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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】営業ロールプレイング研修支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220601BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20220601BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220601BHJP
【FI】
G06Q10/10 320
G09B9/00 Z
G06Q50/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020154176
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022048042
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2022-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517156698
【氏名又は名称】株式会社シンミドウ
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】笹田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】仲世古 隆臣
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-189893(JP,A)
【文献】特開2004-172781(JP,A)
【文献】特開2014-215910(JP,A)
【文献】特許第6664818(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0178976(US,A1)
【文献】米国特許第07922493(US,B1)
【文献】ロープレ調査員派遣サービスを開始!,@Press,日本,2017年07月01日,[online],<URL:https://www.atpress.ne.jp/news/66071>[検索日:2022年5月18日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又はサービスを顧客に販売する際の営業活動を行う営業マンの営業スキルを向上させるために行われる営業ロールプレイング研修を支援する営業ロールプレイング研修支援システムであって、
研修支援サーバと、
記憶部と
を備えており、
研修支援サーバは、営業スキルを向上させたい営業マン又は営業スキルを向上させたい営業マンが所属する依頼企業における担当者が操作する依頼企業端末からのネットワークを介したアクセスを受け付けるサーバであり、
研修支援サーバは、営業ロールプレイング研修において潜在顧客の役割を演じるプレイヤーの候補者について当該候補者の営業ロールプレイング研修に関連した特性情報を含む候補者の情報を入力させる候補者情報登録ページを提供するサーバであり、
記憶部には、候補者情報ファイルが記憶されており、
研修支援サーバには、候補者情報登録ページで入力された候補者の情報を候補者情報ファイルに記録する候補者登録プログラムが実装されており、
研修支援サーバは、候補者情報ファイルの検索のために候補者の特性情報を依頼企業端末において入力させる候補者検索ページを提供するサーバであり、
研修支援サーバには、候補者情報ファイルを検索する候補者検索プログラムが実装されており、候補者検索プログラムは、候補者検索ページで入力された特性情報が候補者情報ファイルに記録されているかどうか判断するとともに、その判断結果を依頼企業端末に送信するプログラムであることを特徴とすることを特徴とする営業ロールプレイング研修支援システム。
【請求項2】
前記候補者検索プログラムは、前記候補者検索ページで入力された特性情報が前記候補者情報ファイルに記録されている場合、当該特性情報に係る候補者について当該候補者を特定できる個人情報を含まない形で前記判断結果を依頼企業端末に送信するプログラムであることを特徴とする請求項1記載の営業ロールプレイング研修支援システム。
【請求項3】
前記研修支援サーバは、検索結果ページを提供するサーバであって、前記候補者検索プログラムは、前記判断結果を検索結果ページに表示して前記依頼企業端末に送信するプログラムであり、
検索結果ページは、前記候補者検索ページで入力された特性情報が前記候補者情報ファイルに記録されている場合、当該候補者に対してプレイヤーとして参加することの依頼を研修支援サーバに対して送信できるページであることを特徴とする請求項1又は2記載の営業ロールプレイング研修支援システム。
【請求項4】
前記候補者検索プログラムは、入力された前記特性情報が前記候補者情報ファイルに記録されている量が多い順に検索結果をリストにして各候補者の情報を前記検索結果ページに組み込むプログラムであり、
前記検索結果ページは、リストに情報が表示された各候補者の中から任意の候補者を選んで前記依頼を研修支援サーバに対して送信できるプログラムであることを特徴とする請求項3記載の営業ロールプレイング研修支援システム。
【請求項5】
前記研修支援サーバは、前記候補者が操作する端末である候補者端末からのアクセスを受け付けるサーバであり、
前記候補者情報登録ページは、候補者端末上に表示されて前記特性情報を含む候補者の情報の入力をさせることが可能なページであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の営業ロールプレイング研修支援システム。
【請求項6】
前記候補者情報ファイルには、候補者の住所情報が記録されており、
前記候補者検索プログラムは、特定のエリアに住所を有する候補者については前記特性情報が記録されていても判断結果において特性情報が記録されていないとするプログラムであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の営業ロールプレイング研修支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、営業マンの研修を支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種製品やサービスの売り上げ向上のためには、潜在顧客に対する効果的な営業活動が欠かせないものとなっており、優秀な営業マンを多く抱えることが企業経営にとって重要な要素の一つとなっている。このため、営業担当の部署に配属されて営業活動を担当する社員(営業マン)の研修は、特に力が入れられる人材育成活動となっている。
このような営業マンの研修において、いわゆるロールプレイング方式の研修(営業ロールプレイング研修)が採用されることがある。ロールプレイング方式とは、研修を受ける営業マンに対してある者が潜在顧客の役割を演じ(ロールプレイ)、それを通して実際の営業活動をシミュレーションする研修方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-86882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような営業ロールプレイング研修においては、例えば研修を受ける営業マンが二人一組となり、一方が潜在顧客の役割を演じる方式が採用されることがある。また、指導役の者が潜在顧客の役割を演じることもある。
しかしながら、このような方式では、潜在顧客を演じる者が現実の潜在顧客の特性を良く知らず、潜在顧客の側に立った受け答えができない。このため、シミュレーションとして十分ではなく、結果として十分な研修が行えない問題がある。
本願の発明は、この課題を解決するために為されたものであり、現実の潜在顧客の特性を良く知っていて潜在顧客の側に立った受け答えができる相手を容易に見つけることができるようにし、これによって、シミュレーションとして十分な営業ロールプレイング研修を容易に行えるにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この出願において、商品又はサービスを顧客に販売する際の営業活動を行う営業マンの営業スキルを向上させるために行われる営業ロールプレイング研修を支援する営業ロールプレイング研修支援システム(以下、研修支援システムと略称する。)の発明が開示される。
この研修支援システムは、研修支援サーバと、記憶部とを備えている。
研修支援サーバは、営業スキルを向上させたい営業マン又は営業スキルを向上させたい営業マンが所属する依頼企業における担当者が操作する依頼企業端末からのネットワークを介したアクセスを受け付けるサーバである。
研修支援サーバは、営業ロールプレイング研修において潜在顧客の役割を演じるプレイヤーの候補者について当該候補者の営業ロールプレイング研修に関連した特性情報を含む候補者の情報を入力させる候補者情報登録ページを提供するサーバである。
記憶部には、候補者情報ファイルが記憶されている。
研修支援サーバには、候補者情報登録ページで入力された候補者の情報を候補者情報ファイルに記録する候補者登録プログラムが実装されている。
研修支援サーバは、候補者情報ファイルの検索のために候補者の特性情報を依頼企業端末において入力させる候補者検索ページを提供するサーバである。
研修支援サーバには、候補者情報ファイルを検索する候補者検索プログラムが実装されており、候補者検索プログラムは、候補者検索ページで入力された特性情報が候補者情報ファイルに記録されているかどうか判断するとともに、その判断結果を依頼企業端末に送信するプログラムである。
また、上記課題を解決するため、この営業ロールプレイング研修支援システムにおいて、候補者検索プログラムは、候補者検索ページで入力された特性情報が候補者情報ファイルに記録されている場合、当該特性情報に係る候補者について当該候補者を特定できる個人情報を含まない形で判断結果を依頼企業端末に送信するプログラムであり得る。
また、上記課題を解決するため、この営業ロールプレイング研修支援システムは、研修支援サーバが、検索結果ページを提供するサーバであって、候補者検索プログラムは、判断結果を検索結果ページに表示して依頼企業端末に送信するプログラムであり、検索結果ページは、候補者検索ページで入力された特性情報が候補者情報ファイルに記録されている場合、当該候補者に対してプレイヤーとして参加することの依頼を研修支援サーバに対して送信できるページであるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、この営業ロールプレイング研修支援システムは、候補者検索プログラムが、入力された前記特性情報が候補者情報ファイルに記録されている量が多い順に検索結果をリストにして各候補者の情報を検索結果ページに組み込むプログラムであり、検索結果ページは、リストに情報が表示された各候補者の中から任意の候補者を選んで前記依頼を研修支援サーバに対して送信できるプログラムであるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、この営業ロールプレイング研修支援システムは、研修支援サーバが、候補者が操作する端末である候補者端末からのアクセスを受け付けるサーバであり、候補者情報登録ページは、候補者端末上に表示されて前記特性情報を含む候補者の情報の入力をさせることが可能なページであるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、この営業ロールプレイング研修支援システムは、候補者情報ファイルには、候補者の住所情報が記録されており、候補者検索プログラムは、特定のエリアに住所を有する候補者については特性情報が記録されていても判断結果において特性情報が記録されていないとするプログラムであるという構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0006】
以下に説明する通り、開示された営業ロールプレイング研修支援システムによれば、プレイヤーの特性として必要と思われるものを特性情報として入力して検索することで、該当する候補者がいるかどうかの結果が依頼企業においてわかるため、該当する候補者をプレイヤーとして依頼して営業ロールプレイング研修を実施するのが容易となる。
また、候補者検索プログラムの実行結果が依頼企業端末に送信される際、候補者を特定できる個人情報を含まない形であると、依頼先企業がリアルな営業活動を当該候補者に対して行ってしまったり、プレイヤーとしての依頼を当該候補者に直接的に行ってしまったりするのが防止できる。
また、候補者検索プログラムの実行結果を表示する検索結果ページが、プレイヤーとしての参加依頼の送信を研修支援サーバに対して送信できるページであると、依頼の際の手間が依頼企業において省けるので好適となる。
また、検索結果ページにおいて、候補者情報ファイルに記録されている特性情報の量が多い順に各候補者の情報がリスト表示される構成では、より希望に合った候補者を依頼企業が探すのが容易となる。この際、リストの中から任意の候補者を選んで検索結果ページから依頼ができるようにすると、より簡便となる。
また、候補者情報登録ページを候補者情報登録ページが候補者端末上に表示されて候補者の情報の入力をさせることが可能なページであると、営業ロールプレイング研修支援サービスを提供する会社の担当者が入力する必要がなくなるため、この点で簡便となる。
また、特定のエリアに住所を有する候補者について検索結果から除外する構成では、依頼企業間での競合のようなエリアに関する問題が生じるのを防止するのに好適となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の研修支援システムの概略図である。
図2】候補者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図3】依頼企業情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図4】候補者情報登録ページの一例を示した概略図である。
図5】候補者検索ページの一例を示した概略図である。
図6】検索結果表示ページの一例を示した概略図である。
図7】依頼ページの一例を示した概略図である。
図8】依頼情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図9】参加依頼処理プログラムにより送信される依頼通知メールの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の研修支援システムの概略図である。図1に示す研修支援システムは、研修支援サーバ1と、記憶部2とを備えている。
研修支援サーバ1は、営業スキルを向上させたい営業マン又は営業スキルを向上させたい営業マンが所属する依頼企業における担当者が操作する依頼企業端末31と、営業ロールプレイング研修において潜在顧客の役割を演じるロールプレイヤーとなる可能性がある者(以下、候補者という。)が操作する端末である候補者端末32の双方からのネットワーク9を介したアクセスを受け付けるサーバである。
【0009】
以下に説明する実施形態の研修支援システムは、一例として、一戸建ての注文住宅の建築を事業とする建築会社や工務店等(以下、ハウスメーカーと総称する。)における営業マンの研修用のシステムとなっている。したがって、この実施形態では、複数のハウスメーカーが依頼企業である。但し、本願発明の実施形態としては、この業界に限られる訳ではない。
【0010】
この実施形態では、ネットワーク9はインターネットであり、従って研修支援サーバ1は、ウェブサーバである。研修支援サーバ1は、1個のみのサーバである場合もあるが、複数のサーバで機能を分担していて複数のサーバが研修支援サーバ1である場合もある。
記憶部2は、この実施形態では、研修支援サーバ1が備えるハードディスク等の記憶装置となっている。但し、記憶部2は、研修支援サーバ1とは別に設けられたコンピュータ上の記憶装置であっても良いし、ストレージサーバのように受付研修支援サーバ1とは別に設けられたサーバ上の記憶装置であっても良い。
【0011】
これら研修支援サーバ1及び記憶部2は、営業ロールプレイング研修支援サービス(以下、研修支援サービスと略称する。)を提供する会社が管理、運用している。研修支援サービスを提供する会社を、以下、サービス提供会社という。図1に示すように、実施形態の研修支援システムは、管理用のクライアント端末(以下、管理用端末101という。)101を備えている。管理用端末101は、サービス提供会社における担当者が操作する端末であり、特別のアクセス権限を有して研修支援サーバ1にアクセスすることが可能な端末である。
【0012】
研修支援サーバ1の第一の機能は、営業ロールプレイング研修において潜在顧客の役割を演じる者(以下、プレイヤーという。)となる候補者の情報を候補者端末32において入力させて送信させ、研修支援システム上に登録する機能である。以下、この点について説明する。
まず、記憶部2には、候補者情報ファイル21が記憶されている。図2は、候補者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【0013】
図2に示すように、候補者情報ファイル21は、「候補者ID」、「氏名」、「ハンドル名」、「住所」、「性別」、「年齢」、「職業」、「メールアドレス」、「ビデオ通話」等のフィールドを有するレコードを複数記録したデータベースファイルとなっている。「ハンドル名」は、氏名を秘匿しつつ候補者名として名乗るための名前である。候補者は、自分の氏名以外の任意のハンドル名を決め、それが記録される。「ビデオ通話」のフィールドは、ビデオ通話(いわゆるオンライン会議)が可能かどうかの値を入力するフィールドである。そして、候補者情報ファイル21には、営業ロールプレイング研修に関する各プレイヤーの特性情報を記録するフィールド(以下、特性フィールド)が設けられている。
【0014】
この実施形態では、ハウスメーカーにおける営業マン用であるため、特性フィールドも、ハウスメーカーにおける営業活動に関連したものとなっている。即ち、図2に示すように、候補者情報ファイル21には、「建築経験/予定」、「世代種別」、「階数」、「間取り種別」等のフィールドが特性フィールドとして設けられている。
「建築経験/予定」のフィールドは、例えば数値型とされ、建築経験ありが1、予定が2、いずれもなしが0(デフォルト値)とされるフィールドである。「世代種別」は、二世代住宅か否かが記録されるフィールドであり、例えば数値型とされ、二世帯住宅は1、それ以外は0(デフォルト値)とされる。「階数」も例えば数値型とされ、1階(平屋建て)は1、2階は2、3階以上は3が記録される。「間取り種別」については、典型的な間取り種別について数値型で記録するフィールドとされる。例えば、2LDKが1、3LDK~4LDKが2、5LDK以上が3、その他が0(デフォルト値)とされる。
【0015】
また、記憶部2には、依頼企業の情報を記録した依頼企業情報ファイル22が記憶されている。図3は、依頼企業情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図3に示すように、依頼企業情報ファイル22は、「依頼企業ID」、「パスワード」、「会社名」、「本社住所」、「担当部署名」、「担当者名」、「メールアドレス」等のフィールドから成るレコードを複数記録したデータベースファイルである。「メールアドレス」は、依頼企業端末31において受信可能なメールアドレスが記録されるフィールドである。
【0016】
一方、研修支援サーバ1は、候補者情報登録ページを提供(ホスト)するサーバとなっている。図4は、候補者情報登録ページの一例を示した概略図である。図4に示すように、候補者情報登録ページは、氏名、ハンドル名、住所、性別、年齢、職業等の個人情報入力欄41と、報酬を受け取り先としての銀行口座の情報を入力する口座情報入力欄42と、営業ロールプレイング研修に関する候補者の特性情報(以下、単に特性情報という。)を入力する特性情報入力欄43とが設けられている。
各入力欄41~43は、候補者情報ファイル21の各フィールドに対応している。図2では、銀行口座についてのフィールドは図示略であるが、「銀行名」、「支店名」、「口座種別」、「口座番号」、「名義」等のフィールドが設けられている。
【0017】
研修支援サーバ1には、候補者情報登録プログラム11が実装されている。図4に示すOKボタン44には、入力された各情報を確認する確認ページがリンクしており、確認ページには送信ボタンが設けられている。送信ボタンは、候補者情報登録プログラム11の実行ボタンとなっている。候補者情報登録プログラム11は、候補者情報ファイル21に新規レコードを追加し、入力された各情報を各フィールドに記録する。この際、候補者IDを新たに生成し、「候補者ID」に記録する。
尚、研修支援サーバ1は、入力された候補者情報を変更して候補者情報ファイル21に記録(更新)する候補者情報変更入力ページも提供しており、候補者情報変更プログラム12を実装している。
【0018】
実施形態における研修支援サービスは、登録されている候補者情報に従い、候補者の中から特定の者をプレイヤーとして選択して営業ロールプレイング研修ができるようにするサービスである。
ハウスメーカー内の担当者は、必要な情報をサービス提供会社に提供し、サービス提供会社は、ID(以下、依頼企業IDという。)及びパスワードを発行する。依頼企業ID及びパスワードは、依頼企業端末31において入力されて研修支援サーバ1へのアクセスの際に利用されるものである。通常、営業ロールプレイング研修を行う部署(人事部、営業部等)における担当者が依頼企業端末31を操作するから、この者が依頼企業ID及びパスワードを管理する。
【0019】
実施形態の研修支援システムは、ハウスメーカーにとってより適した候補者をプレイヤーとして選定するため、候補者情報の検索サービスを提供している。即ち、研修支援サーバ1は、候補者検索ページを提供するサーバとなっている。
図5は、候補者検索ページの一例を示した概略図である。候補者検索ページは、各ハウスメーカー向けのページであり、各ハウスメーカーに対して提供された依頼企業ID及びパスワードでアクセス(ログイン)がされた場合に依頼企業端末31において表示可能となるページである。尚、依頼企業端末31上で依頼企業ID及びパスワードが入力されて候補者検索ページが表示された際、依頼企業IDは環境変数に格納され、ログオフされるまで保持される。
【0020】
図5に示すように、候補者検索ページは、各特性情報を入力する欄45~48を設けている。この例では、建築経験/予定選択欄45、世代種別選択欄46、階数選択欄47、間取り種別選択欄48が設けられている。いずれについても、指定なしを選ぶことが可能である。また、図5に示すように、候補者検索ページには、年齢層選択欄49、性別性別選択欄50、職業選択欄51が設けられている。これらの選択欄49~51は、候補者についてある程度のイメージが湧くようにするために選択する欄である。
【0021】
尚、氏名や住所、メールアドレスは、各ハウスメーカーに対しては非公開の情報とされるので、選択欄は設けられない。これは、候補者が誰であるかを各ハウスメーカーが特定できないようにするためである。この点は、プライバシー保護の観点もあるが、サービス提供会社を飛び越えて候補者と直接的に取り引きをするのを防止する観点もある。但し、候補者が誰であるかの特定ができなければ良いので、住所については、都道府県と市町村程度のレベルまでであれば選択できるようにすることはあり得る。
【0022】
研修支援サーバ1は、候補者検索プログラム13を実装しており、検索結果表示ページをホストしている。図5に示すように、候補者検索ページには、OKボタン52が設けられている。OKボタン52には、入力された内容を確認のために表示する確認ページがリンクしており、確認ページには送信ボタンが設けられている。送信ボタンは、候補者検索プログラム13の実行ボタンとなっている。
【0023】
候補者検索プログラム13は、候補者検索ページで入力された各情報を検索キーにして候補者情報ファイル21を検索し、ヒットしたレコードの情報をリストにして検索結果ページに組み込んで実行元(依頼企業端末31)に返信するプログラムである。
図6は、検索結果表示ページの一例を示した概略図である。この例では、選択された特性情報について、ヒットした項目が多い順に各候補者の情報をリスト表示した例となっている。
図6に示すように、リストの各行には、「依頼する」と表記された依頼ボタン53が設けられている。依頼ボタン53には、依頼ページがリンクしている。図7は、依頼ページの一例を示した概略図である。
【0024】
図7に示すように、依頼ページには、選択した依頼ボタン53の行の候補者の情報を確認のため表示するページとなっている。また、依頼ページには、希望スケジュールを入力する希望スケジュール入力欄54が設けられている。希望スケジュール入力欄54は、この例では、希望順に三つのスケジュールを入力できるようになっている。
【0025】
また、依頼ページには、営業ロールプレイング研修を受ける営業マンの名前を入力する営業マン名入力欄55が設けられている。ここで入力する営業マン名は、実名であっても良く仮名であっても良い。
図7に示すように、依頼ページには、送信ボタン56が設けられている。図6に示す依頼ボタン53には、その行に表示されている候補者の候補者IDが埋め込まれており、送信ボタン56にこの候補者IDが埋め込まれるようになっている。また、送信ボタン56には、ログインの際に保持した依頼企業IDも埋め込まれる。
【0026】
一方、研修支援サーバ1には、プレイヤーとしての参加依頼の送信を処理する参加依頼処理プログラム14が実装されている。依頼ボタン53によって表示される確認ページ内の送信ボタン56は、参加依頼処理プログラム14の実行ボタンとなっている。
記憶部2には、依頼情報ファイル23が記憶されている。図8は、依頼情報ファイル23の構造の一例を示した概略図である。依頼情報ファイル23は、プレイヤーとしての参加が依頼された情報を記録したデータベースファイルであり、図8に示すように、「依頼ID」、「依頼企業ID」、「依頼日時」、「候補者ID」、「ビデオ通話」、「営業マン名」、「成立成否」、「スケジュール1」、「スケジュール2」、「スケジュール3」、「決定スケジュール」、「実行日」、「レポート提出」等のフィールドから成るレコードを複数記録したデータベースファイルである。
【0027】
「依頼ID」は、依頼情報ファイル23の各レコードを一意に識別するためのIDが記録されるフィールドである。「依頼日時」は、レコードが新規に記録された際の日時が記録される。「ビデオ通話」は、プレイヤーがビデオ通話可の場合にビデオ通話で研修が行われるので、その旨が記録されるフィールドである。「営業マン名」は、依頼ページで入力された営業マン名が記録されるフィールドである。「成否成立」は、プレイヤーが依頼を受諾したかどうかの情報が記録されるフィールドである。「スケジュール1」~「スケジュール3」は、依頼ページで入力された各希望スケジュールが記録されるフィールドである。「決定スケジュール」は、発注者とプレイヤーとで合意したスケジュールが記録されるフィールドである。
【0028】
「実行日」は、営業ロールプレイング研修が実際に行われた日付が記録されるフィールドである。
「レポート提出日」は、営業ロールプレイング研修についてプレイヤーとして参加した者からプレイヤー参加レポートが提出された日にちが記録されるフィールドである。レポート提出がされたかどうかを確認するためのものなので、レポート提出の有無を記録するフィールドであっても良い。
【0029】
参加依頼処理プログラム14は、候補者ID、依頼企業ID及び依頼ページで入力された情報を引数にして実行される。参加依頼処理プログラム14は、候補者IDを検索キーにして候補者情報ファイル21を検索し、該当するレコードの「ビデオ通話」の値と「メールアドレス」の値とを取得する。次に、参加依頼処理プログラム14は、依頼IDを新規に生成し、依頼情報ファイル23に新規レコードを追加する。そして、依頼ID、依頼企業ID、依頼日時(プログラムの実行日時)、候補者ID、ビデオ通話、営業マン名の各値を記録する。
【0030】
その上で、参加依頼処理プログラム14は、参加依頼があった旨のメール(以下、依頼通知メール)をプレイヤーに送信する。図9は、参加依頼処理プログラム14により送信される依頼通知メールの一例を示した概略図である。
図9に示すように、依頼通知メールには、依頼IDと、依頼があった旨と、研修を受ける営業マンの名前、三つのスケジュール候補が含まれるようになっている。そして、依頼を受ける場合には、三つのスケジュール候補のうち対応可能なものを連絡するよう要請するテキストが含まれている。依頼IDについては、メールのタイトルから判るようにタイトルに含まれるようになっている。
【0031】
参加依頼処理プログラム14は、依頼ページから取得した営業マン名と三つのスケジュール候補とをメールフォーマットに組み込み、候補者情報ファイル21から取得したメールアドレスに送信する。依頼通知メールの送信により、参加依頼処理プログラム14は終了である。尚、参加依頼処理プログラム14は、研修支援サーバ1上のプログラムであるが、依頼通知メールの送信元はサービス提供会社の担当者のメールアドレスになるようプログラミングされている。
【0032】
このような実施形態の研修支援システムの動作について、以下に説明する。
サービス提供会社は、営業ロールプレイング研修においてプレイヤーの役割を演じる候補者を募る。プレイヤーとして役割を演じると、報酬が支払われる。サービス提供会社は、この点を強調し、ウェブサイト等で広告宣伝を行い、候補者を募る。そして、候補者として応募する場合には、候補者登録が必要である旨を説明しておく。
尚、プレイヤーとしての役割を果たすことで報酬を得ることは、不定期のアルバイトであるとも言えるので、サービス提供会社は、アルバイト情報の掲載紙に広告を掲載したり、アルバイト情報を提供するウェブサイトに広告を掲載したりする。
【0033】
これらいずれかの広告を見て候補者として登録をしてようと思った者は、インターネットにアクセス可能な自分の端末(候補者端末)32を操作し、候補者情報登録ページを表示する。そして、各情報を入力してOKボタン44を押し(クリック又はタップし)、確認ページで送信ボタンを押す。これにより、研修支援サーバ1上の候補者情報登録プログラム11が実行され、候補者IDが生成されるとともに各情報が記憶部2上の候補者情報ファイル21の新規レコードに記録される。このようにして、複数の又は多数の者が候補者端末32を操作し、自らを候補者として研修支援システム上に登録する。
【0034】
一方、サービス提供会社は、ハウスメーカーに対しても研修支援サービスを紹介して利用を募る。ハウスメーカーにおける営業マン育成の担当者は、このサービスを利用してみようと思い、サービス提供会社に申し込みを行う。サービス提供会社の担当者は、申し込みを受け付けて依頼企業ID及びパスワードを発行する。
【0035】
ハウスメーカーの担当者は、営業マンに対して営業ロールプレイング研修を実際に実施しようと思い、依頼企業端末31上で依頼企業ID及びパスワードを入力してログインし、候補者検索ページを表示する。そして、特性情報を適宜入力してOKボタン52を押し、確認ページで送信ボタンを押す。この結果、研修支援サーバ1上の候補者検索プログラム13が実行され、入力された特性情報で候補者情報ファイル21が検索される。そして、ヒットした項目が多い順に各候補者の情報が検索結果表示ページに組み込まれ、依頼企業端末31上に表示される。
【0036】
担当者は、リストの表示される各候補者の情報を見ながら、特定の行(特定の候補者)における依頼ボタン53を押す。この結果、図7に示す依頼ページが依頼企業端末31に表示される。担当者は、依頼ページにおいて、研修を受ける営業マンの名前を入力し、第一希望から第三希望までのスケジュール候補を入力する。その上で送信ボタン56を押す。
この結果、参加依頼処理プログラム14が実行される。参加依頼処理プログラム14は、依頼IDを新規に生成し、依頼情報ファイル23に新規レコードを追加して各情報を記録する。その上で、選択された候補者のメールアドレスに依頼通知メールを送信する。
【0037】
依頼通知を候補者端末32上で受け取った候補者は、依頼を受けるかどうか判断する。受けない場合は、その旨を単にメールで返信する。受ける場合、候補者は、受ける旨と、各希望スケジュールについての各可否とをメールで返信する。依頼通知メールの送信元は、サービス提供会社の担当者のメールアドレスであるので、返信メールはこのアドレス宛に届く。
担当者は、管理用端末101でメールを閲覧し、依頼を受ける旨の返信である場合、依頼IDを確認する。依頼IDは、元のメールのタイトル又は本文で確認する。そして、管理用端末101で研修支援サーバ1にアクセスし、依頼IDで依頼情報ファイル23を検索する。そして、該当するレコードの「依頼企業ID」の値を取得し、この値で依頼企業情報ファイル22を検索する。そして、該当するレコードの「メールアドレス」の値を取得し、このメールアドレスに依頼が了解された旨のメール(以下、了解通知メールという。)を送信する。
【0038】
了解通知メールには、プレイヤーをしてもらうことの依頼が了解された旨と、了解されたスケジュールが記載される。それとともに、営業ロールプレイング研修がビデオ通話により行われる場合、ビデオ通話用アクセス情報が了解通知メールに記載される。ビデオ通話用アクセス情報については、利用するビデオ通話サービスによって異なるが、例えば実行用のURLであったり、サイトにアクセスした際に入力するID(ビデオ通話開始用のID)であったりする。一方、返信メールを送信したメールアドレスにも、ビデオ通話用アクセス情報がメールに記載する形で管理用端末101から送られる。サービス提供会社の担当者は、ビデオ通話用アクセス情報を取得した後、これを組み込んでこれらメールを作成し、管理用端末101からそれぞれのメールアドレスにメール送信する。
【0039】
了解されたスケジュールの日時になったら、ハウスメーカーの担当者は、依頼企業端末31(又はビデオ通話可能な別の端末)の前に営業マンを座らせ、ビデオ通話(営業ロールプレイング研修)に臨ませる。また、候補者も、候補者端末32(又はビデオ通話可能な別の端末)の前に座り、ビデオ通話に臨む。そして、それぞれビデオ通話用アクセス情報によりビデオ通話を開始し、営業ロールプレイング研修を行う。この際、サービス提供会社の担当者も、立ち会いの目的で参加する。即ち、管理用端末101(又は別の社内の端末)を使用し、ビデオ通話用アクセス情報によりビデオ通話に参加する。したがって、営業ロールプレイング研修は、三者通話の形態となる。
【0040】
上記営業ロールプレイング研修において、プレイヤーの役割が予め確認されている。例えば、特性情報として「建築経験あり」が選択され、これに該当する候補者であるということで依頼がされている場合、プレイヤーとして参加する候補者は、自身の経験をもとに、自身が一戸建ての注文建築をしようと準備をしていた頃を思い出し、その段階であるという想定(シミュレーション)のもと、営業マンとのやり取りをビデオ通話で行う。
【0041】
また、特性情報として「建築予定」が選択され、これに該当する候補者であることで依頼がされている場合、プレイヤーとして参加する候補者は、その時点で営業活動の対象となる者であるため、特に「演じる」必要はなく、営業マンによる営業トークに対してそのまま対応する。但し、あくまでも研修であり、営業マンの営業スキルを向上させることが目的であるため、実際に(現実に)注文建築の依頼につながるような受け答えは差し控えられる。営業マンの営業トークや受け答えについて、どの点が良かったり悪かったりするのかを潜在顧客の観点から見極めるための研修であるので、プレイヤーは常にその点を頭に入れる。
【0042】
また、「建築経験あり」でもないし、「建築予定」でもないという場合があり得るが、この場合は、一戸建ての注文建築でこれから建てようという想定でそのような潜在顧客の役割をプレイヤーに演じてもらうことになる。
いずれにしても、このようなプレイヤーの役割(シチュエーション)は、事前にメール等で候補者に通知される。例えば、ビデオ通話用アクセス情報を候補者にメール送信する際、どのような役割(シチュエーション)で参加するかがテキストで説明され、それを含んだ形でメール送信がされる。
【0043】
このようにして営業ロールプレイング研修が行われた後、プレイヤーとして参加した候補者は、プレイヤー参加レポートの提出を行う。プレイヤー参加レポートは、プレイヤーとして営業ロールプレイング研修に参加した感想、営業マンの印象、営業マンの営業スキルの評価等を含むレポートである。
プレイヤー参加レポートの作成と提出については、種々の形態を取り得る。例えば、定型の用紙(フォーム)をプレイヤーに郵送し、書き込んでもらってサービス提供会社に返信してもらっても良い。また、入力可能な形式のフォームをメールで送信し、プレイヤーにおいて入力をしてもらいメールで返信してもらっても良い。さらに、研修支援サーバ1を利用しても良い。即ち、研修支援サーバ1がプレイヤー参加レポートの入力ページをホストするようにし、このページへのアクセス情報をプレイヤーにメール送信する。プレイヤーはこのページにおいて感想や営業マンの印象等を入力し、送信ボタンを押して送信する。
【0044】
いずれの形態においても、プレイヤー参加レポートには、依頼IDが含まれる。用紙やフォームを送る場合には、依頼IDが印刷された又は組み込まれた状態とされる。プレイヤー報告レポートの入力ページをホストする場合、アクセス情報に依頼IDが含まれるようにするか、プレイヤーに候補者端末32で依頼IDを入力するようにし、依頼IDも含めた状態でプレイヤー参加レポートが研修支援サーバ1に送信される。
【0045】
このようにしてプレイヤー参加レポートが作成、送付された場合、サービス提供会社の担当者は、管理用端末101を使用し、依頼IDが一致するレコードにおいて、依頼情報ファイル23の「レポート提出日」のフィールドに提出日(受領日)を記録する。プレイヤー報告レポートの入力ページを研修支援サーバ1がホストする場合、依頼情報ファイル23の「レポート提出」のフィールドに送信日を記録するプログラムが研修支援サーバ1に実装される。
【0046】
サービス提供会社の担当者は、このようにしてプレイヤー参加レポートが提出されたのを確認した後、当該プレイヤーに対して報酬の支払いをする。プレイヤー報告レポートの入力ページを研修支援サーバ1がホストする構成の場合、依頼情報ファイル23への記録とともに、レポート提出があった旨をサービス提供会社の担当者にメール等で知らせる構成が採用され得る。
尚、プレイヤー参加レポートは、最終的には当該営業ロールプレイング研修を行った依頼企業に送付される。依頼企業は、営業ロールプレイング研修の実施やプレイヤーの紹介について手数料をサービス提供会社に支払うが、手数料の支払いについても、プレイヤー参加レポートを受領した後とされる場合もある。
【0047】
このような構成及び動作に係る実施形態の研修支援システムによれば、プレイヤーの特性として必要と思われるものを特性情報として入力して検索することで、該当する候補者がいるかどうかの結果が依頼企業においてわかる。このため、該当する候補者をプレイヤーとして依頼して営業ロールプレイング研修を実施するのが容易となる。
【0048】
また、候補者検索プログラム13の実行結果を表示する検索結果ページにおいて、該当する候補者の候補者IDが含まれるので、当該候補者にプレイヤーとしての役割を依頼するのが容易となる。上記の例では、候補者IDは依頼ボタン53に埋め込まれていたが、候補者IDが単に表示される場合であっても良い。この場合は、ハウスメーカーの担当者は、サービス提供会社の担当者に候補者IDを伝え(メール、電話、FAX等)、その上で依頼を行う構成が採用され得る。
【0049】
尚、候補者IDが検索結果ページに設けられたコマンドボタンに埋め込まれていて、このコマンドボタンは候補者IDを表示するボタンであっても良い。
また、この実施形態では、検索結果表示ページにおいて、ヒットした項目が多い順に各候補者の情報がリスト表示されるので、より希望に合った候補者をハウスメーカーが探すのが容易となる。
【0050】
尚、検索結果ページが候補者IDを含まない状態であっても、本願発明の実施は可能である。この場合は、検索を行った依頼企業の担当者は、検索結果を電話等でサービス提供会社に伝え、検索結果にある候補者にプレイヤーの依頼をする旨を伝える。サービス提供会社の担当者は、同様の検索を管理用端末101で行う。管理用端末101での検索の場合には候補者IDが表示されるようにしておき、それによって依頼先の候補者を特定するようにする。このような構成によっても、実施は可能である。但し、依頼企業端末31上の検索結果ページにおいて候補者IDが表示されていればそれを伝えるだけで良いので簡便であり、検索結果ページから依頼の送信ができるようにしておくと、サービス提供会社に電話等をする必要もないので、さらに簡便となる。
【0051】
このような実施形態の研修支援システムにおいて、候補者の住所の観点から特定の候補者を検索結果から除外する構成が採用されることがある。以下、この点について説明する。
上記の通り、この実施形態の研修支援システムでは、一戸建て注文建築についての営業のロールプレイング研修ではあるものの、実際に建築を予定している者がプレイヤーとして参加し得る。この場合、禁止はされているものの、リアルな営業活動が行われる状況に発展し易い。即ち、営業ロールプレイング研修の場で、参加した営業マンが何らかの方法でプレイヤーが誰であるかの情報を得た場合、当該営業マン又は当該営業マンが所属するハウスメーカーの他の営業マンがそのプレイヤーに直接アプローチをし、リアルな営業活動を行ってしまうことがありある。また、プレイヤーとして参加した候補者が、特に良い印象を持った場合、営業マンの所属ハウスメーカーを何らかの方法で特定し、直接的に当該ハウスメーカーに建築の問い合わせをしてしまうこともあり得る。
【0052】
このような状況は、参加した営業マンの所属するハウスメーカーやプレイヤーとして参加した候補者にとっては好ましいものではあるが、サービス提供会社にとっては必ずしも好ましくはない場合がある。というのは、サービス提供会社は、複数の異なるハウスメーカーに研修支援サービスを提供するからである。サービス提供会社は、競合している複数のハウスメーカーに対して研修支援サービスを提供する。この場合、研修支援システムを通じで顧客を獲得するようにあるハウスメーカーが行動すると、他のハウスメーカーにとっては、研修支援システムを通じて顧客を奪われてしまうことにもなり兼ねない。例えば、一戸建て注文住宅の建築を予定している者があるハウスメーカーに対して問い合わせを行っていて何がしかの営業アプローチを受けている状態でその者が候補者として研修支援システムに登録し、他のハウスメーカーにおける営業ロールプレイング研修にプレイヤーとして参加したとする。この場合、その研修を通じて当該他のハウスメーカーがリアルな営業活動を仕掛けると、結果的に顧客を奪うような営業活動になってしまう。
【0053】
このような点を考慮し、実施形態に研修支援システムにおいて、候補者の住所により一定の候補者を除外する構成が採用され得る。具体的には、依頼企業情報ファイル22には、「禁止エリア」のフィールドが設けられる。「禁止エリア」のフィールドは、例えば、当該レコードに記録されている依頼企業の事業テリトリーが記録される。より具体的には、例えば東京に本社住所がある依頼企業の場合で、事業テリトリーが東京都、埼玉県、神奈川県であるとする。この場合、「東京都、埼玉県、神奈川県」のテキスト情報が「禁止エリア」のフィールドに記録される。
【0054】
一方、研修支援サーバ1上の候補者検索プログラム13は、特性情報に加え、依頼企業IDを引数にして実行されるプログラムとされる。即ち、依頼ボタン53は、ログインの際に保持した依頼企業IDを引数に加えて候補者検索プログラム13を実行するボタンとされる。
候補者検索プログラム13は、特性情報で候補者情報ファイル21を検索して該当するレコードがあった際、そのレコードの「住所」のフィールドの値を取得する。そして、その住所のうちに、「東京都」、「埼玉県」、「神奈川県」のいずれかのテキストが含まれていた場合、当該レコードは検索結果から除外する(ヒットしなかったものとして扱う)ようプログラミングされる。
【0055】
このように構成しておくと、検索結果ページで表示されるリストには、検索を行ったハウスメーカーの事業テリトリー内に住所を有する候補者の情報が検索結果ページに表示されることがなくなり、この者がプレイヤーとして参加してしまうことがなくなる。このため、ハウスメーカー同士が研修支援システムを通して競合してしまう事態が避けられる。
この実施形態では依頼企業はハウスメーカーであるため、事業テリトリーというのは、通常、注文があれば施工を行うエリアとして公表しているエリアである。但し、「禁止エリア」に記録される値は、事業テリトリーでなくとも良い。どのようなエリアに住所を有する候補者を除外するか、研修支援サービスの提供を受ける各ハウスメーカーにアンケートを取り、ハウスメーカー間において公平に基準を定め、この基準に沿って「禁止エリア」のフィールドの値を入力しておく。
【0056】
本願発明の研修支援システムは、一戸建て注文住宅の建築を請け負う各ハウスメーカーを依頼企業とするものには限られず、各種業界の企業を依頼企業とすることができる。例えば、建築業界であれば、建て売りの一戸建て住宅を販売する住宅販売会社を依頼企業とすることもできるし、新築マンションを販売するデベロッパーを依頼企業とすることもできる。中古中宅の販売を仲介する仲介事業者を依頼企業とすることもできる。
【0057】
建築業界以外では、例えば自動車販売(新車、中古車)の事業者を依頼企業とすることもできるし、生命保険や投資信託といった保険・金融商品を販売する事業者を依頼企業とすることもできる。
尚、業界や業種によっては、研修支援システムを通した競合を問題視しない場合もある。この場合には、「禁止エリア」のフィールドの値による検索結果からの除外の構成は採用されないこともあり得る。
【0058】
また、上記実施形態の説明では、営業ロールプレイング研修はビデオ通話によるものであったが、候補者がビデオ通話不可の場合、実際に対面してのリアルな営業ロールプレイング研修(以下、リアル研修という。)となる。
依頼企業については、全てビデオ通話可であることが前提になっているが、ビデオ通話不可の場合でもサービスの利用ができるようにしても良い。この場合は、依頼企業情報ファイル22にも、「ビデオ通話」のフィールドを設け、予め可否を訊いておき、値を記録しておく。そして、依頼通知メールにおいて、ビデオ通話不可である依頼企業からの依頼である場合、依頼通知メールにおいてリアル研修となる旨を候補者に伝えておく。
尚、リアル研修の場合、場所はサービス提供会社における会議室で行われ、同様にサービス提供会社の担当者が同席する。ここでも、プレイヤーとして参加した候補者の個人情報は、参加する営業マンや当該営業マンが所属する依頼企業に対して秘匿される。営業マンは、プレイヤーに対して必要があればハンドル名で呼びかけることになる。また、プレイヤーとして参加する候補者に対しても、依頼企業の名前は秘匿される。
【0059】
尚、プレイヤーに対しても依頼企業の名前等を秘匿する理由は、次回以降の営業ロールプレイング研修について、サービス提供会社を飛び越えて直接売り込み(プレイヤーの役割を演じることの申し出)を行ってしまうことを避けるためでもある。
上記実施形態の説明において、ビデオ通話による研修の場合にしろリアル研修の場合にしろ、サービス提供会社の担当者の立ち会いが立ち会うと説明したが、これは、依頼企業、プレイヤーの双方において、上記のように禁止されている行為(営業マンがプレイヤーの個人情報を訊く、プレイヤーが後の売り込みのために依頼企業の連絡先を訊く等)が行われないように監視する意味がある。この他、営業ロールプレイング研修が有意義に行われているか、監視する意味もある。
尚、上記実施形態では、特性情報を含む候補者の情報は、候補者端末32に表示される候補者情報登録ページで入力することにより行われたが、管理用端末101で候補者情報登録ページを表示して行っても良い。候補者がペーパー(入力フォーム)に各情報を記入してサービス提供会社に郵送、FAX等をした場合、この構成が採用される。但し、候補者端末32上で入力して登録する構成によれば、サービス提供会社における手間が省けるので好適である。
【符号の説明】
【0060】
1 研修支援サーバ
101 管理用端末
11 候補者情報登録プログラム
13 候補者検索プログラム
14 参加依頼処理プログラム
2 記憶部
21 候補者情報ファイル
22 依頼企業情報ファイル
31 依頼企業端末
32 候補者端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9