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特許7082379調整画像データ生成装置、色差調整画像表示システム、色差調整画像データ生成方法、色差調整画像データ生成プログラムおよび色差調整画像表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】調整画像データ生成装置、色差調整画像表示システム、色差調整画像データ生成方法、色差調整画像データ生成プログラムおよび色差調整画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/73 20060101AFI20220601BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220601BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H04N9/73 Z
G09G5/00 530A
G09G5/00 530D
G09G5/00 550X
G09G5/02 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020056407
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2020167680
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2020-03-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2019067404
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】506146161
【氏名又は名称】株式会社サンヨー・シーワィピー
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山村 健司
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】畑中 高行
【審判官】樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-103336(JP,A)
【文献】特開2011-60270(JP,A)
【文献】特開2008-206163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N1/46-1/62
G06T1/00
H04N9/64
H04N9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
色基準物の色基準データを記憶する記憶部と、
前記色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像との両方を表す画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準データと整合するように前記対象物画像を示す3原色の色信号を調整した調整画像データを生成する調整部と
を備える、調整画像データ生成装置であって、
前記記憶部は、前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを記憶しており、
前記調整画像データ生成装置は、前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成する、調整画像データ生成装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記調整画像データから前記色基準物画像の部分を削除する、請求項1に記載の調整画像データ生成装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記色基準データと前記色データとの差分を取得する、請求項1または2に記載の調整画像データ生成装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記色基準データと前記色データとに基づいて色基準調整テーブルを生成し、
前記調整部は、追加対象物を示す追加対象物画像を表す画像データに対して、前記色基準調整テーブルに基づいて、前記追加対象物画像を調整した調整画像データを生成する、請求項1から3のいずれかに記載の調整画像データ生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の調整画像データ生成装置と、
前記表示装置と
を備え、
前記表示装置は、前記色差調整画像データに基づいて前記対象物画像を表示する、色差調整画像表示システム。
【請求項6】
色基準物の色基準データを記憶するステップと、
前記色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像との両方を表す画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準データと整合するように前記対象物画像を示す3原色の色信号を調整した調整画像データを調整画像データ生成装置において生成するステップと
前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを生成するステップと、
前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成するステップと
を包含する、色差調整画像データ生成方法。
【請求項7】
前記調整画像データから前記色基準物画像の部分を削除するステップをさらに包含する、請求項に記載の色差調整画像データ生成方法。
【請求項8】
前記調整画像データを生成するステップにおいて、前記色基準データと前記色データとの差分を取得する、請求項またはに記載の色差調整画像データ生成方法。
【請求項9】
前記調整画像データを生成するステップにおいて、前記色基準データと前記色データとに基づいて色基準調整テーブルを生成し、
追加対象物を示す追加対象物画像を表す画像データに対して、前記色基準調整テーブルに基づいて、前記追加対象物画像を調整した調整画像データを生成するステップをさらに包含する、請求項のいずれかに記載の色差調整画像データ生成方法。
【請求項10】
色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像との両方を表す画像データを受け取るステップと、
前記画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準物画像の色基準データと整合するように前記対象物画像を示す3原色の色信号を調整した調整画像データを調整画像データ生成装置において生成するステップと
前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを生成するステップと、
前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成するステップと
をコンピューターに実行させる、色差調整画像データ生成プログラム。
【請求項11】
請求項からのいずれかに記載の色差調整画像データ生成方法にしたがって色差調整画像データを生成するステップと、
前記色差調整画像データを前記表示装置に送信するステップと
を包含する、色差調整画像表示方法。
【請求項12】
前記色差調整画像データを生成するステップにおいて、前記色差調整画像データは、前記調整画像データと前記色変換テーブルとを含む、請求項11に記載の色差調整画像表示方法。
【請求項13】
色基準物の色基準データと、前記色基準物を示す色基準物画像を表す画像データの色データとの関係を示す色基準調整テーブルを記憶する記憶部と、
対象物画像を表す画像データに基づいて、前記色基準調整テーブルに従って前記対象物画像のうちの調整対象範囲として指定された範囲内の画像を示す3原色の色信号を調整した調整画像データを生成する調整部と
を備える、調整画像データ生成装置であって、
前記記憶部は、前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを記憶しており、
前記調整画像データ生成装置は、前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成する、調整画像データ生成装置。
【請求項14】
色基準物の色基準データと、前記色基準物を示す色基準物画像を表す画像データの色データとの関係を示す色基準調整テーブルを取得するステップと、
対象物画像を表す画像データに基づいて、前記色基準調整テーブルに従って前記対象物画像のうちの調整対象範囲として指定された範囲内の画像を示す3原色の色信号を調整した調整画像データを調整画像データ生成装置において生成するステップと、
前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを生成するステップと
前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成するステップと
を包含する、色差調整画像データ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整画像データ生成装置、色差調整画像表示システム、調整画像データ生成方法、調整画像データ生成プログラムおよび色差調整画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、電子商取引が益々盛んになっており、取引者が取引対象物を直接確認することなく取引を進める機会が増加している。この場合、一般には、取引者が対象物を確認するために、表示装置に対象物を表示させて、取引が進められる。
【0003】
しかしながら、表示装置によって表示される対象物の画像の色は、厳密には、対象物自体の色と異なることがあることが知られている。例えば、衣料品、靴、化粧品、装飾品等にとって色は重要な要素であるが、表示装置ではこれらの対象物の色を充分に再現できず、良好な取引を進められず問題となっていた。
【0004】
また、近年、表示装置を利用した遠隔診察および遠隔治療が進められている。この場合も、患者および/または患部の色は診察および/または治療における判断の重要な要素となるが、表示装置ではこれらの対象物の色を充分に再現できなかった。
【0005】
そのため、表示装置によって表示される対象物の画像の色が対象物自体の色を再現することが求められている。例えば、画像表示装置に外光センサーを取り付け、画像データにしたがって画像表示装置によって表示される画像を外光センサーで検出することにより、画像データを校正できることが知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、外光センサー自体を校正し、表示装置によって表示される対象物の画像の色が対象物自体の色を再現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-61876公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の画像表示装置では、画像表示装置に外光センサーを取り付ける必要がある。このため、一般的な表示装置では、表示する対象物の画像の色が対象物自体の色を再現することが困難であった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物の画像の色を高い再現性で表現可能な調整画像データを生成する調整画像データ生成装置、色差調整画像表示システム、調整画像データ生成方法、調整画像データ生成プログラムおよび色差調整画像表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による色差調整データ生成装置は、記憶部と、調整部とを備える。前記記憶部は、色基準物の色基準データを記憶する。前記調整部は、前記色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像とを表す画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準データと整合するように前記対象物画像を調整した調整画像データを生成する。
【0010】
前記調整部は、前記調整画像データから前記色基準物画像の部分を削除する。
【0011】
ある実施形態において、前記調整部は、前記色基準データと前記色データとの差分を取得する。
【0012】
ある実施形態において、前記調整部は、前記色基準データと前記色データとに基づいて色基準調整テーブルを生成する。前記調整部は、追加対象物を示す追加対象物画像を表す画像データに対して、前記色基準調整テーブルに基づいて、前記追加対象物画像を調整した調整画像データを生成する。
【0013】
ある実施形態において、前記記憶部は、前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変化するための色変換テーブルを記憶しており、前記調整部は、前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成する。
【0014】
本発明による色差調整画像表示システムは、上記記載の調整画像データ生成装置と、表示装置とを備える。前記表示装置は、前記色差調整画像データに基づいて前記対象物画像を表示する。
【0015】
本発明による調整画像データ生成方法は、色基準物の色基準データを記憶するステップと、前記色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像とを表す画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準データと整合するように前記対象物画像を調整した調整画像データを生成するステップとを包含する。
【0016】
前記調整画像データ生成方法は、前記調整画像データから前記色基準物画像の部分を削除するステップをさらに包含する。
【0017】
ある実施形態において、前記調整画像データを生成するステップにおいて、前記色基準データと前記色データとの差分を取得する。
【0018】
ある実施形態において、前記調整画像データを生成するステップにおいて、前記色基準データと前記色データとに基づいて色基準調整テーブルを生成する。前記調整画像データ生成方法は、追加対象物を示す追加対象物画像を表す画像データに対して、前記色基準調整テーブルに基づいて、前記追加対象物画像を調整した調整画像データを生成するステップをさらに包含する。
【0019】
本発明による調整画像データ生成プログラムは、色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像とを表す画像データを受け取るステップと、前記画像データに対して、前記色基準物画像の色データが前記色基準物画像の色基準データと整合するように前記対象物画像を調整した調整画像データを生成するステップとをコンピューターに実行させる。
【0020】
本発明による色差調整画像表示方法は、上記に記載の調整画像データ生成方法にしたがって、調整画像データ生成装置において調整画像データを生成するステップと、前記調整画像データ生成装置と表示装置との間で色信号を変換するための色変換テーブルを生成するステップと、前記調整画像データと前記色変換テーブルとに基づいて色差調整画像データを生成するステップと、前記色差調整画像データを前記表示装置に送信するステップとを包含する。
【0021】
ある実施形態において、前記色差調整画像データを生成するステップにおいて、前記色差調整画像データは、前記調整画像データと前記色変換テーブルとを含む。
【0022】
本発明による色差調整データ生成装置は、記憶部と、調整部とを備える。前記記憶部は、色基準物の色基準データと、前記色基準物を示す色基準物画像を表す画像データの色データとの関係を示す色基準調整テーブルを記憶する。前記調整部は、対象物画像を表す画像データに基づいて、前記色基準調整テーブルに従って前記対象物画像を調整した調整画像データを生成する。
【0023】
本発明による調整画像データ生成方法は、色基準物の色基準データと、前記色基準物を示す色基準物画像を表す画像データの色データとの関係を示す色基準調整テーブルを取得するステップと、対象物画像を表す画像データに基づいて、前記色基準調整テーブルに従って前記対象物画像を調整した調整画像データを生成するステップとを包含する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、対象物の色を高い再現性で表現可能な調整画像データを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態の調整画像データ生成装置の模式図である。
図2】本実施形態の調整画像データ生成装置の実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図3】本実施形態の調整画像データ生成システムの模式図である。
図4】本実施形態の調整画像データ生成システムにおける色基準データの生成を説明するための模式図である。
図5】本実施形態の調整画像データ生成システムの実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図6】本実施形態の色差調整画像表示システムの模式図である。
図7】本実施形態の色差調整画像表示システムにおける表示装置に対する色差調整を説明するための模式図である。
図8】本実施形態の色差調整画像表示システムの実行する色差調整画像表示方法のフローを説明するための模式図である。
図9】本実施形態の調整画像データ生成装置の実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図10】本実施形態の調整画像データ生成装置の実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図11】本実施形態の調整画像データ生成装置の実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図12】(a)は本実施形態の調整画像データ生成装置による画像調整前の画像データを示す模式図であり、(b)は本実施形態の調整画像データ生成装置による画像調整後の調整画像データを示す模式図である。
図13】本実施形態の調整画像データ生成装置の実行する調整画像データ生成方法のフローを説明するための模式図である。
図14】本実施形態の調整画像データ生成装置による調整画像データの生成を説明するための模式図である。
図15】本実施形態の調整画像データ生成装置と連携する連携装置とを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0027】
以下、図1を参照して、本発明による調整画像データ生成装置10の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の調整画像データ生成装置10の模式的なブロック図である。なお、本明細書の以下の説明において、調整画像データ生成装置または調整画像データ生成装置10を単にデータ生成装置またはデータ生成装置10と記載することがある。
【0028】
データ生成装置10は、入力信号ISを受信する。例えば、データ生成装置10は、外部機器から入力信号ISを受信する。入力信号ISは、画像データGDを含む。画像データGDは、対象物の画像を示す対象物画像と色基準物の画像を示す色基準物画像とを表す。なお、後の画像データGDは、対象物の画像を示す対象物画像のみを示してもよい。あるいは、画像データGDは、色基準物の画像を示す色基準物画像を示し、別の画像データGDは、対象物の画像を示す対象物画像を示してもよい。
【0029】
典型的には、画像データGDは、対象物および色基準物を撮像装置で撮像することで生成される。撮像装置は、デジタルビデオカメラであってもよい。あるいは、撮像装置は、撮像機能を有するスマートフォン、携帯電話またはタブレットであってもよい。
【0030】
画像データGDのフォーマットは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)である。ただし、画像データGDのフォーマットは、これに限定されない。画像データGDのフォーマットは、TIFF(Tagged Image File Format)であってもよい。あるいは、画像データGDのフォーマットは、他の任意の形式であってもよい。
【0031】
色基準物には少なくとも1つの所定の色が付されている。色基準物には複数の所定の色が付されていてもよい。例えば、色基準物は、1以上の所定の色の固定された固定物であってもよい。あるいは、色基準物は、1以上の所定の色を表示する表示装置であってもよい。一例では、表示装置は、スマートフォン、携帯電話またはタブレットであってもよい。あるいは、表示装置は、パーソナルコンピューターのディスプレイであってもよい。一例では、表示装置は、ノートパソコンまたはデスクトップのモニタであってもよい。あるいは、色基準物は、印刷物であってもよい。
【0032】
データ生成装置10は、入力信号ISの画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。例えば、データ生成装置10は、調整画像データADを含む出力信号OSを外部機器に送信する。なお、調整画像データADの送信先は、入力信号ISの送信元と同じであってもよく、異なってもよい。
【0033】
このように、データ生成装置10は、入力信号ISの画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。データ生成装置10は、例えば、サーバーである。
【0034】
データ生成装置10は、通信部12と、調整部14と、制御部16と、記憶部18とを備える。制御部16は、通信部12および調整部14を制御する。制御部16は、プロセッサーを含む。プロセッサーは、中央処理演算機(Central ProcessingUnit:CPU)を含んでもよい。あるいは、プロセッサーは、マイクロコンピューターを含んでもよい。または、プロセッサーは、特定用途用集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)を含んでもよい。なお、データ生成装置10は、サーバー内に実装されてもよい。例えば、データ生成装置10は、サーバー内のプログラムを実行することによって機能してもよい。
【0035】
通信部12は、外部の通信機器と通信する。ここでは、通信部12は、画像データGDを含む入力信号ISを外部の通信機器から受信する。また、通信部12は、調整画像データADを含む出力信号OSを外部の通信機器に送信してもよい。通信部12は、調整画像データADと別のデータとを含む出力信号OSを外部の通信機器に送信してもよい。
【0036】
調整部14は、入力信号ISの画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。調整部14は、入力信号ISの画像データGDに表された対象物画像の色が対象物の色を再現して表示されるように画像データGDを調整して調整画像データADを生成する。
【0037】
調整部14は、入力信号ISの画像データGDを調整画像データADに調整する。調整処理により、調整画像データADに表される色基準物画像の色が画像データGDに表された色基準物画像の色と異なり色基準物自体の色を再現するように調整画像データADは調整される。この調整処理により、調整画像データADに表される対象物画像の色が画像データGDに表された対象物画像の色と異なるように調整される。
【0038】
また、調整部14は、調整画像データADと別のデータとに基づいてさらに別の画像データを生成してもよい。
【0039】
記憶部18は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリーである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部18はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0040】
記憶部18は、色基準物の色基準データを記憶する。色基準データは色信号を含む。例えば、色信号はRGBで表記される。あるいは、色信号はLabで表記される。
【0041】
記憶部18は、制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体に記憶される。非一時的コンピューター読取可能記憶媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD-ROM、磁気テープ、磁気ディスクまたは光データ記憶装置を含む。制御部16は、記憶部18に記憶された制御プログラムを実行することによって、データ生成装置10の各構成要素の動作を制御する。制御部16は、記憶部18の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、画像データGDから調整画像データADを生成する。
【0042】
例えば、記憶部18は、色変換テーブルを記憶してもよい。色変換テーブルは、画像データGDの色データを調整画像データADの色データに変換するためのテーブルを示す。調整部14は、記憶部18の色変換テーブルに基づいて、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成してもよい。
【0043】
あるいは、記憶部18は、演算式を記憶してもよい。演算式は、画像データGDの色データを調整画像データADの色データに変換するための式を示す。調整部14は、記憶部18の演算式に基づいて、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成してもよい。または、記憶部18は、色変換テーブルおよび演算式を記憶しており、調整部14は、記憶部18の色変換テーブルおよび演算式に基づいて、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成してもよい。
【0044】
また、記憶部18は、画像データGDを調整した調整画像データADを生成するための調整画像データ生成プログラムを記憶してもよい。例えば、調整画像データ生成プログラム10sを実行することにより、調整部14が具現化されてもよい。
【0045】
本実施形態のデータ生成装置10において、調整部14は、色基準物を示す色基準物画像と対象物を示す対象物画像とを表す画像データGDに対して、色基準物画像の色データが色基準データと整合するように対象物画像を調整した調整画像データADを生成する。このため、対象物の色を高い再現性で表現可能な調整画像データADを生成できる。また、本実施形態のデータ生成装置10では、対象物が手元になくても、色基準データを利用して、対象物画像を含む画像データGDに基づいて、対象物画像の色を調整した調整画像データADを生成できる。
【0046】
次に、図1および図2を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図2は、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明するためのフロー図である。
【0047】
図2のステップS11においてデータ生成装置10の通信部12が画像データGDを含む入力信号ISを受信するのに先立ち、ステップS10において画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物Tと色基準物30とを撮像装置で撮像することで生成される。画像データGDは、対象物Tの画像を示す対象物画像Tgと色基準物30の画像を示す色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。色基準物30を所定条件下で測定した際に測定される色基準物30の色座標は予め定められている。色基準物30は、対象物Tの色と対象物画像Tgの色との色差を調整する際の基準として用いられる。
【0048】
ここでは、対象物Tは、口紅および口紅容器であり、色基準物30は、24色の異なる色見本を示すカラーチャートである。カラーチャートの色見本は、4行6列のマトリスク状に配列されている。ここでは、カラーチャートの色見本のうち、左端第1列の色見本を「Color 1」とし、左端第2列の色見本を「Color 2」とし、左端第3列の色見本を「Color 3」とする。
【0049】
なお、ここでは、カラーチャートの外観は略直方体形状であり、カラーチャートを正面視した形状は略矩形状である。また、色見本は、4行6列のマトリスク状に配列されている。ただし、本実施形態はこれに限定されない。カラーチャートの形、色、配列および色見本の数は、任意の態様であってもよい。例えば、カラーチャートを正面視した形状は略円状であってもよい。あるいは、色見本の数は24よりも多くても少なくてもよい。
【0050】
色基準物30の色見本の色は、対象物Tにかかわらず汎用的に定められてもよい。この場合、色見本の色は、色座標の大きく異なる複数の色を含むことが好ましい。典型的には、色見本の色は、赤、緑、青、黒、白、金および/または銀の少なくともいずれかを含むことが好ましい。さらには、色見本の色は、赤、緑、青、黒、白、金、銀、シアン、マゼンタおよび/または黄の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0051】
あるいは、色基準物30の色見本の色は、対象物Tに応じて定められてもよい。例えば、色見本の色として、対象物Tの色の色座標に近い色が用いられる。この場合、色見本の色として、対象物Tの色の色座標に近い複数の色を用いることが好ましい。例えば、色見本の色の色座標と対象物Tの色の色座標との差分ΔL、Δa、Δbは、それぞれ0.5以下であることが好ましい。一例では、対象物Tが白のカッターシャツである場合、色見本の色は白色であってもよい。
【0052】
その後、ステップS11において、データ生成装置10は画像データGDを受信する。画像データGDは、対象物Tの画像である対象物画像Tgと色基準物30の画像である色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。
【0053】
ステップS12において、画像データGDで表される画像Gから抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。データ生成装置10は、画像データGDに基づいて対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示した状態で処理してもよい。調整部14は、画像Gのうちの色基準物画像30gに抽出領域Mを割り当て、抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。
【0054】
例えば、色基準物30に含まれる特定の基準色およびその周囲の色配列があらかじめ設定されており、調整部14は、画像データGDで表される画像Gから特定の基準色およびその周囲の色配列を調べることにより、画像データGDで表される画像Gから色基準物画像30gを特定してもよい。これにより、調整部14は、画像データGDの画像Gから色基準物画像30gを特定する。例えば、基準色は白である。
【0055】
なお、ここでは、色基準物画像30gは、画像Gに対して正面を向いているが、本実施形態はこれに限定されない。色基準物画像30gは、斜めを向いていてもよく、色基準物画像30gは、反転して配置されていてもよい。
【0056】
ステップS13において、切り出した色基準物画像30gの色データを取得する。調整部14は、色基準物画像30gの色データを取得する。色データは、色基準物画像30gの測定によって取得されてもよい。あるいは、色データは、色基準物画像30gを示す画像データを示す色信号に基づいて取得されてもよい。
【0057】
例えば、色データはLab色空間表記で示される。ここでは、「Color 1」の色データは(Lx1、ax1、bx1)であり、「Color 2」の色データは(Lx2、ax2、bx2)であり、「Color 3」の色データは(Lx3、ax3、bx3)である。
【0058】
ステップS14において、色基準物30についての色基準データを読み出す。調整部14は、記憶部18から、色基準物についての色基準データを読み出す。例えば、色基準データはLab色空間表記で示される。
【0059】
ここでは、「Color 1」の色基準データは(Ly1、ay1、by1)であり、「Color 2」の色基準データは(Ly2、ay2、by2)であり、「Color 3」の色基準データは(Ly3、ay3、by3)である。
【0060】
ステップS15において、調整部14は、色基準物について取得した色データと色基準データとを比較する。例えば、調整部14は、色基準物について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得する。ここでは、「Color 1」についての差分は(ΔL1、Δa1、Δb1)である。ΔL1は、Lx1とLy1との差分であり、Δa1は、ax1とay1との差分であり、Δb1は、bx1とby1との差分である。同様に、「Color 2」についての差分は(ΔL2、Δa2、Δb2)であり、「Color 3」についての差分は(ΔL3、Δa3、Δb3)である。
【0061】
なお、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得してもよい。この場合、「Color 1」についての比率は(Lx1/Ly1、ax1/ay1、bx1/by1)である。同様に、「Color 2」についての比率は(Lx2/Ly2、ax2/ay2、bx2/by2)であり、「Color 3」についての比率は(Lx3/Ly3、ax3/ay3、bx3/by3)である。
【0062】
また、調整部14は、色基準物30の色基準物画像30gを表す画像データGDから取得した色データと色基準データRDとに基づいて色基準調整テーブルを作成し、記憶部18は、色変換テーブルとして色基準調整テーブルを記憶してもよい。色基準調整テーブルにより、色基準物画像30gの色データを色基準データRDに調整できる。
【0063】
ステップS16において、調整部14は、比較結果に基づいて、画像データGDを調整画像データADに変換する。変換処理により、色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換され、対象物画像Tgは対象物画像Taに変換される。
【0064】
例えば、調整部14が、色基準物について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得した場合、調整部14は、差分がなくなるように画像データGDの色データの値を変更する。あるいは、調整部14が、色基準物について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得した場合、調整部14は、比率が1になるように画像データGDの色データの値を変更する。変換は、線形補間によって行われてもよい。あるいは、変換は、多項式補間によって行われてもよい。
【0065】
調整画像データADは、対象物Tの画像を示す対象物画像Taと色基準物30の画像を示す色基準物画像30aとを含む画像Gを表す。例えば、調整部14は、色基準物について取得した色データと色基準データRDとの差分に基づいて、画像データGDを調整画像データADに変換する。
【0066】
調整部14は、色基準物画像30gが色基準物画像30aに変化するように画像データGDを調整画像データADに変換する。色基準物画像30aの色は色基準物30の色を再現している。調整部14が、画像データGDを調整画像データADに変換すると、対象物画像Tgは対象物画像Taに変化する。この変換により、対象物Tの色と対象物画像Taの色との色差を補正できる。
【0067】
ステップS17において、調整部14は、調整画像データADから色基準物画像30aに対応する部分を削除し、調整画像データADを対象物画像Taに対応させる。その後、通信部12は、調整画像データADを含む出力信号OSを外部機器に送信する。例えば、通信部12は、入力信号の送信元である送信機器に出力信号OSを送信する。以上のようにして、調整画像データADを生成する。本実施形態によれば、対象物Tの色を高い再現性で表現された対象物画像Taを表示可能な調整画像データADを生成できる。
【0068】
なお、図2のステップS13~ステップS17において、差分データは、Labで表記したデータから求めたが、本実施形態はこれに限定されない。差分データは、RGBで表記したデータから求めてもよい。
【0069】
本実施形態のデータ生成装置10は調整画像データ生成システムに好適に用いられる。次に、図1図3を参照して、本実施形態の調整画像データ生成システム100を説明する。図3は、調整画像データ生成システム100の模式図である。
【0070】
調整画像データ生成システム100は、データ生成装置10と、表示装置20と、色基準物30とを備える。上述したように、データ生成装置10は、入力信号ISの画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。
【0071】
表示装置20は、色基準データRDに基づいて色基準物画像30aを表示する。表示装置20は、色基準データRDにしたがって色基準物30の色を再現した色基準物画像30aを表示できる。色基準データRDは、表示装置20において、色基準物30の色を再現した色基準物画像30aを表示できるように調整されている。なお、色基準データRDは、データ生成装置10の記憶部18に記憶されたものと同じであってもよい。
【0072】
表示装置20は、モニタ22と、制御部24と、記憶部26と、入力部28とを備える。制御部24は、モニタ22および入力部28を制御する。
【0073】
モニタ22は、画像を表示する。記憶部26には、色基準データRDが記憶されている。色基準データRDは、モニタ22で表示されるときに色基準物30の色を再現した色基準物画像30aを表示できるように調整されたものである。
【0074】
制御部24は、記憶部26に記憶された色基準データRDにしたがってモニタ22が色基準物画像30aを表示するようにモニタ22を制御する。この場合、モニタ22は、色基準データRDにしたがって色基準物画像30aを表示する。
【0075】
入力部28は、記憶部26に記憶された色基準データを調整するための情報を入力する。入力部28は、キーボードを含んでもよい。あるいは、入力部28は、モニタ22と一体的に設けられたタッチセンサーを含んでもよい。
【0076】
ユーザーは、入力部28を介して、色基準データを調整するための情報を入力できる。記憶部26は、調整された色基準データRDを記憶する。このため、モニタ22は、色基準データRDにしたがって色基準物画像30aを表示する。
【0077】
次に、図1図6を参照して、本実施形態の調整画像データ生成システム100による調整画像データの生成方法を説明する。図4は、表示装置20における色基準データの調整を説明するための模式図である。
【0078】
上述したように、表示装置20は、色基準データRDに基づいて色基準物30の色を再現した色基準物画像30aを表示する。色基準データRDは、表示装置20において、色基準物30の色を再現した色基準物画像30aを表示できるように調整される。
【0079】
まず、撮像装置DDが、色基準物30を撮像して撮像色データIDを生成する。撮像色データIDは、色基準物30を撮像したものであるが、撮像色データIDを表示した際に色基準物画像の色は色基準物30の色とは異なることがある。このため、表示装置20において撮像色データIDを調整する。
【0080】
入力部28には、記憶部26に記憶された撮像色データIDを調整するための情報が入力される。ユーザーは、入力部28を介して、撮像色データIDを調整するための情報を入力できる。撮像色データIDの調整により、モニタ22によって表示される色基準物30の画像の色は色基準物30を再現できる。記憶部26は、撮像色データIDを調整することによって生成した色基準データRDを記憶する。モニタ22は、色基準データRDにしたがって色基準物画像30aを表示できる。
【0081】
次に、図4および図5を参照して、調整画像データ生成システム100による調整画像データの生成方法を説明する。図5は、調整画像データ生成システム100による調整画像データの生成方法を説明するためのフロー図である。
【0082】
ステップS21に示すように、撮像装置DDが対象物Tと色基準物30を撮像して画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物画像Tgと色基準物画像30gを含む画像Gを表す。
【0083】
ステップS22に示すように、データ生成装置10は、画像データGDを含む入力信号を受信し、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。詳細には、データ生成装置10は、図2を参照して上述したように、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。調整画像データADは、対象物画像Tgの色差の調整された対象物画像Taと、色基準物画像30gの色差の調整された色基準物画像30aとを表す。
【0084】
このようにして、表示装置20が調整画像データADに従って画像を表示する場合、調整画像データADで表される対象物画像Taの色は、対象物Tの色を高精度に再現できる。なお、図5において、調整画像データADで表される対象物画像Taの色が対象物Tの色と等しいことが理想であるが、これは、対象物画像Taの色が、対象物Tの色と完全に同一になることを意味するものではない。すなわち、対象物画像Taの色と対象物Tの色との色差は完全にゼロにならなくてもよい。
【0085】
図1図5を参照して上述した説明では、表示装置20は色基準物30の色基準データRDの調整に用いられるとともに、表示装置20が調整画像データADに従って対象物画像Taを表示したが、本実施形態はこれに限定されない。調整画像データADは、表示装置20とは別の表示装置で表示されてもよい。
【0086】
図1図5を参照して上述したデータ生成装置10および調整画像データ生成システム100は、色差調整画像表示システムに好適に用いられる。次に、図6図8を参照して、本実施形態の色差調整画像表示システム200を説明する。図6は、色差調整画像表示システム200の模式図である。なお、色差調整画像表示システム200に含まれる調整画像データ生成システム100については、図3図5を参照して上述した調整画像データ生成システム100と同様であるため、冗長を避けるために重複する説明を省略する。
【0087】
色差調整画像表示システム200は、調整画像データ生成システム100と、表示装置210とを備える。ここでは、表示装置20は、色基準データRDに従って色基準物画像30aを表示する。これに対して、表示装置210は、表示装置20と同様に色基準物画像30aを表示する。
【0088】
なお、表示装置210の色特性は、表示装置20の色特性とは異なるため、表示装置210が、色基準データRDに従って表示を行うと、表示装置210は、表示装置20と同様の色基準物画像30aを表示できない。このため、色差調整画像表示システム200では、色変換テーブルCSTを利用する。
【0089】
記憶部26は、色変換テーブルCSTを記憶する。色変換テーブルCSTは、表示装置20と表示装置210との間の色信号を変換するために用いられる。色変換テーブルCSTにより、表示装置20の色信号と表示装置210の色信号との変換が可能になる。
【0090】
例えば、表示装置20および表示装置210が同じデータにしたがって表示した画像の色を測定することによって、色変換テーブルCSTを生成できる。一例では、表示装置20のモニタ22が、複数の異なる色信号を含む基準色信号データにしたがって画像を表示し、測色器が、モニタ22の表示する複数の色の属性を測定する。色の属性は、例えば、色度X、Yおよび明度Evである。同様に、表示装置210が、複数の異なる色信号を含む基準色信号データにしたがって画像を表示し、測色器が、表示装置210の表示する複数の色の属性を測定する。なお、表示装置20によって表示される基準色信号データは、表示装置210によって表示される基準色信号データと同じである。
【0091】
同一の基準色信号データにしたがって表示する場合でも、モニタ22によって表示される色は表示装置210によって表示される色とは異なる。例えば、基準色信号データ色信号が(R,G,B)=(255,0,0)である場合、モニタ22によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(15.0,0.55,0.30)であり、表示装置210によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(15.0,0.60,0.30)であるとする。また、基準色信号データのある色信号が(R,G,B)=(240,0,0)である場合、モニタ22によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(15.0,0.50,0.30)であり、表示装置210によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(15.0,0.55,0.30)であるとする。
【0092】
この場合、モニタ22における色信号は(R,G,B)=(255,0,0)であり、表示装置210における色信号は(R,G,B)=(240,0,0)であれば、モニタ22および表示装置210はそれぞれ同じ明度および色度(Ev,X,Y)=(15.0,0.55,0.30)の色を表示できる。したがって、表示装置20における色信号(R,G,B)=(255,0,0)は表示装置210における色信号(R,G,B)=(240,0,0)に相当することになる。この場合、色変換テーブルCSTは、表示装置20における色信号(R,G,B)=(255,0,0)を表示装置210における色信号(R,G,B)=(240,0,0)に変換する旨のテーブルを有する。
【0093】
同様に、基準色信号データのある色信号が(R,G,B)=(0,255,0)である場合、モニタ22によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(22.0,0.15,0.65)であり、表示装置210によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(22.0,0.15,0.70)であるとする。また、基準色信号データの別の色信号が(R,G,B)=(0,240,0)である場合、モニタ22によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(22.0,0.15,0.60)であり、表示装置210によって表示される色の明度および色度は(Ev,X,Y)=(22.0,0.15,0.65)であるとする。
【0094】
この場合、モニタ22における色信号は(R,G,B)=(0,255,0)であり、表示装置210における色信号は(R,G,B)=(0,240,0)であれば、モニタ22および表示装置210はそれぞれ同じ明度および色度(Ev,X,Y)=(22.0,0.15,0.65)の色を表示できる。したがって、表示装置20における色信号(R,G,B)=(0,255,0)は表示装置210における色信号(R,G,B)=(0,240,0)に相当することになる。この場合、色変換テーブルCSTは、表示装置20における色信号(R,G,B)=(0,255,0)を表示装置210における色信号(R,G,B)=(0,240,0)に変換する旨のテーブルを有する。
【0095】
なお、上述の数値は本実施形態の理解を容易にするための例示であり、実際の値ではないことに留意されたい。また、上述の説明では、表示装置210におけるある色信号に対応する画像の明度および色度が表示装置20における別の色信号に対応する画像の明度および色度と等しかったが、本発明はこれに限定されない。表示装置210におけるある色信号に対応する画像の明度および色度が表示装置20における別の色信号に対応する画像の明度および色度と近ければよい。
【0096】
例えば、表示装置210におけるある色信号に対応する画像の色と表示装置20における別の色信号に対応する色との間の色差ΔEは6.0以下であることが好ましく、4.5以下であることがさらに好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。あるいは、色差ΔEは1.5以下であることがさらに好ましい。なお、ΔE={(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2で表され、L*=116×f(Y/Yn)-16、a*=500×[f(X/Xn)-f(Y/Yn)]、b*=200×[f(Y/Yn)-f(Z/Zn)]であり、t>(6/29)3のときf(t)=t1/3であり、上記以外のときf(t)=[(29/3)3×t+16]/116である。また、Xn、Yn、ZnはホワイトポイントのCIE XYZでの三刺激値である。
【0097】
以上のように、表示装置20における基準色信号データの色信号に対応する画像の色と表示装置210における基準色信号データの色信号に対応する画像の色との比較により、色変換テーブルCSTを生成できる。なお、表示装置20および表示装置210のそれぞれにおける画像データの色信号のすべての色を測定しなくてもよい。測定の対象となる色信号は互いに異なる約1000色に対応するものであればよい。
【0098】
表示装置20は、色基準データRDおよび色変換テーブルCSTに基づいて色基準データRDCを生成する。色基準データRDCは、表示装置210に適合するように生成される。表示装置210は、色基準データRDCにしたがって色基準物30の色を再現した画像を表示できる。
【0099】
制御部24は、色基準データRDと色変換テーブルCSTとに基づいて色基準データRDCを生成する。色変換テーブルCSTにより、モニタ22において色信号によって表される色を表示装置210の色信号によって表される色で再現できる。表示装置210が、記憶部26に記憶された色基準データRDを色変換テーブルCSTにしたがって色信号を変換して画像を表示すると、表示装置210によって表示される画像の色はモニタ22によって表示される画像の色を再現できる。なお、色変換テーブルCSTは、表示装置20と表示装置210の種類とに固有のものである。このため、表示装置として別の色特性を有する表示装置を対象とする場合、別の色変換テーブルを別途生成する必要がある。
【0100】
制御部24は、色基準データRDおよび色変換テーブルCSTに基づいて色基準データRDCを生成する。例えば、色基準データRDCは、色基準データRDおよび色変換テーブルCSTを含む。一例として、色変換テーブルCSTは、表示装置210において、カラープロファイルとして用いられる。色基準データRDCは、色基準データRDおよび色変換テーブルCSTを合成することによって生成される。
【0101】
表示装置210は、表示装置20によって生成された色基準データRDCを受け取る。表示装置210は、色基準データRDCに基づいて色基準物30の色差を調整した状態で色基準物30を表示できる。したがって、表示装置20において生成した色基準データRDCにより、表示装置210は、色基準物画像30aの色を高い再現性で表示できる。なお、表示装置20における色変換テーブルCSTは、調整画像データ生成装置10においても用いられる。
【0102】
次に、図7を参照して、本実施形態の色差調整画像表示システム200における表示装置20と表示装置210との色差の調整を説明する。図7は、本実施形態の色差調整画像表示システム200における表示装置20と表示装置210との色差の調整を説明するための模式図である。ここでは、表示装置210は、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cを含む。
【0103】
ここでは、表示装置20は、色基準データRDに従って色基準物画像30aを表示する。これに対して、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cは、表示装置20と同様に色基準物画像30aを表示する。
【0104】
なお、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cの色特性は、表示装置20の色特性とは異なるため、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cに、表示装置20と同じ色基準データを送信しても、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cは、表示装置20と同様の色基準物画像30aを表示できない。
【0105】
このため、表示装置20は、色基準データRDおよび色変換テーブルに基づいて色差調整基準データを生成する。例えば、表示装置20は、色基準データRDと、第1表示装置210Aのための色変換テーブルCST1に基づいて第1表示装置210Aのための色差調整基準データRDC1を生成する。その後、データ生成装置10は、色差調整基準データRDC1を含む出力信号を第1表示装置210Aに出力する。第1表示装置210Aは、色差調整基準データRDC1に基づいて色基準物画像30aを表す画像を表示する。
【0106】
同様に、表示装置20は、色基準データRDと、第2表示装置210Bのための色変換テーブルCST2に基づいて第2表示装置210Bのための色差調整基準データRDC2を生成する。その後、データ生成装置10は、色差調整基準データRDC2を含む出力信号を第2表示装置210Bに出力する。第2表示装置210Bは、色差調整基準データRDC2に基づいて色基準物画像30aを表す画像を表示する。なお、第3表示装置210Cについても同様であるため説明を割愛する。
【0107】
次に、図8を参照して、色差調整画像表示システム200による色差調整画像表示方法を説明する。図8は、色差調整画像表示システム200による色差調整画像表示方法を説明するためのフロー図である。
【0108】
まず、ステップS31に示すように、撮像装置DDが対象物Tと色基準物30とを同じ撮像領域内で撮像する。典型的には、対象物Tと色基準物30は、互いが重ならないように対象物Tと色基準物30に並べて撮影される。
【0109】
ここでは、撮像装置DDは、対象物Tと色基準物30を撮像して、画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物画像Tgと色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。なお、画像データGDは対象物画像Tgと色基準物画像30gを表すが、対象物画像Tgと色基準物画像30gの色は、対象物Tと色基準物30とは異なる。このため、画像データGDをこのまま表示装置で表示したとしても、表示装置20において画像データGDで表される対象物画像Tgおよび色基準物画像30gの色は、対象物Tおよび色基準物30の色とは異なる。
【0110】
ステップS32に示すように、データ生成装置10は、画像データGDに基づいて調整画像データADを生成する。なお、表示装置20が、調整画像データADに従って表示する場合、表示装置20は、色差の調整された対象物画像Taと色基準物画像30aを含む画像を表示する。
【0111】
なお、データ生成装置10は、調整画像データADおよび色変換テーブルに基づいて色差調整画像データを生成する。例えば、データ生成装置10は、調整画像データADと、第1表示装置210Aのための色変換テーブルCST1に基づいて第1表示装置210Aのための色差調整画像データADC1を生成する。また、データ生成装置10は、調整画像データADと、第2表示装置210Bのための色変換テーブルCST2に基づいて第2表示装置210Bのための色差調整画像データADC2を生成する。同様に、データ生成装置10は、調整画像データADと、第3表示装置210Cのための色変換テーブルCST3に基づいて第3表示装置210Cのための色差調整画像データADC3を生成する。
【0112】
ステップS33に示すように、データ生成装置10は、色差調整画像データADC1を含む出力信号を第1表示装置210Aに出力する。第1表示装置210Aは、色差調整画像データADC1に基づいて対象物画像Taと色基準物画像30aを表す画像Gを表示する。
【0113】
同様に、データ生成装置10は、色差調整画像データADC2を含む出力信号を第2表示装置210Bに出力する。第2表示装置210Bは、色差調整画像データADC2に基づいて対象物画像Taと色基準物画像30aを表す画像Gを表示する。なお、第3表示装置210Cについても同様であるため説明を割愛する。
【0114】
なお、図8のステップS33には、説明の便宜上、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cは、対象物画像Taだけでなく色基準物画像30aを表示しているが、本実施形態はこれに限定されない。典型的には、色差調整画像データから色基準物画像30aが削除され、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cは、対象物画像Taを表示することが好ましい。この場合、色基準物画像30aは、データ生成装置10において調整画像データADから削除されてもよい。あるいは、色基準物画像30aは、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび第3表示装置210Cにおいて色差調整画像データADC1、ADC2、ADC3から削除されてもよい。
【0115】
また、図8を参照した上述の説明では、データ生成装置10は、画像データGDから調整画像データADを生成するとともに、調整画像データADから色差調整画像データADC1、ADC2、ADC3を生成したが、本実施形態はこれに限定されない。調整画像データADから色差調整画像データADC1、ADC2、ADC3の生成は、データ生成装置10とは異なる装置で行われてもよい。
【0116】
また、図8を参照した上述の説明では、データ生成装置10の記憶部18には、第1表示装置210A~第3表示装置210Cに対応する色変換テーブルCST1~CST3が記憶されており、データ生成装置10は、調整画像データADと色変換テーブルCST1~CST3と基づいて、色差調整画像データADC1~ADC3を生成したが、本実施形態はこれに限定されない。色変換テーブルCSTは、表示装置に応じて異ならない汎用テーブルであってもよい。この場合、データ生成装置10は、調整画像データADと汎用色変換テーブルと基づいて、色差調整画像データを生成して、種々の表示装置に色差調整画像データを送信してもよい。
【0117】
なお、図2図8を参照した上述の説明では、色基準物としてカラーチャートが用いられたが、本実施形態はこれに限定されない。色基準物は、可変表示可能な表示装置であってもよい。例えば、色基準物として、色変換テーブルを用いて色差を補正可能な図6図8に示した表示装置210、第1表示装置210A、第2表示装置210Bおよび/または第3表示装置210Cを用いてもよい。この場合、色変換テーブルを適時更新することにより、より高精度な色基準物を作成できる。さらに、対象物Tに応じて色変換テーブルを変更することにより、対象物Tの色に適した色の再現性を向上できる。
【0118】
なお、図3を参照して説明したように、データ生成装置10は、モニタ22とともに調整画像データ生成システム100において用いられてもよい。ただし、図3では、モニタ22は、色基準物画像30aを表示したが、本実施形態はこれに限定されない。
【0119】
ユーザーは、データ生成装置10において画像データGDおよび/または調整画像データADに基づく画像Gをモニタ22に表示しながら調整処理を詳細に設定してもよい。例えば、モニタ22は、画像を調整する前の画像データGDに基づく対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示する。あるいは、モニタ22は、画像を調整した後の調整画像データADに基づく対象物画像Taおよび/または色基準物画像30aを表示してもよい。
【0120】
ユーザーは、入力部28を介してモニタ22に表示される画像を切り替えてもよい。一例では、モニタ22が、画像データGDに基づく対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示する場合、ユーザーが、入力部28を介して画像の切り替えを指示することにより、モニタ22は、調整画像データADに基づく対象物画像Taおよび色基準物画像30aを表示してもよい。さらに、データ生成装置10において、調整する画像の対象および/または範囲は変更および/または指定されてもよい。
【0121】
なお、図1図8を参照した上述の説明では、画像データGDで表される画像G全体を調整したが、本実施形態はこれに限定されない。画像データGDで表される画像Gの一部を調整してもよい。
【0122】
次に、図1図9を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図9は、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明するためのフロー図である。なお、図9のステップS40、S41、S43は、画像データGDが対象物Tおよび色基準物30とその近傍を光源Lで照射された環境下で対象物Tおよび色基準物30を撮像することによって生成されたものである点を除き、図2のステップS10~S12と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0123】
図9のステップS41においてデータ生成装置10の通信部12が画像データGDを含む入力信号ISを受信するのに先立ち、ステップS40において画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物Tと色基準物30とを撮像装置で撮像することで生成される。ここでは、対象物Tと色基準物30とは、光源Lから光が照射された環境下で撮像される。光源Lは、指向性の比較的高い光を出射する。このため、光源Lの光が照射される領域の明るさは、光源Lの光が照射されない領域の明るさとは大きく異なる。対象物Tと色基準物30には、光源Lから光が照射される。
【0124】
画像データGDは、対象物Tの画像を示す対象物画像Tgと色基準物30の画像を示す色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。ここでは、対象物Tは、口紅および口紅容器であり、色基準物30は、24色の異なる色見本を示すカラーチャートである。カラーチャートの色見本は、4行6列のマトリスク状に配列されている。
【0125】
その後、ステップS41において、データ生成装置10は画像データGDを受信する。画像データGDは、対象物Tの画像である対象物画像Tgと色基準物30の画像である色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。
【0126】
その後、ステップS42において、調整対象範囲CRを指定する。例えば、調整対象範囲CRは、光源Lの照射された領域に対応して指定される。このため、対象物画像Tgおよび色基準物画像30gは、画像G内の調整対象範囲CRに含まれる。
【0127】
ユーザーは、入力部28を介して、画像Gの調整対象範囲CRを指定できる。あるいは、調整対象範囲CRを指定する情報が、あらかじめ記憶部18に記憶されており、必要に応じて、記憶部18から読み出されてもよい。
【0128】
ステップS43において、調整対象範囲CRから抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。データ生成装置10は、画像データGDに基づいて対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示した状態で処理してもよい。調整部14は、画像Gのうちの色基準物画像30gに抽出領域Mを割り当て、抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。
【0129】
その後、切り出した色基準物画像30gの色データを取得する。調整部14は、色基準物画像30gの色データを取得する。色データは、色基準物画像30gの測定によって取得されてもよい。あるいは、色データは、色基準物画像30gを示す画像データを示す色信号に基づいて取得されてもよい。また、調整部14は、記憶部18から、色基準物30についての色基準データRDを読み出す。
【0130】
調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データとを比較する。例えば、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得する。なお、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得してもよい。また、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとに基づいて色基準調整テーブルを作成し、記憶部18は、色基準調整テーブルを記憶してもよい。
【0131】
ステップS44において、画像データGDを調整画像データADに変換する。調整部14は、上述したように、画像データGDを調整画像データADに変換する。変換処理により、調整対象範囲CR内の色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換され、対象物画像Tgは対象物画像Taに変換される。
【0132】
変換処理により、画像G内のうちの調整対象範囲CR内の領域の色は変換される。このため、色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換され、対象物画像Tgは対象物画像Taに変換される。一方で、変換処理の後でも、調整対象範囲CRの外部は変換されないままである。
【0133】
その後、ステップS45において、調整部14は、調整画像データADから色基準物画像30aに対応する部分を削除し、調整画像データADを対象物画像Taに対応させる。その後、通信部12は、調整画像データADを含む出力信号OSを外部機器に送信する。例えば、通信部12は、入力信号の送信元である送信機器に出力信号OSを送信する。以上のようにして、調整画像データADを生成する。本実施形態によれば、対象物Tの色を高い再現性で表現された対象物画像Taを表示可能な調整画像データADを生成できる。
【0134】
さらに、本実施形態では、比較的高強度の光源Lの光が照射された領域内の画像の色を選択的に調整する。これにより、色基準物30の存在する環境とは異なる環境に位置した画像に対して、色基準物画像30gと同様の調整を行わないため、不要な演算を回避できる。
【0135】
なお、対象物画像Tgを含む画像G内の特定の範囲の色を選択的に調整する場合、画像のうち色の調整される領域と色の調整されない領域との境界が不自然になることがある。この場合、境界部分をぼかすように色を調整することが好ましい。
【0136】
次に、図1図10を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図10は、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明するためのフロー図である。なお、図10のステップS50~S55は、光源の種類およびステップS54における画像の調整が異なる点を除き、図9のステップS40~S45と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0137】
図10のステップS51においてデータ生成装置10の通信部12が画像データGDを含む入力信号ISを受信するのに先立ち、ステップS50において画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物Tと色基準物30とを撮像装置で撮像することで生成される。ここでは、対象物Tと色基準物30とは、光源Laから光が照射された環境下で撮像される。光源Laは、指向性の比較的低い光を出射する。このため、光源Laの光が照射される領域の明るさは、光源Laの光が照射されない領域の明るさとはわずかに異なる。対象物Tと色基準物30には、光源Laから光が照射される。
【0138】
その後、ステップS51において、データ生成装置10は画像データGDを受信する。画像データGDは、対象物Tの画像である対象物画像Tgと色基準物30の画像である色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。
【0139】
その後、ステップS52において、調整対象範囲CRを指定する。例えば、調整対象範囲CRは、光源Laの照射された領域に対応して指定される。このため、対象物画像Tgおよび色基準物画像30gは、画像G内の調整対象範囲CRに含まれる。
【0140】
ユーザーは、入力部28を介して、画像Gの調整対象範囲CRを指定できる。あるいは、調整対象範囲CRは、あらかじめ記憶部18に記憶されており、必要に応じて、記憶部18から読み出されてもよい。
【0141】
ステップS53において、調整対象範囲CRから抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。データ生成装置10は、画像データGDに基づいて対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示した状態で処理してもよい。調整部14は、画像Gのうちの色基準物画像30gに抽出領域Mを割り当て、抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。
【0142】
その後、切り出した色基準物画像30gの色データを取得する。調整部14は、色基準物画像30gの色データを取得する。色データは、色基準物画像30gの測定によって取得されてもよい。あるいは、色データは、色基準物画像30gを示す画像データを示す色信号に基づいて取得されてもよい。また、調整部14は、記憶部18から、色基準物30についての色基準データRDを読み出す。
【0143】
調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データとを比較する。例えば、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得する。なお、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得してもよい。また、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとに基づいて色基準調整テーブルを作成し、記憶部18は、色基準調整テーブルを記憶してもよい。
【0144】
ステップS54において、画像データGDを調整画像データADに変換する。調整部14は、上述したように、画像データGDを調整画像データADに変換する。変換処理により、調整対象範囲CR内の色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換され、対象物画像Tgは対象物画像Taに変換される。
【0145】
ここでは、調整部14は、画像G内の調整対象範囲CRの内側および外側の境界が認識されないように調整画像データADを調整する。例えば、調整部14は、調整対象範囲CRのうちの色基準物画像30gおよび対象物画像Tgの背景にある背景画像を特定し、背景画像の色が調整対象範囲CRの内側から外側に向かって段階的に変化するように調整画像データADを調整する。
【0146】
その後、ステップS55において、調整部14は、調整画像データADから色基準物画像30aに対応する部分を削除し、調整画像データADを対象物画像Taに対応させる。その後、通信部12は、調整画像データADを含む出力信号OSを外部機器に送信する。例えば、通信部12は、入力信号の送信元である送信機器に出力信号OSを送信する。以上のようにして、調整画像データADを生成する。本実施形態によれば、対象物Tの色を高い再現性で表現された対象物画像Taを表示可能な調整画像データADを生成できる。また、本実施形態によれば、対象物画像Taを含む画像Gに光源Laの照射された領域と照射されない領域の両方が含まれる場合でも、画像Gのうちの対象物画像Ta以外の背景画像を自然に表示できる。
【0147】
なお、図9および図10を参照した説明では、画像G内の調整対象範囲CRが指定された後でも、画像G内の調整対象範囲CRの外部は残ったままであったが、本実施形態はこれに限定されない。画像G内に調整対象範囲CRが指定された結果、画像G内の調整対象範囲CRの外部の画像が削除されるように画像データGDは処理されてもよい。
【0148】
また、図1図10を参照して上述した説明では、色基準物画像30gおよび対象物画像Tgを表す画像データGDから調整画像データADを生成したが、本実施形態はこれに限定されない。画像データは、色基準物画像を表すことなく対象物画像を表してもよい。この場合、色基準物画像を示す画像データの色データと色基準データとに基づいて作成された色基準調整テーブルに基づいて、対象物画像を表す画像データを調整した調整画像データを生成してもよい。
【0149】
色基準調整テーブルは、色基準物画像を示す画像データと色基準データとに基づいて作成される。この場合、一旦、所定の環境下において、色基準調整テーブルを作成すると、同様の環境下であれば、同じ色基準調整テーブルを用いることにより、色基準物が撮像されていなくても対象物画像を調整できる。
【0150】
次に、図1図11を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図11は、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明するためのフロー図である。図11のステップS60~S64は、図2を参照して上述したステップS10~S12、S16、S17と同様である。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。なお、色基準物画像30gから色基準物画像30aへの変換は、色基準調整テーブルにしたがって行われる。本実施形態では、データ生成装置10は、色基準調整テーブルを生成し、色基準調整テーブルを記憶部18に記憶する。色基準調整テーブルは、別の対象物画像の調整にも適用できる。
【0151】
図11のステップS61においてデータ生成装置10の通信部12が画像データGDを含む入力信号ISを受信するのに先立ち、ステップS60において画像データGDを生成する。画像データGDは、対象物Tと色基準物30とを撮像装置で撮像することで生成される。
【0152】
図11のステップS61において、データ生成装置10は画像データGDを受信する。画像データGDは、対象物Tの画像である対象物画像Tgと色基準物30の画像である色基準物画像30gとを含む画像Gを表す。
【0153】
その後、ステップS62において、画像Gから抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。データ生成装置10は、画像データGDに基づいて対象物画像Tgおよび色基準物画像30gを表示した状態で処理してもよい。調整部14は、画像Gのうちの色基準物画像30gに抽出領域Mを割り当て、抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。
【0154】
その後、切り出した色基準物画像30gの色データを取得する。調整部14は、色基準物画像30gの色データを取得する。色データは、色基準物画像30gの測定によって取得されてもよい。あるいは、色データは、色基準物画像30gを示す画像データを示す色信号に基づいて取得されてもよい。また、調整部14は、記憶部18から、色基準物30についての色基準データRDを読み出す。
【0155】
調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データとを比較する。例えば、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得する。なお、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得してもよい。また、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとに基づいて色基準調整テーブルを作成し、記憶部18は、色基準調整テーブルを記憶してもよい。
【0156】
ステップS63において、画像データGDを調整画像データADに変換する。調整部14は、上述したように、画像データGDを調整画像データADに変換する。変換処理により、色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換され、対象物画像Tgは対象物画像Taに変換される。
【0157】
その後、ステップS64において、調整部14は、調整画像データADから色基準物画像30aに対応する部分を削除し、調整画像データADを対象物画像Taに対応させる。
【0158】
また、ステップS70において画像データGDxを生成する。画像データGDxは、対象物Txを撮像装置で撮像することで生成される。なお、対象物Txは、色基準物30および対象物Tと同様の環境下において撮像されることが好ましい。画像データGDxは、対象物Txの画像を示す対象物画像Txgを示す画像Gxを表す。ここでは、対象物Txは、靴である。なお、本明細書において、対象物Txを追加対象物と記載することがある。
【0159】
その後、ステップS71において、データ生成装置10は画像データGDxを受信する。画像データGDxは、対象物Txの画像である対象物画像Txgを含む画像Gxを表す。
【0160】
ステップS72において、調整部14は、色基準調整テーブルに従って画像データGDxを調整画像データADxに変換する。調整部14が、画像データGDxを調整画像データADxに変換すると、対象物画像Txgは対象物画像Txaに変化する。この変換により、対象物Txの色と対象物画像Txaの色との色差を補正できる。
【0161】
以上のようにして、調整画像データADおよび調整画像データADxを生成する。本実施形態では、色基準物画像30gを用いて先に取得した色基準調整テーブルを利用して、対象物画像Txgを対象物画像Txaに調整する。このため、追加対象物となる対象物Txは色基準物30とともに撮像しなくても、対象物画像Txgを表す画像データGDxを調整画像データADxに調整できる。これにより、より少ない労力で対象物画像の色を高い再現性で表現できる。
【0162】
なお、色基準調整テーブルを適用する画像データは、同様の環境下で撮像されて生成されたものであることが好ましい。これにより、適切な色基準調整テーブルを利用して、調整画像データを生成できる。
【0163】
図11を参照して上述したように、色基準調整テーブルを利用することにより、画像データが色基準物画像を表さなくても、対象物画像を表す画像データから対象物画像を調整した調整画像データを生成できる。この場合、複数の画像データから、調整画像データを生成すべき画像データを選択できることが好ましい。
【0164】
次に、図1図12を参照して、複数の画像データから対応する調整画像データを選択的に生成する態様を説明する。図12(a)は、調整前の複数の画像を表示したモニタ22の模式図であり、図12(b)は、調整された複数の画像を表示したモニタ22の模式図である。
【0165】
図12(a)に示すように、モニタ22は、画像データGDa~GDiにそれぞれ基づく複数の画像Ga~Giを表示する。画像Gaは、対象物画像Tgaおよび色基準物画像30gを含む。画像Gbは、対象物画像Tgbを含む。同様に、画像Gc~Giは、対象物画像Tgc~Tgiを含む。ここでは、画像Gaは、色基準物画像30gを含む一方で、画像Gb~Giは、色基準物画像30gを含まない。
【0166】
また、モニタ22は、画像Ga~Giに対応してチェックボックスCBを表示する。チェックボックスCBは、ユーザーが画像Ga~Giの調整を希望するか否かを示す。ユーザーは、画像Ga~Giの色の調整を希望する場合、入力部28を介して画像Ga~Giのうちの対応する画像のチェックボックスCBにチェックを付す。
【0167】
ここでは、画像G1~G9に対応するすべてのチェックボックスCBにチェックが付されている。このため、調整部14は、画像Ga~Giに対応する画像データGDa~GDiに基づいて、対象物画像Tga~Tgiを対象物画像Taa~Taiに調整した調整画像データADa~ADiを生成する。
【0168】
図12(b)に示すように、モニタ22は、調整画像データADa~ADiに基づく複数の画像Ga~Giを表示する。画像Gaは、対象物画像Taaおよび色基準物画像30aを含む。画像Gbは、対象物画像Tabを含む。同様に、画像Gc~Giは、対象物画像Tac~Taiを含む。ここでは、画像Gaは、色基準物画像30aを含む一方で、画像Gb~Giは、色基準物画像30aを含まない。このように、画像Gb~Giが色基準物画像30gを含まなくても、対象物画像Tgb~Tgiを対象物画像Tab~Taiに調整できる。
【0169】
本実施形態によれば、調整前の画像Ga~Giに対応するすべてのチェックボックスCBにチェックが付されていることから、画像Ga~Giの対象物画像Tga~Tgiは、対象物画像Taa~Taiに調整されたが、チェックボックスCBが選択的にチェックされることにより、対象物画像Tga~Tgiの選択されたいずれかが対象物画像Taa~Taiのいずれかに調整されてもよい。
【0170】
なお、図11を参照した上述の説明では、ステップS60~S64およびステップS70~S72を一連の動作として説明したが、本実施形態はこれに限定されない。ステップS60~S64とステップS70~S72とは、別々に行われてもよい。例えば、ステップS70~S72は、ステップS60~S64とは異なる日に行われてもよい。ただし、ステップS60の撮像と、ステップS70における撮像とはほぼ同一の環境下で行われることが好ましい。同様に、図12を参照した画像データGDa~GDiを生成するための撮像もほぼ同一の環境下で行われることが好ましい
【0171】
なお、図1図12を参照した上述の説明では、色基準物30は対象物Tとともに撮像されて色基準物画像30gおよび対象物画像Tgを表す画像データGDを調整して調整画像データADを生成したが、本実施形態はこれに限定されない。色基準物30を単独で撮像して調整した後、対象物画像を表す画像データを調整した調整画像データADを生成してもよい。
【0172】
次に、図1図13を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図13は、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明するためのフロー図である。
【0173】
図13のステップS80~S83は、色基準物30が単体で撮像された点を除いて、図11を参照して上述したステップS60~S63と同様である。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。なお、色基準物画像30gから色基準物画像30aへの変換は、色基準調整テーブルにしたがって行われる。本実施形態では、データ生成装置10は、色基準調整テーブルを生成し、色基準調整テーブルを記憶部18に記憶する。色基準調整テーブルは、色基準物30とは別途用意された対象物画像に対する色の調整に適用される。
【0174】
図13のステップS81においてデータ生成装置10の通信部12が画像データGDを含む入力信号ISを受信するのに先立ち、ステップS80において画像データGDを生成する。画像データGDは、色基準物30を撮像装置で撮像することで生成される。
【0175】
その後、ステップS81において、データ生成装置10は画像データGDを受信する。画像データGDは、色基準物30の画像である色基準物画像30gを含む画像Gを表す。
【0176】
その後、ステップS82において、画像Gから抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。データ生成装置10は、画像データGDに基づいて色基準物画像30gを表示した状態で処理してもよい。調整部14は、画像Gのうちの色基準物画像30gに抽出領域Mを割り当て、抽出領域M内の色基準物画像30gを切り出す。
【0177】
その後、切り出した色基準物画像30gの色データを取得する。調整部14は、色基準物画像30gの色データを取得する。色データは、色基準物画像30gの測定によって取得されてもよい。あるいは、色データは、色基準物画像30gを示す画像データを示す色信号に基づいて取得されてもよい。また、調整部14は、記憶部18から、色基準物30についての色基準データRDを読み出す。
【0178】
調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データとを比較する。例えば、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの差分を取得する。なお、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとの比率を取得してもよい。また、調整部14は、色基準物30について取得した色データと色基準データRDとに基づいて色基準調整テーブルを作成し、記憶部18は、色基準調整テーブルを記憶してもよい。
【0179】
ステップS83において、画像データGDを調整画像データADに変換する。調整部14は、上述したように、画像データGDを調整画像データADに変換する。変換処理により、画像G内の色基準物画像30gは色基準物画像30aに変換される。
【0180】
ステップS90において画像データGDxを生成する。画像データGDxは、対象物Txを撮像装置で撮像することで生成される。なお、対象物Txは、色基準物30と同様の環境下において撮像されることが好ましい。画像データGDxは、対象物Txの画像を示す対象物画像Txgを示す画像Gxを表す。ここでは、対象物Txは口紅である。
【0181】
その後、ステップS91において、データ生成装置10は画像データGDxを受信する。画像データGDxは、対象物Txの画像である対象物画像Txgを含む画像Gxを表す。
【0182】
ステップS92において、調整部14は、色基準調整テーブルに従って画像データGDxを調整画像データADxに変換する。調整部14が、画像データGDxを調整画像データADxに変換すると、対象物画像Txgは対象物画像Txaに変化する。この変換により、対象物Txの色と対象物画像Txaの色との色差を補正できる。
【0183】
以上のようにして、調整画像データADおよび調整画像データADxを生成する。本実施形態では、色基準物画像30gを用いて先に取得した色基準調整テーブルを利用して、対象物画像Txgを対象物画像Txaに調整する。このため、対象物Txおよび色基準物30を同時に撮像しなくても、対象物画像Txgを表す画像データGDxを調整画像データADxに調整できる。これにより、より少ない労力で対象物画像の色を高い再現性で表現できる。
【0184】
上述したように、調整画像データ生成装置10は、色基準調整テーブルを記憶することが好ましい。例えば、調整画像データ生成装置10は、撮像環境に応じて色基準調整テーブルを記憶することが好ましい。
【0185】
次に、図1図14を参照して、本実施形態のデータ生成装置10による調整画像データ生成方法を説明する。図14は、本実施形態のデータ生成装置10の模式図である。ここでは、データ生成装置10は、異なるユーザーから画像データを受信し、それぞれのユーザーに調整画像データを送信する。
【0186】
ここでは、データ生成装置10は、スタジオA、スタジオBおよびスタジオCからの画像データを調整して調整画像データを生成し、調整画像データをそれぞれ出力する。なお、スタジオA、スタジオBおよびスタジオCの撮像環境は互いに異なるが、各スタジオA、スタジオBおよびスタジオCの撮像環境は一律に決められている。
【0187】
また、記憶部18は、色基準調整テーブルA、B、Cを含む。例えば、色基準調整テーブルAは、スタジオAの撮像環境下で撮像された画像データに適した画像の調整を行うためのテーブルである。典型的には、色基準調整テーブルAは、スタジオAにおいて色基準物を撮像した色基準物画像に基づいて生成される。同様に、色基準調整テーブルBは、スタジオBの撮像環境下で撮像された画像データに適した画像の調整を行うためのテーブルであり、色基準調整テーブルCは、スタジオCの撮像環境下で撮像された画像データに適した画像の調整を行うためのテーブルである。
【0188】
データ生成装置10は、スタジオAから画像データGD1を含む入力信号を受信すると、色基準調整テーブルAに基づいて画像データGD1を調整した調整画像データAD1を生成し、スタジオAに調整画像データAD1を含む出力信号を送信する。また、データ生成装置10は、スタジオBから画像データGD2を含む入力信号を受信すると、色基準調整テーブルBに基づいて画像データGD2を調整した調整画像データAD2を生成し、スタジオBに調整画像データAD2を含む出力信号を送信する。同様に、データ生成装置10は、スタジオCから画像データGD3を含む入力信号を受信すると、色基準調整テーブルCに基づいて画像データGD3を調整した調整画像データAD3を生成し、スタジオCに調整画像データAD3を含む出力信号を送信する。
【0189】
以上のように、画像データGDの生成された撮像環境に応じて色基準調整テーブルを使い分けることにより、撮像環境に応じた調整画像データを生成できる。
【0190】
なお、本実施形態の調整画像データ生成装置10は、API(Application Programming Interface)連携で動作することが好ましい。例えば、調整画像データ生成装置10は、他のプログラムと連携して動作してもよい。典型的には、調整画像データ生成装置10を具現化する調整画像データ生成プログラムは、他のプログラムと連携して動作してもよい。本明細書において、調整画像データ生成プログラムと連携するプログラムを連携先プログラムと記載することがある。
【0191】
一例として、本実施形態の調整画像データ生成プログラムは、連携先プログラムによって呼び出され、調整画像データ生成プログラムによって生成された調整画像データADに基づく対象物画像Taは、連携先プログラムにしたがって表示される表示画面の一部の画像として表示されてもよい。連携先プログラムにより、本実施形態の調整画像データ生成プログラムに対して、対象物画像を表す調整画像データの送信が要求され、本実施形態の調整画像データ生成プログラムは、この要求に応じて調整画像データを送信してもよい。
【0192】
次に、図15を参照して、本実施形態の調整画像データ生成装置10と連携する連携装置310を説明する。図15は、本実施形態の調整画像データ生成装置10および連携装置310を説明するための模式図である。ここでは、記憶部18は、調整画像データ生成プログラム10sを記憶する。制御部16が、調整画像データ生成プログラム10sを実行することにより、調整部14が具現化される。
【0193】
連携装置310は、端末装置TD1~TD4と通信する。連携装置310は、端末装置TD1~TD4からの指示に基づいて端末装置TD1~TD4が表示するための表示画像を表す画像データを送信する。ここでは、端末装置TD1~TD3はスマートフォンであり、端末装置T4はパーソナルコンピューターである。
【0194】
調整画像データ生成装置10は、連携装置310と通信する。調整画像データ生成装置10は、連携装置310からの指示に応じて連携装置310と連携して動作する。
【0195】
端末装置TD1~TD4は、ユーザーの指示に基づいて、端末装置TD1~TD4の表示画面に表示する画像を表す画像データを連携装置310に送信するように要求する。連携装置310は、画像データの少なくとも一部として調整画像データADを出力するように調整画像データ生成装置10に要求する。
【0196】
調整画像データ生成装置10は、連携装置310からの要求に従って、調整画像データADを含む出力信号OSを連携装置310に出力する。連携装置310は、端末装置TD1~TD4からの要求に従って、調整画像データADを少なくとも一部として用いた画像データを端末装置TD1~TD4にそれぞれ送信する。
【0197】
連携装置310は、通信部312と、制御部314と、記憶部316とを備える。制御部314は、通信部312および記憶部316を制御する。通信部312は、外部端末と通信する。例えば、通信部312は、端末装置TD1~TD4および調整画像データ生成装置10と通信する。
【0198】
記憶部316は、連携先プログラム310sを記憶する。連携先プログラム310sは、商品を販売するための表示画面を表示するためのプログラムであってもよい。または、連携先プログラムは、商品を販売するための表示画面と連動した在庫管理プログラムであってもよい。
【0199】
連携装置310は、端末装置TD1~TD4からの要求の前に、調整画像データADを含む出力信号を受信し、記憶部316は、調整画像データADを記憶してもよい。あるいは、連携装置310は、端末装置TD1~TD4からの要求に基づいて、調整画像データADを出力するように調整画像データ生成装置10に要求してもよい。
【0200】
このように、連携装置310は、端末装置TD1~TD4からの要求に応じて、または、端末装置TD1~TD4からの要求に先立ち、画像データGDを含む信号を調整画像データ生成装置10に送信し、また、調整画像データ生成装置10が調整画像データADを含む信号を出力するように調整画像データ生成装置10に要求する。同様に、調整画像データ生成装置10は、端末装置TD1~TD4からの要求に応じて、または、端末装置TD1~TD4からの要求に先立ち、連携装置310から画像データGDを含む入力信号ISを受信し、また、連携装置310に調整画像データADを含む出力信号OSを送信する。このため、端末装置TD1~TD4は、連携装置310から、調整画像データを含む信号を受信し、対象物画像Taを含む画像を表示できる。
【0201】
本実施形態によれば、調整画像データ生成装置10は、連携装置310と連携して動作する。このため、端末装置TD1~TD4のユーザーは、データ生成装置10の調整画像データ生成プログラム10sを直接的に実行しなくても、連携装置310の連携先プログラム310sを実行することにより、調整画像データを受信でき、高い再現性で色の表示された対象物画像を視認できる。
【0202】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素いくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0203】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明によれば、対象物の色を高い再現性で表現可能な調整画像データを生成できる。
【符号の説明】
【0205】
10 調整画像データ生成装置
12 通信部
14 調整部
16 制御部
18 記憶部
100 調整画像データ生成システム
200 色差調整画像表示システム
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