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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20220601BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20220601BHJP
   A61G 5/14 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A61H15/00 350F
A61H15/00 350C
A61H7/00 323H
A61G5/14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018061218
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019170602
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本多 芳久
(72)【発明者】
【氏名】松尾 桜子
(72)【発明者】
【氏名】阪田 雅彦
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-143823(JP,A)
【文献】特開2010-246626(JP,A)
【文献】特開2016-150047(JP,A)
【文献】特開平09-066087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/00-3/36
A61H 7/00
A61H 15/00
A61G 5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、
被施療者が凭れる背凭れ部と、
被施療者にマッサージを行うマッサージ部と、
背凭れ部を座部に対して前後にリクライニング可能とするアクチュエータと、
少なくともマッサージ部のマッサージ動作及びアクチュエータの動作を制御する制御部と、を備え、
座部には、被施療者の臀部を持ち上げるための第一駆動手段が設けられ、
背凭れ部には、被施療者の背部を前傾させるための第二駆動手段が設けられ、
制御部は、所定のマッサージ動作終了後、被施療者の立ち上がり補助動作を実行するよう構成され、
前記立ち上がり補助動作は、
前記アクチュエータによる前記背凭れ部の起立動作と、
前記第二駆動手段による被施療者の背部の前傾動作と、
前記第一駆動手段による被施療者の臀部の持ち上げ動作と、を含み、
前記起立動作及び前記前傾動作の後に前記持ち上げ動作を実行する動作であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
所定のマッサージ動作は、あらかじめ設定されたマッサージコースであることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
第一駆動手段及び/又は第二駆動手段は、エアセルにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
第一駆動手段を構成するエアセルは、座部の前後方向前側を支点に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記立ち上がり補助動作は、所定のマッサージ動作終了後、前記アクチュエータにより前記背凭れ部を起立姿勢とした状態で、前記前傾動作及び前記持ち上げ動作を実行する動作であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
被施療者の下腿を支持するフットレスト部を更に備え、
フットレスト部は回動自在に構成されており、
制御部は、所定のマッサージ動作終了後、フットレスト部を垂下させた状態で立ち上がり補助動作を実行するように構成されたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
報知部を更に備え、
報知部は、立ち上がり補助動作の実行前及び/又は実行中に被施療者に報知することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項8】
報知部は、音声であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
選択部を更に備え、
立ち上がり補助動作は、被施療者が選択部で選択することにより実行されることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ椅子の座部に設けられたエアーセルを膨脹させ、利用者の臀部を上昇させることにより、利用者の立ち上がり補助を行うことができるマッサージ機が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-135807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたマッサージ椅子は、座部に設けられたエアーセルを膨脹させ、利用者の臀部を上昇させるものであり、利用者の立ち上がりを補助するためには、利用者自身で上半身を背凭れ部から起こした状態で座部に設けられたエアーセルを膨脹させる必要があり、利用者に煩わしさを与えているという問題があります。
また、利用者が背凭れ部に凭れた状態で座部に設けられたエアーセルを膨脹させた場合、臀部のみが上昇することとなり、腰の部分を前方へ反らせてしまい、余計に立ち上がりにくくなってしまうという問題があります。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、被施療者に煩わしさを感じさせることなく、マッサージ機から立ち上がる際の立ち上がりの補助動作を行うことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被施療者が着座する座部と、被施療者が凭れる背凭れ部と、被施療者にマッサージを行うマッサージ部と、少なくともマッサージ部のマッサージ動作を制御する制御部と、を備え、座部には、被施療者の臀部を持ち上げるための第一駆動手段が設けられ、背凭れ部には、被施療者の背部を前傾させるための第二駆動手段が設けられ、制御部は、所定のマッサージ動作終了後、第二駆動手段を駆動させて被施療者の背部を前傾させた後に、第一駆動手段を駆動させ、被施療者の立ち上がり補助動作を実行することを特徴とする。
このような構成とすることにより、被施療者の上半身を前屈み(前傾)させた状態から座部を押し上げる(前傾)させることができるため、被施療者に煩わしさを感じさせることなく、マッサージ機から立ち上がる際の立ち上がりの補助動作を行うことができる。
【0006】
また、所定のマッサージ動作は、あらかじめ設定されたマッサージコースであることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージコース終了後に、被施療者がマッサージ機から立ち上がる際の立ち上がり補助を行うことができる。
【0007】
また、第一駆動手段及び/又は第二駆動手段は、エアセルにより構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者に不快感を与えることなく、マッサージ機から立ち上がる際の立ち上がり補助を行うことができる。
【0008】
また、第一駆動手段を構成するエアセルは、座部の前後方向前側を支点に取り付けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、座部の前側を支点にエアセルを駆動(膨脹)させることができるため、被施療者がマッサージ機から立ち上がる際の立ち上がり補助をより効果的に行うことができる。
【0009】
また、背凭れ部はリクライニング自在に構成されており、制御部は、所定のマッサージ動作終了後、背凭れ部を起こした状態で立ち上がり補助動作を実行するように構成されたことが好ましい。
このような構成とすることにより、背凭れ部のリクライニングを起こした状態で立ち上がり補助動作をすることができる。
【0010】
被施療者の下腿を支持するフットレスト部を更に備え、フットレスト部は回動自在に構成されており、制御部は、所定のマッサージ動作終了後、フットレスト部を垂下させた状態で立ち上がり補助動作を実行するように構成されたことが好ましい。
このような構成とすることにより、フットレスト部を垂下状態にすることで、被施療者の膝を支点として立ち上がることができるようになる。
【0011】
報知部を更に備え、報知部は、立ち上がり補助動作の実行前及び/又は実行中に被施療者に報知することが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者に、これから立ち上がり補助動作を実行することを報知することができる。また、立ち上がり補助動作の実行中に報知することで被施療者に立ち上がりを行うことを意識させることができる。
【0012】
また、報知部は、音声であることが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者は、報知部からの音声を聞くだけで簡単に立ち上がり補助動作を実行することができる。
【0013】
選択部を更に備え、立ち上がり補助動作は、被施療者が選択部で選択することにより実行されることを特徴が好ましい。
このような構成とすることにより、立ち上がり補助を実行するかどうかを被施療者が選択することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被施療者に煩わしさを感じさせることなく、マッサージ機から立ち上がる際の立ち上がりの補助を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係るマッサージ機の正面斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るマッサージ機の模式図である。
図3】マッサージ機の機能ブロック図である。
図4】マッサージ機の姿勢を説明する側面図である。
図5】マッサージユニットの正面図である。
図6】立ち上がり補助の動作を示す側面図であり、(a)は背凭れ部をリクライニング姿勢とした状態、フットレスト部を上昇姿勢とした状態、第一駆動手段と第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(b)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段と第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(c)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段を駆動させた状態、第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(d)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段を駆動させた状態、第二駆動手段を駆動させた状態の側面図である。
図7】立ち上がり補助の動作の一例を示すフロー図である。
図8】別実施形態に係る第一駆動手段を示す平面図である。
図9】別実施形態に係る第一駆動手段を示す側面図であり、(a)は第一駆動手段の駆動前の状態を示している。(b)は第一駆動手段の駆動後の状態を示している。
図10】別実施形態に係る第二駆動手段を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態に係るマッサージ機の構成]
以下、本発明の第1実施形態に係るマッサージ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るマッサージ機の正面斜視図である。図2は本発明の第1実施形態に係るマッサージ機の模式図である。図3はマッサージ機の機能ブロック図である。図4はマッサージ機の姿勢を説明する側面図である。図5はマッサージユニットの正面図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、図1に示すマッサージ機1に着座した被施療者Hから見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。また、身体の表裏の定義については、起立した被施療者Hの胸側を「表面」、背中側を「背面」として説明する。
【0017】
[マッサージ機の全体構成]
図1図4に示すとおり、本発明の第1実施形態に係るマッサージ機1は、主として、被施療者Hが着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられた被施療者Hが凭れる背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられた被施療者Hの下肢を支持するフットレスト部4と、背凭れ部3の上部前面に設けられた被施療者Hの頭及び/又は首を支持する枕部5と、座部2の左右両側には肘掛け部6と、背凭れ部3の左右両側には側壁部7と、を有している。座部2、背凭れ部3、フットレスト部4、枕部5、肘掛け部6、及び側壁部7は、被施療者Hの身体を支持する身体支持部として機能する。身体支持部2~7の各所には、被施療者Hの身体に対してマッサージを行う後述するエアセル20や後述するバイブレータ21によるマッサージ部15が設けられている。また、マッサージ機1は、背凭れ部3に後述する揉み動作及び/又は叩き動作を行うマッサージ部15としてのマッサージユニット8と、マッサージ機1の各動作を制御する制御部9と、後述する被施療者Hに各種操作を行わせるコントローラ10と、を有している。
【0018】
図1図3及び図4に示すとおり、背凭れ部3は、座部2の下方に設けられた第1アクチュエータ11(図3参照)により、座部2に対して前後にリクライニング可能に構成されており、図1に示す起立姿勢から背凭れ面が略水平となるリクライニング姿勢(図4参照)まで変更可能となっている。なお、肘掛け部6は背凭れ部3のリクライニングに連動して後方へ移動し、背凭れ部3の起立に連動して前方へ移動するよう構成されている。フットレスト部4は、座部2の下方に設けられた第2アクチュエータ12(図3参照)により、座部2に対して上下に揺動可能に構成されており、図1に示すフットレスト部4を垂下させた状態の垂下姿勢から膝を伸ばした状態で下腿及び足部が支持される上昇姿勢(図4参照)まで変更可能となっている。
【0019】
図1図3に示すとおり、座部2の左右両側には、被施療者Hの臀部及び/又は大腿部の外側面に対向して設けられた壁部22が設けられている。この壁部22は、座部の側方において上方へ立設されている。そして、壁部22の内側面には、臀部及び/又は大腿部の外側面をマッサージする臀部マッサージ部a4が設けられている。座部2の左右両側の肘掛け部6の内側壁を壁部22として利用してもよく、臀部マッサージ部a4を肘掛け部6の内側壁に設ければよい。また、座部2には、被施療者Hの臀部及び/又は大腿部を下方(背面)からマッサージする臀部マッサージ部a5が設けられている。臀部マッサージ部a4,a5は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、臀部マッサージ部a4は左右で対をなしてマッサージ部群A4を構成し、臀部マッサージ部a5は左右で対をなしてマッサージ部群A5を構成している。
【0020】
[背凭れ部の構成]
図1図3に示すとおり、背凭れ部3は、硬質の背フレーム3aと、背フレーム3aに組み付けられたマッサージ部15であるマッサージユニット8の昇降をガイドするガイドレール18と、背フレーム3aを被覆するカバー部材3cと、により構成されている。背フレーム3aは、金属部材及び/又は樹脂部材により構成されている。また、背フレーム3aは、左右中央に形成された前後方向に開口する開口部3bを有し、正面視で略門型をなしている。また、カバー部材3cは、開口部3bを前方から覆っている。マッサージユニット8の施療子62(図5参照)が開口部3bより前方へ突出しており、カバー部材3cを介して被施療者Hの胴体を後方からマッサージできるようになっている。
【0021】
[マッサージユニットの構成]
以下、マッサージユニット8の構成について説明する。
図1図3図5に示すとおり、背凭れ部3には、被施療者Hの上半身を後方(背面)からマッサージするマッサージユニット8が設けられている。このマッサージユニット8は、身長方向に沿って複数(本実施形態では1つ)設けられていてもよい。このマッサージユニット8は、左右で対をなすアーム61と、アーム61の上下両端部に設けられた施療子62と、により構成されており、マッサージモータM1,M2の駆動により左右の施療子62が近接離反する揉み動作、及び左右の施療子62が交互に被施療者H側へ進退する叩き動作を行わせることができる。また、マッサージユニット8は、昇降モータM3の駆動により身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行わせたりすることができる。背フレーム3aには、身長方向に延設された左右で対をなすガイドレール18が設けられており、マッサージユニット8はガイドレール18に沿って移動する。マッサージユニット8が身長方向に移動可能であるため、被施療者Hの首から腰の間を施療子62でマッサージすることができる。
【0022】
図5に示すとおり、マッサージユニット8は、ベースフレーム60aと、ベースフレーム60aに支持された可動フレーム60bと、を有している。ベースフレーム60aは、その左右両側においてガイドレール18に嵌合するガイドローラ63を有している。そして、ラックピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)によって、身長方向に沿って移動することができる。可動フレーム60bは、左右方向の揺動軸64を介してベースフレーム60aに支持されている。ベースフレーム60aと可動フレーム60bの間には、エアセル等よりなる進退駆動部65が設けられている。進退駆動部65の駆動により、可動フレーム60bは揺動軸64を中心として前後方向に進退することができる。なお、可動フレーム60bを進退させる構造でなくてもよく、アーム61に進退駆動部65を設けてアーム61のみを進退させる構造であってもよい。
【0023】
アーム61は、左右方向に延設された揉み軸66及び叩き軸67に連結されている。揉み軸66の左右両側には、傾斜軸部66bを有する傾斜カム66aが設けられており、この傾斜カム66aにアーム61が取り付けられている。左右の傾斜軸部66bは、正面視で略ハの字型となるように揉み軸66の軸心に対して傾斜している。叩き軸67の左右両側には、叩き軸67の軸心に対して偏心した偏心軸部67bを有する偏心カム67aが設けられており、この偏心カム67aにアーム61がコンロッド68を介して取り付けられている。左右の偏心軸部67bは、叩き軸67の軸心に対する位相が互いに異なっており、具体的には180度だけ異なっている。揉み軸66及び叩き軸67は、それぞれマッサージモータM1,M2の駆動により回転する。施療子62は揉み軸66の回転により揉み動作を行い、被施療者Hに対して揉みマッサージを行うことができる。また、施療子62は叩き軸67の回転により叩き動作を行い、被施療者Hに対して叩きマッサージを行うことができる。その他に、施療子62は揉み軸66と叩き軸67の回転により揉み叩き動作を行い、被施療者Hに対して揉み叩きマッサージを行うことができ、揉み動作と進退駆動部65の駆動を組合せることで指圧動作を行い、被施療者Hに対して指圧マッサージを行うこともできる。なお、施療子62が設けられたアーム61、揉み軸66、及び叩き軸67は、可動フレーム60bに支持されている。従って、施療子62は、可動フレーム60bの移動を介して被施療者Hに対して進退可能である。
【0024】
アーム61は、前後方向に揺動自在であり、上側の施療子62が前方へ突出するようにバネ等よりなる付勢手段(図示せず)により付勢されている。また、マッサージユニット8は、被施療者Hの身体情報を検出するセンサ69を有している。このセンサ69は、アーム61が所定の揺動位置となったことを検出することで身体情報を得ることができる。具体的に説明すると、マッサージユニット8を身長方向に沿って上昇させる過程で、上側の施療子62が肩の上方に到達すると、施療子62に作用する負荷が解除されて、アーム61が前方へ揺動して所定の揺動位置となる。アーム61が所定の揺動位置となったことをセンサ69が検出し、その際のマッサージユニット8の上下位置に基づいて肩の位置を検出する。肩の位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求める。検出された身体情報は後述する記憶部50に記憶される。
【0025】
[側壁部の構成]
図1図3に示すとおり、背フレーム3a(背凭れ部3)の左右両側には、被施療者Hの肩又は上腕の外側面に対向して設けられた側壁部7が設けられている。この側壁部7は、背凭れ部3の側方において前方へ立設されている。そして、側壁部7の内側面には、肩又は上腕の外側面をマッサージする肩側マッサージ部a2が設けられている。肩側マッサージ部a2は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、肩側マッサージ部a2は左右で対をなしてマッサージ部群A2を構成している。
【0026】
[枕部の構成]
図1図3に示すとおり、背凭れ部3の上部前面には、被施療者Hの頭及び/又は首を支持する枕部5が設けられている。枕部5の前面には、頭及び/又は首の後面に対向して設けられた左右で対をなす頭部マッサージ部a1が設けられている。頭部マッサージ部a1は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、頭部マッサージ部a1は、左右で対をなしてマッサージ部群A1を構成している。この頭部マッサージ部a1は、頭及び/又は首の外側面に対向して設けてもよい。この場合は、前方へ立設された壁部(図示せず)の内側面に設けるとよい。また、頭部マッサージ部a1は、枕部5に設けるのではなく、背凭れ部3の上部前面に直接設けてもよい。
【0027】
[肘掛け部の構成]
図1図3に示すとおり、座部2の左右両側には、被施療者Hの手先と前腕を支持する肘掛け部6が設けられている。肘掛け部6の手先と前腕の上下方向には、腕マッサージ部a3が設けられている。腕マッサージ部a3は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、腕マッサージ部a3は、左右で対をなしてマッサージ部群A3を構成している。
【0028】
[フットレスト部の構成]
図1図3に示すとおり、フットレスト部4は、被施療者Hの下腿を支持する左右一対の脚支持部40と、被施療者Hの足部を支持する左右一対の足支持部41と、を有している。脚支持部40は、被施療者Hの下腿の背面に対向して設けられた底壁40aと、底壁40aの左右両端から前方に向かって立設された側壁40bと、底壁40aの左右中央から前方に向かって立設された中央壁40cと、を有している。
【0029】
側壁40bの内側面には、下腿の外側面をマッサージする脚マッサージ部a6が設けられている。中央壁40cの両外側面には、下腿の内側面をマッサージする脚マッサージ部a6が設けられている。また、底壁40aには、被施療者Hの下腿の背面からマッサージする脚マッサージ部a7が設けられている。脚マッサージ部a6,a7は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。脚マッサージ部a6は、下腿の内側面に対向する脚マッサージ部a6と、下腿の外側面に対向する脚マッサージ部a6、により左右で対をなしてマッサージ部群A6を構成している。脚マッサージ部a7は、中央壁40cを挟んで左側の下腿の背面に対向する脚マッサージ部a7と、中央壁40cを挟んで右側の下腿の背面に対向する脚マッサージ部a7と、により左右で対をなしてマッサージ部群A7を構成している。
【0030】
足支持部41は、被施療者Hの足裏を置く底壁41aと、底壁41aの左右両端から上方に向かって立設された側壁41bと、底壁41aの左右中央から上方に向かって立設された中央壁41cと、底壁41aの後部から上方へ立設された足部の背面(踵付近)に対向する後壁41dと、を有している。各壁41a~41dより上方及び前方が開口した凹部42が形成されており、凹部42に足部を収容できるようになっている。
【0031】
各壁41a~41cには、被施療者Hの足をマッサージする足マッサージ部a8が設けられ、左右で対をなしてマッサージ群A8を構成している。足マッサージ部a8は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。
【0032】
[コントローラの構成]
図1図4に示すとおり、肘掛け部6の上部にはコントローラ10が備えられており、被施療者Hが着座した状態で操作することができる。このコントローラ10は、被施療者Hが目視で確認できる画面10aと、被施療者Hが画面10a上を指先操作するタッチパネル10bを有している。コントローラ10を操作することにより、リクライニングさせて背凭れ部3の姿勢を変更することができ、上下に揺動させてフットレスト部4の姿勢を変更することができる。また、動作させるマッサージユニット8,各マッサージ部a1~a8を選択したり、マッサージユニット8,各マッサージ部a1~a8の動作(手技又は強さ等)を変更したりすることもできる。コントローラ10の画面10a上に選択部30を表示させて、タッチパネル10bによる操作によって、被施療者Hは予め設定されたプログラムに基づくマッサージコースの選択や立ち上がり補助動作の実行を選択することができる。
【0033】
タッチパネル10bによる操作の代わりに、コントローラ10内に配置した物理ボタン31のみやコントローラ10内に設置されたマイク(図示せず)を使った音声認識部32による操作のみであってもよい。このようにすることで、被施療者Hは容易に選択することができる。なお、音声認識部32であるマイク(図示せず)をコントローラ10内ではなく、背凭れ部3の上部や枕部5に設置してもよい。このようにすることで、被施療者Hはわざわざ姿勢を変えなくても背凭れ部3に凭れたまま、音声認識部32で選択を行うことができる。
【0034】
また、コントローラ10は、報知部33を有している。報知部33は、上述した画面10aでもいいし、コントローラ10内に設置されたスピーカ(図示せず)であってもよい。画面10aで報知する場合は、例えば、画面10a上に「これから立ち上がり補助動作を実行します。画面に表示される指示に従って体勢を変更してください。」といった内容を表示させることで被施療者H自身に報知させることができる。このようにすることで、より効果的に立ち上がり補助動作を実行することができる。なお、報知部33は、コントローラ10に設けられている必要はなく、被施療者H自身に報知させることができる構成であればよい。
【0035】
図2図3に示すとおり、座部2の下方には、エアセル20よりなる各マッサージ部a1~a8に対してエアを給排気するポンプ13a及びバルブ13bを有する給排気装置13と、前述した制御部9と、が設けられている。各マッサージ部a1~a8と同じ場所にモータにより駆動されるバイブレータ21を設けてもよい。エアセル20は、エアを給排気することで被施療者Hを押圧することができる。バイブレータ21は、偏心分銅が回転することで被施療者Hに振動を与えることができる。制御部9は、プログラマブルなマイコン等を有しており、各アクチュエータ11,12、マッサージ部15、及び給排気装置13を駆動制御する。制御部9には、コントローラ10や記憶部50が電気的に接続されている。マッサージ機1は、記憶部50に記憶された予め設定されたプログラム(マッサージコース)に従って動作する他、被施療者Hによるコントローラ10からの指示に従って動作する。また、被施療者Hの各身体部位に対する身体の硬さを直接的又は間接的に検出するセンサ70が設けられている。センサ70は、マッサージモータM1,M2の回転速度を検出することで身体の硬さを間接的に検出する。被施療者Hの身体の硬さの変化が、マッサージモータM1,M2の回転速度の変化となって現れる。すなわち、揉み軸66及び叩き軸67の回転により被施療者Hの身体部位に対して揉み動作や叩き動作を行う時に、マッサージモータM1,M2の回転速度が目標回転速度と一致するように制御するが、身体の硬さが硬い部位においてはマッサージモータM1,M2の回転速度は目標回転速度とならず、目標回転速度より遅くなる。マッサージモータM1,M2の回転速度が目標回転速度と一致すれば、身体の硬さにおいて所定値の硬さとみなすが、マッサージモータM1,M2の回転速度が目標回転速度以下になれば、身体の硬さにおいて所定値以上の身体の硬さとなる。従って、回転速度の変化から身体の硬さを検出することができる。
【0036】
[第一駆動手段の構成]
図1図3図6に示すとおり、第一駆動手段1Xは、座部2に設けられたマッサージ部としてのエアセル20(15)である。具体的には、臀部マッサージ部a5である。臀部マッサージ部a5は、座部2の上面に左右一対設けられている。臀部マッサージ部a5は、臀部マッサージ部a5の前側(座部の前後方向前側)がマッサージ部固定ピン2aによって座部2の上面に対して固定されている。臀部マッサージ部a5を駆動させると、臀部マッサージ部a5は前端部(マッサージ部固定ピン2a)を基点として被施療者Hの前方へ向かうように膨脹する。そうすることで、被施療者Hの臀部を前方へ押出し、被施療者Hがマッサージ機1から立ち上がりやすくすることができる。
なお、本実施例においては、第一駆動手段1Xを臀部マッサージ部a5としたが、臀部マッサージ部a5に代えて、座部2にマッサージユニット(図示せず)を設け、該マッサージユニットを第一駆動手段1Xとしてもよい。
【0037】
[第二駆動手段の構成]
図1図3図5図6に示すとおり、第二駆動手段2Xは、背凭れ部3内に設けられたマッサージ部としてのマッサージユニット8(15)である。被施療者Hの背面上方にマッサージユニット8(15)を位置させた状態で、進退駆動部65を駆動させ、可動フレーム60bを押し出すことにより、被施療者Hの上半身を前方へ押出し、前屈み(前傾)させることができる。なお、押し出しを行う際のマッサージユニット8(15)の位置は、被施療者Hの背面上方であればどこでもよく、具体的には、肩部から腰部の上方の間であることが好ましい。また、可動フレーム60bが押し出す際は、前述したマッサージユニット8(15)の下部にある揺動軸64を支点としてマッサージユニット8(15)の上側を被施療者Hの方へ向かって押し出すように構成するとよい。そうすることで、被施療者Hの背面からマッサージユニット8(15)を押し当て、上半身をしっかりと前屈みの状態(前傾)にさせることができる。
なお、本実施例においては、第二駆動手段2Xをマッサージユニット8(15)としたが、マッサージユニット8(15)に代えて、背凭れ部3にエアセル(図示せず)を設け、該エアセルを第二駆動手段2Xとしてもよい。詳細は後述する。
【0038】
図6は立ち上がり補助の動作を示す側面図であり、(a)は背凭れ部をリクライニング姿勢とした状態、フットレスト部を上昇姿勢とした状態、第一駆動手段と第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(b)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段と第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(c)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段を駆動させた状態、第二駆動手段の駆動前の状態の側面図である。(d)は背凭れ部を起立姿勢とした状態、フットレスト部を垂下姿勢とした状態、第一駆動手段を駆動させた状態、第二駆動手段を駆動させた状態の側面図である。図7は立ち上がり補助の動作の一例を示すフロー図である。
【0039】
[立ち上がり補助動作]
立ち上がり補助動作について、図6図7に基づいて説明する。
所定のマッサージ動作(記憶部50に記憶された予め設定されたプログラム(マッサージコース))は、背凭れ部3をリクライニング姿勢とした状態、フットレスト部4を上昇姿勢とした状態で行われる(図6(a)参照)。所定のマッサージ動作(あらかじめ設定されたマッサージコース)が終了する(S-1)と、立ち上がり補助動作の実行を選択するかどうかを報知部33が報知する(S-2)。この際、例えば、「マッサージコースが終了しました。引き続き、別のマッサージコースを実行しますか。マッサージを終了し、マッサージ機から立ち上がりますか。」といった音声での案内や、当該案内を音声ではなく、コントローラ10に設けられた画面10aに表示させて報知するといった方法により、被施療者Hに報知する。
【0040】
被施療者Hは、報知された内容について、コントローラ10に設けられた音声認識部32による音声での操作やコントローラ10に設けられたタッチパネル10b又は物理ボタン31での操作をし、立ち上がり補助動作の実行を選択する(S-3)。立ち上がり補助動作の実行をしない場合は、マッサージ機1の電源をOFFにし終了する(S-11)。なお、マッサージコース終了後に立ち上がり補助動作を実行しない場合であっても、マッサージ機1の電源をOFFにする前に「背凭れ部3を起立姿勢にし、フットレスト部4を垂下姿勢」にするようにしてもよい。また、マッサージコース終了時の姿勢のまま(背凭れ部3をリクライニング姿勢にし、フットレスト部4を上昇姿勢とする)で、マッサージ機1の電源OFFにするようにしてもよい。
被施療者Hが立ち上がり補助動作の実行を選択し(S-3)、立ち上がり補助動作の実行をする場合は、次のステップへと移る。
【0041】
立ち上がり補助動作を実行する前に、報知部33によって、これから立ち上がり補助動作を実行することを被施療者Hに報知する(S-4)。この際、例えば、「これから立ち上がり補助動作を実行します。」といった音声での案内であることが好ましい。音声でアナウンスすることにより、被施療者Hがコントローラ10に設けられた画面10aを見る必要もなく、手間をかけさせることがない。
【0042】
報知後、背凭れ部3を起立姿勢へと姿勢を変更させ、フットレスト部4を垂下姿勢へと変更する(S-5)(図6(b)参照)。この状態で第二駆動手段2Xが駆動することを報知部33によって被施療者Hに報知する(S-6)。この際、例えば、「これから背凭れ部3のマッサージユニット8(15)を前方へ押し出します。そのままの体勢でお待ちください。」といった音声で案内する。
【0043】
その後、第二駆動手段2Xの駆動を開始する。第二駆動手段2Xが駆動し、被施療者Hの上半身を前方へ押し出す(S-7)。そうすることで、被施療者Hを前屈み(前傾)の状態にさせる(図6(c)参照)。この状態で第一駆動手段1Xが駆動することを報知部33によって被施療者Hに報知する(S-8)。この際、例えば、「これから座部2のエアセル20(臀部マッサージ部a5)の膨脹を開始します。そのままの体勢でお待ちください。」といった音声で案内する。
【0044】
その後、第一駆動手段1Xの駆動を開始する。第一駆動手段1Xが駆動し、被施療者Hの臀部を前方へ押し出す(S-9)。そうすることで、被施療者Hを前屈みの状態から臀部を持ち上げた状態にさせる(図6(d)参照)。そして、被施療者Hはマッサージ機1から容易に立ち上がることができる。
【0045】
被施療者Hがマッサージ機1から立ち上がった後は、立ち上がり補助動作を終了する(S-10)。立ち上がり補助動作が終了すると、マッサージ機1の電源をOFFにし、マッサージ機1の駆動が停止する(S-11)。
なお、本実施例において、報知部33による報知は、立ち上がり補助動作のうち各動作の実行前に報知する構成としたが、各動作の実行中に報知してもよい。その際は、実行中の各動作がどのようなことを目的としているのかを被施療者Hに報知するとよい。例えば、「ただいま、背凭れ部3のマッサージユニット8(15)を前方へ押し出しています。マッサージユニット8(15)の押し出しに合わせて上半身を前屈みの状態にしてください。」といった内容であるとよい。
【0046】
[他の実施形態]
図8は別実施形態に係る第一駆動手段1Xを示す平面図である。
図8に示すとおり、第一駆動手段1Xは、座部2に設けられたマッサージ部としてのエアセル20(15)である。具体的には、臀部マッサージ部a5である。本実施例と異なる点は、臀部マッサージ部a5の配置である。臀部マッサージ部a5は、座部2の上面に3つ設けられている。具体的には、座部2の上面前側(大腿部付近)に左右一対設けられている。この左右一対の臀部マッサージ部a5は、座部2に着座した被施療者Hの大腿部背面の施療を目的とするものであり、左右一対の臀部マッサージ部a5全体は座部2の上面に固定されている。座部2の上面後側(臀部付近)には、左右方向に延びる横長の臀部マッサージ部a5が1つ設けられている。横長の臀部マッサージ部a5は、前側(座部の前後方向前側)がマッサージ部固定ピン2aによって座部2の上面に対して固定されている。
つまり、臀部付近に設けられた臀部マッサージ部a5を駆動させることで、臀部マッサージ部a5は前端部(マッサージ部固定ピン2a)を基点として被施療者Hの前方へ向かうように膨脹する。そうすることで、被施療者Hの臀部を前方へ押出し、被施療者Hがマッサージ機1から立ち上がりやすくすることができる。
【0047】
図9は別実施形態に係る第一駆動手段1Xを示す側面図であり、(a)は第一駆動手段の駆動前の状態を示している。(b)は第一駆動手段の駆動後の状態を示している。本実施例と異なる点は、座部2は、上下に2分割の構成となっており、第一駆動手段1Xによって、座部2の上側を押し上げるように構成している点である。
座部2は、上側の座部2cと下側の座部2dとからなる。上側の座部2cと下側の座部2dは、揺動軸2bを介して揺動自在に取り付けられている。上側の座部2cと下側の座部2dの間には、第一駆動手段1Xが設けられている。第一駆動手段1Xはエアセルである。第一駆動手段1Xを駆動させると、上側の座部2cが揺動軸2bを基点として前方へ移動することとなる。そうすることで、上側の座部2cが前方へ移動するのに追従し、被施療者Hの臀部を前方へ押出すこととなり、被施療者Hがマッサージ機1から立ち上がりやすくすることができる。
【0048】
なお、第一駆動手段1Xをエアセルで構成した点を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エアセルの代わりにモータを採用してもよい。具体的には、揺動軸2bに対してモータ(図示せず)を取り付け、モータを駆動させることにより揺動軸2bを駆動させるものである。揺動軸2bを駆動させることにより、揺動軸2bが取り付けられた上側の座部2cを前方へ移動させることができる。
【0049】
図10は別実施形態に係る第二駆動手段2Xを示す正面図である。本実施例と異なる点は、背凭れ部3の左右両側の上側と下側にそれぞれ第二駆動手段2Xを設けた点である。なお、図10中において、マッサージユニット8(15)は省略している。
背凭れ部3の左右両側には、第二駆動手段2Xが設けられている。第二駆動手段2Xはエアセルであり、上側と下側にそれぞれ設けられている。第二駆動手段2Xは、下側がマッサージ部固定ピン2aを介して背凭れ部3に取り付けられている。上側の第二駆動手段2Xと下側の第二駆動手段2Xは、それぞれ独立して駆動することができるようになっており、左右両側の第二駆動手段2Xも、それぞれ独立して駆動することができるようになっている。
【0050】
そうすることで、被施療者Hの身長差にも対応することができる。例えば、身長の高い被施療者Hの場合、上側の第二駆動手段2Xは肩甲骨付近に位置し、下側の第二駆動手段2Xは、腰部付近に位置することとなる。その状態で、下側の第二駆動手段2Xを駆動させると、被施療者Hの上半身は腰部を支点に後方へ反ってしまい、立ち上がりを妨げることとなる。そのため、立ち上がり補助動作を実行する際は、上側の第二駆動手段2Xのみを駆動させることで、被施療者Hの上半身をしっかり前屈みの状態(前傾)にさせることができる。また、身長の低い被施療者Hの場合、上側の第二駆動手段2Xはどの部位も位置せず、下側の第二駆動手段2Xは、肩甲骨付近に位置することとなる。その状態で、上側の第二駆動手段2Xを駆動させても、被施療者Hの上半身は第二駆動手段2Xに当接していないため、立ち上がり補助動作に寄与しない。そのため、立ち上がり補助動作を実行する際は、下側の第二駆動手段2Xのみを駆動させることで、被施療者Hの上半身をしっかり前屈みの状態(前傾)にさせることができる。
【0051】
なお、第二駆動手段2Xは、左右両側に1つずつ設けてもよい。1つずつ設ける場合は、第二駆動手段2Xに移動手段を取り付け、第二駆動手段2Xを上下に移動可能な構成とすることで被施療者Hの身長差に対応させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、被施療者に煩わしさを感じさせることなく、マッサージ機から立ち上がる際の立ち上がりの補助動作を行うことができるマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
9 制御部
15 マッサージ部
1X 第一駆動手段
2X 第二駆動手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10