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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】手用マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
A61H7/00 322A
A61H7/00 322B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018159557
(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公開番号】P2020031792
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原島 徹
(72)【発明者】
【氏名】東 文恵
(72)【発明者】
【氏名】津田 伸明
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3216090(JP,U)
【文献】特開2000-014727(JP,A)
【文献】特開2003-111808(JP,A)
【文献】特開平11-019145(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1863848(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の手指を含む手部を施療するための手用マッサージ装置であって、
筐体と、
前記筐体内に設けられ、被施療者の手部を施療するための複数のエアバッグを有するエアバッグユニットと、
前記筐体内に設けられ、空気を生成しかつ該空気を前記エアバッグユニットに供給するためのエアポンプと、
前記エアバッグユニットおよび前記エアポンプに接続されていて、互いに異なる位置に配置された第1および第2中継部を有する給気用エアホースと、
前記第1中継部に設けられ、前記エアポンプにより生成された空気を前記複数のエアバッグの各々に分配するための電磁弁ユニットと、
前記給気用エアホースの前記第2中継部に接続された排気機構と、を備え、
前記エアバッグユニットは、
被施療者の指を施療するための少なくとも1つの第1エアバッグと、
被施療者の指以外の手部を施療するための少なくとも1つの第2エアバッグと、を有し、
前記給気用エアホースは、
前記エアポンプと前記電磁弁ユニットとを接続するための基幹ホース部と、
前記電磁弁ユニットと前記第1エアバッグとを接続するための第1分岐ホース部と、
前記電磁弁ユニットと前記第2エアバッグとを接続するための第2分岐ホース部と、を有し、
前記第2中継部は、前記第1分岐ホース部に設けられており、
前記排気機構は、前記第1分岐ホース部に流れる空気の一部が前記第2中継部を介して外部に排気されるように構成され、かつ、前記エアポンプから前記第1エアバッグに向かって流れる空気の流入圧力を低下させるように構成されており、
前記第1エアバッグは、前記排気機構により、内圧が最大となる状態よりも低い状態となるように構成されている、手用マッサージ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手用マッサージ装置において、
前記排気機構は、前記第2中継部を介して外部に排気される空気の量を調整するための調整部を有している、手用マッサージ装置。
【請求項3】
請求項に記載の手用マッサージ装置において、
前記調整部は、前記筐体から外部に露出するように構成されている、手用マッサージ装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の手用マッサージ装置において、
前記調整部の排気量は、3段階ないし5段階の範囲で段階的に調整可能となるように構成されている、手用マッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手用マッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1のような、被施療者の手指を含む手部を施療するための手用マッサージ装置(手袋型マッサージ器)が知られている。
【0003】
この特許文献1の手用マッサージ装置は、筐体と、被施療者の手部を施療するための複数のエアバッグと、空気を生成しかつ該空気を複数のエアバッグに供給するためのエアポンプと、複数のエアバッグおよびエアポンプに接続された給気用エアホースと、エアポンプにより生成された空気を複数のエアバッグの各々に分配するための電磁弁ユニットと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3216090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の手用マッサージ装置では、エアポンプを駆動させて所定の給気時間が経過すると、エアポンプからエアバッグに向かって流れる空気の圧力が最大となる。そして、上記所定の給気時間が経過した場合には、その後にエアポンプの駆動を継続してもエアバッグの内圧が最大となる状態が維持される。かかる状態において、被施療者の手指を含む手部は、内圧が最大となった状態のエアバッグにより押圧される。一方、人体の手指には知覚神経や運動神経が特に集中していることから、手指を圧迫しすぎると被施療者が不快に感じてしまう場合がある。すなわち、エアバッグの内圧が最大となった状態では、被施療者が手部に対するエアバッグにおける押圧力の強さ(空圧施療の強さ)により不快に感じるおそれがあった。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成により被施療者の手部に対して適切な強さによる空圧施療を付与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、被施療者の手指を含む手部を施療するための手用マッサージ装置に係るものであり、筐体と、筐体内に設けられ、被施療者の手部を施療するための複数のエアバッグを有するエアバッグユニットと、筐体内に設けられ、空気を生成しかつ空気をエアバッグユニットに供給するためのエアポンプと、エアバッグユニットおよびエアポンプに接続されていて、互いに異なる位置に配置された第1および第2中継部を有する給気用エアホースと、第1中継部に設けられ、エアポンプにより生成された空気を複数のエアバッグの各々に分配するための電磁弁ユニットと、給気用エアホースの第2中継部に接続された排気機構と、を備えている。エアバッグユニットは、被施療者の指を施療するための少なくとも1つの第1エアバッグと、被施療者の指以外の手部を施療するための少なくとも1つの第2エアバッグと、を有している。給気用エアホースは、エアポンプと電磁弁ユニットとを接続するための基幹ホース部と、電磁弁ユニットと第1エアバッグとを接続するための第1分岐ホース部と、電磁弁ユニットと第2エアバッグとを接続するための第2分岐ホース部と、を有している。第2中継部は、第1分岐ホース部に設けられている。排気機構は、第1分岐ホース部に流れる空気の一部が第2中継部を介して外部に排気されるように構成され、かつ、エアポンプから第1エアバッグに向かって流れる空気の流入圧力を低下させるように構成されている。そして、第1エアバッグは、排気機構により、内圧が最大となる状態よりも低い状態となるように構成されている。
【0008】
本発明の実施形態において、排気機構は、給気用エアホースに流れる空気の一部が第2中継部を介して外部に排気されるように構成されている。かかる構成により、エアポンプからエアバッグユニットに向かって流れる空気の流入圧力が低下する。その結果、各エアバッグは、エアポンプの給気時間にかかわらず、内圧が最大となる状態よりも低い状態となる。すなわち、被施療者の手部に対するエアバッグユニットの押圧力の強さ(空圧施療の強さ)が抑制される。このため、被施療者は、エアバッグユニットによる空圧施療を受けたときであっても、知覚神経および運動神経が特に集中する手指を含む手部に対して不快に感じないようになる。したがって、本発明の実施形態では、簡易な構成により被施療者の手部に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【0009】
また、本発明の実施形態において、排気機構は、給気用エアホースの第1分岐ホース部に流れる空気の一部が第2中継部を介して外部に排気されるように構成されている。かかる構成により、エアポンプから第1エアバッグのみに向かって流れる空気の流入圧力が低下する。その結果、第1エアバッグは、エアポンプの給気時間にかかわらず、内圧が最大となる状態よりも低い状態となる。すなわち、被施療者の手指に対する第1エアバッグの押圧力の強さ(空圧施療の強さ)が抑制される。このため、被施療者は、第1エアバッグによる空圧施療を受けたときであっても、手指に対して不快に感じないようになる。したがって、本発明の実施形態では、被施療者の手指に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【0010】
また、本発明の実施形態において、排気機構は、第2中継部を介して外部に排気される空気の量を調整するための調整部を有していてもよい
【0011】
また、調整部は、筐体から外部に露出するように構成されていてもよい
【0012】
また、調整部の排気量は、3段階ないし5段階の範囲で段階的に調整可能となるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によると、簡易な構成により被施療者の手部に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態に係る手用マッサージ装置を正面から見て示す全体斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る手用マッサージ装置の正面図である。
図3図3は、手用マッサージ装置を背面から見て示す全体斜視図である。
図4図4は、展開状態におけるエアバッグユニットの構成を示す斜視図である。
図5図5は、エアバッグユニットの各エアバッグと被施療者の手部(左手)との位置関係を概略的に示す概略図である。
図6図6は、手用マッサージ装置の内部構造を概略的に示す概略図である。
図7図7は、手用マッサージ装置の機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、第1実施形態におけるエアバッグユニット、エアポンプ、給気用エアホース、電磁弁ユニット、および排気機構の接続状態を概略的に示す概略図である。
図9図9は、第2実施形態におけるエアバッグユニット、エアポンプ、給気用エアホース、電磁弁ユニット、および排気機構の接続状態を概略的に示す図8相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0016】
[第1実施形態]
図1図3は、本発明の第1実施形態に係る手用マッサージ装置1の全体を示している。この手用マッサージ装置1は、被施療者の手指を含む手部を施療するためのものである。
【0017】
以下の説明において、図2に示した手用マッサージ装置1の視認側を前側(正面側)をとする一方、図3に示した手用マッサージ装置1の視認側を後側(背面側)として定めるものとする。また、右側および左側とは、手用マッサージ装置1を正面側から見たときの左右方向における位置関係を表すものとする。
【0018】
(筐体)
図1図3に示すように、手用マッサージ装置1は、筐体2を備えている。筐体2は、主に上カバー部3および下カバー部4により構成されている。上カバー部3および下カバー部4の各々は、例えばプラスチック材料からなる。上カバー部3および下カバー部4は、図示しない締結部材により互いに固定されている。
【0019】
図3に示すように、下カバー部4には、その下面から下方に向かって突出した略柱状の脚部5,5,…が設けられている。この脚部5,5,…により、手用マッサージ装置1を例えば机の上に載置することが可能となっている。なお、図3では1つの脚部5のみを図示している。
【0020】
(挿入部)
次に、図1図3に示すように、手用マッサージ装置1は、挿入部6を備えている。挿入部6は、被施療者の手指および手指以外の手部(主に手の甲および手のひら)を筐体2内に収容可能に構成されている。挿入部6は、表側が例えば図示しないクッション材および布材により覆われた状態となるように構成されている。
【0021】
挿入部6は、第1挿入部7,7,…および第2挿入部8を有している。
【0022】
第1挿入部7,7,…は、被施療者の親指を除く4本の各手指をその周囲から覆うように構成されている。第1挿入部7,7,…は、筐体2の後側(背面側)に配設されている。各第1挿入部7は、筐体2内において前後方向略中央から後側(背面側)に向かって略円形状に貫通形成されている。第1挿入部7,7,…は、左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。
【0023】
第2挿入部8は、筐体2内において被施療者の手の甲および手のひらを上下方向から挟み込むように構成されている。第2挿入部8は、筐体2の前側(正面側)に配設されていて、第1挿入部7,7,…と連続している。第2挿入部8は、上下方向の間隔が筐体2の前後方向略中央から筐体2の前側に向かって上下方向に大きくなるように形成されている。
【0024】
(エアバッグユニット)
図4および図5に示すように、手用マッサージ装置1は、エアバッグユニット10を備えている。
【0025】
エアバッグユニット10は、被施療者の手部を施療するための複数のエアバッグを有している。具体的に、エアバッグユニット10は、被施療者の各手指を施療するための第1エアバッグ11a~11dと、被施療者の手の甲および手のひらを上下方向から施療するための第2エアバッグ12a~12hと、を有している。
【0026】
図4に示すように、第1エアバッグ11a~11dおよび第2エアバッグ12a~12hは、平板状に形成された平板部13と一体形成されている。第1エアバッグ11a~11dおよび第2エアバッグ12a~12hは、挿入部6に組み込まれる前の展開状態において平板部13の平面方向に沿って配置されている。
【0027】
第1エアバッグ11a~11dの各々は、例えば軟質樹脂材やナイロンのシート材を用いて圧着成形等により製造される。第1エアバッグ11a~11dの各々は、前後方向に延びる略円筒状に折り曲げ形成されている(図4参照)。図示しないが、第1エアバッグ11a~11dの各々は、上記のように折り曲げられた状態で各第1挿入部7の内部に配設されている。
【0028】
第2エアバッグ12a~12hの各々は、例えば軟質樹脂材やナイロンのシート材を用いてブロー成形等により製造される。図示しないが、第2エアバッグ12a~12dは、第2挿入部8の下部に配置されている一方、第2エアバッグ12e~12hは、第2挿入部8の上部に配置されている。
【0029】
図4に示すように、第2エアバッグ12a,12eの各々は、展開状態において長辺が左右方向に沿って延びるように略矩形状に形成されている。第2エアバッグ12a,12eの各々は、例えば第1エアバッグ11a~11dの近傍に位置しかつ被施療者の親指を除く各手指の付け根に対応する位置に配設されている。
【0030】
第2エアバッグ12c,12gの各々は、展開状態において略円形状に形成されている。第2エアバッグ12c,12gの各々は、例えば被施療者の手部における中手骨に対応する位置に配設されている。
【0031】
第2エアバッグ12b,12d,12f,12hの各々は、展開状態において第2エアバッグ12c,12gの各々の内径よりも小さい内径となる略円形状に形成されている。第2エアバッグ12b,12d,12f,12hの各々は、例えば被施療者の手部における中手骨に対応する位置に配設されている。また、第2エアバッグ12b,12dの各々は、第2エアバッグ12cの左右両側に配置されている。第2エアバッグ12f,12hの各々は、第2エアバッグ12gの左右両側に配置されている。
【0032】
(プラグ差込口)
図1図3,および図6に示すように、筐体2には、プラグ差込口20が設けられている。プラグ差込口20は、その側部が筐体2の左側面から露出するように構成されている。手用マッサージ装置1は、プラグ差込口20に差し込まれた電源プラグ21(図1参照)から電力の供給を受けることが可能となっている。
【0033】
(制御基板)
筐体2内には、制御基板22が設けられている。制御基板22は、例えばポリ塩化ビフェニル(PCB)の多層構造からなり、略矩形状に形成されている。制御基板22は、締結部材により上カバー部3の内側に取り付けられている。
【0034】
制御基板22には、電源用導電線23a、エアポンプ用導電線23b、電磁弁用導電線23c、およびヒーター用導電線23dが接続されている。図7に示すように、電源用導電線23aは、制御基板22と後述するプラグ差込口20とを電気的に接続している。エアポンプ用導電線23bは、制御基板22と後述するエアポンプ30とを電気的に接続している。電磁弁用導電線23cは、制御基板22と後述する第1~第3電磁弁41~43の各々とを電気的に接続している。ヒーター用導電線23dは、制御基板22と後述するヒーター24とを電気的に接続している。
【0035】
(ヒーター)
図示しないが、筐体2の第2挿入部8には、ヒーター24(図7参照)が配設されている。ヒーター24は、第2挿入部8に収容した被施療者の手の甲および手のひらを暖めるためのものである。ヒーター24は、例えば銅線などの金属線からなる。
【0036】
(操作部)
上カバー部3には、電源操作部25a、ヒーター操作部25b、およびエア操作部25cが設けられている。電源操作部25aは、手用マッサージ装置1の電源ON/OFFおよび各種マッサージコースを選択するためのものである。ヒーター操作部25bは、ヒーター24を動作させるためのものである。エア操作部25cは、エアバッグユニット10における空圧施療の強弱調整を行うためのものである。
【0037】
(エアポンプ)
次に、図6に示すように、手用マッサージ装置1は、エアポンプ30を備えている。エアポンプ30は、空気を生成しかつ該空気をエアバッグユニット10の各エアバッグに供給するためのものである。
【0038】
(電磁弁ユニット)
図6に示すように、手用マッサージ装置1は、電磁弁ユニット40を備えている。電磁弁ユニット40は、エアポンプ30により生成された空気をエアバッグユニット10の各エアバッグに分配するためのものである。図8に示すように、電磁弁ユニット40は、後述する給気用エアホース50の第1中継部54に配設されている。
【0039】
電磁弁ユニット40は、第1~第3電磁弁41~43により構成されている。図7に示すように、第1~第3電磁弁41~43の各々は、電磁弁用導電線23cを介して制御基板22と電気的に接続されている。図8に示すように、第1~第3電磁弁41~43は、互いに連通した状態で各々の内部に空気が流れるように構成されている。
【0040】
(給気用エアホース)
図6に示すように、手用マッサージ装置1は、給気用エアホース50を備えている。図8に示すように、給気用エアホース50は、エアバッグユニット10とエアポンプ30との間に配置されている。給気用エアホース50は、主に基幹ホース部50aと、第1分岐ホース部51および第2分岐ホース部52,52により構成されている。
【0041】
基幹ホース部50aは、エアポンプ30と電磁弁ユニット40とを接続している。第1分岐ホース部51は、第1電磁弁41と、第1エアバッグ11cおよび第2エアバッグ12c,12gの各々とを接続している。一方の第2分岐ホース部52は、第2電磁弁42と、第1エアバッグ11bおよび第2エアバッグ12a,12eの各々とを接続している。また、他方の第2分岐ホース部52は、第3電磁弁と、第1エアバッグ11a,11dおよび第2エアバッグ12b,12d,12f,12hの各々とを接続している。
【0042】
給気用エアホース50は、互いに異なる位置に配置された第1および第2中継部54,55を有している。この実施形態において、第1中継部54は、基幹ホース部50aと、第1分岐ホース部51および第2分岐ホース部52,52の各々との間に配置されている。第2中継部55は、基幹ホース部50aの中間部に配置されている。また、第2中継部55には、基幹ホース部50aに流れる空気の一部を後述する排気機構60に向かって分岐させるためのT字状のジョイント部材56が設けられている。
【0043】
(排気機構)
図6に示すように、手用マッサージ装置1は、排気機構60を備えている。図8に示すように、排気機構60は、排気用エアホース61を有している。排気用エアホース61の一端部は、第2中継部55に位置するジョイント部材56に接続されている。すなわち、排気機構60は、給気用エアホース50の第2中継部55に設けられている。そして、排気機構60は、基幹ホース部50aに流れる空気の一部が第2中継部55のジョイント部材56を介して排気用エアホース61の他端部から外部に排気されるように構成されている。
【0044】
図6および図8に示すように、排気機構60は、調整部62を有している。調整部62は、排気用エアホース61の他端部に接続されている。調整部62は、第2中継部55のジョイント部材56を介して排気用エアホース61の他端部から外部に排気される空気の量を調整するように構成されている。
【0045】
調整部62は、例えば調整ネジからなり、排気用エアホース61から排気される空気の排気量を段階的(例えば3段階ないし5段階)に調整可能となっている。図3に示すように、調整部62は、例えば上カバー部3の背面側に配置されている。具体的に、調整部62は、第1挿入部7の上側に配置されていて、上カバー部3から外部に露出している。
【0046】
[第1実施形態の作用効果]
以上のように、第1実施形態に係る手用マッサージ装置1において、排気機構60は、給気用エアホース50に流れる空気の一部が第2中継部55を介して外部に排気されるように構成されている。かかる構成により、エアポンプ30からエアバッグユニット10に向かって流れる空気の流入圧力が低下する。その結果、第1エアバッグ11a~11dおよび第2エアバッグ12a~12hの各々は、エアポンプ30の給気時間にかかわらず、内圧が最大となる状態よりも低い状態となる。すなわち、被施療者の手部に対するエアバッグユニット10の押圧力の強さ(空圧施療の強さ)が抑制される。このため、被施療者は、エアバッグユニット10による空圧施療を受けたときであっても、知覚神経および運動神経が特に集中する手指を含む手部に対して不快に感じないようになる。したがって、第1実施形態に係る手用マッサージ装置1では、簡易な構成により被施療者の手部に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【0047】
また、給気用エアホース50は、エアポンプ30と電磁弁ユニット40との間を接続するための基幹ホース部50aを有しており、第2中継部55は、基幹ホース部50aに設けられている。このため、排気機構60によりエアポンプ30からエアバッグユニット10における全てのエアバッグに向かって流れる空気の最大圧力が下がるようになる。したがって、被施療者の手部全体に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【0048】
また、排気機構60は、第2中継部55を介して外部に排気される空気の量を調整するための調整部62を有している。この調整部62により、手部に対するエアバッグユニット10の押圧力の強さ(空圧施療の強さ)を被施療者の好みに応じて適宜変更することができる。
【0049】
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係る手用マッサージ装置1を示す。この実施形態では、上記第1実施形態と比較して、主にエアバッグユニット10と電磁弁ユニット40との接続状態、ならびに排気機構60の取付位置が異なっている。なお、この実施形態に係る手用マッサージ装置1の他の構成は、上記第1実施形態に係る手用マッサージ装置1の構成と同様である。このため、以下の説明では、図1図8と同じ部分について同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
第2実施形態において、第1分岐ホース部51および第2分岐ホース部52,52によるエアバッグユニット10と電磁弁ユニット40との接続状態は以下のとおりである。
【0051】
図9に示すように、第1分岐ホース部51は、第1電磁弁41と第1エアバッグ11a~11dの各々とを接続している。一方の第2分岐ホース部52は、第2電磁弁42と第2エアバッグ12a~12dの各々とを接続している。また、他方の第2分岐ホース部52は、第3電磁弁43と第2エアバッグ12e~12hの各々とを接続している。なお、第2実施形態の基幹ホース部50aは、上記第1実施形態と同様に、エアポンプ30と電磁弁ユニット40とを接続している。
【0052】
また、第2中継部55は、第1電磁弁41と第1エアバッグ11a~11dの各々との間に配設されている。すなわち、第2中継部55は、第1分岐ホース部51の中間部に配置されている。第2中継部55には、ジョイント部材56が設けられている。ジョイント部材56には、排気用エアホース61の一端部が接続されている。
【0053】
以上のように、第2実施形態に係る手用マッサージ装置1において、排気機構60は、第1分岐ホース部51に流れる空気の一部が第2中継部55を介して外部に排気されるように構成されている。かかる構成により、エアポンプ30から第1エアバッグ11a~11dのみに向かって流れる空気の流入圧力が低下する。その結果、第1エアバッグ11a~11dの各々は、エアポンプ30の給気時間にかかわらず、内圧が最大となる状態よりも低い状態となる。すなわち、被施療者の手指に対する第1エアバッグ11a~11dの押圧力の強さ(空圧施療の強さ)が抑制される。このため、被施療者は、第1エアバッグ11a~11dによる空圧施療を受けたときであっても、手指に対して不快に感じないようになる。したがって、第2実施形態に係る手用マッサージ装置1では、被施療者の手指に対して適切な強さによる空圧施療を付与することができる。
【0054】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、第1エアバッグ11a~11dを設けた形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、第1エアバッグ11a~11dのうち少なくとも1つのエアバッグを設けた形態としてもよい。
【0055】
また、上記各実施形態では、第2エアバッグ12a~12hを設けた形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、第2エアバッグ12a~12hのうち少なくとも1つのエアバッグを設けた形態としてもよい。
【0056】
また、上記各実施形態では、ヒーター24を設けた形態を示したが、ヒーター24を設けない形態としてもよい。
【0057】
また、上記各実施形態では、調整部62(調整ネジ)を上カバー部3の背面側に配置した形態を示したが、この形態に限られない。例えば、調整ネジを上カバー部3の右側および左側のいずれか一方に配置した形態としてもよい。あるいは、調整ネジを下カバー部4に配置した形態としてもよい。
【0058】
また、上記各実施形態において、例えばアロマオイル等が浸み込んだ不織布(図示せず)を、排気用エアホース61の他端部近傍に設けてもよい。これにより、上記アロマオイルの香りを、空気の一部を排気用エアホース61の他端部から外部に排気するときに手用マッサージ装置1の周囲に漂わせることが可能となる。さらに、かかる形態では、上記アロマオイルの香りの量を、調整部62で外部に排気する空気の量を調整することにより適宜変更することも可能である。
【0059】
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、被施療者の手指を含む手部を施療するための手用マッサージ装置として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1:手用マッサージ装置
2:筐体
3:上カバー部
4:下カバー部
6:挿入部
7:第1挿入部
8:第2挿入部
10:エアバッグユニット
11:第1エアバッグ
12:第2エアバッグ
22:制御基板
24:ヒーター
30:エアポンプ
40:電磁弁ユニット
41:第1電磁弁
42:第2電磁弁
43:第3電磁弁
50:給気用エアホース
50a:基幹ホース部
51:第1分岐ホース部
52:第2分岐ホース部
54:第1中継部
55:第2中継部
56:ジョイント部材
60:排気機構
61:排気用エアホース
62:調整部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9