(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】運賃情報提供システム及び乗降管理装置
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20220601BHJP
【FI】
G07B15/00 B
(21)【出願番号】P 2022506775
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2021045337
【審査請求日】2022-02-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509288585
【氏名又は名称】QUADRAC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100119301
【氏名又は名称】蟹田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】三露 学
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/229819(WO,A1)
【文献】特開2015-18501(JP,A)
【文献】特開2019-28696(JP,A)
【文献】特開2009-199290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場駅に配置され、入場駅情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
前記入場駅に配置された改札機と前記出場駅に配置された改札機と前記複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する運賃情報提供システムであって、
前記乗降管理装置は、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報を受信し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報を受信する運賃情報提供システム。
【請求項2】
入場駅に配置され、入場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
前記入場駅に配置された改札機と前記出場駅に配置された改札機と前記複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する運賃情報提供システムであって、
前記乗降管理装置は、
カード番号に対応付けて参照情報を記憶し、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報とカード番号と運賃装置情報を受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報とカード番号と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報と更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶する運賃情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の運賃情報提供システムであって、
前記乗降管理装置は、前記受信した運賃情報を前記出場駅に配置された改札機に送信し、
前記出場駅に配置された改札機は、前記乗降管理装置から受信した運賃情報を出力する運賃情報提供システム。
【請求項4】
入場駅に配置され、入場駅情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
にネットワークを介して接続される乗降管理装置であって、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報を受信し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報を受信する乗降管理装置。
【請求項5】
入場駅に配置され、入場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
にネットワークを介して接続される乗降管理装置であって、
カード番号に対応付けて参照情報を記憶し、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報とカード番号と運賃装置情報を受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報とカード番号と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報と更新された新たな参照情報とを受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶する
乗降管理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の乗降管理装置であって、
前記受信した運賃情報を前記出場駅に配置された改札機に送信する乗降管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃情報提供システム及び乗降管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運賃収受システムが提案されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、運賃装置を出場駅ごとに、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定め、それら運賃装置から出場駅の改札機に対しネットワークを介して電車やバスなどの運賃情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、次の一実施形態を含む。
【0006】
入場駅に配置され、入場駅情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
前記入場駅に配置された改札機と前記出場駅に配置された改札機と前記複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する運賃情報提供システムであって、
前記乗降管理装置は、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報を受信し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報を受信する運賃情報提供システム。
【0007】
入場駅に配置され、入場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
前記入場駅に配置された改札機と前記出場駅に配置された改札機と前記複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する運賃情報提供システムであって、
前記乗降管理装置は、
カード番号に対応付けて参照情報を記憶し、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報とカード番号と運賃装置情報を受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報とカード番号と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報と更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶する運賃情報提供システム。
【0008】
入場駅に配置され、入場駅情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
にネットワークを介して接続される乗降管理装置であって、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報を受信し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報を受信する乗降管理装置。
【0009】
入場駅に配置され、入場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、
出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、
にネットワークを介して接続される乗降管理装置であって、
カード番号に対応付けて参照情報を記憶し、
前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報とカード番号と運賃装置情報を受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から更新された新たな参照情報を受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶し、
前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報とカード番号と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報と前記カード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報と更新された新たな参照情報とを受信し、前記新たな参照情報を前記カード番号に対応付けて記憶する運賃情報提供システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、運賃装置を出場駅ごとに、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定め、それら運賃装置から出場駅の改札機に対しネットワークを介して電車やバスなどの運賃情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る運賃情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図2】乗降管理装置におけるデータの記憶例を示す図である。
【
図3】乗降管理装置におけるデータの記憶例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る運賃情報提供システムの動作例1を説明する図である。
【
図5】実施形態に係る運賃情報提供システムの動作例2を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態に係る運賃情報提供システム]
図1は、実施形態に係る運賃情報提供システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、実施形態に係る運賃情報提供システムは、入場駅に配置される改札機と、出場駅に配置される改札機と、複数の運賃装置と、入場駅に配置された改札機と出場駅に配置された改札機と複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する。以下、詳細に説明する。
【0013】
(入場駅)
入場駅の一例には、乗客が電車やバスに乗車する駅やバス停が含まれる。
【0014】
(出場駅)
出場駅の一例には、乗客が電車やバスに降車する駅やバス停が含まれる。
【0015】
(改札機)
改札機とは、乗客のカードから少なくともカード番号を読み取る機能を備えた装置である。改札機が当該機能を備える場合の一例には、例えば、当該機能を実現する装置(例:リーダ/ライタ装置)が改札機に内蔵されている場合のほか、外付けされている場合が含まれる。
【0016】
カードは、非接触型のICカードであってもよいし、接触型のICカードであってもよい。また、カードは、磁気カードであってもよい。カードの一例には、クレジットカードやプリペイドカードなどが含まれる。
【0017】
カード番号には、カード番号そのもののほか、カード番号がハッシュ化や暗号化された情報が含まれる。カード番号の一例には、クレジットカード番号やプリペイドカード番号が含まれる。
【0018】
改札機は、さらに、乗客のカードから、カード番号に加えて、その他の情報を読み取る機能を備えていてもよい。その他の情報の一例には発行国コードやアプリケーション取引カウンタが含まれる。
【0019】
入場駅に配置された改札機には、少なくとも入場駅情報が記憶されていればよいが、その他の情報が記憶されていてもよい。入場駅情報とは入場駅を識別できる情報をいい、例えば入場駅が東京駅である場合には、「入場駅:東京駅」などのように、入場駅が東京駅であることを識別できる情報をいう。入場駅情報の形式や長さなどは問わない。その他の情報の一例には、運賃装置情報や号機番号が含まれる。後述の動作例2において、入場駅の改札機は、入場駅情報と運賃装置情報を記憶しているものとする。
【0020】
出場駅に配置された改札機には、少なくとも出場駅情報と運賃装置情報が記憶されていればよいが、その他の情報が記憶されていてもよい。出場駅情報とは出場駅を識別できる情報をいい、例えば出場駅が品川駅である場合には、「出場駅:品川駅」などのように、出場駅が品川駅であることを識別できる情報をいう。出場駅情報の形式や長さなどは問わない。その他の情報の一例には、号機番号が含まれる。
【0021】
「改札機の端末識別情報+改札機の通過方向」を入場駅情報や出場駅情報としてもよい。改札機の端末識別情報とは改札機を識別する情報である。改札機の通過方向とは、例えば改札機を駅の外側から内側に通過したのか、駅の内側から外側に追加したのかを特定する情報であり、前者であれば駅に入場したことが分かり、後者であれば出場したことが分かる。また、例えば、乗降管理装置や運賃装置などにおいて、あらかじめ、改札機の端末識別情報と改札機が設置されている駅情報とを対応付けて記憶しておけば、改札機の端末識別情報から駅情報を取得することができる。したがって、「改札機の端末識別情報+改札機の通過方向」を用いれば、どの駅に入場したのか、どの駅で出場したのかを特定することができる。「改札機の端末識別情報+改札機の通過方向」は、入場駅情報や出場駅情報として用いることができる。
【0022】
運賃装置情報とは、運賃装置を識別できる情報をいう。運賃装置情報の形式や長さなどは問わない。
【0023】
(運賃装置)
運賃装置は、運賃情報を提供する装置である。運賃情報の提供には、少なくとも入場駅情報と出場駅情報が用いられるが、運賃情報の提供は、さらにその他の情報を用いて実行されてもよい。その他の情報の一例には、例えば、入場駅や出場駅に配置されている改札機から取得される情報のほか、後述の動作例2で説明する参照情報や、カードから読み取られたカード番号以外の情報が含まれる。
【0024】
運賃装置は、運賃情報を提供する装置である。運賃情報とは、350円や500円などのような運賃(金額)を示す情報である。運賃情報の一例には、電車の運賃情報のほか、バスの運賃情報が含まれる。運賃情報の形式や長さなどは問わない。運賃情報の提供の一例には、運賃情報をその都度計算して送信する場合のほか、あらかじめ記憶されている運賃情報を記憶装置から読み出して送信する場合などが含まれる。
【0025】
運賃装置は、出場駅ごとに定められる、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められる。出場駅ごとに定められるとは、例えば、東京駅から出場する場合の運賃情報を提供する運賃装置Xと品川駅から出場する場合の運賃情報を提供する運賃装置Yが異なることをいう。つまり、例えば、品川駅から出場する場合の運賃情報が、東京駅から出場する場合とは異なる運賃装置により提供されることをいう。
【0026】
また、出場駅に配置されている改札機ごとに定められるとは、例えば、東京駅に改札機Aと改札機Bの2台の改札機が配置されている場合において、改札機Aから出場する場合の運賃情報を提供する運賃装置Xと改札機Bから出場する場合の運賃情報を提供する運賃装置Yが異なることをいう。つまり、例えば、東京駅の改札機Aから出場する場合の運賃情報が、東京駅の改札機Bから出場する場合とは異なる運賃装置から提供されることをいう。
【0027】
本実施形態では、出場駅ごとに運賃装置が定められているものとする。具体的には、出場駅Bの改札機から出場する場合の運賃情報は運賃装置Xから提供されるものとし、出場駅Cの改札機から出場する場合の運賃情報は運賃装置Yから提供されるものとする。
【0028】
運賃装置の一例には、例えば、サーバコンピュータやクラウドシステムなどが含まれる。
【0029】
後述の動作例2において、運賃装置は、入場駅情報と出場駅情報と参照情報を用いて運賃情報を提供する。参照情報は運賃情報の提供にあたり参照される情報である。参照情報の一例には、例えば、定期券情報や利用可能区間を示す情報が含まれる。例えば、入場駅情報が東京駅を示す情報であり、出場駅情報が品川駅を示す情報であり、参照情報が東京駅から品川駅までを範囲とする定期券情報である場合、運賃装置は、参照情報を参照しない場合は例えば170円を運賃情報として提供するが、参照情報を参照することにより「0円:定期券利用のため別途の料金なし」などの情報を運賃情報として提供することが可能である。
【0030】
後述の動作例2において、運賃装置は、参照情報を更新する。参照情報の更新は、例えば、乗車履歴や乗車金額などを参照情報の一部として参照情報に付加することにより行うことができる。更新により付加された情報は参照情報の一部として、運賃情報の提供にあたり参照することができる。
【0031】
参照情報は、運賃情報提供システムが備える各装置に共通の規格に従った情報であるものとする。
【0032】
(乗降管理装置)
乗降管理装置は、乗客の乗降に関連した情報を管理する装置である。乗降管理装置は、入場駅に配置された改札機と出場駅に配置された改札機と複数の運賃装置にネットワークを介して接続される。例えば、乗降管理装置と入場駅に配置された改札機はネットワークを介して接続されており、乗降管理装置と出場駅に配置された改札機はネットワークを介して接続されており、乗降管理装置と複数の運賃装置はネットワークを介して接続されている。ネットワークの一例にはインターネットが含まれる。乗降管理装置の一例には、例えば、サーバコンピュータやクラウドシステムなどが含まれる。
【0033】
乗降管理装置は、例えば、
図2に示すように、カード番号に、入場駅情報や出場駅情報や運賃情報などを対応付けて記憶するものとする。また、乗降管理装置は、後述の動作例2においては、
図3に示すように、カード番号に対応付けて、参照情報を記憶しているものとする。
【0034】
(決済処理装置)
決済処理装置は、運賃に関する決済を処理する装置である。決済処理装置が実行する決済処理の一例には、カード会社が管理する決済装置に対して、決済の要求を送信する処理などが含まれる。決済処理装置には、例えば、サーバコンピュータやクラウドシステムなどを用いることができる。
【0035】
(動作例1)
図4は、実施形態に係る運賃情報提供システムの動作例1を説明する図である。以下、
図4を参照しつつ、動作例1を説明する。
【0036】
(ステップS11)
まず、乗降管理装置は、入場駅に配置された改札機から、入場駅情報とカード番号を受信する。
【0037】
(ステップS12)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて入場駅情報を記憶する。
【0038】
(ステップS13)
次に、乗降管理装置は、出場駅に配置された改札機から、出場駅情報と運賃装置情報とカード番号を受信する。
【0039】
(ステップS14)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて出場駅情報を記憶する。
【0040】
(ステップS15)
次に、乗降管理装置は、受信した運賃装置情報に基づいて、複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、この選択した一の運賃装置に対して、入場駅情報と出場駅情報とを送信する。
【0041】
(ステップS16、S17)
次に、運賃装置は、入場駅情報と出場駅情報を用いて運賃情報を提供する。本例では、運賃装置が、入場駅情報と出場駅情報を用いて運賃情報を計算し(ステップS16)、この計算した運賃情報を乗降管理装置に送信するものとする(ステップS17)。なお、運賃装置は、入場駅情報と出場駅情報を用いて、記憶装置から記憶装置にあらかじめ記憶されている運賃情報を読み出し、この読み出した運賃情報を乗降管理装置に送信してもよい。記憶装置は、運賃装置に内蔵または外付けされる装置であってもよいし、運賃装置からネットワークを介してアクセス可能な装置であってもよい。
【0042】
(ステップS18)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて受信した運賃情報を記憶する。
【0043】
(ステップS19)
次に、乗降管理装置は、決済処理装置に対して、カード番号と運賃情報を送信する。
【0044】
(ステップS20)
次に、決済処理装置は、カード番号と運賃情報を用いて決済処理を実行する。
【0045】
(ステップS21)
次に、乗降管理装置は、出場駅に配置された改札機に対して、運賃情報を送信する。
【0046】
(ステップS22)
次に、出場駅に配置された改札機は、運賃情報を出力する。運賃情報の出力は、例えば、出場駅に配置された改札機が画面を備える場合には、当該画面に受信した運賃情報を表示することにより実行されてもよい。また、運賃情報の出力は、例えば、出場駅に配置された改札機がスピーカーを備える場合には、当該スピーカーから受信した運賃情報を音声で出力することにより実行されてもよい。
【0047】
以上説明した動作例1によれば、運賃装置を出場駅ごとに、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定め、それら運賃装置から出場駅の改札機に対しネットワークを介して電車やバスなどの運賃情報を提供することができる。
【0048】
(動作例2)
図5は、実施形態に係る運賃情報提供システムの動作例2を説明する図である。以下、
図5を参照しつつ、動作例2を説明する。動作例2においては、乗降管理装置がカード番号に対応付けて参照情報をあらかじめ記憶しているものとする。
【0049】
(ステップS41)
まず、乗降管理装置は、入場駅に配置された改札機から、入場駅情報とカード番号と運賃装置情報とを受信する。
【0050】
(ステップS42)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて入場駅情報を記憶する。
【0051】
(ステップS43)
次に、乗降管理装置は、受信した運賃装置情報に基づいて、複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、この選択した一の運賃装置に対して、入場駅情報及びステップS41で受信したカード番号に対応付けて記憶されている参照情報を送信する。
【0052】
(ステップS44)
次に、運賃装置は、ステップS43で受信した参照情報を更新する。
【0053】
(ステップS45)
次に、運賃装置は、乗降管理装置に対して、更新した参照情報を送信する。
【0054】
(ステップS46)
次に、乗降管理装置は、ステップS41で受信したカード番号に対応付けて、ステップS44で更新された参照情報を記憶する。
【0055】
(ステップS47)
次に、乗降管理装置は、出場駅に配置された改札機から、出場駅情報と運賃装置情報とカード番号を受信する。
【0056】
(ステップS48)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて出場駅情報を記憶する。
【0057】
(ステップS49)
次に、乗降管理装置は、受信した運賃装置情報に基づいて、複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、この選択した一の運賃装置に対して、入場駅情報と出場駅情報とステップS47で受信したカード番号に対応付けて記憶される参照情報とを送信する。
【0058】
(ステップS50、S51)
次に、運賃装置は、受信した入場駅情報と出場駅情報と参照情報を用いて運賃情報を提供する。また、運賃装置は、ステップS49で受信した参照情報を更新する。本例では、運賃装置が、受信した入場駅情報と出場駅情報と参照情報を用いて記憶装置から記憶装置にあらかじめ記憶されている運賃情報を読み出し(ステップS50)、この読み出した運賃情報を乗降管理装置に送信するものとする(ステップS51)。ただし、運賃装置は、受信した入場駅情報と出場駅情報と参照情報を用いて運賃情報をその都度計算し、この計算した運賃情報を乗降管理装置に送信してもよい。
【0059】
(ステップS52)
次に、乗降管理装置は、ステップS47で受信したカード番号に対応付けて、ステップS50で更新された参照情報を記憶する。
【0060】
(ステップS53)
次に、乗降管理装置は、カード番号に対応付けて受信した運賃情報を記憶する。
【0061】
(ステップS54)
次に、乗降管理装置は、決済処理装置に対して、対応付けて記憶されたカード番号と運賃情報を送信する。
【0062】
(ステップS55)
次に、決済処理装置は、受信したカード番号と運賃情報を用いて決済処理を実行する。
【0063】
(ステップS56)
次に、乗降管理装置は、出場駅に配置された改札機に対して、運賃情報を送信する。
【0064】
(ステップS57)
次に、出場駅に配置された改札機は、少なくとも運賃情報を出力する。運賃情報の出力は、例えば、出場駅に配置された改札機が画面を備える場合には、当該画面に受信した運賃情報を表示することにより実行されてもよい。また、運賃情報の出力は、例えば、出場駅に配置された改札機がスピーカーを備える場合には、当該スピーカーから受信した運賃情報を音声で出力することにより実行されてもよい。
【0065】
以上説明した動作例2によれば、例えばクレジットカードやプリペイドカード、デビットカードを定期券や区間券などとして使用することが可能である。また、運賃情報提供システムが備える各装置に共通の規格に従った参照情報を用いることで、異なる運賃装置で入場/出場したとしても正しい乗り越し精算額などを算出することができるといった効果がある。
【0066】
以上、実施形態について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。例えば、改札機、乗降管理装置、運賃装置、及び決済処理装置の少なくとも1つの装置は、上記で説明した情報やデータに加えて、その他の情報やデータを記憶してもよいし、上記で説明した処理に加えてその他の処理を実行してもよい。上記で説明した処理は、上記で説明した情報やデータに加えてさらに他の情報やデータを用いて実行されてもよい。つまり、上記で説明した処理を実行する際に用いられる入力には、上記で説明した情報やデータに加えてさらに他の情報やデータが含まれていてもよい。また、上記で説明した処理は、上記で説明した情報やデータに加えてさらに他の情報やデータを出力してもよい。
【要約】
入場駅に配置され、入場駅情報を記憶する改札機と、出場駅に配置され、出場駅情報と運賃装置情報を記憶する改札機と、出場駅ごとに定められた、あるいは出場駅に配置されている改札機ごとに定められた複数の運賃装置と、前記入場駅に配置された改札機と前記出場駅に配置された改札機と前記複数の運賃装置にネットワークを介して接続される乗降管理装置と、を有する運賃情報提供システムであって、前記乗降管理装置は、前記入場駅に配置された改札機から入場駅情報を受信し、前記出場駅に配置された改札機から出場駅情報と運賃装置情報とを受信し、前記受信した運賃装置情報に基づいて前記複数の運賃装置の中から一の運賃装置を選択し、前記選択した一の運賃装置に対して前記入場駅情報と前記出場駅情報とを送信し、前記選択した一の運賃装置から運賃情報を受信する運賃情報提供システム。