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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】ばね荷重式電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/193 20060101AFI20220601BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20220601BHJP
   H01R 24/86 20110101ALI20220601BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H01R13/193
H01R13/24
H01R24/86
H01R13/639 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019567352
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2018036069
(87)【国際公開番号】W WO2018226702
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】15/615,470
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503147217
【氏名又は名称】アンフェノル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・アイ・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・アール・メサロシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・エル・グラート・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ブラーデン・ジェイ・イシャウグ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジー・ヘンネムート・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ディー・スミス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エー・ヤシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン・ジェイ・ユーダル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・マクネヴィン
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0009055(US,A1)
【文献】実開昭60-071084(JP,U)
【文献】実開昭50-053694(JP,U)
【文献】特開平07-183064(JP,A)
【文献】特表2012-520537(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1482713(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/00-13/08
H01R13/15-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタであって、
嵌合部の端部セクションおよび反対側のケーブル終端部セクションを有し、内部支持部材を有する、ハウジングと、
前記ハウジングの前記内部支持部材に摺動可能に連結され、受け入れ端部およびばね係合端部を含む、コアと、
前記ハウジングの内側および前記コアの背部に受け入れられ、前記コアの前記ばね係合端部と当接する、ばね部材と、
前記コアの前記受け入れ端部に受け入れられ、前記ばね部材から離されている、インターポーザと、
を備え、
前記コアは、前記ばね部材が前記コアを、前記ハウジングの前記ケーブル終端部セクションから外側に離れるよう押している嵌合解除位置と、前記コアが前記ばね部材に対抗して内側に押している嵌合位置との間で、前記内部支持部材に対し、前記ハウジングの長手方向軸に沿って軸方向に摺動可能である、電気コネクタ。
【請求項2】
前記コアと連結された接触部材をさらに含み、前記接触部材は前記インターポーザに隣接した一方の端部、および前記ハウジングの前記ケーブル終端部セクションまたはその近くに他方の端部を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記インターポーザは、前記接触部材と電気接続するための少なくとも1つの接触側部を含む、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記インターポーザは、前記ハウジングの前記内部支持部材によって、前記コアの前記受け入れ端部において支持される、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの接触側部は、前記コアに連結された前記接触部材と電気接続する複数の個々の接触部を含む、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記インターポーザは、相手コネクタと電気接続するために、前記少なくとも1つの接触側部の反対側の第2の接触側部を含む、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記インターポーザを前記接触部材に位置合わせするために、前記インターポーザを貫通して前記コアの中に延びる1つまたは複数の位置合わせピンをさらに備える、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングの前記内部支持部材は、長手方向に延びるセンターポストであり、前記センターポストは、前記ハウジングの前記嵌合部の端部セクションを越え、前記インターポーザを貫通して延びる遠位の自由端部を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記ばね部材は、1つまたは複数の波型ばねである、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
電気コネクタであって、
嵌合部の端部セクションおよび反対側のケーブル終端部セクションを有し、内部支持部材を有する、ハウジングと、
前記ハウジングの前記内部支持部材に摺動可能に連結され、受け入れ端部およびばね係合端部を含む、コアと、
前記ハウジングの内側かつ前記コアの背部に受け入れられ、前記コアの前記ばね係合端部と当接する、ばね部材と、
前記コアに連結された、第1の接触部材と、
前記コアの前記受け入れ端部に受け入れられ、前記ばね部材から離された両面接触インターポーザであって、両側の第1および第2の接触側部を有し、前記第1の接触側部は前記第1の接触部材と電気接続するよう構成され、前記第2の接触側部は相手コネクタと電気接続するよう構成される、両面接触インターポーザと、
を備え、
前記コアは、前記ばね部材が前記コアを前記ハウジングの前記ケーブル終端部セクションから外側に離れるよう押している嵌合解除位置と、前記コアが前記ばね部材に対抗して内側に押している嵌合位置との間で、前記内部支持部材に対し、前記ハウジングの長手方向軸に沿って軸方向に摺動可能である、電気コネクタ。
【請求項11】
前記コアに連結された前記第1の接触部材は、前記両面接触インターポーザの前記第1の接触側部と接触する端部面と、前記ハウジングの前記ケーブル終端部セクションまたはその近くに位置された末端部とを有する、可撓性プリント基板である、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記両面接触インターポーザの前記第1および第2の接触側部の各々は、複数の個々の接触部を含む、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記両面接触インターポーザは、前記複数の個々の接触部を支持するウェハ本体を有し、個々の接触点の各々はCクリップである、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記ハウジングの前記内部支持部材は、長手方向に延びるセンターポストであり、前記センターポストは、前記ハウジングの前記嵌合部の端部セクションを越え、前記両面接触インターポーザを貫通して延びる遠位の自由端部を有する、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記コアが嵌合位置にあるとき、前記ハウジングに連結された相手コネクタをさらに備え、それによって前記相手コネクタの第2の接触部材は、前記コアに受け入れられ、かつ前記両面接触インターポーザの前記第2の接触側部と電気接続し、前記第1の接触部材は前記両面接触インターポーザの前記第1の接触側部と電気接続する、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記第2の接触部材は、前記両面接触インターポーザの前記第2の接触側部に当接する端部面を有する可撓性プリント基板である、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記相手コネクタを前記ハウジングに連結するために、前記ハウジングの前記嵌合部の端部セクションに受け入れられた外側連結部材をさらに備える、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記ハウジングの前記内部支持部材は、長手方向に延びるセンターポストであり、前記センターポストは、前記ハウジングの前記嵌合部の端部セクションを越え、前記両面接触インターポーザを貫通して延びる遠位の自由端部を有し、前記相手コネクタの対応するポストと係合する、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記第1の接触部材、前記両面接触インターポーザ、および前記第2の接触部材を位置合わせするため、それらを貫通して延びる1つまたは複数の位置合わせピンをさらに備える、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記ばね部材は、1つまたは複数の波型ばねである、請求項10に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全てが本明細書に参照として組み込まれている、2017年6月6日に出願された米国特許出願第15/615,470号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、均一な信号整合のために、相手コネクタとの最適な嵌合力を保証するよう設計された、ばね荷重式コアを有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の高密度電気コネクタは、公差の積み重ねに関連した接続性の故障をもたらす、小さい筐体サイズを実現するために必要な狭いピッチおよび密度により、接触の間欠性および嵌合部における嵌合の信頼性において課題を有することが多い。加えて、従来の高密度コネクタは、増加した信号カウントにより、製造コストが高く、かつかさばる。したがって、コネクタのサイズを増加させず、コネクタシステムの別のコネクタと嵌合するときに、安定性および均一な信号整合をコネクタシステムにもたらす、高い密度の接触部を提供する電気コネクタの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって本発明は、嵌合部の端部セクション、反対側のケーブル終端部セクション、および内部支持部材を有するハウジングを備えた、電気コネクタを提供し得る。コアは、ハウジングの内部支持部材に摺動可能に連結され、受け入れ端部およびばね係合端部を含む。ばね部材は、ハウジングの内側かつコアの背部に受け入れられ、コアのばね係合端部と当接する。インターポーザは、コアの受け入れ端部に受け入れられ、ばね部材から離されてよい。コアは、ばね部材がコアを、ハウジングのケーブル終端部から外側に離れるよう押している嵌合解除位置と、コアがばね部材に対抗して内側に押している嵌合位置との間で、内部支持部材に対し、ハウジングの長手方向軸に沿って軸方向に摺動可能である。
【0005】
好ましい実施形態において、電気コネクタは、コアと連結された接触部材を含み、この接触部材はインターポーザに隣接した一方の端部、およびハウジングのケーブル終端部セクションまたはその近くに他方の端部を有する。接触部材は、端部面および反対側の末端部を有する、可撓性のプリント基板であってよい。インターポーザは、接触部材と電気接続するための少なくとも1つの接触側部を含み得る。インターポーザは、ハウジングの内部支持部材によって、コアの受け入れ端部において支持され得る。
【0006】
他の実施形態において、少なくとも1つの接触側部は、コアに連結された接触部材と電気接続した複数の個々の接触部を含む。インターポーザは、相手コネクタと電気接続するため、少なくとも1つの接触側部の反対側にある第2の接触側部を含む。インターポーザを貫通して延びてコアに入る1つまたは複数の位置合わせピンは、インターポーザを接触部材に位置合わせするために設けられてよい。これらの位置合わせピンは、全ての接触点がフレックス回路の嵌合パッドと並ぶよう、コネクタ間で十分精細な位置合わせを保証するために、やはり相手コネクタへ延びる精細な位置合わせ特徴部であり得る。別の実施形態において、ハウジングの内部支持部材は、長手方向に延びるセンターポストである。このセンターポストは、ハウジングの嵌合部の端部セクションを越え、インターポーザを貫通して延びる、遠位の自由端部を有する。1つの実施形態において、ばね部材は、1つまたは複数の波型ばねである。
【0007】
本発明は、嵌合部の端部セクション、反対側のケーブル終端部セクション、および内部支持部材を有するハウジングを備えた電気コネクタも含んでよく、コアは、ハウジングの内部支持部材に摺動可能に連結され、受け入れ端部およびばね係合端部を含む。ばね部材は、ハウジングの内側かつコアの背部に受け入れられ、コアのばね係合端部と当接する。第1の接触部材は、コアに連結される。両面接触インターポーザは、コアの受け入れ端部に受け入れられてよく、ばね部材から離されており、両側の第1および第2の接触側部を含む。第1の接触側部は、第1の接触部材と電気接続するよう構成され、第2の接触側部は、相手コネクタと電気接続するよう構成される。コアは、ばね部材がコアを、ハウジングのケーブル終端部から外側に離れるよう押している嵌合解除位置と、コアがばね部材に対抗して内側に押している嵌合位置との間で、内部支持部材に対し、ハウジングの長手方向軸に沿って軸方向に摺動可能である。
【0008】
1つの実施形態において、コアに連結された第1の接触部材は、両面接触インターポーザの第1の接触側部と接触する端部面と、ハウジングのケーブル終端部セクションまたはその近くに位置された末端部とを有する、可撓性プリント基板である。別の実施形態において、接触部材は、従来の硬質プリント基板であってよい。両面接触インターポーザの第1および第2の接触側部は、複数の個々の接触部を含み得る。別の実施形態において、両面接触インターポーザは、複数の個々の接触部を支持するウェハ本体を有し、個々の接触点の各々は、Cクリップである。ハウジングの内部支持部材は、長手方向に延びるセンターポストであってよく、このセンターポストは、ハウジングの嵌合部の端部セクションを越え、両面接触インターポーザを貫通して延びる、遠位の自由端部を有する。
【0009】
好ましい実施形態において、コアが嵌合位置にあるとき、相手コネクタはハウジングに連結され、それによって相手コネクタの第2の接触部材はコアに受け入れられ、かつ両面接触インターポーザの第2の側部と電気接続し、第1の接触部材は両面接触インターポーザの第1の側部と電気接続する。第2の接触部材は、両面接触インターポーザの第2の接触側部に当接する端部面を有する可撓性プリント基板であってよい。さらに別の実施形態において、相手コネクタをハウジングと連結させるために、外側連結部材は、ハウジングの嵌合部の端部セクションに受け入れられる。他の実施形態において、ハウジングの内部支持部材は長手方向に延びるセンターポストであり、このポストは、ハウジングの嵌合部の端部セクションを越え、両面接触インターポーザを貫通して延びて、相手コネクタの対応するポストと係合する遠位の自由端部を有する。1つまたは複数の位置合わせピンは、第1の接触部材と、両面接触インターポーザと、第2の接触部材とを貫通して延び、それらを位置合わせし得る。ばね部材は、1つまたは複数の波型ばねである。別の実施形態において、キー溝が、コネクタおよび相手コネクタに設けられてよく、それらはコネクタの適切な位置合わせのための、大まかな位置合わせ特徴部として役立つ。
【0010】
添付の図面と共に考察するとき、以下の詳細な説明を参照して、より良好に理解することになるので、本発明のより完全な理解、およびそれに付随した多くの利点が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の例示的な実施形態による電気コネクタの、正面斜視図である。
図2図1に例示された電気コネクタの分解組立図である。
図3】嵌合解除位置における電気コネクタのコアを示す、図1に例示された電気コネクタの断面図である。
図4】嵌合位置において、相手コネクタに嵌合された電気コネクタ、および電気コネクタのコアを示す、図1に例示された電気コネクタの断面図である。
図5A図1に例示された電気コネクタの、インターポーザの一方の側の斜視図である。
図5B図5Aに例示されたインターポーザの、個々の接触部の拡大図である。
図6図1に例示された電気コネクタと嵌合した、相手コネクタの分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図4図5A図5B、および図6を参照すると、本発明は全体的に、電気コネクタ100、好ましくは高密度電気コネクタに関し、これは相手コネクタ200との押し込み式の電気接触をもたらすよう設計され、それによってコネクタシステムにわたる均一な信号整合を保証して、システムの使用前または使用中に間欠することのない、ばね荷重式コア110を組み込んでいる。ばね荷重式コア110は、接触部の各々が完全に係合されるのを保証するために、嵌合したコネクタの公差の積み重ねを克服して、オーバトラベルを可能にするよう設計される。加えて、ばね荷重式コア110は、コネクタそれぞれの嵌合面が嵌合中に互いに非平面であったとしても、コネクタ間で電気接続を維持する。好ましい実施形態において、電気コネクタ100のばね荷重式コア110は、両面接触インターポーザ112と協働して、コネクタ100および200の間に均一な電気接続をもたらす。本発明のコネクタの別の利点は、1mmピッチなどの増加した密度を有し得ること、および5000回まで嵌合/嵌合解除され得ることである。加えて、本発明のコネクタは、低コストで信号接触部の増加した高密度をもたらし、それは5Kサイクルまでの信頼性がある。本発明のコネクタの設計は、同じサイズのコネクタおよび加工していないケーブルのままで、ユーザが信号カウントを増加させることを可能にする。
【0013】
一般的に、電気コネクタ100は、コア110を摺動可能に支持するハウジング102、コア110の背部でハウジング102に受け入れられたばね部材114、コア110に受け入れられたインターポーザ112、および接触部材116を含む。コア110は、コア110が外側に付勢され相手コネクタ200と嵌合する用意ができている嵌合解除位置(図3)と、コア110が内側に押されてばね114を圧縮している嵌合位置(図4)との間で、ハウジング102の長手方向軸に沿って軸方向に摺動する。ばね部材114は、1つまたは複数の波型ばねなどの任意の付勢部材であってよい。
【0014】
一般的にハウジング102は、相手コネクタ200の嵌合端部202と結合する、嵌合部の端部セクション104、加工されたケーブルCの端部を受け入れるケーブル終端部セクション106、コア110を摺動可能に支持する内部支持部材108、およびコア110を少なくとも一部受け入れ、かつハウジング102の内側のばね部材114を受け入れるために内部支持部材108を囲む、内部受け入れ領域109を含む。ケーブル終端部セクション106は、ポッティング部材10、および当技術分野でよく知られているケーブルCの加工された端部のための、ブートなどの歪除去部材12も受け入れてよい。内部支持部材108は、図3および図4で確認できるように、好ましくは軸方向に延びたセンターポスト、またはバレルである。ポスト108は、嵌合部の端部セクション104を越えて外側に延びてよく、それによってポスト108の遠位の自由端部は、相手コネクタ200の対応する構成要素204と係合し、図4で最も良好に確認されるように、コネクタ100および200が嵌合するときにコネクタシステムに安定性をもたらし得る。1つの実施形態において、ポスト108はその遠位端において中空であり、相手コネクタ200の対応する構成要素204を受け入れる。対応する構成要素204は、ポスト108の遠位端の中に挿入可能なサイズのポストであり得る。
【0015】
コア110は、嵌合解除位置と嵌合位置との間で、ハウジング102の内部ポスト108に取り付けられ、かつハウジング102の内部ポスト108に沿って摺動する。コア110は、スナップなどによって、ハウジング102にも摺動可能に装着され得る。一般的にコア110は、嵌合位置において内側に圧縮されたときにばね部材114に当接する、ばね係合端部120と、インターポーザ112を受けるようサイズおよび形状が決められた、受け入れ端部122とを含む。接触部材116は、好ましくは一方の端部がインターポーザ112に隣接し、かつ他方の端部がハウジング102のケーブル終端部セクション106または近くにあるよう、コアのばね係合端部102に取り付けられる。接触部材116は、例えばインターポーザ112と電気的に係合するよう構成されたコア110に受け入れられた端部面126と、ケーブルCに接続する末端部128とを有する、可撓性プリント基板であってよい。可撓性プリント基板の末端部128は、嵌合解除位置と嵌合位置との間の、内部ポスト108に沿ったコア110のばね荷重式運動によるバッキングを可能にするよう設計される。
【0016】
インターポーザ112は、好ましくはその端部面126に、接触部材116と電気接触するための、少なくとも1つの接触側部130を含む。好ましい実施形態において、インターポーザ112は、接触側部130の反対側にあり、かつ相手コネクタ200の接触部材216と電気接触するよう構成された第2の接触側部132を有する、両面接触インターポーザである。相手コネクタ200の接触部材216も、接触部材116と類似の、図6で確認されるような端部面226および末端部228を伴う可撓性プリント基板であってよい。端部面226は、インターポーザ112の第2の接触側部132と当接するよう構成される。
【0017】
1つの実施形態において、インターポーザ112は、ハウジング102のポスト108を受け入れるようサイズを決められた中央開口部138を含み得る、ウェハ本体136を有する。インターポーザ112の接触側部130および132の各々は、図5Aで確認されるように、接触部材116および216それぞれとの電気接触のための、複数の個々の接触部140を含み得る。個々の接触部140は、図5Bで確認されるように、例えば導電性Cクリップ等であってよい。ばね部材114の付勢力は、好ましくは、ばね部材114との均一な接触のために、Cクリップの全ての嵌合圧縮力を越えてコア110のオーバトラベルをもたらすよう、インターポーザ112に負荷された個々のCクリップ140各々の嵌合力よりも大きい。これは、個々の接触部140の接触部材の端部面126の完全な圧縮を保証し、それによって嵌合したコネクタであるコネクタシステムは、均一な嵌合力を有することになる。なぜならこの力はばね部材114によって定められるからである。コネクタシステムの嵌合力は、異なるばね部材の使用のために調整され得る。例えば、インターポーザ112の個々の接触部140の数は、それらの付勢力を増加または減少させるよう、増加または減少され得る。ここでばね部材114の付勢力は、接触部140の付勢力の増加分または減少分を補うことができ、コア110のオーバトラベルを提供する。したがって、コネクタシステムを、与えられた接触部の数に対して実現され得る最小最大の挿入力を有するよう構築することができる。
【0018】
コネクタ100と200とが嵌合されると、連結ナットなどの連結部材150を使用してコネクタを共に掛止めし得る。連結ナット150は、例えば、自動回転して所定の位置に掛止めするように、ばね荷重式に設計され得る。連結ナット150が、好ましくはコネクタ100と200とを掛止めするために使用されるが、任意の知られている掛止め機構および/または摩擦接合を使用して、コネクタ100と200とを共に掛止めまたは固定し得る。
【0019】
1つの実施形態において、センターポスト108および相手コネクタ200の対応する構成要素204は、一般的にコネクタシステムの大まかな位置合わせをもたらし、その一方で位置合わせピンなどの1つまたは複数の位置合わせ部材160は、一般的にコネクタシステムの精細な位置合わせをもたらす。1つまたは複数の位置合わせピン160は、接触端部面226、インターポーザ112、接触端部面126を貫通してコア110の中に延びて、インターポーザ112、詳細にはその個々の接触部140を、コネクタ100および200の各々の接触部材116および216のそれぞれにおける、端部面126および226と位置合わせし得る。位置合わせピン160は、全ての接触点がフレックス回路の嵌合パッドと並ぶよう、コネクタ間で十分精細な位置合わせを保証するために、相手コネクタへも貫入して延び得る。
【0020】
特定の実施形態を選んで本発明を例示したが、当業者は、様々な変形および変更が、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲を逸脱することなく、成され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0021】
10 ポッティング部材
12 歪除去部材
100 電気コネクタ
102 ハウジング
104 嵌合部の端部セクション
106 ケーブル終端部セクション
108 内部支持部材、ポスト
109 内部受け入れ領域
110 コア、ばね荷重式コア
112 インターポーザ
114 ばね部材
116 接触部材
120 ばね係合端部
122 受け入れ端部
126 端部面、接触端部面
128 末端部
130 接触側部
132 第2の接触側部
136 ウェハ本体
138 中央開口部
140 接触部、Cクリップ
150 連結部材、連結ナット
160 位置合わせ部材、位置合わせピン
200 相手コネクタ
202 嵌合端部
204 構成要素
216 接触部材
226 端部面、接触端部面
228 末端部
C ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6