(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】グリーンエネルギー農作物栽培システム
(51)【国際特許分類】
A01G 9/22 20060101AFI20220601BHJP
A01G 9/24 20060101ALI20220601BHJP
A01G 13/02 20060101ALI20220601BHJP
A01G 25/02 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A01G9/22
A01G9/24 X
A01G13/02 F
A01G25/02 601Z
(21)【出願番号】P 2021074562
(22)【出願日】2021-04-27
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】519029055
【氏名又は名称】台鼎國際科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林榮燦
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-58335(JP,A)
【文献】特開平3-94619(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1963764(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/22
A01G 9/24
A01G 13/02
A01G 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットハウス/温室あるいは農地上に設置されるグリーンエネルギー農作物栽培システムであって、
可動式カーテン機構と、太陽光発電装置と、灌漑モジュールとを備え、
前記可動式カーテン機構は、前記ネットハウス/温室にあるいは農地の上方に設置されると共に、少なくとも一つのサンシェード及び少なくとも一つのレインシェードを含み、該少なくとも一つのサンシェードが、該ネットハウス/温室あるいは農地に対して展開および折り畳み自在に、該ネットハウス/温室の頂部にあるいは農地の上方に設置され、該少なくとも一つのレインシェードが、該ネットハウス/温室あるいは農地に対して展開および折り畳み自在に、該ネットハウス/温室の頂部にあるいは農地の上方に設置され、
前記太陽光発電装置は、前記ネットハウス/温室あるいは農地の一側に配置されると共に、前記可動式カーテン機構が作動する必要な電力を供給するために、該可動式カーテン機構に電気連結され、
前記灌漑モジュールは、前記太陽光発電装置に連結されると共に、該太陽光発電装置に連結されるポンプと、該ポンプに連結されると共に農作物を灌漑するために用いられる液体を貯める貯液タンクと、該ポンプを介して該貯液タンクに連通され、且つ前記ネットハウス/温室あるいは農地内の農作物の周辺に配管される複数の灌漑パイプラインとを含むことを特徴とする、
グリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのサンシェードは、少なくとも一つの第1カーテン部材と、該少なくとも一つの第1カーテン部材の両側にそれぞれ配置される二つのガイドケーブルと、第1駆動モータとを含み、該少なくとも一つの第1カーテン部材は、両側のガイドケーブルの駆動によって開閉し、該二つのガイドケーブルは、該第1駆動モータの駆動により、該少なくとも一つの第1カーテン部材を連動させることを特徴とする請求項1に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのサンシェードは、一列に並べられる複数の第1カーテン部材を含み、該複数の第1カーテン部材は、前記二つのガイドケーブルに連結され、前記第1駆動モータの駆動により、同じ方向に開閉することができることを特徴とする請求項2に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのレインシェードは、前記ネットハウス/温室の頂部にあるいは農地の上方に、間隔を置いて配置される複数の弧形支持部材と、該複数の弧形支持部材上に装設される第2カーテン部材と、該複数の弧形支持部材に連結される複数の動作伝達機構と、該複数の動作伝達機構に連結される第2駆動モータとを含み、前記第2駆動モータの駆動により、前記複数の動作伝達機構が駆動されて、前記複数の弧形支持部材を連動して、前記第2カーテン部材を開閉させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項5】
前記各動作伝達機構は、ガイドレールと滑車ユニットからなり、前記第2駆動モータが、該ガイドレールと滑車ユニットに連結され、該各動作伝達機構は、該第2駆動モータの駆動により、前記第2カーテン部材を、前記ネットハウス/温室あるいは農地に対して動かすことができることを特徴とする請求項4に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項6】
前記各動作伝達機構は、歯車とチェーンユニットからなり、前記第2駆動モータが、該チェーンユニットに連結され、該各動作伝達機構は、該第2駆動モータの駆動により、前記第2カーテン部材を、前記ネットハウス/温室あるいは農地に対して動かすことができることを特徴とする請求項4に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項7】
前記太陽光発電装置は、操作室内に設置されるように、前記ネットハウス/温室あるいは農地の一側に配置され、前記灌漑モジュールも該操作室内に設置されることを特徴とする請求項1に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項8】
前記太陽光発電装置は、複数のソーラーパネルと、電池と、制御ユニットと、補助ユニットとを含み、前記複数のソーラーパネルは、前記操作室の屋根に設置され、太陽光を吸収して発電するために用いられ、前記電池は、充電器を有し、該充電器を介して、前記複数のソーラーパネルと電気連結され、該複数のソーラーパネルで発電する電力を蓄蔵するために用いられ、前記制御ユニットは、前記操作室内に設置されると共に、前記複数のソーラーパネル及び前記電池に電気連結され、前記補助ユニットは、前記制御ユニットに電気連結されると共に少なくとも一つのビデオカメラと、照度計と、温度/湿度計と、放射温度計とを含み、前記ポンプは、前記太陽光発電装置の電池及び制御ユニットに電気連結されることを特徴とする請求項7に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項9】
前記電池は、前記第1駆動モータ及び第2駆動モータに電気連結されると共に、直流/交流変換器を有し、前記第1駆動モータ及び第2駆動モータが、直流モータあるいは交流モータであることを特徴とする請求項8に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【請求項10】
前記ネットハウス/温室にあるいは農地に、間隔を置いて並列に配置され、且つ同じ数量の複数のサンシェード及びレインシェードが設置されることを特徴とする請求項1に記載のグリーンエネルギー農作物栽培システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物栽培システムに関し、特に、カーテンの開閉及び農作物の灌漑を自動的に行い、且つ環境にやさしいグリーンエネルギー農作物栽培システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農作物の栽培は、環境及び気候からの影響を受けやすいことから、安定な収穫量及び品質を確保するために、現在では、ネットハウスや温室で農作物を栽培することが多い。ネットハウスや温室での栽培方法は、雨や害虫の被害から農作物を守ることができるが、室内に熱が溜まりやすく、農作物に熱害を与える課題もあり、この問題を解消するために、換気設備や放熱設備を装備する必要がある。しかしこの場合、設置コストの増大を招くだけでなく、大量かつ安定的な電力供給が必要となる。さらに、一部の栽培地は、山間部、遠隔地または電力インフラ整備に欠ける地域(例えば、東南アジア地域など)にあることから、電力供給の不足や不安定により、栽培関連設備の運転に支障をきたし、収穫量及び品質にも影響を及ぼす。一方、必要な電力を供給するために、ディーゼルエンジン式やガソリンエンジン式発電機を利用すると、これにより、環境への悪影響が生じるため、既存の農作物の栽培は改善の必要性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記の従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、換気設備や放熱設備の追加を不要にし、山間部、遠隔地または電力インフラ整備が不十分な地域であっても、安定した電力を供給することが可能となり、関連設備の運転に支障をきたすことなく、安定な収穫量及び品質を確保でき、かつディーゼルエンジン式やガソリンエンジン式発電機を使用せずに、グリーンエネルギー農作物栽培システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、環境条件に応じてネットハウスや温室内の温度湿度を調節することができ、かつ太陽光発電を利用して、設備への運転電力や電池への補充電力を供給し、カーテンの開閉及び農作物の灌漑を自動的に行うことができ、環境にやさしい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明は、ネットハウス/温室あるいは農地上に設置されるグリーンエネルギー農作物栽培システムであって、可動式カーテン機構と、太陽光発電装置と、灌漑モジュールとを備え、前記可動式カーテン機構は、前記ネットハウス/温室にあるいは農地の上方に設置されると共に、少なくとも一つのサンシェード及び少なくとも一つのレインシェードを含み、該少なくとも一つのサンシェードが、該ネットハウス/温室あるいは農地に対して展開および折り畳み自在に、該ネットハウス/温室の頂部にあるいは農地の上方に設置され、該少なくとも一つのレインシェードが、該ネットハウス/温室あるいは農地に対して展開および折り畳み自在に、該ネットハウス/温室の頂部にあるいは農地の上方に設置され、前記太陽光発電装置は、前記ネットハウス/温室あるいは農地の一側に配置されると共に、前記可動式カーテン機構が作動する必要な電力を供給するために、該可動式カーテン機構に電気連結され、前記灌漑モジュールは、前記太陽光発電装置に連結されると共に、該太陽光発電装置に連結されるポンプと、該ポンプに連結されると共に農作物を灌漑するために用いられる液体を貯める貯液タンクと、該ポンプを介して該貯液タンクに連通され、且つ前記ネットハウス/温室あるいは農地内の農作物の周辺に配管される複数の灌漑パイプラインとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記の技術手段によれば、本発明に係るグリーンエネルギー農作物栽培システムは、少なくとも以下の優れた点と有利な効果を有する。
<1>電力を自給自足可能である。
本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムは使用時に、太陽光発電装置の各ソーラーパネルを介して太陽光を吸収して発電し、その後、充電器を介して、発電電力を電池に充電する。例えば、当該ネットハウス/温室あるいは農地が、東南アジア地域や、山間部、遠隔地などの電力インフラ整備が不十分な地帯にある場合、一般発電施設から供給される電力が不足や不安定の時に、電池は、可動式カーテン機構及び灌漑モジュールに必要な電力を提供することができる。詳しく述べると、太陽光発電装置から充電される直流電流を変換することなく、変換損失を生じずに、そのままで直流モータである第1駆動モータ及び第2駆動モータに供給することができ、これに対して、第1駆動モータ、第2駆動モータ、ポンプ及び操作室内の様々な設備が交流電源を使用する場合、太陽光発電装置から充電される直流電流を、直流/交流変換器を介して交流電流に変換してから、それらの交流電源設備に給電することができる。
<2>カーテンの開閉及び農作物の灌漑を自動的に行う。
本発明の太陽光発電装置の制御ユニットは、ソーラーパネルからの発電電流の大きさを検知して、太陽光の強度を判断し、その判断に基づき、サンシェードの開閉を自動的に調節するができる。例えば、大電流が検出される場合、太陽光の強度は強いと判断し、農作物を日焼けから守るため、サンシェードを展開させて太陽光を遮蔽し、一方で、小電流が検出する場合、太陽光の強度は弱いと判断し、農作物をより多くの日光に当たるため、サンシェードを収合させる。同じく、制御ユニットは、農作物を大雨の被害から守るために、第2駆動モータを作動して、各動作伝達機構を駆動し、レインシェードの開閉を行う。また、補助ユニットのビデオカメラ、照度計、温度/湿度計及び放射温度計を介して、現時の環境条件を検知し、その後、検知したデーターを制御ユニットに転送し、制御ユニットはその検知データーに基づき、第1駆動モータを駆動して、ガイドケーブルを介して、各第1カーテン部材を連れて動かすことができる。このような設置により、サンシェードとレインシェードの開閉、及び農作物の灌漑のタイミングや時間を制御することが可能となり、これにより、農作物の栽培に好適な育成条件を提供し、収穫量及び品質の向上を図ることができる。さらに、制御ユニットは、ソーラーパネルからの発電電流の大きさを検知することで、灌漑モジュールの作動タイミング及び作動時間を自動的に調節するができる。例えば、灌漑モジュールが、一日に農作物に水を少量ずつ複数回で灌漑するモードに設定される場合、検出されたソーラーパネルの発電電流の大きさに基づいて、灌漑モジュールの作動時間の長さ及び間隔を調整することができ、その結果、異なる日光、温度、湿度などの条件に応じて、灌漑することが可能となるので、農作物の収穫量及び品質を大幅に向上することができる。
<3>環境にやさしい。
本発明は、太陽光発電装置を介して必要な電力を提供し、他の発電装置を介して発電する必要がなく、環境にもたらす影響を減少し、環境保護の面で優れる。また、複数のソーラーパネルが操作室の上方に設置されることにより、操作室の日よけになり、降温効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムの側面視局部断面模式図である。
【
図2】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムにおける太陽光発電装置の構成要素を示す模式図である。
【
図3】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムがネットハウス/温室に設置される場合を示す斜視図である。
【
図4】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムの可動式カーテン機構を展開する操作を示す模式図である。
【
図5】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムにおける第1カーテン部材の他の実施例の斜視図である。
【
図6】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムにおける動作伝達機構の他の実施例の斜視図である。
【
図7】本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムにおける灌漑モジュールを示す側面視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~
図3に示すように、本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムの好適な実施例においては、ネットハウス/温室50あるいは農地上に設置されると共に、可動式カーテン機構10、太陽光発電装置20及び灌漑モジュール30を備える。
【0009】
図1及び
図3に示すように、前記可動式カーテン機構10は、ネットハウス/温室50あるいは農地の上に設置されると共に、少なくとも一つのサンシェード11及び少なくとも一つのレインシェード12を含む。
該少なくとも一つのサンシェード11は、ネットハウス/温室50の頂部にあるいは農地の上に設置されると共に、
図3及び
図5に示すように、少なくとも一つの第1カーテン部材13、それぞれが該少なくとも一つの第1カーテン部材13の両側に配置される二つのガイドケーブル14、及び第1駆動モータ15を含み、該少なくとも一つの第1カーテン部材13は、両側に配置されるガイドケーブル14の駆動によって、展開したり、収合したりして、該二つのガイドケーブル14は、該第1駆動モータ15の駆動により、該少なくとも一つの第1カーテン部材13を移動させる。
図5に示すように、前記少なくとも一つのサンシェード11は、一列に並べられる複数の第1カーテン部材13Aを含んでもよく、該複数の第1カーテン部材13Aは、該二つのガイドケーブル14Aに連結されていることから、前記第1駆動モータ15の駆動により、同じ方向に沿って、展開したり、収合したりすることができる。
【0010】
図3及び
図6に示すように、前記少なくとも一つのレインシェード12は、前記少なくとも一つのサンシェード11の上方に配置されるように、ネットハウス/温室50の頂部あるいは農地の上に設置されると共に、複数の弧形支持部材16、第2カーテン部材17、複数の動作伝達機構18/18A、及び第2駆動モータ19を含む。
該複数の弧形支持部材16は、ネットハウス/温室50の頂部あるいは農地の上に、間隔を置いて設置され、該第2カーテン部材17は、該複数の弧形支持部材16上に装設され、該複数の動作伝達機構18/18Aは、該複数の弧形支持部材16に連結され、該第2駆動モータ19は、該複数の動作伝達機構18/18Aに連結されていることから、該複数の動作伝達機構18/18Aを駆動して、該複数の弧形支持部材16を連れて移動し、これにより、該第2カーテン部材17を、展開したり、収合したりする。
尚、前記各動作伝達機構は、
図3に示されているガイドレール及び滑車ユニット18からなるものであってもよく、または
図6に示されている歯車及びチェーンユニット18Aからなるものであってもよい。前記第2駆動モータ19は、該ガイドレール及び滑車ユニット18にあるいは該歯車及びチェーンユニット18Aに連結されていることにより、該各動作伝達機構18/18Aを駆動することにより、前記第2カーテン部材17を、ネットハウス/温室50あるいは農地に対して動かすことができる。また、ネットハウス/温室50にあるいは農地に、間隔を置いて並列に配置され、かつ同じ数量の複数のサンシェード11及びレインシェード12が設置されることが好ましく、また、前記第1駆動モータ15及び第2駆動モータ19が、直流モータ(DC motor)あるいは交流モータ(AC motor)であってもよい。前記可動式カーテン機構10の内部構造は、本出願人が以前に提案した上記の特許出願書類に記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0011】
図1に示すように、前記太陽光発電装置20は、ネットハウス/温室50あるいは農地の一側に配置されるように、操作室60内に設置されると共に、前記可動式カーテン機構10に電気連結され、これにより、作動中の該可動式カーテン機構10に必要な電力を供給する。
図2に示すように、該太陽光発電装置20は、複数のソーラーパネル21、電池22、制御ユニット23及び補助ユニット24を含む。前記複数のソーラーパネル21は、前記操作室60の屋根に設置されることにより、より多くの太陽光を吸収することが可能となり、また、該操作室60に当たる日光を遮蔽して、室内温度の上昇を抑制する効果を期待できる。前記電池22は、充電器25を有し、該充電器25を介して、前記複数のソーラーパネル21に電気連結され、該複数のソーラーパネル21が発電する電力を蓄蔵する。詳しく述べると、該電池22は、前記第1駆動モータ15及び第2駆動モータ19に電気連結されると共に、直流/交流変換器221を有する。前記制御ユニット23は、前記操作室60内に設置されると共に、前記複数のソーラーパネル21及び電池22に電気連結される。前記補助ユニット24は、前記制御ユニット23に連結されると共に、少なくとも一つのビデオカメラ241、照度計242、温度/湿度計243及び放射温度計244を含み、これらの各設備は、記録及び計算処理のために、検知した情報を該制御ユニット23に転送することができる。
【0012】
図1及び
図7に示すように、前記灌漑モジュール30は、前記太陽光発電装置20に電気連結されるように、前記操作室60内に設置されると共に、ポンプ31、貯液タンク32及び複数の灌漑パイプライン33を有する。該ポンプ31は、該太陽光発電装置20の電池22及び制御ユニット23に電気連結され、該貯液タンク32は、該ポンプ31に流体連結され、農作物を灌漑するために用いられる液体(例えば、水や栄養液など)を貯めるために用いられ、該複数の灌漑パイプライン33は、該ポンプ31を介して該貯液タンク32に流体連結され、該各灌漑パイプライン33は、ネットハウス/温室50あるいは農地内の農作物の周辺に配管される。
【0013】
図1に示すように、本発明のグリーンエネルギー農作物栽培システムは使用時に、太陽光発電装置20の各ソーラーパネル21を介して太陽光を吸収して発電し、その後、
図2に示すように、充電器25を介して、発電電力を電池22に充電する。
例えば、当該ネットハウス/温室50あるいは農地が、東南アジア地域や、山間部、遠隔地などの電力インフラ整備が不十分な地帯にある場合、一般発電施設から供給される電力が不足や不安定の時に、電池22は、可動式カーテン機構10及び灌漑モジュール30に必要な電力を提供することができる。詳しく述べると、太陽光発電装置20から充電される直流電流を変換することなく、変換損失を生じずに、そのままで直流モータである第1駆動モータ15及び第2駆動モータ19に供給することができ、これに対して、第1駆動モータ15、第2駆動モータ19、ポンプ31及び操作室60内の様々な設備が交流電源を使用する場合、太陽光発電装置20から充電される直流電流を、直流/交流変換器221を介して交流電流に変換してから、それらの交流電源設備に給電することができる。その結果、本発明は、他の発電装置に頼って発電する必要がないので、環境への影響を抑制し、環境保護を図る。
【0014】
本発明の太陽光発電装置20の制御ユニット23は、ソーラーパネル21からの発電電流の大きさを検知して、太陽光の強度を判断し、その判断に基づき、サンシェード11の開閉を自動的に調節するができる。
例えば、大電流が検出される場合、太陽光の強度は強いと判断し、農作物を日焼けから守るため、
図3に示すように、サンシェード11を展開させて太陽光を遮蔽し、一方で、小電流が検出する場合、太陽光の強度は弱いと判断し、農作物をより多くの日光に当たるため、サンシェード11を収合させる。同じく、制御ユニット23は、農作物を大雨の被害から守るために、第2駆動モータ19を作動して、各動作伝達機構18、18Aを駆動し、
図4に示すように、レインシェード12の開閉を行う。また、補助ユニット24のビデオカメラ241、照度計242、温度/湿度計243及び放射温度計244を介して、現時の環境条件を検知し、その後、検知したデーターを制御ユニット23に転送し、制御ユニット23はその検知データーに基づき、第1駆動モータ15を駆動し、ガイドケーブル14、14Aを介して、各第1カーテン部材13、13Aを連れて動かすことができる。
このような設置により、サンシェード11とレインシェード12の開閉、及び農作物の灌漑のタイミングや時間を制御することが可能となり、これにより、農作物の栽培に好適な育成条件を提供し、収穫量及び品質の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、制御ユニット23は、ソーラーパネル21からの発電電流の大きさを検知することで、灌漑モジュール30の作動タイミング及び作動時間を自動的に調節するができる。
例えば、
図7に示すように、灌漑モジュール30が、一日に農作物に水を少量ずつ複数回灌漑するモードに設定される場合、検出されたソーラーパネル21の発電電流の大きさに基づいて、灌漑モジュール30の作動時間の長さ及び間隔を調整することができる。その結果、異なる日光、温度、湿度などの条件に応じて、灌漑することが可能となるので、農作物の収穫量及び品質を大幅に向上することができる。上述した技術的特徴によれば、電力を自給自足が可能で、カーテンの開閉及び農作物の灌漑を自動的に行い、且つ環境にやさしいグリーンエネルギー農作物栽培システムを提供する目的を達成する。
【符号の説明】
【0016】
10 可動式カーテン機構
11 サンシェード
12 レインシェード
13、13A 第1カーテン部材
14、14A ガイドケーブル
15 第1駆動モータ
16 弧形支持部材
17 第2カーテン部材
18、18A 動作伝達機構
19 第2駆動モータ
20 太陽光発電装置
21 ソーラーパネル
22 電池
221 直流/交流変換器
23 制御ユニット
24 補助ユニット
241 ビデオカメラ
242 照度計
243 温度/湿度計
244 放射温度計
25 充電器
30 灌漑モジュール
31 ポンプ
32 貯液タンク
33 灌漑パイプライン
50 ネットハウス/温室
60 操作室
【要約】 (修正有)
【課題】ネットハウスや温室内の温度湿度を自動的に調節でき、かつ太陽光発電を利用して、設備への運転電力や電池への補充電力を供給し、カーテンの開閉及び農作物の灌漑を自動的に行うことができる、環境にやさしいグリーンエネルギー農作物栽培システムを提供する。
【解決手段】グリーンエネルギー農作物栽培システムであって、可動式カーテン機構、太陽光発電装置、灌漑モジュールを備え、可動式カーテン機構は少なくとも一つの、サンシェード及びレインシェードを含み、太陽光発電装置は可動式カーテン機構に電気連結され、灌漑モジュールは、太陽光発電装置に連結されると共に、太陽光発電装置に連結されるポンプと、ポンプに連結され、農作物を灌漑するための液体を貯める貯液タンクと、ポンプを介して貯液タンクに連通され、且つネットハウス/温室あるいは農地内の農作物の周辺に配管される複数の灌漑パイプラインとを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1