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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】支柱の取付装置
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/20 20060101AFI20220601BHJP
   F21V 21/088 20060101ALI20220601BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20220601BHJP
   F21S 6/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
F16M11/20 T
F21V21/088 310
F16B2/12 B
F21S6/00 400
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018098785
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019203554
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】599041411
【氏名又は名称】株式会社アスカ
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【弁理士】
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】相原 弘武
(72)【発明者】
【氏名】長濱 康裕
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-175019(JP,A)
【文献】登録実用新案第3083528(JP,U)
【文献】特開2000-055017(JP,A)
【文献】特開2004-060706(JP,A)
【文献】特開平08-315615(JP,A)
【文献】特開2016-102542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0309532(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/20
F21V 21/088
F16B 2/12
F21S 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱の下端部を保持可能に構成された支柱保持部の下方に天板に対するクランプ部を備えてなる支柱の取付装置であって、
前記クランプ部は、下部を天板の上面に対する当接部とした第一部分と、前記第一部分の前記当接部との間で前記天板を挟持可能とする挟持部を有すると共に前記第一部分に上下方向の移動可能で且つ鉛直軸周りの回転不能な状態で組み合わされた第二部分を有しており、
前記第一部分内において前記支柱保持部側に備えられた雄ネジ体を前記第二部分に形成された雌ネジ部に対し、前記第一部分を把持しての前記支柱保持部の鉛直軸周りの回転操作によって前記第二部分が上下動されるように螺合させてなり、
さらに、前記支柱保持部の外側に、上下動可能で且つ鉛直軸周りの回転不能な状態で組み合わされたロック体が備えられていると共に、前記第一部分に前記ロック体を下方に移動させ切った位置で前記ロック体に形成された係合部にかみ合う被係合部を備えさせてなる、支柱の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、机やテーブルなどの家具や事務機器などを構成する天板に、支柱を備えた各種物品のこの支柱を取り付けるために用いられる取付装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
コ字状に屈曲された取付金具の上片に回転操作可能に備えられると共に電話機台などの支柱の支持孔を備えた嵌合軸の回転操作により、取付金具の垂直片に上下動可能に組み合わされた挟持体を移動させて、取付金具の下片と挟持体との間で天板を挟み付けて天板に取り付けられる支柱の取付装置として特許文献1に示されるものがある。
【0003】
この特許文献1の取付装置は、天板上から天板の締め付け操作が可能であるが、前記回転操作により移動される挟持体はコ字状に屈曲された取付金具の上片と下片間にあって、この間で移動される挟持体と取付金具の下片との間で天板を挟み付ける構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-80998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の支柱の取付装置において、天板に対する取付装置の取り付け操作をより容易に行なうことが可能な合理的な構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、支柱の取付装置を、支柱の下端部を保持可能に構成された支柱保持部の下方に天板に対するクランプ部を備えてなる支柱の取付装置であって、
前記クランプ部は、下部を天板の上面に対する当接部とした第一部分と、前記第一部分の前記当接部との間で前記天板を挟持可能とする挟持部を有すると共に前記第一部分に上下方向の移動可能で且つ鉛直軸周りの回転不能な状態で組み合わされた第二部分を有しており、
前記第一部分内において前記支柱保持部側に備えられた雄ネジ体を前記第二部分に形成された雌ネジ部に対し、前記第一部分を把持しての前記支柱保持部の鉛直軸周りの回転操作によって前記第二部分が上下動されるように螺合させてなる、ものとした。
【0007】
第一部分の当接部と第二部分の挟持部との間に天板を介在させた状態において、天板の上面に第一部分の当接部を押し当てながら例えば右利きであれば左手で第一部分を把持する。この状態から、支柱保持部を例えば右利きであれば右手で前記回転操作すると、第二部分は第一部分に上下方向の移動可能で且つ鉛直軸周りの回転不能な状態で組み合わされていることから、第二部分を上方に移動させて第一部分の当接部と第二部分の挟持部との間で天板を挟み付けることができる。これにより、天板に取付装置を容易に取り付け可能となる。天板から取付装置を外す場合は、前記と同じように第一部分を把持しながら支柱保持部を前記と逆向きに回転操作して、第二部分を下方に移動させる。
【0008】
前記支柱保持部の外側に、上下動可能で且つ鉛直軸周りの回転不能な状態で組み合わされたロック体を備えさせると共に、前記第一部分に前記ロック体を下方に移動させ切った位置で前記ロック体に形成された係合部にかみ合う被係合部を備えさせるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、この種の支柱の取付装置において、天板に対する取付装置の取り付け操作を、前記第一部分を把持しての前記支柱保持部の鉛直軸周りの回転操作によって、天板の上側からより容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、この発明の一実施の形態にかかる取付装置の使用状態を示した側面構成図である。
図2図2は、前記取付装置の要部切断端面構成図である。
図3図3は、前記取付装置の要部断面構成図であり、図2と90度異なる向きから示している。
図4図4は、前記取付装置の要部断面構成図であり、クランプ部の第二部分を引き上げきった様子を示している。
図5図5は、図2におけるA-A線位置での断面構成図である。
図6図6は、前記取付装置の分解斜視構成図である。
図7図7は、支柱保持部の側面図である。
図8図8は、支柱保持部の底面図である。
図9図9は、図8におけるB-B線位置での断面構成図である。
図10図10は、ロック体の平面図である。
図11図11は、ロック体の側面図である。
図12図12は、ロック体の底面図である。
図13図13は、図10におけるC-C線位置での断面構成図である。
図14図14は、前記取付装置の要部側面図であり、ロック体の係合部とクランプ部の第一部分の被係合部との係合を解いた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図14に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる支柱の取付装置1は、机やテーブルなどの家具や事務機器などを構成する天板10に、支柱11を備えた各種物品のこの支柱11の下端側を取り付けるために用いられるものである。支柱11を備えた各種物品としては、典型的には、テレホンスタンド、デスクライトなどがあげられる。図示の例では、取付装置1によって、上部に固定電話器の載置部12aを備え、この載置部12aと支柱11とをアーム部12bで連結してなるテレホンスタンドを天板10に取り付けた例を示している。
【0012】
取付装置1は、支柱11の下端部を保持可能に構成された支柱保持部2と、天板10に対するクランプ部3とを備えている。クランプ部3は支柱保持部2の下方に位置される。
【0013】
支柱保持部2は、筒上端4aを開放させ筒下端4bを閉塞させた筒状主体4と、雄ネジ体5と、ロック体6とを備えている。
【0014】
筒状主体4は、図示の例では、筒軸(図示の例では図1に記載の鉛直軸xと一致)に直交する向きの断面を上下方向に亘る各位置において円形とした円筒状を呈している。筒状主体4の内径は、保持対象となる支柱11の外径と実質的に等しくなっている。これにより、この実施の形態にあっては、天板10に取付装置1を固定させた状態において、支柱保持部2を構成する筒状主体4の筒上端4a側から保持対象となる支柱11の下端側を差し込むと、筒状主体4の筒軸を中心とした回転可能に、つまり、前記テレホンスタンドを前記鉛直軸x周りに旋回可能とした状態で、筒状主体4において前記テレホンスタンドの支柱11を保持できるようになっている。
【0015】
雄ネジ体5は、図示の例では、六角ボルト状をなすように構成されている。雄ネジ体5は、図示の例では、筒状主体4の全長と実質的に同じ長さを持ち、その頭部5aを筒状主体4の筒下端4bの閉塞部4cの中央に固定して筒状主体4と一体となっており、この閉塞部4cの中央から下方に延出している。
【0016】
前記支柱保持部2の外側、図示の例では、筒状主体4の閉塞部4cの外側に、上下動可能で且つ鉛直軸x周りの回転不能な状態で、ロック体6が組み合わされている。
【0017】
ロック体6は、筒両端を共に開放させた短寸円筒状のリング部6aの内側に、周回隆起部6bを形成させてなる。周回隆起部6bにおけるリング部6aの筒軸に平行をなす突き出し面6cには、前記筒軸を巡る向きにおいて隣り合う突起6dとの間に間隔を開けて複数の突起6dが形成されている。一方、筒状主体4の閉塞部4cの外側には、ロック体6の突起6dを受け入れる上下方向に延びる溝4dが突起6dの数と位置に整合するように複数形成されている。図9に示されるように、この溝4dの溝底には、その上下方向中程の位置においてこの溝4dの深さをやや減じる突出部4eが形成されている。ロック体6は、この溝4dに突起6dを納めた状態で、クランプ部3の後述の第一部分7上に位置づけられるようになっている。これにより、ロック体6は、前記溝4dの範囲で上下動可能であるが、鉛直軸x周りの回転不能な状態で、支柱保持部2に組み合わされている。
【0018】
また、ロック体6には、前記ロック体6を下方に移動させ切った位置で前記第一部分7に備えられた被係合部7aにかみ合う係合部6eが形成されている。図示の例では、かかる係合部6eは、周回隆起部6bの下面部6iに形成されている。
【0019】
ロック体6を下方に移動させ切った位置では、前記突起6dが前記溝4dにおける突出部4eの下方に位置するようになっている。この位置(図2)では、係合部6eが被係合部7aに係合し、第一部分7を把持して支柱保持部2を鉛直軸x周りに図2におけるR1方向に回転させようとしてもロック体6を介して支柱保持部2と第一部分7とが一体になっているので支柱保持部2は回転操作できない。ロック体6を下方に移動させ切った位置からロック体6を上方に移動させると、ロック体6の周回隆起部6b側がやや弾性変形して前記突出部4eを前記突起6dが乗り越え、係合部6eと被係合部7aとの係合が解かれると共に、前記突起6dが前記溝4dにおける突出部4eの上方に位置して、この係合が解除された状態が維持されるようになっている。この係合解除状態では、第一部分7を把持して支柱保持部2を鉛直軸x周りに図2におけるR1方向に回転操作することが可能となる。
【0020】
なお、図示の例では、係合部6eは前記鉛直軸xを周回する方向において凸所と凹所とを交互に備えて凸所を歯部6fとする鋸歯状をなし、被係合部7aもこれに整合した前記鉛直軸xを周回する方向において凸所と凹所とを交互に備えて凸所を歯部7bとする鋸歯状をなしている。また、これらを構成する各歯部6f、7bは側面の一方を鉛直軸xに実質的に平行なストップ面6g、7cとすると共に、側面の他方を傾斜した逃がし面6h、7dとしており、前記R1方向への支柱保持部2の回転操作はストップ面6g、7cにより阻止するが、これと反対の図2におけるR2方向への支柱保持部2の回転操作は逃がし面6h、7dの傾斜によりロック体6を上方に移動させることで許容するようになっている。前記R2方向に支柱保持部2が回転されたときは、クランプ部3の後述する第二部分が上方に移動されるようになっている。すなわち、天板10をクランプ部3の第一部分7と後述の第二部分8とで締め付ける向きへの支柱保持部2の回転操作は常に許容されるようになっている。
【0021】
一方、前記クランプ部3は、下部を天板10の上面に対する当接部7eとした第一部分7と、前記第一部分7の前記当接部7eとの間で前記天板10を挟持可能とする挟持部8aを有すると共に前記第一部分7に上下方向の移動可能で且つ鉛直軸x周りの回転不能な状態で組み合わされた第二部分8を有している。
【0022】
また、前記第一部分7内において前記支柱保持部2側に備えられた雄ネジ体5を前記第二部分8に形成された雌ネジ部8bに対し、前記第一部分7を把持しての前記支柱保持部2の鉛直軸x周りの回転操作によって前記第二部分8が上下動されるように螺合させている。
【0023】
第一部分7の当接部7eと第二部分8の挟持部8aとの間に天板10の縁部を介在させた状態において、天板10の上面に第一部分7の当接部7eを押し当てながら例えば右利きであれば左手で第一部分7を把持する。この状態から、支柱保持部2を例えば右利きであれば右手で前記回転操作すると、第二部分8は第一部分7に上下方向の移動可能で且つ鉛直軸x周りの回転不能な状態で組み合わされていることから、第二部分8を上方に移動させて第一部分7の当接部7eと第二部分8の挟持部8aとの間で天板10の縁部を挟み付けることができる。これにより、天板10に取付装置1を容易に取り付け可能となる。天板10から取付装置1を外す場合は、前記と同じように第一部分7を把持しながら支柱保持部2を前記と逆向きに回転操作して、第二部分8を下方に移動させる。
【0024】
図示の例では、第一部分7は、筒状の胴部7fと、この胴部7fの上端を塞ぐ天部7kと、この胴部7fの下端に取り付けられる底板7oとを備えている。
【0025】
天部7kの中央に、前記雄ネジ体5の通し孔7mが形成されている。また、天部7kの外面には、短寸円筒状を呈する周回立ち上がり部7nが形成されている。そして、この周回立ち上がり部7nの突き出し端部に前記被係合部7aが形成されている。
【0026】
胴部7fは、前記鉛直軸xを中心とした仮想の円の円弧に実質的に沿うように形成された湾曲側面7gと、前記鉛直軸xを含む仮想の鉛直面に平行をなす平坦側面7hと、湾曲側面7gと平坦側面7hとを連続させるように形成された中間側面7iとを備えた形態となっている。
【0027】
底板7oの上面に、前記雄ネジ体5の下端を回転可能に軸支する受け金具7pの固定部が形成されており、天部7kの通し孔7mを通じて胴部7f内に通された雄ネジ体5は支柱保持部2を前記のように回転操作すると胴部7f内、つまり、クランプ部3の第一部分7内で回転するようになっている。
【0028】
また、底板7oは、前記胴部7fの下端を、前記平坦側面7hとの間に第二部分8の後述の垂直部8eを通過させる隙間9を形成させた状態で、塞ぐ形態となっている。
【0029】
前記第二部分8は、第一部分7内に常時位置される上部水平部8cと、第一部分7の下方に常時位置される下部水平部8dと、上部水平部8cと下部水平部8dとを連絡する垂直部8eとを備えている。図示の例では、上部水平部8cは板面を水平に配した板状を呈しており、また、上部水平部8cにはこれを上下方向に貫通する雌ネジ孔が形成されており、この雌ネジ孔が前記雌ネジ部8bとして機能するようになっている。垂直部8eは、上部水平部8cにおける平坦側面7h側に位置される辺に板上端を一体化し、かつ、下部水平部8dにおける平坦側面7h側に位置される辺に板下端を一体化した、平坦側面7hに実質的に平行をなす上下方向に長い板状を呈している。下部水平部8dは板面を水平に配した板状を呈しており、この下部水平部8dの上面が前記挟持部8aとして機能するようになっている。
【0030】
図示の例では、前記雄ネジ体5を第二部分8の上部水平部8cの雌ネジ部8bにネジ付けて通し、次いで、胴部7fの下端に底板7oを取り付けることで、第一部分7と第二部分8とを組み合わせている。
【0031】
図3図5に示されるように、第一部分7の胴部7fの中間部には、左右にそれぞれ、上下方向に亘って、前記平坦側面7hの内面に直交する向きのガイド面7jが形成されている。左右のガイド面7j間の距離は第二部分8の垂直部8eの水平方向の寸法と実質的に等しく、これにより、第一部分7の胴部7fに対し、第二部分8は、上下方向の移動可能で且つ鉛直軸x周りの回転不能な状態で組み合わされている。
【0032】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0033】
2 支柱保持部
3 クランプ部
5 雄ネジ体
7 第一部分
7e 当接部
8 第二部分
8a 挟持部
8b 雌ネジ部
10 天板
x 鉛直軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14