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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】湯水混合水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/044 20060101AFI20220601BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
E03C1/044
F16K27/00 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018040574
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2019157348
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】黒田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】駒谷 喜一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 理紗
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-187532(JP,A)
【文献】特開2013-076445(JP,A)
【文献】特開2012-172773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/04-1/06
A47K 4/00
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水混合水栓装置であって、
給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合して、温度調整を行う温調機能部と、
前記温調機能部による温度調整のために回転操作される温調ハンドルと、
前記温調ハンドルの回転角度を規制する回転角度規制部材と、
前記温調機能部の上面側に設けられた上カバー部材と、
前記温調機能部の下面側に設けられた下カバー部材と、
前記温調機能部が前記上カバー部材及び前記下カバー部材から抜け出ることを防止する押さえ部材と、
を備え、
前記上カバー部材は、前記温調機能部の上面の上方に延在する上カバー本体部と、前記温調ハンドルが露出する前面側において前記上カバー本体部から下方に垂れ下がる垂下部と、を有しており、
前記垂下部は、前記前面側から前記温調ハンドルの軸線方向に見て、前記回転角度規制部材と少なくとも部分的に重複する位置関係となっており、
前記押さえ部材は、前記回転角度規制部材とは、別体に構成されており、
前記温調機能部は、環状に前面側に露出する外周縁部を有しており、
前記温調機能部は、温調機能部ハウジングに包含されており、
前記押さえ部材は、前面側から前記外周縁部と前記軸線方向に当接するフランジ部材と、当該フランジ部材を前記温調機能部ハウジングに固定する袋ナットと、を有している
ことを特徴とする湯水混合水栓装置。
【請求項2】
前記回転角度規制部材は、前記温調機能部に着脱されるようになっており、
前記回転角度規制部材は、前記温調ハンドルの回転角度に応じて当該温調ハンドルの係
止部と協働して当該温調ハンドルの更なる回転を規制する被係止部を有しており、
前記被係止部は、前記回転角度規制部材を前記温調機能部に対して着脱する際において
、当該回転角度規制部材の下方側において前記軸線方向に前面側に突出して当該回転角度
規制部材の上方側に対して段差部を形成するような位置姿勢となる
ことを特徴とする請求項に記載の湯水混合水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温調機能部を備えた湯水混合水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、温調機能部を備えた湯水混合水栓装置が知られている。温調機能部の操作は、一般に、温調ハンドルを回転することによってなされる。
【0003】
一般的に、湯水混合水栓装置においては、不所望に高温の湯が吐水されてしまう(火傷のおそれがある)ことを防止するために、温調ハンドルに安全ボタンが設けられている。安全ボタンは、高温の湯を吐水する場合に操作されるボタンで、当該安全ボタンを押圧操作しないと温調ハンドルを高温側に回転できないようになっている。
【0004】
例えば、温調ハンドルの側に係止部が設けられ、温調機能部の側に被係止部が設けられて、温調ハンドルの所望の回転角度において係止部と被係止部とが協働して温調ハンドルの更なる回転を規制するよう、係止部と被係止部の相対位置が予め調整される。そして、安全ボタンが操作される時にのみ、温調ハンドルの係止部が温調機能部の被係止部との協働位置から退避するような構成を採用することで、前述したように不所望に高温の湯が吐水されることを防止することができる。
【0005】
ここで、湯水混合水栓装置が設置される地域(例えば寒冷地であるか否か)等に応じて、温調ハンドルの回転範囲を適宜に調整可能とするべく、被係止部の位置が調整可能となっていることが好ましい。従って、被係止部を有する回転角度規制部材を温調機能部とは別体の部品として、回転角度規制部材を温調機能部に対して可動に設けておく構成が採用されている。
【0006】
一方で、温調機能部は、温調機能部ハウジングに包含された態様で、更に上カバー部材と下カバー部材との間に配置されることが一般的である。そして、温調機能部は、瞬間的に高圧が作用する場合があり、温調機能部ハウジングから抜け出てしまうおそれがある。従って、温調機能部は、温調機能部ハウジングからの抜け出しを防止するべく、温調機能部ハウジングに対する「押さえ(係止)」機能を有する構成を採用することが好ましい。
【0007】
以上のような背景の下、従来の湯水混合水栓装置においては、回転角度規制部材にそのような「押さえ(係止)」機能を持たせていた。例えば、特許文献1に開示された水栓装置では、温調機能部の押さえを担う部品と回転角度規制を担う部品とが1つの部品となっている。
【0008】
具体的には、図7(特許文献1の図2に対応)に示すように、湯水混合水栓装置101において、温調機能部110が環状に前面側に露出する外周縁部111を有しており、押さえ部材を兼ねる環状の回転角度規制部材140が、前面側から外周縁部111に当接した状態で、温調機能部ハウジング112に固定されている。
【0009】
これにより、回転角度規制部材140は、温調ハンドル130の回転角度規制を担うと共に、温調機能部110の押さえをも担っている。2つの機能を1つの部品が兼ねることにより、部品点数の増大を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2017- 31689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、温調機能部は、温調機能部ハウジングに包含された態様で、更に上カバー部材と下カバー部材との間に配置されることが一般的である。従来、温調機能部のメンテナンス作業は、上カバー部材と下カバー部材との両方を取り外してから行われていた。
【0012】
本件発明者は、メンテナンスの作業効率を向上させるため、下カバー部材のみを取り外した状態で、すなわち、上カバー部材を取り付けたままで、メンテナンス作業を行うことができないか鋭意検討を重ねてきた。
【0013】
ここで、上カバー部材が、前面側において下方に垂れ下がる垂下部を有していない場合には、下カバー部材のみを取り外した状態でも前面側の全体が開放されるため、メンテナンス作業を行うことに支障はない。
【0014】
しかしながら、近年では、意匠性を向上させるべく、上カバー部材が、温調機能部の上面の上方に延在する上カバー本体部と、前面側において上カバー本体部から下方に垂れ下がる垂下部と、を有している場合が多い。そして、このような場合には、温調機能部の押さえと温調ハンドルの回転角度規制とを担う部品(例えば図7の回転角度規制部材140)が比較的大きい部品であるため、上カバー部材を取り外さないで当該部品を取り外すことが困難であった。
【0015】
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。本発明の目的は、メンテナンス作業を容易に実施することができるような湯水混合水栓装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、湯水混合水栓装置であって、給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合して、温度調整を行う温調機能部と、前記温調機能部による温度調整のために回転操作される温調ハンドルと、前記温調ハンドルの回転角度を規制する回転角度規制部材と、前記温調機能部の上面側に設けられた上カバー部材と、前記温調機能部の下面側に設けられた下カバー部材と、前記温調機能部が前記上カバー部材及び前記下カバー部材から抜け出ることを防止する押さえ部材と、を備え、前記上カバー部材は、前記温調機能部の上面の上方に延在する上カバー本体部と、前記温調ハンドルが露出する前面側において前記上カバー本体部から下方に垂れ下がる垂下部と、を有しており、前記垂下部は、前記前面側から前記温調ハンドルの軸線方向に見て、前記回転角度規制部材と少なくとも部分的に重複する位置関係となっており、前記押さえ部材は、前記回転角度規制部材とは、別体に構成されていることを特徴とする湯水混合水栓装置である。
【0017】
本発明によれば、上カバー部材の垂下部が、前面側から温調ハンドルの軸線方向に見て回転角度規制部材と少なくとも部分的に重複する位置関係とされているにも拘わらず、押さえ部材と回転角度規制部材とを別体に(分離可能に)構成していることにより、メンテナンス作業を実施することが容易となる
【0018】
前記温調機能部は、環状に前面側に露出する外周縁部を有しており、前記温調機能部は、温調機能部ハウジングに包含されており、前記押さえ部材は、前面側から前記外周縁部と前記軸線方向に当接するフランジ部材と、当該フランジ部材を前記温調機能部ハウジングに固定する袋ナットと、を有していることが好ましい。
【0019】
この場合、押さえ部材が、フランジ部材と袋ナットという2部品に更に分離可能であるため、上カバー部材が取り外されていない状態で押さえ部材を取り外すことが更に容易である。また、フランジ部材と温調機能部とを回転方向に係合可能な構成とし、且つ、両者の係合位置を調整可能にしておくことで、フランジ部材と回転角度規制部材とを回転方向に固定した状態で回転角度規制部材の位置姿勢を調整することができる。
【0020】
また、前記回転角度規制部材は、前記温調機能部に着脱されるようになっており、前記回転角度規制部材は、前記温調ハンドルの回転角度に応じて当該温調ハンドルの係止部と協働して当該温調ハンドルの更なる回転を規制する被係止部を有しており、前記被係止部は、前記回転角度規制部材を前記温調機能部に対して着脱する際において、当該回転角度規制部材の下方側において前記軸線方向に前面側に突出して当該回転角度規制部材の上方側に対して段差部を形成するような位置姿勢となることが好ましい。
【0021】
この場合、回転角度規制部材の被係止部による段差部(及びその上方の凹部)を利用することで、取り付けられたままの上カバー部材を回避しながら回転角度規制部材を着脱することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上カバー部材の垂下部が、前面側から温調ハンドルの軸線方向に見て回転角度規制部材と少なくとも部分的に重複する位置関係とされているにも拘わらず、押さえ部材と回転角度規制部材とを別体に(分離可能に)構成していることにより、メンテナンス作業を実施することが容易となる
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置の斜視図である。
図2図1の湯水混合水栓装置の温調機能部部分の斜視図である。
図3図2の温調機能部部分の正面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5図2乃至図4の温調機能部部分の分解側面図である。
図6図2乃至図5の温調機能部部分の分解斜視図である。
図7】従来の湯水混合水栓装置の分解斜視図である(特許文献1の図2に対応する図である)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置1の概略斜視図である。図1に示すように、湯水混合水栓装置1は、水回り設備、例えば浴室、キッチン、洗面台等の壁面に取付けられるカウンター一体型の湯水混合水栓装置である。湯水混合水栓装置1の箱体20の上面は、平坦に形成され、物を置くためのカウンターとして使用することができる。
【0026】
本実施形態の箱体20は、上カバー部材21と下カバー部材22とによって区画されている。また、上カバー部材21は、箱体20の上面を形成するべく概ね平坦に延在する上カバー本体部21aと、前面側において上カバー本体部21aから下方に垂れ下がる垂下部21bと、を有している。
【0027】
湯水混合水栓装置1には、壁面に設けられた給湯源(図示せず)から延びる湯供給管3aと、壁面に設けられた給水源(図示せず)から延びる水供給管3bと、が接続されている。また、湯水混合水栓装置1の下部にカランが設けられている。また、湯水混合水栓装置1の側部には、シャワーホース4aを介してシャワーヘッド4が接続されている。
【0028】
そして、湯水混合水栓装置1の前面側の上方に、カラン吐水用タッチ操作部5a及びシャワー吐水用タッチ操作部5bが設けられている。また、湯水混合水栓装置1の前面側に温調ハンドル30と、流調ハンドル7と、オーバーヘッドシャワー切替ハンドル8と、が設けられている。
【0029】
本実施形態の湯水混合水栓装置1は、操作者がカラン吐水用タッチ操作部5aをタッチ操作(押込み操作)することにより、止水状態と、カランからの吐水状態と、を切り替えることができる。また、操作者がシャワー吐水用タッチ操作部5bをタッチ操作(押込み操作)することにより、止水状態と、シャワーヘッド4からの吐水状態と、を切り替えることができる。
【0030】
また、温調ハンドル30は、温調制御のために温調機能部10内において回転される接続シャフト10bに結合されている。これにより、湯水混合水栓装置1は、温調ハンドル30を回転操作することにより、温調機能部10の作用により吐水温度を調整することができる。また、流調用ハンドル7を回転操作することにより、流量調整機能部の作用により吐水流量を調整することができる。
【0031】
温調機能部10は、湯供給管3aを介して給湯源から供給される湯と水供給管3bを介して給水源から供給される水とを混合して、温度調整を行うようになっている。そして、前述のように、温調ハンドル30が回転操作されることによって、温調機能部10による温度調整がなされるようになっている。このとき、一定温度以上の温度に設定するためには、温調ハンドル30に設けられた安全ボタン35を押しながら(これにより後述する係止部31が被係止部41との協働位置から退避する)、温調ハンドル30を回転する必要がある。
【0032】
次に、図2は、図1の湯水混合水栓装置1の温調機能部部分の斜視図であり、図3は、図2の温調機能部部分の正面図であり、図4は、図3のIV-IV線断面図である。また、図5は、図2乃至図4の温調機能部部分の分解側面図であり、図6は、図2乃至図5の温調機能部部分の分解斜視図である。
【0033】
図2乃至図6に示すように、本実施形態の湯水混合水栓装置1においては、温調ハンドル30の回転角度を規制する回転角度規制部材40と、温調機能部10が上カバー部材21及び下カバ-部材22から抜け出ることを防止する押さえ部材13、14とが、別体に(分離可能に)設けられている。
【0034】
更に、本実施形態においては、図2乃至図6に示すように、温調機能部10が、環状に前面側に露出する外周縁部11を有しており、温調機能部10は、温調機能部ハウジング12に包含されており、押さえ部材は、前面側から外周縁部11と軸線方向(温調ハンドル30の軸線方向)に当接するフランジ部材13と、当該フランジ部材13を温調機能部ハウジング12に固定する袋ナット14と、を有している(温調機能部ハウジング12の外周に袋ナット14と螺合する雄ネジ部(不図示)が形成されている)。すなわち、押さえ部材が、フランジ部材13と袋ナット14という2部品に更に分離可能となっている。
【0035】
また、本実施形態では、図6に示すように、フランジ部材13の後方側の内周面に係合位置調整用の溝パターン(または凸パターン)13bが設けられており、当該溝パターン13bに対応する凸パターン10b(または溝パターン)が、温調機能部10の外周面に設けられている。これにより、フランジ部材13と温調機能部10とは、回転方向に任意の相対位置で係合可能となっている。これにより、溝パターン13bと凸バターン10bとが前後にずれている係合前の状態では、フランジ部材13bは温調機能部10に対して自由回転可能である一方、溝パターン13bと凸パターン10bとが係合した状態では、フランジ部材13bは温調機能部10に対して回転方向に固定されるようになっている。
【0036】
一方、フランジ部材13と回転角度規制部材40とは、例えばフランジ部材13に設けられた嵌合凹部13aが、回転角度規制部材40に設けられた対応する嵌合凸部(不図示)と嵌合することによって、回転方向に固定されるようになっている。これにより、回転角度規制部材40は、フランジ部材13を介して、温調機能部10に着脱されるようになっている。
【0037】
また、本実施形態の回転角度規制部材40は、図5及び図6に示すように、温調ハンドル30の回転角度に応じて温調ハンドル30の係止部31(図3参照:安全ボタン35の操作によって位置が移動する)と協働して温調ハンドル30の更なる回転を規制する被係止部41を有している。被係止部41は、回転角度規制部材40を温調機能部10に対して着脱する際において(嵌合凹部13aと嵌合凸部とを軸線方向に摺動移動させる際において)、回転角度規制部材40の下方側において軸線方向に前面側に突出して回転角度規制部材40の上方側に対して段差部42を形成するような位置姿勢を取ることが可能となっている。
【0038】
その他、本実施形態では、上カバー部材21は温調機能部10の上面側に位置しており、下カバー部材22は温調機能部10の下面側に位置しており、上カバー部材21及び下カバー部材22は、温調機能部ハウジング12を介して、温調機能部10を支持している。そして、図1に照らして図2乃至図6を参照することによって明らかなように、上カバー21の垂下部21bは、前面側から温調ハンドル30の軸線方向に見て、回転角度規制部材40と少なくとも部分的に重複する位置関係となっている。
【0039】
以上のような本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、上カバー部材21の垂下部21bが軸線方向に回転角度規制部材40と少なくとも部分的に重複しているにも拘わらず、押さえ部材13、14と回転角度規制部材40とを別体に(分離可能に)構成していることにより、上カバー部材21が取り外されていない状態でも、押さえ部材13、14と回転角度規制部材40とを取り外すことが容易であり、ひいては、上カバー部材21を取り外さずにメンテナンス作業を実施することが容易である。
【0040】
上カバー部材21は、通常、傷つけないように取り扱うことが求められる。このため、上カバー部材21を取り外さずに済むことは、取り外しの労力削減のみならず、メンテナンス作業全体を容易化するという効果もある。
【0041】
更に、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、押さえ部材が、フランジ部材13と袋ナット14という2部品に更に分離可能であるため、上カバー部材21が取り外されていない状態で押さえ部材を取り外すことが更に容易である。
【0042】
また、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、フランジ部材13と温調機能部10とが回転方向に係合可能であって、且つ、両者の係合位置が調整可能であるため、フランジ部材13と回転角度規制部材40とを回転方向に固定した状態でフランジ部材13と温調機能部10との係合位置を調整することによって、回転角度規制部材40の位置姿勢(すなわち温調ハンドル30の回転範囲)を調整することができる。これにより、回転角度規制部材40の位置姿勢(すなわち温調ハンドル30の回転範囲)の調整を、より容易に実施することができる。
【0043】
また、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、回転角度規制部材40を温調機能部10に対して着脱する際において、被係止部41の位置姿勢を回転角度規制部材40の下方側において軸線方向に前面側に突出するように調整することにより(これにより、回転角度規制部材40の上方側に対して段差部42が形成される)、段差部42(及びその上方の凹部)を利用して、取り付けられたままの上カバー部材21を回避しながら、回転角度規制部材40を着脱することが容易となる。
【符号の説明】
【0044】
1 湯水混合水栓装置
3a 湯供給管
3b 水供給管
4 シャワーヘッド
4a シャワーホース
5a カラン吐水用タッチ操作部
5b シャワー吐水用タッチ操作部
7 流調ハンドル
8 オーバーヘッドシャワー切替ハンドル
10 温調機能部
10a 接続シャフト
10b 凸パターン
11 外周縁部
12 温調機能部ハウジング
13 フランジ部材(押さえ部材の一部)
13a 嵌合凹部
13b 溝パターン
14 袋ナット(押さえ部材の一部)
20 箱体
21 上カバー部材
21a 上カバー本体部
21b 垂下部
22 下カバー部材
30 温調ハンドル
31 係止部
35 安全ボタン
40 回転角度規制部材
41 被係止部
42 段差部
101 従来の湯水混合水栓装置
110 温調機能部
111 外周縁部
112 温調機能部ハウジング
140 回転角度規制部材(押さえ部材を兼ねる)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7