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特許7082234情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20220531BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021133709
(22)【出願日】2021-08-18
【審査請求日】2022-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
(72)【発明者】
【氏名】市川 隆則
(72)【発明者】
【氏名】磯 穣
(72)【発明者】
【氏名】白井 佑
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186444(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043113(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216173(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0278553(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037311(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0281689(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0006788(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、前記応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する判定部と、
前記判定部により前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、前記問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う報知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記報知部は、
前記第1ユーザのコンテキストに関する報知を行うための報知メッセージを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知部は、
前記報知メッセージの送信後、予め定められる所定時間内に前記報知メッセージに対する前記第2ユーザのリアクションがない場合、前記第2ユーザに対してアラート情報を送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に前記応答メッセージの送信要求が受信されない場合、予め定められるエリア情報における前記第1ユーザの位置を特定し、
前記報知部は、
前記特定部により特定された位置に基づく報知メッセージを生成し、前記第2ユーザに対して送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、前記応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する判定工程と、
前記判定工程により前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、前記問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う報知工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、前記応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する判定手順と、
前記判定手順により前記第1ユーザのコンテキストと前記応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、前記問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う報知手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが閲覧中のコンテンツに種々の情報を通知する技術が提供されている。たとえば、グループチャットが開始されたときに、グループチャットに参加するメンバーに対して、所定のメッセージを送信することで、他のユーザにユーザの状況を通知する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-170234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術は、ユーザに対して適切な情報提供を行う上で改善の余地がある。たとえば、双方向にやり取りが行われるメッセージサービスにおいて、メッセージサービスの開始時にユーザの状況に関する情報を通知する場合、他のユーザは閲覧していない可能性もあり、オンデマンドな情報提供を実現できているとは言えない場合がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対して適切な情報提供を行うことができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、特定部と、判定部と、報知部とを備える。特定部は、通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する。判定部は、特定部により特定された第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する。報知部は、判定部により第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、ユーザに対して適切な情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムにより実行される情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムにより実行される情報処理の他の例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の概要を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るエリア情報記憶部に記憶されるエリア情報を概念的に示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態又は変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.情報処理システム]
(1-1.システム構成について)
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る情報処理システムの構成例を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムにより実行される情報処理の一例を示す図である。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、複数の端末装置10(端末装置10aや端末装置10bなど)と、情報処理装置100とを備える。なお、図1は、実施形態に係る情報処理システムSYSの一例を示しており、図1に示す例には限られず、図1に示す例よりも多くの端末装置10や、情報処理装置100を有していてもよい。
【0011】
各端末装置10、及び情報処理装置100は、それぞれ有線又は無線によりネットワークN(たとえば、図3参照)に接続される。各端末装置10及び情報処理装置100は、ネットワークNを通じて相互に通信できる。
【0012】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(たとえば、携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNは、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報処理装置100は、端末装置10の利用者U(たとえば、利用者Uaや利用者Ubなど)に対して、メッセージサービスを提供する。情報処理装置100が提供するメッセージサービスは、たとえば、サービス利用者が自身の通信端末に所定のアプリケーションを事前にインストールすることにより実現される。また、情報処理装置100が提供するメッセージサービスは、所定のアプリケーションとブラウジング機能を提供するウェブブラウザなど任意のアプリケーションとの協働により実現されてもよい。情報処理装置100が提供するメッセージサービスは、典型的には、メッセンジャーやチャットなどのコミュニケーションツールにより実現されるサービスであるが、双方向にコミュニケーションが可能な任意のサービスを含み得る。
【0014】
図1に示す端末装置10(端末装置10aや端末装置10bなど)は、情報処理装置100により提供されるメッセージサービスの利用者によって利用される通信端末である。端末装置10は、典型的には、スマートフォンであるが、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現されてもよい。
【0015】
たとえば、端末装置10は、利用者U(利用者Uaや利用者Ubなど)による操作を受け付けて、メッセージサービスを利用するための所定のアプリケーションを起動する。端末装置10の利用者Uは、所定のアプリケーションを通じて、他の利用者Uとの間で文字情報や画像情報などの各種情報をやり取りできる。端末装置10は、所定のアプリケーションにより提供される処理機能により、他の端末装置10から送信された各種情報を情報処理装置100から受信して表示する。なお、端末装置10は、ブラウジング機能を提供する任意のウェブブラウザなどにより、他の端末装置10から送信された各種情報を表示してもよい。端末装置10は、他の端末装置10から送信された文字情報などの各種情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
なお、以下では、端末装置10は、端末装置10を利用者Uと表記して説明する場合がある。すなわち、利用者Uを端末装置10と読み替えることができる。
【0017】
情報処理装置100は、メッセージサービスにおける各種情報の送受信に関する処理を実行する情報処理装置である。情報処理装置100は、文字情報や画像情報などの各種情報のリアルタイムなやり取りを実現する。情報処理装置100は、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0018】
また、情報処理装置100は、端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0019】
また、情報処理装置100は、たとえば、端末装置10の位置に関連したエリアを特定するためのエリア情報を記憶するデータベースを備える。なお、情報処理装置100は、地理空間情報を管理する地理情報システムから、上述のエリア情報を取得して利用してもよい。
【0020】
(1-2.情報処理装置が実行する処理について)
以下、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理の一例について説明する。なお、以下に説明する例には限られず、情報処理装置100は、任意の数の端末装置10について、以下に説明する情報処理を並列して実行できる。
【0021】
なお、以下の説明において、メッセージサービスの利用者は、情報処理装置100が各利用者U(たとえば、利用者Uaや利用者Ubなど)に対して個別に割り振る利用者ID(#1-1や#1-2など)により管理されるものとする。また、端末装置10は、メッセージサービスの利用中であるかどうかに関わらず、端末装置10の位置を示す位置情報を所定のタイミングで継続して情報処理装置100に送信するものとする。なお、図1に示す例では、端末装置10aから情報処理装置100に位置情報が送信される例を示しているが、端末装置10bからも情報処理装置100に対して位置情報が送信される。
【0022】
また、情報処理装置100が提供するメッセージサービスは、典型的には、児童(「第1ユーザ」の一例)と保護者(「第2ユーザ」の一例)などのように、監視する者と監視される者との間のコミュニケーションツールとしての利用が想定される。たとえば、以下に説明するように、情報処理装置100は、メッセージサービスの提供を通じて、児童の位置に基づく児童のコンテキストを特定することにより、児童から保護者に送信されたメッセージの内容の信ぴょう性を評価し、保護者が児童の所在を正確に把握するための情報を保護者に提供できる。
【0023】
図1に示すように、情報処理装置100は、端末装置10bからメッセージ送信要求を受信すると(ステップS11)、受信したメッセージを送信先(宛先)である端末装置10aに送信する(ステップS12)。なお、図1に示す例において、端末装置10aの利用者Uaが児童であり、端末装置10bの利用者Ubが保護者である場合などが想定される。
【0024】
端末装置10aには、ディスプレイ11a上に展開されるメッセージウィンドウWaに、端末装置10bから端末装置10aに向けて送信されたメッセージを含むメッセージ情報J-1が表示される。同様に、端末装置10bにも、ディスプレイ11b上に展開されるメッセージウィンドウWbに、端末装置10bから端末装置10aに送信されたメッセージを含むメッセージ情報J-1が表示される。
【0025】
メッセージ情報には、メッセージの送信元を示すアイコン情報が含まれる。図1に示す例において、メッセージ情報J-1には、「どこにいるの?」というメッセージと、メッセージの発信者に対応するアイコンGbとが含まれている。アイコン情報は、たとえば、メッセージサービスの利用者が任意に設定できる。情報処理装置100は、各利用者U(たとえば、利用者Uaや利用者Ubなど)が任意に設定したアイコン情報を管理する。情報処理装置100は、端末装置10から受信したメッセージを送信先ユーザに転送する際、メッセージの送信元に対応するアイコン情報をあわせて転送する。
【0026】
また、情報処理装置100は、端末装置10aからメッセージ送信要求を受信すると(ステップS13)、受信したメッセージを送信先(宛先)である端末装置10bに送信する(ステップS14)。
【0027】
端末装置10bには、ディスプレイ11b上に展開されるメッセージウィンドウWbに、端末装置10aから端末装置10bに向けて送信されたメッセージを含むメッセージ情報J-2が表示される。同様に、端末装置10aにも、ディスプレイ11a上に展開されるメッセージウィンドウWaに、端末装置10aから端末装置10bに送信されたメッセージを含むメッセージ情報J-2が表示される。
【0028】
図1に示す例において、メッセージ情報J-2には、「公園」というメッセージと、メッセージの発信者に対応するアイコンGaとが含まれている。図1に示す例において、メッセージ情報J-1およびメッセージ情報J-2は、送信された順番(時系列)で、所定の方向に並べて、メッセージウィンドウWaおよびメッセージウィンドウWbに表示される。たとえば、端末装置10aまたは端末装置10bから新たなメッセージの送信が行われた場合、メッセージ情報J-2の下に続けて表示される。
【0029】
また、メッセージウィンドウWに表示される各メッセージ情報は、利用者U(たとえば、利用者Uaや利用者Ubなど)からの操作に応じてスクロールさせて表示可能に構成される。たとえば、メッセージウィンドウWの表示領域に表示しきれないメッセージ情報Jについては、利用者Uのタッチ操作により所定の方向(たとえば、図1に向かって上下方向)にスクロールさせて表示させることができる。タッチ操作には、利用者Uがディスプレイ11に接触させた指をディスプレイ11の表示面に沿って下から上に移動させるフリック操作が含まれる。利用者Uは、フリック操作により、メッセージウィンドウWの表示を下方向にスクロールさせることができる。なお、端末装置10における表示は、最新のメッセージ情報Jが表示されるように自動で下方にスクロールされてもよい。
【0030】
また、情報処理装置100は、通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、応答メッセージの送信元である利用者Uaのコンテキストを特定する(ステップS15)。
【0031】
図1に示す例において、情報処理装置100は、端末装置10bから受信したメッセージ(「どこにいるの?」)が、端末装置10aの利用者Uaのコンテキストを問合わせるための問合せメッセージであるかどうかを判定する。情報処理装置100は、問合せメッセージであると判定すると、端末装置10aから応答メッセージを受信するまで待機する。そして、情報処理装置100は、端末装置10aから応答メッセージ(「公園」)を受信すると、予め定められるエリア情報と端末装置10aの位置情報とに基づいて、応答メッセージの送信元ユーザである端末装置10aの利用者Uaのコンテキストを特定する。
【0032】
続いて、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元である利用者Uaのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する(ステップS16)。たとえば、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元である利用者Uaのコンテキストと、応答メッセージの内容を解析した解析結果との間に内容的な矛盾があるかどうかを判定する。具体例を示せば、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元である利用者Uaの現在位置が公園ではなく、応答メッセージの内容が「公園」である場合、内容的な矛盾があり、応答メッセージの送信元である利用者Uaのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬があるという判定結果を導出する。
【0033】
そして、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬があると判定した場合、問合せメッセージの送信元ユーザに対する報知を行う(ステップS17)。
【0034】
たとえば、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信元ユーザである利用者Ubに対して、応答メッセージの送信元ユーザである利用者Uaのコンテキストに関する報知を行うための報知メッセージM-1を生成する。報知メッセージM-1には、利用者Uaのコンテキストを示すメッセージと、報知メッセージであることを利用者Ubに通知するためのアイコン情報が含まれる。図1に示す例において、報知メッセージM-1には、「公園にはいません。E町のコンビニエンスストアにいるようです。」というメッセージと、報知メッセージであることを利用者Ubに通知するためのアイコンGcとが含まれている。
【0035】
このように、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬があると判定した場合、問合せメッセージの送信元ユーザに対して、報知メッセージM-1を送信する。これにより、情報処理装置100は、通信相手の状況を正確に報知でき、サービス利用者に対して適切な情報提供を行うことができる。
【0036】
また、情報処理装置100は、報知メッセージM-1の送信後(ステップS17参照)、予め定められる所定時間内に報知メッセージM-1に対する利用者Ubのリアクションがない場合、利用者Ubに対してアラート情報を送信してもよい。報知メッセージM-1に対するリアクションには、報知メッセージM-1の閲覧や、新たなメッセージ情報の送信などの行動が含まれる。アラート情報には、所定のチャイム音やブザー音、サイン音などの音声情報が含まれる。端末装置10は、アラート情報の受信に応じて、所定のチャイム音やブザー音、サイン音などを出力する。これにより、情報処理装置100は、メッセージサービスの利用者Uに対して、通信相手の情報をできるだけ早く把握させることができる。
【0037】
また、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信後(ステップS12参照)、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求が受信されない場合、問合せメッセージの送信先である利用者Uaのコンテキストを特定する処理を実行してもよい。図2は、実施形態に係る情報処理システムにより実行される情報処理の他の例を示す図である。
【0038】
図2に示すように、情報処理装置100は、端末装置10bからメッセージ送信要求を受信すると(ステップS21)、受信したメッセージを送信先(宛先)である端末装置10aに送信する(ステップS22)。
【0039】
図2に示す例において、端末装置10bには、メッセージウィンドウWbに、端末装置10bから端末装置10aに向けて送信されたメッセージを含むメッセージ情報J-1が表示される。なお、図2に示す例において、端末装置10aには、メッセージウィンドウWaが表示されていない。すなわち、図2に示す情報処理は、端末装置10aにおいて、メッセージサービスを利用するための所定のアプリケーションが起動しているか否かに関わらず実行される。
【0040】
続いて、情報処理装置100は、端末装置10bから受信したメッセージが問合せメッセージであると判定すると、端末装置10aからの応答メッセージの受信を待つ。そして、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求が受信されない場合、予め定められるエリア情報における利用者Uaの位置を特定する(ステップS23)。
【0041】
たとえば、情報処理装置100は、利用者Uaの位置と、予め定められるエリア情報に含まれる地物との位置関係により利用者Uaの位置を特定できる。また、情報処理装置100は、予め定められる任意の時刻ごとに利用者Uaの位置を特定できる。
【0042】
そして、情報処理装置100は、特定された利用者Uaの位置に基づく報知メッセージM-2を生成し、問合せメッセージの送信元である利用者Ubに対して送信する(ステップS24)。
【0043】
情報処理装置100が生成する報知メッセージM-2には、利用者Uaのコンテキストを示すメッセージと、報知メッセージであることを利用者Ubに通知するためのアイコン情報とが含まれる。図2に示す例において、報知メッセージM-2には、「14:10分頃 学校(A町)を出ました。」、「14:40分頃 C町に入りました。」、「15:10分頃 公園(C町)を通過しました。」という所定の方向に並べられた複数のメッセージと、報知メッセージであることを利用者Ubに通知するためのアイコンGcとが含まれている。
【0044】
このように、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求がない場合、予め定められるエリア情報における利用者Uaの位置を特定する。そして、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信元である利用者Ubに対して、特定された位置に基づく報知を行う。これにより、通信相手からのメッセージが受信されない場合であっても、通信相手の所在を報知でき、サービス利用者に対して適切な情報提供を行うことができる。
【0045】
[2.情報処理装置の構成]
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【0046】
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。なお、図3は、情報処理装置100の構成例を示すものであり、図3に示す形態には限られず、図3に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0047】
(通信部110)
通信部110は、たとえば、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置10などの他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)やアンテナなどによって実現される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0048】
(記憶部120)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部120は、制御部130の各部により実行される情報処理を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。
【0049】
図3に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121、及びエリア情報記憶部122を有する。
【0050】
(利用者情報記憶部121)
利用者情報記憶部121は、メッセージサービスの利用者に関する利用者情報を記憶する。図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の概要を示す図である。利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報は、メッセージサービスに関する処理を実行する際に参照される。
【0051】
図4に示すように、利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報は、相互に対応付けられた、「利用者ID」、「設定アイコン」、及び「エリア情報」などの複数の項目で構成される。
【0052】
「利用者ID」の項目は、メッセージサービスの利用者を識別するための識別情報が記憶される。情報処理装置100は、利用者登録時に利用者に対して固有の識別情報を払い出す。たとえば、図1図2に示す利用者Uaは、メッセージサービスにおいて利用者ID:「#1-1」により識別される。
【0053】
「設定アイコン」の項目には、メッセージサービスにおいて利用されるアイコンの情報が記憶される。情報処理装置100は、メッセージサービスの利用登録時に、利用者からの要求に応じてアイコンの情報を登録する。
【0054】
図4に示す例によれば、利用者ID:「#1-1」により識別される利用者が、メッセージサービスの利用時にアイコン:「OB011」を使用することが示されている。
【0055】
「エリア」の項目には、メッセージサービスにおいて利用されるエリアの情報が記憶される。エリアの情報は、エリア情報記憶部122に記憶されるエリア情報を示す。情報処理装置100は、メッセージサービスの利用登録時に、利用者からの要求に応じてエリアの情報を設定する。たとえば、情報処理装置100は、エリア情報に関連付ける利用者IDの入力と、関連付けるエリアの中心を決定するための地点情報の入力を要求する。地点情報は、たとえば、住所や郵便番号、建物や物件などの人工構造物の名称などであってよい。情報処理装置100は、エリア情報記憶部122に記憶されるエリア情報の中から、地点情報に基づいて関連付けるエリアを決定し、入力された利用者IDに関連付けて登録する。
【0056】
図4に示す例によれば、利用者ID:「#1-1」により識別される利用者と、利用者ID:「#1-2」により識別される利用者に対して関連付けられるエリアが、エリア:「ARE123」で特定されるエリアであることが示されている。
【0057】
なお、図4に示す利用者情報は一例であり、図4に示す例に限られず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0058】
(エリア情報記憶部122)
エリア情報記憶部122は、メッセージサービスにおける処理で利用するために予め定められるエリア情報を記憶する。図5は、実施形態に係るエリア情報記憶部に記憶されるエリア情報の概念的に示す図である。
【0059】
図5には、利用者ID:「#1-1」により識別される利用者と、利用者ID:「#1-2」により識別される利用者に対して関連付けられるエリア:「ARE123」の一例を模式的に示している。
【0060】
図5に示すエリア情報は、利用者から指定された地点情報5-1を中心とした所定の範囲内に含まれる複数のエリアA~Eの情報を有する。複数のエリアA~Eは、行政区画などに対応する。また、各エリアには、利用者が認識可能な地域の名称が予め設定される。また、図5に示すエリア情報は、利用者の位置との位置関係を特定するための地点5-2~5-4の情報を有する。地点の情報は、学校やビルなどの建築物や、公園などの人工的に整備された区域などの地物に対応する。
【0061】
なお、エリア情報記憶部122に記憶されるエリア情報は、メッセージサービスの利用者から取得される利用者の位置との位置関係を特定できる情報であれば、どのような情報であってもよい。また、エリア情報は、ラスターデータやベクターデータなどの任意のデータモデルで構成されてもよい。
【0062】
(制御部130)
制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(controller)である。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(たとえば、配信プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0063】
図12に示すように、制御部130は、特定部131と、判定部132と、報知部133とを有する。制御部130は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0064】
(特定部131)
特定部131は、通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、応答メッセージの送信元である第1ユーザ(たとえば、図1図2に示す利用者Ua)のコンテキストを特定する。
【0065】
たとえば、特定部131は、端末装置10からメッセージの送信要求を受信すると、通信部110を通じて、送信要求に含まれるメッセージを送信先(宛先)である端末装置10に送信する。また、端末装置10から受信したメッセージ(たとえば、「どこにいるの?」)が、他の端末装置10の利用者のコンテキストを問合わせるための問合せメッセージであるかどうかを判定する。特定部131は、問合せメッセージであると判定すると、他の端末装置10から応答メッセージを受信するまで待機する。そして、特定部131は、他の端末装置10から応答メッセージ(たとえば、「公園」)を受信すると、エリア情報記憶部122に記憶されているエリア情報と、応答メッセージの送信元である他の端末装置10の位置情報とに基づいて、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する。
【0066】
具体例を示せば、特定部131は、応答メッセージの受信時刻における第1ユーザの位置と、エリア情報とを突き合わせて、エリア情報における第1ユーザの位置を特定する。このとき、特定部131は、エリア情報が有する複数のエリア(たとえば、図5に示すエリアA~E)のどの位置に第1ユーザがいるかを特定してもよいし、エリア情報が有する複数の地点(たとえば、図5に示す地点5-2~5-4)との位置関係を特定してもよい。
【0067】
また、特定部131は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求が受信されない場合、予め定められるエリア情報における第1ユーザの位置を特定してもよい。
【0068】
(判定部132)
判定部132は、特定部131により特定された第1ユーザ(たとえば、図1図2に示す利用者Ua)のコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する。
【0069】
たとえば、判定部132は、第1ユーザのコンテキストと、応答メッセージの内容を解析した解析結果との間に内容的な矛盾があるかどうかを判定する。具体例を示せば、判定部132は、応答メッセージの送信元である第1ユーザの現在位置が公園ではなく、応答メッセージの内容が「公園」である場合、内容的な矛盾があり、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬があるという判定結果を導出する。
【0070】
(報知部133)
報知部133は、判定部132により第1ユーザ(たとえば、図1図2に示す利用者Ua)のコンテキストと応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、問合せメッセージの送信元である第2ユーザ(たとえば、図1図2に示す利用者Ub)に対する報知を行う。
【0071】
たとえば、報知部133は、第1ユーザのコンテキストに関する報知を行うための報知メッセージを送信する。具体例を示せば、報知部133は、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを示すメッセージと、報知メッセージであることを第2ユーザに通知するためのアイコン情報とを含む報知メッセージを生成し、第2ユーザの端末装置10に送信する。
【0072】
[3.処理手順]
以下、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図6に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。なお、以下では、情報処理装置100が端末装置10から受信したメッセージが問合せメッセージである場合の処理手順について説明する。
【0073】
図6に示すように、特定部131は、端末装置10から問合せメッセージの送信要求を受信すると、通信部110を通じて、送信要求に含まれる問合せメッセージを送信先(宛先)である端末装置10に送信する(ステップS101)。
【0074】
続いて、特定部131は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求を受信したかどうかを判定する(ステップS102)。
【0075】
特定部131は、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求を受信したと判定した場合(ステップS102;Yes)、送信要求に含まれる問合せメッセージを送信先(宛先)である端末装置10に送信する(ステップS103)。
【0076】
続いて、特定部131は、応答メッセージの送信元ユーザのコンテキストを特定する(ステップS104)。
【0077】
続いて、特定部131は、ステップS104で特定された送信元ユーザのコンテキストと、応答メッセージの内容との間に齟齬があるかどうかを判定する(ステップS105)。
【0078】
特定部131は、ステップS104で特定された送信元ユーザのコンテキストと、応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定した場合(ステップS105;Yes)、通信部110を通じて、問合せメッセージの送信元ユーザに報知メッセージを送信し(ステップS106)、図6に示す処理手順を終了する。
【0079】
一方、特定部131は、ステップS104で特定された送信元ユーザのコンテキストと、応答メッセージの内容との間に齟齬がないと判定した場合(ステップS105;No)、そのまま、図6に示す処理手順を終了する。
【0080】
上述のステップS102において、特定部131は、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求を受信していないと判定した場合(ステップS102;No)、問合せメッセージを送信先ユーザの位置を特定する(ステップS107)。
【0081】
続いて、報知部133は、特定部131により特定された位置に基づく報知メッセージを生成し、生成した報知メッセージを、通信部110を通じて、問合せメッセージの送信元ユーザに送信し(ステップS108)、図6に示す処理手順を終了する。
【0082】
[4.変形例]
(4-1.非常モードについて)
上述した実施形態において、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信先ユーザの位置が予め設定したエリアを超えた場合、緊急事態であると判断し、緊急事態に対応した非常モードで動作してもよい。たとえば、情報処理装置100は、通信相手の位置を特定するための処理を、可能な限り短い周期で実行するとともに、問合せメッセージの送信元ユーザに対してアラート情報を送信する。また、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信先ユーザに対してアラート情報を送信してもよい。
【0083】
(4-2.位置情報の提供について)
上述した実施形態において、情報処理装置100は、メッセージサービスの利用者が位置情報を情報処理装置100に提供するか否かを任意に設定できるようにしてもよい。また、情報処理装置100は、メッセージサービスの利用者が、メッセージサービスの利用中のみ位置情報を提供するなど、位置情報を提供する状況を任意に設定できるようにしてもよい。
【0084】
(4-3.電話発信の提案について)
上述した実施形態において、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求を受信していない場合、問合せメッセージの送信元ユーザに対して、電話発信を提案する通知メッセージを送信してもよい。
【0085】
(4-4.権限管理について)
上述した実施形態において、情報処理装置100は、上述のメッセージサービスにおいて、応答メッセージの送信元ユーザのコンテキストと、応答メッセージの内容との間の齟齬を判定し、齟齬があると判定した場合、問合せメッセージの送信元ユーザに対する報知を行う報知機能を有効化または無効化する権限を適切に管理してもよい。たとえば、上述のメッセージサービスにおいて、問合せメッセージの受信側が監視される者(たとえば、児童)である場合、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信側となる監視する者(たとえば、保護者)に対して、報知機能を有効化する権限を帰属させるように管理してもよい。この場合、監視する者(たとえば、保護者)のみが、報知機能を有効化または無効化する権限を有する。また、たとえば、監視される者が、ある程度、責任能力がある年齢である場合(たとえば、18歳以上)、情報処理装置100は、サービス利用者間で任意に決定した側に報知機能を有効化する権限を帰属させるように管理してもよい。この場合、情報処理装置100は、メッセージサービスの処理開始時、あるいは問合せメッセージの受信などに応じて、権限を有する側を特定し、報知機能が有効な状態であることを条件として、問合せメッセージの送信元ユーザに対する報知処理をアクティベートする。また、たとえば、情報処理装置100は、問合せメッセージの送信側と受信側との間の関係性により、自動的に権限の帰属側を判断するとともに、報知機能を自動的にアクティベートしてもよい。具体的には、児童と保護者などのように、メッセージサービスのサービス利用者が監視する者と監視される者の関係にあると判断した場合、自動的に、保護者側に報知機能を有効化または無効化する権限を帰属させるとともに、自動的に報知機能を有効化できる。
【0086】
[5.ハードウェア構成(情報処理プログラム)]
実施形態又は変形例に係る情報処理装置100は、たとえば、図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、実施形態又は変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0087】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0088】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリなどにより実現される。
【0089】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0090】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0091】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0092】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0093】
たとえば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、配信プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、配信プログラム)との協働により、実施形態および変形例に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0094】
[6.その他]
上述した実施形態又は変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0095】
上述の実施形態において、情報処理装置100により実行される配信方法(たとえば、図15参照)を実現するために、情報処理装置100が有する制御部130の各部(特定部131、判定部132、及び報知部133)に対応する処理機能は、情報処理装置100に予めインストールされている制御用プログラムに対するアドオンとして実現してもよいし、軽量なプログラミング言語などを用いて、専用のプログラムとして柔軟に記述することにより実現されてもよい。
【0096】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。たとえば、制御部130が有する特定部131の機能は、メッセージ情報を送信する機能と、利用者のコンテキストを特定する機能とに分散されていてもよい。
【0097】
また、上述の実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0098】
[7.効果]
上述の実施形態又は変形例に係る情報処理装置100は、特定部131と、判定部132と、報知部133とを備える。特定部131は、通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する。判定部132は、特定部131により特定された第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する。報知部133は、判定部132により第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う。
【0099】
また、上述の実施形態又は変形例において、報知部133は、第1ユーザのコンテキストに関する報知を行うための報知メッセージを送信する。
【0100】
このようにして、情報処理装置100は、応答メッセージの送信元ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬があると判定した場合、問合せメッセージの送信元ユーザに対して、報知メッセージを送信する。これにより、情報処理装置100は、通信相手の状況を正確に報知でき、サービス利用者に対して適切な情報提供を行うことができる。
【0101】
また、上述の実施形態又は変形例において、報知部133は、報知メッセージの送信後、予め定められる所定時間内に報知メッセージに対する第2ユーザのリアクションがない場合、第2ユーザに対してアラート情報を送信する。これにより、情報処理装置100は、サービス利用者に対して、通信相手の情報をできるだけ早く把握させることができる。
【0102】
また、上述の実施形態又は変形例において、特定部131は、問合せメッセージの送信後、予め定められる所定時間内に応答メッセージの送信要求が受信されない場合、予め定められるエリア情報における第1ユーザの位置を特定する。また、報知部133は、特定部131により特定された位置に基づく報知メッセージを生成し、第2ユーザに対して送信する。これにより、情報処理装置100は、通信相手からのメッセージが受信されない場合であっても、通信相手の所在を報知でき、サービス利用者に対して適切な情報提供を行うことができる。
【0103】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0104】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。たとえば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0105】
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 エリア情報記憶部
130 制御部
131 特定部
132 判定部
133 報知部
【要約】
【課題】ユーザに対して適切な情報提供を行うこと。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定部と、判定部と、報知部とを備える。特定部は、通信相手のコンテキストを問合せるための問合せメッセージに対する応答メッセージの受信に応じて、応答メッセージの送信元である第1ユーザのコンテキストを特定する。判定部は、特定部により特定された第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間の齟齬を判定する。報知部は、判定部により第1ユーザのコンテキストと応答メッセージの内容との間に齟齬があると判定された場合、問合せメッセージの送信元である第2ユーザに対する報知を行う。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7