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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】流体加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220601BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20220601BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20220601BHJP
   F24H 1/10 20220101ALI20220601BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/304 642A
H01L21/30 572B
H01L21/306 J
F24H1/10 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018072700
(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公開番号】P2019186308
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大介
(72)【発明者】
【氏名】向 順二
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-98153(JP,A)
【文献】特開2003-97849(JP,A)
【文献】国際公開第2009/123045(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/027
H01L 21/306
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部材及び前記外筒部材の内側に配置される内筒部材を有し、前記外筒部材の内面と前記内筒部材の外面との間の流体空間に流体が供給される容器と、
前記内筒部材に配置されるランプヒータと、
前記ランプヒータの先端側に配置され、給気口を有する第1ノズル部材と、
前記第1ノズル部材の前記給気口から供給された第1気体を案内する第1案内機構と、を備え、
前記内筒部材は、前記外筒部材の中心軸と直交する面内において前記外筒部材の中央に配置される中央内筒部材と、前記中央内筒部材の周囲に配置される複数の周辺内筒部材とを含み、
前記ランプヒータは、前記中央内筒部材に配置される中央ランプヒータと、複数の前記周辺内筒部材のそれぞれに配置される周辺ランプヒータとを含み、
前記第1案内機構は、前記中央ランプヒータの先端側に前記第1気体を案内する、
流体加熱装置。
【請求項2】
前記第1案内機構に案内される前記第1気体により、前記中央ランプヒータの前記先端側は、前記周辺ランプヒータの前記先端側よりも重点的に冷却される、
請求項1に記載の流体加熱装置。
【請求項3】
前記ランプヒータは、封体と、前記封体の内部空間に配置されるフィラメントと、前記封体の端部に設けられ前記内部空間を封止する封止部と、前記封止部に配置され前記フィラメントに接続される金属箔とを有し、
前記第1案内機構は、前記中央ランプヒータの前記先端側の前記封止部に前記第1気体を案内する、
請求項1又は請求項2に記載の流体加熱装置。
【請求項4】
前記ランプヒータは、平行に配置される2本のランプ本体を有し、
前記ランプ本体のそれぞれが、前記封体と、前記フィラメントと、前記封止部と、前記金属箔とを有し、
一方の前記ランプ本体の前記封止部及び他方の前記ランプ本体の前記封止部を保持する保持部材を備え、
前記第1案内機構は、前記中央ランプヒータの前記先端側の前記保持部材に前記第1気体を案内する、
請求項3に記載の流体加熱装置。
【請求項5】
前記封止部は、前記ランプ本体の前記先端側に設けられる第1封止部と、前記ランプ本体の配線側に設けられる第2封止部とを含み、
前記保持部材は、一方の前記ランプ本体及び他方の前記ランプ本体の前記第1封止部の少なくとも一部を保持する第1保持部材と、一方の前記ランプ本体及び他方の前記ランプ本体の前記第2封止部の少なくとも一部を保持する第2保持部材とを含み、
前記先端側において、一方の前記ランプ本体の前記第1封止部に配置される金属箔と他方の前記ランプ本体の前記第1封止部に配置される金属箔とが接続され、
前記配線側において、一方の前記ランプ本体及び他方の前記ランプ本体の前記第2封止部に配置される金属箔のそれぞれは外部リード線に接続される、
請求項4に記載の流体加熱装置。
【請求項6】
前記ランプヒータの前記先端側の一部が前記内筒部材の外側に配置された状態で前記第1保持部材を支持する支持機構を備える、
請求項5に記載の流体加熱装置。
【請求項7】
前記第1保持部材は、平坦面である上面と、平坦面である下面と、前記上面と前記下面とを接続する側面とを有し、
前記上面及び前記下面の少なくとも一方と前記内筒部材の内面との間に間隙が設けられる、
請求項6に記載の流体加熱装置。
【請求項8】
前記支持機構は、前記上面に接触する第1接触部と、前記下面に接触する第2接触部と、前記内筒部材の上部に設けられる第1貫通孔に挿入される第1挿入部と、前記内筒部材の下部に設けられる第2貫通孔に挿入される第2挿入部とを有する支持部材を含み、
前記第1挿入部は、前記内筒部材の内側から前記第1貫通孔に挿入され、
前記第2挿入部は、前記内筒部材の内側から前記第2貫通孔に挿入される、
請求項7に記載の流体加熱装置。
【請求項9】
前記支持機構は、前記上面に接触する第1接触部と、前記下面に接触する第2接触部と、前記内筒部材の上部に設けられる第1貫通孔に挿入される第1挿入部と、前記内筒部材の下部に設けられる第2貫通孔に挿入される第2挿入部とを有する支持部材を含み、
前記第1挿入部は、前記内筒部材の外側から前記第1貫通孔に挿入され、
前記第2挿入部は、前記内筒部材の外側から前記第2貫通孔に挿入される、
請求項7に記載の流体加熱装置。
【請求項10】
前記支持機構は、前記上面に接触する第1接触部と、前記下面に接触する第2接触部と、第1接触部と前記第2接触部とを連結する連結部とを有する支持部材を含み、
前記第1保持部材に前記支持部材が固定された状態で、前記支持部材が前記内筒部材の内面に接置される、
請求項7に記載の流体加熱装置。
【請求項11】
複数の前記ランプヒータのそれぞれは、前記第1保持部材の前記平坦面が水平方向から見て上下になるように、前記内筒部材に固定される、
請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の流体加熱装置。
【請求項12】
前記ランプヒータの前記配線側に配置され、給気口を有する第2ノズル部材と、
前記第2ノズル部材の前記給気口から供給された第2気体を案内する第2案内機構と、を備え、
前記第2案内機構は、前記中央ランプヒータの前記配線側に前記第2気体を案内し、
前記第1ノズル部材の給気口から供給される第1気体の流量は、前記第2ノズル部材の給気口から供給される第2気体の流量よりも多い、
請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の流体加熱装置。
【請求項13】
前記第2案内機構に案内される前記第2気体により、前記外部リード線が冷却され、
前記中央ランプヒータの前記配線側は、前記外部リード線を介して冷却される、
請求項12に記載の流体加熱装置。
【請求項14】
前記第2案内機構に案内される前記第2気体により、前記中央ランプヒータの前記配線側は、前記周辺ランプヒータの前記配線側よりも重点的に冷却される、
請求項13に記載の流体加熱装置。
【請求項15】
第1封止部は、前記内筒部材の一端部に配置され、前記第2封止部は、前記内筒部材の他端部に配置され、
前記内筒部材の一端部が前記内筒部材の他端部よりも上方に配置されるように、前記容器を保持する容器保持機構を備える、
請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の流体加熱装置。
【請求項16】
前記容器は、透明な石英ガラス製である、
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の流体加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいては、半導体ウエハ洗浄用の薬液及びフォトレジスト剥離用の薬液のような様々な薬液が使用される。半導体製造プロセスにおいて使用される薬液は、流体加熱装置で加熱された状態で使用される。流体加熱装置は、ハロゲンランプのようなランプヒータを備える。流体加熱装置は、ランプヒータの輻射熱で薬液を加熱する。ランプヒータが過度に温度上昇すると、流体加熱装置の性能が低下する可能性がある。そのため、ランプヒータに気体を供給して、ランプヒータの過度な温度上昇を抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-097781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大量の薬液を温度調整するために、流体加熱装置の高出力化が要望されている。流体加熱装置が高出力化されても、ランプヒータの過度な温度上昇を抑制して、流体加熱装置の寿命の低下や早期故障を抑制できる技術が要望される。
【0005】
本発明の態様は、流体加熱装置の高出力化とコンパクト化とを両立するため、ランプヒータ単体のパワーアップによらず、ランプヒータの本数を増やし、多数のランプヒータを1つの容器に配置したときに、ランプヒータの過度な温度上昇を抑制して、寿命の低下や早期故障を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、外筒部材及び前記外筒部材の内側に配置される内筒部材を有し、前記外筒部材の内面と前記内筒部材の外面との間の流体空間に流体が供給される容器と、前記内筒部材に配置されるランプヒータと、前記ランプヒータの先端側に配置され、給気口を有する第1ノズル部材と、前記第1ノズル部材の前記給気口から供給された第1気体を案内する第1案内機構と、を備え、前記内筒部材は、前記外筒部材の中心軸と直交する面内において前記外筒部材の中央に配置される中央内筒部材と、前記中央内筒部材の周囲に配置される複数の周辺内筒部材とを含み、前記ランプヒータは、前記中央内筒部材に配置される中央ランプヒータと、複数の前記周辺内筒部材のそれぞれに配置される周辺ランプヒータとを含み、前記第1案内機構は、前記中央ランプヒータの先端側に前記第1気体を案内する、流体加熱装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、流体加熱装置が高出力化されても、ランプヒータの過度な温度上昇を抑制して、寿命の低下や早期故障を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る流体システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る流体加熱装置を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係るケースの内部を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係るケースの内部を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係るランプヒータを示す側面図である。
図6図6は、第1実施形態に係るランプヒータを示す上面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る保持部材を示す正面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る保持部材を示す正面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る容器を示す側面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る容器を示す正面図である。
図11図11は、第1実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す断面図である。
図12図12は、第1実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す断面図である。
図13図13は、第1実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図14図14は、第1実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図15図15は、第1実施形態に係る冷却装置を示す斜視図である。
図16図16は、第1実施形態に係る冷却装置を示す斜視図である。
図17図17は、第1実施形態に係る冷却装置の作用を説明するための模式図である。
図18図18は、第2実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図19図19は、第3実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図20図20は、第3実施形態に係る支持部材を示す斜視図である。
図21図21は、第4実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図22図22は、第4実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
図23図23は、第4実施形態に係るランプヒータの支持機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸と平行な方向をX軸方向、水平面内においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向、水平面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。
【0011】
第1実施形態.
[流体システム]
図1は、本実施形態に係る流体システム1の一例を模式的に示す図である。流体システム1は、処理槽2と、循環ポンプ3と、流体加熱装置4と、フィルタユニット5と、処理槽2と循環ポンプ3とを接続する第1接続管6と、循環ポンプ3と流体加熱装置4とを接続する第2接続管7と、流体加熱装置4とフィルタユニット5とを接続する第3接続管8と、フィルタユニット5と処理槽2とを接続する第4接続管9とを備える。
【0012】
処理槽2、第1接続管6、循環ポンプ3、第2接続管7、流体加熱装置4、第3接続管8、フィルタユニット5、及び第4接続管9によって、流体の循環システム10が形成される。
【0013】
循環ポンプ3は、循環システム10において流体を循環させる。循環ポンプ3は、第1接続管6を介して処理槽2から供給された流体を吸引して吐出する。循環ポンプ3から吐出された流体は、第2接続管7を介して流体加熱装置4に供給される。
【0014】
流体加熱装置4は、第2接続管7を介して循環ポンプ3から供給された流体を加熱して、第3接続管8に送出する。フィルタユニット5は、第3接続管8を介して流体加熱装置4から供給された流体の異物を捕集する。フィルタユニット5により異物が除去された流体は、第4接続管9を介して処理槽2に供給される。
【0015】
流体加熱装置4により加熱されフィルタユニット5により異物が除去された流体は、処理槽2に収容される。処理槽2に収容された流体により、半導体ウエハの洗浄及びフォトレジストの剥離のような半導体製造プロセスが実施される。流体として、半導体ウエハ洗浄用の薬液及びフォトレジスト剥離用の薬液のような半導体製造プロセスに使用される薬液が例示される。なお、流体加熱装置4により加熱される流体は、薬液以外の液体でもよい。
【0016】
[流体加熱装置]
図2は、本実施形態に係る流体加熱装置4を模式的に示す斜視図である。流体加熱装置4は、ケース11と、ケース11の内部に配置される容器12と、容器12に保持される複数のランプヒータ13とを備える。容器12は、第2接続管7及び第3接続管8のそれぞれに接続される。循環ポンプ3からの流体は、第2接続管7を介して、容器12に供給される。流体加熱装置4は、ランプヒータ13の輻射熱により、容器12に供給された流体を加熱する。ランプヒータ13により加熱された流体は、第3接続管8を介して、フィルタユニット5に送出される。
【0017】
図3及び図4のそれぞれは、本実施形態に係るケース11の内部を示す図である。図3は、ケース11の内部を-Y側から見た図であり、図4は、ケース11の内部を-X側から見た図である。
【0018】
ケース11の下面に脚部材14が固定される。ケース11は、脚部材14を介して床面FLに支持される。床面FLは、水平面と平行である。
【0019】
容器12は、円筒状である。容器12の中心軸AXは、XZ平面と平行である。容器12は、容器保持機構15に保持される。容器保持機構15は、ケース11の底面に固定される。容器保持機構15は、水平面に対して容器12の中心軸AXが傾斜するように容器12を保持する。中心軸AXは、+X方向に向かって+Z方向に傾斜する。水平面に対する中心軸AXの角度は、例えば1[°]以上4[°]以下である。すなわち、中心軸AXは、実質的にX軸と平行であるものの、水平面に対して僅かに傾斜する。
【0020】
ランプヒータ13は、X軸方向に長い。複数のランプヒータ13が容器12に保持される。図4に示すように、ランプヒータ13は、YZ平面と平行な面内において容器12の中央に配置される中央ランプヒータ13Cと、中央ランプヒータ13Cの周囲に配置される複数の周辺ランプヒータ13Sとを含む。本実施形態において、周辺ランプヒータ13Sは、5本である。すなわち、本実施形態において、容器12に保持されるランプヒータ13は、全部で6本である。周辺ランプヒータ13Sは、中央ランプヒータ13Sの周囲において一定の間隔で配置される。
【0021】
[ランプヒータ]
図5は、本実施形態に係るランプヒータ13を示す側面図である。図6は、本実施形態に係るランプヒータ13を示す上面図である。
【0022】
ランプヒータ13は、平行に配置される2本のランプ本体16と、2本のランプ本体16を保持する保持部材17(第1保持部材)及び保持部材18(第2保持部材)と、ランプ本体16に接続される外部リード線19とを有する。
【0023】
ランプ本体16は、封体20と、フィラメント21と、フィラメント21の一端部(+X側の端部)に接続される内部リード線22と、フィラメント21の他端部(-X側の端部)に接続される内部リード線23と、内部リード線22を介してフィラメント21に接続される金属箔24と、内部リード線23を介してフィラメント21に接続される金属箔25とを有する。
【0024】
ランプヒータ13の一端部(+X側の端部)は、外部リード線19が配置されない先端側の端部である。ランプヒータ13の他端部(-X側の端部)は、外部リード線19が配置される配線側の端部である。
【0025】
封体20は、石英ガラス製の管部材である。光は、封体20を透過可能である。封体20は、内部空間を有する。封体20の一端部(+X側の端部)に封止部26(第1封止部)が設けられる。封体20の他端部(-X側の端部)に封止部27(第2封止部)が設けられる。封止部26及び封止部27は、封体20の内部空間を封止する。封体20の内部空間に不活性ガス及びハロゲンガスが封入される。
【0026】
フィラメント21は、封体20の内部空間に配置される。フィラメント21は、例えばコイル状である。フィラメント21は、通電により発光及び発熱する。本実施形態において、フィラメント21は、タングステン製である。
【0027】
内部リード線22及び内部リード線23は、封体20の内部空間に配置される。内部リード線22及び内部リード線23のそれぞれは、タングステン製である。内部リード線22は、フィラメント21と金属箔24とを接続する。内部リード線23は、フィラメント21と金属箔25とを接続する。
【0028】
封止部26は、ランプ本体16の先端側の一端部に設けられる。封止部27は、ランプ本体16の配線側の他端部に設けられる。封止部26は、封体20の一端部を封止する。封止部27は、封体20の他端部を封止する。封止部26は、封体20の一端部を加熱した状態で圧着することにより形成される。同様に、封止部27は、封体20の他端部を加熱した状態で圧着することにより形成される。
【0029】
封体20は、円筒状である。封止部26及び封止部27のそれぞれは、封体20に連なるプレート状である。封体20の一端部が圧着されることにより、封止部26に表面26Sが形成される。封体20の他端部が圧着されることにより、封止部27に表面27Sが形成される。表面26S及び表面27Sのそれぞれは、平坦面である。
【0030】
表面26Sは、XZ平面と平行な平坦面である。図6に示すように、一方のランプ本体16の表面26Sと他方のランプ本体16の表面26Sとは、平行である。一方のランプ本体16の封止部26と他方のランプ本体16の封止部26との間に間隙Gaが設けられる。
【0031】
表面27Sは、XZ平面と平行な平坦面である。図6に示すように、一方のランプ本体16の表面27Sと他方のランプ本体16の表面27Sとは、平行である。一方のランプ本体16の封止部27と他方のランプ本体16の封止部27との間に間隙Gbが設けられる。
【0032】
金属箔24は、内部リード線22に接続される。金属箔24は、モリブデン製である。金属箔24は、封体20の一部に挟まれるように封止部26に配置される。封体20の内部空間の一端部に金属箔24が配置された状態で封体20の一端部が圧着されることにより、金属箔24は、封体20の一部に挟まれるように封止部26に配置される。金属箔24の表面は、表面26Sと平行である。
【0033】
金属箔25は、内部リード線23に接続される。金属箔25は、モリブデン製である。金属箔25は、封体20の一部に挟まれるように封止部27に配置される。封体20の内部空間の他端部に金属箔25が配置された状態で封体20の他端部が圧着されることにより、金属箔25は、封体20の一部に挟まれるように封止部27に配置される。金属箔25の表面は、表面27Sと平行である。
【0034】
2本のランプ本体16のそれぞれが、封体20と、フィラメント21と、内部リード線22と、内部リード線23と、金属箔24と、金属箔25と、封止部26と、封止部27とを有する。
【0035】
保持部材17及び保持部材18のそれぞれは、2本のランプ本体16の相対位置を維持するように、2本のランプ本体16の少なくとも一部を保持する。2本のランプ本体16は、平行に配置される。保持部材17は、一方のランプ本体16の封止部26の少なくとも一部及び他方のランプ本体16の封止部26の少なくとも一部を保持する。保持部材18は、一方のランプ本体16の封止部27の少なくとも一部及び他方のランプ本体16の封止部27の少なくとも一部を保持する。保持部材17及び保持部材18は、セラミックス製である。
【0036】
保持部材17は、封止部26の+X側の一部を保持する。金属箔24の-X側の端部は、保持部材17の-X側の端部よりも-X側に配置される。すなわち、保持部材17は、金属箔24の全部を覆わず、金属箔24の+X側の端部を含む一部分を覆うように、封止部26の一部を保持する。金属箔24の-X側の端部を含む一部分は、保持部材17の外部に現れる。
【0037】
ランプヒータ13の先端側において、一方のランプ本体16の封止部26に配置される金属箔24と、他方のランプ本体16の封止部26に配置される金属箔24とは、不図示の接続リード線を介して接続される。一対の金属箔24は、接続リード線を介して通電可能である。接続リード線は、一方のランプ本体16の金属箔24の+X側の端部と、他方のランプ本体16の金属箔24の+X側の端部とを接続する。
【0038】
保持部材18は、封止部27の-X側の端部を保持する。金属箔25の+X側の端部は、保持部材18の+X側の端部よりも+X側に配置される。すなわち、保持部材18は、金属箔25の全部を覆わず、金属箔25の-X側の端部を含む一部分を覆うように、封止部27の一部を保持する。金属箔25の+X側の端部を含む一部分は、保持部材18の外部に現れる。
【0039】
ランプヒータ13の配線側において、一方のランプ本体16の封止部27に配置される金属箔25及び他方のランプ本体16の封止部27に配置される金属箔25のそれぞれは、外部リード線19に接続される。外部リード線19は、一方のランプ本体16の金属箔25及び他方のランプ本体16の金属箔25のそれぞれに接続されるように2本設けられる。外部リード線19は、金属箔25の-X側の端部に接続される。
【0040】
図7は、本実施形態に係る保持部材17を示す正面図である。保持部材17は、上面17Aと、下面17Bと、側面17Cと、側面17Dとを有する。上面17Aは、XY平面と平行な平坦面である。下面17Bは、上面17Aと平行な平坦面である。側面17Cは、Y軸方向において上面17Aの一端部と下面17Bの一端部とを接続する。YZ平面と平行な面内において、側面17Cは、保持部材17の中心から-Y方向に突出する曲線状(円弧状)である。側面17Dは、Y軸方向において上面17Aの他端部と下面17Bの他端部とを接続する。YZ平面と平行な面内において、側面17Dは、保持部材17の中心から+Y方向に突出する曲線状(円弧状)である。
【0041】
保持部材17は、封止部26が配置される支持孔17Hを有する。封止部26は、支持孔17Hに挿入される。保持部材17は、支持孔17Hの内面で封止部26を支持する。
【0042】
図8は、本実施形態に係る保持部材18を示す正面図である。保持部材18は、上面18Aと、下面18Bと、側面18Cと、側面18Dとを有する。保持部材18の外形及び寸法は、保持部材17の外形及び寸法と実質的に同一であるため、その説明を省略する。
【0043】
保持部材18は、封止部27が配置される支持孔18Hと、外部リード線19が配置される支持孔18Kとを有する。封止部27は、支持孔18Hに挿入される。外部リード線19は、支持孔18Kに挿入される。保持部材18は、支持孔18Hの内面で封止部27を支持する。保持部材18は、支持孔18Kの内面で外部リード線19を支持する。
【0044】
一方の外部リード線19が電源の陽極に接続され、他方の外部リード線19が電源の陰極に接続される。電源から出力された電流は、一方の外部リード線19及び一方のランプ本体16の金属箔25を介して、一方のランプ本体16のフィラメント21に供給される。一方のランプ本体16のフィラメント21を流れた電流は、一方のランプ本体16の金属箔24及び他方のランプ本体16の金属箔24を介して、他方のランプ本体16のフィラメント21に供給される。他方のランプ本体16のフィラメント21を流れた電流は、他方のランプ本体16の金属箔25及び他方の外部リード線19を介して、電源に出力される。フィラメント21に電流が流れることにより、フィラメント21は発光及び発熱する。
【0045】
[容器]
図9は、本実施形態に係る容器12を示す側面図であって、一部を破断した断面図である。図10は、本実施形態に係る容器12を示す正面図である。
【0046】
容器12は、外筒部材28と、外筒部材28の一端部(+X側の端部)に接続されるプレート部材29と、外筒部材28の他端部(-X側の端部)に接続されるプレート部材30と、外筒部材28の内側に配置される複数の内筒部材31とを有する。
【0047】
容器12は、透明部材によって形成される。本実施形態において、容器12は、透明な石英ガラス製である。すなわち、本実施形態において、外筒部材28、プレート部材29、プレート部材30、及び複数の内筒部材31のそれぞれが、透明な石英ガラスによって形成される。
【0048】
外筒部材28は、容器12の外面を規定する。外筒部材28は、円筒状である。外筒部材28は、中心軸AXの周囲に配置される。容器12の中心軸AXは、外筒部材28の中心軸である。
【0049】
プレート部材29は、外筒部材28の+X側の端部に接続される。中心軸AXと直交する面内において、プレート部材29の外形は、円形である。外筒部材28の+X側の端部とプレート部材29の周縁部とが接続される。プレート部材29は、複数の内筒部材31のそれぞれが配置される複数の開口を有する。
【0050】
プレート部材30は、外筒部材28の-X側の端部に接続される。中心軸AXと直交する面内において、プレート部材30の外形は、円形である。外筒部材28の-X側の端部とプレート部材30の周縁部とが接続される。プレート部材30は、複数の内筒部材31のそれぞれが配置される複数の開口を有する。
【0051】
内筒部材31は、外筒部材28の内側に複数配置される。内筒部材31は、円筒状である。内筒部材31は、内筒部材31の中心軸BXと外筒部材28の中心軸AXとが平行となるように、プレート部材29及びプレート部材30に支持される。複数の内筒部材31の中心軸BXのそれぞれは、平行である。
【0052】
X軸方向において内筒部材31の中心よりも+X側の一部分は、プレート部材29の開口に配置される。内筒部材31の外面とプレート部材29の開口の内面とが接続される。X軸方向において内筒部材31の中心よりも-X側の一部分は、プレート部材30の開口に配置される。内筒部材31の外面とプレート部材30の開口の内面とが接続される。
【0053】
内筒部材31の一端部31A(+X側の端部)は、プレート部材29よりも+X方向に突出する。すなわち、内筒部材31の一端部31Aは、プレート部材29の+X側の表面よりも+X側に配置される。
【0054】
内筒部材31の他端部31B(-X側の端部)は、プレート部材30よりも-X方向に突出する。すなわち、内筒部材31の他端部31Bは、プレート部材30の-X側の表面よりも-X側に配置される。
【0055】
図10に示すように、内筒部材31は、外筒部材28の中心軸AXと直交する面内において外筒部材28の中央に配置される中央内筒部材31Cと、中央内筒部材31Cの周囲に配置される複数の周辺内筒部材31Sとを含む。本実施形態において、周辺内筒部材31Sは、5つである。すなわち、本実施形態において、内筒部材31は、全部で6つである。周辺内筒部材31Sは、中央内筒部材31Cの周囲において一定の間隔で配置される。
【0056】
本実施形態において、中央内筒部材31Cは、外筒部材28の中心軸AXと直交する面内において外筒部材28の中心に配置される。中央内筒部材31Cの中心軸BXと外筒部材28の中心軸AXとは一致する。なお、中央内筒部材31Cは、外筒部材28の中心から外れた位置に配置されてもよい。中央内筒部材31Cの中心軸BXと外筒部材28の中心軸AXとは一致しなくてもよい。
【0057】
容器12は、ランプヒータ13が配置されるランプ空間32と、加熱対象の流体が供給される流体空間33とを有する。
【0058】
ランプ空間32は、内筒部材31の内側の空間である。中央内筒部材31Cのランプ空間32に、中央ランプヒータ13Cが配置される。複数の周辺内筒部材31Sのランプ空間32のそれぞれに、周辺ランプヒータ13Sが配置される。
【0059】
流体空間33は、外筒部材28の内面と内筒部材31の外面との間に規定される。本実施形態において、流体空間33は、外筒部材28の内面と、プレート部材29の内面と、プレート部材30の内面と、内筒部材31の外面との間の空間である。第2接続管7は、流体空間33の-X側且つ-Z側の部分に接続される。第3接続管8は、流体空間33の+X側且つ+Z側の部分に接続される。流体は、第2接続管7を介して、流体空間33に供給される。
【0060】
ランプ空間32と流体空間33とは、内筒部材31によって区画されている。ランプ空間32に配置されたランプヒータ13と、流体空間33に供給された流体とは、接触しない。
【0061】
ランプ空間32に配置されているランプヒータ13に電流が供給されると、ランプヒータ13のフィラメント21が発光及び発熱する。ランプヒータ13から発生した光は、内筒部材31を介して、流体空間33の流体に照射され、ランプヒータ13から発生した熱は、内筒部材31を介して、流体空間33の流体に伝達される。流体空間33の流体は、ランプヒータ13の輻射熱により加熱される。
【0062】
本実施形態においては、複数(6つ)のランプ空間32が設けられ、複数のランプ空間32のそれぞれにランプヒータ13が設けられる。流体空間33の流体は、複数の方向から、ランプヒータ13の輻射熱を受けることができる。これにより、流体空間33に供給される流体が大量でも、流体は効率良く加熱される。
【0063】
流体空間33において加熱された流体は、第3接続管8を介して、流体空間33の外部に送出される。図1を参照して説明したように、加熱された流体は、処理槽2に供給される。
【0064】
[支持機構]
次に、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構について説明する。内筒部材31の+X側の端部に支持機構34が配置される。内筒部材31の-X側の端部に支持機構35が配置される。
【0065】
本実施形態において、6本のランプヒータ13の寸法、構造、及び機能は同一である。6つの内筒部材31の寸法、構造、及び機能は同一である。支持機構34及び支持機構35は、6本のランプヒータ13及び6つの内筒部材31のそれぞれに設けられる。6つの支持機構34の寸法、構造、及び機能は同一である。6つの支持機構35の寸法、構造、及び機能は同一である。
【0066】
図11は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を+Z側から見た断面図である。図12は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を-Y側から見た断面図である。図13は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を示す斜視図である。
【0067】
ランプヒータ13の先端側の一部は、支持機構34を介して、内筒部材31に支持される。本実施形態において、ランプヒータ13の先端側の一部は、内筒部材31の一端部31Aよりも+X側に突出する。支持機構34は、ランプヒータ13の先端側の一部が内筒部材31の外側に配置された状態で、ランプヒータ13の少なくとも一部を支持する。
【0068】
中央ランプヒータ13Cの先端側の一部、及び周辺ランプヒータ13Cの先端側の一部のそれぞれが、内筒部材31の一端部31Aの外側に配置される。
【0069】
内筒部材31の外側に配置されるランプヒータ13の先端側の一部は、ランプヒータ13の+X側の一端部を含む。本実施形態において、内筒部材31の外側に配置されるランプヒータ13の先端側の一部は、ランプヒータ13の封止部26及び保持部材17を含む。支持機構34は、ランプヒータ13の封止部26及び保持部材17が内筒部材31の外側に配置された状態で、保持部材17を支持する。
【0070】
すなわち、本実施形態においては、保持部材17が内筒部材31の一端部31Aよりも+X側に配置される。また、封止部26の金属箔24の少なくとも一部が、内筒部材31の一端部31Aよりも+X側に配置される。支持機構34は、保持部材17及び封止部26の金属箔24の少なくとも一部が内筒部材31の外側に配置されるように、ランプヒータ13を支持する。
【0071】
支持機構34は、Z軸方向における保持部材17の移動を規制する第1支持部材36と、Y軸方向における保持部材17の移動を規制する第2支持部材37とを有する。
【0072】
第1支持部材36は、金属製のワイヤ状(丸棒状)の部材である。第1支持部材36は、弾性変形可能である。第1支持部材36は、保持部材17の上面17Aに接触する第1接触部36Aと、保持部材17の下面17Bに接触する第2接触部36Bと、第1接触部36Aと第2接触部36Bとを連結する連結部36Cと、第1接触部36Aに連結される第1挿入部36Dと、第2接触部36Bに連結される第2挿入部36Eとを有する。
【0073】
連結部36Cは、保持部材17の+X側の端面17Eと対向する。第1挿入部36Dは、内筒部材31の上部に設けられる第1貫通孔38Aに挿入される。第2挿入部36Eは、内筒部材31の下部に設けられる第2貫通孔38Bに挿入される。第1挿入部36Dは、第1貫通孔38Aに挿入可能な突起部を含む。第2挿入部36Eは、第2貫通孔38Bに挿入可能な突起部を含む。第1貫通孔38Aは、プレート部材29よりも+X側の内筒部材31の上部において、内筒部材31の外面と内面とを貫通する。第2貫通孔38Bは、プレート部材29よりも+X側の内筒部材31の下部において、内筒部材31の外面と内面とを貫通する。第1挿入部36Dは、内筒部材31の内側から第1貫通孔38Aに挿入される。第2挿入部36Eは、内筒部材31の内側から第2貫通孔38Bに挿入される。
【0074】
第2支持部材37は、金属製の薄板状の部材である。第2支持部材37は、弾性変形可能である。第2支持部材37は、保持部材17の側面17Cに接触する第3接触部37Aと、保持部材17の側面17Dに接触する第4接触部37Bと、第3接触部37Aと第4接触部37Bとを連結する連結部37Cと、内筒部材31を挟む挟持部37D及び挟持部37Eとを有する。
【0075】
連結部37Cは、保持部材17の+X側の端面17Eと対向する。挟持部37Dは、内筒部材31の-Y側の外面に接触する。挟持部37Eは、内筒部材31の+Y側の外面に接触する。第2支持部材37の弾性変形により、挟持部37Dと挟持部37Eとは、内筒部材31を挟み付ける。
【0076】
本実施形態においては、第1支持部材36と第2支持部材37とによって保持部材17が支持される。第1支持部材36と第2支持部材37との間に開口Maが設けられる。開口Maにおいて、保持部材17及び封止部26は、支持機構34に覆われない。保持部材17の少なくとも一部及び封止部26の少なくとも一部は、開口Maを介して、ケース11の内部空間に面する。
【0077】
また、中心軸BXと直交する面内において、保持部材17の外形は、内筒部材31の内径よりも小さい。保持部材17の上面17Aと内筒部材31の内面との間に十分な間隙が設けられる。保持部材17の下面17Bと内筒部材31の内面との間に十分な間隙が設けられる。
【0078】
図14は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構35を示す斜視図である。ランプヒータ13の配線側の一部は、内筒部材31の他端部31Bよりも+X側に配置される。内筒部材31の内側に配置されるランプヒータ13の配線側の一部は、ランプヒータ13の-X側の一端部を含む。本実施形態において、内筒部材31の内側に配置されるランプヒータ13の配線側の一部は、ランプヒータ13の封止部27及び保持部材18を含む。すなわち、封止部27及び保持部材18は、内筒部材31の内側に配置される。支持機構35は、ランプヒータ13が内筒部材31の他端部31Bから外側に出ることを抑制する。
【0079】
支持機構35は、保持部材18の-X側の端面18Eに対向する支持部材39を含む。支持部材39は、金属製の薄板状の部材である。支持部材39は、弾性変形可能である。支持部材39は、内筒部材31の上部に設けられた貫通孔40Aに挿入される挿入部39Bと、内筒部材31の下部に設けられた貫通孔40Bに挿入される挿入部39Cと、挿入部39Bと挿入部39Cとを連結する連結部39Aとを有する。
【0080】
連結部39Aは、保持部材18の-X側の端面18Eと対向する。貫通孔40Aは、プレート部材30よりも-X側の内筒部材31の上部において、内筒部材31の外面と内面とを貫通する。貫通孔40Bは、プレート部材30よりも-X側の内筒部材31の下部において、内筒部材31の外面と内面とを貫通する。挿入部39Bは、貫通孔40Aに挿入可能な突起部を含む。挿入部39Cは、貫通孔40Bに挿入可能な突起部を含む。挿入部39Bは、内筒部材31の内側から貫通孔40Aに挿入される。挿入部39Cは、内筒部材31の内側から貫通孔40Bに挿入される。
【0081】
本実施形態においては、支持部材39によって保持部材18が内筒部材31の外側に移動することが規制される。支持部材39の周囲に開口Mbが設けられる。開口Mbにおいて、保持部材18及び封止部27は、支持機構35に覆われない。保持部材18の少なくとも一部及び封止部27の少なくとも一部は、開口Mbを介して、ケース11の内部空間に面する。
【0082】
上述のように、6本のランプヒータ13、6つの内筒部材31、6つの支持機構34、及び6つの支持機構35のそれぞれの寸法、構造、及び機能は同一である。本実施形態において、複数のランプヒータ13のそれぞれは、内筒部材31の中心軸BXの回転方向における姿勢が一致するように、内筒部材31に配置される。すなわち、複数のランプヒータ13のそれぞれは、保持部材17の平坦面である上面17A及び下面17Bが水平方向から見て上下になるように、内筒部材31に固定される。例えば図11に示したように、複数のランプヒータ13のそれぞれは、封止部26の表面26SとXZ平面とが平行となるように、支持機構34に支持される。
【0083】
また、図3等を参照して説明したように、容器保持機構15は、外筒部材28の中心軸AXが+X方向に向かって+Z方向に傾斜するように、容器12を保持する。上述したように、外筒部材28の中心軸AXと内筒部材31の中心軸BXとは平行である。すなわち、容器保持機構15は、内筒部材31の一端部31A(+X側の端部、先端側の端部)が内筒部材31の他端部31B(-X側の端部、配線側の端部)よりも上方に配置されるように、容器12を保持する。内筒部材31の一端部31Aには、封止部26を含むランプヒータ13の先端側の端部が配置される。内筒部材31の他端部31Bには、封止部27を含むランプヒータ13の配線側の端部が配置される。ランプヒータ13が内筒部材31に配置された状態で、封止部26を含むランプヒータ13の先端側の端部は、封止部27を含むランプヒータ13の配線側の端部よりも上方に配置される。
【0084】
[冷却装置]
流体加熱装置4は、ランプヒータ13を冷却する冷却装置50を備える。冷却装置50は、ランプヒータ13に気体を供給して、ランプヒータ13を冷却する。
【0085】
図15及び図16のそれぞれは、本実施形態に係る冷却装置50を示す斜視図である。図15は、ランプヒータ13の+X側の端部を含むランプヒータ13の先端側を冷却する冷却装置50の少なくとも一部を示す。図16は、ランプヒータ13の-X側の端部を含むランプヒータ13の配線側を冷却する冷却装置50の少なくとも一部を示す。
【0086】
図15に示すように、冷却装置50は、ランプヒータ13の先端側に配置され、給気口51を有するノズル部材52(第1ノズル部材)と、ノズル部材52の給気口51から供給された気体(第1気体)をランプヒータ13の先端側に案内する案内機構53(第1案内機構)とを有する。給気口51から供給される気体は、例えば空気である。
【0087】
ノズル部材52は、ランプヒータ13の先端側(図5参照)に配置される。ノズル部材52の給気口51は、ランプヒータ13の先端側に気体を供給する。案内機構53は、ランプヒータ13の先端側において気体を案内する。
【0088】
案内機構53は、中央ランプヒータ13Cの先端側に給気口51から供給された気体を案内する。
【0089】
給気口51は、中央ランプヒータ13Cの+X側の端部を含む中央ランプヒータ13Cの先端側を冷却するために気体を供給する。案内機構53は、中央内筒部材31Cの一端部31Aよりも+X側の外側に配置されている中央ランプヒータ13Cの先端側の封止部26及び保持部材17に気体を案内する。給気口51から供給された気体は、案内機構53に案内されて、中央ランプヒータ13Cの封止部26及び保持部材17に供給される。
【0090】
ノズル部材52は、容器12の+X側の端部において、複数の内筒部材31の下方に配置される。給気口51は、ノズル部材52の上面52Aに設けられる。給気口51は、Y軸方向に2つ設けられる。給気口51は、Y軸方向において外筒部材28の中心軸AXよりも-Y側に配置される給気口51Aと、+Y側に配置される給気口51Bとを含む。Y軸方向において、給気口51Aと給気口51Bとの距離は、内筒部材31の寸法よりも大きい。
【0091】
Y軸方向において、中央内筒部材31Cの位置と中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの位置とは等しい。Y軸方向において、中央ランプヒータ13Cの位置と中央ランプヒータ13Cの直下の周辺ランプヒータ13Sの位置とは等しい。
【0092】
Y軸方向において、給気口51Aは、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sよりも-Y側に配置される。Y軸方向において、給気口51Bは、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sよりも+Y側に配置される。給気口51A及び給気口51Bのそれぞれは、+Z方向に気体を供給する。
【0093】
案内機構53は、給気口51Aから供給された気体を中央ランプヒータ13Cに案内する案内部材53Aと、給気口51Bから供給された気体を中央ランプヒータ13Cに案内する案内部材53Bとを含む。
【0094】
案内部材53Aは、ノズル部材52の-Y側の側面に支持される。案内部材53Aの下端部が、ノズル部材52の-Y側の側面に固定される。
【0095】
案内部材53Bは、ノズル部材52の+Y側の側面に支持される。案内部材53Bの下端部が、ノズル部材52の+Y側の側面に固定される。
【0096】
案内部材53Aは、給気口51Aよりも-Y側に配置される。案内部材53Aは、Z軸方向において、ノズル部材52の上面52Aと中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部との間に配置される案内面54と、案内面54の上方に配置され、+Z方向に向かって+Y方向に傾斜する案内面55とを有する。
【0097】
案内面54は、XZ平面と実質的に平行である。Z軸方向において、案内面54の上端部の位置と、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部の位置とは一致する。案内面55は、案内面54の上端部に接続される下端部と、上端部とを有する。Y軸方向において、案内面55の上端部は、案内面55の下端部よりも中央ランプヒータ13Cに近い。案内面55は、+Z方向に向かって中央ランプヒータ13Cに近付くように傾斜する。
【0098】
案内部材53Bは、給気口51Bよりも+Y側に配置される。案内部材53Bは、Z軸方向において、ノズル部材52の上面52Aと中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部との間に配置される案内面56と、案内面56の上方に配置され、+Z方向に向かって-Y方向に傾斜する案内面57とを有する。
【0099】
案内面56は、XZ平面と実質的に平行である。Z軸方向において、案内面56の上端部の位置と、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部の位置とは一致する。案内面57は、案内面56の上端部に接続される下端部と、上端部とを有する。Y軸方向において、案内面57の上端部は、案内面57の下端部よりも中央ランプヒータ13Cに近い。案内面57は、+Z方向に向かって中央ランプヒータ13Cに近付くように傾斜する。
【0100】
案内機構53に案内される気体(第1気体)により、中央ランプヒータ13Cの先端側は、周辺ランプヒータ13Sの先端側よりも重点的に冷却される。
【0101】
図16に示すように、冷却装置50は、ランプヒータ13の配線側に配置され、給気口58を有するノズル部材59(第2ノズル部材)と、ノズル部材59の給気口58から供給された気体(第2気体)をランプヒータ13の配線側に案内する案内機構60(第2案内機構)とを有する。給気口58から供給される気体は、例えば空気である。
【0102】
ノズル部材59は、ランプヒータ13の配線側(図5参照)に配置される。ノズル部材59の給気口58は、ランプヒータ13の配線側に気体を供給する。案内機構60は、ランプヒータ13の配線側において気体を案内する。
【0103】
案内機構60は、中央ランプヒータ13Cの配線側に給気口58から供給された気体を案内する。
【0104】
給気口58は、中央ランプヒータ13Cの-X側の端部を含む中央ランプヒータ13Cの配線側を冷却するために気体を供給する。案内機構60は、中央内筒部材31Cの他端部31Bよりも+X側の内側に配置されている中央ランプヒータ13Cの配線側の封止部27及び保持部材18に気体を案内する。給気口58から供給された気体は、案内機構60に案内されて、中央ランプヒータ13Cの封止部27及び保持部材18に供給される。
【0105】
ノズル部材59は、容器12の-X側の端部において、複数の内筒部材31の下方に配置される。給気口58は、ノズル部材59の上面59Aに設けられる。給気口58は、Y軸方向に2つ設けられる。給気口58は、Y軸方向において外筒部材28の中心軸AXよりも+Y側に配置される給気口58Aと、-Y側に配置される給気口58Bとを含む。Y軸方向において、給気口58Aと給気口58Bとの距離は、内筒部材31の寸法よりも大きい。
【0106】
Y軸方向において、中央内筒部材31Cの位置と中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの位置とは、等しい。Y軸方向において、中央ランプヒータ13Cの位置と中央ランプヒータ13Cの直下の周辺ランプヒータ13Sの位置とは、等しい。
【0107】
Y軸方向において、給気口58Aは、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sよりも+X側に配置される。Y軸方向において、給気口58Bは、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sよりも-X側に配置される。給気口58A及び給気口58Bのそれぞれは、+Z方向に気体を供給する。
【0108】
案内機構60は、給気口58Aから供給された気体を中央ランプヒータ13Cに案内する案内部材60Aと、給気口58Bから供給された気体を中央ランプヒータ13Cに案内する案内部材60Bとを含む。
【0109】
案内部材60Aは、ノズル部材59の+Y側の側面に支持される。案内部材60Aの下端部が、ノズル部材59の+Y側の側面に固定される。
【0110】
案内部材60Bは、ノズル部材59の-Y側の側面に支持される。案内部材60Bの下端部が、ノズル部材59の-Y側の側面に固定される。
【0111】
案内部材60Aは、給気口58Aよりも+Y側に配置される。案内部材60Aは、Z軸方向において、ノズル部材59の上面59Aと中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部との間に配置される案内面61と、案内面61の上方に配置され、+Z方向に向かって-Y方向に傾斜する案内面62とを有する。
【0112】
案内面61は、XZ平面と実質的に平行である。Z軸方向において、案内面61の上端部の位置と、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部の位置とは一致する。案内面62は、案内面61の上端部に接続される下端部と、上端部とを有する。Y軸方向において、案内面62の上端部は、案内面62の下端部よりも中央ランプヒータ13Cに近い。案内面62は、+Z方向に向かって中央ランプヒータ13Cに近付くように傾斜する。
【0113】
案内部材60Bは、給気口58Bよりも-Y側に配置される。案内部材60Bは、Z軸方向において、ノズル部材59の上面59Aと中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部との間に配置される案内面63と、案内面63の上方に配置され、+Z方向に向かって+Y方向に傾斜する案内面64とを有する。
【0114】
案内面63は、XZ平面と実質的に平行である。Z軸方向において、案内面63の上端部の位置と、中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sの少なくとも一部の位置とは一致する。案内面64は、案内面63の上端部に接続される下端部と、上端部とを有する。Y軸方向において、案内面64の上端部は、案内面64の下端部よりも中央ランプヒータ13Cに近い。案内面64は、+Z方向に向かって中央ランプヒータ13Cに近付くように傾斜する。
【0115】
案内機構60に案内される気体(第2気体)により、中央ランプヒータ13Cの配線側は、周辺ランプヒータ13Sの配線側よりも重点的に冷却される。
【0116】
本実施形態において、ノズル部材52の給気口51から供給される気体(第1気体)の単位時間当たりの流量は、ノズル部材59の給気口58から供給される気体(第2気体)の単位時間当たりの流量よりも多い。
【0117】
図15に示すように、ノズル部材52は、第1供給管65に接続される。図16に示すように、ノズル部材59は、第2供給管66に接続される。図3及び図4に示すように、第1供給管65及び第2供給管66は、気体供給管67を介して、気体供給源68に接続される。気体供給源68から送出された気体は、気体供給管67を流れた後、第1供給管65及び第2供給管66のそれぞれに分配される。第1供給管65に分配された気体は、ノズル部材52に供給され、給気口51から中央ランプヒータ13Cの先端側に供給される。第2供給管66に分配された気体は、ノズル部材59に供給され、給気口58から中央ランプヒータ13Cの配線側に供給される。
【0118】
本実施形態において、第1供給管65に分配される気体の流量は、第2供給管66に分配される気体の流量よりも多い。本実施形態においては、第2供給管66にバッフルが配置される。第2供給管66にバッフルが設けられることにより、第1供給管65を流れる気体の流量が第2供給管66を流れる気体の流量よりも多くなるように、気体供給源68から送出された気体が第1供給管65と第2供給管66とのそれぞれに分配される。
【0119】
[作用]
図17は、本実施形態に係る冷却装置50の作用を説明するための模式図である。流体(薬液)を加熱するために、第2接続管7を介して流体空間33に流体が供給される。また、内筒部材31に配置されている複数のランプヒータ13のそれぞれに電流が供給される。ランプヒータ13に電流が供給されることにより、ランプヒータ13は、発光及び発熱する。ランプヒータ13が発光及び発熱することにより、流体空間33の流体は、ランプヒータ13の輻射熱で加熱される。加熱された流体は、流体空間33から第3接続管8に送出される。
【0120】
封止部26及び封止部27が過度に温度上昇すると、金属箔24及び金属箔25が熱膨張する。その結果、封止部26及び封止部27の封止機能が損なわれる。封止部26及び封止部27の封止機能が損なわれると、ランプヒータ13の性能が低下する。
【0121】
封止部26は、封止部27に比べて加熱し易い。すなわち、封止部27は、外部リード線19に接続されているため、封止部27の熱は、外部リード線19を介して放出される可能性が高い。封止部26は、外部リード線19と接続されていないため、過度に温度上昇する可能性が高い。
【0122】
本実施形態においては、封止部26を含むランプヒータ13の先端側の一部が、内筒部材31の外側に配置される。これにより、封止部26の熱は、内筒部材31に留まらずに、ケース11の内部空間に放出される。したがって、封止部26の過度な温度上昇が抑制される。
【0123】
中央ランプヒータ13Cは、複数の周辺ランプヒータ13Sに囲まれている。そのため、中央ランプヒータ13Cに供給される電流値と周辺ランプヒータ13Sに供給される電流値とが等しくても、中央ランプヒータ13Cは周辺ランプヒータ13Sよりも過度に温度上昇する可能性が高い。
【0124】
本実施形態においては、中央ランプヒータ13Cの封止部26に気体を供給する冷却装置50が設けられる。図17に示すように、ノズル部材52の給気口51から供給された気体は、案内部材53A及び案内部材53Bと中央内筒部材31Cの直下の周辺内筒部材31Sとの間を通過した後、案内機構53に案内されて、中央ランプヒータ13Cの封止部26に供給される。中央ランプヒータ13Cの封止部26は、給気口51から供給された気体により冷却される。これにより、中央ランプヒータ13Cの封止部26の過度な温度上昇が抑制される。
【0125】
本実施形態においては、案内機構53に案内される気体により、中央ランプヒータ13Cの先端側が、周辺ランプヒータ13Sの先端側に比べて重点的に冷却される。
【0126】
図11等を参照して説明したように、中央ランプヒータ13Cは、封止部26の表面26SとXZ平面とが平行となるように、支持機構34に支持される。また、2つの封止部26の間に間隙Gaが形成される。そのため、中央ランプヒータ13Cの封止部26の下方の給気口51から供給された気体は、封止部26の表面26Sに十分に接触しながら、封止部26の表面26Sに沿って上方に流れることができる。したがって、封止部26は、効果的に冷却される。
【0127】
また、支持機構34は、第1支持部材36と第2支持部材37とを含み、第1支持部材36と第2支持部材37との間に開口Maが設けられる。開口Maにおいて、保持部材17及び封止部26は、支持機構34に覆われない。そのため、給気口51から供給された気体は、保持部材17の表面にも十分に接触することができる。したがって、保持部材17も効果的に冷却される。
【0128】
また、中央ランプヒータ13Cの先端側のみならず、中央ランプヒータ13Cの配線側にも、ノズル部材59の給気口58から気体が供給される。給気口58から供給された気体は、案内機構60により中央ランプヒータ13Cの封止部27に供給される。これにより、封止部27の過度な温度上昇が抑制され、封止部27の封止機能が損なわれることが抑制される。
【0129】
なお、本実施形態においては、封止部27及び保持部材18を含むランプヒータ13の配線側の端部は、内筒部材31の内側に配置される。そのため、ノズル部材59の給気口58から供給された気体は、ランプヒータ13の配線側の封止部27及び保持部材18を含むに直接的に当らない可能性がある。案内機構60に案内される気体がランプヒータ13の配線側の外部リード線19に当たることにより、外部リード線19が冷却されるため、外部リード線19に接続されているランプヒータ13の配線側の端部も、外部リード線19を介して十分に冷却される。また、案内機構60に案内される気体により、中央ランプヒータ13Cの配線側の外部リード線19が、周辺ランプヒータ13Sの配線側の外部リード線19に比べて重点的に冷却される。これにより、中央ランプヒータ13Cは、周辺ランプヒータ13Sに比べて重点的に冷却される。
【0130】
また、上述したように、外部リード線19が接続されていない封止部26は、外部リード線19が接続されている封止部27に比べて、温度上昇する可能性が高い。本実施形態においては、ノズル部材52の給気口51から封止部26に供給される気体の流量は、ノズル部材59の給気口58から封止部27に供給される気体の流量よりも多い。そのため、封止部26を効果的に冷却することができる。
【0131】
また、本実施形態においては、容器保持機構15は、内筒部材31の一端部31Aが内筒部材31の他端部31Bよりも上方に配置されるように、容器12を支持する。これにより、内筒部材31の内側で温度上昇して比重が小さくなった気体は、重力作用(対流作用)により、内筒部材31の一端部31A側の開口から流出することができる。一端部31Aにおいては、保持部材17が内筒部材31の外側に配置されており、内筒部材31の内面と保持部材17の上面17A及び下面17Bとの間に十分な間隙が形成されている。そのため、内筒部材31の内側で温度上昇して比重が小さくなった気体は、内筒部材31の内面と保持部材17の上面17A及び下面17Bとの間の間隙を介して円滑に放出される。
【0132】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、流体加熱装置4は、中央ランプヒータ13Cと周辺ランプヒータ13Sとを備えるので、流体加熱装置4をコンパクトにしつつ、高出力で流体を加熱することができる。流体空間33に大量の流体が供給されても、中央ランプヒータ13Cの輻射熱と周辺ランプヒータ13Sの輻射熱とにより、流体を効果的に加熱することができる。
【0133】
本実施形態においては、中央ランプヒータ13Cの周囲に複数の周辺ランプヒータ13Sが配置され、それら複数のランプヒータ13が1つの容器12に配置されるため、流体加熱装置4の高出力化とコンパクト化とを両立することができる。一方、中央ランプヒータ13Cは、周辺ランプヒータ13Sに囲まれているため、中央ランプヒータ13Cは、過度に温度上昇する可能性が高い。本実施形態によれば、給気口51を有するノズル部材52と、ノズル部材52の給気口51から供給された気体を中央ランプヒータ13Cに案内する案内機構53とが設けられる。中央ランプヒータ13Cに冷却用の気体が十分に供給されることにより、流体加熱装置4が高出力化されても、中央ランプヒータ13Cの過度な温度上昇が抑制される。したがって、流体加熱装置4の性能の低下が抑制される。
【0134】
上述のように、封止部26及び封止部27が過度に温度上昇すると、金属箔24及び金属箔25が熱膨張し、封止部26及び封止部27の封止機能が損なわれる可能性がある。本実施形態によれば、封止部26及び封止部27に冷却用の気体が供給されるので、封止部26及び封止部27の封止機能が損なわれることが抑制される。また、保持部材17及び保持部材18にも冷却用の気体が供給されることにより、封止部26及び封止部27の過度な温度上昇が効果的に抑制される。
【0135】
外部リード線19が接続されていない封止部26は、外部リード線19が接続されている封止部27よりも温度上昇する可能性が高い。本実施形態においては、封止部26が内筒部材31の外側に配置されるので、封止部26の放熱効果を高めることができる。また、保持部材17が支持機構34に支持されるので、内筒部材31と封止部26及び保持部材17との相対位置が維持される。
【0136】
また、気体供給源68から供給された気体は、第1供給管65及び第2供給管66に分配される。給気口51から封止部26に供給される気体の流量は、給気口58から封止部27に供給される気体の流量よりも多い。気体供給源68の数を低減した状態で、封止部26を効果的に冷却することができる。
【0137】
また、内筒部材31の一端部31Aは、内筒部材31の他端部31Bよりも上方に配置される。そのため、内筒部材31の内側において加熱されて比重が小さくなった気体は、重力作用(対流作用)により、内筒部材31の一端部31Aの開口から円滑に放出される。また、内筒部材31の外側に配置される保持部材17は、平坦面である上面17A及び下面17Bを有する。これにより、上面17A及び下面17Bの少なくとも一方と内筒部材31の内面との間に十分な間隙が設けられる。そのため、内筒部材31の内側の気体は、間隙を介して円滑に放出される。
【0138】
また、本実施形態においては、複数のランプヒータ13のそれぞれは、内筒部材31の中心軸BXの回転方向における姿勢が一致するように、内筒部材31に配置される。支持機構34は、内筒部材31の姿勢が維持されるように、保持部材17を支持する。そのため、複数のランプヒータ13の使用条件が均一化される。これにより、例えば複数のランプヒータ13の寿命が均一化される。
【0139】
支持機構34は、保持部材17のZ軸方向の移動を規制する第1支持部材36と、保持部材17のY軸方向の移動を規制する第2支持部材37とを有する。また、第1支持部材36は、弾性力により第1接触部36Aと第2接触部36Bとで保持部材17を挟み付け、第2支持部材37は、弾性力により第3接触部37Aと第4接触部37Bとで保持部材17を挟み付ける。これにより、保持部材17のZ軸方向及びY軸方向のみならず、保持部材17のX軸方向の移動も規制される。また、支持機構34は、保持部材17の少なくとも一部を露出させる開口Maを有する。これにより、給気口51から供給された気体は、保持部材17の表面に十分に接触することができる。そのため、高い冷却効果を得ることができる。
【0140】
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0141】
図18は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を示す斜視図である。上述の実施形態と同様、ランプヒータ13の+X側の端部は、支持機構34を介して、内筒部材31に支持される。
【0142】
支持機構34は、保持部材17のZ軸方向の移動を規制する第1支持部材36と、保持部材17のY軸方向の移動を規制する第2支持部材37とを有する。
【0143】
第1支持部材36は、金属製のワイヤ状の部材である。第1支持部材36は、弾性変形可能である。第1支持部材36は、保持部材17の上面17Aに接触する第1接触部36Aと、保持部材17の下面17Bに接触する第2接触部36Bと、第1接触部36Aと第2接触部36Bとを連結する連結部36Cと、内筒部材31の上部に設けられる第1貫通孔38Aに挿入される第1挿入部36Dと、内筒部材31の下部に設けられる第2貫通孔38Bに挿入される第2挿入部36Eとを有する。第2支持部材37は、上述の実施形態で説明した第2支持部材37と同様である。
【0144】
本実施形態において、第1挿入部36Dは、内筒部材31の外側から第1貫通孔38Aに挿入される。第2挿入部36Eは、内筒部材31の外側から第2貫通孔38Bに挿入される。
【0145】
本実施形態においても、支持機構34は、内筒部材31とランプヒータ13との相対位置を維持することができる。
【0146】
第3実施形態.
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0147】
図19は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を示す斜視図である。上述の実施形態と同様、ランプヒータ13の+X側の端部は、支持機構34を介して、内筒部材31に支持される。
【0148】
支持機構34は、保持部材17に固定される支持部材69と、内筒部材31に連結される支持部材70とを有する。
【0149】
図20は、本実施形態に係る支持部材69を示す斜視図である。図19及び図20に示すように、支持部材69は、金属製の薄板状の部材である。支持部材69は、弾性変形可能である。支持部材69は、保持部材17の上面17Aに接触する接触部69A(第1接触部)及び接触部69B(第1接触部)と、保持部材17の下面17Bに接触する接触部69C(第2接触部)及び接触部69D(第2接触部)と、保持部材17の+X側の端面17Eに接触する連結部69Eとを有する。連結部69Eは、接触部69A及び接触部69Bと、接触部69C及び接触部69Dとを連結する。
【0150】
支持部材70は、金属製の薄板状の部材である。支持部材70は、弾性変形可能である。支持部材70は、保持部材17の上面17Aに対向する対向部70Aと、保持部材17の下面17Bに対向する対向部70Bと、保持部材17の+X側の端面17Eと対向する対向部70Cと、内筒部材31の上部に設けられる第1貫通孔38Aに挿入される挿入部70Dと、内筒部材31の下部に設けられる第2貫通孔38Bに挿入される挿入部70Eとを有する。挿入部70Dは、内筒部材31の内側から第1貫通孔38Aに挿入される。挿入部70Eは、内筒部材31の内側から第2貫通孔38Bに挿入される。
【0151】
支持部材69は、保持部材17に固定される。支持部材69は、弾性力により、接触部69A及び接触部69Bと接触部69C及び接触部69Dとで保持部材17を挟み付ける。
【0152】
保持部材17に支持部材69が固定された状態で、支持部材69が内筒部材31の内面に接置(載置)される。接触部69A及び接触部69Bの先端部が内筒部材31の内面に接触し、接触部69C及び接触部69Dの先端部が内筒部材31の内面に接触することにより、支持部材69は内筒部材31に固定される。また、挿入部70Dが第1貫通孔38Aに挿入され、挿入部70Eが第2貫通孔38Bに挿入されて、支持部材70と円筒部材31とが連結されることにより、X軸方向におけるランプヒータ13の移動が規制される。
【0153】
第4実施形態.
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0154】
本実施形態においては、支持機構34及び支持機構35の変形例について説明する。
【0155】
図21は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を示す斜視図であり、図13を参照して説明した支持機構34の変形例を示す。図21に示すように、図13を参照して説明した支持機構34において、第2支持部材37は省略されてもよい。支持機構34は、第1支持部材36によりランプヒータ13の先端側を支持することができる。
【0156】
図22は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構34を示す斜視図であり、図18を参照して説明した支持機構34の変形例を示す。図22に示すように、図18を参照して説明した支持機構34において、第2支持部材37は省略されてもよい。支持機構34は、第1支持部材36によりランプヒータ13の先端側を支持することができる。
【0157】
図23は、本実施形態に係るランプヒータ13の支持機構35を示す斜視図であり、図14を参照して説明した支持機構35の変形例を示す。図14を参照して説明した支持部材39は、薄板状の部材であった。図23に示すように、支持部材39は、ワイヤ状(丸棒状)でもよい。
【0158】
他の実施形態.
上述の実施形態において、給気口81及び給気口88から供給される気体は、空気でなくてもよく、例えば不活性ガスでもよい。
【0159】
案内機構53は、中央ランプヒータ13Cのみならず、周辺ランプヒータ13Sに気体を案内してもよい。
【0160】
ランプヒータ13の先端側のみならず、ランプヒータ13の配線側が内筒部材31の外側に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0161】
1…流体システム、2…処理槽、3…循環ポンプ、4…流体加熱装置、5…フィルタユニット、6…第1接続管、7…第2接続管、8…第3接続管、9…第4接続管、10…循環システム、11…ケース、12…容器、13…ランプヒータ、13C…中央ランプヒータ、13S…周辺ランプヒータ、14…脚部材、15…容器保持機構、16…ランプ本体、17…保持部材(第1保持部材)、17A…上面、17B…下面、17C…側面、17D…側面、17E…端面、17H…支持孔、18…保持部材(第2保持部材)、18A…上面、18B…下面、18C…側面、18D…側面、18E…端面、18H…支持孔、18K…支持孔、19…外部リード線、20…封体、21…フィラメント、22…内部リード線、23…内部リード線、24…金属箔、25…金属箔、26…封止部(第1封止部)、26S…表面、27…封止部(第2封止部)、27S…表面、28…外筒部材、29…プレート部材、30…プレート部材、31…内筒部材、31A…一端部、31B…他端部、31C…中央内筒部材、31S…周辺内筒部材、32…ランプ空間、33…流体空間、34…支持機構、35…支持機構、36…第1支持部材、36A…第1接触部、36B…第2接触部、36C…連結部、36D…第1挿入部、36E…第2挿入部、37…第2支持部材、37A…第3接触部、37B…第4接触部、37C…連結部、37D…挟持部、37E…挟持部、38A…第1貫通孔、38B…第2貫通孔、39…支持部材、39A…連結部、39B…挿入部、39C…挿入部、40A…貫通孔、40B…貫通孔、50…冷却装置、51…給気口、51A…給気口、51B…給気口、52…ノズル部材(第1ノズル部材)、52A…上面、53…案内機構(第1案内機構)、53A…案内部材、53B…案内部材、54…案内面、55…案内面、56…案内面、57…案内面、58…給気口、58A…給気口、58B…給気口、59…ノズル部材(第2ノズル部材)、59A…上面、60…案内機構(第2案内機構)、60A…案内部材、60B…案内部材、61…案内面、62…案内面、63…案内面、64…案内面、65…第1供給管、66…第2供給管、67…気体供給管、68…気体供給源、69…支持部材、69A…接触部(第1接触部)、69B…接触部(第1接触部)、69C…接触部(第2接触部)、69D…接触部(第2接触部)、69E…連結部、70…支持部材、70A…対向部、70B…対向部、70C…対向部、70D…挿入部、70E…挿入部、AX…中心軸、FL…床面、Ga…間隙、Gb…間隙、Ma…開口、Mb…開口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23