(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】放熱プレートを備えた二次電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20220601BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220601BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20220601BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220601BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220601BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20220601BHJP
H01M 10/6235 20140101ALI20220601BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/643
H01M50/20
H01M10/625
H01M10/655
H01M10/6235
(21)【出願番号】P 2020520620
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 KR2019011092
(87)【国際公開番号】W WO2020050551
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0105476
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-サン・キム
(72)【発明者】
【氏名】クン-ジュ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ソグ-ジン・ユン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-092935(JP,A)
【文献】特開2008-251262(JP,A)
【文献】特表2017-532764(JP,A)
【文献】特開2002-124225(JP,A)
【文献】特表2012-529725(JP,A)
【文献】米国特許第06636016(US,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0135601(KR,A)
【文献】特開2017-037772(JP,A)
【文献】特開2015-125930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0214694(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0272517(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0125629(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6554
H01M 10/613
H01M 10/643
H01M 50/20
H01M 50/50
H01M 10/625
H01M 10/655
H01M 10/6235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子が両端部に形成された複数の円筒型電池セルと、
前記複数の円筒型電池セルを収容するように内部に形成された収容部及び内部から外部に穿孔された露出部が少なくとも一つ以上備えられたパックケースと、
金属材質のプレート形態で構成され、前記パックケースの露出部に位置し、少なくとも一部が前記パックケースの露出部によって外部に露出した少なくとも一つ以上の放熱プレートと、
固体状態の熱伝導性素材を含み、前記複数の円筒型電池セルと前記放熱プレートとの間に介在される熱伝達パッドと、を含
み、
前記熱伝達パッドは、前記複数の円筒型電池セルの上部を囲むように形成された上部パッドと、前記複数の円筒型電池セルの下部を囲むように形成された下部パッドと、を備え、
前記上部パッド及び前記下部パッドの各々には、前記複数の円筒型電池セルの間に介在されるように二次電池パックの内側方向へ突出した突出構造と二次電池パックの外側方向へ凹んだ凹み構造とが形成された屈曲部が備えられ、
前記パックケースは、各々に前記露出部が形成された上部ケース及び下部ケースを備え、
前記上部ケースは、前記複数の円筒型電池セルの上部を内部に収容してカバーできるように内部構造が形成され、
前記下部ケースは、上面が前記上部ケースの下面と結合し、前記複数の円筒型電池セルの下部を収容してカバーできるように内部構造が形成され、
前記放熱プレートは、第1放熱プレート及び第2放熱プレートを備え、
前記上部ケース及び前記下部ケースの各々の露出部の内側には、前記第1放熱プレート及び第2放熱プレートの各々の外周縁が挿入固定されるように内部に凹んだ挿入溝が形成され、
前記上部パッド及び前記下部パッドの各々には、第1放熱プレート及び第2放熱プレートの各々の内側面と接触するように外側方向へ突出した支持部が形成されることを特徴とする二次電池パック。
【請求項2】
電極端子が両端部に形成された複数の円筒型電池セルと、
前記複数の円筒型電池セルを収容するように内部に形成された収容部及び内部から外部に穿孔された露出部が少なくとも一つ以上備えられたパックケースと、
金属材質のプレート形態で構成され、前記パックケースの露出部に位置し、少なくとも一部が前記パックケースの露出部によって外部に露出した少なくとも一つ以上の放熱プレートと、
固体状態の熱伝導性素材を含み、前記複数の円筒型電池セルと前記放熱プレートとの間に介在される熱伝達パッドと、を含み、
前記熱伝達パッドは、前記複数の円筒型電池セルの上部を囲むように形成された上部パッドと、前記複数の円筒型電池セルの下部を囲むように形成された下部パッドと、を備え、
前記上部パッド及び前記下部パッドの各々には、前記複数の円筒型電池セルの間に介在されるように二次電池パックの内側方向へ突出した突出構造と二次電池パックの外側方向へ凹んだ凹み構造とが形成された屈曲部が備えられ、
前記パックケースは、各々に前記露出部が形成された上部ケース及び下部ケースを備え、
前記上部ケースは、前記複数の円筒型電池セルの上部を内部に収容してカバーできるように内部構造が形成され、
前記下部ケースは、上面が前記上部ケースの下面と結合し、前記複数の円筒型電池セルの下部を収容してカバーできるように内部構造が形成され、
前記放熱プレートは、第1放熱プレート及び第2放熱プレートを備え、
前記上部ケース及び前記下部ケースの各々の露出部の内側には、前記第1放熱プレート及び第2放熱プレートの各々の外周縁が挿入固定されるように内部に凹んだ挿入溝が形成され、
前記放熱プレートの外周縁は、前記放熱プレートの中心部よりもプレートの厚さが厚く形成されることを特徴とする二次電池パック。
【請求項3】
前記複数の円筒型電池セルは、相互所定の距離で離隔して一方向へ配列され、
前記上部パッド及び前記下部パッドの各々に備えられた屈曲部の突出構造は、相互対向するように位置し、一部が相互連結されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の二次電池パック。
【請求項4】
前記放熱プレートの内側面には、前記屈曲部の突出構造と対応する位置に形成され、二次電池パックの内側方向へ膨らんでいる凸部が形成され、
前記熱伝達パッドの前記放熱プレートと対向する外側面には、前記凸部が挿入されるように二次電池パックの内側方向へ凹んだ挿入部が形成されたことを特徴とする請求項
1又は2に記載の二次電池パック。
【請求項5】
前記露出部には、穿孔された開口の一側から他側へ延びて形成されたリブが少なくとも一つ以上形成されたことを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載の二次電池パック。
【請求項6】
前記二次電池パックは、前記複数の円筒型電池セルに形成された電極端子に接触し、前記複数の円筒型電池セル同士を電気的に接続する接続バスバーをさらに含むことを特徴とする請求項1から
5のいずれか一項に記載の二次電池パック。
【請求項7】
電極端子が両端部に形成された複数の円筒型電池セルと、
前記複数の円筒型電池セルを収容するように内部に形成された収容部及び内部から外部に穿孔された露出部が少なくとも一つ以上備えられたパックケースと、
金属材質のプレート形態で構成され、前記パックケースの露出部に位置し、少なくとも一部が前記パックケースの露出部によって外部に露出した少なくとも一つ以上の放熱プレートと、
固体状態の熱伝導性素材を含み、前記複数の円筒型電池セルと前記放熱プレートとの間に介在される熱伝達パッドと、を含み、
二次電池パックは、前記複数の円筒型電池セルに形成された電極端子に接触し、前記複数の円筒型電池セル同士を電気的に接続する接続バスバーをさらに含み、
前記熱伝達パッドは、前記接続バスバーと前記複数の円筒型電池セルの電極端子とが接合した部位を覆うように外側方向へ延びた延長部を備えたことを特徴とす
る二次電池パック。
【請求項8】
前記パックケースの収容部には、前記複数の円筒型電池セルが載置される載置台が形成され、前記載置台には、前記複数の円筒型電池セルの電極端子が形成された端部の外形と対応するように凹んだ形状の凹部が複数個形成されたことを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載の二次電池パック。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の二次電池パックを含む、電子デバイス。
【請求項10】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の二次電池パックを含む、電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱プレートを備えた二次電池パックに関し、より詳しくは、複数の円筒型電池セルの冷却効率が向上した二次電池パックに関する。
【0002】
本出願は、2018年9月4日出願の韓国特許出願第10-2018-0105476号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、多様な製品への適用が容易であり、高いエネルギー密度を有する電気的特性を有している。このような二次電池は、携帯用機器のみならず電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに適用されている。
【0004】
二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所のみならず、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目を浴びている。
【0005】
電気車両などに適用される二次電池パックは、高出力を得るために複数の二次電池を含む複数の二次電池パックを連結した構造を有している。そして、個々の二次電池セルは電極組立体であって、正極及び負極集電体、セパレーター、活物質、電解液などを含み、構成要素間の電気化学的反応によって反復的な充放電が可能である。
【0006】
一方、近来、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高まるにつれ、複数の二次電池が直列及び/または並列に接続した二次電池セルが集積した構造の二次電池パックに対する需要が増加しつつある。
【0007】
さらに、最近、小型二次電池パックの場合にも、徐々に消費者の要求に応じて高出力・高容量化しつつある。
【0008】
しかし、小型二次電池パックの内部に複数の二次電池セルが収容された場合、空間的な制約によって二次電池セルの密集度が非常に高かった。特に、二次電池セルの発熱量は電流の二乗に比例するため、高率放電時、二次電池セルの温度が急上昇することがよく発生していた。
【0009】
さらに、小型二次電池パックは、各二次電池セルで発生する熱を容易に放出することが重要である。即ち、充放電過程で発生した熱を効果的に除去できなければ、熱蓄積が起こり得る。これによって、長期的に高温の環境に露出した電池セルは劣化が促進され、二次電池パックの寿命が速く減少するという問題があった。
【0010】
そこで、二次電池パックの寿命特性を向上させるために効果的な冷却技術が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の円筒型電池セルの冷却効率が向上した二次電池パックを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池パックは、
電極端子が両端部に形成された複数の円筒型電池セルと、
前記複数の円筒型電池セルを収容するように内部に形成された収容部及び内部から外部に穿孔された露出部が少なくとも一つ以上備えられたパックケースと、
金属材質のプレート形態で構成され、前記パックケースの露出部に位置し、少なくとも一部が前記パックケースの露出部によって外部に露出した少なくとも一つ以上の放熱プレートと、
固体状態の熱伝導性素材を含み、前記複数の円筒型電池セルと前記放熱プレートとの間に介在される熱伝達パッドと、を含む。
【0014】
また、前記熱伝達パッドは、前記複数の円筒型電池セルの上部を囲むように形成された上部パッドと、前記複数の円筒型電池セルの下部を囲むように形成された下部パッドと、を備え得る。
【0015】
さらに、前記上部パッド及び前記下部パッドの各々には、前記複数の円筒型電池セルの間に介在されるように二次電池パックの内側方向へ突出した突出構造と二次電池パックの外側方向へ凹んだ凹み構造とが形成された屈曲部が備えられ得る。
【0016】
そして、前記複数の円筒型電池セルは、相互所定の距離で離隔して一方向へ配列され得る。
【0017】
また、前記上部パッド及び前記下部パッドの各々に備えられた屈曲部の突出構造は、相互対向するように位置し、一部が相互連結され得る。
【0018】
また、前記放熱プレートの内側面には、前記屈曲部の突出構造と対応する位置に形成され、二次電池パックの内側方向へ膨らんでいる凸部が形成され得る。
【0019】
さらに、熱伝達パッドの前記放熱プレートと対向する外側面には、前記凸部が挿入されるように二次電池パックの内側方向へ凹んだ挿入部が形成され得る。
【0020】
そして、前記パックケースは、各々に前記露出部が形成された上部ケース及び下部ケースを備え得る。
【0021】
また、前記上部ケースは、前記複数の円筒型電池セルの上部を内部に収容してカバーできるように内部構造が形成され得る。
【0022】
また、前記下部ケースは、上面が前記上部ケースの下面と結合し、前記複数の円筒型電池セルの下部を収容してカバーできるように内部構造が形成され得る。
【0023】
さらに、前記放熱プレートは、第1放熱プレート及び第2放熱プレートを備え、前記上部ケース及び前記下部ケースの各々の露出部の内側には、前記第1放熱プレート及び第2放熱プレートの各々の外周縁が挿入固定されるように内部に凹んだ挿入溝が形成され得る。
【0024】
そして、前記上部パッド及び前記下部パッドの各々には、第1放熱プレート及び第2放熱プレートの各々の内側面と接触するように外側方向へ突出した支持部が形成され得る。
【0025】
また、前記放熱プレートの外周縁は、前記放熱プレートの中心部よりもプレートの厚さが厚く形成され得る。
【0026】
さらに、前記露出部には、穿孔された開口の一側から他側へ延びて形成されたリブが少なくとも一つ以上形成され得る。
【0027】
そして、前記二次電池パックは、前記複数の円筒型電池セルに形成された電極端子に接触し、前記複数の円筒型電池セル同士を電気的に接続する接続バスバーをさらに含み得る。
【0028】
さらに、前記熱伝達パッドは、前記接続バスバーと前記複数の円筒型電池セルの電極端子とが接合した部位を覆うように外側方向へ延びた延長部を備え得る。
【0029】
また、前記パックケースの収容部には、前記複数の円筒型電池セルが載置される載置台が形成され、前記載置台には、前記複数の円筒型電池セルの電極端子が形成された端部の外形と対応するように凹んだ形状の凹部が複数個形成され得る。
【0030】
なお、上記の課題を達成するための本発明による電子デバイスは、前記二次電池パックを含み得る。
【0031】
また、上記の課題を達成するための本発明による電動工具は、前記二次電池パックを含み得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一面によれば、本発明の二次電池パックは、放熱プレート及び当該放熱プレートの少なくとも一部を外部に露出する露出部が形成されたパックケースを備えることで、円筒型電池セルで生成した熱を外部へ効果的に放出できる。
【0033】
また、本発明の一面によれば、熱伝導性材質の熱伝達パッドが複数の円筒型電池セルと放熱プレートとの間に介在されることで、二次電池パックの内部に収容された複数の円筒型電池セルで発生した熱が、熱伝達パッドを介して効果的に放熱プレートへ伝達される。これによって、二次電池パックの冷却効率を極大化することができる。
【0034】
さらに、本発明の他面によれば、本発明の上部パッド及び下部パッドの各々に備えられた屈曲部の突出構造が相互対向するように位置し、一部が相互連結されるように形成されることで、熱伝達パッドが複数の円筒型電池セルの外面を囲む接触面積をさらに増加できるだけではなく、複数の円筒型電池セル同士の間隙を熱伝達パッドで満たすことができ、間隙の空気によって停滞した熱による円筒型電池セルの過熱を防止することができる。
【0035】
そして、本発明のさらなる他面によれば、放熱プレートの内側面に凸部を形成することで、熱伝達パッドと放熱プレートとの間の熱伝達経路の長さを均一にすることができる。即ち、複数の円筒型電池セルのうち中央に位置した円筒型電池セルは、外側部に位置した円筒型電池セルよりも相対的に熱蓄積が多く発生し得るため、劣化しやすい。これによって、本発明の放熱プレートに凸部を形成することで、中央に位置した円筒型電池セルの放熱速度を高めることができ、複数の円筒型電池セル同士の熱均衡を効果的になすことができる。また、二次電池パックの寿命を効果的に増やすことができる。
【0036】
また、本発明のさらなる他面によれば、放熱プレートをパックケースの露出部の内面に形成された挿入溝に挿入固定することで、別の固定部材を用いることなく放熱プレートを固定することができる。これによって、二次電池パックの製造時、材料費を節減することができる。そして、放熱プレートがパックケースに挿入された形態は、二次電池パックに外部衝撃が加えられても放熱プレートが分離されにくく、二次電池パックの耐久性を大幅に向上させることができる。
【0037】
さらに、本発明のさらなる他面によれば、相対的に放熱プレートの中心部よりも厚く形成された外周縁が、パックケースの内部に挿入された形態を有する場合、パックケースの剛性を補強できる効果を奏する。即ち、放熱プレートの外周縁は、パックケースの内部を支持するように構成されることで、外部圧力によるパックケースの変形を効果的に防止することができる。さらに、放熱プレートは、厚くなった外周縁の大きさ分だけ、熱を吸収できる熱容量を増やすことができる。また、パックケースとの接触面積が増加し、複数の円筒型電池セルで発生した熱を効果的に放熱できる。
【0038】
そして、本発明のさらなる他面によれば、パックケースの露出部にリブが少なくとも一つ以上形成されることで、パックケースの露出部の剛性をさらに補強できるだけでなく、使用者がパックケースの露出部に位置した放熱プレートに直接接触することを防止することができる。これによって、二次電池パックの使用中におけるやけどなどの被害を防止することができ、二次電池パックの安全性を向上させることができる。
【0039】
さらに、本発明のさらなる他面によれば、熱伝達パッドは、接続バスバーと複数の円筒型電池セルの電極端子とが接合された部位を覆うように外側方向へ延びた延長部を備えることで、相対的に発熱量が多い接続バスバーと電極端子との接合部位で発生した熱を延長部を介して効果的に放熱プレートへ伝達することができる。これによって、二次電池パックの冷却効果をさらに向上させることができる。
【0040】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による二次電池パックの幾つかの構成を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【
図4】本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【
図6】本発明の他の実施例による二次電池パックの幾つかの構成を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【
図7】本発明の他の実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。
【
図8】
図7の二次電池パックを線C-C’に沿って概略的に示した断面図である。
【
図9】本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成である放熱プレートを概略的に示した斜視図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施例による二次電池パックを、
図8のように切断して概略的に示した断面図である。
【
図11】本発明の他の実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。
【
図12】本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0043】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0044】
図1は、本発明の一実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。そして、
図2は、本発明の一実施例による二次電池パックの幾つかの構成を分離して概略的に示した分離斜視図である。
【0045】
図1及び
図2を参照すれば、本発明による二次電池パック100は、複数の円筒型電池セル110、パックケース120、少なくとも一つ以上の放熱プレート130、接続バスバー140及び熱伝達パッド150を含み得る。
【0046】
ここで、前記円筒型電池セル110は、円筒状電池缶118及び円筒状電池缶118の内部に収容された電極組立体(図示せず)を含み得る。
【0047】
ここで、円筒状電池缶118は、電気伝導性の高い材質を含んでおり、例えば、円筒状電池缶118は、アルミニウムまたは銅を含み得る。
【0048】
また、F方向から見たとき、円筒状電池缶118の左右方向の両端部に電極端子(第1電極端子111、第2電極端子112)が形成され得る。具体的に、円筒状電池缶118の一端の扁平な円形の一端面には、第1電極端子111が形成され得、円筒状電池缶118の他端の扁平な円形の他端面には、第2電極端子112が形成され得る。
【0049】
さらに、前記電極組立体(図示せず)は、正極と負極との間に分離膜を挟んだ状態でゼリーロール型に巻き取られた構造で形成され得る。前記正極(図示せず)には、正極タブが付着され、円筒状電池缶118の一端の第1正極端子(第1電極端子)111に接続し得る。さらに、前記負極(図示せず)には、負極タブが付着され、円筒状電池缶118の他端の第2負極端子(第2電極端子)112に接続し得る。
【0050】
また、前記複数の円筒型電池セル110は、相互所定の距離で離隔して一方向へ配列され得る。例えば、
図2に示したように、F方向から見たとき、複数の円筒型電池セル110の第1電極端子111及び第2電極端子112が左右方向へ両端部に位置するように配置され得る。そして、前記複数の円筒型電池セル110は、前後方向へ所定の距離で離隔して配列され得る。
【0051】
具体的に、前記接続バスバー140は、一方向へ長く延びた接続部140a及び前記接続部140aから折り曲げられて延びた折り曲げ部140bを備え得る。さらに、前記接続バスバー140の折り曲げ部140bのパックケース120の外部に露出した端部には、外部入出力端子142が形成され得る。そして、前記外部入出力端子142の形態は、外部方向へ突出した円柱状であり得る。
【0052】
さらに、前記接続バスバー140は、前記複数の円筒型電池セル110同士を電気的に接続し得る。また、このために、前記接続バスバー140の接続部140aは、前記複数の円筒型電池セル110に形成された第1電極端子111または第2電極端子112に接触するように構成され得る。
【0053】
また、前記接続バスバー140は、前記複数の円筒型電池セル110の第1電極端子111、第2電極端子112に接触し、第1電極端子111、第2電極端子112同士を電気的に接続するように構成され得る。この際、前記接続バスバー140は、電気伝導性に優れた金属からなり得る。例えば、前記接続バスバー140は、ニッケル、金、アルミニウム、銅またはこれらの組合せなどであり得る。
【0054】
具体的に、前記接続バスバー140は、一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111と他の一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112とが電気的に接続するように、一端が一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111に接触し、他端が他の一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112に接触し得る。
【0055】
例えば、
図2に示したように、2個の接続バスバー140の各々が、一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111と他の一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112とを電気的に接続するように構成され得る。
【0056】
また、前記接続バスバー140は、一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111と他の一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111とが電気的に接続するように、接続部140aの一部が一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111に接触し、接続部140aの他部が他の一つの円筒型電池セル110の第1電極端子111に接触し得る。
【0057】
さらに、前記接続バスバー140は、一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112と他の一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112とが電気的に接続するように、一端が一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112に接触し、他端が他の一つの円筒型電池セル110の第2電極端子112に接触し得る。
【0058】
さらに、前記接続バスバー140は、前記円筒型電池セル110の第1電極端子111または第2電極端子112が形成された一端面または他端面と対向するように位置し得る。例えば、
図2に示したように、二つの接続バスバー140が4個の円筒型電池セル110を電気的に直列接続するように構成され得る。また、一つの接続バスバー140の接続部140aは、複数の円筒型電池セル110の第1電極端子111と対向するように一側に位置し得る。他の一つの接続バスバー140は、複数の円筒型電池セル110の第2電極端子112と対向するように他側に位置し得る。
【0059】
一方、前記パックケース120は、一体型で構成され得る。または、前記パックケース120は、二つの部材が結合するように構成され得る。また、前記パックケース120の内部には、円筒型電池セル110などの構成を収容できる空間が形成された収容部123が備えられ得る。例えば、
図2に示したように、4個の円筒型電池セル110が前記パックケース120の内部に収容される空間を有する収容部123が形成され得る。
【0060】
さらに、前記パックケース120の収容部123には、前記複数の円筒型電池セル110が上部に載置される載置台123aが形成され得る。そして、前記載置台123aには、前記複数の円筒型電池セル110の電極端子(第1電極端子)111が形成された端部の外形と対応するように凹んだ形状の凹部が複数個形成され得る。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記パックケース120の収容部123に凹部が複数個形成された載置台123aを形成することで、複数の円筒型電池セル110の外部衝撃による動きを防止することができ、頻繁な動きによる接続バスバー140との接触不良ないし接合解除現象を減らすことができる。
【0062】
さらに、前記パックケース120は、内部から外部に穿孔された開口01が形成された露出部127を少なくとも一つ以上備え得る。具体的に、前記露出部127は、前記パックケース120の外側に開口されて形成され得る。例えば、
図1に示したように、前記露出部127は、F方向から見たとき、前記パックケース120の上部及び下部の各々に形成され得る。
【0063】
また、
図2をさらに参照すれば、前記パックケース120は、各々に前記露出部127が形成された上部ケース121及び下部ケース125を備え得る。また、前記上部ケース121には、前記複数の円筒型電池セル110の上部を内部に収容してカバーできるように内部構造が形成され得る。さらに、前記下部ケース125は、上面が前記上部ケース121の下面と結合するように構成され得る。そして、前記複数の円筒型電池セル110の下部を収容してカバーできるように内部構造が形成され得る。
【0064】
ここで、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語は、観測者の位置や対象の置かれた形態によって変わり得る。但し、本明細書においては、説明の便宜のために、F方向から見たときを基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示す。
【0065】
例えば、
図2に示したように、前記パックケース120は、上部ケース121及び下部ケース125を備えている。また、前記上部ケース121の上部には、内部から外部に穿孔された露出部127が形成され得る。さらに、前記下部ケース125の下部には、内部から外部に穿孔された露出部127が形成され得る。そして、前記上部ケース121の下部と前記下部ケース125の上部とが相互結合して構成され得る。
【0066】
一方、本発明の前記パックケース120には、放熱プレート130が固定されて位置し得る。具体的に、前記放熱プレート130は、金属材質のプレート形態で構成され得る。また、前記金属材質は、熱伝導性に優れた金属であり得る。例えば、前記金属は、銅、アルミニウム、銅合金またはアルミニウム合金であり得る。
【0067】
また、前記放熱プレート130は、前記パックケース120の露出部127に位置し得る。即ち、前記放熱プレート130は、少なくとも一部が前記パックケース120の露出部127によって外部に露出するように構成され得る。例えば、
図1に示したように、前記放熱プレート130は、前記パックケース120の露出部127の穿孔された開口01と対応する大きさ及び形状である長方形のプレート形状を有し得る。
【0068】
また、
図2に示したように、前記パックケース120は、上部ケース121及び下部ケース125を備え得る。さらに、前記上部ケース121及び下部ケース125の各々には、内部から外部に穿孔された露出部127が形成され得る。そして、各々の露出部127には、開口01を通して長方形のプレート形状の第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135の各々の一部が外部に露出するように位置し得る。
【0069】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記放熱プレート130及び前記放熱プレート130の少なくとも一部を外部に露出できるパックケース120の露出部127を備えることで、前記円筒型電池セル110で発生した熱を外部へ効果的に放出できる。
【0070】
図3は、本発明の一実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【0071】
図2と共に
図3をさらに参照すれば、前記熱伝達パッド150は、固体状態であり得る。例えば、前記熱伝達パッド150は、熱伝導性の液体状の高分子素材が所定の形状に加工した後、硬化させたものであり得る。そして、前記熱伝達パッド150は、前記複数の円筒型電池セル110と前記放熱プレート130との間に介在されるように構成され得る。さらに、前記熱伝達パッド150は、一面が前記放熱プレート130の内側面と接するように構成され得る。そして、前記熱伝達パッド150の他面は、前記複数の円筒型電池セル110の外面の一部を囲むように形成され得る。
【0072】
具体的に、前記熱伝達パッド150は、前記複数の円筒型電池セル110の上部を囲むように形成された上部パッド151と、前記複数の円筒型電池セル110の下部を囲むように形成された下部パッド155と、を備え得る。例えば、
図3に示したように、前記上部パッド151は、第1放熱プレート131と前記複数の円筒型電池セル110との間に介在されるように形成され得る。そして、前記下部パッド155は、第2放熱プレート135と前記複数の円筒型電池セル110との間に介在されるように形成され得る。
【0073】
また、前記上部パッド151及び前記下部パッド155の各々には、前記複数の円筒型電池セル110の間に介在されるように二次電池パック100の内側方向へ突出した突出構造P1と、二次電池パック100の外側方向へ凹んだ凹み構造U1とが形成された屈曲部153が備えられ得る。
【0074】
より具体的に、前記突出構造P1は、前記複数の円筒型電池セル110同士の隙間を一部満し得る形状を有することができる。例えば、前記突出構造P1は、突出した方向へ幅が細くなるように形成され得、外側面が平面を有し得る。
【0075】
そして、前記上部パッド151及び前記下部パッド155の各々に形成された前記屈曲部153の凹み構造U1は、アーチ状の構造を有し得る。例えば、
図2に示したように、前記上部パッド151及び前記下部パッド155の各々には、3個の突出構造P1及び4個のアーチ状の凹み構造U1が形成された屈曲部153が4箇所に形成され得る。
【0076】
また、前記熱伝達パッド150は、熱伝導性の高い素材を少なくとも一部含み得る。ここで、前記熱伝達パッド150は、熱伝導性の高い高分子樹脂またはシリコーン系樹脂及びフィラーを含み得る。例えば、前記高分子樹脂は、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂またはエポキシ樹脂であり得る。さらに、前記シリコーン樹脂は、シロキサン結合による主要骨格を有する人工高分子化合物を指す。例えば、
図3に示したように、前記上部パッド151及び前記下部パッド155は、前記熱伝導性の高いシリコーン系樹脂が硬化した形態であり得る。
【0077】
したがって、本発明のこのような構成によれば、熱伝導性材質の前記熱伝達パッド150が、前記複数の円筒型電池セル110と前記放熱プレート130との間に介在されることで、二次電池パック100の内部に収容された複数の円筒型電池セル110で発生した熱が前記熱伝達パッド150を介して効果的に放熱プレート130に伝達できる。これによって、二次電池パック100の冷却効果を極大化することができる。
【0078】
図4は、本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【0079】
図4を参照すれば、本発明の他の実施例による二次電池パック100は、
図3の熱伝達パッド150とは異なる形状の熱伝達パッド150Bを備え得る。具体的に、前記熱伝達パッド150Bは、前記上部パッド151B及び前記下部パッド155Bの各々に備えられた屈曲部153Bを備え得る。この際、前記上部パッド151B及び前記下部パッド155Bの各々に備えられた屈曲部153Bの突出構造P1は、相互対向するように位置し得る。また、前記上部パッド151B及び前記下部パッド155Bの各々に形成された突出構造P1は、一部が相互接触した形態を有し得る。即ち、前記上部パッド151Bと下部パッド155Bとが相互接続して一体型となり得る。
【0080】
例えば、
図4に示したように、前記熱伝達パッド150Bは、前記上部パッド151B及び前記下部パッド155Bの各々に備えられた屈曲部153Bの突出構造P1が相互接続した一体型であり得る。
【0081】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の上部パッド151B及び前記下部パッド155Bの各々に備えられた屈曲部153Bの突出構造P1が相互対向するように位置し、一部が相互接続するように形成されることで、前記熱伝達パッド150Bが前記複数の円筒型電池セル110の外面を囲む接触面積をさらに増やすことができる。また、前記複数の円筒型電池セル110同士の間隙を前記熱伝達パッド150Bで満たすことができ、間隙の空気によって停滞される熱による部分過熱を防止することができる。
【0082】
図5は、本発明のさらに他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した一側面図である。
【0083】
図5を参照すれば、本発明の他の実施例による二次電池パック100は、
図3の放熱プレート130とは異なる形状の放熱プレート130Cを備え得る。具体的に、前記放熱プレート130Cには、二次電池パック100の内側方向へ膨らんでいる凸部134が形成され得る。また、前記凸部134は、内側面に前記熱伝達パッド150の屈曲部153の突出構造P1と対応する位置に形成され得る。さらに、前記熱伝達パッド150の前記放熱プレート130Cと対向している外側面には、前記凸部134が挿入されるように二次電池パック100の内側方向へ凹んだ挿入部157が形成され得る。
【0084】
さらに、前記凸部134は、屈曲部153と対応する形状を有し得る。即ち、前記凸部134は、屈曲部153と類似な形態の突出構造及び凹み構造を有し得る。
【0085】
例えば、
図5に示したように、本発明の他の実施例による二次電池パックは、第1放熱プレート131C及び第2放熱プレート135Cを含み得る。また、前記第1放熱プレート131C及び第2放熱プレート135Cの各々の内側面には、二次電池パック100の内側方向へ膨らんでいる凸部134が3個形成され得る。さらに、前記凸部134は、前記上部パッド151及び前記下部パッド155の各々の屈曲部153の突出構造P1と対応する位置に形成され得る。
【0086】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記放熱プレート130Cの内側面に凸部134を形成することで、前記熱伝達パッド150と前記放熱プレート130Cとの間の熱伝達経路の長さを均一にすることができる。即ち、前記複数の円筒型電池セル110のうち、中央に位置した円筒型電池セル110は、外側部に位置した円筒型電池セル110よりも相対的に熱蓄積がよく発生し得るため、劣化する可能性が高い。これに対し、本発明の放熱プレート130Cに凸部134を形成することで、中央に位置した円筒型電池セル110と前記放熱プレート130Cとの熱伝達距離を減らし、放熱速度を高めることができる。これによって、複数の円筒型電池セル110同士の熱均衡を効果的になすことができ、二次電池パック100の寿命を効果的に延ばすことができる。
【0087】
図6は、本発明の他の実施例による二次電池パックの幾つかの構成を分離して概略的に示した分離斜視図である。
図7は、本発明の他の実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。そして、
図8は、
図7の二次電池パックを線C-C’に沿って切断して概略的に示した断面図である。
【0088】
図6~
図8を参照すれば、前記放熱プレート130は、第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135を備え得る。そして、前記上部ケース121D及び前記下部ケース125Dの各々の露出部127の内側には、内部へ凹んだ挿入溝127hが形成され得る。具体的に、前記挿入溝127hは、前記第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135の各々の外周縁が挿入固定されるように凹んだ大きさを有し得る。
【0089】
例えば、
図6に示したように、前記挿入溝127hは、前記露出部127の内側に形成され得る。そして、前記挿入溝127hは、穿孔された露出部127の内周面127Dに沿って延びて形成され得る。さらに、
図8に示したように、前記第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135の各々の外周縁が前記上部ケース121D及び前記下部ケース125Dの各々に形成された挿入溝127hに挿入され得る。
【0090】
この際、前記第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135の各々は、インサート射出成形によって上部ケース121D及び下部ケース125Dの各々の内部に挿入されるように形成され得る。例えば、前記パックケース120Dの上部ケース121D及び下部ケース125Dを鋳造によって製造する場合、金型に予め放熱プレート130を配置し、溶融したパックケース120Dの材料(例えば、プラスチック高分子樹脂)を注入した後、硬化する方式でパックケース120Dに挿入された放熱プレート130を製造することができる。
【0091】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記放熱プレート130をパックケース120Dの露出部127の内面に形成された挿入溝127hに挿入固定することで、別の固定部材を用いることなく前記放熱プレート130を固定することができ、材料費を節減することができる。そして、前記放熱プレート130が前記パックケース120Dに挿入された形態は外部衝撃にも分離されにくく、二次電池パック100の耐久性が大幅向上する。
【0092】
また、
図8の熱伝達パッド150Dは、
図2の熱伝達パッド150の形状と異なり得る。具体的に、前記熱伝達パッド150Dは、上部パッド151D及び下部パッド155Dを含み得る。そして、前記上部パッド151D及び下部パッド155Dの各々には、前記放熱プレート130の内側面と接触するように外側方向へ突出した支持部156Dが形成され得る。さらに、前記支持部156Dは、前記露出部127の開口01を通して露出した放熱プレート130の外側面の大きさと対応する大きさを有し得る。
【0093】
例えば、
図8に示したように、前記熱伝達パッド150Dは、上部パッド151D及び下部パッド155Dを含み得る。そして、前記上部パッド151D及び下部パッド155Dの各々には、第1放熱プレート131及び第2放熱プレート135の各々の内側面と接触するように外側方向へ突出した支持部156Dが形成され得る。
【0094】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の熱伝達パッド150Dに放熱プレート130の内側面と接触するように構成された支持部156Dを形成することで、前記放熱プレート130と前記熱伝達パッド150Dとの間に空間が形成されないように構成できるため、二次電池パックの冷却効率を阻害しない。
【0095】
図9は、本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成である放熱プレートを概略的に示した斜視図である。そして、
図10は、本発明のさらに他の実施例による二次電池パックを
図8のように切断して概略的に示した断面図である。
【0096】
図9及び
図10を参照すれば、前記放熱プレート130Eの外周縁133は、前記放熱プレート130Eの中心部137よりもプレートの上下方向Wの厚さが厚く形成され得る。また、前記放熱プレート130Eの外周縁133は、挿入溝127h2を介して前記パックケース120の内部に挿入された形態を有し得る。
【0097】
具体的に、前記放熱プレート130Eは、全体的に四角プレートの形状を有し得る。そして、前記放熱プレート130Eの外周縁133の厚さは、中心部137よりも1.2~2倍厚く形成され得る。さらに、前記放熱プレート130Eの外周縁133と中心部137との間には厚さの違いによる段差が形成され得る。
【0098】
例えば、
図9に示したように、前記放熱プレート130Eの外周縁133は、中心部137よりもプレートの厚さが厚く形成され得る。また、前記放熱プレート130Eの外周縁133は、中心部137が塞がっている四角フレームの形状を有し得る。
【0099】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記放熱プレート130Eにおいて中心部137より相対的に厚く形成された外周縁133が前記パックケース120の内部に挿入された形態を有する場合、パックケース120の剛性を補強する効果を奏する。即ち、前記放熱プレート130Eの外周縁133は、前記パックケース120の内部を支持するように構成されることで、外部圧力によるパックケース120の変形を効果的に防止することができる。
【0100】
さらに、前記放熱プレート130Eは、厚くなった外周縁133の大きさだけ熱を吸収できる熱容量をふやすことができ、パックケース120との接触面積も増加し、前記複数の円筒型電池セル110で発生した熱を効果的に放熱することができる。
【0101】
図11は、本発明の他の実施例による二次電池パックを概略的に示した斜視図である。
【0102】
図11を参照すれば、本発明の
図11のパックケース120Fは、
図1のパックケース120とは異なる形態を有し得る。
【0103】
具体的に、前記パックケース120Fは、上部ケース121F及び下部ケース125Fを備え得る。また、前記パックケース120Fの上部ケース121F及び下部ケース125Fには、内部から外部に穿孔された露出部127Fが少なくとも一つ以上備えられ得る。さらに、前記露出部127Fは、前記パックケース120Fの上側または下側に形成され得る。例えば、
図11に示したように、前記露出部127Fは、F方向から見たとき、前記パックケース120Fの上部ケース121F及び下部ケース125Fの各々に形成され得る。
【0104】
そして、前記露出部127Fには、穿孔された開口01の一側から他側へ延びて形成されたリブ128rが少なくとも一つ以上形成され得る。さらに、前記複数のリブ128rが形成される場合、前記複数のリブ128rは、相互所定の距離で離隔して形成され得る。また、前記
図1の露出部127Fに穿孔された開口01の平面視による大きさの50%以下の広さで、前記複数のリブ128rが形成され得る。
【0105】
例えば、
図11に示したように、前記パックケース120Fの露出部127Fには、穿孔された開口01の一側から他側へ延びて形成されたリブ128rが6個形成され得る。さらに、前記6個のリブ128rが占める面積は、前記
図1の露出部127Fに穿孔された開口01の大きさの約50%であり得る。
【0106】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記パックケース120Fの露出部127Fに穿孔された開口01の一側から他側へ延びて形成されたリブ128rが少なくとも一つ以上形成されることで、パックケース120Fの剛性をより補強できるだけでなく、使用者が前記パックケース120Fの露出部127Fに位置した放熱プレート130に直接接触することを防止することができる。これによって、二次電池パック100の使用者が、使用中にやけどをするなどの被害を防止することができ、二次電池パック100の安全性を向上させることができる。
【0107】
図12は、本発明の他の実施例による二次電池パックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0108】
図2と共に
図12を参照すれば、本発明の他の実施例による二次電池パック100の熱伝達パッド150Gは、前記複数の円筒型電池セル110の上部を覆うように構成されたカバー部151a及び前記カバー部151aの一側から水平方向へ延びた延長部151bを備え得る。具体的に、前記延長部151bは、前記接続バスバー140と前記複数の円筒型電池セル110の電極端子(第1電極端子)111とが接合された部位を覆うように外側方向へ延びた形態であり得る。
【0109】
例えば、
図12に示したように、他の実施例による熱伝達パッド150Gには、前記複数の円筒型電池セル110の上部を覆うように構成されたカバー部151a及び前記カバー部151aの左右方向の両側端の各々から水平方向へ延びた延長部151bが形成され得る。また、前記延長部151bは外側方向へ延び、さらに下方へ折り曲げられ、前記接続バスバー140の前記複数の円筒型電池セル110の電極端子(第1電極端子)111と接合された部位を覆うように構成され得る。
【0110】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記熱伝達パッド150Gは、前記接続バスバー140と前記複数の円筒型電池セル110の電極端子(第1電極端子)111とが接合された部位を覆うように外側方向へ延びた延長部151bを備えることで、相対的に発熱量が多い接続バスバー140と電極端子(第1電極端子)111との接合部位で発生した熱を前記延長部151bを介して効果的に放熱プレート130へ伝達できる。これによって、二次電池パック100の冷却効果をさらに向上させることができる。
【0111】
そして、本発明による電子デバイス(図示せず)は、前記バッテリーパックを含み得る。例えば、前記バッテリーパックは、前記電子デバイスの外装ケースの内部に収容され得る。また、前記電子デバイスは、電気自転車のような移動手段であり得る。
【0112】
なお、本発明による電動工具は、二次電池パック100を含み得る。例えば、前記電動工具は、電動ドリルであり得る。また、前記二次電池パック100は、前記電動工具の一側に結合するように構成され得る。
【0113】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0114】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、放熱プレートを含む二次電池パックに関する。また、本発明は、前記二次電池パックが備えられた電子デバイス及び電動工具関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
100 二次電池パック
110 円筒型電池セル
111 第1電極端子(電極端子)
112 第2電極端子(電極端子)
120 パックケース
121 上部ケース
123 収容部
125 下部ケース
127 露出部
127h 挿入溝
128r リブ
130 放熱プレート
134 凸部
140 接続バスバー
150 熱伝達パッド
151 上部パッド
151a カバー部
151b 延長部
153 屈曲部
155 下部パッド
157 挿入部