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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】新型の便利な液体採取装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20220531BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20220531BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G01N1/10 V
G01N1/10 N
G01N33/48 S
G01N33/493 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021517679
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2020089254
(87)【国際公開番号】W WO2020224651
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201910384083.1
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511043323
【氏名又は名称】復旦大学附属中山医院
【氏名又は名称原語表記】ZHONGSHAN HOSPITAL OF FUDAN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛 磊
(72)【発明者】
【氏名】李 雪寧
(72)【発明者】
【氏名】王 昌鵬
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204346762(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102564796(CN,A)
【文献】中国実用新案第205333363(CN,U)
【文献】米国特許第05494646(US,A)
【文献】国際公開第2016/068816(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108542431(CN,A)
【文献】米国特許第05681742(US,A)
【文献】中国特許出願公開第108714036(CN,A)
【文献】中国実用新案第207666609(CN,U)
【文献】特表2010-506149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0049724(US,A1)
【文献】国際公開第2012/171458(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205144614(CN,U)
【文献】中国実用新案第204765729(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10- 1/20
G01N 33/48-33/98
A61B 10/00-10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収集器、導管及び液体収集管を備え、
前記液体収集器は、円形開口状をなし、液体貫通孔及び滑り止め構造が設けられ、
前記導管は、一端が前記液体収集器に連通可能であり、他端が針刺し構造をなして前記液体収集管に連通可能に構成され、外環構造、前記液体収集器の前記液体貫通孔に連通可能である液体貫通孔及び気体貫通孔が設けられ、導管本体内に前記液体貫通孔に連通する液体通路と前記気体貫通孔に連通する気体通路とが設けられ、
前記液体収集管は、収集管本体及び収集管蓋を含み、前記収集管本体と前記収集管蓋との間は、接続方式により接続可能であり、前記収集管本体は、表面に目盛線が設けられ、前記収集管蓋は、管蓋本体及び閉塞栓を含み、前記管蓋本体は、頂部内壁と前記導管の前記外環構造との間が内外嵌合式の接続構造であり、頂部と底部との間に前記閉塞栓を載置するための載置係止溝であって、頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さい載置係止溝が形成され、前記閉塞栓は、本体が三層構造をなし、上層栓体の直径が下層栓体の直径よりも小さく、上下二層栓体の直径が中層栓体の直径よりも小さく、左右二重環構造を形成するとともに、上中二層栓体の両側が弧形構造であり、前記載置係止溝と前記閉塞栓の前記中層栓体とは、大きさ及び形状が対応し、前記閉塞栓と前記管蓋本体の内壁とは、内外嵌合式の接続構造である、
ことを特徴とする新型の便利な液体採取装置。
【請求項2】
前記液体収集器の前記液体貫通孔は、一つ以上有し、
前記液体収集器は、凹面が網状構造又は点状構造であり、表面の前記滑り止め構造がストライプ構造又は、点字を構成可能なドット構造である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項3】
前記液体収集器と前記導管との間は、一体式又は分離固定接続式であり、
前記液体収集器は、単独で使用可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項4】
前記導管は、前記液体収集器における異なる接続位置に接続可能であり、異なる角度で前記液体収集器における前記接続位置に接続可能であり、
前記気体貫通孔及び前記液体貫通孔は、それぞれ一つ以上有し、
前記気体通路及び前記液体通路は、それぞれ一つ以上有し、
前記外環構造は、一つ以上有し、部分環状構造であり、上端幅と下端幅とが異なり、表面に前記気体貫通孔が形成される外環凹溝が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項5】
前記収集管本体と前記収集管蓋とは、接続方式により接続され、前記収集管本体には、接続構造が設けられ、前記収集管蓋には、前記収集管本体の接続構造に対応する接続構造が設けられ、
前記接続方式は、ねじ接続方式、バックル接続方式又はターンバックル接続方式を含み、
前記収集管本体及び前記収集管蓋には、ストライプ構造又は、点字を構成可能なドット構造である前記滑り止め構造が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項6】
前記管蓋本体は、中空円柱形構造又は中空楕円形構造であり、頂部に管栓が配設され、前記管栓との間が一体式又は分離固定接続式であり、底部内壁から前記載置係止溝までの間に一つ以上の管蓋通路が設けられ、頂部内壁と前記載置係止溝との間に一つ以上の環状凹溝が設けられ、頂部表面に一つ以上の横方向凹溝が設けられ、頂部内壁表面から前記環状凹溝表面までに一つ以上のストライプ状凹溝が設けられ、
前記環状凹溝、前記横方向凹溝及び前記ストライプ状凹溝は、互いに連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項7】
前記閉塞栓は、上中二層栓体が前記管蓋本体と緊密に結合し、下層栓体の直径が前記収集管本体の管口内径と対応し、一層又は二層の中空環状構造を形成可能であり、ゴム栓を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体採取装置。
【請求項8】
前記液体収集器、前記導管及び前記液体収集管が組み合わせて使用されるとき、前記導管の前記針刺し構造は、前記収集管蓋の前記閉塞栓を通過して前記収集管本体に入り込み、前記導管の前記外環構造と、前記液体収集管の前記管蓋本体の頂部内壁との内外嵌合式接続が行われた後に、液体と空気を流通可能な状態にし、流通状態にあるとき、液体は、前記液体収集器に流入し、前記導管を通って再び前記液体収集管に流入し、前記液体収集管内の空気は、前記導管を通って前記液体収集管から流出する、
ことを特徴とする請求項に記載の液体採取装置。
【請求項9】
前記流通状態は、液体が前記液体収集器の前記液体貫通孔に流入し、前記液体通路を通って前記導管の前記液体貫通孔から流出し、前記液体収集管に流入可能な状態を含む液体流通状態と、前記液体収集管内の空気が前記導管の前記気体貫通孔に流入し、前記気体通路を通って前記導管の前記気体貫通孔から流出し、外気に流入可能な状態を含む空気流通状態と、を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の液体採取装置。
【請求項10】
前記空気流通状態にあるとき、前記液体収集管内の空気は、前記気体貫通孔から流出した後、直接外気に流入可能であり、又は、前記液体収集管内の空気は、前記気体貫通孔から流出した後、互いに連通する前記環状凹溝、前記ストライプ状凹溝及び前記横方向凹溝からなる空気流通経路を通って外気に流入可能である、
ことを特徴とする請求項9に記載の液体採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体採取技術分野に関し、特に新型の便利な液体採取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生活水準の着実な向上に伴い、健康に対する人々の関心が高まっている。それと同時に、今日の働き方の変化により、人々が座りがちで、飲む水が少ないなどの問題が引き起こされ、長期間の悪い働き方により、腎臓結石、尿路感染症、前立腺炎など、人々の健康を害する多くの泌尿器疾患が引き起こされる。そのため、病院における定期診療では、尿検査や尿沈渣などの臨床検査も年々増加している。
【0003】
現在、臨床で主に使用されている使い捨て液体採取装置は、シンプルな使い捨て液体収集カップと使い捨て液体採取管で構成されている。病院は、患者に液体採取管とプラスチックオープン採取カップを提供し、患者は、最初にプラスチックオープン採取カップで液体を収集し、次に液体収集管に液体を注入し、必要な体積の液体サンプルを収集した後に蓋を閉める。従来の液体採取プロセスは、段階的に行われるので、採取プロセスにおいて、液体がはねやすい、こぼれやすい、操作が不便などの問題が頻繁に発生する。液体の不衛生な採取は、臨床検査の結果が患者の身体状態を正確に反映できない原因となり、長い間、臨床検査項目の汚染源の一つになっている。液体サンプルは、外部環境にさらされると異物や細菌に汚染されやすい。また、患者や医療スタッフは、病原性液体サンプルに接触する可能性が非常に高く、安全上のリスクが高い。
【0004】
従来の最新の使い捨て液体採取装置も、液体収集管と液体収集器で構成されており、収集が完了した後に患者又は医療スタッフが液体収集管の蓋を閉める必要があり、交差感染のリスクが高まる。また、一部の採集装置は、縦に使用されるため、女性が使用するときに液体を収集するのに不便である。
【0005】
出願日が2016.05.12であり、実用新案名称が医療用液体収集器である中国実用新案登録第201620428875.6号明細書には、保存される液体を入れるための壺体と、壺体の壺口に取り付けられる壺蓋と、壺体の外壁に設けられ、壺内の液体を抽出するためのサンプリング口と、サンプリング口に取り付けられ、それを密封するための密封キャップとを含む医療用液体収集器が開示されている。当該考案に係る医療用液体収集器によれば、構造がシンプルで使用が便利であり、尿液を複数回収集して総量を測定し、又は測定して検査する必要がある患者に適している。尿液を収集するときにオペレータの手を汚染することがなく、採取された尿液は、こぼれることがなく、検査される尿サンプルを保管しやすい。
【0006】
出願日が2016.08.10であり、実用新案の名称が液体収集器である中国実用新案登録第201620867655.3号明細書には、取液チャンバが設けられる取液部材と、接続管を含む接続部材と、貯液チャンバが設けられる貯液管を含む液体収集器であって、前記取液部材と前記貯液管とは、前記接続部材を介して取り外し可能に接続され、前記取液チャンバと前記貯液チャンバとは、前記接続管を介して接続される液体収集器が開示されている。当該考案に係る液体収集器によれば、取液部材の取液チャンバは、液体を受け取り、液体は、接続管を介して貯液管の貯液チャンバに流入する。取液プロセスは、手作業による液体の注入を必要とせず、操作が簡単で、液体がこぼして貯液管の外壁を汚染することが回避される。液体を採取した後、貯液管と取液部材とを分離させ、貯液管は、検査のために出せばよく、非常に便利である。また、定量制御部材を設けることにより、定量の液体を非常に容易に取得することができるため、保存される液体サンプル量が正確になり、多すぎたり少なすぎたりすることがなく、その後の検出に便利である。
【0007】
上記中国実用新案登録第201620428875.6号明細書に記載の医療用液体収集器によれば、構造がシンプルで使用が便利であり、尿液を複数回収集して総量を測定し、又は測定して検査する必要がある患者に適している。また、中国実用新案登録第201620867655.3号明細書に記載の液体収集器によれば、取液部材の取液チャンバは、液体を受け取り、液体は、接続管を介して貯液管の貯液チャンバに流入する。取液プロセスは、手作業による液体の注入を必要とせず、操作が簡単で、液体がこぼして貯液管の外壁を汚染することが回避される。液体を採取した後、貯液管と取液部材とを分離させ、貯液管は、検査のために出せばよく、非常に便利である。また、定量制御部材を設けることにより、定量の液体を非常に容易に取得することができるため、保存される液体サンプル量が正確になり、多すぎたり少なすぎたりすることがなく、その後の検出に便利である。しかしながら、液体採取プロセスが閉塞式採取であり、液体が液体収集管に直接収集され、二次個装を必要とせず、交差汚染が減少し、検出結果の精度が向上し、液体の採取が完了した後に任意に載置することができ、医療スタッフによるアクセスに便利である新型の便利な液体採取装置に関しては、現在、関連する記事がない。
【0008】
要約すると、液体採取プロセスが閉塞式採取であり、液体が液体収集管に直接収集され、二次個装を必要とせず、交差汚染が減少し、検出結果の精度が向上し、液体の採取が完了した後に任意に載置することができ、医療スタッフによるアクセスに便利である新型の便利な液体採取装置が早急に必要とされる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、液体採取プロセスが閉塞式採取であり、液体が液体収集管に直接収集され、二次個装を必要とせず、交差汚染が減少し、検出結果の精度が向上し、液体の採取が完了した後に任意に載置することができ、医療スタッフによるアクセスに便利である新型の便利な液体採取装置を提供することである。
【0010】
上記目的を実現するために、本発明によって採用される技術的手段は、液体収集器、導管及び液体収集管を備え、
前記液体収集器は、円形開口状をなし、液体貫通孔及び滑り止め構造が設けられ、
前記導管は、一端が前記液体収集器に連通可能であり、他端が針刺し構造をなして前記液体収集管に連通可能に構成され、外環構造、前記液体収集器の前記液体貫通孔に連通可能である液体貫通孔及び気体貫通孔が設けられ、導管本体内に前記液体貫通孔に連通する液体通路と前記気体貫通孔に連通する気体通路とが設けられ、
前記液体収集管は、収集管本体及び収集管蓋を含み、前記収集管本体と前記収集管蓋との間は、接続方式により接続可能であり、前記収集管本体は、表面に目盛線が設けられ、前記収集管蓋は、管蓋本体及び閉塞栓を含み、前記管蓋本体は、頂部内壁と前記導管の前記外環構造との間が内外嵌合式の接続構造であり、頂部と底部との間に前記閉塞栓を載置するための載置係止溝であって、頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さい載置係止溝が形成され、前記閉塞栓は、本体が三層構造をなし、上層栓体の直径が下層栓体の直径よりも小さく、上下二層栓体の直径が中層栓体の直径よりも小さく、左右二重環構造を形成するとともに、上中二層栓体の両側が弧形構造であり、前記載置係止溝と前記閉塞栓の前記中層栓体とは、大きさ及び形状が対応し、前記閉塞栓と前記管蓋本体の内壁とは、内外嵌合式の接続構造であることを特徴とする新型の便利な液体採取装置である。
【0011】
好適な技術的手段として、前記液体収集器の前記液体貫通孔は、一つ以上有し、
前記液体収集器は、凹面が網状構造又は点状構造であり、表面の前記滑り止め構造がストライプ構造又は、点字を構成可能なドット構造である。
【0012】
好適な技術的手段として、前記液体収集器と前記導管との間は、一体式又は分離固定接続式であり、
前記液体収集器は、単独で使用可能である。
【0013】
好適な技術的手段として、前記導管は、前記液体収集器における異なる接続位置に接続可能であり、異なる角度で前記液体収集器における前記接続位置に接続可能であり、
前記気体貫通孔及び前記液体貫通孔は、それぞれ一つ以上有し、
前記気体通路及び前記液体通路は、それぞれ一つ以上有し、
前記外環構造は、一つ以上有し、部分環状構造であり、上端幅と下端幅とが異なり、表面に前記気体貫通孔が形成される外環凹溝が形成される。
【0014】
好適な技術的手段として、前記収集管本体と前記収集管蓋とは、接続方式により接続され、前記収集管本体には、接続構造が設けられ、前記収集管蓋には、前記収集管本体の接続構造に対応する接続構造が設けられ、
前記接続方式は、ねじ接続方式、バックル接続方式又はターンバックル接続方式を含み、
前記収集管本体及び前記収集管蓋には、ストライプ構造又は、点字を構成可能なドット構造である前記滑り止め構造が設けられる。
【0015】
好適な技術的手段として、前記管蓋本体は、中空円柱形構造又は中空楕円形構造であり、頂部に管栓が配設され、前記管栓との間が一体式又は分離固定接続式であり、底部内壁から前記載置係止溝までの間に一つ以上の管蓋通路が設けられ、頂部内壁と前記載置係止溝との間に一つ以上の環状凹溝が設けられ、頂部表面に一つ以上の横方向凹溝が設けられ、頂部内壁表面から前記環状凹溝表面までに一つ以上のストライプ状凹溝が設けられ、
前記環状凹溝、前記横方向凹溝及び前記ストライプ状凹溝は、互いに連通する。
【0016】
好適な技術的手段として、前記閉塞栓は、上中二層栓体が前記管蓋本体と緊密に結合し、下層栓体の直径が前記収集管本体の管口内径と対応し、一層又は二層の中空環状構造を形成可能であり、ゴム栓を含む。
【0017】
好適な技術的手段として、前記液体収集器、前記導管及び前記液体収集管が組み合わせて使用されるとき、前記導管の前記針刺し構造は、前記収集管蓋の前記閉塞栓を通過して前記収集管本体に入り込み、前記導管の前記外環構造と、前記液体収集管の前記管蓋本体の頂部内壁との内外嵌合式接続が行われた後に、液体と空気を流通可能な状態になりし、前記流通状態にあるとき、液体は、前記液体収集器に流入し、前記導管を通って再び前記液体収集管に流入し、前記液体収集管内の空気は、前記導管を通って前記液体収集管から流出する。
【0018】
好適な技術的手段として、前記流通状態は、液体が前記液体収集器の前記液体貫通孔に流入し、前記液体通路を通って前記導管の前記液体貫通孔から流出し、前記液体収集管に流入可能な状態を含む液体流通状態と、前記液体収集管内の空気が前記導管の前記気体貫通孔に流入し、前記気体通路を通って前記導管の前記気体貫通孔から流出し、外気に流入可能な状態を含む空気流通状態と、を含む。
【0019】
好適な技術的手段として、前記空気流通状態にあるとき、前記液体収集管内の空気は、前記気体貫通孔から流出した後、直接外気に流入可能であり、又は、前記液体収集管内の空気は、前記気体貫通孔から流出した後、互いに連通する前記環状凹溝、前記ストライプ状凹溝及び前記横方向凹溝からなる空気流通経路を通って外気に流入可能である。
【発明の効果】
【0020】
1、液体収集器が半楕円形の開口状をなし、かつ凹面に網状構造が設けられる設計を利用して、尿液を採取する際に、男性又は女性による使用に便利であると同時に、液体採取プロセスにおけるスプラッシュ現象を回避することができ、採取プロセスの衛生が効果的に保証される。
2、管蓋本体における載置係止溝の設計は、導管先端の針刺し構造が収集管本体に出入りする際に、加わる力の違いによる閉塞栓の脱落や持ち出しの問題を効果的に回避することができ、オペレータによる使用に便利である。
3、導管先端が針刺し構造をなす設計は、収集管蓋における閉塞栓を通過して収集管本体に入り込むのに便利であり、閉塞栓は、一定の固定機能を果たすことができ、導管末端の外環構造と管蓋本体の頂部内壁との内外嵌合式接続は、再固定機能を果たし、それにより液体の採取に便利である。
4、導管末端と液体収集器との間は、一定の角度で斜めに接続され、液体の採取時に、液体は、一定の下降勾配に沿って導管に流入してから液体収集管に入り込むため、ユーザが手で液体収集管を自然に持つことに有利である一方、液体収集器が水平に載置される状態では液体をスムーズに採取することができる。
5、外環構造の上端幅が下端幅と等しくない設計は、液体採取プロセスにおいて管蓋本体の頂部内壁と導管末端の外環構造との内外嵌合式接続を利用することを目的とし、管蓋本体は導管の外環構造を完全に覆っておらず、外環構造における外環凹溝は常に空気が流通する空隙を残し、液体収集管内の空気は周囲空気にスムーズに流入することができ、液体採取プロセスの円滑性に有利である。
6、収集管蓋に閉塞栓が設けられ、閉塞栓の下層栓体の直径と収集管本体の管口内径とが対応し、閉塞栓の下層栓体と収集管本体の管口との内外摩擦係合方式を利用した固定接続は、固定機能を保証しつつ、液体採取プロセスにおいて、閉塞性を保証し、それにより液漏れを回避することを目的とする。
7、収集管蓋と収集管本体との間は、内外摩擦係合方式の固定接続に加えて、ねじ接続方式、バックル接続方式又はターンバックル接続方式を採用することができる。固定時に簡単な操作だけで収集管蓋と収集管本体とを固定することができ、収集管蓋と収集管本体との接続の緊密性が保証され、緩みにくくなる。
8、閉塞栓の左右二重環の設計は、導管先端の針刺し構造が挿抜されるときに、閉塞栓が外力によって固定された載置係止溝から脱落しないことを保証するだけでなく、導管先端の針刺し構造の深すぎる挿入を防止することができる。
9、載置係止溝の頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さく、閉塞栓の上中二層栓体の両側が弧形構造である設計及び収集管本体の管口内径が載置係止溝の頂部内壁の直径よりも大きく、かつ載置係止溝の底部内壁の直径よりも小さいことは、収集管本体に接続された閉塞栓を載置係止溝に固定するのに便利である。
10、液体を採取するプロセスにおいて、液体収集管内には負圧を必要とせず、液体の採取が完了した後に液体収集器から余分な液体を注出して導管を直接抜けばよく、液体の表面張力を利用して、余分な液体を注出するときに液体収集器に収集された液体が流出しにくいことを保証するだけでなく、収集管蓋と収集管本体との間の固定機能を利用して、液体収集管内の液体が流出しにくいことを保証することができるため、医療スタッフによる持ち運びと載置に便利である。
11、液体は液体収集管に直接収集されるものであり、液体採取プロセスは一度に完了し、二次個装を必要とせず、交差汚染のリスクが減少し、液体採取の衛生と利便性が向上する。
12、液体収集器及び液体収集管は、表面にストライプ状又は、点字を構成可能なドット状の滑り止め構造が設けられ、視覚障害者による使用に便利である。
13、収集管蓋における管栓の設計を採用することは、導管先端の針刺し構造が収集管本体に挿入される前に、管蓋本体の頂部内部及び閉塞栓の無菌環境を維持し、導管先端の針刺し構造が閉塞栓に挿入されて収集管本体に入り込んだ後、液体収集が完了するときに導管を抜いてから管栓を覆い、閉塞栓の閉塞効果不良による液体の滲出を回避できることを目的とする。
14、収集管蓋における管蓋通路と収集管本体に設けられる接続構造とが対応するため、収集管本体が収集管蓋に入り込んで載置係止溝に固定されるのに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の全体を示す概略図である。
図2】本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の立体構造を示す概略図及び正面図である。
図3】本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の平面図である。
図4】本発明に係る新型の便利な液体採取装置における収集管本体の立体構造を示す概略図である。
図5】本発明に係る新型の便利な液体採取装置における収集管蓋の構造を示す概略図(a:管蓋本体の上方立体構造を示す概略図、b:管蓋本体の下方立体構造を示す概略図、c:管蓋本体の全体を示す平面概略図、d:閉塞栓を示す平面概略図及びA-A断面を示す概略図、e:管蓋本体と閉塞栓との組立を示す概略図)である。
図6】本発明の実施例1に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。
図7】本発明の実施例2に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。
図8】本発明の実施例3に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。
図9】本発明の実施例4に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。
図10】本発明の実施例5に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の立体構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は、図面を参照しながら本発明によって提供される具体的な実施形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1を参照して、図1は、本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の全体を示す概略図である。新型の便利な液体採取装置は、液体収集器1、導管2及び液体収集管3を備える。前記液体収集器1は、円形開口状をなし、液体貫通孔23(図1には不図示)及び滑り止め構造11が設けられる。前記液体収集器1には、網状構造12がさらに設けられる。
【0024】
図2及び図3を参照して、図2は、本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の立体構造を示す概略図及び正面図である。図3は、本発明に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の平面図である。図2に示すように、前記導管2は、一端が前記液体収集器1(図2には不図示)に連通可能であり、他端が針刺し構造21をなして前記液体収集管3(図2には不図示)に連通可能に構成される。図3に示すように、前記導管2には、外環構造22が設けられる。前記外環構造22には、表面に気体貫通孔24が形成される外環凹溝221が形成される。前記導管2には、前記液体貫通孔23及び前記気体貫通孔24が設けられる。前記導管2本体内には、液体通路25及び気体通路26が設けられる。前記液体通路25は、前記液体貫通孔23に連通し、前記導管2の前記液体貫通孔23は、前記液体収集器1の前記液体貫通孔23(図3には不図示)に連通可能である。前記気体通路26は、前記気体貫通孔24に連通する。
【0025】
図4及び図5を参照して、図4は、本発明に係る新型の便利な液体採取装置における収集管本体の立体構造を示す概略図である。図5は、本発明に係る新型の便利な液体採取装置における収集管蓋の構造を示す概略図(a:管蓋本体の上方立体構造を示す概略図、b:管蓋本体の下方立体構造を示す概略図、c:管蓋本体の全体を示す平面概略図、d:閉塞栓を示す平面概略図及びA-A断面を示す概略図、e:管蓋本体と閉塞栓との組立を示す概略図)である。前記液体収集管3は、収集管本体31及び収集管蓋32を含む。前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間は、特定の接続方式により接続可能である。図4に示すように、前記収集管本体は、表面に目盛線311及びねじ構造3214が設けられる。図5に示すように、前記収集管蓋32は、管蓋本体321及び閉塞栓322を含む。前記管蓋本体321には、点字を構成可能なドット構造である前記滑り止め構造11が設けられる。前記管蓋本体321は、頂部と底部との間に前記閉塞栓322を載置するための載置係止溝3211が形成される。前記載置係止溝3211と前記閉塞栓322の中層栓体とは、大きさ及び形状が対応する。前記管蓋本体321は、底部内壁から前記載置係止溝3211までの間に管蓋通路3213が設けられる。前記載置係止溝3211は、頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さい。前記閉塞栓322は、本体が三層構造をなし、上層栓体の直径が下層栓体の直径よりも小さく、上下二層栓体の直径が中層栓体の直径よりも小さく、左右二重環構造を形成するとともに、上中二層栓体の両側が弧形構造3221である。
【0026】
図6を参照して、図6は、本発明の実施例1に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。本実施例において、前記閉塞栓322と前記管蓋本体321の内壁とは、内外嵌合式の接続構造である。前記導管2の前記外環構造22と前記管蓋本体321の頂部内壁との間は、内外嵌合式の接続構造である。前記収集管蓋32の前記閉塞栓322の下層栓体と前記収集管本体31の管口との間は、内外摩擦係合固定構造である。前記液体貫通孔23は、前記導管2の底部の中央位置に形成され、前記気体貫通孔24は、前記導管2の前端頂部及び後端位置に形成される。前記管蓋本体321は、頂部内壁と前記載置係止溝3211との間に一つの環状凹溝3217が設けられ、頂部表面に二つの横方向凹溝3219(図6には不図示)が設けられ、頂部内壁表面から前記環状凹溝3217表面までに二つのストライプ状凹溝3218(図6には不図示)が設けられ、前記環状凹溝3217、前記横方向凹溝3219及び前記ストライプ状凹溝3218は、互いに連通する。
【0027】
図6に示すように、前記液体収集器1、前記導管2及び前記液体収集管3が組み合わせて使用されるとき、前記導管2の前記針刺し構造21は、前記収集管蓋32の前記閉塞栓322を通過して前記収集管本体31に入り込み、前記導管2の前記外環構造22と、前記液体収集管3の前記管蓋本体321の頂部内壁との内外嵌合式接続が行われた後に、液体と空気を流通可能な状態になりし、前記流通状態にあるとき、液体は、前記液体収集器1に流入し、前記導管2を通って再び前記液体収集管3に流入し、前記液体収集管3内の空気は、前記導管2を通って前記液体収集管3から流出する。液体採取プロセスにおいて、液体流通状態及び空気流通状態にあるとき、液体は、前記液体収集器1の前記液体貫通孔23(図6には不図示)に流入し、次に前記液体通路25を通って前記導管2の前記液体貫通孔23から流出し、最後に前記液体収集管3に流入する。また、前記液体収集管3内の空気は、前記導管2の前記気体貫通孔24に流入し、前記気体通路26を通って前記導管2の前記気体貫通孔24から流出し、次に互いに連通する前記環状凹溝3217、前記ストライプ状凹溝3218及び前記横方向凹溝3219からなる空気流通経路を通って外気に流入する。前記導管2の末端と前記液体収集器1の側面との間は、一定の角度で斜めに接続され、液体の採取時に、液体は、一定の下降勾配に沿って導管2に流入してから前記液体収集管3に入り込むため、ユーザが手で液体収集管3を自然に持つことに有利である一方、前記液体収集器1が水平に載置される状態では液体をスムーズに採取することができる。また、重力の作用により、前記導管2の底部の中間位置に形成された前記液体貫通孔23から前記液体収集管3に液体が流入する際に、前記導管2の頂部上方位置に形成された前記気体貫通孔24が詰まることはない。それと同時に、前記外環凹溝221構造の設計を採用するとともに、前記環状凹溝3217、前記横方向凹溝3219及び前記ストライプ状凹溝3218を利用することにより空気流通経路を形成することができ、空気の流動の円滑性が効果的に保証される。前記外環凹溝221は、台形構造をなしてもよく、前記気体貫通孔24は、前記外環凹溝221の両側面に形成される。この設計の目的は、汚染又は詰まりという問題から前記外環凹溝221における気体貫通孔24を保護するようにより保証することである。
【0028】
なお、本発明で採取される前記液体は、尿液を含むがこれに限定されない。当該液体が本発明の前記液体収集器を介して前記導管に入り込み、最後に前記液体収集管に流入することができる限り、これらの液体は、いずれも本発明の採取装置の採取対象とすることができる。前記閉塞栓322は、ゴム栓を含むがこれに限定されない。前記閉塞栓322が載置される際に、まず前記閉塞栓322の下層栓体と前記液体収集管3の管口とを内外で固定し、前記液体収集管3を前記管蓋本体321に入り込ませるように徐々に移動させ、前記閉塞栓322の上中二層栓体両側の前記弧形構造3221と前記管蓋本体321との間の摩擦作用を利用し、さらに前記閉塞栓322自体の弾性及び前記載置係止溝3211の構造設計を利用することにより、前記載置係止溝3211に対する前記閉塞栓322の両側及び上下の押圧力と前記閉塞栓322に対する前記載置係止溝3211の左右及び上下の押圧力とが相殺されるため、前記閉塞栓322が前記載置係止溝3211に固定された後に脱落しないことが保証される。
【0029】
前記管蓋本体321は、短径の両側が平面構造である中空の楕円形に類似する構造をなしてもよい。前記管蓋本体321の両側を平面構造とすることにより、ドット状の前記滑り止め構造11を設けるのに便利であり、それによりドットが点字を構成し、視覚障碍者が認識して使用するのに便利である。前記管蓋本体321は、頂部に管栓3212が設けられてもよい。前記管栓3212は、小帯又は他の接続帯を利用して前記管蓋本体321の頂部側面に一体的に固定し、又は前記管蓋本体321の頂部表面に分離可能に固定して接続することができる。前記管蓋本体321における載置係止溝3211の設計は、前記導管2先端の前記針刺し構造21が前記収集管本体31に入る際に、加わる力の違いによる前記閉塞栓322の脱落や持ち出しの問題を効果的に回避することができ、オペレータによる使用に便利である。前記導管2先端が前記針刺し構造21をなす設計は、前記収集管蓋32における前記閉塞栓322を通過して前記収集管本体31に入り込むのに便利であり、前記閉塞栓322は、一定の固定機能を果たすことができ、前記導管2末端の前記外環構造22と前記管蓋本体321の頂部内壁との内外嵌合式接続後は、再固定機能を果たし、それにより液体の採取に便利である。
【0030】
前記気体貫通孔24及び前記液体貫通孔23は、それぞれ一つ以上有する。前記気体通路26及び前記液体通路25は、それぞれ一つ以上有する。前記外環構造22は、一つ以上有し、部分環状であってもよい。前記外環構造22は、上端幅が下端幅と等しくなくてもよい。前記気体貫通孔24及び前記液体貫通孔23の大きさ及び形状は、必要に応じて設定することができる。前記外環構造22の上端幅が下端幅と等しくない設計は、液体採取プロセスにおいて前記外環構造22と前記管蓋本体321の頂部内壁との内外嵌合式接続を利用することを目的とし、前記管蓋本体321は、前記導管2の前記外環構造22を完全に覆っておらず、前記外環構造22における前記外環凹溝221は、常に空気が流通する空隙を残し、前記液体収集管3内の空気は周囲空気にスムーズに流入することができ、液体採取プロセスの円滑性に有利である。前記収集管蓋32に前記閉塞栓322が設けられ、前記閉塞栓322の下層栓体の直径と前記収集管本体31の管口内径とが対応し、前記閉塞栓322の下層栓体と前記収集管本体31の管口との内外摩擦係合方式を利用した固定接続は、いずれも固定機能を保証しつつ、液体採取プロセスにおいて、閉塞性を保証し、それにより液漏れを回避することを目的とする。前記閉塞栓322の左右二重環の設計は、前記導管2先端の前記針刺し構造21が挿抜されるときに、前記閉塞栓322が外力によって固定された前記収集管蓋32から脱落しないことを保証するだけでなく、前記導管2先端の前記針刺し構造21の深すぎる挿入を防止することができる。前記載置係止溝3211の頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さく、前記閉塞栓322の上中二層栓体の両側が弧形構造3221である設計及び前記収集管本体31の管口内径が前記載置係止溝3211の頂部内壁の直径よりも大きく、かつ前記載置係止溝3211の底部内壁の直径よりも小さいことは、前記収集管本体31に接続された前記閉塞栓322を前記載置係止溝3211に固定するのに便利である。前記液体収集管3は、液体を採取するプロセスにおいて負圧を必要とせず、液体の採取が完了した後に前記液体収集器1から余分な液体を注出して前記導管2を直接抜けばよく、液体の表面張力を利用して、余分な液体を注出するときに前記液体収集器1に収集された液体が流出しにくいことを保証するだけでなく、前記収集管蓋32と前記収集管本体31との間の固定機能を利用して、前記液体収集管3内の液体が流出しにくいことを保証することができるため、医療スタッフによる持ち運びと載置に便利である。前記収集管蓋32における前記管蓋通路3213と前記収集管本体31に設けられる接続構造とが対応するため、前記収集管本体31が前記収集管蓋32に入り込んで前記載置係止溝3211に固定されるのに便利である。液体は、前記液体収集管3に直接収集され、液体採取プロセスは一度に完了し、二次個装を必要とせず、交差汚染のリスクが減少し、液体採取の衛生と利便性が向上する。
【実施例2】
【0031】
図7を参照して、図7は、本発明の実施例2に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である。本実施例は、実施例1と基本的に同じであるが、本実施例における収集管本体31と収集管蓋32との間がねじ構造3214の接続方式によって固定され、すなわち、前記収集管蓋32の底部内側と前記収集管本体31の管口外側周囲とに互いに係合する前記ねじ構造3214がそれぞれ設けられる点及び前記管蓋本体321の頂部に前記管蓋本体321の頂部側面との間が小帯により一体的に固定される管栓3212がさらに設けられる点が異なる。前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間にねじ接続方式を利用することにより、両者間の固定がより安定し、かつ、強い密閉性を有する。前記収集管蓋32における前記管栓3212の設計を採用することは、前記収集管蓋32と前記収集管本体31とが接続された後、前記導管2先端の前記針刺し構造21が前記収集管本体31に挿入される前に、前記管蓋本体321の頂部内部及び前記閉塞栓322の無菌環境を維持し、前記導管2先端の前記針刺し構造21が前記閉塞栓322に挿入されて前記収集管本体31に入り込んだ後、液体収集が完了するときに前記導管2を抜いてから前記管栓3212を覆い、前記閉塞栓322の閉塞効果不良による液体の滲出を回避することができる。
【実施例3】
【0032】
図8を参照して、図8は、本発明の実施例3に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である(ここで、「1」は、液体収集器1、導管2及び液体収集管3の接続後の部分を示す平面概略図であり、「2」は、収集管本体31と収集管蓋32とがバックル接続された破線AA断面を示す概略図における、収集管本体31が載置係止溝3211に入り込み始める概略図であり、「3」は収集管本体31と収集管蓋32とがバックル接続された破線AA断面を示す概略図における、収集管本体31が回転終了後に載置係止溝3211に固定される概略図である)。本実施例は、実施例1と基本的に同じであるが、本実施例における前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間がバックル構造3215の接続方式によって固定され、すなわち、前記載置係止溝3211の底部内側と前記収集管本体31の管口外側周囲とに互いに係合する前記バックル構造3215がそれぞれ設けられる点が異なる。前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間が前記バックル構造3215方式を利用して固定され、使用時に簡単な回転操作だけで前記収集管本体31と前記収集管蓋32とを固定して接続することができる。前記バックル構造3215の特定の接続方式を利用することにより、ねじ接続方式の固定中に摩擦によって発生する微細な破片を回避することができるため、収集プロセスの衛生と清潔が保証されるとともに、バックル接続方式を利用した固定がより便利で簡単である。
【実施例4】
【0033】
図9を参照して、図9は、本発明の実施例4に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器、導管及び液体収集管の接続後の部分を示す平面概略図である(ここで、「1」は、液体収集器1、導管2及び液体収集管3の接続後の部分を示す平面概略図であり、「2」は、収集管本体31と収集管蓋32とがターンバックル接続された破線AA断面を示す概略図における、収集管本体31が載置係止溝3211に入り込み始める概略図であり、「3」は収集管本体31と収集管蓋32とがターンバックル接続された破線AA断面を示す概略図における、収集管本体31が回転終了後に載置係止溝3211に固定される概略図である)。本実施例は、実施例1と基本的に同じであるが、本実施例における前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間がターンバックル構造3216の接続方式によって固定され、すなわち、前記載置係止溝3211の底部と前記収集管本体31の管口表面とに互いに係合する前記ターンバックル構造3216が設けられる点が異なる。前記収集管本体31と前記収集管蓋32との間に前記ターンバックル構造3216の特定の接続方式を利用することにより、使用時に簡単な回転操作だけで接続固定を完了することができ、使用がより便利である。
【実施例5】
【0034】
図10を参照して、図10は、本発明の実施例5に係る新型の便利な液体採取装置における液体収集器と導管との一体式接続の立体構造を示す概略図である。本実施例は、実施例1と基本的に同じであるが、本実施例における前記導管2と前記液体収集器1との接続位置が変化し、前記導管2が前記液体収集器1の底部に設けられる点、前記導管2と前記液体収集器1の底部平面との角度が変化し、前記導管2と前記液体収集体1の底部平面との間が垂直に構造的に接続される点並びに液体貫通孔23及び気体貫通孔24の配置位置が変化し、前記液体貫通孔23が前記導管2の針刺し構造21の近傍に位置するのに対し、前記気体貫通孔24が前記液体貫通孔23の側面の上方にある点が異なる。前記導管2と前記液体収集器1の底部との間の垂直接続は、液体の採取スピードを速めることができる。前記気体貫通孔24は、前記液体貫通孔23の側面の上方にあり、液体が採取される際に液体は、前記気体貫通孔24を塞いで液体収集に影響を与えることがない。前記導管2と前記液体収集器1との間の異なる前記接続位置及び接続角度を変化させることにより、異なる液体採取条件の需要を満たすことができる。
【0035】
本発明に係る新型の便利な液体採取装置によれば、液体収集器が半楕円形の開口状をなし、かつ凹面に網状構造が設けられる設計を利用して、尿液を採取する際に、男性又は女性による使用に便利であると同時に、液体採取プロセスにおけるスプラッシュ現象を回避することができ、採取プロセスの衛生が効果的に保証される。管蓋本体における載置係止溝の設計は、導管先端の針刺し構造が収集管本体に出入りする際に、加わる力の違いによる閉塞栓の脱落や持ち出しの問題を効果的に回避することができ、オペレータによる使用に便利である。導管先端が針刺し構造をなす設計は、収集管蓋における閉塞栓を通過して収集管本体に入り込むのに便利であり、閉塞栓は、一定の固定機能を果たすことができ、導管末端の外環構造と管蓋本体の頂部内壁との内外嵌合式接続は、再固定機能を果たし、それにより液体の採取に便利である。導管末端と液体収集器との間は、一定の角度で斜めに接続され、液体の採取時に、液体は、一定の下降勾配に沿って導管に流入してから液体収集管に入り込むため、ユーザが手で液体収集管を自然に持つことに有利である一方、液体収集器が水平に載置される状態では液体をスムーズに採取することができる。外環構造の上端幅が下端幅と等しくない設計は、液体採取プロセスにおいて管蓋本体の頂部内壁と導管末端の外環構造との内外嵌合式接続を利用することを目的とし、管蓋本体は導管の外環構造を完全に覆っておらず、外環構造における外環凹溝は常に空気が流通する空隙を残し、液体収集管内の空気は周囲空気にスムーズに流入することができ、液体採取プロセスの円滑性に有利である。収集管蓋に閉塞栓が設けられ、閉塞栓の下層栓体の直径と収集管本体の管口内径とが対応し、閉塞栓の下層栓体と収集管本体の管口との内外摩擦係合方式を利用した固定接続は、固定機能を保証しつつ、液体採取プロセスにおいて、閉塞性を保証し、それにより液漏れを回避することを目的とする。収集管蓋と収集管本体との間は、内外摩擦係合方式の固定接続に加えて、ねじ接続方式、バックル接続方式又はターンバックル接続方式を採用することができる。固定時に簡単な操作だけで収集管蓋と収集管本体とを固定することができ、収集管蓋と収集管本体との接続の緊密性が保証され、緩みにくくなる。閉塞栓の左右二重環の設計は、導管先端の針刺し構造が挿抜されるときに、閉塞栓が外力によって固定された載置係止溝から脱落しないことを保証するだけでなく、導管先端の針刺し構造の深すぎる挿入を防止することができる。載置係止溝の頂部内壁の直径が底部内壁の直径よりも小さく、閉塞栓の上中二層栓体の両側が弧形構造である設計及び収集管本体の管口内径が載置係止溝の頂部内壁の直径よりも大きく、かつ載置係止溝の底部内壁の直径よりも小さいことは、収集管本体に接続された閉塞栓を載置係止溝に固定するのに便利である。液体を採取するプロセスにおいて、液体収集管内には負圧を必要とせず、液体の採取が完了した後に液体収集器から余分な液体を注出して導管を直接抜けばよく、液体の表面張力を利用して、余分な液体を注出するときに液体収集器に収集された液体が流出しにくいことを保証するだけでなく、収集管蓋と収集管本体との間の固定機能を利用して、液体収集管内の液体が流出しにくいことを保証することができるため、医療スタッフによる持ち運びと載置に便利である。液体は液体収集管に直接収集されるものであり、液体採取プロセスは一度に完了し、二次個装を必要とせず、交差汚染のリスクが減少し、液体採取の衛生と利便性が向上する。液体収集器及び液体収集管は、表面にストライプ状又は、点字を構成可能なドット状の滑り止め構造が設けられ、視覚障害者による使用に便利である。収集管蓋における管栓の設計を採用することは、導管先端の針刺し構造が収集管本体に挿入される前に、管蓋本体の頂部内部及び閉塞栓の無菌環境を維持し、導管先端の針刺し構造が閉塞栓に挿入されて収集管本体に入り込んだ後、液体収集が完了するときに導管を抜いてから管栓を覆い、閉塞栓の閉塞効果不良による液体の滲出を回避できることを目的とする。収集管蓋における管蓋通路と収集管本体に設けられる接続構造とが対応するため、収集管本体が収集管蓋に入り込んで載置係止溝に固定されるのに便利である。
【0036】
上記は、本発明の好適実施例に過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び補足をさらに行うことができ、これらの改善及び補足も、本発明の保護範囲とみなされるべきであることを指摘すべきである。
【符号の説明】
【0037】
1、液体収集器
11、滑り止め構造
12、網状構造
2、導管
21、針刺し構造
22、外環構造
221、外環凹溝
23、液体貫通孔
24、気体貫通孔
25、液体通路
26、気体通路
3、液体収集管
31、収集管本体
311、目盛線
32、収集管蓋
321、管蓋本体
3211、載置係止溝
3212、管栓
3213、管蓋通路
3214、ねじ構造
3215、バックル構造
3216、ターンバックル構造
3217、環状凹溝
3218、ストライプ状凹溝
3219、横方向凹溝
322、閉塞栓
3221、弧形構造
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
図7
図8
図9
図10