(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】再生制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20220601BHJP
【FI】
H04N21/436
(21)【出願番号】P 2017239266
(22)【出願日】2017-12-14
【審査請求日】2020-11-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 大阪勧業展2017 開催日 平成29年10月18日~19日 〔刊行物等〕 展示会名 きたしんビジネスマッチングフェア 2017with 大阪大学 開催日 平成29年11月14日~15日 〔刊行物等〕 展示会名 高槻産業フェスタ 開催日 平成29年11月18日~19日
(73)【特許権者】
【識別番号】517199525
【氏名又は名称】株式会社bitset
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】宮村 隆幸
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-170351(JP,A)
【文献】特開2017-199173(JP,A)
【文献】特開2005-250445(JP,A)
【文献】特開2012-014487(JP,A)
【文献】特開2003-067288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0211442(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生情報を再生する再生器に接続可能な複数の制御装置を有し、
通信回線を介して、複数の前記制御装置間でデータ通信可能となるものであり、
前記制御装置は、
前記再生情報が記憶される記憶装置と、
前記再生器との接続に用いられて前記再生情報を送信するデータ出力端子と、
前記通信回線と接続される通信端子と、
入力装置が接続される入力端子と
を備え、
一部の前記制御装置は接続された前記入力装置を介して前記制御装置それぞれがどのように前記再生情報を再生するかを指示する指示情報が入力されると共に、他の前記制御装置それぞれに前記指示情報を前記通信回線を介して送信し、
他の前記制御装置は受信した前記指示情報に応じて前記再生情報を再生する
ことを特徴とする再生制御装置。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記制御装置に着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の再生制御装置。
【請求項3】
前記入力装置は、テンキーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生制御装置。
【請求項4】
一部の前記制御装置は主制御装置であり、
他の前記制御装置は副制御装置であり、
前記入力端子は、前記主制御装置にのみに設けられ、
前記主制御装置は、
前記指示情報を入力する際に前記指示情報を表示可能な表示器を備え、
前記副制御装置は、前記指示情報を入力する機能を持たず、受信した前記指示情報に応じて前記再生情報を再生する機能を備えることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の再生制御装置。
【請求項5】
前記再生情報は映像データであり、前記再生器はモニターであることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の再生制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の再生器に同時に映像や音楽等を再生させる再生制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
イベントや教室等において、映像や音楽、音声等を、同時に複数のモニターやスピーカーに再生させる場合がある。
【0003】
例えば、会場内の複数のモニターに、同時に同じ映像を再生させる場合、コンピュータから同じ映像データをそれぞれのモニターに送信し、各モニターで受信した映像データを再生していた。コンピュータは、それぞれのモニターを制御する制御装置として機能する。コンピュータは、それぞれのモニターとHDMI(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)等、適宜の形式のビデオ端子やケーブルを介して接続される。
【0004】
従来の再生制御装置は、コンピュータとそれぞれのモニターとをHDMI形式等のビデオ端子やケーブルを介して接続し、コンピュータから映像データを送信することにより、各モニターに同じ映像データに係る映像を表示させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の再生制御装置では、装置構成の自由度が制限される場合があった。
【0007】
例えば、ビデオ端子やケーブルを介して映像データを送信し、複数のモニターに映像を再生させる場合、ビデオ端子やケーブルの規格により装置構成が制限される場合があった。例えばHDMIでは、規格により接続されるモニターの数に制限がある。そのため、一部のコンピュータで多くのモニターを制御する場合、モニターの数に応じて中継器を設け、接続できるモニターの数を増加させる必要があった。
【0008】
また、HDMI形式のビデオ端子やケーブルでは、映像データを送信できる距離に規制がある。そのため、コンピュータから離れたモニターに映像データを送信する場合、途中に変換器を設け、HDMI形式のビデオ端子やケーブルでの通信からネットワーク通信に変換して映像データを送信する必要があった。この場合、変換器は、HDMI規格に準拠する映像データとネットワークの規格に準拠する映像データとを相互に変換する。そして、コンピュータは、HDMIケーブルを介して変換器に映像データを出力し、変換器からネットワークを介して映像データを送信し、最後に変換器からHDMIケーブルを介してモニターに映像データを送信していた。
【0009】
特に、ネットワークを介して映像データを送信する場合、映像データのデータ量によってはネットワーク回線の負荷が重くなり、映像データが適切に送信できず、適切に映像データを再生できない場合もあった。
【0010】
また、中継器や変換器を介して映像データを送信している場合、モニターの数を増設する場合には、さらに中継器や変換器増設する必要も生じ、モニターの数を容易に増設することができなかった。
【0011】
さらに、コンピュータから映像データを送信して各モニターに映像を再生させているため、モニター毎に異なる映像を再生させることが困難であった。モニター毎に異なる映像を再生させる場合、コンピュータは、映像毎に映像データを生成し、それぞれの映像を再生させたいモニターに、再生させたい映像に係る映像データを個別に送信する必要があった。そのため、コンピュータの制御が複雑となると共に、中継器や変換器のと回線の接続構成も複雑になっていた。
【0012】
本願発明の再生制御装置は、上記問題点を解決するために、容易に複数の再生器にデータを再生させると共に、再生制御装置の構成の自由度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本願発明の一実施形態における再生制御装置は、再生情報を再生する再生器に接続可能な複数の制御装置と、前記制御装置に接続されて前記制御装置間でデータ通信を可能とする通信回線とを有し、前記制御装置は、前記再生情報が記憶される記憶装置と、前記再生器との接続に用いられて前記再生情報を送信するデータ出力端子と、前記通信回線と接続される通信端子と、入力装置が接続される入力端子とを備え、一部の前記制御装置は接続された前記入力装置を介して前記制御装置それぞれがどのように前記再生情報を再生するかを指示する指示情報が入力されると共に、他の前記制御装置それぞれに前記指示情報を前記通信回線を介して送信し、他の前記制御装置は受信した前記指示情報に応じて前記再生情報を再生することを特徴とする。
【0014】
このように、本発明の再生制御装置では、再生器それぞれに接続される制御装置に再生情報が記憶される。また、各制御装置は、指示情報のみを受信し、受信した指示情報に応じて記憶された再生情報を再生器に再生させる。そのため、離れた再生器に再生情報を再生させる場合であっても、中継器や変換器等を設けることなく、簡易な構成で複数の再生器に再生情報を再生させることができる。また、指示情報を制御装置毎に送信することにより、それぞれの再生器に、異なる再生情報を容易に再生させることができる。また、各制御装置は、ネットワーク等の通信回線に接続されるだけであるので、たとえ、再生中であっても再生器を容易に配置変更したり増設・切り離し(削減)を行うことができ、再生制御装置の構成の自由度を容易に向上させることができる。
【0015】
また、前記記憶装置は、前記制御装置に着脱可能であることが好ましい。
【0016】
このように、着脱可能な記憶装置を用いることにより、一部のコンピュータ等で全ての制御装置に記憶する再生情報を各記憶装置に一括して記憶させ、それぞれの制御装置に装着することができる。そのため、上述した構成によれば、各再生器に接続された制御装置に記憶される再生情報を容易に作成・変更することができる。
【0017】
また、前記入力装置は、テンキーであっても良い。
【0018】
再生情報が数字のみで識別され、数字のみで指示情報を構成可能である場合、テンキーから数字を入力することによって指示情報を作成することができるため、指示情報を容易に作成することができ、容易に複数の再生器に再生情報を再生させることができる。
【0019】
また、一部の前記制御装置は主制御装置であり、他の前記制御装置は副制御装置であり、前記入力端子は、前記主制御装置にのみに設けられ、前記主制御装置は、前記入力情報を入力する際に前記入力情報を表示可能な表示器を備え、前記副制御装置は、前記指示情報を受信し、受信した前記指示情報に応じて記憶された前記再生情報を再生する機能のみを備えても良い。
【0020】
複数の制御装置の内の1つを主制御装置とし、残りの制御装置を副制御装置とし、主制御装置が指示情報を生成して副制御装置に送信し、副制御装置が指示情報に応じて再生器に再生情報を再生させる。そして、副制御装置は入力装置が接続されず、再生情報を再生させる機能のみを有する。このような構成により、副制御装置を必要最小限の構成とすることができ、再生制御装置の構成を単純化することができる。
【0021】
また、前記再生情報は映像データであり、前記再生器はモニターであっても良い。
【0022】
このような構成により、複数のモニターに同時に映像を表示させる場合でも、容易に複数のモニターに映像を再生させると共に、再生制御装置の構成の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上により、容易に複数の再生器にデータを再生させると共に、再生制御装置の構成の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態における再生制御装置の構成例を示す図
【
図2】本発明の一実施形態における再生制御装置の制御装置の構成例を示す斜視図
【
図3】本発明の一実施形態における再生制御装置の制御装置の内部構成を例示する図
【
図4】本発明の一実施形態における指示情報を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、
図1を用いて本発明の一実施形態における再生制御装置の構成例について説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態における再生制御装置の構成例を示す図である。
【0027】
再生制御装置1は、複数のモニター7に様々な映像を表示させるシステムである。再生制御装置1は、映像を表示する複数のモニター7それぞれに接続可能な制御装置3および制御装置5と、制御装置3および制御装置5それぞれに装着可能なUSB(UNIVERSAL SERIAL BUS)メモリ9と、制御装置3および制御装置5が接続されるネットワーク11とを備える。
【0028】
制御装置3および制御装置5は、後段で
図2,
図3を用いて詳細に説明するように、同一の内部構成であり、同一のネットワーク11に接続される。
図1の構成においては、制御装置3および制御装置5は、複数のモニター7それぞれに1対1で接続されており、接続されたモニター7に所定の映像を表示させる。制御装置3および制御装置5とモニター7とは、HDMIケーブル等の映像通信ケーブルで接続される。制御装置3は、制御装置5の動作を制御する。制御装置5は指示情報に基づいて動作し、指示情報は、ネットワーク11を介して、制御装置3からそれぞれの制御装置5に送信される。なお、指示情報については、後段で
図4を用いて詳細に説明する。
【0029】
USBメモリ9は、制御装置3および制御装置5に装着される。USBメモリ9には、1または複数の映像データが格納される。制御装置3および制御装置5は、装着されたUSBメモリ9に格納される映像データの内の1つを、接続されたモニター7に表示させることができる。それぞれのUSBメモリ9は、同じ映像データが格納される。ただし、モニター7によって、そのモニター7でのみ表示する映像がある場合、そのモニター7に接続された制御装置5に装着されるUSBメモリ9にのみ、その映像に対応する映像データを格納しても良い。
【0030】
ネットワーク11は、少なくとも制御装置3から指示情報を制御装置5に送信できる通信回線であれば良い。また、ネットワーク11はイーサネットケーブル等の有線回路でも良いが、無線LAN等の無線回線でも良い。また、インターネット回線を用いることもできる。
【0031】
後に詳述する指示情報は、制御装置3および制御装置5が、装着されたUSBメモリ9に格納された映像データの内、どの映像データをどの順番で表示するかを示す情報である。さらに、どのタイミングで再生を開始するかを示す情報等を含むことができ、この場合、それぞれの制御装置3および制御装置5で、より確実に同期してそれぞれの映像を表示させることができる。さらに、制御装置5それぞれに固有の識別番号等の識別情報を付与し、指示情報に、どの制御装置5にどの映像データをどの順番で表示させるかを記述しても良い。また、各映像データを数字のみで識別することができる態様でUSBメモリ9に格納する場合、指示情報を数字のみで記述することができる。
【0032】
テンキー13は、制御装置3に接続され、制御装置3に指示情報を入力する入力装置の1つである。入力装置は、制御装置3に指示情報を入力することが可能であれば、様々の機器を用いることができる。例えば、入力装置としてキーボードを用いることができ、制御装置3に指示情報を直接書き込むことができる。あるいは、入力装置として、通信端子を用い、外部から指示情報を直接入力することもできる。指示情報が数字のみで記述可能である場合、入力装置としてテンキー13を用いることにより、容易に指示情報を記述することが可能となる。
【0033】
このように、本発明の一実施形態における再生制御装置1は、複数のモニター7のそれぞれに制御装置3および制御装置5が接続され、制御装置3および制御装置5はネットワーク11を介して互いに接続される。制御装置3および制御装置5はそれぞれ1以上のUSBメモリ9が装着され、各USBメモリ9には1または複数の映像データが格納される。そして、制御装置3から各制御装置5に指示情報を送信し、制御装置3および制御装置5は、接続されるモニター7に、指示情報に応じた映像を表示させることが特徴である。
【0034】
各モニター7が接続された制御装置3および制御装置5それぞれが、USBメモリ9に格納された映像データを保持し、指示情報のみがネットワーク11を介して送信される。そのため、HDMIケーブル等のケーブルを介して制御装置3から各モニター7に映像データを直接送信する必要がない。その結果、複数のモニター7に同時に映像を表示させる場合であっても、指示情報のみの容量の小さなデータのみを通信送信して、簡易な構成で容易に映像を表示させることができる。特に、表示させる映像データのデータ量が大きな場合であっても、映像データのデータ量に影響を受けず、安定して映像を表示させることができる。
【0035】
また、各制御装置3および制御装置5は、ネットワーク11の通信回線に接続されるだけであるので、モニター7と制御装置3との間の距離に関係なく、中継器や変換器等を設ける必要がない。中継器や変換器等を備えないので、制御装置5をネットワーク11に接続するだけで、たとえ映像を表示中であっても、モニター7を容易に配置変更したり増設・切り離し(削減)を行うことができ、再生制御装置1の構成の自由度を容易に向上させることができる。また、離れたモニター7に大容量の映像データを再生させる場合であっても、中継器や変換器等を設ける必要がないため、簡易な構成で複数のモニター7に映像データを再生させることができる。
【0036】
また、USBメモリ9は着脱可能であるため、映像データを一括管理することができる。すなわち、一部のコンピュータ等で全ての制御装置3および制御装置5に記憶する映像データを各USBメモリ9にまとめて格納し、それぞれの制御装置3および制御装置5に装着することができる。そのため、各モニター7に接続された制御装置3および制御装置5に記憶される映像データを容易に作成・変更することができる。
【0037】
また、映像データが数字のみで識別され、数字のみで指示情報を構成可能である場合、テンキー13から数字を入力することによって指示情報を作成することができるため、指示情報を容易に作成することができ、容易に複数のモニター7に映像データを再生させることができる。
【0038】
次に、
図1を参照しながら、
図2を用いて本発明の一実施形態における制御装置の外観構成について説明する。なお、以下の説明では代表して制御装置3について説明するが、制御装置5も同じ構成である。
【0039】
図2は本発明の一実施形態における再生制御装置の制御装置の構成例を示す斜視図である。
【0040】
前述された制御装置3は、外周面に、USB端子15、ネットワーク端子17、ビデオ端子19、入力端子21、ディスプレイ23が設けられている。
【0041】
USB端子15には、USBメモリ9や電源端子等が接続される。ネットワーク端子17には、イーサネットケーブルが接続される。イーサネットケーブルはネットワークHUB(図示せず)等に接続されることにより、ネットワークが構成される。構成されたネットワークに全ての制御装置3および制御装置5が接続されることにより、制御装置3から各制御装置5に指示情報が送信可能となる。
【0042】
データ出力端子であるビデオ端子19には、ケーブルが接続され、制御装置3はケーブルを介してモニター7と接続される。例えば、ビデオ端子19としてHDMI形式の端子を採用した場合には、HDMIケーブルがビデオ端子19に接続され、制御装置3はHDMIケーブルを介してモニター7と接続される。入力端子21には、キーボードやテンキー13等の入力装置が接続される。接続されたテンキー13等により、指示情報が記述されたり、制御装置3の設定を行い、動作の制御を行ったりすることができる。なお、入力装置はUSB端子15に接続して動作可能なものもある。ディスプレイ23には、指示情報を記述する際に、記述中の指示情報を表示させることができる。また、ディスプレイ23には、制御装置3を設定・動作させる際の、各種情報を表示させることができる。
【0043】
次に、
図1を参照しながら、
図2,
図3を用いて本発明の一実施形態における制御装置の内部構成について説明する。なお、以下の説明では代表して制御装置3について説明するが、制御装置5も同じ構成である。
【0044】
図3は本発明の一実施形態における再生制御装置の制御装置の内部構成を例示する図である。
【0045】
前述された制御装置3は、CPU25と、USBコントローラ27と、ビデオコントローラ29と、ネットワークコントローラ31と、入力コントローラ33と、ディスプレイコントローラ35とを備え、これらの機器はBUS37に接続される。CPU25は、BUS37を介してこれらの機器から必要なデータを取得し、各機器の動作を制御する。
【0046】
USBコントローラ27はUSB端子15と接続され、CPU25の制御に応じて、USB端子15に接続されたUSBメモリ9から映像データを読み出すと共に、USBメモリ9に映像データを書き込むことが可能である。
【0047】
ビデオコントローラ29はビデオ端子19と接続され、ビデオ端子19に接続されたモニター7に映像を表示させる。CPU25は、指示情報に基づいてUSBメモリ9から対応する映像データを取得し、BUS37を介してビデオコントローラ29に送信する。ビデオコントローラ29は、受信した映像データに応じてモニター7に映像を表示させる。
【0048】
ネットワークコントローラ31はネットワーク端子17に接続され、CPU25の制御に応じて、ネットワーク11を介して指示信号を送受信する。ここで、制御装置3は、主に指示情報を記述し、ネットワーク11を介して制御装置5に指示情報を送信する。制御装置5は、主に、制御装置3が送信した指示情報を受信し、受信した指示情報に応じてモニター7に映像を表示させる。
【0049】
入力コントローラ33は入力端子21に接続され、CPU25の制御に応じて、入力端子21に接続された入力装置から入力される情報を受信する。例えば、入力装置は、指示情報を記述することができる。
【0050】
ディスプレイコントローラ35は、CPU25の制御に応じて、ディスプレイ23に各種情報を表示させる。上述のように、ディスプレイ23には、指示情報を記述する際に、記述中の指示情報を表示させることができる。また、ディスプレイ23には、制御装置3を設定・動作させる際の、各種情報を表示させることができる。
【0051】
次に、
図1を参照しながら、
図4を用いて指示情報について説明する。
【0052】
図4は本発明の一実施形態における指示情報を例示する図である。
【0053】
上述のように、指示情報39には、どの映像データをどの再生順43で再生するかが記述されている。ここで、制御装置3および制御装置5はそれぞれ固有の識別番号41等の識別情報を有している。同様に、各映像データもそれぞれ固有の映像データ番号45等の識別情報を有している。指示情報39は、これらの識別情報を用いて記述される。
【0054】
制御装置3および制御装置5は、指示情報39に基づいて映像データに対応する映像をモニター7に再生させる。
図4の例では、指示情報39には、制御装置3または制御装置5に対応する識別番号41と、再生する順番を示す再生順43と、映像データを識別する映像データ番号45とが記述されている。
【0055】
具体的には、
図4に示す指示情報39では、識別番号41が「111001」に対応する制御装置5は、まず、映像データ番号45が「26」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「14」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「09」の映像データを再生する。同様に、識別番号41が「111002」に対応する制御装置5は、まず、映像データ番号45が「26」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「14」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「09」の映像データを再生する。全てのモニター7に同じ映像を同時に表示させる場合には、全ての識別番号41に対応する再生順43および映像データ番号45に同じ内容を記述する。
【0056】
ここで、一部のモニター7に異なる映像を表示させる場合、そのモニター7が接続される制御装置5に関する指示情報39について、再生順43に対する映像データ番号45を異ならせる。例えば、
図4の指示情報39の記述の場合、識別番号41が「111003」に対応する制御装置5は、まず、映像データ番号45が「35」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「07」の映像データを再生し、次に、映像データ番号45が「19」の映像データを再生する。
【0057】
以上のように、本発明の一実施形態に係る再生制御装置1は、複数のモニター7のそれぞれに制御装置3および制御装置5が接続され、制御装置3および制御装置5はネットワーク11を介して接続される。制御装置3および制御装置5はそれぞれ1以上のUSBメモリ9が装着され、各USBメモリ9には1または複数の映像データが格納される。そして、制御装置3から各制御装置5に指示情報39を送信し、制御装置3および制御装置5は、接続されるモニター7に、指示情報39に応じた映像を表示させることができる。
【0058】
各モニター7が接続された制御装置3および制御装置5それぞれが、USBメモリ9に格納された映像データを保持し、指示情報39のみがネットワーク11を介して送信される。そのため、HDMIケーブル等を介して制御装置3から各モニター7に映像データを直接送信する必要がない。よって、複数のモニター7に同時に映像を表示させる場合であっても、指示情報39のみの容量の小さなデータのみを送信して、変換器等を使わずに遠距離のモニター7に任意の映像を表示させることができ、簡易な構成で容易に映像を表示させることができる。特に、表示させる映像データのデータ量が大きな場合であっても、映像データのデータ量に影響を受けず、安定して映像を表示させることができる。
【0059】
また、各制御装置3および制御装置5は、ネットワーク11に接続されるだけであるので、モニター7と制御装置3との間の距離に関係なく、中継器や変換器等を設ける必要がない。中継器や変換器等を備えないので、制御装置5をネットワーク11に接続するだけで、モニター7を容易に配置変更したり増設を行うことができる。そのため、必要なモニター7の数に応じて柔軟にモニター7の数を増設でき、再生制御装置1の構成の自由度を容易に向上させることができる。また、ネットワーク11のみを介して制御装置5を制御できるので、中継器や変換器等を必要としない簡易な装置構成とすることができるので、制御装置5の増設や切り離し、配置変更等を行う際に、他の制御装置3および制御装置5を停止する必要がない。そのため、すでに再生制御装置1が稼働中で映像を表示している状態であったとしても、制御装置5の構成を容易に変更し、モニター7の配置変更や増設・削除を容易に行うことが可能である。また、離れたモニター7に大容量の映像データを再生させる場合であっても、中継器や変換器等を設ける必要がないため、簡易な構成で複数のモニター7に映像データを再生させることができる。
【0060】
また、USBメモリ9は着脱可能であるため、映像データを一括管理することができる。すなわち、一部のコンピュータ等で全ての制御装置3および制御装置5に記憶する映像データを各USBメモリ9にまとめて格納し、それぞれの制御装置3および制御装置5に装着することができる。そのため、各モニター7に接続された制御装置3および制御装置5に記憶される映像データを容易に作成・変更・削除することができる。
【0061】
また、映像データが数字のみで識別され、数字のみで指示情報39を構成可能である場合、テンキー13から数字を入力することによって指示情報39を作成することができる。そのため、指示情報39を容易に作成することができ、容易に複数のモニター7に映像データを再生させることができる。
【0062】
なお、制御装置3を主制御装置、制御装置5を副制御装置としても良い。主制御装置は指示情報39を作成し、副制御装置に指示情報39を送信する専用機である。また、副制御装置は、指示情報39を受信して、指示情報39に対応してモニター7に映像を表示させる機能のみを備える。その場合、制御装置3は、少なくとも、制御装置5に指示情報39を送信する機能のみを備え、ネットワーク11および入力端子にのみ接続できれば良い。そのため、制御装置3は、外部端子として、USB端子15およびビデオ端子19を備えず、少なくともネットワーク端子17および入力端子21を備えれば良い。また、制御装置3は、内部回路として、CPU25とBUS37以外に、少なくともネットワークコントローラ31、入力コントローラ33および指示情報39を記憶する記憶装置を備えれば良い。逆に、制御装置5は、モニター7、USBメモリ9およびネットワーク11に接続可能であれば良い。そのため、制御装置5は、外部端子として、少なくともUSB端子15、ネットワーク端子17およびビデオ端子19を備えれば良い。また、制御装置5は、内部回路として、CPU25とBUS37以外に、少なくともUSBコントローラ27、ネットワークコントローラ31およびビデオコントローラ29を備えれば良い。また、制御装置5には、ディスプレイ23およびディスプレイコントローラ35がなくても良い。
【0063】
このように、複数の制御装置3を主制御装置とし、制御装置5を副制御装置とする。主制御装置が指示情報39を生成して副制御装置に送信し、副制御装置が指示情報39に応じてモニター7に映像を表示させる。そして、主制御装置は、指示情報39を入力し、指示情報39を送信する機能のみを備える。副制御装置は入力装置が接続されず、受信した指示情報39に応じて、再生情報を再生させる機能のみを有する。このような構成により、主制御装置および副制御装置を必要最小限の構成とすることができ、再生制御装置1の構成を単純化することができる。
【0064】
また、USBメモリ9に限らず、他の着脱可能な記憶装置を制御装置3および制御装置5に接続させても良い。さらに、制御装置3および制御装置5に、映像データを記憶する記憶装置を内蔵させても良い。
【0065】
このように、映像データを記憶する記憶装置として、様々な記憶装置を用いることにより、再生制御装置1の構成の自由度を、より容易に向上させることができる。
【0066】
また、制御装置5に複数のモニター7を接続しても良い。これらのモニター7は、同じ制御装置5に制御されるため、一部(本実施形態では一つ)の制御装置5に接続されたモニター7は同じ映像が表示される。この場合、制御装置5に複数のビデオ端子19が設けられる。
【0067】
このように、制御装置5に複数のモニター7を接続することを可能とすることで、制御装置5の数を必要最小限に抑え、複数のモニター7が接続される再生制御装置1を、より簡単な構成で実現することができ、再生制御装置1の構成の自由度を、より容易に向上させることができる。
【0068】
また、本発明の一実施形態における再生制御装置1は、HDMI形式のビデオ端子やケーブルを介して制御装置3および制御装置5とモニター7とを接続することに限定されず、例えばUSB Type-C形式の端子等、他の映像出力インターフェースを用いて接続することができる。また、再生制御装置1は、映像に限らず音楽や音声の再生を行うことも可能である。この場合、再生情報として、映像データの他に音楽データや音声データを用いることができる。音楽や音声を再生させる場合は、再生器としてモニター7に代えてスピーカー等が制御装置3および制御装置5に接続される。
【0069】
これにより、様々なデータを容易に再生することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 再生制御装置
3 制御装置
5 制御装置
7 モニター
9 USBメモリ
11 ネットワーク
13 テンキー
15 USB端子
17 ネットワーク端子
19 HDMI端子
21 入力端子
23 ディスプレイ
25 CPU
27 USBコントローラ
29 HDMIコントローラ
31 ネットワークコントローラ
33 入力コントローラ
35 ディスプレイコントローラ
37 BUS
39 指示情報
41 識別番号
43 再生順
45 映像データ番号