(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】取り外し可能なチッピングラッパー部分を備える修正されたチッピングラッパーを有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
A24D1/02
(21)【出願番号】P 2019514211
(86)(22)【出願日】2017-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2017074248
(87)【国際公開番号】W WO2018060141
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-25
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ブランダオ ディオゴ メイラ
(72)【発明者】
【氏名】ビュッケ ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】カディリク アレン
(72)【発明者】
【氏名】メレンダ タンクレディ
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-166875(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02888955(EP,A1)
【文献】特表2009-545324(JP,A)
【文献】特表2014-526270(JP,A)
【文献】特表2015-524273(JP,A)
【文献】特表2014-507957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
エアロゾル発生基体と、
前記エアロゾル発生基体と軸方向に整列したマウスピースと、
前記マウスピースおよび前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を取り囲むチッピングラッパーとを備え、前記チッピングラッパーが、
前記チッピングラッパーの少なくとも一部分の周りに延びる第一の虚弱線と、
前記第一の虚弱線から下流に延びる取り外し可能なチッピングラッパー部分と、
前記第一の虚弱線から上流に延びる上流チッピングラッパー部分であって、前記エアロゾル発生基体の下流部分および前記マウスピースの上流部分に取り付けられた、前記上流チッピングラッパー部分と、
前記エアロゾル発生物品の外表面に沿って延びる第一の長軸方向の縁と、
前記第一の長軸方向の縁の反対側であり、かつ前記マウスピースの上にある第二の長軸方向の縁とを備え
前記チッピングラッパーが前記マウスピースおよび前記エアロゾル発生基体の少なくとも一部分を取り囲み、これによって前記チッピングラッパーが、前記チッピングラッパーの全長および前記第一の長軸方向の縁と前記第二の長軸方向の縁との間に延びる重複領域においてそれ自体と重複し、前記重複領域が前記エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも45度延び、
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分が、前記重複領域に提供された接着剤区域によってそれ自体に接着されていて、前記取り外し可能なチッピングラッパー部分が前記第一の長軸方向の縁の少なくとも一部分に隣接する無接着剤区域を備えるように位置付けられている、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記重複領域が、前記第一の長軸方向の縁と前記第二の長軸方向の縁との間で、前記エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも60度延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記重複領域内に提供された前記接着剤区域が、前記接着剤区域の全長に沿って前記チッピングラッパーの前記第一の長軸方向の縁から少なくとも1mm分離されている、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分の前記重複領域内に提供された前記接着剤区域が、前記エアロゾル発生物品の周りで円周方向に45度以下延びる、請求項3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分の前記重複領域内に提供された前記接着剤区域が、前記チッピングラッパーの下流縁から少なくとも1mm分離されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分が、前記チッピングラッパーの前記下流縁に延びる、請求項
5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分の前記重複領域内に提供された前記接着剤区域が、前記第一の虚弱線から少なくとも0.5mm分離されている、請求項1~
6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記第一の長軸方向の縁が、前記第一の虚弱線の下流に切り取りタブを画定するチッピングラッパー突起部を備え、かつ前記切り取りタブには接着剤が無い、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記第二の長軸方向の縁が、前記第一の長軸方向の縁にある前記チッピングラッパー突起部の形状および位置と一致するへこみを備える、請求項
8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分が、前記第二の長軸方向の縁の近傍に提供された接着剤の第二の区域によって、下にあるマウスピースに固定されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分を前記下にあるマウスピースに固定する前記接着剤の第二の区域が、前記第二の長軸方向の縁から0.5mm~1mmの距離で分離されている、請求項
10に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記取り外し可能なチッピングラッパー部分を前記下にあるマウスピースに固定する前記接着剤の第二の区域が、4平方ミリメートル~6平方ミリメートルの総表面積を有する、請求項
10または
11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記虚弱線または各々の虚弱線が、前記チッピングラッパーの周りに延びる穿孔の列を備え、前記穿孔の列が15パーセント~30パーセントの保持率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記マウスピースが一つ以上のプラグラップを含むマウスピースラッパーによって取り囲まれ、前記一つ以上のプラグラップが50グラム/平方メートル~115グラム/平方メートルの坪量を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記一つ以上のプラグラップが、前記マウスピースの下流端を越えて延び、口側端の陥凹部を画定する、請求項14に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能なチッピングラッパー部分を備える修正されたチッピングラッパーを備える喫煙物品に関する。
【0002】
フィルター付き紙巻たばこは典型的に、紙ラッパーで包囲されたたばこカットフィラーの円柱状のロッドと、包まれたたばこロッドとの端と端が当接する関係で軸方向に整列した円柱状のフィルターとを備える。円柱状のフィルターは典型的に、紙プラグラップによって取り囲まれた濾過材料を含む。従来的には、包まれたたばこロッドおよびフィルターは、フィルターの長さ全体および包まれたたばこロッドの隣接部分を通常取り囲むチッピングラッパーの帯によって結合されている。従来のフィルター付き紙巻たばこは典型的に、たばこロッドが燃焼するようにマウスピースと反対側の紙巻たばこの端に点火することによって喫煙される。
【0003】
たばこが燃焼するのではなく加熱される多くのエアロゾル発生物品もまた、当技術分野において提唱されてきた。加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって生成される。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品、およびエアロゾルが可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によって生成されるエアロゾル発生物品が挙げられる。喫煙中、揮発性化合物は、燃料要素からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。また、ニコチン含有エアロゾルが、燃焼を用いずに、また一部の場合には加熱を用いずに、例えば化学反応によって、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン供与源から生成されるエアロゾル発生物品も周知である。
【0004】
少なくとも一つの取り外し可能な部分を備えるチッピングラッパーを有するエアロゾル発生物品を提供することは周知であり、チッピングラッパー部分を取り外すことは喫煙体験に効果をもたらす。例えば、欧州特許(A)第2 046 153号には、チッピング材料の取り外し可能な外側層を有するフィルター付き紙巻たばこについての説明があり、チッピング材料の外側層は、異なる感覚的体験を提供するために、喫煙中または喫煙後に消費者によって取り外すことができる。
【0005】
しかしながら、消費者にとって、チッピングラッパーの取り外し可能な部分をマウスピースから取り外すために、チッピングラッパーの残りの部分から効果的に分離することは困難でありうる。チッピングラッパーの切り取りを補助するために、チッピングラッパー内に一つ以上の穿孔線を提供することが周知であるが、これは消費者が穿孔線に沿って簡便に切り取ることができる場合にのみ有効となる。これは、喫煙物品のサイズが小さいこと、およびエアロゾル発生物品の周りでのチッピングラッパーの包み込みがきついことを考慮すると困難でありうる。加えて、チッピングラッパーの継ぎ目に沿って均一な密封を達成することは困難でありうる。多くの場合、チッピングラッパーは、穿孔線とは異なる線に沿って切り取られるため、取り外し可能なチッピングラッパー部分は、その全体が一つのものとして外れず、代わりにいくつかの断片で取り外す必要がある場合がある。
【0006】
消費者にとってチッピングラッパーの取り外し可能な部分を把持して引くことをより簡単にするために、チッピングラッパーの長軸方向の縁に沿って切り取りタブを提供することが周知である。しかしながら、既存の高速製造プロセス中に切り取りタブを効果的に切断してチッピングラッパーの長軸方向の縁の形状にすることが可能であるとは考えられていないため、十分に大きい切り取りタブの組み込みは、製造の観点から困難であることが分かっている。より大きい切り取りタブを提供するために既存のプロセスおよび装置を修正または再設計することは理論上可能であるが、望ましくないコストおよび製造の複雑さの増大をもたらすことになる。
【発明の概要】
【0007】
チッピングラッパーの一部分の、より信頼性できる取り外し方法を達成するための新しいチッピングラッパー配置を含むエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。既存の高速製造技法、および最小限の修正を有する装置を使用して容易に製造することができる、こうしたエアロゾル発生物品を提供することが特に望ましいことになる。
【0008】
本発明によると、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体と軸方向に整列したマウスピースと、マウスピースおよびエアロゾル発生基体の少なくとも一部分を取り囲むチッピングラッパーとを備えるエアロゾル発生物品が提供されている。チッピングラッパーは、チッピングラッパーの少なくとも一部分の周りに延びる第一の虚弱線と、第一の虚弱線から下流に延びる取り外し可能なチッピングラッパー部分と、第一の虚弱線から上流に延びる上流のチッピングラッパー部分であって、エアロゾル発生基体の下流部分およびマウスピースの上流部分に取り付けられている上流チッピングラッパー部分と、エアロゾル発生物品の外表面に沿って延びる第一の長軸方向の縁と、第一の長軸方向の縁の反対側であり、かつマウスピースの上にある第二の長軸方向の縁とを備える。
【0009】
チッピングラッパーは、チッピングラッパーが、チッピングラッパーの全長および第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁との間に延びる重複領域においてそれ自体と重複するように、マウスピースおよびエアロゾル発生基体の少なくとも一部分を取り囲み、重複領域はエアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも45度延びる。取り外し可能なチッピングラッパー部分は、重複領域内に提供された接着剤区域によってそれ自体に接着されていて、かつ取り外し可能なチッピングラッパー部分が第一の長軸方向の縁の少なくとも一部分に隣接する無接着剤区域を備えるように位置付けられている。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱(燃焼を含む)されると揮発性化合物を放出する能力を有する基体であって、エアロゾルを形成することができるものを説明する。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、見えても見えなくてもよく、また蒸気(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の気相での微粒子)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液滴を含んでもよい。
【0011】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、消費者がエアロゾル発生物品の使用中にそのエアロゾル発生物品を吸う方向に対する、そのエアロゾル発生物品の要素または要素の部分の相対的な位置を説明する。本明細書に記載のエアロゾル発生物品は、下流端(すなわち、口側端)および反対側の上流端を備える。使用時、消費者はエアロゾル発生物品の下流端を吸う。下流端は上流端の下流であり、これは遠位端として説明されてもよい。マウスピースはエアロゾル発生基体の下流である。
【0012】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品またはマウスピースの長軸方向軸に対応する方向を指す。チッピングラッパーの「第一の長軸方向の縁」は、マウスピースの端間で、マウスピースの外表面に沿って、長軸方向に延びるチッピングラッパーの自由縁を指す。チッピングラッパーの「第二の長軸方向の縁」は、マウスピースの端間で、マウスピースの表面に沿って、長軸方向に延びるチッピングラッパーの反対側の自由縁を指す。第二の長軸方向の縁は、第一の長軸方向の縁の近傍のチッピングラッパーの部分の下にある。
【0013】
本発明のエアロゾル発生物品のチッピングラッパーは、マウスピースおよびエアロゾル発生基体の下流端を取り囲むマウスピースの外側ラッパーに対応する。上述の通り、チッピングラッパーは、エアロゾル発生基体の下流端をマウスピースの上流端に取り付ける上流チッピングラッパー部分を含み、これは取り外し可能なチッピングラッパー部分の取り外しの後に、エアロゾル発生物品上の定位置に留まることが意図されている。チッピングラッパーは、下流の取り外し可能なチッピングラッパー部分をさらに含む。当初、上流チッピングラッパー部分および取り外し可能なチッピングラッパー部分は第一の虚弱線に沿って接続されており、消費者は取り外し可能なチッピングラッパー部分を取り外すために、チッピングラッパーを第一の虚弱線に沿って破くことができる。
【0014】
従って、本発明のエアロゾル発生物品は、チッピングラッパーにある第一の虚弱線に沿って破断することによって、消費者が喫煙前または喫煙中にマウスピースから取り外すことができる、取り外し可能なチッピングラッパー部分を提供する。エアロゾル発生物品のチッピングラッパーの少なくとも一部分を取り外して、清浄な下にあるマウスピースラッパーを露出させることは有利なことに、消費者にとっての衛生度を向上させうる。これは、例えばエアロゾル発生物品が容器の中ではなく、個別に移動または保存されていた場合に、特に有益でありうる。さらに、取り外し可能なチッピングラッパー部分は、喫煙中に得られる感覚的な体験を変更する能力を消費者に提供するために使用されてもよい。例えば、マウスピースには、取り外し可能なチッピングラッパー部分が取り外されると放出される風味剤またはその他の添加物が提供されてもよい。別の実施例において、マウスピースには、取り外し可能なチッピングラッパー部分が取り外された時に露出する追加的な通気が提供されてもよい。
【0015】
本発明のエアロゾル発生物品では、チッピングラッパーは、延長された円周方向の重複を提供するように修正されている。チッピングラッパーの「重複領域」は、第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁との間に画定される区域であり、この区域には、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に360度超延びるチッピングラッパーに起因して、チッピングラッパーの二重の層が提供されている。重複領域はチッピングラッパーの全長に延び、従ってチッピングラッパーの上流縁および下流縁によって追加的に境界がつけられている。
【0016】
本発明によるエアロゾル発生物品では、重複領域は、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも45度延びる。これは、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁に沿った任意の点について、第二の長軸方向の縁上の同一の長軸方向の位置にある対応する点は、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも45度であることを意味する。第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁の円周方向の分離は、チッピングラッパーの長さに沿って実質的に一定であってもよい。これは例えば、第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁が両方とも真っ直ぐであり、かつ長軸方向で相互に平行である場合に当てはまることになる。別の方法として、第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁の分離は、チッピングラッパーの長さに沿って異なってもよい一方で、常に45度より大きいままである。これは例えば、後述の通り、第一の長軸方向の縁に切り取りタブが提供されている場合に当てはまることがある。こうした実施形態において、円周方向での第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁との間の分離は典型的に、チッピングラッパーが円周方向でさらに延びる切り取りタブの領域では、より大きいことになる。
【0017】
重複領域はエアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも60度延びることが好ましく、少なくとも75度延びることがより好ましい。
【0018】
重複領域はエアロゾル発生物品の周りで円周方向に90度未満延びることが好ましい。こうした上限は、製造のコストおよび複雑さを増大させうる著しい修正をすることなく従来の装置および技法を使用して施されるチッピングラッパーを可能にするために好ましい。
【0019】
第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁は、円周方向に少なくとも3mm間隙を介していることが好ましく、少なくとも4mm間隙を介していることがより好ましく、少なくとも5mm間隙を介していることがより好ましい。別の方法として、または追加的に、第一の長軸方向の縁と第二の長軸方向の縁は、6mm未満間隙を介していることが好ましい。
【0020】
本発明のエアロゾル発生物品では、取り外し可能なチッピングラッピング部分の大半には、消費者が単一片で容易に取り外すことができるように、典型的に接着剤が無い。しかしながら、使用前にマウスピース上の定位置に留まるように、取り外し可能なチッピングラッパー部分をそれ自体に接着するために、チッピングラッパーの重複領域内に接着剤区域が提供されている。従って、取り外し可能なチッピングラッパー部分は、消費者が能動的にマウスピースから取り外すまで、エアロゾル発生物品上の定位置にしっかりと留まっている。エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも45度延びる重複領域を提供することによって、重複領域の区域は増大し、そして第一の長軸方向の縁から間隙を介した接着剤区域を取り外し可能なチッピングラッパー部分に提供することが可能になる。これは取り外し可能なチッピングラッパー部分の第一の長軸方向の縁の少なくとも一部分に隣接する無接着剤区域を提供する。無接着剤区域では、消費者が取り外し可能なチッピングラッパー部分を取り外すために、マウスピースの表面からチッピングラッパーの縁を容易に持ち上げて、把持することができる。
【0021】
無接着剤区域は、取り外し可能なチッピングラッパー部分の第一の長軸方向の縁の全長に沿って延びることが好ましい。別の方法として、無接着剤区域は取り外し可能なチッピングラッパー部分の第一の長軸方向の縁の一部分に沿ってのみ延びてもよく、一方でその他の部分では、接着剤区域は第一の長軸方向の縁までずっと延びる。
【0022】
第一の長軸方向の縁に沿った無接着剤区域のこうした配置を用いると、取り外し可能なチッピングラッパー部分を消費者が取り外す時の簡便さに悪影響を及ぼすことなく、第一の長軸方向の縁に提供された切り取りタブのサイズを低減することが可能であり、または切り取りタブを完全に除去することさえ可能である。切り取りタブのサイズを低減することによって、または切り取りタブをチッピングラッパーから完全に除去することによって、上述の製造上の困難を克服することができる。
【0023】
チッピングラッパーの円周方向の重複の増大は、接着剤が第二の長軸方向の縁におけるチッピングラッパーの継ぎ目と一致するリスクが低減されるように、重複領域内の接着剤区域を提供することを追加的に可能にする。これは、より均一な密封を提供することができるように、継ぎ目がチッピングラッパーのそれ自体に接着する能力に悪影響を与えないことを確実にする。より均一な密封を提供することによって、チッピングラッパーが第一の虚弱線から離れた位置で切り取られるリスクは有利なことに最小化される。
【0024】
本発明によるエアロゾル発生物品の新規のチッピングラッパーの配置は、チッピングラッパーの切断の位置を調整する若干の修正と、重複領域内の接着剤区域の位置付けのみを必要とする、既存の高速製造装置および技法を使用して容易に達成することができる。
【0025】
重複領域内に提供された接着剤区域は、接着剤区域の全長に沿ってチッピングラッパーの第一の長軸方向の縁から少なくとも約1mm分離されていることが好ましい。これは、第一の長軸方向の縁に沿ったすべての点で、接着剤区域が第一の長軸方向の縁から円周方向に少なくとも約1mm離れていることを意味する。この最小分離は、消費者がチッピングラッパー部分を取り外すために自分の指または指の爪を取り外し可能なチッピングラッパー部分の縁の下に入れるのを可能にする、十分なサイズの無接着剤区域を提供する。接着剤区域を第一の長軸方向の縁から少なくとも約1mm分離することによって、接着剤区域はまた、消費者に対してより見えにくくなる。
【0026】
取り外し可能なチッピングラッパー部分の重複領域内に提供された接着剤区域は、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に45度未満延びることが好ましく、30度未満延びることがより好ましい。別の方法として、または追加的に、重複領域内に提供された接着剤区域は、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に少なくとも20度延びることが好ましい。これは、取り外し可能なチッピングラッパー部分をマウスピースの表面上の定位置に固定する必要性と、一方で取り外し可能なチッピングラッパー部分を消費者によって容易に取り外せるようにすることとの間のバランスを提供する。
【0027】
取り外し可能なチッピングラッパー部分の重複領域内に提供された接着剤区域は、チッピングラッパーの下流縁から少なくとも約1mm分離されて、接着剤が無いチッピングラッパーの下流縁に隣接する区域を提供することが好ましい。これは、シートが切断されて、二つのチッピングラッパーを分離する線において接着剤が無いように(この線は二つのチッピングラッパーの下流縁に対応する)、単一のシートからチッピングラッパーが対で製造される時に特に有利である場合がある。これは、マウスピースの口側端で接着剤が見えないことをさらに確実にする。
【0028】
取り外し可能なチッピングラッパー部分の重複領域内に提供された接着剤区域は、第一の虚弱線から少なくとも約0.5mm分離されていることが好ましい。接着剤区域は、第一の虚弱線から約0.5mm~約1.5mm分離されていることが特に好ましい。第一の虚弱線からの接着剤区域のこの分離は、取り外し可能なチッピングラッパー部分が取り外される時に、接着剤が第一の虚弱線に沿ったチッピングラッパーの切り取りに悪影響を及ぼさないことを確実にする。
【0029】
取り外し可能なチッピングラッパー部分の重複領域内に提供された接着剤区域は、上記に提示した範囲内で、任意の適切な形状およびサイズを取ってもよい。特定の好ましい実施形態において、接着剤区域は、取り外し可能なチッピングラッパー部分に沿って第一の長軸方向の縁に実質的に平行に延びる、長軸方向の接着剤の帯である。
【0030】
取り外し可能なチッピングラッパー部分は、第二の長軸方向の縁の近傍に提供された接着剤の第二の区域によって、下にあるマウスピースに固定されることが好ましい。典型的に、接着剤の第二の区域は、取り外し可能なチッピングラッパー部分を、下にあるマウスピースセグメントのプラグラップに接着する。
【0031】
取り外し可能なチッピングラッパー部分を、下にあるマウスピースに固定する接着剤の第二の区域は、第二の長軸方向の縁から約0.5mm~約1mmの距離で分離されていることが好ましい。従って、接着剤の第二の区域は、製造中にチッピングラッパーがマウスピースの周りを包んでいる際に、チッピングラッパーの前縁がマウスピースの表面に接着されることを可能にするように第二の長軸方向の縁に十分に近い。チッピングラッパーの前縁は、製造中にチッピングラッパーがマウスピースの周りを包んでいる際に、マウスピースと最初に接触する長軸方向の縁であり、また本発明のエアロゾル発生物品内で第二の長軸方向の縁に対応する。
【0032】
接着剤の第二の区域は約4平方ミリメートル~約6平方ミリメートルの総表面積を有することが好ましい。これは、製造中にチッピングラッパーがマウスピースに固定されたままであることを確実にするために十分大きい表面積を提供するが、取り外し可能なチッピングラッパー部分を、下にあるマウスピースラッパーを破くことなくマウスピースから取り外すことができるだけ十分小さい。
【0033】
接着剤の第二の区域は、上記に提示した範囲内で、任意の適切なサイズまたは形状であってもよい。接着剤の第二の区域は、第二の長軸方向の縁に沿った位置に提供された接着剤の点などの小さい個別の接着剤区域の形態であることが好ましい。
【0034】
接着剤の第二の区域は、チッピングラッパーの下流縁から少なくとも約1mm分離されていることが好ましい。これは、重複領域および下流縁における接着剤区域の好ましい分離に関して上記に提示したものと類似の理由のためである。
【0035】
本発明の特定の実施形態において、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁は、実質的に真っ直ぐであってもよい。しかしながら、本発明の代替的な実施形態において、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁は、第一の虚弱線の下流に切り取りタブを画定するチッピングラッパー突起部を備え、切り取りタブには接着剤が無い。従って、切り取りタブは、取り外し可能なチッピングラッパー部分の重複領域内において、第一の長軸方向の縁と接着剤区域の間に無接着剤区域の一部を形成する。
【0036】
本明細書で使用される「チッピングラッパー突起部」という用語は、チッピングラッパーの縁で切り取りタブを画定するように、円周方向にある縁の部分のうちの残りの部分から離れるように突出する第一の長軸方向の縁の一部分を指す。切り取りタブは、取り外し可能なチッピングラッパー部分において、第一の虚弱線の下流に提供されており、また消費者がチッピングラッパーの縁を把持するのを容易にする場合がある。切り取りタブはまた、取り外し可能なチッピングラッパー部分の位置、およびチッピングラッパーの縁がどこで把持されるべきかを消費者に視覚的に示す。
【0037】
第一の直線部分はチッピングラッパー突起部から上流に延びる第一の長軸方向の縁に提供されることが好ましい。チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁の「第一の直線部分」は、湾曲なしで直線状に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸と実質的に平行に延びる。
【0038】
チッピングラッパー突起部は、円周方向に第一の直線部分を約2mm~約3mm越えて延びることが好ましく、約2mm~約2.5mm越えて延びることがより好ましい。これは、第一の直線部分と、高さが最大であるチッピングラッパー突起部の「上部」との間の円周方向の距離に対応し、これは長軸方向の縁の直線部に対する切り取りタブの高さを画定する。
【0039】
少なくとも2mmの高さを有する切り取りタブを提供することによって、切り取りタブは消費者が把持するために好都合なサイズのものとなる。一方で、従来の切断ナイフを使用して高速で、より大きい切り取りタブを切断することはより困難であり、切り取りタブの高さを3mm以下に保つことは典型的に、製造の観点から好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品では、取り外し可能なチッピングラッパー部分の第一の長軸方向の縁の全長に沿った無接着剤区域に加えて、切り取りタブが提供されている。従って、切り取りタブが唯一の無接着剤部分であるエアロゾル発生物品のために望ましいことになる高さより小さい高さを有する切り取りタブを提供することが可能であり、一方でそれでもまだ消費者が縁を簡単に把持することを可能にする。より小さい切り取りタブは、既存の切断装置および技法を使用してチッピングラッパーの縁の中に、より簡単に組み込むことができる。
【0040】
チッピングラッパー突起部の長軸方向の幅は少なくとも約2.5mmであることが好ましい。別の方法として、または追加的に、チッピングラッパー突起部の長軸方向の幅は15mm未満である。チッピングラッパー突起部の「幅」は、チッピングラッパー突起部の長軸方向の最大寸法に対応する。
【0041】
第一の虚弱線に対するチッピングラッパー突起部の位置は、チッピングラッパーが第一の虚弱線に沿わずに破けてしまうリスクを最小化するために変化してもよい。チッピングラッパー突起部は、第一の虚弱線の下流約0mm~約15mmに提供されることが好ましく、約5mm~約10mmに提供されることがより好ましい。これは第一の虚弱線とチッピングラッパー突起部の上流端との間の距離に対応する。
【0042】
上述の通り、第一の長軸方向の縁はチッピングラッパー突起部から上流に延びる第一の直線部分を備えることが好ましい。こうした実施形態において、チッピングラッパー突起部は、第一の長軸方向の縁の第一の直線部分をチッピングラッパー突起部の残りの部分に接続する第一の湾曲した移行部分を備え、チッピングラッパー突起部の第一の湾曲した移行部分は凸状の曲線をたどることが好ましい。
【0043】
本明細書で使用される「第一の湾曲した移行部分」という用語は、第一の直線部分をチッピングラッパー突起部の残りの部分に接続するチッピングラッパー突起部の部分を指す。第一の湾曲した移行部分の上流端は、肉眼で判定されるように、長軸方向の縁が第一の直線部分から曲がって離れ始める点に対応する。第一の湾曲した移行部分の下流端は、肉眼で判定される通り、チッピングラッパー突起部の湾曲が、第一の湾曲した移行部分の凸状の湾曲から方向を変更する点に対応する。例えば、チッピングラッパー突起部が連続的な曲線である場合、第一の湾曲した移行部分の下流端は変曲点に対応し、この変曲点でチッピングラッパー突起部の湾曲が凸状から凹状へと変化する。他の実施形態において、第一の湾曲した移行部分の下流端は、第一の湾曲した移行部分の凸状の湾曲が直線状部分に変化する角部に対応する場合がある。
【0044】
「凸状」という用語は本明細書において、曲線が円周方向でチッピングラッパーから離れるように進むにつれて増大する傾きを有する曲線を有するチッピングラッパー突起部曲線の一部分を説明するために使用される。従って、第一の湾曲した移行部分の場合、傾きは曲線に沿って下流方向に進むと増大する。チッピングラッパー突起部を組み込む長軸方向の縁が上部に沿っている平坦な状態でチッピングラッパーを見た時に、凸状の曲線に対するすべての接線は曲線の下方にある。「凸状の」曲線はまた、「上向きに凹状」または「下向きに凸状」として説明されてもよい。
【0045】
上述の通り、チッピングラッパー突起部の第一の湾曲した移行部分は、「凸状曲線をたどる」。これは、第一の湾曲した移行部分が凸状に湾曲する実施形態だけでなく、第一の湾曲した移行部分が凸状の曲線に近似する実施形態も網羅することが意図されている。
【0046】
チッピングラッパー突起部の第一の湾曲した移行部分の凸状の湾曲は、上述の通り、有利なことに第一の直線部分とチッピングラッパー突起部との間の緩やかな移行を提供し、また切り取りタブが第一の直線部分と交わる長軸方向の縁の領域内に鋭い角または角部がないことを確実にする。これは結果として、チッピングラッパー突起部によって特定の脆弱点が導入されるべきではないことを確実にし、これによって第一の虚弱線から離れてチッピングラッパーが破けるリスクを最小化する。
【0047】
上述の通り、チッピングラッパーが切り取りタブを組み込む本発明による実施形態において、チッピングラッパーの第二の長軸方向の縁は、第一の長軸方向の縁上のチッピングラッパー突起部の形状および位置と一致するへこみを随意に備えてもよい。第一のチッピングラッパーの第一の長軸方向の縁に切り込まれた切り取りタブが、シートから切断された隣接のチッピングラッパーの第二の長軸方向の縁で、対応するへこみを作り出すように、チッピングラッパー材料の連続的なシートからチッピングラッパーが切断される場合に、第二の長軸方向の縁でへこみの提供が生じる場合がある。
【0048】
チッピングラッパーにおける延長された円周方向重複の提供は、第二の長軸方向の縁でへこみが提供されるこうした実施形態において、特に有利である場合がある。こうしたへこみが存在する場合、下にあるチッピングラッパー層において材料が欠如しているため、チッピングラッパーの上層はへこみの領域において、マウスピースに適切に接着しない場合があるので、重複領域において密封の質に悪影響を及ぼす可能性があることが以前から分かっている。これは、取り外し可能なチッピングラッパー部分を消費者が取り外そうとする時に、第一の虚弱線から離れた正しくない位置でのチッピングラッパーの切り取りを生じる可能性がある。本発明によるエアロゾル発生物品では、チッピングラッパーでの延長された円周方向の重複は、重複領域内の接着剤区域をへこみから離れて位置付けることができる、十分な間隔を提供する。このようにして、へこみは相互にくっつくチッピングラッパーの層の能力に影響を及ぼさない。
【0049】
チッピングラッパー突起部は、さまざまな適切な形状を取ってもよい。チッピングラッパー突起部は湾曲していることが好ましく、チッピングラッパー突起部は連続的な滑らかな曲線であることが特に好ましい。例えば、チッピングラッパー突起部は、鐘形の曲線をたどってもよく、正規曲線またはガウス曲線のような対称な鐘形の曲線であることが好ましい。
【0050】
特定の好ましい実施形態において、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁は、チッピングラッパー突起部から取り外し可能なチッピングラッパー部分の下流端へと下流に延びる第二の直線部分を備える。第二の直線部分は典型的に、第一の直線部分と実質的に同一の周りの位置にある。こうした実施形態において、上述の通り、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁で画定された切り取りタブは、対称な曲線であることが好ましい。
【0051】
代替的な実施形態において、チッピングラッパー突起部は非対称であってもよく、また取り外し可能なチッピングラッパー部分の下流縁に延びてもよい。こうした実施形態において、チッピングラッパーの第一の長軸方向の縁で画定された切り取りタブは典型的に、細長い形状を有する。
【0052】
上述の通り、本発明のエアロゾル発生物品のチッピングラッパーは、第一の虚弱線の下流に画定された取り外し可能なチッピングラッパー部分を備える。第一の虚弱線の上流に画定された、上流チッピングラッパー部分は、エアロゾル発生基体の下流部分に、およびマウスピースの上流部分に取り付けられている。
【0053】
マウスピースに沿った第一の虚弱線の位置は、チッピングラッパーをどれくらい取り外すことが意図されているかに依存して調整されてもよい。第一の虚弱線は、マウスピースの上流端から長軸方向に少なくとも約5mmに位置付けられることが好ましい。これは、上流チッピングラッパー部分を提供するのに十分なチッピングラッパーの部分がエアロゾル発生物品上に留まることを確実にする。別の方法として、または追加的に、第一の虚弱線はマウスピースの上流端から15mm以内に位置付けられることが好ましい。
【0054】
第一の虚弱線は、マウスピースの周囲の少なくとも75パーセントの周りに延びることが好ましく、周囲の少なくとも85パーセントの周りに延びることがより好ましい。特定の好ましい実施形態において、第一の虚弱線は、マウスピースの実質的に周囲全体の周りに延びる。
【0055】
取り外し可能なチッピングラッパー部分のエアロゾル発生物品の長軸方向の長さはまた、例えばチッピングラッパーの一部分の取り外しの意図される効果に応じて、調節されうる。
【0056】
本発明の特定の実施形態において、第一の虚弱線の下流のチッピングラッパー全体が取り外されて、下にあるマウスピース表面が露出されるように、取り外し可能なチッピングラッパー部分はマウスピースの下流端に延びる。この配置は、例えば喫煙中の衛生を向上するために、取り外し可能なチッピングラッパー部分が提供されている場合、有利である場合がある。
【0057】
本発明の代替的な実施形態において、チッピングラッパーは、第一の虚弱線から下流方向に間隙を介した第二の虚弱線をさらに備えてもよく、取り外し可能なチッピングラッパー部分は、第一の虚弱線と第二の虚弱線の間に画定されている。こうした実施形態において、チッピングラッパーは、第二の虚弱線から下流に延びてマウスピースの下流部分に取り付けられた下流チッピングラッパー部分をさらに備えることが好ましい。この配置は、例えば下にある添加物または通気を露出させるために、チッピングラッパーの細片が取り外し可能である場合に、好ましい場合がある。
【0058】
第一の虚弱線および第二の虚弱線(存在する場合)は、チッピングラッパーが選択的に切り取られる虚弱線をチッピングラッパーに提供するために、任意の適切な形態を取りうる。各々の虚弱線は、チッピングラッパーの周りに延びる穿孔の列を形成するように円周方向に間隙を介した複数の切り込みを備えることが好ましい。こうした実施形態において、穿孔の列はチッピングラッパーの実質的に周囲全体の周りに延びることが好ましい。消費者がチッピングラッパーを穿孔の列に沿って切り取ることを補助するために、虚弱線はチッピングラッパーの継ぎ目におけるチッピングラッパーの縁部と穿孔の列の中の第一の穿孔との間に延びる細長い切り込みを備えてもよい。
【0059】
穿孔の列が提供されている場合、穿孔の列は、連続した穿孔の間にチッピングラッパーの未切断のセグメントを含む。未切断のセグメントの全長は、穿孔の列の全長の約15パーセント~約30パーセントの保持率を定義することが好ましく、約18パーセント~約25パーセントであることがより好ましい。
【0060】
穿孔の列についての「保持率」は、穿孔の列の強度を示すものとして使用でき、次の通り定義される。
式中、各々の未切断のセグメントの長さは、隣接した穿孔間のチッピングラッパーに沿った最短距離であり、また式中、各々の穿孔の長さは、穿孔の円周方向の二つの先端の間に引かれた直線の長さである。円形の穿孔の場合、穿孔の長さは円の直径である。
【0061】
従って、高い保持率は、穿孔間に大量の未切断の材料が残っている穿孔の列を表す。高い保持率を有する穿孔の列は概して、チッピングラッパーを穿孔の列に沿って破くのに、より大きい力を必要とする。
【0062】
有利なことに、15パーセント~30パーセントの保持率は、喫煙物品の製造中にチッピングラッパーが取り扱われる時に、穿孔の列に沿ったチッピングラッパーの偶発的な破断を防止するのに十分な高さの保持率である一方で、喫煙物品が構成された後で、ラッパーを穿孔の列に沿って意図的に破くために適度な破断力のみが必要とされるような十分な低さの保持率であり続ける。この範囲内の保持率を定義する穿孔の列に沿ってラッパーを破くのに必要とされる力は、喫煙物品用のラッパーを形成するために典型的に使用される異なるシート材料と比較して、チッピングラッパーを形成するために使用されるシート材料の坪量に主に依存しないことが分かっている。
【0063】
穿孔の列には、欧州特許(A)第2 888 958号に記載の一つ以上の追加的な特徴が随意的に提供されてもよい。
【0064】
チッピングラッパーは紙材料シートで形成されることが好ましいが、その他の材料で形成されることも適切であろう。チッピングラッパーは、約35グラム/平方メートル~約50グラム/平方メートルの坪量を有するシート材料で形成されることが好ましい。
【0065】
本発明によるエアロゾル発生物品では、取り外し可能なチッピングラッパー部分を取り外すことで、下にあるマウスピースまたはマウスピースセグメントが露出され、これは典型的に、一つ以上のマウスピースラッパーで包まれる。上述の実施形態のいずれかにおいて、マウスピースは、一つ以上のマウスピースセグメントを取り囲むマウスピースラッパーを備えてもよい。例えば、マウスピースは、フィルター材料の単一のセグメントを備えてもよく、またマウスピースラッパーはフィルター材料の単一のセグメントを取り囲む個別のプラグラップであってもよい。別の方法として、マウスピースは、フィルター材料の複数のセグメントを備えてもよく、またマウスピースラッパーは、フィルター材料の複数のセグメントを取り囲む組み合わせプラグラップであってもよい。こうした実施形態において、フィルター材料のセグメントの各々は、結合用プラグラップの下にある個別のプラグラップで包まれてもよい。
【0066】
マウスピースラッパーは、多孔性紙などの多孔性材料で形成されてもよい。しかしながら、マウスピースラッパーは、非多孔性紙または高分子材料などの非多孔性材料で形成されることが好ましい。非多孔性材料は本質的に非多孔性の材料を含んでもよく、または非多孔性材料は非多孔性の被覆が施された多孔性の基材を備えてもよい。マウスピースラッパーは、Coresta Recommended Method No.40に従い測定した約20コレスタ単位未満の空隙率を有することが好ましく、約10コレスタ単位未満の空隙率を有することがより好ましく、約5コレスタ単位未満の空隙率を有することがより好ましい。マウスピースラッパーは、約0コレスタ単位の空隙率を有することが最も好ましい。マウスピースラッパーを形成するために適切な材料としては、セルロース系高分子材料、デンプン系高分子材料、ポリビニルアルコール、セロハン、ポリラクチド、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
消費者の唇または口がマウスピースラッパーを湿らせるリスクを最小化することができ、従って取り外し可能なチッピングラッパー部分が取り外された後に消費者の唇または口がマウスピースラッパーにくっつくリスクを低減できる水分バリアを提供するために、マウスピースラッパーの外表面に被覆が施されてもよい。例えば、当業者に周知の通り、適切なリップリリースラッカーがマウスピースラッパーの外表面に施されてもよい。この被覆は上述の通り、マウスピースラッパーに施される非多孔性の被覆に加えて施されてもよく、またはその代わりに施されてもよい。マウスピースラッパーが非多孔性の被覆およびリップリリース被覆を備える実施形態において、両方の被覆は同一の被覆材料を含みうる。別の方法として、非多孔性の被覆およびリップリリース被覆は、異なる被覆材料を含んでもよい。
【0068】
マウスピースラッパーの坪量は、約90グラム/平方メートル未満であってもよい。マウスピースラッパーの坪量は、約20グラム/平方メートルより大きいことが好ましい。
【0069】
特定の好ましい実施形態において、マウスピースラッパーは、坪量が約50グラム/平方メートル~約115グラム/平方メートルのプラグラップまたはプラグラップの組み合わせを備え、その坪量は約65グラム/平方メートル~約85グラム/平方メートルであることがより好ましく、約60グラム/平方メートル~約70グラム/平方メートルであることが最も好ましい。坪量がこの範囲内であるプラグラップまたはプラグラップの組み合わせを提供することによって、比較的硬いマウスピースラッパーが得られる。これは有利なことに、取り外し可能なチッピングラッパー部分が取り外された時でさえ、望ましいレベルの硬さを保持することができるフィルターを提供する。
【0070】
ある特定の実施形態において、プラグラップは、口側端の陥凹部を画定するようにマウスピースセグメントの下流に延びてもよい。こうした実施形態において、上記で定義されるように、坪量が比較的高いプラグラップの使用は有利なことに、喫煙中の陥凹部の構造の保持を助ける。マウスピースの下流に延びるプラグラップの提供とは別の方法として、またはそれに加えて、マウスピースは、口側端の陥凹部を画定するように中空の管状セグメント(例えば、セルロースアセテートの管状セグメント)をさらに備えてもよい。
【0071】
一部の実施形態において、エアロゾル発生物品は、マウスピースをエアロゾル発生基体に固定するために、マウスピースおよびエアロゾル発生基体の各々の少なくとも一部分を取り囲む結合用ラッパーをさらに備える。こうした実施形態において、上流チッピングラッパー部分は、マウスピースの上にある結合用ラッパーの一部分にのみ取り付けられてもよい。別の方法として、上流チッピングラッパー部分は、エアロゾル発生基体の上にある結合用ラッパーの一部分にのみ取り付けられてもよい。一部の実施形態において、上流チッピングラッパー部分は、マウスピースの上にある結合用ラッパーの一部分と、エアロゾル発生基体の上にある結合用ラッパーの一部分とに取り付けられている。
【0072】
別の方法として、エアロゾル発生物品は別個の結合用ラッパーを備えなくてもよく、チッピングラッパー自体はマウスピースをエアロゾル発生基体に固定するために使用されてもよい。こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の少なくとも一部分の周りを包むエアロゾル発生基体ラッパーをさらに備えてもよく、ここで上流チッピングラッパー部分は、エアロゾル発生基体ラッパーの下流部分およびマウスピースの上流部分に取り付けられる。
【0073】
マウスピースラッパーの外表面には、取り外し可能なチッピングラッパー部分が使用中に消費者によって取り外された時に、消費者に知らせる文字または図形が提供されてもよい。例えば、取り外し可能なチッピングラッパー部分の下に審美的な特徴を提供するために、マウスピースラッパーの外表面はインクで印刷されてもよい。
【0074】
本発明の特定の実施形態において、少なくとも一つの風味剤が、取り外し可能なチッピングラッパー部分と下にあるマウスピース部分との間に提供されてもよい。本明細書で使用される「風味剤」という用語は、味覚および嗅覚のうちの少なくとも一つを消費者に生じさせるために使用されうる材料を説明するために使用される。風味剤を取り外し可能なチッピングラッパー部分の下に提供することによって、消費者には、風味剤がいつ送達されるかを制御する能力が提供されている。エアロゾル発生物品に組み込むための適切な風味剤は、当業者には周知である。
【0075】
少なくとも一つの風味剤は、下にあるマウスピース部分に面した取り外し可能なチッピングラッパー部分の表面に、または下にあるマウスピース部分の表面に、または両方に提供されてもよい。少なくとも一つの風味剤は被覆として付着させてもよく、または取り外し可能なチッピングラッパー部分またはマウスピース部分の表面に浸み込ませてもよい。少なくとも一つの風味剤は、風味剤の移動を低減または防止するために、例えば複数のマイクロカプセル内に含めるなど、カプセル化されてもよい。
【0076】
取り外し可能なチッピングラッパー部分と下にあるマウスピース部分との間に風味剤を提供することとは別の方法として、またはそれに加えて、マウスピースは、取り外し可能なチッピングラッパー部分の下にある少なくとも一つの表面形成を備えてもよい。本明細書で使用される「表面形成」という用語は、結果として表面を不均一にするマウスピースの表面における変化を説明する。取り外し可能なチッピングラッパー部分の下にあるマウスピースの表面上に少なくとも一つの表面形成を提供することによって、エアロゾル発生物品を喫煙中または別の方法で使用中に消費者の唇に接触するエアロゾル発生物品の表面性状についての選択肢が消費者に提供される。
【0077】
マウスピースは上述の通り、マウスピースラッパーを備えてもよく、ここでマウスピースラッパーは少なくとも一つの表面形成を含む。少なくとも一つの表面形成は、エンボス加工とデボス加工のうちの少なくとも一つを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの表面形成は、マウスピースラッパーの厚さの変動を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの表面形成は、マウスピースラッパーの表面上に付着された、または別の方法で提供された一つ以上の材料(例えば、インクやワニスのうちの少なくとも一つ)を含んでもよい。
【0078】
本発明によるエアロゾル発生物品は、燃焼して煙を形成するたばこ材料を含むエアロゾル発生基体が中に含まれているフィルター付き紙巻たばこまたは他の喫煙物品であってもよい。従って、上述の実施形態のいずれかにおいて、そのエアロゾル発生基体はたばこロッドを備えてもよい。
【0079】
別の方法として、本発明によるエアロゾル発生物品は、中のたばこ材料が燃焼するのではなく、加熱されてエアロゾルを形成する物品であってもよい。一つのタイプの加熱式エアロゾル発生物品において、たばこ材料は一つ以上の電気発熱体によって加熱されてエアロゾルを生成する。別のタイプの加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは、可燃性の熱源または化学的な熱源から、熱源の内部、周り、または下流に位置してもよい物理的に分離されたたばこ材料への熱の伝達によって生成される。本発明は、ニコチン含有エアロゾルがたばこ材料、たばこ抽出物、または他のニコチン供給源から燃焼を経ずに、一部の場合では加熱を経ずに、例えば化学反応によって生成されるエアロゾル発生物品をさらに包含する。
【0080】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながらさらに本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品を示す。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生物品の概略的な横断方向断面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のエアロゾル発生物品のチッピングラッパーの平面図を示す。
【
図4】
図4は、
図1のエアロゾル発生物品用の代替的なチッピングラッパーの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品10を示す。エアロゾル発生物品10は、包まれたたばこロッドの形態のエアロゾル発生基体12と、たばこロッドと軸方向に整列した濾過材料16の単一のセグメントを備えるマウスピース14とを備える、フィルター付き紙巻たばこである。たばこロッドの下流端は、
図1に示す線18に沿ってマウスピース14の上流端に当接する。
【0083】
虚弱線22を形成する穿孔の列を備えるチッピングラッパー20は、上流チッピングラッパー部分24が虚弱線22から上流に延び、かつ取り外し可能なチッピングラッパー部分26が虚弱線22から下流に延びるようにマウスピース14およびたばこロッドの一部分の周りを包む。上流チッピングラッパー部分24はたばこロッドおよびマウスピース14の下にある部分に接着されている。
【0084】
下記でより詳細に説明する通り、取り外し可能なチッピングラッパー部分26をマウスピース上の定位置に固定するために、取り外し可能なチッピングラッパー部分26は、下にあるマウスピース14の表面に、およびそれ自体に接着されている。
【0085】
図2におけるエアロゾル発生物品10の断面図に示す通り、チッピングラッパー20はエアロゾル発生物品10の周りで円周方向に約420度延び、従って重複領域28においてそれ自体と約60度重複する。従って、この重複領域28では、チッピングラッパー20の二重の層がある。
【0086】
チッピングラッパー20は、エアロゾル発生物品10の外表面に沿って長軸方向に延びてマウスピースの外側に継ぎ目を形成する第一の長軸方向の縁30を備える。チッピングラッパー20は、下にある濾過材料16セグメントの表面に沿って延び、かつ第一の長軸方向の縁30の近傍のチッピングラッパー20の反対側の端の下にある、第一の長軸方向の縁30の反対側の第二の長軸方向の縁32をさらに備える。重複領域28は、第一の長軸方向の縁30と第二の長軸方向の縁32との間に延び、またチッピングラッパー20の上流縁34および下流縁36によって境界がつけられている。
【0087】
図1~
図3に示すチッピングラッパー20では、第一の長軸方向の縁30および第二の長軸方向の縁32は両方とも真っ直ぐな縁であり、またチッピングラッパー20がエアロゾル発生物品10上の定位置にある時、長軸方向の縁は相互に、かつエアロゾル発生物品10の長軸方向軸と実質的に平行に延びる。従って、重複領域28は、チッピングラッパー20の重複の範囲がマウスピースの長さに沿って一定となるように、チッピングラッパー20の全長に沿って、エアロゾル発生物品10の周りで円周方向に60度延びる。代替的な実施形態において、チッピングラッパー20がそれ自体と重複する範囲は、チッピングラッパーの長さに沿って異なる場合9があるが、常に45度より大きい角度のままである。
【0088】
図3は、チッピングラッパー20をマウスピース14上の定位置に固定するために、チッピングラッパー20に接着剤が塗布されているところを示す、チッピングラッパー20の平面図を示す。接着剤の第一の区域50は、取り外し可能なチッピングラッパー部分26において、第一の長軸方向の縁30の近傍に提供されている。接着剤の第一の区域50は、狭い長方形の細片の形態の接着剤であり、これは第一の長軸方向の縁30と実質的に平行に延び、かつチッピングラッパー20が定位置にある時、エアロゾル発生物品の周りで円周方向に約30度延びる。接着剤の第一の区域50は、第一の長軸方向の縁30から約1.5mm分離されていて、また下流縁36から約1.5mm分離されている。接着剤の第一の区域50はまた、虚弱線22から約1.5mm分離されている。
【0089】
チッピングラッパー20がエアロゾル発生物品10上の定位置にある時、取り外し可能なチッピングラッパー部分26をそれ自体に固定するために、接着剤の第一の区域50が重複領域28に提供されている。接着剤の第一の区域50と第一の長軸方向の縁30との間のチッピングラッパー20の区域には接着剤が無く、またこれは取り外し可能なチッピングラッパー部分26の全長に沿って延びる無接着剤区域52を提供する。
【0090】
接着剤の第二の区域54は、取り外し可能なチッピングラッパー部分26において、第二の長軸方向の縁32の近傍に提供されている。接着剤の第二の区域54は、第二の長軸方向の縁32と隣接して位置する約5平方ミリメートルの総表面積を有する接着剤の小さい点である。接着剤の第二の区域54は下流縁36の近傍であるが、下流縁36から約1mm分離されている。
【0091】
チッピングラッパー20がエアロゾル発生物品10上の定位置にある時、取り外し可能なチッピングラッパー部分26をマウスピース14上の定位置に固定するために、接着剤の第二の区域54がチッピングラッパー20と、下にある濾過材料16セグメントの外表面との間に提供されている。
【0092】
接着剤の第三の区域56が上流チッピングラッパー部分24にわたって提供されている。接着剤の第三の区域56は虚弱線22から約1mm分離されているが、それ以外は実質的に上流チッピングラッパー部分24の区域全体を覆う。チッピングラッパー20がエアロゾル発生物品10上の定位置にある時、上流チッピングラッパー部分24を定位置に固定するために、接着剤の第三の区域56が上流チッピングラッパー部分24と、下にあるマウスピース14部分および下にあるたばこロッド部分との間に提供されている。
【0093】
エアロゾル発生物品10の喫煙前、喫煙中または喫煙後に、消費者は所望する場合、取り外し可能なチッピングラッパー部分26を取り外して、下にあるマウスピース14部分を露出させることができる。取り外し可能なチッピングラッパー部分26を取り外すために、消費者は第一の長軸方向の縁30に隣接するチッピングラッパーの無接着剤区域52を持ち上げて、接着剤の第一の区域50によって提供された密封を破断することによって、かつ第一の虚弱線22を形成する穿孔の列に沿って切り取ることによって、取り外し可能なチッピングラッパー部分26をマウスピース14から離れるように剥がすことができる。
【0094】
図4は、
図1のエアロゾル発生物品10用の代替的なチッピングラッパー120を示す。チッピングラッパー120は、切り取りタブ160が第一の長軸方向の縁130に提供されている点で、
図3に示すチッピングラッパー20とは異なる。切り取りタブ160は、第一の長軸方向の縁130と接着剤の第一の区域150との間のチッピングラッパー120の無接着剤区域152の一部を形成する。切り取りタブ160は、第一の長軸方向の縁130に沿って、第一の虚弱線122の下流の、ある距離で、チッピングラッパー突起部162によって画定されている。第一の直線部分164は、チッピングラッパー突起部162からチッピングラッパー120の上流端へと上流に延び、かつ第二の直線部分166はチッピングラッパー突起部162からチッピングラッパー120の下流端へと下流に延びる。組み立てられたエアロゾル発生物品10では、第一の直線部分164と第二の直線部分166は、円周の周りの同一の位置で互いに一直線になる。チッピングラッパー突起部162は、対称な鐘形の湾曲の形状である。
【0095】
第一の長軸方向の縁130での切り取りタブ160の提供は、消費者が取り外し可能なチッピングラッパー部分26の縁を持ち上げて、把持するのを容易にする場合がある。切り取りタブ160はまた、消費者が取り外し可能なチッピングラッパー部分26を取り外すためにチッピングラッパーのどこを把持するべきかを視覚的に示す。