(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】信号伝達キャップ付き自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20220601BHJP
A61M 5/50 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A61M5/20 570
A61M5/50
(21)【出願番号】P 2018521111
(86)(22)【出願日】2016-12-09
(86)【国際出願番号】 US2016065712
(87)【国際公開番号】W WO2017100501
(87)【国際公開日】2017-06-15
【審査請求日】2019-12-06
(32)【優先日】2015-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ホワイン
(72)【発明者】
【氏名】イン,ドーシュヨン
(72)【発明者】
【氏名】タムトロ,フェリー
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン,スコット・アール
(72)【発明者】
【氏名】コグラー,キース・ピー
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,ニール
(72)【発明者】
【氏名】マッカロー,アダム・ビー
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-519712(JP,A)
【文献】特表2012-519028(JP,A)
【文献】特表2013-530004(JP,A)
【文献】特表2014-502888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(102)であって、
シェルを画定するハウジング(11)と、
前記ハウジング内に少なくとも一部が配置される薬物送達組立体(10)であって、前記ハウジングの内面に係合し、前記ハウジングに対して少なくとも、薬物投与の前の第1の位置、薬物投与中の第2の位置、及び薬物投与後の第3の位置の間で移動可能であるガード(14)を含み、前記第1の位置では、前記ガードの近位端(14a)がカニューレよりも長い長さに延びており、前記第2の位置では、前記ガードが前記カニューレを露出させて前記カニューレが皮膚を貫くようにし、前記第3の位置では、前記ガードは、前記カニューレが露出せず、前記ガードに対して凹んだ状態にある拡張位置にある、前記薬物送達組立体と、
シェルを画定し、前記ハウジングの端部を少なくとも一部覆うように構成されたキャップ(30)と、
前記キャップに少なくとも一部が配置された少なくとも1つの電子構成要素(33)と、
前記少なくとも1つの電子構成要素に選択的に給電するために、前記キャップに少なくとも一部が配置された電源(35)と、
前記キャップに少なくとも一部が配置されたスイッチ組立体(40)と、
を含み、
前記スイッチ組立体は、前記キャップが前記ハウジングから取り外されているときに前記電源に前記少なくとも1つの電子構成要素に給電させ、
前記キャップが前記ハウジングに連結され、前記ガードが前記第1の位置にあるとき、前記電源が前記少なくとも1つの電子構成要素に給電するのを制限し、
前記キャップが前記ハウジングに連結され、前記ガードが前記第3の位置にあるとき、前記電源に前記少なくとも1つの電子構成要素に給電させる
ように構成される、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記スイッチ組立体がさらに、
前記シェルに少なくとも一部が配置され、作動位置と作動停止位置との間で移動可能なスイッチ(41)であって、前記作動位置にあるときに前記電源に前記少なくとも1つの電子構成要素に給電させるよう構成される、前記スイッチと、
前記シェルに少なくとも一部が配置されるばね式レバー(42)であって、少なくとも一部が少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能な、前記ばね式レバーと
を備え、
(a)前記キャップが前記ハウジングに連結され、前記ガードが前記第1の位置にあるとき、前記ハウジングの一部が前記ばね式レバーに接触し、前記ばね式レバーを前記第1の位置に移動させて、前記ばね式レバーが前記スイッチを前記作動停止位置に付勢するようにし、
(b)前記キャップが前記ハウジングに連結され、前記ガードが前記第3の位置を占めるとき、前記ばね式レバーが前記第1の位置の外側にあり、前記スイッチが前記作動位置を占めるようにし、
(c)前記キャップが前記ハウジングから取り外されているとき、前記ばね式レバーが前記薬物送達組立体と接触せず、前記第2の位置を占め、前記スイッチが前記作動位置を占めるようにする、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記キャップが前記ハウジングに連結され、前記ガードが前記第3の位置を占めるとき、前記ばね式レバーは、前記薬物送達組立体と接触しておらず、前記第2の位置を占めて、前記スイッチが前記作動位置を占めるようにする、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
(a)前記ハウジングが、その内面に形成された少なくとも1つの溝(12)を画定し、前記ガードは、前記少なくとも1つの溝と係合するように構成された少なくとも1つの突起を含み、前記ガードの前記第1の位置、前記第2の位置、及び前記第3の位置は、前記少なくとも1つの溝の第1の停止部(12a)、第2の停止部(12b)、及び第3の停止部(12c)に対応する、または
(b)前記ガードが、その外面に形成された少なくとも1つの溝を画定し、前記ハウジングが、前記少なくとも1つの溝に係合するように構成された少なくとも1つの突起を含み、前記ガードの前記第1の位置、前記第2の位置、及び前記第3の位置は、前記少なくとも1つの溝の第1の停止部、第2の停止部、及び第3の停止部に対応する、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングまたは前記ガードが前記溝を画定する場合、前記溝が、第1の留め部を画定する第1のセクションと、実質的に軸方向に延びる第2のセクションと、第2の留め部を画定する第3のセクションとを備え、前記第1のセクションの少なくとも一部が、前記第2のセクションに対して傾斜している、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記薬物送達組立体は、前記突起を前記第1の留め部に係合させる力を及ぼすばね(16)をさらに備え、前記ばねに圧縮力を及ぼすと、前記突起は、前記ガードが前記第2の位置に達するまで前記溝を横切るよう構成され、前記ばねへの前記圧縮力を取り除くと、前記突起は、前記溝の前記第2のセクションを横切り、前記第2の留め部に係合するように構成されている、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記キャップに連結された針シールドリムーバ(18)をさらに備え、前記針シールドリムーバが、前記ばね式レバー
の弾性部分に付勢力を加えて前記ばね式レバーを前記第2の位置に向けて付勢するように構成されている、請求項2~6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電子構成要素が、前記薬物送達デバイスの状態及び動作状態の少なくとも1つを表すデータを生成するように構成され、前記少なくとも1つの電子構成要素が、前記データを処理ユニットに送信するようにさらに構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
(a)前記ばね式レバーが回転可能であり、第1のセクション(43)と、前記第1のセクションから角度を付けて延び、スイッチ係合領域(45a)を有する第1の長さ部(45)及び前記第1の長さ部と共に実質的にU字形のセクションを形成する第2の長さ部(46)を有する第2のセクション(44)とを含み、前記第2の長さ部は針シールドリムーバからの圧縮力を受け、前記ばね式レバーは、前記第1のセクションが前記ハウジングの前記一部に接触したとき
の第1の
位置と、前記第1のセクションが前記ガードに接触するかもしくは前記薬物送達デバイスの空隙領域内に配置されるとき
の第2の
位置との間で回転する、または、
(b) 前記ばね式レバーが、前記ハウジングから離れるように半径方向に延びる屈曲部(343a)を形成する第1の部分(343)と、スイッチ係合領域(344a)を有する第2の部分(344)とを含み、(i)前記屈曲部が前記薬物送達デバイスの第1の部分によって及ぼされる第1の力を受けるとき、前記スイッチ係合領域が前記スイッチを前記作動停止位置に位置決めし、(ii)前記屈曲部が前記薬物送達デバイスの第2の部分と前記薬物送達デバイスの空隙領域とのうちの1つによって及ぼされる第2の力を受けるとき、前記スイッチ係合領域が前記スイッチを前記作動位置に位置決めする、または、
(c)前記ばね式レバーが、前記キャップの本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部(443a)を形成する第1の構成要素(443)と、前記第1の部分に対して傾斜して位置決めされる第2の構成要素(444)とを含み、前記第2の構成要素がスイッチ係合領域(444a)を有し、それにプレテンション力が加えられ、前記第1の
位置では、前記第1の構成要素が前記第2の構成要素に接触して、前記スイッチ係合領域を前記スイッチから離れるように付勢して前記スイッチが前記作動停止位置にあるようにし、前記第2の
位置では、前記第1の構成要素が前記第2の構成要素に接触せず、それによって前記第2の構成要素がプレテンション状態に移動できるようになり、それによって前記スイッチ係合領域が前記スイッチと係合して前記スイッチを前記作動位置へと付勢する、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
主要な容器(110)と、前記主要な容器に配置される薬物とをさらに含み、
前記薬物が、
(a)顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、
(b)ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、
(c)カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に関連する産物、
(d)スクレロスチンを標的とするかまたは調節する産物、
(e)エタネルセプト、
(f)TNF-受容体/Fc融合タンパク質、
(g)TNF遮断薬、または
(h)ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞エンゲージャー抗体
の1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
第1の構成要素、第2の構成要素、第3の構成要素、および空隙領域を含む、自動注射器用の信号伝達キャップ(30)であって、
キャップシェル(32)または開口部を画定するキャップ本体と、
前記キャップシェルまたは前記開口部に少なくとも一部が配置される少なくとも1つの電子構成要素(33)と、
前記キャップシェルまたは前記開口部に少なくとも一部が配置される電源(35)と、
前記キャップシェルに少なくとも一部が配置され、作動位置と作動停止位置との間で移動可能なスイッチ(40)であって、前記作動位置にあるときに前記電源に前記少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように構成された、前記スイッチと、
前記キャップシェルまたは前記開口部に少なくとも一部が配置されるばね式レバー(42)であって、少なくとも一部が少なくとも第1の位置または第1の構成と第2の位置または第2の構成との間で移動可能な、前記ばね式レバーと
を備え、
(a)前記ばね式レバーが前記第1の位置または前記第1の構成にあるとき、前記ばね式レバーが前記スイッチを前記作動停止位置に付勢し、それによって前記電源が前記少なくとも1つの電子構成要素に給電するのを制限し、
(b)前記ばね式レバーが前記第2の位置または前記第2の構成にあるとき、前記ばね式レバーが前記スイッチを付勢して前記作動位置を占めるようにし、それによって前記電源に前記少なくとも1つの電子構成要素に給電させる、
自動注射器用の信号伝達キャップ。
【請求項12】
前記ばね式レバーは、回転可能なばね式レバーを備え、
前記回転可能なばね式レバーは、第1のセクション(43)と、前記第1のセクションから角度を付けて延び、スイッチ係合領域(45a)を有する第1の長さ部(45)及び前記第1の長さ部と共に実質的にU字形のセクションを形成する第2の長さ部(46)を有する第2のセクション(44)とを含み、前記第2の長さ部は前記自動注射器の
前記第1の構成要素からの圧縮力を受け、
前記回転可能なばね式レバーは、前記第1のセクションが前記自動注射器の
前記第2の構成要素に接触したときの前記第1の構成と、前記第1のセクションが前記自動注射器の
前記第3の構成要素に接触するかまたは前記自動注射器の
前記空隙領域内に配置されるときの前記第2の構成との間で回転し、
(a)前記ばね式レバーが前記第1の構成にあるとき、前記スイッチ係合領域が前記スイッチを前記作動停止位置に位置決めし、前記ばね式レバーの第1のセクションは、薬物投与の前に前記自動注射器の
前記第2の構成要素に接触し、
(b)前記ばね式レバーが前記第2の構成にあるとき、前記スイッチ係合領域は前記スイッチを前記作動位置に位置決めし、前記ばね式レバーの第1のセクションは、薬物投与後に前記自動注射器の第3の構成要素に接触するかまたは前記空隙領域内に配置される、
請求項11に記載の信号伝達キャップ。
【請求項13】
前記第2の長さ部が、針シールドリムーバ(18)から圧縮力を受ける、請求項12に記載の信号伝達キャップ。
【請求項14】
前記ばね式レバーの前記第1のセクションに及ぼされる屈曲力が、前記ばね式レバーの前記第2の長さ部に及ぼされる前記圧縮力よりも大きいとき、前記ばね式レバーが前記第1の構成に維持される、および/または、
前記ばね式レバーの前記第1のセクションに及ぼされる屈曲力が、前記ばね式レバーの前記第2の長さ部に及ぼされる前記圧縮力よりも小さいとき、前記ばね式レバーが前記第2の構成に維持される、請求項12または13に記載の信号伝達キャップ。
【請求項15】
前記ばね式レバーが、前記ばね式レバーを前記信号伝達キャップに回転可能に固定する回転式連結部(47)をさらに備える、および/または、
前記スイッチが、前記ばね式レバーから係合解除されたときに前記作動停止位置に付勢されるように構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載の信号伝達キャップ。
【請求項16】
前記ばね式レバーは、前記キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部(343a)を形成する第1の部分(343)と、スイッチ係合領域(344a)を有する第2の部分(344)とを含み、
(a)前記屈曲部が前記自動注射器の
前記第1の部分によって及ぼされる第1の力を受けるとき、前記スイッチ係合領域が前記スイッチを前記作動停止位置に位置決めし、
(b)前記屈曲部が前記自動注射器の
前記第2の部分と前記自動注射器の
前記空隙領域とのうちの1つによって及ぼされる第2の力を受けるとき、前記スイッチ係合領域が前記スイッチを前記作動位置に位置決めする、
請求項11に記載の信号伝達キャップ。
【請求項17】
前記第1の力が前記第2の力より大きい、および/または、
前記第2の力がゼロに等しい、および/または、
前記第1及び前記第2の力が、前記キャップ
シェルの壁に向かって作用する半径方向の力を含む、および/または、
前記ばね式レバーが、前記第1の部分に連結された第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、前記ばね式レバーを前記信号伝達キャップの一部に固定するように構成される、請求項16に記載の信号伝達キャップ。
【請求項18】
前記ばね式レバーは、前記キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部(443a)を形成する第1の構成要素(443)と、前記第1の
構成要素に対して傾斜して位置決めされる第2の構成要素(444)とを含み、
前記第2の構成要素がスイッチ係合領域(444a)を有し、それにプレテンション力が加えられ、
前記第1の構成では、前記第1の構成要素が前記第2の構成要素に接触して、前記スイッチ係合領域を前記スイッチから離れるように付勢して前記スイッチが前記作動停止位置にあるようにし、
前記第2の構成では、前記第1の構成要素が前記第2の構成要素に接触せず、それによって前記第2の構成要素がプレテンション状態に移動できるようになり、それによって前記スイッチ係合領域が前記スイッチと係合して前記スイッチを前記作動位置へと付勢する、請求項11に記載の信号伝達キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2015年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/265,142号に対する優先権が主張され、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスについて使用するためのシステム及び方法、ならびに患者を補助し、デバイスの機能の増強をもたらす、それに含まれる電子機器の給電に関するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物は、自動注射器またはオンボディ注射器または注入器などの薬物送達デバイスの使用を介して投与することができる。これらの装置は、シリンジと薬物または薬剤のバイアルとの組み合わせ、またはプレフィルドのシリンジを使用するより古くからの送達システムに替わることができる。自動注射器及びオンボディ注射器を利用して注射と送達、つまり投与のプロセスを自動化し、それにより、生理学的または心理学的な障害に起因して、シリンジ/バイアルの組み合わせまたはプレフィルドシリンジシステムを使用することが不利である特定の患者の集団または下位集団に対するプロセスを、単純化することができる。
【0004】
自動注射器などの薬物送達デバイスを使用しても、患者は、これらの装置の1つを用いて送達または投与される薬物を処方された後、薬物送達デバイスの最初の使用中に困難を経験することがある。例えば、使用者は、薬物送達デバイス内の薬物が自分用に処方された薬剤であるかどうか不確かな場合がある。さらに、使用者は、薬物送達デバイスが冷蔵庫などの低温の貯蔵所から取り出した後に、薬剤の期限が切れていないかどうか、及び/または注射を遅らせるべきかどうか、及び注射を遅らせるべきならば、どれほどの時間遅らせるべきであるかが不確かなことがある。使用者は、行為及びそれらの順序により薬物送達デバイスが正しく動作するかどうかも不確かである可能性がある。たとえ正しい行為を正しい順序で実行したとしても、薬物が完全に送達され、注射が完了したことを使用者が確信できないことがある。患者は、薬物の投与に関連して、いずれかの数のさらなる懸念を有する可能性がある。
【0005】
患者がこうした不確かさと懸念、また他の不確かさと懸念を有し得る結果として、薬物投与プロセスを補助し得る任意の数の電子構成要素を含むシステム及び方法が提供されることが多い。例えば、システム及びそれらの対応する手法は、薬物送達デバイス及び/または周囲環境をモニタして、薬物が快適に投与できるかどうかを判断し、その上使用者、医療提供者、その他の利害関係者に情報を伝達することができる任意の数のセンサまたはデバイスを含み得る。任意の数の電子機器を使用するために、デバイスは、薬物投与プロセスの前、間、及び後に何回も給電できなければならない。バッテリなどの携帯式電源デバイスは、寿命が限られている可能性があり、したがって、長時間の後に、送達デバイスに給電する際に困難が生じる可能性がある。さらに、これらのデバイスは、長期間の操作のために精密機器を過熱する可能性があり、電子機器が長期間動作状態にあるときに薬剤を害する可能性がある。
【0006】
以下でより詳細に説明するように、本開示は、上記の困難または必要性の1つまたは複数に対処することができる、既存の薬物送達デバイスパッケージングへの有利な代替物を具現化する薬物送達システム及び手法を記載する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様によれば、薬物送達デバイスは、シェルを画定するハウジングと、ハウジング内に少なくとも一部が配置される薬物送達組立体と、開口部を画定し、薬物送達デバイスハウジングの端部を少なくとも一部覆うように適合されたキャップと、少なくとも1つの電子構成要素と、少なくとも1つの電子構成要素に給電する電源と、スイッチ組立体とを含む。薬物送達組立体は、ハウジングの内面と係合し、ハウジングに対して少なくとも第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間で移動可能なガードを備えることができる。ガードは、安全装置として作用するように、カニューレとの外部接触を少なくとも一部制限するように適合してもよい。電子構成要素(複数可)、電源、及びスイッチ組立体は、それぞれ、少なくとも一部キャップ内に配置してもよい。これらの例では、スイッチ組立体は、キャップがハウジングから取り外されているときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させ、キャップがハウジングに連結され、ガードが第1の位置にあるとき、電源が少なくとも1つの電子構成要素に給電するのを制限し、キャップがハウジングに連結され、ガードが第3の位置にあるとき、電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合される。
【0008】
いくつかの手法では、自動注射器用の信号伝達キャップは、キャップシェルを画定するキャップ本体と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される少なくとも1つの電子構成要素と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される電源と、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるスイッチと、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるばね式レバーとを含んでいる。スイッチは、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合されている。ばね式レバーの少なくとも一部は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。ばね式レバーが第1の位置にあるとき、ばね式レバーはスイッチを作動停止位置に付勢し、それによって電源が少なくとも1つの電子構成要素に給電するのを制限する。ばね式レバーが第2の位置にあるとき、ばね式レバーはスイッチを付勢して作動位置を占めるようにし、それによって電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させる。
【0009】
いくつかの形態では、自動注射器用の信号伝達キャップは、キャップシェルを画定するキャップ本体と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される少なくとも1つの電子構成要素と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される電源と、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるスイッチと、キャップシェルに少なくとも一部が配置される回転可能なばね式レバーとを含むことができる。スイッチは、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合されている。ばね式レバーは、第1のセクションと、第1のセクションから角度を付けて延び、スイッチ係合領域を有する第1の長さ部及び第1の長さ部と共に実質的にU字形のセクションを形成する第2の長さ部を有する第2のセクションとを含んでもよい。第2の長さ部は、自動注射器の第1の構成要素からの圧縮力を受け得る。ばね式レバーは、第1のセクションが自動注射器の第2の構成要素に接触したときの第1の構成と、第1のセクションが自動注射器の第3の構成要素に接触するか自動注射器の空隙領域内に配置されるときの第2の構成との間で回転する。ばね式レバーが第1の構成にあるときは、スイッチ係合領域がスイッチを作動停止位置に位置決めする。ばね式レバーが第2の構成にあるとき、スイッチ係合領域は、スイッチを作動位置に位置決めする。
【0010】
いくつかの形態では、自動注射器用の信号伝達キャップは、キャップシェルを画定するキャップ本体と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される少なくとも1つの電子構成要素と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される電源と、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるスイッチと、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるばね式レバーとを含むことができる。スイッチは、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合されている。ばね式レバーは、キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部を形成する第1の部分と、スイッチ係合領域を有する第2の部分とを含むことができる。屈曲部が自動注射器の第1の部分によって及ぼされる第1の力を受けるとき、スイッチ係合領域はスイッチを作動停止位置に位置決めする。屈曲部が、自動注射器の第2の部分と自動注射器の空隙領域との1つによって及ぼされる第2の力を受けると、スイッチ係合領域はスイッチを作動位置に位置決めする。
【0011】
いくつかの形態では、自動注射器用の信号伝達キャップは、キャップシェルを画定するキャップ本体と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される少なくとも1つの電子構成要素と、キャップシェルに少なくとも一部が配置される電源と、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるスイッチと、キャップシェルに少なくとも一部が配置されるばね式レバーとを含むことができる。スイッチは、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合されている。ばね式レバーは、キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部を形成する第1の構成要素と、第1の部分に対して傾斜して位置決めされる第2の構成要素とを含むことができる。第2の構成要素は、スイッチ係合領域を有してもよく、また、プレテンション力が加えられてもよい。第1の構成では、第1の構成要素が第2の構成要素と接触して、スイッチからスイッチ係合領域が離れるように付勢し、スイッチが作動停止位置にあるようにする。第2の構成では、第1の構成要素が第2の構成要素に接触せず、それによって第2の構成要素がプレテンション状態に移動でき、それによってスイッチ係合領域がスイッチと係合して作動位置へと付勢する。
【0012】
上記の必要性は、特に図面と併せて検討するときに、以下の詳細な説明に記載された信号伝達キャップを備えた自動注射器を提供することによって、少なくとも一部満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の様々な実施形態による、複数の通信リンク及びネットワークを介して相互接続された薬物送達デバイス及び複数のコンピューティングデバイスを含むシステムの概略図を含む。
【
図2】本発明の様々な実施形態による、薬物送達システムの斜視図を含む。
【
図3】本発明の様々な実施形態による、
図2の薬物送達組立体の一部の組立体の図を含む。
【
図4】本発明の様々な実施形態による、自動注射器用のキャップ組立体の分解図を含む。
【
図5A】本発明の様々な実施形態による、電子モジュールの上面に配置されたスイッチを示す、自動注射器用のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図5B】本発明の様々な実施形態による、電子モジュールの下面に配置されたスイッチを示す、自動注射器用のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図6A】本発明の様々な実施形態による、移動可能な針ガードを有する薬物送達デバイス組立体の断面図を含む。
【
図6B】本発明の様々な実施形態による、
図6Aの針ガードの斜視図を含む。
【
図7】本発明の様々な実施形態による、第1の構成と第2の構成との間で回転可能なばね式レバーの第1の実施形態の斜視図を含む。
【
図8】本発明の様々な実施形態による、
図7のばね式レバーが中に配置されているキャップ組立体の断面図を含む。
【
図9A】本発明の様々な実施形態による、キャップ組立体内に針シールドリムーバが挿入されている
図8のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図9B】本発明の様々な実施形態による、キャップ組立体に針シールドリムーバが完全に配置されている
図8のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図10】本発明の様々な実施形態による、薬剤を投与する目的でキャップが除去された
図8~9のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図11A】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図8~
図10のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図11B】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図8~
図10のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図12A】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与後に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップした後の、
図8~
図11のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図12B】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与後に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップした後の、
図8~
図11のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図13】本発明の様々な実施形態による、第1の構成と第2の構成との間でトグルされるばね式レバーの第2の実施形態の斜視図を含む。
【
図14】本発明の様々な実施形態による、
図13のばね式レバーが中に配置されているキャップ組立体の断面図を含む。
【
図15】本発明の様々な実施形態による、薬剤を投与する目的でキャップを取り外した
図13及び
図14のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図16A】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図13~
図15のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図16B】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図13~
図15のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図17】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与後に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップした後の、
図13~
図16のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図18】本発明の様々な実施形態による、第1の構成と第2の構成との間でトグルされるばね式レバーの第3の実施形態の斜視図を含む。
【
図19】本発明の様々な実施形態による、
図18のばね式レバーが中に配置されているキャップ組立体の断面図を含む。
【
図20A】本発明の様々な実施形態による、薬剤を投与する目的でキャップが取り外された、
図18及び
図19のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図20B】本発明の様々な実施形態による、薬剤を投与する目的でキャップが取り外された、
図18及び
図19のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図21A】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図18~
図20のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図21B】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与前に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップしている間の、
図18~
図20のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図22】本発明の様々な実施形態による、薬剤投与後に薬物送達デバイスにキャップ組立体をリキャップした後の、
図18~
図21のキャップ組立体の断面図を含む。
【
図23】本発明の様々な実施形態による、移動可能な針ガードを有する代替の薬物送達デバイスの断面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
当業者であれば、図面の要素は、簡潔かつ明瞭にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するであろう。例えば、図面の要素の一部の寸法及び/または相対的な位置は、本発明の様々な実施形態のより良い理解を促すために、他の要素と比べて過度に拡張している場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用であるか必要である、一般的で十分に理解されている要素は、これらの様々な実施形態のより障害物がない図面になるようにすべく、描いていないことが多い。特定の行為及び/または工程を特定の発生順に記載または描写し得ることがさらに理解されるであろうが、順序に関するそのような特異性は実際には必要ではないことを、当業者は理解されよう。本明細書で使用している用語及び表現は、異なる特定の意味が他のように本明細書に記載されている場合を除いて、上記のような、当技術分野の当業者がそのような用語及び表現に対して認めている通常の技術的意味を有することも、理解されるであろう。
【0015】
本出願は、薬物送達デバイス及びその対応するシステムを含む複数のシステム及び手法を対象とする。特に、本明細書に記載の手法は、薬物投与プロセスの前、間及び/または後に使用される任意の数の電子構成要素を含む取り外し可能なキャップ組立体を利用する。キャップ組立体は、薬物送達デバイスの構成要素の配置に基づいて電子機器に給電するために設けられたスイッチを作動させる機構を含む。限定ではなく例として、機構は、キャップ組立体が取り外されていないときは電子機器に給電するのを制限し、キャップ組立体がデバイスから取り外されたときは電子機器に給電するようにし得る。さらに、この機構は、キャップ組立体がリキャップされているが薬物をまだ投与していないときに、電子機器の給電を制限でき、薬物を投与した後キャップ組立体がリキャップされているときに電子機器を給電させることができる。これらの例では、使用者が最初は薬物を投与することを望んでいても、心境が変化して後の時点まで薬物の投与を遅らせることを決断する可能性がある。結果として、この機構は、装置がアイドルの未使用な状態にあるときにバッテリの不必要な消耗を回避し、薬物(複数可)の投与が実際に生じたときに意図したとおりに機能し続けることが可能になる。
【0016】
概して、これらの様々な実施形態によれば、薬物送達デバイスは、シェルを画定するハウジングと、ハウジング内に少なくとも一部が配置される薬物送達組立体と、開口部を画定する、薬物送達デバイスハウジングの端部を少なくとも一部覆うように適合するキャップと、少なくとも1つの電子構成要素と、少なくとも1つの電子構成要素に給電する電源と、スイッチ組立体とを含む。薬物送達組立体は、ハウジングの内面と係合し、ハウジングに対して少なくとも第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間で移動可能なガードを備えることができる。ガードは、安全装置として作用するように、カニューレとの外部接触を少なくとも一部制限するように適合してもよい。電子構成要素(複数可)、電源、及びスイッチ組立体は、それぞれ、少なくとも一部キャップ内に配置してもよい。
【0017】
これらの例では、スイッチ組立体は、キャップがハウジングから取り外されているときに電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させ、キャップがハウジングに連結され、ガードが第1の位置にあるとき、電源が少なくとも1つの電子構成要素に給電するのを制限し、キャップがハウジングに連結され、ガードが第3の位置にあるとき、電源に少なくとも1つの電子構成要素に給電させるように適合される。
【0018】
スイッチ組立体はさらに、キャップシェルに少なくとも一部が配置され、作動位置と作動停止位置との間で移動可能なスイッチと、キャップシェルに少なくとも一部が配置されたばね式レバーとを含むことができ、また剛性部分と弾性部分とを含むことができる。スイッチは、作動位置にあるときに電源が少なくとも1つの電子構成要素に給電するように適合させてもよい。ばね式レバーの少なくとも一部は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってもよい。キャップ組立体がハウジングに連結され、ガードが第1の位置にあるとき、ハウジングの一部はばね式レバーに接触し、ばね式レバーを第1の位置に動かすことができる。ばね式レバーがこの第1の位置にあるとき、ばね式レバーはスイッチを作動停止位置に付勢する。さらに、キャップ組立体がハウジングに連結され、ガードが第3の位置を占めるとき、ばね式レバーは第1の位置の外側にあり、そのためスイッチが作動位置を占める。さらに、キャップ組立体がハウジングから取り外されているとき、ばね式レバーは薬物送達組立体と接触せず、第2の位置を占め、そのためスイッチが作動位置を占める。いくつかの手法では、キャップ組立体がハウジングに連結され、ガードが第3の位置を占めるとき、ばね式レバーは薬物送達組立体と接触しておらず、第2の位置を占め、そのためスイッチが作動位置を占める。
【0019】
これらの形態の多くにおいて、ハウジングは、その内面に形成された少なくとも1つの溝を画定することができる。ガードは、少なくとも1つの溝に係合するように適合された少なくとも1つの突起を含むことができる。ガードの第1の位置、第2の位置、及び第3の位置は、少なくとも1つの溝の第1、第2、及び第3の停止部に対応し得る。いくつかの例で、ガードがその外面に形成される少なくとも1つの溝を画定でき、ハウジングが溝に係合する突起を画定できることが理解される。溝は、第1の留め部を画定する第1のセクションと、実質的に軸方向に延びる第2のセクションと、第2の留め部を画定する第3のセクションとを含むことができる。第1のセクションの少なくとも一部分は、第2のセクションに対して傾斜している。
【0020】
薬物送達組立体は、突起を第1の留め部に係合させる力を及ぼすばねをさらに含むことができる。突起は、ばねに圧縮力を及ぼすと、ガードが第2の位置に達するまで溝を横切るように適合される。突起は、ばねの圧縮力を除去すると、溝の第2のセクションを横切り、第2の留め部に係合するように適合されている。
【0021】
薬物送達デバイスは、キャップ組立体に連結される針シールドリムーバをさらに含んでもよく、これはばね式レバーの弾性部分に付勢力を加えて、ばね式レバーを第2の位置に向けて付勢するように適合される。さらに、少なくとも1つの電子構成要素が、薬物送達デバイスの状態及び動作状態の少なくとも1つを表すデータを生成するように適合され、少なくとも1つの電子構成要素は、データを処理装置に送信するようにさらに適合される。
【0022】
いくつかの手法では、ばね式レバーは回転可能であり、第1のセクションと、第1のセクションから角度を付けて延びる第2のセクションとを備える。第2のセクションは、スイッチ係合領域を含む第1の長さ部と、第1の長さ部と共に実質的にU字形のセクションを形成する第2の長さ部とを有することができる。第2の長さ部は、針シールドリムーバから圧縮力を受けることができる。ばね式レバーは、第1のセクションがハウジングの一部と接触するときの第1の構成と、第1のセクションがガードに接触するとき、または自動注射器の空隙領域内に配置されるときの第2の構成との間で回転する。
【0023】
他の手法では、ばね式レバーは、ハウジングから離れるように半径方向に延びる屈曲部を形成する第1の部分と、スイッチ係合領域を有する第2の部分とを含む。屈曲部が自動注射器の第1の部分によって及ぼされる第1の力を受けると、スイッチ係合領域はスイッチを作動停止位置に位置決めする。屈曲部が、自動注射器の第2の部分と自動注射器の空隙領域との1つによって及ぼされる第2の力を受けると、スイッチ係合領域はスイッチを作動位置に位置決めする。
【0024】
さらに別の手法では、ばね式レバーは、キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部を形成する第1の構成要素と、第1の部分に対して傾斜して位置決めされる第2の構成要素とを備えることができる。第2の構成要素は、スイッチ係合領域を有し、それにプレテンション力を加えるようにし得る。第1の構成では、第1の構成要素が第2の構成要素と接触して、スイッチからスイッチ係合領域が離れるように付勢し、スイッチが作動停止位置にあるようにする。第2の構成では、第1の構成要素が第2の構成要素に接触せず、それによって第2の構成要素がプレテンション状態に移動でき、それによってスイッチ係合領域がスイッチと係合して作動位置へと付勢する。
【0025】
これから図面、特に
図1を参照しながら、薬物送達デバイス102、ローカルコンピューティングデバイス104及びリモートコンピューティングデバイス106を含むシステム100の一般化された一例を提示する。システム100はローカルコンピューティングデバイス104とリモートコンピューティングデバイス106の両方を含むが、本開示によるすべての実施形態が、ローカルコンピューティングデバイス104とリモートコンピューティングデバイス106の両方を含むわけではない。
【0026】
薬物送達デバイス102は、自動注射器の形態であってもよく、したがって、手持ち式の使用及び患者の皮膚に対する適用に適合される。薬物送達デバイス102はハウジング110を含み、それにおいては送達カニューレを患者の体内に導入して、薬物または薬剤をリザーバ112から送達カニューレを介して患者の体内に放出する組立体または構造体が配置される。特定の実施形態によれば、送達カニューレを患者の体内に導入するのと同じ組立体または構造体が、薬物または薬剤をリザーバから送達カニューレを介して患者の体内に放出することもできる。薬物送達デバイス102はまた、送達カニューレをリザーバに接続するか、送達カニューレをハウジング110内の開口部(図示せず)を通してハウジング110内に退かせるか、一旦送達カニューレが患者から除去されたら、送達カニューレと接触することを妨げる他の構造体を展開する組立体または構造体を含むことができる。任意の数の追加の組立体及び構造体が可能である。したがって、以下で論じる薬物送達デバイス102の特定の実施形態は、例示であり、限定するものではない。
【0027】
したがって、薬物送達デバイス102は、リザーバ112と、リザーバ112と流体連通するように接続されるまたは接続可能であってよい第1の端部116(例えば、近位端)と、患者の体内に挿入することができる第2の端部118(例えば、遠位端)とを有する送達カニューレ114を含む。送達カニューレ114は、例えば、針114の第2の端部118が皮膚の下に入り、リザーバ112内の薬剤の皮下注射を実行するようなサイズにすることができる傾斜付き縁部を有する硬い針であってもよい。針114の第1の端部116は、リザーバ112の壁120を貫通するように配置でき、そのためリザーバ112と流体連通する接続ができる。あるいは、針114の第1の端部116は、壁120(例えば壁120は再シール可能なセプタムやストッパであってもよい)を途中まで貫くように配置でき、針114の第2の端部118が患者の体内に挿入されるまで、針114の第1の端部が流体連通するようには接続されないようにしてもよい。したがって、このような状況では、針114の第1の端部116は、リザーバ112と流体連通するように接続可能であると説明することができるが、ただし針114の第1の端部116が、リザーバ112と流体連通するように接続可能であるが接続されていない他の機構が存在することが認識されよう。
【0028】
薬物送達デバイス102はシールド122(例えば、針シールド)を含み、これは針114の第2の端部118へのアクセスを制限するために、少なくとも注射が完了した後に展開され得る。特定の実施形態では、シールド122は付勢要素124(ばねなど)を有してもよく、これはシールド122が皮膚に配置されて針114の挿入が作動されているとき以外、シールド122の遠位端126が針114の第2の端部118を越えて延びるように、シールド122をハウジング110から延ばす。実際、針114の挿入は、シールド122の遠位端126を患者の皮膚の上にまたは皮膚に対して配置することによって、薬物送達デバイス102の特定の実施形態に従って、作動させることができる。
【0029】
薬物送達デバイス102はまた、ロック128(例えば、ラチェット)を含むことができ、これはシールド122に連結され、薬物送達デバイス102のハウジング110に対するシールド122の移動を制限または防止し、その結果シールド122の遠位端126が、例えば、針114が患者の皮膚から取り外されまたは隔てられた後に、針114の第2の端部118との接触を制限または防止するのに十分な距離だけ、ハウジング110から延びるように構成される。いくつかの実施形態では、ロック128は、制御部(例えば、より詳細に以下に記載される制御部150)に連結でき、制御部は、上記の方法の1つまたは複数に従って、動作状態情報、状態情報、及び/または識別情報を含む薬物送達デバイス102に関する様々なタイプの情報に基づいて、ロック128を選択的に作動または作動停止することができる。ロック128を制御部150により作動させるとき、ロック128がハウジング110に対する針シールド122の移動を制限または防止するように構成してもよい。ロック128が制御部150により作動停止するとき、ロック128がハウジング110に対する針シールド122の移動を可能にするように構成できる。
【0030】
薬物送達デバイス102はまた、少なくとも1つの駆動部130を含み、これは針114の第2の端部118を患者の皮膚に挿入し、リザーバ112から送達カニューレ114を経て患者の体内に薬物または薬剤を放出するために使用できる。ある実施形態によれば、駆動部130は、1つまたは複数のばねを含むことができる。他の実施形態によれば、駆動部130は、加圧ガス源または相変化を経る材料の供給源を含むことができ、その結果漏れ出るガスまたは相変化する材料が、リザーバ112から薬物を放出するためにそれに加え得る動力を供給するようにする。さらに他の実施形態によれば、駆動部130は、例えば、モータを含み得るような電気機械システムを含むことができるが、そのような電気機械システムは、上述したオンボディ自動注射器または注入器により適しているものであり得る。駆動部130の他の実施形態も可能である。
【0031】
一実施形態では、駆動部130は、リザーバ112に配置されたプランジャ131及び/またはストッパ132(例えば、壁)と連結させて、ストッパ132を送達カニューレ114に向かって遠位方向に移動させることができる。このような実施形態によれば、ストッパ132は、プランジャ131の遠位端に固定して、ボア134内に受容されるストッパであってもよい。プランジャ131は、駆動部130と連結して、ストッパ132を、薬物送達デバイス102の長手軸に沿ってボア134の近位端からボア134の遠位端までボア134を通るように移動させ、それによって薬剤をリザーバ112から排出するようにし得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、駆動部130はまた、ストッパ132及び/またはボア134と協働して、リザーバ112をハウジング110に対して移動させて、針114の第2の端部118を、ハウジング110に対し、患者の中へと移動させ得る。駆動部130がストッパ132と協働する実施形態によれば、これは、針114の第1の端部116がリザーバ112と流体連通する前に行われてもよい。駆動部がボア134と協働する実施形態によれば、駆動部は、リザーバ112及び針114をハウジング110に対して移動させるためにボア134と協働する1つの構成要素(例えば、第1のばね)と、ストッパ132と協働してボア134に対してストッパ132を移動させる第2の構成要素(例えば、第2のばね)を含み得る。
【0033】
薬物送達デバイス102はまた、ロック135を含んでもよく、これはプランジャ131に連結され、薬物送達デバイス102のハウジング110に対するプランジャ131の移動を制限または防止するように構成され、ストッパ132が前進して薬剤をリザーバ112から患者に排出できないようにする。いくつかの実施形態では、ロック135は、上述した1つまたは複数の方法に従って、薬物送達デバイス102に関する様々なタイプの情報、例えば動作状態情報、状態情報、及び/または識別情報に基づいて、ロック135を選択的に作動または作動停止させることができる制御部(例えば、以下に詳述する制御部150)と連結できる。ロック135が制御部150によって作動されるとき、ロック135は、ハウジング110に対するプランジャ131の移動を制限または防止するように構成してもよい。ロック135が制御部150により作動停止されるとき、ロック128がハウジング110に対するプランジャ131の移動を可能にするように構成してもよい。
【0034】
駆動部110は、アクチュエータ140と関連させてもよい。アクチュエータ140は、駆動部130を作動させることができ、駆動部130に針114を挿入させ、薬物をリザーバ112から針114を介して患者の体内に放出させる。アクチュエータ140は、特定の実施形態によれば、上述したように針シールド122であってもよい。他の実施形態によれば、
図1に示すもののように、アクチュエータ140は、薬物送達デバイス102が患者の皮膚の上にまたは皮膚に対して配置されたら、使用者または患者が手動で押すことのできるボタンであってもよい。ロック141は、アクチュエータ140に連結させて、アクチュエータ140の移動を制限または防止するように構成して、アクチュエータ140を使用して駆動部130を作動させることができないようにし得る。いくつかの実施形態では、ロック141は、薬物送達デバイス102に関する様々なタイプの情報、例えば上記の1つまたは複数の方法による動作状態情報、状態情報、及び/または識別情報に基づいてロック141を選択的に作動または作動停止することができる制御部(例えば、以下でより詳細に説明する制御部150)に連結できる。ロック141を制御部150により作動させるとき、ロック141が、ハウジング110に対するアクチュエータ140の移動を制限または防止するように構成してもよい。ロック141を制御部150により作動停止するとき、ロック141がハウジング110に対するアクチュエータ140の移動を可能にするように構成してもよい。
【0035】
薬物送達デバイス102はまた、取り外し可能な無菌バリアまたは信号伝達キャップ144を含んでもよく、これらはハウジング110の遠位端、針シールド122、及び送達カニューレ114の第2の端部118のうちの1つ以上の周りに配置される。信号伝達キャップ144は、
図1に示すように、ハウジング110の遠位端に取り外し可能に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、信号伝達キャップ144は、ハウジング110の遠位端と干渉またはスナップフィットを形成することができる。干渉またはスナップフィットに関連する摩擦力は、信号伝達キャップ144を手動でハウジング110から離れる方向に引くことにより克服できる。信号伝達キャップ144は、薬物送達デバイス102に取り付けたときに、送達カニューレ114及び薬物送達デバイス102内に配置された他の要素の汚染のリスクを低減することができる。
【0036】
さらに、薬物送達デバイス102は加熱要素146を含むことができ、これはリザーバ112の外部に連結され、例えば導電性の加熱によりリザーバ112内の薬剤を加温するように構成される。加熱要素146は、制御部150に連結でき、制御部150が、上記の1つ以上の方法に従って、動作状態情報、状態情報、及び/または識別情報を含む薬物送達デバイス102に関する様々なタイプの情報に基づいて、加熱要素146を選択的に作動または作動停止することができるようにする。いくつかの実施形態では、加熱要素146は、リザーバ112の外側に巻き付けられた導電性コイルを含むことができる。他の実施形態では、加熱要素は、カニューレ114の周りに巻かれた導電性コイルを含むことができる。あるいはまたは加えて、冷却要素(図示せず)を、リザーバ112に連結させて、加熱要素146と同様に制御部150により制御可能にすることができる。
【0037】
薬物送達デバイス102はまた、ハウジング110に連結され、薬物送達デバイス102に関連する情報を患者または使用者に通知するように構成された出力ユニット147を含むことができる。出力ユニット147は、制御部150に連結でき、制御部150が、上に記載された1つ以上の方法に従って、動作状態情報、状態情報、及び/または識別情報を含む薬物送達デバイス102に関する様々なタイプの情報に基づいて、出力ユニット147を選択的に作動または作動停止できるようにする。出力ユニット147は、患者または使用者への情報を伝えるのに適した任意のデバイスであってよく、とりわけディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)、タッチスクリーン、光(例えば、発光ダイオード)、バイブレータ(例えば、電気機械的振動要素)、スピーカ、及び/またはアラームといったデバイスが挙げられる。
【0038】
薬物送達デバイス102はまた、ハウジング110に連結され、使用者または患者が制御部150によって使用される入力情報(例えば、パスワード情報)を入力できるように構成された入力ユニット148を含むことができる。いくつかの実施形態で、入力ユニット148、出力ユニット147、さらに指紋センサ165は、タッチスクリーンなどの単一のデバイスであってもよい。他の実施形態では、入力ユニット148は、キーボードやボタンなどの出力ユニット147と別個のデバイスであってもよい。
【0039】
図1に示すように、ハウジング110の内部には、リザーバ112、付勢要素124、ロック128、135、141、プランジャ131、ストッパ132、及び駆動部130、及び加熱要素146が、送達カニューレ114の少なくとも一部に沿って、配置されている。また、ハウジング110内には、制御部150、通信モジュール152(例えば、ワイヤレスの送信機)、及び少なくとも1つのセンサまたはスイッチが配置されている。
図1に示す実施形態によれば、4つのセンサ、すなわち、温度センサ160、皮膚センサ162、少なくとも1つの方位センサ164、及び指紋センサ165が含まれる。センサ160、162、164、及び165はそれぞれ薬物送達デバイス102の各々の測定された特性または側面に関するセンサデータ(例えば、生データや、未処理のデータ)を生成できる。センサデータは、薬物送達デバイス102の状態または動作状態の少なくとも1つを表すことができる。さらに、薬物送達デバイス102は、スイッチ166を含む。制御部150は、通信モジュール152、ロック128、135、141、センサ160、162、164、165、加熱要素146、指紋センサ165、出力ユニット147、入力ユニット148、及びスイッチ166に連結される。制御部150は、センサ160、162、164及び165によって生成されたセンサデータを処理して、薬物送達デバイス102の状態及び/または動作状態を判定するように構成し得る。制御部150、通信モジュール152、センサ160、162、164、165の1つまたは複数、及びスイッチ166は、単一のモジュールとしてまとめてパッケージングしてもよく、あるいは、各構成要素を別々に製造して、構成要素がハウジング110内に配置されたら連結するようにしてもよい。特定の実施形態では、各電気構成要素がその電気構成要素に関連するデバイス102の構造体に組み込まれてもよい(例えば、センサ162及び164は、シールド122に組み込まれてもよい)。いくつかの実施形態では、制御部150、通信モジュール152、センサ160、162、164、165の1つまたは複数、及び/またはスイッチ166は、信号伝達キャップ144内にまとめてパッケージングしてもよい。
【0040】
制御部150は、少なくとも1つのプロセッサ170(例えば、マイクロプロセッサ)及びメモリ172(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、非リムーバブルメモリなど)を含むことができる。また、制御部150は、バッテリなどの電源を含むか、それに連結されてもよい。プロセッサ170は、制御部150が実行するように適合されている動作を実行するようにプログラムされてもよく、メモリ172は、実行可能であるコンピュータ可読の一時的ではない命令が記憶された1つ以上の有形の一時的ではない可読メモリを含むことができ、その命令は少なくとも1つのプロセッサ170により実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサ170に、制御部150が実行するように適合された動作を実行させることができる。あるいは、制御部150は、制御部が実行するように適合された動作を実行する他の回路を含んでもよい。
【0041】
メモリ172は、上述した識別情報を記憶することができる。識別情報は、上述の方法のいずれかの実行を開始する前に、メモリ172に記憶してもよい。識別情報は、例として、固有の識別子、薬物の名称、投与量、有効期限、及び薬物が処方された患者の身元に関する情報を含み得るが、これらに限定されるものではない。こうした情報を用いて、制御部150またはローカルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)は、薬物を投与しようとしている患者に関する判断を行い、適切な情報及び/または指示プロンプトを提供することができる。メモリ172の代替として、識別情報は、薬物送達デバイス102に関連するQRコード(登録商標)ラベルまたはRFIDタグに含まれてもよい。
【0042】
通信モジュール152は、ローカルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)及び/またはリモートコンピューティングデバイス(例えば、デバイスの製造者が運営するサーバ)と通信するために使用される複数の異なる通信モジュールのいずれかであってもよい。一実施形態によれば、通信モジュール152は、制御部150に搭載されたBluetooth(登録商標)及び/またはBluetooth Low Energyモジュールであってもよい。通信モジュール152は、薬物送達デバイス102からローカルコンピューティングデバイス104及び/またはリモートコンピューティングデバイス106に情報を伝達するのに使用される。あるいは、短距離か長距離のいずれであっても、他のワイヤレスのプロトコルを、通信モジュール152は利用できる。短距離プロトコルは、例えば無線周波数識別(RFID)、Zigbee、Wi-Fi、近接場型の無線通信(NFC)などを含み得るが、長距離プロトコルは、携帯電話のプロトコル、セルラー、GSM(登録商標)、CDMA、LTE、WiMAX、EDGE、3G、4G、HSPA+、EV-DO、DECT、UMTS、iDEN、SMSメッセージング、衛星通信プロトコル、AMPSなどを含むことができる。実際、通信は、電磁(EM)スペクトルを使用するのではなく、ハードワイヤードの接続に沿って送信されてもよい。本明細書で定義されるものとして、モジュール152、ローカルコンピューティングデバイス、及び/またはリモートコンピューティングデバイス間で送信及び/または受信される通信は、例えば、ハードワイヤードでの信号またはEM信号、またはそのような信号のパターンなどの形態であってもよい。
【0043】
温度センサ160は、リザーバ112に近接して配置して、リザーバ112内の薬物の温度を判断できるようにしてもよい。あるいは、温度センサ160をハウジング110内に単に配置して、リザーバ112の薬物及び薬物送達デバイス102の薬物のおおよその温度を全体的に判断するようにしてもよい。実施形態によれば、温度センサ160は、プロセッサ170に取り付けられる、オンボード温度センサ160であってもよい。
【0044】
皮膚センサ162は、薬物送達デバイス102が患者の皮膚の上に、または皮膚に対して配置されるときを判断するために、シールド122に取り付けても、シールド122と関連付けてもよい。一実施形態によれば、皮膚センサ162は圧力センサである。他の実施形態によれば、皮膚センサ162は、静電容量センサ、抵抗式センサ、またはインダクタンスセンサであってもよい。皮膚センサ162またはスイッチ166(アクチュエータ140に取り付けられているか関連付けられている)は、上記の説明に従って、駆動部130を作動させるために使用する薬物送達デバイス102の設計と動作に依存して、薬物送達デバイス102が作動されるときを判断するのに使用できる。また、それはシールド122が実際のアクチュエータとして使用されていないときでも薬物送達デバイス102が作動したことを判断するのに皮膚センサ160からの信号を使用する場合であってもよい。その根本にある仮定は、シールド122の移動が必ずデバイス102の作動に関連しているということである。
【0045】
方位センサ164は、図示のように少なくとも2つあってよく、シールド122(またはシールド122に隣接するハウジング110の該当部分)及び制御部150(図示のようにシールド122から薬物送達デバイス102の他端またはハウジング110に配置できる)と関連付けられる。方位センサ164は、例えば磁力計であってもよい。特に、制御部150に関連する方位センサ164は、オンボード磁力計であってもよい。方位センサ164は、注射部位に対する(または、より詳細には、薬物送達デバイス102の患者の皮膚の上または皮膚に対する配置に対して)薬物送達デバイス102(特にハウジング110)の向きを判断するために使用できる。
【0046】
ハウジング110内の薬物送達デバイス102の構成要素の配置は、本開示の一実施形態に過ぎないことが認識されるであろう。例えば、薬物送達デバイス102の特定の構成要素は、薬物送達デバイス102の外側に配置してもよい。
【0047】
この実施形態によれば、薬物送達デバイス102は、ハウジング110、リザーバ112、針114、シールド122、付勢要素124、ロック128、駆動部130、及びボタン140を含むことができる。さらに、センサ162、164、及びスイッチ166を、ハウジング110内に配置してもよい。指紋センサ165、出力ユニット147、及び入力ユニット148は、モジュール130の外側に配置でき、使用者または患者は、それらと対話し得る。
【0048】
制御部150、通信モジュール152及び他の構成要素をモジュールに分離することにより、モジュールを、薬物送達デバイス102の複数のインスタンスと共に使用できるようにし得る。この点で、モジュールは、薬物送達デバイス102/モジュールの組み合わせの再使用可能な部分(本開示の目的では薬物送達デバイス102と称することができる)と考えることができるが、薬物送達デバイス102は、薬物送達デバイス102の使い捨て部分であると考えることもできる。より高価な構成要素を再利用可能なモジュール400内に、より安価な構成要素(特定のセンサを含む)を使い捨て薬物送達デバイス102内に分離することによって、自動注射器の全体的なコストを最適化することができる。モジュール及び薬物送達デバイス102における構成要素のこのような配置はまた、薬物送達デバイス102及びモジュールの製造及び滅菌を容易にし得る。
【0049】
ローカルコンピューティングデバイス104は、少なくとも1つのプロセッサ220(例えば、マイクロプロセッサ)及びメモリ222(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、非リムーバブルメモリなど)を含む少なくとも1つのコンピューティングデバイスの形態であってもよい。少なくとも1つのプロセッサ220及びメモリ222は、ローカルコンピューティングデバイス104の制御部223に組み込まれてもよく、及び/または別々に構成されてもよい。同様に、リモートコンピューティングデバイス106は、少なくとも1つのプロセッサ224(例えば、マイクロプロセッサ)及びメモリ426(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、非リムーバブルメモリなど)を含む少なくとも1つのコンピューティングデバイスの形態であってもよい。少なくとも1つのプロセッサ224及びメモリ226は、ローカルコンピューティングデバイス104の制御部227に組み込まれてもよく、及び/または別々に構成されてもよい。メモリ222、226は、(例えば、カスタムモバイルアプリケーション、つまり略してアプリ、または他のソフトウェアモジュールの形態で)コンピュータ実行可能命令を記憶する、1つまたは複数の有形の一時的ではないコンピュータ可読メモリを含むことができる。
【0050】
図示された実施形態によれば、ローカルコンピューティングデバイス104はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータなど)であるが、リモートコンピューティングデバイス106はサーバである。いくつかの実施形態では、ローカルコンピューティングデバイス104は、データを処理し、例えばスマートウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートテレビ、スマートアプライアンス、スマート自動車、ネットワーク化されたコンピュータなどの、薬物送達デバイス102と同期及び通信することができる任意のコンピューティングデバイスを概して含み得る。他の実施形態によれば、ローカルコンピューティングデバイス104は、通信モジュール152及び潜在的にリモートコンピューティングデバイス106との通信リンクを確立することができるハブやゲートウェイなどの専用のデバイスであってもよく、その場合リモートコンピューティングデバイス106との通信が必要であるか所望である。
【0051】
ローカルコンピューティングデバイス104は、例えばBluetooth/Bluetooth Low Energyプロトコルを使用することによって、薬物送達デバイス102の通信モジュール152とのワイヤレス通信用の通信モジュール230をさらに含むことができる。あるいは、無線周波数識別(RFID)、Zigbee、Wi-Fi、近接場型の無線通信(NFC)、セルラーなどの他のワイヤレスのプロトコルを通信モジュール152によって使用できる。ローカルコンピューティングデバイス104はまた、使用者に命令を伝達するために使用するディスプレイ232を含むことができる。ローカルコンピューティングデバイス104は、例えばスピーカ234などの、使用者と通信するディスプレイ232以外の他の出力デバイスを含むことができる。スピーカ234は、プロセッサ(複数可)220により制御され、ディスプレイ232に書き込み形式で表示される可聴形式の命令を提供することができる。
【0052】
また、ローカルコンピューティングデバイス104は、1つ以上の通信モジュールを含むことができ、それは1つ以上のネットワーク240、242と通信するために使用できる通信モジュール230と、同じであっても異なっていてもよい。例えばネットワーク240は、セルラーモバイルデバイスネットワークなどのワイヤレスの無線周波数ネットワークとすることができ、一方でネットワーク242は、インターネットなどのコンピューティングデバイスのネットワークとすることができる。ネットワーク240、242は、互いに通信することができ、その結果ローカルコンピューティングデバイス104がネットワーク240、ネットワーク242、またはネットワーク240、242の組み合わせを介してリモートコンピューティングデバイス106と通信できるようにする。リモートコンピューティングデバイス224は、ネットワーク240、242からの通信を受信する通信モジュール236を含むことができる。
【0053】
「ローカル」及び「リモート」という用語は、ローカルコンピューティングデバイス104及びリモートコンピューティングデバイス106を記述するために使用してきたが、これらの用語は、デバイス104、106間の特定の空間的または地理的距離を必要とするように選択してはいなかった。むしろ、これらの用語は、使用者に対する相対的な近接性、及びリモートコンピューティングデバイス106が使用者と薬物送達デバイス102と同じ物理的位置にある必要がないという事実を示唆するために使用してきた。特定の実施形態によれば、リモートコンピューティングデバイス106が、使用者及び薬物送達デバイス102とは異なる地理的位置、例えば異なる都市、州または国に位置する可能性があり、その見込みが高いことさえある。
【0054】
ローカルコンピューティングデバイス104及びリモートコンピューティングデバイス106は、各々薬物送達デバイス102とは別個で、かつそれから離間しており、したがって、各々は薬物送達デバイス102に対して「外部コンピューティングデバイス」であると考えることができる。
【0055】
図2~
図5に移ると、薬物送達デバイス10が提示されている。薬物送達デバイス10は、自動注射器の形態であってもよく、したがって、手持ち式で使用したり、患者の皮膚に対して適用したりするように構成できる。薬物送達デバイス10は、
図1に関連して上述した薬物送達デバイス102と同じ構成要素を一部または全部含むことができる。薬物送達デバイス10は、ハウジング11を含むことができ、これは送達カニューレを患者の体内に導入し、薬物または薬剤をリザーバから送達カニューレを通して患者の体内に放出する薬物送達組立体などの組立体または構造体が配置されるシェルを画定する。また、薬物送達デバイス10はアクチュエータを含んでもよく、これはハウジング11の近位端に配置され、患者が押し下げて、プランジャが薬剤をリザーバから送達カニューレを通って患者の体内に放出するようにさせる駆動部を作動させるように構成できる。
【0056】
薬物送達デバイス10は、ハウジング11の遠位端に取り外し可能に取り付けられる信号伝達キャップ30をさらに含むことができる。また、薬物送達デバイス10は、電子構成要素33、
図5Bに示しているような電源35、及びスイッチ組立体40を含むことができ、これらの各々は、信号伝達キャップ30に少なくとも一部が配置されてもよい。電源35は、電子構成要素33に選択的に給電するために使用される。任意の数の電子構成要素33を使用でき、また
図1に関して先に述べた構成要素の任意の組み合わせを含むことができることが理解される。例えば、制御部150、メモリ172、プロセッサ170、通信モジュール152(例えば、Bluetoothモジュール、Bluetooth Low Energyモジュールなど)、皮膚センサ162、方位センサ164、指紋センサ165、温度センサ160、出力ユニット147、及び/または入力ユニット148は、信号伝達キャップ30内に収容されてもよい(例えば、埋め込まれていてもよい)。電子構成要素33は、薬物送達デバイスの状態及び動作状態の少なくとも1つを表すデータ生成でき、さらにそのデータを処理ユニットに送信することができる。
【0057】
信号伝達キャップ30はまた、薬物送達デバイス10の使用前に、ハウジング11内の送達カニューレ及び他の要素の汚染のリスクを低減する取り外し可能な無菌バリアとしても機能することができる。信号伝達キャップ30は、管状部材32と、管状部材32の開いた端部を覆う蓋部材31により形成できる。いくつかの例で、管状部材32と蓋部材31は、単一の構造に一体的に形成している場合があり、あるいは互いに接着または機械的に相互接続される別個の構成要素として形成している場合がある。
【0058】
管状部材32は、ハウジング11の遠位端及び/または送達カニューレの遠位端(図示せず)の周りに配置(例えば包囲)して、信号伝達キャップ30をハウジング11に取り外し可能に取り付けることができる。
図3に示しているように、管状部材32は、ハウジング11の遠位端の上に2つの相互係合する略C字形部材を取り付けることによって組み立てることができる。いくつかの実施形態において、信号伝達キャップ30は、ハウジング11の遠位端との干渉またはスナップフィットを形成できる。干渉またはスナップフィットに関連する摩擦力は、信号伝達キャップ30をハウジング11から離れるように遠位方向に手で引っ張ることにより克服することができる。干渉またはスナップフィットは、ハウジング11の遠位端の外径よりわずかに小さく管状部材32の内径を構成することによって形成することができる。別法として、または加えて、管状部材32は、管状部材32をハウジング11の遠位端に接続し、信号伝達キャップ30をハウジング11から離れるように引っ張るときに患者が壊したり引き裂いたりし得る、裂くことのできるまたは脆弱な部材(図示せず)を有してもよい。管状部材32は、複数の外側に突出するリブ32aをさらに含むことができ、これは患者が管状部材32をハウジング11から取り外すために管状部材32を把持するのを補助するように設計される。リブ32aは、平均的な把持力がない高齢者や障害者の患者に有用であり得る。
【0059】
蓋部材31は、管状部材32の遠位端に固定されても、管状部材32の遠位端に形成された開口部を完全に覆ってもよい。蓋部材31の遠位端の面は平坦にしてもよく、その結果薬物送達デバイス10は、落下することなく直立した形態で平坦な表面に配置することができる。また、蓋部材31の外周部は、管状部材32の外周部より幅広であってもよく、蓋部材31と管状部材32との接触面に、棚部または張出し32bを形成するようにする。この棚部32bは信号伝達キャップ30をハウジング11から引き離そうとするときに、患者の指が蓋部材31で滑るのを防ぐよう促すことができる。
【0060】
ハウジング11が円形の横断面を有し、その結果、丸みを帯びた外側面を有し得るので、薬物送達デバイス10は、その側面が接するようにして置いたときに、意図せずに表面を回動しやすくなっている可能性がある。側面が接するように置いたときに薬物送達デバイス10が表面を回動するのを抑制または防止するために、管状部材32及び/または蓋部材31は、少なくとも1つの回動抑制外側面を備えて形成することができる。少なくとも1つの回動抑制外側面は、管状部材32の近位端と遠位端との間及び/または蓋部材31の近位端と遠位端との間に延在することができる。管状部材32及び/または蓋部材31の少なくとも1つの回動抑制外側面は、薬物送達デバイス10の長手軸Aに平行であってもよく、及び/または蓋部材31の遠位端の面に垂直であってもよい。
【0061】
図2~
図4に示す実施形態で、管状部材32は、3つの平坦な外側面によって形成された三角形の断面を有し、蓋部材31は、3つの平坦な外側面を形成する三角形の断面を有する。本明細書に記載される断面は、薬物送達デバイス10の長手軸Aに垂直な断面である。平坦な外側面の各々は、回動抑制外側面の例である。これは、個々の平坦な外側面が支持面に載っているときに、信号伝達キャップ30及び/または薬物送達デバイス10が支持面を転がるのを抑制する(例えば、防止する)ように、平坦な外側面の各々が構成されているからである。
【0062】
本明細書で使用する場合、「平担」という用語は、平らまたは実質的に平らであることを意味すると定義される。
図2~
図5に示すように、平担な外側面の各々は、外側に向かってバルーンを形成し、したがって、わずかな曲率を有する。平担な外側面は正確には平らではないが、それにもかかわらず実質的に平らであり、したがって本開示の原理に従って「平担」であると考えられる。別の実施形態では、1つ以上の平らな外側面は、曲率を持たないように完全に平らであってもよい。平坦な外側面が平らな構成を有するか、実質的に平らな構成を有するかに関わらず、平坦な外側面は、信号伝達キャップ30及び/または薬物送達デバイス10の回動を抑制(例えば防止)できるようにし得る。
【0063】
信号伝達キャップ30の回動減少機能は、管状部材32及び/または蓋部材31の様々な異なる形状及びサイズによって達成され得る。いくつかの実施形態で、管状部材32のみ、または蓋部材31のみが、三角形の断面を有していてもよい。管状部材32及び/または蓋部材31の他の断面形状は、半球、正方形、長方形、五角形、六角形、または任意の他の多角形を含むが、これらに限定されず、回動を防止または抑制することができる。また、管状部材32及び/または蓋部材31の1つまたは複数の平坦な外側面によって形成される頂点または角は丸くすることができ、信号伝達キャップ30を把持している間に頂点または角が患者に傷害または痛みを生じさせる可能性がないようにする。
図2~
図4に示す信号伝達キャップ30の特定の形状は、機能によって規定されない美的特徴であることに留意されたい。
【0064】
代替の実施形態では、薬物送達デバイス10は、信号伝達キャップ30とは別の、リザーバに直接取り付けられ、送達カニューレを取り囲む第2の取り外し可能な無菌バリア(図示せず)を含むことができる。このような実施形態では、信号伝達キャップ30は、第2の取り外し可能な無菌バリアを覆い、及び/または取り囲むことができる。
【0065】
信号伝達キャップ30は、単一の1回の使用のために、または複数回の使用のために設計することができる。信号伝達キャップ30の実施形態は、各C字形部材をハウジング11の遠位端の周りに別個に嵌め込み、次にC字形部材を接着剤で一緒に固定することによって組み立てることができる。代替の実施形態(図示せず)では、C字形部材をクラムシェル構成で一緒にヒンジ連結することができる。そのような代替の実施形態では、信号伝達キャップ30をハウジング11から取り外した後、クラムシェルのようにC字形部材を開き、次いでそれらをハウジング11の遠位端の周りに嵌合させることにより、信号伝達キャップ30をハウジング11(または別の薬物送達デバイスのハウジング)に再度取り付けることが可能であり得る。C字形部材の非ヒンジ式端部は、ロック機構(例えば、嵌合するロック式のタブ及び/またはスロット)を含むことができ、これにより、C字形部材は、ハウジング11の周りに固定した後に互いに固定することができる。信号伝達キャップ30の再使用可能な構成によって、かなりのコスト節約を実現することができる。なぜなら、信号伝達キャップ30に搭載された電子構成要素(複数可)33が2度以上使用できるからである。さらに別の実施形態では、信号伝達キャップ30を一体に製造し、次いで薬物送達デバイス10のハウジング11上に軸方向に設置することができる。
【0066】
図6A及び
図6Bに示すように、薬物送達組立体10は、ハウジング11の内面と係合し、ハウジング11に対して少なくとも第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間で移動可能なガード14を含む。ガード14は、カニューレとの外部接触を少なくとも一部制限するよう適合される。一例では、ガード14は、ハウジング11の内面に配置された溝12に係合する外面から延びる突起15を含む。この溝12は、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置で突起15(したがって、ガード14も)を維持する、第1の停止部12aを画定する第1のセクションと、第2の停止部12bを画定する第2のセクションと、第3の停止部12cを画定する第3のセクションとを含み得る。第1のセクションは、第1の停止部12aに近接する実質的に軸方向の部分と、第2の停止部12bに近接する傾斜している部分とを含むことができる。第2のセクションは、第2の停止部12bと第3の停止部12cとの間で実質的に軸方向に延びている。また、第3のセクションは、傾斜している部分及び実質的な軸方向部分を含むことができる。ハウジング11内にばね17を配置してもよく、これは棚部17と接触してガード14に対して力を作用させる。
【0067】
先に述べたように、ガード14は、ハウジング11に対して第1の位置、第2の位置、及び第3の位置に摺動可能に移動することができる。ガード14が第1の位置にあるとき、その近位端14aは、カニューレの先端よりわずかに長い長さに延びている。さらに、この第1の位置では、突起15は第1の停止部12aに位置しており、そのためばね16がガード14をさらに軸方向に移動することが制限される。
【0068】
使用者が薬物送達デバイス10内の薬物を投与することを望むとき(デバイス10が薬物を投与するのに必要な状態になっていると仮定して)、使用者は、ガード14の近位端14aを皮膚に押し付けて、ばね16が圧縮し始め、それによってガード14がハウジング11の中に移動し、カニューレが露出して皮膚の表面を貫くまで、押し込み続けることができる。この間に、突起15は溝を横切って第2の停止部12bと接触し、それがガード14の移動を制限し、カニューレが使用者にさらに挿入されるのを制限する。突起15が溝12の第2の停止部12bに接触するとき、ガード14は第2の位置にある。
【0069】
薬物の投与が完了すると、使用者はカニューレを身体から取り外し、ばね16が伸長する。次いで、突起15は、溝12の第2のセクションと第3のセクションを横切り、最終的に第3の停止部12cに接触する。その結果、突起15は第2の留め部に維持され、それによってガード14の横方向の移動が制限される。その結果、ガード14は、「拡張した」第3の位置に維持される。この状態ではカニューレが露出せず、むしろガード14に対して凹んだ状態にある。
【0070】
いくつかの例で、ガード14の表面に溝を設けても、ハウジング11が突起14を含んでもよいことが理解される。このような構成では、ハウジング11とガード14との間の摺動式の移動は維持されている。さらに、ハウジング11及びガード14には、任意の数の溝及び対応する突起が設けられてもよいことが理解される。付加的な溝及び突起を使用することにより、摺動での移動時のさらなる安定性が得られる。
【0071】
さらに、
図23に示すように、いくつかの例では、ガード2314は、その長手方向の長さに沿って異なる位置に配置された複数の突起2315a、2315bを含むことができる。これらの突起2315a、2315bは、ガード2314の傾斜した2314a部分と係合して突起に接触し、ガード2314のハウジング2311に対する移動を制限することができる。ガード2314を拡張位置に付勢するために、任意の数の安全ばね2316を使用できる。
【0072】
第1の位置では、第1の突起2315aは傾斜領域2314aに隣接して配置され、その結果、それらの間の摩擦による相互作用に起因して、ガード2314をこのような構成で静止させる。ガード2314が静止位置にあるとき、安全ばね2316によって及ばされるばねの力は、第1の突起2315aが傾斜領域2314aを越えるように付勢するには不十分である。薬物を投与すると、安全ばね2316またはばねは、デバイス2310が使用者から取り外されるまで圧縮する。圧縮によって生成されたばねの力は、ガード2314をハウジング2311に対して延ばすように付勢するのに十分である。その時、第1の突起2315aは前進して傾斜領域2314aを越え、第2の突起2315bが傾斜領域2314aと摩擦係合するまたはそれを捕らえるよう適合される。その結果、ガード2314は、カニューレが露出していない拡張構成で位置決めされる。ハウジング2311はまた、第1の突起2315aがハウジング2311の端部を移動して越え得ることを確実にする、ハウジング2133の切り欠き部を含む材料逃がし部2314bを含むことができる。デバイス2310はハウジング2311の周囲に配置されたこれらの任意の数の構成要素を含み得るということが理解されよう。他の例も可能である。
【0073】
図7~
図12bに移ると、例示的なキャップ組立体が本明細書で説明されている。キャップ組立体は、本明細書に記載された例示的な組立体及び構成要素のいずれかと共に使用できることが理解される。概して、スイッチ組立体40は、信号伝達キャップ30がハウジング11から取り外されたときに電源35に電子構成要素33に給電させ、信号伝達キャップ30がハウジング11に連結されてガード14が第1の位置にあるときに、電源35が電子構成要素33に給電することを制限し、信号伝達キャップ30がハウジング11に連結されてガード14が第3の位置にあるとき、電源35に電子構成要素33に給電させるよう適合される。
【0074】
スイッチ組立体40は、信号伝達キャップ30に配置され、電子構成要素33に連結されるスイッチ41を含むことができる。スイッチ41は、作動位置と作動停止位置との間を移動可能であり、作動位置にあるときに電源35に電子構成要素33に給電させる。スイッチ41は、スイッチ41を必要に応じて作動停止位置または作動位置のいずれかに付勢する弾性材料で構成することができ、または弾性材料を含むことができる。スイッチ41は、例えば
図5Aに示すような電子構成要素35の上面、または
図5Bに示すような電子構成要素35の下面など、電子構成要素33に対して任意の数の位置に配置できることが理解される。スイッチ組立体40はさらに、ばね式レバー42を含む。ばね式レバー42の少なくとも一部は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。
【0075】
信号伝達キャップ30がハウジング11に連結され、ガード14が第1の位置にあるとき、ハウジング11の一部はばね式レバー42に接触し、ばね式レバー42を第1の位置に移動または付勢する。この第1の位置において、ばね式レバーは、スイッチを作動停止位置に付勢する。信号伝達キャップ30がハウジング11に連結され、ガード14が第3の位置を占めるとき、ばね式レバー42は第1の位置の外側にあり、そのためスイッチ41が作動位置を占める。信号伝達キャップ30及びその中に配置された構成要素をハウジング11から取り外しているとき、ばね式レバー41は薬物送達デバイス10と接触しないままで、第2の位置を占め、そのためスイッチ41が作動位置を占める。信号伝達キャップ30がハウジングに連結され、ガードが第3の位置を占めるとき、ばね式レバーはまた、第2の位置を占め、そのためスイッチ41が作動位置を占めることができることが理解される。
【0076】
図7~
図12Bに示すばね式レバー42は回転可能であり、第1のセクション43と、第1のセクション43から延びる第2のセクション44とを含む。第2のセクション44は、スイッチ係合領域45aを有する第1の長さ部45と、第1の長さ部45と共に実質的にU字形のセクションを形成する第2の長さ部46とを含む。言い換えれば、第2のセクション44の第2の長さ部46は、第1の長さ部45に引き返してから第1のセクション43に向かって延びる。第1の長さ部45及び第2の長さ部46は、任意の数の形状または構成を形成し得ることが理解される。ばね式レバー42は、第1の構成と第2の構成との間で回転するようにキャップ組立体30の一部と係合する回転式連結部47を含む。ばね式レバー42は、中実の単一部材であってもよく、または任意の数の一般的に公知の手法を用いて互いに連結された複数のセクションを含んでもよい。ばね式レバー42は、弾性部分を含むことができ、また剛性部分も含むことができる。
【0077】
ばね式レバー42は、信号伝達キャップ30に配置され、それによって、回転式連結部47が信号伝達キャップの延長部36と係合し、信号伝達キャップ30のばね式レバー42を維持し、第1の構成と第2の構成との間の回転を可能にする。ばね式レバー42が第1の構成に回転するとき、スイッチ係合領域45はスイッチ41に接触せず、それによって作動停止位置に位置決めされ、したがって電子構成要素33は給電されないままである。ばね式レバー42が第2の構成に回転するとき、スイッチ係合領域45がスイッチ41に接触し、それによって作動位置に位置決めされ、そのため電子構成要素33は給電される。
【0078】
図8、
図9A及び
図9Bに移り、信号伝達キャップ30へのデバイス10の連結について説明する。信号伝達キャップ30は、デバイス10を信号伝達キャップ30に固定する針シールドリムーバ18と係合するように設計された任意の数の突起32aを含む。針シールドリムーバ18の外側棚部またはフランジ18aは、タブ32aの下の領域に係合するよう適合され、その結果信号伝達キャップ30がハウジング11から取り外されたとき、針シールドリムーバ18が信号伝達キャップ30に配置されたままであり、その一方でデバイス10の残りの部分がそこから外されている。デバイス10が最初に信号伝達キャップ30に連結されるとき、針シールドリムーバ18の下面18bがばね式レバー42の第2の長さ部46に接触して、ばね式レバー42を第2の構成に付勢する力を及ぼす。
【0079】
図9Bに示すように、ハウジング11の外面11aは、第1のセクション43の屈曲部43aと接触し、第1のセクション43に力を及ぼす。ハウジング11によって及ぼされるこの力は、針シールドリムーバ18により及ぼされる力より大きく、そのためばね式レバー42は、スイッチ係合領域45aがスイッチ41と係合していない第1の構成に強制的に回転し、それによってスイッチ41を作動停止位置に位置決めする。前述したように、この構成は、電子構成要素33を非給電状態にする。
【0080】
図10に示すように、信号伝達キャップ30は、薬物を投与する目的でデバイス10から取り外される過程にある。この過程の間、ばね式レバー42の第1のセクション43はハウジング11または装置の任意の他の部分に接触せず、したがって針シールドリムーバ18によって及ぼされる力が、ばね式レバー42の第2の長さ部46を延長部36の周りで回転させて第2の構成にし、それによってスイッチ係合領域45aがスイッチ41に係合し、それによってスイッチ41を作動構成に位置決めし、電源35に電子構成要素33に給電させる。
【0081】
図11A及び
図11Bに示すように、使用者が現時点で薬物を投与するのは望まないと決断する場合、信号伝達キャップ30をデバイス10上にリキャップすることができる。これが生じるとき、ハウジング11の外面11aが再びばね式レバー42の屈曲部43aに接触し、それによってばね式レバー42に力を及ぼし、それがばね式レバー42を第1の構成に配置されるまで延長部36の周りに回転させ、それによりスイッチ41を作動停止位置に位置決めする。前述したように、この構成は、電子構成要素33を非給電状態にする。その結果、電源35の消耗はなく、必要に応じて電子構成要素33に給電する態勢が整う。
【0082】
図12A及び
図12Bに示すように、使用者は再び信号伝達キャップ30を取り外して、デバイス10に含まれる薬物を投与し終える。先に説明したように、ガード14は今や第3の位置に配置されている。ガード14が延びることに起因して、ハウジング11の外面11aは、ばね式レバー42を第1の構成に付勢するのに十分な力を発生させる様式でばね式レバー42に接触することがないようになっている。一実施形態では、ガード14aの外面は、ばね式レバー42の屈曲部43aと接触してもよい。あるいは、ガード14は、ばね式レバー42にまったく接触しなくてもよい。ばね式レバー42がガード14に接触するか空隙領域に位置するかに関わらず、針シールドリムーバ18によって及ぼされる力は第1のセクション43に対するいかなる力をも克服するのに十分な大きさであり、したがってばね式レバー42を第2の構成に付勢し、それによってスイッチ係合領域45aがスイッチ41に係合し、それによってスイッチ41を作動構成に位置決めし、それにより電源35が電子構成要素33に給電する。その結果、電子構成要素33は、必要に応じて感知、データの記憶及び/または送信のため動作し続けることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、ばね式レバー42の第1のセクション43は、屈曲部を含まなくてもよく、むしろハウジング11の一部と接触する内側に略テーパ状の領域を含んでもよいことが理解される。さらに、ハウジング11は、デバイス10と信号伝達キャップ30との間の円滑な連結プロセスを作り出す、略テーパ状の端部を有することもできる。他の例及び/または構成も可能である。
【0084】
図13~
図17に移り、代替の信号伝達キャップ組立体300を提示する。前に説明したものと同様の特徴及び/または要素は、以前に提示したものと同様の2桁の添え字を含み、機能が類似することに起因して、簡潔さのために完全には記載しないことが理解される。例えば、信号伝達キャップ組立体は、前述の信号伝達キャップ30と類似性を有する信号伝達キャップ330を含む。信号伝達キャップ組立体300は、キャップ本体及び開口部を画定する信号伝達キャップ330、信号伝達キャップ330に少なくとも一部が配置される電子構成要素333、信号伝達キャップ330に少なくとも一部が配置される電源335、信号伝達キャップ330に少なくとも一部が配置されるスイッチ341、及び信号伝達キャップ330に少なくとも一部が配置されるばね式レバー342とを含む。スイッチ341は、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるとき電源に電子構成要素333に給電させる。ばね式レバー342は、キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部343aを形成する第1の部分343と、スイッチ係合領域344aを有する第2の部分344とを含む。
【0085】
一例では、ばね式レバー342は、蓋部材331と管状部材332との間に連結領域347を配置することによって、信号伝達キャップ30に連結される。蓋部材331または管状部材332のいずれか一方は、連結領域347に形成された孔347aと係合する突起を含み得る。ばね式レバー342を固定するために、任意の数の連結装置及び/または構成要素を使用できることが理解される。
【0086】
この構成では、ばね式レバー342は、第1の部分343を内向きに延ばすように付勢されている。その結果、針シールドガード318は、ばね式レバー342を一構成に付勢する力を作り出さない。
【0087】
図14に示すように、デバイス310を信号伝達キャップ330に連結するとき、ばね式レバー342の第1の部分343がハウジング311の外面311aに接触し、それによって第1の力を発生させ、この力がばね式レバー342の第1の部分343を管状部材332に向けて付勢する。この力は、キャップ壁に向かうように及ぼされる半径方向の力であってよく、それによって第1の部分343を圧迫し、屈曲部343aを延ばし、第2の部分344のスイッチ係合領域344aがスイッチ341を係合解除する。スイッチ341の係合を解除すると、スイッチは作動停止位置に位置決めされる。この構成は、電子構成要素333を非給電状態にする。
【0088】
図15に示すように、信号伝達キャップ330は、薬物を投与する目的でデバイス310から取り外される過程にある。この過程の間、ばね式レバー342の第1の部分343は、ハウジング311またはデバイスの任意の他の部分と接触せず、したがって、第1の部分343は屈曲した形態にある。この屈曲した構成は、スイッチ係合領域344aをスイッチ341に係合させ、それによってスイッチ341を作動構成に位置決めし、それにより電源335に電子構成要素333に給電させる。
【0089】
図16A及び
図16Bに示すように、使用者が現時点で薬剤を投与するのは望まないと決断する場合、信号伝達キャップ330をデバイス310上にリキャップすることができる。これが生じるとき、ハウジング311の外面311aは再びばね式レバー342の屈曲部343aに接触し、それによってばね式レバー342に力を及ぼし、それがばね式レバー342を延ばし、それがひいては第2の部分344のスイッチ係合領域344aがスイッチ341を係合解除させ、それによりスイッチ341を作動停止位置に位置決めする。前述したように、この構成は、電子構成要素333を非給電状態にする。その結果、電源335の消耗はなく、必要に応じて電子構成要素333に給電する態勢が整う。
【0090】
図17に示すように、使用者は、再び信号伝達キャップ330を取り外し、デバイス310に含まれる薬物を投与し、信号伝達キャップ330をデバイス310に戻す。前に説明したように、ガード314は今や第3の位置に配置されている。ハウジング311に対してガード314が延びることに起因して、ハウジング311の外面311aは、ばね式レバー342を延ばすのに十分な力を発生させる様式でばね式レバー342に接触することがないようになっている。一実施形態では、ガード314aの外面は、ばね式レバー342の屈曲部343aと接触して第2の力を発生させることができる。この第2の力は第1の力よりも小さく、このことは第1の部分343がスイッチ係合領域345をスイッチ341から係合解除するほどには延びないことを意味する。あるいは、ガード314はばね式レバー342にまったく接触しない。ばね式レバー342がガード314に接触するか空隙領域に位置するかに関わらず、第1の部分343のプレテンションがかけられた構成は、この構成で経験されるいずれの外向きの力にも打ち勝てるほどの高い力を有し、したがって、スイッチ係合領域344aは、スイッチ341に係合し、それによってスイッチ341を作動構成に位置決めし、それにより電源335に電子構成要素333に給電させる。結果として、電子構成要素333は、必要に応じて感知、データの記憶及び/または送信のため動作し続けることができる。
【0091】
図18~22に移り、別の信号伝達キャップ組立体400を提示する。前に説明したものと同様の特徴及び/または要素は、以前に提示したものと同様の2桁の添え字を含み、機能が類似することに起因して、簡潔さのために完全には記載しないことが理解される。例えば、信号伝達キャップ組立体は、前述した信号伝達キャップ30と類似性を有する信号伝達キャップ430を含む。信号伝達キャップ組立体400は、キャップ本体及び開口部を画定する信号伝達キャップ430と、信号伝達キャップ430に少なくとも一部が配置される電子構成要素433と、信号伝達キャップ430に少なくとも一部が配置される電源435と、信号伝達キャップ430に少なくとも一部が配置されるスイッチ441と、信号伝達キャップ430に少なくとも一部が配置されるばね式レバー442とを含む。スイッチ441は、作動位置と作動停止位置との間で移動可能であり、作動位置にあるとき電源に電子構成要素433に給電させる。
【0092】
ばね式レバー442は、第1の構成と第2の構成との間で回転可能であり、キャップ本体から離れるように半径方向に延びる屈曲部443aを形成する第1の構成要素443と、第1の構成要素の係合領域443bと第2の構成要素444の係合領域444bとを介して第1の構成要素に摺動可能に係合する第2の構成要素444とを含む。第2の構成要素444は、第1の構成要素443に対して傾斜して位置決めされ、さらにスイッチ係合領域444aを有する。一例では、第1の構成要素443及び第2の構成要素444は、互いに対してほぼ垂直に配置されるが、第1の構成要素443及び第2の構成要素444は、90°より大きいか90°より小さい相対的な角度で配置され得ることが理解される。第2の構成要素444はさらに、休止位置においてスイッチ係合領域444aがキャップ本体の表面から離れて配置されるように、それにプレテンション力が加えられる。
【0093】
一例では、ばね式レバー442は、管状部材432の延長部436を第1の構成要素443に配置した回転式連結部447に係合させることによって、信号伝達キャップ430に回転可能に連結される。この連結は、第1の構成と第2の構成との間の回転を可能にしながら、信号伝達キャップ430にばね式レバー442を維持する。したがって、第1の係合領域443bは、略半径方向に移動することができる。さらに、第2の構成要素444は、蓋部材431と電子構成要素433及び/またはバッテリ435との間に第2の構成要素444の一部を楔で留めることによって、蓋部材431に連結または係合することができる。このように構成すると、第2の係合領域444bは、略軸方向に移動できる。他の例も可能である。
【0094】
ばね式レバー442が第1の構成に回転するとき、係合領域443b、444bが接触し、それによって第2の構成要素444がスイッチ441から離れるように付勢される。換言すると、スイッチ係合領域445は、スイッチ441と接触せず、それによって、作動停止位置に位置決めされ、したがって、電子構成要素433は、給電されないままである。ばね式レバー442が第2の構成に回転されるとき、第1の構成要素443の係合領域443bは、第2の構成要素の係合領域444bから離れるように係合領域443b、444bが接触しない点まで回転し、それによって第2の構成要素444はプレテンション状態に移動することができる。その結果、スイッチ係合領域445はスイッチ441に接触し、それは作動位置に位置決めされ、したがって、電子構成要素433が給電する。
【0095】
この構成では、ばね式レバー442の第2の構成要素444は、スイッチ係合領域444aがスイッチ441に係合するように付勢される。針シールドガード418は、ばね式レバー442を特定の構成に付勢する力を生成しない。
【0096】
図19に示すように、デバイス410が信号伝達キャップ430に連結されるとき、ばね式レバー342の第1の構成要素443がハウジング411の外面411aに接触し、それによって第1の構成要素443に力が発生する。このハウジング411により及ぼされる力は第2の構成要素444のプレテンション力より大きく、したがってばね式レバー442は、第1の構成に回転するように強制され、スイッチ係合領域445aがスイッチ441と係合せず、それによりスイッチ441を作動停止位置に位置決めする。前述したように、この構成は、電子構成要素433を非給電状態にする。
【0097】
図20A及び
図20Bに示すように、信号伝達キャップ430は、薬物を投与する目的でデバイス410から取り外される過程にある。この過程の間、ばね式レバー442の第1の構成要素443は、ハウジング411またはデバイスの他の任意の部分に接触せず、したがって、第2の構成要素444は、第1の構成要素443を付勢して、係合領域443b、444bを係合解除する。第1の構成要素443と第2の構成要素444との間のこの係合解除構成は、スイッチ係合領域444aをスイッチ441に係合させ、それによってスイッチ441を作動構成に位置決めし、それにより電源435に電子構成要素433に給電させる。
【0098】
図21A及び
図21Bに示すように、使用者が現時点で薬物を投与するのは望まないと決断する場合、信号伝達キャップ430をデバイス410上にリキャップすることができる。これが生じるとき、ハウジング411の外面411aは再び、ばね式レバー442の屈曲部443aと接触し、それによってばね式レバー442に力を及ぼして第1の構成要素443を回転させて、係合領域443b、444bが互いに係合し、第2の構成要素444のスイッチ係合領域444aに強制的にスイッチ441を係合解除させ、それによってスイッチ441を作動停止位置に位置決めする。前述したように、この構成は、電子構成要素433を非給電状態にする。その結果、電源435の消耗はなく、必要に応じて電子構成要素433に給電する態勢が整う。
【0099】
図22に示すように、使用者は再び信号伝達キャップ430を取り外し、デバイス410に含まれる薬物を投与し、信号伝達キャップ430をデバイス410に戻す。先に説明したように、ガード414は今や第3の位置に配置されている。ハウジング411に対してガード414が延びることに起因して、ハウジング411の外面411aは、係合領域443b、444bを互いに係合させるのに十分な力を発生させる様式でばね式レバー442に接触することがないようになっている。一実施形態では、ガード414aの外面は、ばね式レバー442の屈曲部443aと接触して第2の力を発生させることができる。しかし、第1の構成要素443に及ぼされる力は、第2の構成要素444のプレテンション力よりも小さく、したがって、ばね式レバー442は、係合している部分に留まる。あるいは、ガード414は、ばね式レバー442にまったく接触していなくてもよい。ばね式レバー442がガード414に接触するか空隙領域に位置するかに関わらず、第2の構成要素444のプレテンション力は、第1の構成要素443に及ぼされるいかなる外向きの力にも打ち勝てるほどに大きく、したがってスイッチ係合領域444aはスイッチ441と係合して、それによってスイッチ441を作動構成に位置決めし、それにより電源435に電子構成要素433に給電させる。その結果、電子構成要素433は、必要に応じて感知、データの記憶及び/または送信のため動作し続けることができる。
【0100】
当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に関して広範な変更、改変を行うこと、及び組み合わせを作ることができ、そのような変更、改変、及び組み合わせは、本発明の概念の範囲内にあるとみなすことができることを認識されよう。
【0101】
上記の説明は、薬物送達デバイスと共に使用するための様々なシステム及び方法を記載している。システム、薬物送達デバイスまたは方法は、以下の列挙がすべて包含的であるとも、限定的であるともみなされるべきではないことを警告しながら、以下に列挙される薬剤の使用をさらに含むことができることが明らかなはずである。薬剤はリザーバに収容される。いくつかの例では、リザーバは、薬剤での処置のために充填されているか、プレフィルドの主要な容器である。主要な容器は、カートリッジまたはプレフィルドのシリンジであり得る。
【0102】
例えば、薬物送達デバイスまたはより具体的にはデバイスのリザーバは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子で充填してもよい。そのようなG-CSF剤には、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されない。様々な他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体または凍結乾燥形態であり得る、赤血球生成促進剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用できる。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、エポエチンデルタなどの赤血球形成を刺激する任意の分子ならびに、その各々が、参照により全体が本明細書に組み入れられる、以下の特許または特許出願に開示されている分子、またはそれらの変異体または類似体:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,986,047号;第6,583,272号;第7,084,245号;及び第7,271,689号;ならびにPCT公報WO91/05867;WO95/05465;WO96/40772;WO00/24893;WO01/81405;及びWO2007/136752。
【0103】
ESAは、赤血球生成促進タンパク質であり得る。本明細書で使用される場合、「赤血球生成促進タンパク質」は、例えば、受容体との結合及び二量体化を引き起こすことによって、直接または間接的にエリスロポエチン受容体の作動を引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球生成促進タンパク質は、エリスロポエチン、及びエリスロポエチン受容体に結合してこれを活性化するその変異体、類似体、または誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し受容体を活性化する抗体;またはエリスロポエチン受容体に結合してこれを活性化するペプチドを含む。エリスロポエチン生成促進タンパク質は、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ及びその類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/ヘマタイドを含む)、及び模倣抗体を含むがそれらに限定されない。例示的な赤血球生成促進タンパク質には、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及びエリスロポエチン受容体に結合して活性化させるペプチドまたは抗体(米国特許出願公開第2003/0215444号及び第2006/0040858号に報告されている化合物が含まれ、その各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、ならびに以下の特許または特許出願に開示されているようなエリスロポエチン分子またはその変異体または類似体が含まれ、各々は参照により全体が本明細書に組み入れられる:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,830,851号;第5,856,298号;第5,986,047号;第6,030,086号;第6,310,078号;第6,391,633号;第6,583,272号;第6,586,398号;第6,900,292号;第6,750,369号;第7,030,226号;第7,084,245号;及び第7,217,689号;米国特許出願公開第2002/0155998号;第2003/0077753号;第2003/0082749号;第2003/0143202号;第2004/0009902号;第2004/0071694号;第2004/0091961号;第2004/0143857号;第2004/0157293号;第2004/0175379号;第2004/0175824号;第2004/0229318号;第2004/0248815号;第2004/0266690号;第2005/0019914号;第2005/0026834号;第2005/0096461号;第2005/0107297号;第2005/0107591号;第2005/0124045号;第2005/0124564号;第2005/0137329号;第2005/0142642号;第2005/0143292号;第2005/0153879号;第2005/0158822号;第2005/0158832号;第2005/0170457号;第2005/0181359号;第2005/0181482号;第2005/0192211号;第2005/0202538号;第2005/0227289号;第2005/0244409号;第2006/0088906号;及び第2006/0111279号;ならびにPCT公報WO91/05867;WO95/05465;WO99/66054;WO00/24893;WO01/81405;WO00/61637;WO01/36489;WO02/014356;WO02/19963;WO02/20034;WO02/49673;WO02/085940;WO03/029291;WO2003/055526;WO2003/084477;WO2003/094858;WO2004/002417;WO2004/002424;WO2004/009627;WO2004/024761;WO2004/033651;WO2004/035603;WO2004/043382;WO2004/101600;WO2004/101606;WO2004/101611;WO2004/106373;WO2004/018667;WO2005/001025;WO2005/001136;WO2005/021579;WO2005/025606;WO2005/032460;WO2005/051327;WO2005/063808;WO2005/063809;WO2005/070451;WO2005/081687;WO2005/084711;WO2005/103076;WO2005/100403;WO2005/092369;WO2006/50959;WO2006/02646;及びWO2006/29094。
【0104】
デバイスと共に使用するための他の医薬品の例には、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;他の生物学的作用物質、例えばEnbrel(登録商標)、(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム);Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬を含み得るが、これらに限定されない。デバイスはまた、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、または他の化学物質、例えば鉄、例えばフェルモキシトール、デキストラン鉄、グルコン酸第二鉄、及びスクロース鉄と共に使用することもできる。医薬品は、液状の形態であっても、凍結乾燥形態から再構成させてもよい。
【0105】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合、断片、類似体、変異体または誘導体を含む、以下に示す特定のタンパク質がある:
【0106】
OPGL特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など(RANKL特異的抗体、ペプチボディなどとも称される)、例えば、完全ヒト化OPGL特異的抗体及びヒトOPGL特異的抗体、特に完全ヒト化モノクローナル抗体、限定されるものではないが、例えばPCT公報WO03/002713に記載されている抗体、その公報はOPGL特異的抗体及び抗体関連タンパク質、特にそこに記載された配列を有するもの、特に、限定されるものではないが、そこに記載されている9H7;18B2;2D8;2E11;16E1;及び22B3、例えば
図2においてそれに記載されている配列番号2の軽鎖及び/または
図4においてそれに記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異的抗体に関して、その全体が本明細書に組み込まれており、その各々は上記刊行物に開示されているものとしてその全体が参照により本明細書に個々に及び具体的に完全に組み込まれている;
【0107】
ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えばミオスタチン特異的ペプチボディ、特に米国特許出願公開第2004/0181033号及びPCT公報WO2004/058988に記載されているもの、これらはその全体が参照により本明細書に、特にミオスタチン特異的ペプチボディ、例えば限定されるものではないが、mTN8-19ファミリーのペプチボディ、例えば配列番号305~351、例えばTN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1及びTN8-19 con2のもの;配列番号357~383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384~409のmL15ファミリー;配列番号410~438のmL17ファミリー;配列番号439~446のmL20ファミリー;配列番号447~452のmL21ファミリー;配列番号453~454のmL24ファミリー;及び配列番号615~631のものに関連する部分において組み込まれ、これらの各々は、上記刊行物に開示されているものとして、その全体が完全に参照により本明細書に個々に及び具体的に組み込まれている;
【0108】
IL-4受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、特にIL-4及び/またはIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害するもの、例えばPCT公報WO2005/047331またはPCT出願PCT/US2004/37242号及び米国特許出願公開第2005/112694号に記載されているもの、それらはその全体が参照により本明細書に、特にIL-4受容体特異的抗体、特にその中に記載されているような抗体、特に及び非限定的にL1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1とそれで称されているものに関連する部分において組み込まれており、それらの各々は、先の刊行物に開示されているものとして、その全体が参照により本明細書に個々に及び具体的に完全に組み込まれている;
【0109】
インターロイキン1受容体1(「IL1-R1」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば限定するものではないが、米国特許出願公開第2004/097712号に記載されているもの、その公報は参照によりその全体が本明細書に、IL1-R1特異的結合タンパク質、モノクローナル抗体、特にとりわけ、非限定的に、その中で15CA、26F5、27F2、24E12及び10H7と称されるものに関連する部分において組み込まれ、これらの各々は、前述の刊行物に開示されているものとして、参照によりその全体が完全に本明細書に個々に及び具体的に組み込まれる;
【0110】
Ang2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが、PCT公報WO03/057134及び米国特許出願公開第2003/0229023号に記載されているもの、それらの各々は参照により本明細書に、特にAng2特異的抗体及びペプチボディなどに関する部分において、特にそれらに記載された配列のもの、例えば限定されるものではないが、L1(N);L1(N) WT;L1(N) 1K WT;2xL1(N);2xL1(N) WT;Con4 (N)、Con4 (N) 1K WT、2xCon4 (N) 1K;L1C;L1C 1K;2xL1C;Con4C;Con4C 1K;2xCon4C 1K;Con4-L1(N);Con4-L1C;TN-12-9(N);C17(N);TN8-8(N);TN8-14(N);Con 1(N)に関する部分において、その全体が組み込まれているもの、また例えば抗Ang2抗体及び処方物、例えばPCT公報WO2003/030833に記載されているもの、その全体は本明細書に参照によりそれに関して、特にAb526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;Abfe;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;及びAblPに関して組み込まれ、それらの中に記載されている様々な配列において、それらの各々は、先の刊行物に開示されているものとして、その全体が完全に本明細書に参照により個々に及び具体的に組み込まれる;
【0111】
NGF特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば特に、限定されるものではないが米国特許出願公開第2005/0074821号及び米国特許第6,919,426号に記載されているもの、それらはその全体が参照により本明細書に、特にNGF特異的抗体及びこの点における関連タンパク質、例えば特に、ただし限定されるものではなく、4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11とその中で称されるNGF特異的抗体に関して組み込まれ、その各々は前述の刊行物に開示されているものとして、その全体が完全に本明細書に参照により個々に及び具体的に組み込まれる;
【0112】
CD22特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば、米国特許第5,789,554号に記載されているもの、それはその全体が参照により本明細書に、CD22特異的抗体及び関連タンパク質、特にヒトCD22特異的抗体、例えば限定されるものではないが、ヒト化及び完全ヒト抗体、例えば限定されるものではないが、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体、特に例えば限定されるものではないが、ヒトCD22特異的IgG抗体、例えばヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に連結されるヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖ジスルフィドの二量体、例えば限定されるものではないがエプラツズマブ、CAS登録番号501423-23-0におけるヒトCD22特異的完全ヒト化抗体などに関して組み込まれる;
【0113】
IGF-1受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば、PCT公報WO06/069202に記載されているもの、それはその全体が参照により本明細書に、IGF-1受容体特異的抗体及び関連タンパク質、例えば限定されるものではないが、その中で、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52と称される、IGF-1受容体特異的抗体、及びIGF-1R結合断片とその誘導体に関して組み込まれ、その各々は先の刊行物に開示されているものとしてその全体が本明細書に完全に参照により個々に及び具体的に組み込まれている;
【0114】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的な例の中には、以下に記載されているものの各々及びすべてがある:
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号(2006年2月23日公開)、第2005/0008642号(2005年1月13日公開)、第2004/0222859号(2004年11月18日公開)、例えば限定されるものではないが、その中に記載されているものとして抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18などがある;
(ii)PCT公報WO06/138729(2006年12月28日公開)及びWO05/016970(2005年2月24日公開)、ならびにLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865、例えば限定されるものではないが、その中に記載されているものとして抗体2F8、A12及びIMC-A12がある;
(iii)PCT公報WO07/012614(2007年2月1日公開)、WO07/000328(2007年1月4日公開)、WO06/013472(2006年2月9日公開)、WO05/058967(2005年6月30日公開)、及びWO03/059951(2003年7月24日公開);
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906(2005年4月21日公開)、例えば限定されるものではないが、その中に記載されているものとして、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMがある;
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号(2005年11月10日公開)、第2005/0186203号(2005年8月25日公開)、第2004/0265307号(2004年12月30日公開)、及び第2003/0235582号(2003年12月25日公開)、ならびにMaloney et al.(2003),Cancer Res63:5073-5083、例えば限定されるものではないが、その中に記載されている、抗体EM164、リサーフェイスされたEM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3がある;
(vi)米国特許第7,037,498号(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408(2005年11月30日公開)、及び第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、ならびにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073、例えば抗体CP-751,871、例えば限定されるものではないがその中に記載されているものとして、ATCCアクセッション番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、及びPTA-2793を有するハイブリドーマによって産生される抗体、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3の各々がある;
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号(2005年6月23日公開)、及び第2004/0018191号(2004年1月29日公開)、例えば限定されるものではないがその中に記載されているものとして、抗体19D12、及びATCCにPTA-5214という番号で寄託された、プラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCにPTA-5220という番号で寄託されたプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体がある;及び
(viii)米国特許出願公開第2004/0202655号(2004年10月14日公開)、例えば限定されるものではないがその中に記載されているものとして、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5がある;その各々及び全体は特に、IGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質などに関して、その全体が参照により本明細書に組み込まれる;
【0115】
B-7関連タンパク質1特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、また文献ではB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも称されている)、特にB7RP特異的完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の第1免疫グロブリン様ドメインにおけるエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と、活性化されるT細胞のその自然の受容体ICOSとの相互作用を阻害するもの、特に、とりわけ、前述のすべての点において、米国特許出願公開第2008/0166352号及びPCT公報WO07/011941に開示されているもの、これらはそれらの全体が参照により本明細書に、そのような抗体及び関連タンパク質、例えば限定されるものではないがその中で以下のように称されている抗体16H(各々軽鎖可変配列の配列番号1及び重鎖可変配列の配列番号7を有する);5D(各々軽鎖可変配列の配列番号2及び重鎖可変配列の配列番号9を有する);2H(各々軽鎖可変配列の配列番号3及び重鎖可変配列の配列番号10を有する);43H(各々軽鎖可変配列の配列番号6及び重鎖可変配列の配列番号14を有する);41H(各々軽鎖可変配列の配列番号5及び重鎖可変配列の配列番号13を有する);及び15H(各々軽鎖可変配列の配列番号4及び重鎖可変配列の配列番号12を有する)に関して組み込まれ、これらの各々は、上記刊行物に開示されているものとしてその全体が完全に参照により本明細書に個々に及び具体的に組み込まれている;
【0116】
IL-15特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば特にヒト化モノクローナル抗体、特に米国特許出願公開第2003/0138421号;第2003/023586号;及び第2004/0071702号;及び米国特許第7,153,507号に開示されているものなどの抗体、これらの各々は、その全体が参照により、IL-15特異的抗体及び関連タンパク質、例えばペプチボディ、特に例えば限定されるものではないがHuMax IL-15抗体及び関連タンパク質、例えば146B7などに関して、本明細書に組み込まれている;
【0117】
IFNガンマ特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、特にヒトIFNγ特異的抗体、特に、完全ヒト抗IFNγ抗体、例えば米国特許出願公開第2005/0004353号に記載されているものなど、それはその全体が参照により本明細書に、IFNγ特異的抗体、特に、例えば1118;1118*;1119;1121;1121*とその中で称される抗体に関して組み込まれる。これらの抗体の各々の重鎖及び軽鎖の全配列、ならびにそれらの重鎖及び軽鎖可変領域及び相補性決定領域の配列は、各々、先の刊行物及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されているものとして、その全体が参照により完全に本明細書に個々に及び具体的に組み込まれている。さらに、上記の刊行物に提示されたこれらの抗体の特性の記述はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の抗体は、上記の刊行物に開示されるものとして、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの;配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの;及び配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものを含む。企図されている特定の抗体は、上記の米国公報に開示されているような抗体1119であり、それはその中に開示されているものとして配列番号17の完全な重鎖を有し、その中に開示されているものとして配列番号18の完全な軽鎖を有する。
【0118】
TALL-1特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、及び他のTALL特異的結合タンパク質、例えば米国特許出願公開第2003/0195156号及び第2006/0135431号に記載されているもの、その各々はTALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関してその全体が参照により本明細書に本明細書に組み込まれ、これらの各々は、上記刊行物に開示されているものとしてその全体が完全に参照により、本明細書に個々に及び具体的に組み込まれている;
【0119】
副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば米国特許第6,756,480号に記載されているもの、それはその全体が参照により、特にPTHに結合するタンパク質に関連する部分において、本明細書に組み込まれている;
【0120】
トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば米国特許第6,835,809号に記載されているもの、それはその全体が参照により、特にTPO-Rに結合するタンパク質に関連する部分において、本明細書に組み込まれる;
【0121】
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、例えば、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするもの、例えば米国特許出願公開第2005/0118643号及びPCT公報WO2005/017107号に記載されている肝細胞増殖因子/散乱因子(HGF/SF)、米国特許第7,220,410号に記載のhuL2G7、及び米国特許第5,686,292号及び第6,468,529号及びPCT公報WO96/38557に記載されているOA-5d5を中和する完全ヒトモノクローナル抗体、それらの各々はその全体が参照により、特にHGFに結合するタンパク質に関連する部分において、本明細書に組み込まれている;
【0122】
TRAIL-R2特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば米国特許第7,521,048号に記載されているもの、それはその全体が参照により本明細書に、特にTRAIL-R2に結合するタンパク質に関する部分において組み込まれる;
【0123】
アクチビンA特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが米国特許出願公開第2009/0234106号に記載されているもの、それはその全体が参照により、特にアクチビンAに結合するタンパク質に関連する部分において、本明細書に組み込まれる;
【0124】
TGF-β特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが米国特許第6,803,453号及び米国特許出願公開第2007/0110747号に記載されているもの、それらの各々はその全体が参照により、特にTGF-βに結合するタンパク質に関連する部分において、本明細書に組み込まれる;
【0125】
アミロイドβタンパク質特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが、PCT公報WO2006/081171に記載されているもの、それはその全体が参照により、特にアミロイドβタンパク質に結合するタンパク質に関する部分において、本明細書に組み込まれる。企図されている1つの抗体は、上記刊行物に開示されるものとして、配列番号8を含む重鎖可変領域、及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である;
【0126】
c-Kit特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが米国特許出願公開第2007/0253951号に記載されているもの、それはその全体が参照により、特にc-Kit及び/または他の幹細胞因子受容体に結合するタンパク質に関連する部分において本明細書に組み込まれる;
【0127】
OX40L特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、例えば限定されるものではないが、米国特許出願公開第2006/0002929号に記載されているもの、それはその全体において参照により本明細書に、特にOX40L及び/またはOX40受容体の他のリガンドに結合するタンパク質に関する部分において組み込まれる;及び
【0128】
他の例示的なタンパク質、例えばActivase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、またはエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7モノクローナル抗体);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体モノクローナル抗体);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);エルビタックス(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);ジェノトロピン(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体モノクローナル抗体);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;組換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Benlysta(商標)(リンフォスタットB(lymphostat B)、ベリムマブ、抗BlySモノクローナル抗体);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビシリズマブ);カンツズマブ・メルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Neulasta(登録商標)(ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP IIb/IIIa受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体モノクローナル抗体);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20モノクローナル抗体);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンα-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL-15抗体、米国特許第7,153,507号参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンモノクローナル抗体);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗B.anthracis防御抗原モノクローナル抗体);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSAモノクローナル抗体);IL-1トラップ(ヒトIgG1のFc部及びIL-1受容体構成要素両方(I型受容体及び受容体アクセサリータンパク質)の細胞外ドメイン);VEGFトラップ(IgG1 Fcに融合するVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rαモノクローナル抗体);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブ・チウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチミブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23モノクローナル抗体(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1モノクローナル抗体);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトモノクローナル抗体);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンモノクローナル抗体);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4モノクローナル抗体及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3モノクローナル抗体;抗C.difficileのToxinA及びToxinBのCモノクローナル抗体MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25モノクローナル抗体(HuMax-TAC);抗CD3モノクローナル抗体(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30モノクローナル抗体(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38モノクローナル抗体(HuMax CD38);抗CD40Lモノクローナル抗体;抗Criptoモノクローナル抗体;抗CTGF特発性肺線維症第I相のFibrogen(FG-3019);抗CTLA4モノクローナル抗体;抗エオタキシン1モノクローナル抗体(CAT-213);抗FGF8モノクローナル抗体;抗ガングリオシドGD2モノクローナル抗体;抗ガングリオシドGM2モノクローナル抗体;抗GDF-8ヒトモノクローナル抗体(MYO-029);抗GM-CSF受容体モノクローナル抗体(CAM-3001);抗HepCモノクローナル抗体(HuMax HepC);抗IFNαモノクローナル抗体(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1Rモノクローナル抗体;抗IGF-1Rモノクローナル抗体(HuMax-Inflam);抗IL12モノクローナル抗体(ABT-874);抗IL12/IL23モノクローナル抗体(CNTO 1275);抗IL-13モノクローナル抗体(CAT-354);抗IL-2Raモノクローナル抗体(HuMax-TAC);抗IL5受容体モノクローナル抗体;抗インテグリン受容体モノクローナル抗体(MDX-018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎モノクローナル抗体(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβモノクローナル抗体(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1モノクローナル抗体(MDX-1106(ONO-4538);抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβモノクローナル抗体(GC-1008);抗TRAIL受容体2ヒトモノクローナル抗体(HGS-ETR2);抗TWEAKモノクローナル抗体;抗VEGFR/Flt-1モノクローナル抗体;抗ZP3モノクローナル抗体(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;及びNVS抗体#2。
【0129】
また、ロモソズマブ、ブロソズマブ、またはBPS804(ノバルティス)などのスクレロスチン抗体も含み得るが、これらに限定されない。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸、ブロダルマブ、ビドゥピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、またはXGEVAなどの治療剤をさらに含み得る。加えて、デバイスには、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を含むことができる。このようなPCSK9特異的抗体は、限定されるものではないが、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)、ならびに以下の特許または特許出願に開示されているような、分子、その変異体、類似体または誘導体を含み、その各々はその全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれている:米国特許第8,030,547号、米国特許出願公開第2013/0064825号、WO2008/057457、WO2008/057458、WO2008/057459、WO2008/063382、WO2008/133647、WO2009/100297、WO2009/100318、WO2011/037791、WO2011/053759、WO2011/053783、WO2008/125623、WO2011/072263、WO2009/055783、WO2012/0544438、WO2010/029513、WO2011/111007、WO2010/077854、WO2012/088313、WO2012/101251、WO2012/101252、WO2012/101253、WO2012/109530、及びWO2001/031007。
【0130】
メラノーマまたは他の癌の治療のための、タリモジーン・ラハーパレプベックまたは別の腫瘍崩壊性HSVも含み得る。腫瘍崩壊性HSVの例としては、限定されるものではないが、タリモジーン・ラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号及び第7,537,924号);OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号);OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143);G207,1716;NV1020;NV12023;NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer GeneTher.,9(12):967-978)を含む。
【0131】
TIMPも含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内因性組織阻害剤(tissue inhibitors of metalloproteinases;TIMP)であり、多くの自然の過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現したり、細胞外マトリックスに存在したりする;これは主要な軟骨分解性メタロプロテアーゼをすべて阻害し、関節リウマチ及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解性の疾患、ならびに癌や心臓血管の状態において役割を果たす場合がある。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。TIMP突然変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号及びPCT公報WO2014/152012に見出すことができる。
【0132】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に対するアンタゴニスト抗体、及びCGRP受容体や他の頭痛の標的を標的とする二重特異性抗体分子も含まれる。これらの分子に関するさらなる情報は、PCT出願番号WO2010/075238に見出すことができる。
【0133】
加えて、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体、例えば、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)をデバイスに使用することができる。あるいは、APJ大分子アゴニスト、例えば、アペリンまたはその類似体をデバイスに含むことができる。そのような分子に関する情報は、PCT公報WO2014/099984に見出すことができる。
【0134】
特定の実施形態では、医薬品は、治療有効量の抗胸腺間質性リンパ球(TSLP)またはTSLP受容体抗体を含む。そのような実施形態において使用できる抗TSLP抗体の例は、限定されるものではないが、米国特許第7,982,016号、及び第8,232,372号、及び米国特許出願公開第2009/0186022号に記載されるものを含む。抗TSLP受容体抗体の例は、限定されるものではないが、米国特許第8,101,182号に記載されているものを含む。特に好ましい実施形態では、薬剤は、米国特許第7,982,016号の中でA5と称される治療有効量の抗TSLP抗体を含む。
【0135】
薬物注入デバイス、信号伝達キャップ、システム、方法、及びその要素が、例示的な実施形態に関して記載されてきたが、それらに限定されるものではない。詳細な説明は、例示的なものに過ぎないと解釈すべきであり、本発明のすべての可能な実施形態を説明しているものではない。すべての可能な実施形態を説明することは、不可能ではないにしても実用的でないからである。現在の技術または本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを用いて、多数の代替の実施形態を実施することができ、それらは依然本発明を規定する請求項の範囲内に含まれる。
【0136】
本発明の法的範囲は、本特許の最後に記載する特許請求の範囲の用語により定義されることを理解すべきである。添付の特許請求の範囲は、デバイス、ドライブダンパー機構、システム、方法、及びそれらの要素の等価物の範囲(scope、range)から逸脱することなく、当業者によってなされ得る他の変形及びその実施形態を含むと広く解釈されるべきである。