による信号パラメータの推定(ESPRIT)、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)等)を使用可能である。たとえば複数のネットワークノードの複数のアンテナが用いられる場合は、無線ジャマーの位置特定に三角測量法が用いられるようになっていてもよい。
【0091】
ここで、いくつかの実施形態に係る信号ダイアグラムを示す図6A図7Cを参照して、いくつかの実施形態を論じる。各図は、制御ネットワーク要素610(たとえば、図2および図3を参照して上述した制御ネットワーク要素(たとえば、CU108)に類似していてもよい)、ネットワークノード620(たとえば、ネットワークノード104または182)、およびUE630(たとえば、UE100またはUE102)を示している。
【0092】
ブロック642において、制御ネットワーク要素610は、疑似ランダムアルゴリズムを決定するようにしてもよい。
【0093】
ブロック644において、制御ネットワーク要素610は、疑似ランダムアルゴリズムをネットワークノード620に送信するようにしてもよい。
【0094】
上述の通り、疑似ランダムアルゴリズムは、疑似ランダム生成器およびシードを含む疑似ランダムアルゴリズム、より正確には、疑似ランダムアルゴリズム情報を表していてもよい。ブロック644において送信された疑似ランダムアルゴリズムに基づいて、ネットワークノード620は、ブロック646において、ブランクサブキャリアインデックスデータを決定するようにしてもよい。ブランクサブキャリアインデックスデータは、1つまたは複数の無線シンボル中の1つまたは複数のブランクサブキャリア(すなわち、ブランキングパターン)を示している。この情報に基づいて、ネットワークノード620は、ダウンリンク(DL)送信を実行するようにしてもよいし(図7A図7C参照)、干渉を測定可能なブランクサブキャリアが存在するように、アップリンク(UL)送信をUE630に構成するようにしてもよい(図6Aおよび図6B参照)。
【0095】
ブランクサブキャリア上で適法装置(たとえば、ネットワークノードまたはUE)が送信する任意の信号の数をゼロまたは少なくとも最小限に抑えるのが有益である。したがって、OFDMシンボルごとに、すべての送信機が同じ組のサブキャリアをブランキングするのが有益である。これを実現するには、以下のルールを満たすのが有益と考えられる。
ネットワークノードは、使用される疑似ランダム生成器を前もって(すなわち、UL/DL送信に先立って)把握している。
疑似ランダム系列のシードは、バックホールネットワーク上で共有されている(たとえば、生成器と一体的または別個のF1またはXnインターフェース(ブロック644参照))。たとえば、MLSの例(すなわち、図4C)において、シードは、Lビットの初期系列x0、x1、・・・、xL-1により表される。
ネットワークノードは、時間的に整合しているため、すべてのネットワークノード上で同じ瞬間ひいてはOFDMシンボルに同じブランキングが発生する確率を保証または少なくとも改善する一定レベルの同期を有する。
【0096】
また、使用するアルゴリズムが疑似ランダムであってもよいことから、無線ジャマーは理論的に、伝送を傍受し、シードを学習して、次のOFDMシンボル中のブランクサブキャリアを予測しようとする可能性がある。これらの攻撃を回避するため、十分に長いシードの利用がさらに提案される。たとえば、図4Cを参照して、L=32ビットの場合にのみ、長さ232-1≒109ビットの疑似ランダム系列を生成可能である。ただし、提案の解決手段は、より短い疑似ランダム系列でも同様に機能するが、長さの増大により、無線ジャマーの検知に対する堅牢性がはるかに高くなるように、さらに改善され得る。
【0097】
別の有益な方法では、制御ネットワーク要素610によって、疑似ランダムアルゴリズムを更新するようにしてもよい。たとえば、このように更新したアルゴリズム情報は、制御ネットワーク要素610からネットワークノード620に送信されるようになっていてもよい。更新メッセージは、シード(すなわち、異なるシード)および/または生成器(すなわち、異なる生成器の使用)を更新するようにしてもよい。たとえば、更新情報を含む更新メッセージを受信したエンティティは、その更新メッセージに基づいて、内部メモリに格納された情報を更新するようにしてもよい。このため、たとえば特定のシードが格納され、ネットワークノード620が利用可能な場合、更新メッセージは、新たなシードを含んでいてもよいし、新たなシードを示していてもよい。この更新メッセージに基づいて、たとえば新たなシードによる過去のシードの上書きにより、シードが新たなシードへと更新されるようになっていてもよい。生成器の更新に同様の方法を使用することも可能である。このような更新は、本解決手段の堅牢性をさらに増強するとともに、使用する疑似ランダムブランキングパターンに対する攻撃者の適応をはるかに困難なものとし得る。なお、アルゴリズム情報が変化した場合は、当業者に周知のように、異なるブランキングパターンを生成するようにしてもよい。
【0098】
一実施形態において、更新メッセージは、要素610からノード620へと規則的に送信される。規則性は、一定の時間間隔(たとえば、T秒またはT分ごと)を意味し得る。
【0099】
一実施形態において、更新メッセージは、シードのみを更新する。したがって、この単純な実施形態においては、生成器が一定であってもよい。
【0100】
たとえば、シードおよび疑似ランダム生成器を(たとえば、規則的に)更新するため、制御ネットワーク要素610は、ネットワークノード620で利用可能な一組の疑似ランダム生成器から新たな疑似ランダム生成器を選択し、当該疑似ランダム生成器を(たとえば、一組の生成器がインデックス化されている場合は、Sビットによって)ノード620に示すようにしてもよい。制御ネットワーク要素610はさらに、新たなシードを演算して、ネットワークノード620と共有するようにしてもよい。この情報は、1つまたは複数のメッセージにおいて、制御ネットワーク要素610からネットワークノード620に送信されるようになっていてもよい(たとえば、ブロック644参照)。一例において、制御ネットワーク要素610は、T秒またはT分ごとに、S+Lビット(すなわち、一組の生成器間の疑似ランダム生成器インデックスおよび当該生成器の新たなシード)をネットワークノード620と共有するようにしてもよい。たとえば、これは、NR Xnインターフェースを介して行われるようになっていてもよい。
【0101】
更新メッセージ(たとえば、T秒またはT分ごとのS+Lビット)は、制御ネットワーク要素610からネットワークノード620まで、規格化信号または適当な信号により搬送されるようになっていてもよい。システムにおいて機能性DU-CU分割が使用され、指定のネットワークノードが5G DUである場合は、CUからDUまでF1インターフェースを介して、シグナリングが進むようになっていてもよい。上述の通り、本発明がマスター-スレーブアーキテクチャにてジャミング検知機能を動作させる場合、シグナリングは、Xnインターフェースを使用するようにしてもよい。なお、信号ダイアグラムの図6A図7Cにおいては、ネットワークノード620を1つだけ示しているが、上述の通り、同じ情報が複数のネットワークノードに共有されるようになっていてもよい。
【0102】
一実施形態において、制御ネットワーク要素610は、ブランクサブキャリアインデックスデータを演算するように構成されている(すなわち、ブロック646)。例示的な本実施形態において、制御ネットワーク要素610は、ブランクサブキャリアインデックスデータをネットワークノード620(および場合によっては、他のネットワークノード)に送信するようにしてもよい。たとえば、このように、ネットワークノード620自体はブランクサブキャリアインデックスデータを演算する必要がないため、疑似ランダムアルゴリズムは制御ネットワーク要素610だけが把握しておくようにしてもよいし、少なくともネットワークノードと共有されなくてもよい。本例において(図4Cの例示的な生成器によれば)、ブランキングパターンの更新には、T秒またはT分ごとに2L-1ビットを共有することが必要となり得る。Lの値が大きい場合は、データ量がLとともに指数関数的に増大することから、ブランキングパターンを制御ネットワーク要素610で演算するとともに前記ブランクサブキャリアインデックスデータを送信する代わりに、疑似ランダムアルゴリズム情報を示すのが有益と考えられる。
【0103】
ここで、図6Aおよび図6Bのいくつかの実施形態に注目する。ブランクサブキャリアインデックスデータに基づいて、ネットワークノード620は、ブランクサブキャリアインデックスデータが示す1つまたは複数のブランクサブキャリア上の伝送をブランキングするように、UE630(または、複数のUE)をスケジューリングするようにしてもよい(ブロック648)。なお、このブロック648におけるスケジューリングは、規則的なスケジューリングであってもよいが、ブランクサブキャリアをUE630に示す方法においてのことである。たとえば、これらは、明示的に示すことも可能であるし、暗示的に示すことも可能である。たとえば、明示的な示唆においては、各ブランクサブキャリアをインデックスとともに示すことも可能である。暗示的な示唆においては、ブランクサブキャリアが与える側のリソースの一部とならないように、無線リソースを与えることも可能である。
【0104】
そこで、ブロック650において、UE630は、ブランクサブキャリアが実際にブランキングされるように(すなわち、UE630が送信に利用しないように)、スケジューリングされた無線リソース上で送信を実行するようにしてもよい。
【0105】
ブロック652において、ネットワークノード620は、ブランクサブキャリア上で干渉測定を実行するようにしてもよい。そこで、この測定は、ブロック650の送信のタイミングに行われるようになっていてもよい。また、雑音の決定のため、使用するサブキャリア(すなわち、非ブランクサブキャリア)に対しても、干渉を測定可能である。
【0106】
図6Aの一実施形態によれば、ブロック652の干渉測定に基づいて、ネットワークノード620は、干渉測定データを無線ジャミング判定ユニットに出力する。ブロック654において、ネットワークノード620の無線ジャミング判定ユニットは、無線ジャミングの存在を判定する。これは、無線ジャミング検知とも称し得る。
【0107】
一実施形態によれば、無線ジャミングが検知された場合(または、無線ジャミングの検知に応答して)、ネットワークノード620は、無線ジャミング指定メッセージ(indication message)を制御ネットワーク要素610に送信する(ブロック656)。これにより、制御ネットワーク要素610は、無線ジャミングを認識可能であるため、場合により、(たとえば、図5と同様に)軽減アクションを開始するようにしてもよい。無線ジャミングが検知されない場合、指定メッセージは必ずしも送信されない。ただし、無線ジャミングが検知されない場合にも指定メッセージを送信するのが有益と考えられる。このような場合、制御ネットワーク要素610は、無線ジャミングが検知されていないこと、または少なくとも、インジケータが無線ジャミングを検知していないことを認識可能となる。ただし、無線ジャミングの存在を判定するユニットに対して、2つ以上の情報源(たとえば、複数のUEおよび/または複数のネットワークノード)が存在していてもよい。
【0108】
図6Bの一実施形態によれば、干渉測定に基づいて、ネットワークノード620は、図6Aの実施形態と同様に、干渉測定データを取得するようにしてもよい。ただし、本例において、干渉測定データは、ブロック662において、制御ネットワーク要素610に送信されるようになっていてもよい。そこで、ブロック664において、制御ネットワーク要素610は、無線ジャミング判定/検知を実行するようにしてもよい。これは、ネットワークノード620によって、ブロック654と同様に実行されるようになっていてもよい。ただし、制御ネットワーク要素610は、複数のネットワークノードから測定データを取得するようにしてもよく、このため、上記判定は、複数のネットワークノードから受信されるとともに、場合によっては複数の送信に関する干渉測定データに基づいていてもよい。これは、はるかに正確な無線ジャミング判定を意味し得る。また、図6Aの例においては、一部のネットワークノードが無線ジャミングを示し、他の一部が示していなくてもよいことが指摘される。このような場合、最終的な決定は、制御ネットワーク要素610により実行されるようになっていてもよい。たとえば、大多数または少なくとも1つのネットワークノードが無線ジャミングを示す場合、制御ネットワーク要素610は、無線ジャミングが実際に存在するものと判定して、必要なアクションを実行するようにしてもよい。図6Bの例においても同様に、類似の推論が実行されるようになっていてもよい。
【0109】
ここで、図7A図7Cに関して、DL送信シナリオに関連するいくつかの実施形態を論じる。図7A図7Cを参照するに、ブロック702において、ネットワーク620は、ブランクサブキャリアインデックスデータをUE630(または、複数のUE)に示すようにしてもよい。この指定は、たとえば構成メッセージまたはシグナリングの形態で実行されるようになっていてもよい。これは、ブランクサブキャリアを使わないようにUEがスケジューリングされる可能性があるため、サブキャリアインデックスデータを必ずしもUEに示す必要がない図6Aおよび図6Bの例とは異なり得る。ただし、本例においては、ネットワークノード620がブロック704においてUE630へのDL送信を実行していることから、UE630は、ブランクサブキャリアの認識(すなわち、ブロック702の指定)によって、ブランクサブキャリア上で干渉測定を実行するようにしてもよい(ブロック706)。ブランクサブキャリアインデックスデータは、ブランキングされたサブキャリアのインデックスを含んでいてもよい。また、すべてのサブキャリア上で干渉を測定することも可能であるし、少なくともブランクサブキャリア以外のサブキャリアでも測定可能である。このように、たとえば雑音レベルに関する情報を取得可能であってもよい。
【0110】
ここで、UE630による実行済み干渉測定の利用には、少なくとも3つの異なる方法が考えられる。一実施形態によれば、図7Aを参照して、UE630は、ブロック706の干渉測定によって取得された干渉測定データに基づいて、無線ジャミング判定を実行する(ブロック708)。
【0111】
ブロック710においては、無線ジャミング指定メッセージがUE630からネットワークノード620に送信されるようになっていてもよい。ブロック712においては、無線ジャミング指定メッセージ(ブロック710と同一または同様のメッセージ)がネットワークノード620から制御ネットワーク要素610に送信されるようになっていてもよい。無線ジャミング指定メッセージは、上述のものと類似していてもよい。すなわち、ブロック708の判定に基づいて、無線ジャミングの存在を示す。ただし、上記説明の通り、無線ジャミングがない場合は、メッセージが必ずしも送信されない。同様に、検知に応じて必要なアクションが行われるようになっていてもよい。
【0112】
一実施形態によれば、図7Bおよび図7Cを参照して、干渉測定データは、UE630からネットワークノード620に送信されるようになっていてもよい(図7Bおよび図7Cのブロック722)。このため、干渉の判定は、ネットワークノード620で実行されるようになっていてもよいし(図7Bのブロック724)、制御ネットワーク要素610で実行されるようになっていてもよい(図7Cのブロック734)。
【0113】
ブロック724に基づいて、無線ジャミング指定メッセージは、ネットワークノード620から制御ネットワーク要素610に送信されるようになっていてもよい(図7Bのブロック726)。ブロック724における判定は、たとえば複数のUEから受信された干渉測定データに基づいていてもよい。
【0114】
図7Cの例において、ネットワークノード620は、UE630から制御ネットワーク要素610に干渉測定データを中継するようにしてもよい(図7Cのブロック732)。このため、ブロック734の無線ジャミング判定は、たとえば複数のUEからそれぞれが干渉測定データを受信済みの複数のネットワークノードからの干渉測定データに基づいていてもよい。
【0115】
そして、無線ジャミング判定は、各UE、各ネットワークノード、および/またはネットワークノードを調整する制御ネットワーク要素で実行されるようになっていてもよい。制御ネットワーク要素により実行される無線ジャミング判定(ブロック664、734)は、ネットワークノードにより実行される判定(ブロック654、724)によりもはるかに正確で、後者は、単一のUEにより実行される検知(ブロック708)よりもはるかに正確となり得る。制御ネットワーク要素が複数のネットワークノードからデータを受信するとともに、各ネットワークノードが複数のUEからデータを受信するようにしてもよいためである。また、異なる検知方法を組み合わせることも可能となり得る。すなわち、いくつかの実施形態においては、UE、ネットワークノード、および/または制御ネットワーク要素において、無線ジャミング判定が実行されるようになっていてもよい。一方、DL送信の場合は、UEがブランクサブキャリア上でIPVを測定するため、判定をUE側で容易に実施可能である一方、アップリンク送信の場合は、ネットワークノードがIPVを測定するため、判定をネットワークノード側で容易に実施可能であることが直ぐに明らかとなる。
【0116】
一実施形態において、干渉測定データは、測定された1つまたは複数のIPVを含む。
【0117】
一実施形態において、無線ジャミング指定メッセージ(ブロック656、710、712、および/または726)は、無線ジャミングの存在いずれかの状態を示す。たとえば、指定メッセージは、1ビットメッセージであってもよい。たとえば、UE630は、1ビットメッセージによって、無線ジャミングを検知したか否かを示すようにしてもよい。
【0118】
この点では、たとえば図3を参照して論じた干渉情報が明示的な干渉の指定(たとえば、無線ジャミング指定メッセージ)または干渉測定データを含んでいてもよいことが指摘される。前記干渉情報に両者を含むことも可能と考えられる。前記干渉情報に基づいて、制御ネットワーク要素は、無線ジャミングの存在を判定するようにしてもよい。
【0119】
図8および図9は、少なくとも1つのプロセッサ等の制御回路(CTRL)810、910と、コンピュータプログラムコード(ソフトウェア)832、932を含む少なくとも1つのメモリ830、930と、を備えた装置800、900を示しており、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコード(ソフトウェア)832、932は、少なくとも1つのプロセッサを用いて図1図7Cの実施形態のいずれか1つまたはその動作を各装置800、900に実行させるように構成されている。
【0120】
図8および図9を参照して、メモリ830、930は、半導体に基づくメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスおよびシステム、光メモリデバイスおよびシステム、固定メモリ、ならびに取り外し可能なメモリ等、任意好適なデータ記憶技術を用いて実装されていてもよい。メモリ830、930は、データを格納するためのデータベース834、934を含んでいてもよい。たとえば、疑似ランダムアルゴリズム情報がデータベースに格納されるようになっていてもよい。
【0121】
装置800、900は、1つまたは複数の通信プロトコルに係る通信接続を実現するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む無線インターフェース(TRX)820、920をさらに備えていてもよい。TRXは、たとえば装置が無線アクセスネットワークにアクセスする通信能力を与えるものであってもよい。TRXは、増幅器、フィルタ、周波数変換器、変復調器、および符号化器/復号化器回路、ならびに1つもしくは複数のアンテナ等、標準的な周知の構成要素を備えていてもよい。TRXは、たとえばF1および/もしくはXnインターフェースへのアクセスならびに/またはUL/DL通信能力を与えていてもよい。
【0122】
装置800、900は、たとえば少なくとも1つのキーパッド、マイク、タッチディスプレイ、ディスプレイ、スピーカ等を含むユーザインターフェース840、940を備えていてもよい。ユーザインターフェース840、940は、装置800、900のユーザによる各装置の制御に用いられるようになっていてもよい。
【0123】
一実施形態において、装置800は、ネットワーク要素(たとえば、上述の方法を実行する第1のネットワーク要素(たとえば、図2参照))であってもよいし、ネットワーク要素に備えられていてもよい。たとえば、装置800は、ネットワークノード182、104またはUE100もしくはUE102であってもよいし、ネットワークノード182、104またはUE100もしくはUE102に備えられていてもよい。一実施形態によれば、装置は、ネットワークノード620であるか、または、ネットワークノード620に備えられている。
【0124】
一実施形態において、装置900は、制御ネットワーク要素(たとえば、上述の方法を実行する制御ネットワーク要素(たとえば、図3参照))であってもよいし、制御ネットワーク要素に備えられていてもよい。たとえば、装置900は、制御ネットワーク要素610またはCU108であってもよいし、制御ネットワーク要素610またはCU108に備えられていてもよい。
【0125】
一実施形態によれば、図8を参照して、制御回路810は、少なくとも時間-周波数リソースグリッド中の1つまたは複数のブランクサブキャリアを示すブランクサブキャリアインデックスデータを取得するように構成されたデータ取得回路812と、少なくとも前記時間-周波数リソースグリッド上の無線通信ネットワークの第2のネットワーク要素からの伝送の受信を開始するように構成された受信回路814と、少なくとも前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定の実行によって、前記1つまたは複数のブランクサブキャリア上の干渉測定データを取得するように構成された測定回路816と、少なくとも無線ジャミングの存在検知するための干渉測定データを出力するように構成された出力回路818と、を備える。
【0126】
一実施形態によれば、出力回路818は、干渉測定データを装置800の無線ジャミング判定ユニット819に出力する。無線ジャミング判定ユニット819は、前記データに基づいて、無線ジャミングの存在の判定を実行するようにしてもよい。この代替または追加として、出力回路818は、前記データを制御ネットワーク要素(たとえば、CU108)または装置900に出力するようにしてもよく、無線ジャミング判定/検知は、制御ネットワーク要素において(たとえば、回路918により)実行される。
【0127】
一実施形態によれば、図9を参照して、制御回路910は、少なくとも時間-周波数リソースグリッドの1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするためのブランキングパターン情報を決定するように構成された決定回路912と、少なくとも前記ブランキングパターン情報を利用して1つまたは複数のサブキャリアをブランキングするように、無線通信ネットワークの複数のネットワークノードを構成するように構成された構成回路914と、少なくとも複数のネットワークノードのうちの1つから、1つまたは複数のブランクサブキャリアに実行された1つまたは複数の測定に基づいて取得された干渉情報を受信するように構成された受信回路916と、少なくとも受信された干渉情報に基づいて、無線ジャミングの存在を判定するように構成された無線ジャミング判定回路918と、少なくとも無線ジャミングが存在するものと判定した場合に、判定された無線ジャミングを軽減する1つまたは複数のアクションを開始するように構成されたアクション回路919と、を備える。
【0128】
一実施形態において、装置800、900の機能の少なくとも一部は、1つの動作エンティティを構成する2つの物理的に別個の装置間で共有されるようになっていてもよい。したがって、装置800、900は、上記プロセスの少なくとも一部を実行するための1つまたは複数の物理的に別個の装置を備えた動作エンティティを表すものであってもよい。したがって、このような共有アーキテクチャを利用する装置800、900は、たとえば基地局またはネットワークノード104中に位置付けられた伝送ポイント(TRP)等のリモート無線ヘッド(RRH)に対して(たとえば、無線または有線ネットワークを介して)動作可能に結合されたホストコンピュータまたはサーバコンピュータ等のリモート制御ユニット(RCU)を備えていてもよい。一実施形態において、上記プロセスの少なくとも一部は、RCUにより実行されるようになっていてもよい。一実施形態において、上記プロセスの少なくとも一部の実行は、RRHおよびRCU間で共有されるようになっていてもよい。たとえば、CU/DU分割がこのような共有アーキテクチャを利用するようにしてもよい。
【0129】
一実施形態において、RCUは、RRHと通信するための仮想ネットワークを生成するようにしてもよい。一般的に、仮想ネットワーク化には、単一のソフトウェアに基づく管理エンティティである仮想ネットワークとして、ハードウェアおよびソフトウェアネットワークリソースならびにネットワーク機能を組み合わせるプロセスを伴っていてもよい。ネットワーク仮想化には、リソース仮想化と組み合わされることが多いプラットフォーム仮想化を伴っていてもよい。ネットワーク仮想化は、サーバコンピュータまたはホストコンピュータ(すなわち、RCU)として多くのネットワークまたはネットワークの一部を組み合わせる外部仮想ネットワーク化として分類されていてもよい。外部ネットワーク仮想化は、最適化されたネットワーク共有を目的としている。別の分類は、内部仮想ネットワーク化であって、単一のシステム上のソフトウェアコンテナにネットワークのような機能を与える。
【0130】
一実施形態において、仮想ネットワークは、RRHとRCUとの間で動作を柔軟に分散可能であってもよい。実際には、任意のデジタル信号処理タスクがRRHまたはRCUで実行されるようになっていてもよく、RRHとRCUとの間で責任がシフトする境界は、実施態様に応じて選択されるようになっていてもよい。
【0131】
一態様によれば、複数の装置800と、1つまたは複数の装置900と、を備えたシステムが提供される。
【0132】
本願において、用語「回路(circuitry)」は、(a)アナログおよび/もしくはデジタル回路のみでの実施態様等、ハードウェアのみの回路実施態様、(b)(必要に応じて)(i)プロセッサの組み合わせもしくは(ii)協働してさまざまな機能を装置に実行させるデジタルシグナルプロセッサ、ソフトウェア、およびメモリ等のプロセッサ/ソフトウェアの一部等、回路およびソフトウェア(および/または、ファームウェア)の組み合わせ、ならびに(c)物理的には存在していないとして、動作にソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部等の回路のすべてを表す。この「回路」の定義は、本願におけるこの用語のすべての使用に当てはまる。別の例として、本願においては、用語「回路」が、単なるプロセッサ(または、複数のプロセッサ)もしくはプロセッサの一部ならびにその付随するソフトウェアおよび/もしくはファームウェアの一実施態様も網羅することになる。また、用語「回路」は、たとえば特定の要素に適用可能な場合、移動式電話用のベースバンド集積回路もしくはアプリケーションプロセッサ集積回路またはサーバ、セルラーネットワーク装置、もしくは別のネットワーク装置における類似の集積回路も網羅することになる。
【0133】
一実施形態においては、図1図7Cに関して説明したプロセスの少なくとも一部を実行するための対応する手段を備えた装置によって、上記プロセスの少なくとも一部が実行されるようになっていてもよい。プロセスを実行するためのいくつかの例示的な手段として、検知器、プロセッサ(デュアルコアおよびマルチコアプロセッサを含む)、デジタルシグナルプロセッサ、コントローラ、受信機、送信機、符号化器、復号化器、メモリ、RAM、ROM、ソフトウェア、ファームウェア、ディスプレイ、ユーザインターフェース、ディスプレイ回路、ユーザインターフェース回路、ユーザインターフェースソフトウェア、ディスプレイソフトウェア、回路、アンテナ、アンテナ回路、および回路類のうちの少なくとも1つが挙げられる。一実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、およびコンピュータプログラムコードは、図1図7Cの実施形態のいずれか1つまたはその動作に係る1つまたは複数の動作を実行するための処理手段を構成するか、または、1つまたは複数のコンピュータプログラムコード部を含む。
【0134】
さらに別の実施形態によれば、上記実施形態を実行する装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含む回路を備える。回路が起動すると、装置は、図1図7Cの実施形態のいずれか1つまたはその動作に係る機能の少なくとも一部を実行する。
【0135】
本明細書に記載の技術および方法は、さまざまな手段により実装可能である。たとえば、これらの技術は、ハードウェア(1つまたは複数のデバイス)、ファームウェア(1つまたは複数のデバイス)、ソフトウェア(1つまたは複数のモジュール)、またはこれらの組み合わせにより実装されていてもよい。ハードウェア実装の場合、実施形態の装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタルシグナル処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはこれらの組み合わせにおいて実装されていてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアの場合は、本明細書に記載の機能を実行する少なくとも1つのチップセットのモジュール(たとえば、手順、機能等)によって実装が可能である。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサにより実行されるようになっていてもよい。メモリユニットは、プロセッサ内で実装されていてもよいし、プロセッサの外部で実装されていてもよい。後者の場合は、当技術分野において既知の通り、さまざまな手段を介してプロセッサに通信結合可能である。また、本明細書に記載のシステムの構成要素は、付加的な構成要素による再構成および/または補完により、これらに関して記載した種々態様等の実現を容易化するようにしてもよく、また、当業者には当然のことながら、所与の図面に記載の厳密な構成には限定されない。
【0136】
また、記載の実施形態は、コンピュータプログラムまたはその一部により定義されたコンピュータプロセスの形態で実行されるようになっていてもよい。図1図7Cに関して説明した方法の実施形態は、対応する命令を含むコンピュータプログラムの少なくとも一部を実行することにより実現されるようになっていてもよい。コンピュータプログラムは、ソースコードの形態であってもよいし、オブジェクトコードの形態であってもよいし、その中間の形態であってもよく、ある種の担体(当該プログラムを実行可能な任意のエンティティまたは装置が可能)に格納されていてもよい。たとえば、コンピュータプログラムは、コンピュータまたはプロセッサにより読み出し可能なコンピュータプログラム配布媒体に格納されていてもよい。コンピュータプログラム媒体は、たとえば記録媒体、コンピュータメモリ、リードオンリーメモリ、電気的搬送信号、遠隔通信信号、およびソフトウェア配布パッケージ等であってもよいが、これらに限定されない。コンピュータプログラム媒体は、たとえば非一時的媒体であってもよい。図示および記載の実施形態を実行するためのソフトウェアのコーディングは、十分に当業者の範囲内である。一実施形態においては、コンピュータ可読媒体が前記コンピュータプログラムを含む。
【0137】
以上、添付の図面に係る一例を参照して本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、添付の特許請求の範囲内でさまざまに改良可能であることが明らかである。したがって、すべての単語および表現は、広く解釈されるものとし、実施形態の説明を意図したものであって、何ら実施形態を制限するものではない。当業者には、技術の進歩につれて、本発明に係る概念をさまざまに実装可能であることが明らかであろう。さらに、当業者には、上記実施形態を他の実施形態とさまざまに組み合わせ可能であるが、必ずしもその必要はないことが明らかである。
【符号の説明】
【0138】
51 エリア
100 ユーザ機器(UE)
102 ユーザ機器(UE)
104 ネットワークノード
106 衛星
108 中央ユニット(CU)
110 コアネットワーク
112 公衆交換電話網またはインターネット
114 クラウド
182 ネットワークノード
184 セル
190 無線ジャマー
194 無線ジャミング信号
402 ブランクサブキャリア
404 ブランクサブキャリア
406 非ブランクサブキャリア
410 疑似ランダムブランキングパターン
420 ブランクサブキャリア
422 無線シンボルごとに固定されたブランクサブキャリア
424 無線シンボルごとに固定されていないブランクサブキャリア
430 ブランク物理リソースブロック(PRB)
432 無線シンボルごとに固定されたブランク物理リソースブロック(PRB)
434 無線シンボルごとに固定されていないブランク物理リソースブロック(PRB)
610 制御ネットワーク要素
620 ネットワークノード
630 ユーザ機器(UE)
800 装置
810 制御回路
812 データ取得回路
814 受信回路
816 測定回路
818 出力回路
819 無線ジャミング判定ユニット
820 無線インターフェース(TRX)
830 メモリ
832 コンピュータプログラムコード(ソフトウェア)
834 データベース
840 ユーザインターフェース
900 装置
910 制御回路
912 決定回路
914 構成回路
916 受信回路
918 無線ジャミング判定回路
919 アクション回路
920 無線インターフェース(TRX)
930 メモリ
932 コンピュータプログラムコード(ソフトウェア)
934 データベース
940 ユーザインターフェース
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9