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特許7082318裏側集積回路高周波数信号の放射、受信、及び相互接続のための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】裏側集積回路高周波数信号の放射、受信、及び相互接続のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 23/00 20060101AFI20220601BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20220601BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01L27/04 F
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018534731
(86)(22)【出願日】2016-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2016069137
(87)【国際公開番号】W WO2017117362
(87)【国際公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-12-13
(31)【優先権主張番号】14/982,932
(32)【優先日】2015-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン スタッセン クック
(72)【発明者】
【氏名】スワミナサン サンカラン
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516327(JP,A)
【文献】特開2005-109933(JP,A)
【文献】特開2012-195886(JP,A)
【文献】特開平10-224141(JP,A)
【文献】特開平07-074285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 27/04
H01P 5/107
H01P 11/00
H01Q 13/00- 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
半導体基板であって、第1のレベルにおいて回路要素を含む表側表面であって、前記回路要素が前記半導体基板の活性領域に形成される、前記表側表面と、前記表側表面と反対の裏側表面とを有する、前記半導体基板と、
第2のレベルに形成される金属導体スタックであって、前記第2のレベルが、前記第1のレベルの上に重なり、複数のサブレベルを含む、前記金属導体スタックと、
前記裏側表面においてエッチングされて前記半導体基板内に延在する少なくとも1つのキャビティ開口であって、少なくとも前記第2のレベルが前記キャビティ開口の上に重なる、前記キャビティ開口と、
前記裏側表面における前記キャビティ開口を介して信号を放射するように前記金属導体スタックの一部において形成される構造であって、前記第2のレベルのサブレベルの少なくとも1つにおいて形成される、前記構造と、
前記第2のレベルの上に重なり前記第2のレベルに近接する反射性表面であって、前記第2のレベルのサブレベルの少なくとも1つによって前記構造から離間され、前記裏側表面における前記キャビティ開口に向かって前記放射された信号を反射するように構成される、前記反射性表面と、
を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記反射性表面が電気的リフレクタである、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記反射性表面が、180度の位相シフトで前記放射された信号を反射するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
前記反射性表面が、前記反射された信号の波長の1/100~1/2の間の波長の分数である距離だけ前記構造から離間される、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記反射性表面が磁気リフレクタである、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記反射性表面が、0度の位相シフトで前記放射された信号を反射するように構成される、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記放射された信号が0.1THz~30THzの周波数を有する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記キャビティ開口が傾斜した側壁を有する、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記キャビティ開口が前記放射された信号のための導波路を形成する、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、
前記キャビティ開口が垂直の側壁を有する、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、
前記キャビティ開口が導電性材料コーティングを有する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記導電性材料コーティングが、前記キャビティ開口を越えて前記裏側表面上に延在しない、装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
前記構造がアンテナを形成する、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置であって、
前記構造が放射構造である、装置。
【請求項15】
方法であって、
第1のレベルにおいて金属導体スタックを形成することであって、前記第1のレベルが半導体基板の表側表面の上に重なって複数のサブレベルを含み、前記表側表面が第2のレベルにおける回路要素を含み、前記第2のレベルが前記第1のレベルの上に重なり、前記回路要素が前記半導体基板の活性領域に形成される、前記金属導体スタックを形成することと、
前記半導体基板の裏側表面において裏側キャビティ開口を形成することであって、前記裏側キャビティ開口が前記半導体基板内に延在し、少なくとも前記第1のレベルが前記裏側キャビティ開口の上に重なる、前記裏側キャビティ開口を形成することと、
前記裏側キャビティ開口を介して信号を放射するための構造を前記金属導体スタックの一部において形成することであって、前記構造が前記第1のレベルのサブレベルの少なくとも1つにおいて形成される、前記構造を形成することと、
前記第1のレベルの上に重なり前記第1のレベルに近接する反射性表面を形成することであって、前記反射性表面が、前記第1のレベルのサブレベルの少なくとも1つによって前記構造から離間され、前記裏側表面における前記裏側キャビティ開口に向けて前記放射された信号を反射するように構成される、前記反射性表面を形成することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記裏側キャビティ開口を形成することが、前記半導体基板を所定の厚みまで薄くするために前記半導体基板をバックグラインドすることを含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記裏側キャビティ開口を形成することが、傾斜した側壁を備える開口を形成するためにウェットエッチを実施することを含む、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記裏側キャビティ開口を形成することが、本質的にKOHウェットエッチとTMAHエッチとディープ反応性イオンエッチとで構成されるグループから選択される1つであるエッチングを実施することを含む、方法。
【請求項19】
システムであって、
第1の集積回路であって、
THz周波数信号を放射する第1のアンテナであって、前記第1のアンテナが第1のレベルにおける第1の金属導体スタックに形成され、前記第1のレベルが第1の半導体基板の表側表面の上に重なって複数のサブレベルを含み、前記第1のアンテナが前記第1のレベルのサブレベルの少なくとも1つにおいて形成され、前記第1の半導体基板の表側表面が前記半導体基板の活性領域に形成される第1の回路要素を含む、前記第1のアンテナと、
前記第1の半導体基板の裏側表面において形成され、前記第1のアンテナに対応する箇所において前記第1の半導体基板内に延在する第1の開口であって、前記第1のレベルが前記第1の開口の上に重なる、前記第1の開口と、
前記第1のレベルの上に重なって前記第1のレベルに近接する第1の反射性表面であって、前記第1のレベルのサブレベルの少なくとも1つにより前記第1のアンテナから離間され、前記第1の半導体基板の裏側表面における前記第1の開口に向けて前記放射されたTHz周波数信号を反射するように構成される、前記第1の反射性表面と、
を含む、前記第1の集積回路と、
第2の集積回路であって、
前記THz周波数信号を受信する第2のアンテナであって、前記第2のアンテナが第2のレベルにおける第2の金属導体スタックに形成され、前記第2のレベルが第2の半導体基板の表側表面の上に重なって複数のサブレベルを含み、第2のアンテナが前記第2のレベルのサブレベルの少なくとも1つに形成され、前記第2の半導体基板の表側表面が前記半導体基板の活性領域に形成される第2の回路要素を含む、前記第2のアンテナと、
前記第2の半導体基板の裏側表面において形成され、前記第2のアンテナに対応する箇所において前記第2の半導体基板内に延在する第2の開口であって、前記第2のレベルが前記第2の開口の上に重なる、前記第2の開口と、
を含む、前記第2の集積回路と、
を含み、
前記第1及び第2の開口が、互いに面しており、前記第1の集積回路から前記第2の集積回路への前記THz信号の伝送を促進するために一方から他方へ整合されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して集積回路及び集積波構造に関し、更に特定して言えば、半導体デバイスにおける高周波数放射及び受信のための裏側波構造を構築することに関連する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において用いられるように、「テラヘルツ」という用語は、約0.1THz~約30.0THzの周波数の範囲に対応する約3000μm~10μmの波長の電磁伝送を包含する。
【0003】
集積回路からアンテナ又は相互接続に、ミリ波、サブTHZ、及びTHz信号を結合することは、3つの主たる問題のため、従来の解決策において問題となり得る。
【0004】
第1の問題は、金属における表皮深さに起因するバックエンド材料において生じる損失、並びに、酸化物及び窒化物における誘電体損失に関与する。高利得アンテナを達成するため、又は高周波数チップ間相互接続を形成するために、波長に対して大型の構造がバックエンド処理において必要とされ、これにより、導体及び誘電体損失が著しく増大される。
【0005】
第2の問題は表面波に関与し、表面波は、金属インタフェース上の誘電体が信号波長に対して大きいときに現れる伝播モードである。表面波は、アンテナ及び相互接続において信号損失(効率損失)を生じさせる。図1A及び図1Bは、効率(図1Aの縦軸上に示される)のグラフを示し、Hは、金属M1の頂部の上の誘電体の厚みであり、比H/λoが横軸上に示されている。典型的なバックエンド誘電体は6ミクロン厚みであり、これは、1THz周波数で0.02(H/λo)であり、図1Aに示すように、これはパッチアンテナ(バックエンドにおける伝送ラインと同様である)における表面波に起因する10%の電力損失となる。図1Bは、例示の構造における表面波効果を図示し、エネルギーが、誘電体層の表面に沿った波として送信されており、そのため、構造から離れて効率的に送信されていないことを示す。
【0006】
第3の問題は、典型的に、従来の半導体デバイスのために用いられる、頂部レベル金属構造及び誘電性材料に関与する。これらの材料は、ラジエータ又は結合構造に用いられるとき、THz周波数信号の効率的な放射及び受信には損失が大きすぎる。
【0007】
米国特許番号第8,450,687号における少なくとも幾つかの問題に対処するための従来のアプローチの一つにおいて、アンテナが集積回路(IC)上に直接集積される。米国特許番号第8,450,687号では、「表」側と称されることもあるICの回路側又は頂部側上でエネルギーを放射する目的で、アンテナがIC上に形成される。米国特許番号第8,450,687号に記載されたアンテナ構造は、構築されるアンテナがIC構築プロセスに組み込まれ得るという点において、従来のアプローチよりも製造コストを低減するように形成され、そのため、従来のアプローチにおけるような微細加工の付加的なコストが節約される。米国特許番号第8,450,687号のアプローチの別の特徴は、用いられるアンテナが、従来のプラナースタイルの統合アンテナよりも放射効率を改善するという点である。しかし、付加的な問題が残る。
【文献】米国特許番号第8,450,687号
【0008】
図2A及び図2Bは、IC製造システム内に構築された従来の頂部側アンテナを図示する。図2Aにおいて、断面図200が、半導体基板210a、能動エリア212を形成するドープされた表面領域、及び金属導体スタック214を示す。金属導体スタック内で、接地平面220a及びアンテナ222aが形成され、アンテナ222aは金属導体スタック214の最上部にある。金属導体スタック214は、複数レベル金属構造から形成され得、導体は、例えば、集積回路製造における半導体基板の表面の上に形成されるなどの誘電体層により分離されるレベルにおいて形成される。図2Bにおいて、この構造の上面図202が図示され、この場合も、半導体基板210b、接地平面220b、及びアンテナ構造222bを示している。また、このアンテナ構造が、シリコン、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ化物、又はその他の半導体ウェハなどの半導体基板の頂部又は回路側上に形成されることを説明するのを助けるために、多数のボンドパッド224及びボンド配線230が示されている。アンテナ222aは半導体基板の頂部側上に形成されており、エネルギーは、ウェハ又は基板210bの頂部側から上方に放射される。
【0009】
図3は、信号を放射するオペレーションにおける従来の頂部側アンテナ300(図2A及び図2Bに示すものなど)、及び対応するバルーングラフ340を示す。図3は、ウェハ又は半導体基板310、頂部側アンテナ322、ボンドパッド324、及びボンド配線330を含む配置300を示す。バルーングラフ340は、オペレーションにおいて頂部側アンテナ322により放射されるシミュレートされたエネルギーを表わす。この配置300では、ピーク利得は、図3におけるグラフスケール342及びバルーングラフ340で示すように約7dBであることがシミュレーションにおいて分かった。
【0010】
従って、商業用半導体プロセスとの互換性があり、THz及びサブTHz周波数で信号を効率的に送信及び受信し得る、方法について、及びカプラー又はアンテナについて、改善が引き続き必要とされている。放射されたエネルギーを他のTHz構成要素に一層効率的に結合する能力を備える、一層高い利得のアンテナが望ましい。
【発明の概要】
【0011】
装置の記載される例において、半導体基板が、表側表面、及び表側表面と反対の裏側表面を有する。表側表面の上に金属導体が形成される。少なくとも一つのキャビティ開口が、裏側表面においてエッチングされる。放射又は結合構造が、金属導体の一部において形成され、裏側表面におけるキャビティ開口を介して信号を放射するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】表面波効果を有する従来の構造における損失を示す信号効率を図示する。
図1B】表面波効果を有する従来の構造における損失を示す信号効率を図示する。
【0013】
図2A】ICと統合される従来の頂部側アンテナを図示する。
図2B】ICと統合される従来の頂部側アンテナを図示する。
【0014】
図3】アンテナから放射される信号強度を図示する、従来の頂部側アンテナ及びバルーングラフを示す。
【0015】
図4A】半導体基板の裏側において形成されるキャビティを備える、CMOSプロセス内で構築されるアンテナ配置を図示する。
図4B】半導体基板の裏側において形成されるキャビティを備える、CMOSプロセス内で構築されるアンテナ配置を図示する。
図4C】半導体基板の裏側において形成されるキャビティを備える、CMOSプロセス内で構築されるアンテナ配置を図示する。
【0016】
図5A】半導体基板の裏側において形成される導波路を備えて構築される、別のアンテナ配置を図示する。
図5B】半導体基板の裏側において形成される導波路を備えて構築される、別のアンテナ配置を図示する。
図5C】半導体基板の裏側において形成される導波路を備えて構築される、別のアンテナ配置を図示する。
【0017】
図6】システムにおいて裏側アンテナにより放射されるエネルギーを示すバルーングラフを示す。
【0018】
図7A】幾つかの例示の配置を図示するために、半導体基板の裏側において形成されるアンテナ及び導波路の異なる図を示す。
図7B】幾つかの例示の配置を図示するために、半導体基板の裏側において形成されるアンテナ及び導波路の異なる図を示す。
図7C】幾つかの例示の配置を図示するために、半導体基板の裏側において形成されるアンテナ及び導波路の異なる図を示す。
図7D】幾つかの例示の配置を図示するために、半導体基板の裏側において形成されるアンテナ及び導波路の異なる図を示す。
【0019】
図8A】半導体基板の裏側に形成されるアンテナ及びキャビティのための付加的な配置の断面図を示す。
図8B】半導体基板の裏側に形成されるアンテナ及びキャビティのための付加的な配置の断面図を示す。
図8C】半導体基板の裏側に形成されるアンテナ及びキャビティのための付加的な配置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
異なる図における対応する数字及び記号は、特に示されない限り、概して対応する部分を指す。図面は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。
【0021】
例示の実施例は、集積回路、ウェハ、又は半導体基板上に製造されるラジエータ又は結合構造からのTHz周波数放射エネルギーを効率的に放射及び検出する能力を拡張する。
【0022】
本記載において、「結合される」という用語は、「直接的に結合される」こと、及び介在要素を用いて成される接続を含む。「結合される」と記載される場合、任意の要素間に付加的な要素及び種々の接続が用いられ得る。
【0023】
記載される例において、統合アンテナが、ICの裏側に形成されるキャビティを備えるアンテナ部を構築することにより、半導体基板又はウェハの裏側から向けられる受信又は送信のためサブTHz及びTHz放射を提供し得る。
【0024】
基板の裏側内にアンテナを構築することは、放射構造の接地平面に対する均一な平行方位を可能にし、ラジエータと接地平面リフレクタとの間の正確な間隔を有し、これにより、放射される信号が強化され、利得が改善される。また、例示の実施例は、機械的にロバストであり、既存の半導体製造プロセスとの互換性がある高周波数信号に対するアンテナ及び結合構造を提供する。
【0025】
更に、例示の実施例は、ウェハ又は基板内の導波路を含み、THzエネルギーの、他のICへ、パッケージへ、再配線層へ、導波路へ、又は同じIC上の他のポイントへの効率的な結合を可能にする。
【0026】
少なくとも一つの例示の実施例が、エネルギーを半導体基板又はウェハの裏側から外に放射するためにアンテナ構造を反転させる構造を含む。種々の配置において、異なるエッチング手法及びプロセスが、ウェハ又は半導体基板の裏側において種々のキャビティ又は導波路を形成するために用いられ、異なるパターンでアンテナ又は結合構造の下に、アンテナ又は結合構造に近接して配置される。例示の実施例は、放射されたエネルギーの利得特性を従来のアプローチよりも改善する。また、例示の実施例は、サブTHz及びTHzアンテナを製造するために従来のアプローチにおいて利用可能ではない、付加的な結合構造及び伝送方法を可能にする。例示の実施例は、非放射の導波路構造において、THz信号を一つのポイントから別のポイントへ誘導するための結合構造を提供する。アンテナ又は結合構造がウェハの裏側に形成されるので、従来の頂部側アンテナにより生じる損失が避けられる。本明細書においてこれ以降に記載するように、例示の実施例は更なる利点を達成する。キャビティは、導波路又はアンテナホーンとして配され得る。再配線層又はTHzビームフォーミング手法は、アンテナ又は結合構造と電気又は磁気リフレクタと間の間隔を制御することによって、及び、半導体基板材料の制御されたエッチングによることを含む、キャビティの形状を変えることによって、及び、半導体基板又はウェハの厚みを薄化するか又は制御することによって、達成され得る。例示の実施例は、従来のアプローチを用いて達成し得ない、サブTHz及びTHz周波数信号のための効率的なラジエータ及び検出器を提供する。結合構造及びキャビティ又は導波路を用いるTHzシグナリングは、これまで利用不能であった高周波数でのオンダイ、ダイ・ツー・ダイ、又はダイ・ツー・パッケージ接続に対して達成され得る。
【0027】
図4A図4Cは、ウェハ基板の裏側において形成されるキャビティ開口又は導波路を備える、半導体プロセス内で構築されるTHzアンテナの例示の配置を図示する。図4Aは、キャビティ開口又は導波路424aを備える、従来のCMOS処理で製造されるウェハ410aの断面400を図示する。基板410aの表面における領域412が、能動又は受動回路構成要素を含み得る。標準的なMOS半導体プロセスを用いて形成される例示の配置において、CMOS構成要素(例えば、MOSトランジスタから形成される能動回路要素、及び、幾つかの配置において、コンデンサ及び抵抗器などの受動回路要素)が能動領域412において形成され得る。例えば、領域412において能動MOSデバイスを形成するため、チャネルにより間隔が空けられたソース及びドレイン領域を形成するために、イオン注入、ドーピング、及び拡散プロセスが用いられ得る。半導体基板410aの表面上に形成される金属導体システム414は、少なくとも一つのアンテナ構造422aと、距離420、アンテナから分離される対応する反射面416aとを含む。金属導体システムの他の部分が、トランジスタ及びコンデンサなど、ウェハ内又は上に形成される構成要素を結合するために用いられ得る。金属導体システム414は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、及び炭素含有誘電体などの誘電体層により電気的に隔離される、複数のレベル導体から形成され得る。例えば、増幅器回路要素が、能動領域412において形成され得、アンテナ構造422aに結合され得、また、レシーバ回路要素も、能動領域412において形成され得、放射された信号を受信するためにアンテナ422aに結合され得る。
【0028】
ウェハの裏側のキャビティ開口又は導波路424aを介して信号が放射する、アンテナ422aの種々の物理的実装が可能である。このような例の2つを図4B及び図4Cに図示する。図4Bにおいて、底部図402は、図4Aの金属スタックを用いる電界ラジエータを示す。この例示の配置では、導波路又はキャビティ開口424bが、アンテナ422bに対応する位置においてウェハ基板410bの裏側にエッチングされている。幾つかの付加的な代替の配置において、開口424bは、半導体基板を完全に貫いて延在してアンテナを開口に露出させ得、その他の付加的な配置において、半導体基板410a又は410bの一部が残され得る。図4Bにおいて、416bは、アンテナ422bの上に形成される金属構造の金属部を示し(この底部図ではアンテナの下に示される)、この例示の配置では、裏側開口から出る、アンテナ422bからの放射されたエネルギーを導くリフレクタとして機能する。金属416aにおいて形成されるリフレクタをアンテナ422aから間隔を空けることにより、構造的な干渉配置がつくられ得る。間隔420は、放射されている信号の波長λによって決まる。一つの配置において、リフレクタ416bは、接地平面などの電気的リフレクタであり、放射された電磁信号をユニティゲイン及び180度位相シフトで反射し得る。アンテナ422aを、λ/4に対応する距離420だけ間隔を空けることにより、アンテナ及びリフレクタ416a間で90度位相シフトが生じる。その後、信号は、付加的な180度位相シフトで反射され、リフレクタ416a/416bとアンテナ422a/422bとの間を通る更なる90度位相シフトを経る。この配置では、反射された信号がアンテナ416a/416bにおける放射された信号と構造的に干渉するように、総位相シフトはアンテナにおける360度であり、そのため、利得が達成される。距離420は、構造的な干渉/利得を達成するために放射されている信号の波長(周波数の逆数)に対して調節され得る。従って、例示の実施例を用いて、THz周波数信号の利得を達成することが容易に達成される。この有利な結果は、対象の周波数のサブThz及びThzに対して利得を得ることが困難であるか又は実際的ではないために、放射された信号が損失を示し利得を示さない従来のアプローチとは極めて対照的である。パッチアンテナ配置の場合、ラジエータを、更に効率的に放射するため接地平面にλ/100程度の近さとし得る。ラジエータ又はアンテナではなく、裏側キャビティ構造を用いて信号を送信する導体である結合構造もまた、接地平面にλ/100程度の近さとし得、効率的な伝送を行ない得る。
【0029】
別の例示の実施例が図4Cに図示されている。図4Cにおいて、磁気結合アンテナ422cの底部図403が、ウェハ基板410cにエッチングされたキャビティ開口又は導波路424cを備えて示される。エッチングされた開口は、アンテナ422cを露出させるように基板を通して延在し得る。しかし、代替の配置において、半導体基板410cの一部が小さな厚みで残され得る。信号リフレクタ416cは、アンテナ422cの下に図示されており、図4Aにおける断面図400にあるような距離420で示すようにアンテナから離間され得る。
【0030】
電気的リフレクタの代わりに磁気リフレクタ平面が用いられるとき、異なる位相シフトが生じる。完全な磁気リフレクタは、ユニティゲインである反射を有し、ゼロ度位相シフトを有する。図4Cの例において、磁気リフレクタが用いられるとき、反射された電磁エネルギーは、アンテナ422cから放射されたエネルギーと構造的に干渉し得るので、間隔420は非常に近くし得、そのため、こういった配置を用いても利得が達成され得る。このアプローチは、利得を得るために図4A及び4Bの配置にも適用し得る。
【0031】
磁気リフレクタ416cは、磁気リフレクタをつくるためにアンテナの上に金属パターンをパターニングすることにより模造(artificial)磁気リフレクタを用いて実装され得る。例えば、アンテナ又は結合構造422cは、それが半導体基板の表面に近接するように、半導体プロセスにおいて第1のレベル金属層に実装され得、図4Bにおける電気的リフレクタ416b(又は図4Cの磁気リフレクタ416c)は、金属構造の上部レベルにおいて実装され得る。模造磁気リフレクタが所望とされる場合など、リフレクタ平面をつくるために種々のパターンが有用である。
【0032】
従来の半導体プロセスにおいて、図4A図4Cにおける金属構造414は、半導体プロセスの「バックエンドオブライン」又は「BEOL」フェーズにおいて形成され得る。金属構造414における導体は、単一ダマシン又はデュアルダマシンプロセスなどを用いて、銅及び銅合金から形成され得る。例えば、このようなプロセスは、「フロントエンド」プロセスにおいて能動領域412におけるドープされた領域を形成するために、注入、拡散、及びアニールプロセスが用いられた後、金属導体を形成するためにますます用いられてきている。また、スルーシリコンビア(TSV)のためのディープ開口を形成するためなど、裏側処理がより一般的になってきている。例示の実施例において、裏側から半導体基板内に延在して形成されるキャビティ開口又は導波路開口は、BEOLプロセスにおいて(又は、その後、成され得る代替のアプローチにおいて)も実施される。KOH、TMAH、HF、及び半導体材料除去のためのその他の化学的ウェットエッチングなどのウェットエッチングが、種々の配置においてアンテナホーン構造を形成するために、傾斜する側部を備えるキャビティ開口を形成するために用いることができる。少なくとも一つの例において、シリコン基板に対し、KOHの化学的性質は、水平に対して約57度の角度を有する開口において傾斜した側壁を形成し得る。別の例示の配置において、約61度の角度を有するキャビティ開口を形成するために、TMAHウェットエッチングを用いることができる。
【0033】
下記で更に説明するように、垂直の側壁を備える導波路又はキャビティ開口が、ディープ反応性イオンエッチング(DRTE)プロセスを用いて形成され得る。特定の周波数での放射されたエネルギーのための効率的な伝送を有する、アンテナ又は導波路のためのホーン形状を決定するためにシミュレーションを用いることができる。効率及びアンテナの出力を増大させるために、ビームフォーミング手法を用いることができる。また、シミュレーションは、選ばれた周波数での放射信号を受信するために(受信及び送信が相互であり、放射及び受信パターンが常に同じである)効率的な形状を示し得る。別の代替例として、だんだんと小さくなるパターンを備えるDRIE又はウェットエッチングプロセスを反復することによって、段状の開口が形成され得る。
【0034】
更に代替の形状が、異なるウェハ厚みを用いることによって達成され得る。ウェハの裏側からの機械的薄化又は「バックグラインド」は、選ばれた周波数での電磁エネルギーの放射及び検出を最適化するため、キャビティを更に成形するようにウェハを薄化するために用いることができる。バックグラインドは、ウェハを薄くするために半導体材料の制御された厚みを取り除くために用いることができる。除去方法の付加的な例には、化学機械研磨(CMP)プロセス又は、CMP及び機械的バックグラインドの組合せを用いることが含まれる。
【0035】
半導体基板は、例示の配置において、半導体処理において通常用いられるようなウェハ、又はその一部であり得る。半導体基板は、例示の配置においてシリコンであり得る。更なる代替の配置において、半導体基板は、ガリウムヒ化物、シリコンゲルマニウム、ガリウム窒化物、インジウムリン化物、インジウムヒ化物、又は、半導体処理のために用いられる又は既知であるその他の「III-V」材料など、他の有用な材料であり得る。
【0036】
図5A図5B、及び図5Cは、半導体プロセスにおいて半導体基板内に構築されるTHzアンテナを含む代替の配置の3つの異なる図を図示し、これらは、ウェハ基板の裏側において形成される導波路を備える。図5Aにおいて、図示される断面図500は、導波路524aを備える半導体基板510aを示す。半導体基板又はウェハの表面における領域512が、集積回路のための回路構成要素を含む。基板表面上に製造される金属システム514が、アンテナ構造522aと、距離520、アンテナ522aから分離される接地平面518aとを含む。この配置において、距離520は、λ/10~λ/8の範囲を有する。対象の特定の周波数に対して520と記される距離を選択することにより破壊的干渉が避けられ得、幾つかの配置において、アンテナ522aから放射される信号に利得を付加するために構造的な干渉を用いることができ、これは、従来のアプローチに対する利点である。従来のアプローチを用いて利得を得るための実際的な手法が存在しないTHz及びサブTHz周波数などの周波数に対して、例示の実施例を用いて利得を得ることが可能である。
【0037】
信号が、裏側開口又は導波路を介して放射するか、又は裏側開口又は導波路を介して検出される、種々のアンテナ構造及び種々の結合構造が可能である。2つの付加的な例を図5B及び図5Cに図示する。図5Bにおいて、底部図502は、例示の配置において、ウェハ基板510bにエッチングされる裏側導波路524bを介して見られるTHzアンテナ522bを示す。接地平面516bは、アンテナの後ろに示され、図5Aの断面500に示すように距離520分離される。アンテナ522bはまた、ミリ波又はサブTHz周波数のためなど、他の周波数のために配置され得る。アンテナ522bはまた、信号を検出又は受信するために配置され得る。
【0038】
別の例示の実施例が図5Cの底部503に示され、図5Cでは、THzアンテナ522cが、半導体基板の裏側にエッチングされた導波路開口524cを介して基板510c内に、又は基板510cを完全に介して、示される。図5Cにおいてアンテナの後ろに接地平面516cが示され、接地平面516cは、図5Aの断面500に示すように、距離520分離される。
【0039】
図6は、システム600において裏側アンテナ622により放射されるエネルギーを示すバルーングラフ640を示す。裏側アンテナ622は、従来のプロセスを用いて基板610にエッチングされた裏側開口又は導波路624を介してエネルギーを放射するように示される。バルーングラフ640は、導波路を介して裏側アンテナにより放射されるシミュレートされたエネルギーを表す。この配置において、ピーク利得は、グラフスケール642で示すように約14dBとなるようにシミュレートされた。予期されない結果において、例示の実施例を用いて得られた信号強度は、従来の解決策を用いて得られる信号強度より実質的に高くなり得る。例えば、図3に示すように、従来の解決策は約7dBの信号強度のみを提供する。従って、例示の実施例は、対象の周波数に対する従来の解決策のものの約2倍の性能を達成するために適している。
【0040】
種々の配置は、半導体基板又はウェハの裏側に形成され得る異なるキャビティ開口又は導波路形状を含む。導波路は、アンテナのために用いられる半導体ウェハとの互換性がある半導体処理手法を用いてつくられ得る。非常に高いアスペクト比エッチングには、DRIE(直接反応性イオンエッチ)プロセスを用いることができる。DRIEエッチングは、コラム(column)スタイルの導波路を形成するための単一のエッチとして、或いは、ホーンスタイルの開口又は導波路を形成するための増大する面積を備える複数の工程において、用いることができる。傾斜した導波路が所望とされるプロセスでは、キャビティ又はウェットエッチングが、その形状のために用いられる通常の手法である。導波路形状及び関連するエッチの幾つかの例を図7A図7D及び図8A図8Cに示す。
【0041】
図7A図7Dは、DRIEエッチングを用いて形成される開口又は導波路、及びその使用の幾つかの例の断面図を示す。図7Aの集積回路断面700の一部には、金属構造714の頂部から突出するボンドワイヤ730を備える、金属構造714内のアンテナ構造716が含まれる。垂直のキャビティ又は導波路724が、DRIEエッチング(直接反応性イオンエッチ)プロセスを用いてウェハ基板710の裏側においてエッチングされ得る。幾つか例示の配置において、キャビティは、互換性のあるメタライゼーションプロセスを用いて図7Aに示すように伝導性層727でめっきすることによって更に増強され得る。代替の配置において、伝導性層727は省かれてもよい。基板の裏側に形成される垂直の導波路724により、方向性及び利得が従来の表側側解決策よりも改善される。この配置は、信号の自由空間放射、ダイ・ツー・ダイ信号結合、ダイ間信号結合、ダイ・ツー・パッケージ、及びダイ・ツー・導波路信号結合を可能にする。例えば、THzシグナリングのためにこれらの構造を用いて再配線層が形成され得る。
【0042】
図7Bにおいて、基板722の断面704が、ダイ間通信導波路724cを表し、互換性のある処理を用いるエッチングの後、或いは、第2の基板又はその他の再配線層(RDL)722の一部に埋め込まれる導波路により、形成され得る。断面704に示すように、RDL722は、集積回路又はウェハの一部から別の部分へ信号を配路するために用いることができ、光カプラーなどの介在要素の必要なく導波路724cを介するTHz信号通信が可能となる。
【0043】
図7Cにおいて、現在の応用例の別の態様が示される。この配置において、裏側放射を備えるアンテナの利用は、一対のダイ720a、710bの互いからの電気的隔離を提供し、更に、それらの間のTHz通信を可能にする。断面702の2つのダイ間の空間723は、隔離エアギャップとして構成され得る。別の例示の配置において、ギャップ723は、ダイ対間の電気的隔離を提供する一方で、アンテナ間隔を密に制御するために絶縁性材料で充填され得る。このようにして、異なる電位又は接地電圧に結合されるダイが、共通電位に接続されることなく通信し得る。
【0044】
図7Dにおいて別の配置を断面706に示す。この配置において、パッケージ基板711が埋め込み導波路718を含み、埋め込み導波路718は、アンテナ又は結合構造716を備えるダイ710cから基板711における導波路718内へ信号を導く。基板導波路の他方の端では図示しないが、アンテナ又はその他のダイ結合構造は信号が受信し得る。例示の実施例はTHz周波数シグナリングを可能にするので、データ又は通信信号が、オプトカプラー又はその他の介在デバイスの必要性なしに集積回路から導波路に直接的に容易に送信され得る。
【0045】
代替の配置において、導波路は誘電体導波路であり得る。つまり、導波路718は、THz周波数信号を制約し導くための誘電性材料で充填され得る。例えば、代替の配置において、導波路は、PTFE、PE、PP、石英、及びセラミックなどの低損失誘電体を含み得る。
【0046】
図8A図8Cは、基板又はウェハの裏側の付加的な導波路形成のための付加的な代替の配置の断面図を示す。図8Aにおいて、能動デバイスを含み得る半導体基板810の一部が、基板の上に金属スタック814を備える断面800で示されている。段状の導波路ホーン824aが、複数のDRIEエッチングを用いて半導体基板810の裏側においてエッチングされるように示される。例えば、第1のDRIEエッチングが、基板の裏側表面において浅い開口を提供し得る。その後、より狭い第2のDRIEエッチングが、第1の開口の境界内に一層深い段状の穴を形成するために実施され得る。DRIEエッチングは、段状の構造824aを形成するため継続し得る。
【0047】
図8Bは代替の配置を断面802において図示する。別の態様において、平滑なホーン導波路824bが、図8Bに示すようにウェットエッチング方法を用いて基板810においてエッチングされ得る。平滑な導波路又はキャビティ824bは、ダイ・ツー・ダイ、ダイ・ツー・RDL、ダイ・ツー・基板、及びダイ・ツー・導波路結合を実施するために、及び、図7A図7Dの種々の結合方法に類似する自由空間放射のためにも、用いることができる。
【0048】
図8Cは、別の例示の配置の断面804を図示する。図8Cの断面804において、基板810a及び810b及び金属構造814a及び814bを有する一対の集積回路ダイが、それらの平滑な導波路ホーン824bからの放射を介するダイ・ツー・ダイ結合のために配置される。図8Cにおいて、これら2つのダイ間の電気的隔離は、空気で満たされるダイ823間の空間を残すことによって達成され得る。別の代替のアプローチにおいて、ダイ間の電気的隔離は、空間823におけるダイ間に絶縁性材料を挿入することによって達成され得る。
【0049】
例示の配置において、或る装置が、回路要素を含む表側表面と、表側表面とは反対の裏側表面とを有する半導体基板を含む。表側表面の上に金属導体が形成される。少なくとも一つのキャビティ開口が、裏側表面においてエッチングされる。ラジエータ(放射又は結合構造など)が、金属導体の一部において形成され、裏側表面におけるキャビティ開口を介して信号を放射するように構成される。
【0050】
別の例示の配置において、ラジエータは、半導体基板の表面の上の金属導体のレベルにおいて形成される。更なる配置において、この装置は更に反射性表面を含み、反射性表面は、ラジエータから離間され、且つ、ラジエータの上に形成され、信号を裏側表面における開口に向かって反射するように構成される。別の配置において、反射性表面は電気的リフレクタである。更に別の配置において、装置において、反射性表面は、180度の位相シフトで放射信号を反射する。
【0051】
更なる代替の配置において、反射性表面は、波長の1/10~1/2の間の放射信号の波長の分数の距離、ラジエータから離間される。更に別の配置において、反射性表面は磁気リフレクタである。更なる代替の配置において、反射性表面は、0度の位相シフトで放射信号を反射する。
【0052】
更に別の配置において、放射信号は、0.1THz~30THzの周波数を有する。更なる配置において、放射信号は、少なくとも約0.1THzの周波数を有する。更に別の代替の配置において、キャビティ開口は、傾斜した側壁を有する。更に別の代替の配置において、半導体基板は更に、能動デバイスを含む。更に代替の配置において、半導体基板は更に、金属酸化物半導体トランジスタを含む。更に別の代替の配置において、キャビティ開口は、放射信号のための導波路を形成する。更なる代替の配置において、キャビティ開口は垂直の側壁を有する。更に代替の配置において、キャビティ開口は導電性材料で被覆される。更なる配置において、ラジエータはアンテナを形成する。更に付加的な配置において、アンテナは更に、放射信号を受信するように構成される。更に別の配置において、半導体基板はシリコン基板である。
【0053】
別の配置において、或る方法が、半導体基板の表側表面の上にある金属導体において形成されるラジエータに近接する裏側表面半導体基板上に裏側キャビティ開口を形成すること、及び、ラジエータからの及び裏側キャビティ開口から出る0.1THz~約30THzの周波数範囲を有する信号を放射することを含む。更に別の配置において、裏側キャビティ開口を形成することは更に、半導体基板を所定の厚みまで薄くするために、半導体基板をバックグラインドすることを含む。更に別の配置において、この方法は、傾斜した側壁を有する開口を形成するためにウェットエッチを実施することを更に含む、裏側キャビティ開口を形成することを含む。
【0054】
更に別の代替の配置において、裏側キャビティ開口を形成することは更に、KOHウェットエッチを実施することを含む。更に別の代替の配置において、裏側キャビティ開口を形成することは更に、TMAHウェットエッチを実施することを含む。更なる代替の配置において、裏側キャビティを形成することは更に、傾斜した側壁を有する開口を形成するためにウェットエッチを実施することを含む。
【0055】
更に別の代替の配置において、裏側キャビティ開口を形成することは更に、ディープ反応性イオンエッチを実施することを含む。更なる代替例において、裏側キャビティ開口は垂直の側壁を有する。
【0056】
別の配置において、或るシステムが、第1の半導体基板の表面の上にある金属構造において形成されるTHz周波数信号を放射するためのアンテナと、第1の半導体基板の裏側において形成され、アンテナに対応する箇所において半導体基板内に延在する第1の開口とを有する第1の集積回路、及び、第2の半導体基板の表面の上にある金属構造において形成されるTHz周波数信号を受け取るためのアンテナと、第2の半導体基板の裏側において形成される第2の開口とを有する第2の集積回路を含み、第1及び第2の開口は、互いに面しており、第1の集積回路から第2の集積回路へのTHz信号の伝送を促進するために一つの開口から別の開口に整合される。
【0057】
別の配置は、第1の集積回路と第2の集積回路との間の空間を提供する。更に別の配置において、第1の集積回路と第2の集積回路との間に電気的隔離材料が配置される。更に別の配置において、第1の開口及び第2の開口は更に、導波路を含む。更なる配置において、第1の開口及び第2の開口は更に、傾斜した側壁を有する開口を含む。更に別の配置において、第1の開口及び第2の開口は更に、垂直の側壁を有する開口を含む。
【0058】
例示の実施例の付加的な配置を形成するために、工程の順及び工程の数の種々の改変が可能である。
【0059】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C