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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】製紙システム
(51)【国際特許分類】
   D21F 7/00 20060101AFI20220602BHJP
   D21F 9/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
D21F7/00 Z
D21F9/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017189245
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019065408
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-07-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雑賀 理通
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛照
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-087370(JP,A)
【文献】特開2002-278619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0185685(US,A1)
【文献】特開2002-095069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙機と、製紙機の稼働状況を管理する管理サーバーと、製紙機と一体的にまたは独立して設けられ、製紙機の稼働状況に基づく稼働データを管理サーバーに送信する稼動状況送信手段とを備え、
管理サーバーは、稼働状況送信手段から受信した稼働データを記憶する稼動状況記憶部と、稼動状況記憶部に記憶した稼働データに基づく製紙機関連情報を利用者端末に送信する製紙情報送信手段と、管理サーバーの作動を制御する制御部と、利用者端末から利用者が任意選択した必要とする情報に制限するコマンドを受信するコマンド受信手段と、稼働状況記憶部に記憶された稼働データを読出し、読み出した稼働データから利用者が任意選択した必要とする情報を所定の形態に編集して編集情報を生成する編集情報生成手段を有し、
制御部は、編集情報生成手段に、受信した前記コマンドに応じた利用者が任意選択した必要とする情報の編集情報を生成させ、編集情報生成手段で生成された前記編集情報を利用者端末に送信することを特徴とする製紙システム。
【請求項2】
制御部は、受信した稼働データに製紙機の各種のエラー情報が含まれる場合に、製紙情報送信手段を制御し、少なくとも受信したエラー情報に対応する製紙関連情報を利用者端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の製紙システム。
【請求項3】
製紙機または稼働状況送信手段に設けられ、管理サーバーに送信する稼動データを暗号化する暗号化手段と、管理サーバーに設けられ、受信した稼働データを復号化する復号化手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の製紙システム。
【請求項4】
製紙機は、内部時計を備え、管理サーバーに設けられる基準時計の時刻を受信することにより内部時計の時刻を補正することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の製紙システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙システムに係り、製紙機の稼働状況等を遠隔監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製紙機としては、例えば特許文献1に記載するものがある。これは古紙処理装置にかかるものであり、古紙の裁断紙片を離解して再生パルプを調製する再生パルプ部と、再生パルプを漂白して脱墨パルプを調製する脱墨パルプ部と、脱墨パルプを抄紙して再生紙を調製する抄紙部と、各部の運転を制御する制御部を備えている。
【0003】
制御部は、稼動開始から稼動停止までの運転プロセスを逐次実行する自動運転制御機能部と、稼動開始と稼動停止の少なくとも何れか一方のタイミングを自動運転制御機能部へ指示信号として入力するタイミング入力部とを有している。
【0004】
タイミング入力部は、制御部の内部に配設する内部時計が予定時刻に達したときに発する指示信号、または制御部の外部に配設する外部時計が予定時刻に達したときに発する指示信号を自動運転制御機能部へ入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-299229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の製紙機の自動運転では、所定の時間に運転を開始し、所定時間運転した後に停止し、製紙機の稼働中において作動エラーが発生すると製紙機が自動的に停止する。また、製紙機の手動運転では、ユーザーが任意の時間に運転を開始し、任意の時間に運転を停止する。
【0007】
しかし、製紙機の稼働中において、常にユーザーが製紙機の稼働状態を確認していることはないので、エラー発生してもしばらくの間は製紙機が停止する状態に放置されるなど、製紙機の稼働率を下げる要因となっていた。
【0008】
また、ユーザーは製紙機の稼働状況に応じた統計的な数値などを容易に把握することを望んでいる。
【0009】
本発明は上記した課題を解決するものであり、製紙機の稼働状況を遠隔監視することができ、製紙機の管理者が作動エラーの発生を速やかに知り得ることで、製紙機の運転を速やかに再開することができる製紙システムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る製紙システムは、製紙機と、製紙機の稼働状況を管理する管理サーバーと、製紙機と一体的にまたは独立して設けられ、製紙機の稼働状況に基づく稼働データを管理サーバーに送信する稼動状況送信手段とを備え、管理サーバーは、稼働状況送信手段から受信した稼働データを記憶する稼動状況記憶部と、稼動状況記憶部に記憶した稼働データに基づく製紙機関連情報を利用者端末に送信する製紙情報送信手段と、管理サーバーの作動を制御する制御部と、利用者端末から利用者が任意選択した必要とする情報に制限するコマンドを受信するコマンド受信手段と、稼働状況記憶部に記憶された稼働データを読出し、読み出した稼働データから利用者が任意選択した必要とする情報を所定の形態に編集して編集情報を生成する編集情報生成手段を有し、制御部は、編集情報生成手段に、受信した前記コマンドに応じた利用者が任意選択した必要とする情報の編集情報を生成させ、編集情報生成手段で生成された前記編集情報を利用者端末に送信することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る製紙システムにおいて、制御部は、受信した稼働データに製紙機の各種のエラー情報が含まれる場合に、製紙情報送信手段を制御し、少なくとも受信したエラー情報に対応する製紙関連情報を利用者端末に送信することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る製紙システムにおいて、製紙機または稼働状況送信手段に設けられ、管理サーバーに送信する稼動データを暗号化する暗号化手段と、管理サーバーに設けられ、受信した稼働データを復号化する復号化手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る製紙システムにおいて、製紙機は、内部時計を備え、管理サーバーに設けられる基準時計の時刻を受信することにより内部時計の時刻を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、製紙機の稼働状況を必要に応じて利用者端末に送信することができ、製紙機の稼働状況を遠隔監視することができる。また、製紙機に作動エラーが発生したことを製紙機の管理者に知らせるので、製紙機の管理者は作動エラーの発生を速やかに知り得て、製紙機の運転を速やかに再開することができる。また、蓄積した稼働状況の情報を利用者が希望する形態で知らせることができる。暗号化により、データ傍受やなりすましによるデータの漏出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態における製紙システムを示すブロック図
図2】同実施の形態おける製紙機を示すブロック図
図3】同実施の制御部を示すブロック図
図4】同実施の形態における表示データ例の基本情報を示す模式図
図5】同実施の形態における表示データ例の履歴情報を示す模式図
図6】同実施の形態における表示データ例の集計情報を示す模式図
図7】本発明の他の実施の形態おける製紙機を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図2において、本実施の形態における製紙機1は、例えばオフィスなどに設置することが可能な小型の製紙装置である古紙再生処理装置として構成される。製紙機1は、製紙機本体10の内部に、パルプ液製造部2、脱墨部3、抄紙部4、乾燥部5、仕上げ部6を備え、各部を制御する制御装置13を有している。
【0019】
パルプ液製造部2は、パルプ原料を離解してパルプを含むパルプ懸濁液を製造する工程をなす。本実施の形態では、古紙11をパルプ原料として、パルプ懸濁液を製造する。
【0020】
脱墨部3は、パルプ液製造部2において製造されたパルプ懸濁液を脱墨する工程をなす。抄紙部4は、脱墨部3から供給される脱墨済みのパルプ懸濁液を抄紙して湿紙を生成する工程をなす。乾燥部5は、抄紙部4で形成された湿紙を乾燥させる工程をなす。仕上げ部6は、乾燥部5で乾燥された乾紙の成形紙に裁断等の仕上げ処理を行って用紙12を得る工程をなす。
【0021】
図1において、本実施の形態における製紙システムは、基本の機械的構成が製紙機1と管理サーバ51と端末52と各機器間の通信を行う通信網53からなる。本実施の形態において、通信網53はインターネット531を主な通信手段としており、無線LANルーター533等を含んでいる。
【0022】
図3に示すように、製紙機1の制御部13は、CPUに設定する機能回路として、以下の機能部を有している。つまり、稼働制御部71として、パルプ液製造部2の運転を制御するパルプ液製造部制御機能部711と、脱墨部3の運転を制御する脱墨部制御機能部712と、抄紙部4の運転を制御する抄紙部制御機能部713と、乾燥部5の運転を制御する乾燥部制御機能部714と、仕上げ部6の運転を制御する仕上げ部制御機能部715と、稼動開始から稼動停止までの運転プロセスを逐次実行する自動運転制御機能部716と、自動運転制御機能部716へ稼動開始の許可指示または不許可指示を入力する運転ロック制御機能部717と、調製する再生紙の目標枚数を設定する目標枚数設定機能部718と、調製した再生紙の枚数を数えるカウンター機能部719を有している。
【0023】
また、公開鍵受信部720と、暗号化・複合化部721と、稼働データ送信部722と、内部時計723を有している。また、制御部13には表示部724が設けられている。表示部724は、タッチパネル液晶などにより構成されており、製紙機1の現在の稼働状況やエラー情報等を表示し、また、各種設定や稼働開始、停止の指令を行うことができる。
【0024】
稼働データ送信部722は、製紙機1の稼働状況に基づく稼働データを管理サーバー51に送信する稼動状況送信手段をなし、本実施の形態では製紙機1と一体的に設けているが、製紙機1とは独立して設けることも可能である。また、稼働状況送信部722は、管理サーバー51に対して、所定の周期で稼働データを送信する。また、稼働状況送信部722は、製紙機1の製紙工程における工程移行のタイミングや工程エラー発生のタイミングで稼働データを送信する。
【0025】
所定周期で送信される稼働データには、製紙機1での用紙出力情報(出力枚数等)や環境情報(温度・湿度等)やログ(各駆動部や各センサの稼働状態)などが含まれる。また、稼働データには、利用者の操作情報も含むことができ、この場合、管理サーバー51に利用者の操作情報が蓄積されるので、利用者の操作状況を可視化することができる。よって、サーバー管理者(メーカー)やサービスマンは、トラブルの原因を推測するのに役立てることができる。
【0026】
製紙機1では、管理サーバー51から公開鍵受信部720に公開鍵を受け取った後に、稼働データを暗号化する。なお、公開鍵は、製紙機1ごとに異なり、且つ通信の都度異なる公開鍵が用いられる
管理サーバー51は、製紙機1の稼働状況を管理するものであり、管理サーバーの作動を制御する制御部511と、稼働データ送信部722から受信した稼働データを記憶する稼動状況記憶部512と、稼動状況記憶部512に記憶した稼働データに基づく製紙機関連情報を利用者端末に送信する製紙情報送信手段をなす製紙情報送信部513と、公開鍵生成部514と、稼働データ受信部515と、稼働指令部516と、暗号化・複合化部517と、正確な時刻生成部518と、稼働データ編集部519と、操作状況の可視化部520と、コマンド受信部521を備えている。
【0027】
管理サーバー51の制御部511は、受信した稼働データに製紙機1の各種のエラー情報が含まれる場合に、製紙情報送信部513を制御し、少なくとも受信したエラー情報に対応する製紙関連情報を利用者端末527に送信する。また、当該製紙関連情報をメーカー/サービス端末528にも送信することができる。
【0028】
また、制御部511は、受信した稼働データに製紙機1の各種エラー情報が含まれない場合も、製紙情報送信部513を制御し、製紙機関連情報として環境情報、操作情報、消耗品情報やログ情報を利用者端末527やメーカー/サービス端末528に送信する。
【0029】
なお、製紙機1の利用形態によっては、製紙機関連情報の中には利用者にとって不要となり得る情報もある。そのため、利用者にとって不要な情報が存在する場合には、利用者端末527に送信する製紙機関連情報を利用者の必要とする情報のみに制限してもよい。
【0030】
例えば、利用者にとって、環境情報が必要な情報である場合、図1に示される、利用者端末527に送信する製紙機関連情報の暗号化データから、操作情報、消耗品情報やログが省かれることとなる。
【0031】
利用者端末527に送信する製紙機関連情報の制限は、製紙機1の利用形態に応じて、サーバー管理者(メーカー)によって予め制限する情報を設定してもよいし、利用者が任意選択して制限する情報を設定するようにしてもよい。
【0032】
管理サーバー51は、コマンド受信部521が利用者端末527からのコマンドを受信し、編集情報生成手段をなす稼働データ編集部519が稼働状況記憶部512に記憶された稼働データを読出し、読み出した稼働データを所定の形態に編集して編集情報を生成する。
【0033】
利用者端末からのコマンドには、製紙機1の稼働開始、停止の指令を含むことができる。稼働指令部516は利用者端末527からのコマンドを製紙機1に送信する。製紙機1から離れた場所からでも利用者の任意のタイミングで稼働停止の指令を行うことにより、製紙機の設置場所に到着したあとに生成された用紙の排出の待ち時間を省略できる。
【0034】
制御部511は、稼働データ編集部519に、受信したコマンドに応じた編集情報を生成させ、この編集情報を利用者端末527に送信する。すなわち、管理サーバー51に蓄積された、生成した用紙枚数や稼働時間やエラー件数などの稼働データを集計し、例えば年/月単位でまとめた集計情報を、利用者の希望する形態(表形式、グラフ形式など)で通知できる。また、蓄積された稼働データを集計することなく、単純に現在の稼働状況や履歴として通知することも可能である。
【0035】
利用者端末527には、例えば、図4に示すように、基本情報が表示される。この基本情報には、運転の状況や再生枚数、用紙投入の量などが表示される。また、製紙機1に現在設定している情報が表示される。さらに、図5に示すように、履歴情報が表示される。この履歴情報には、例えば運転情報とエラー情報がある。図5においては、運転情報を表示しており、日時、再生紙の厚み、脱墨コース、乾燥調整、再生枚数等の項目が表示される。また、図6に示すように、集計情報が表示される。集計情報には例えば運転情報とエラー情報がある。集計情報は、集計期間の範囲を限定して表示でき、図6においては、エラー情報を表示しており、エラーコードとともに内容および件数が表示される。
【0036】
製紙機1は一般的に、定期的にメンテナンスが必要である。また、製紙機1の使用状況によってメンテナンスが必要となるタイミングも異なる。そこで、サーバー管理者やサービスマンは、管理サーバーに蓄積された稼働データを解析することにより、適切にメンテナンス要否の判断(消耗品の補給要否判断を含む)を行うことができ、利用者にメンテナンス情報を通知できる。
【0037】
すなわち、管理サーバー51には、製紙機1の稼働データを解析する以下の機能を持たせることも可能である。
【0038】
1.消耗品(薬剤)の前回補給時からの使用量と、前回補給時から現在までの経過時間とから、消耗品の消費傾向を推測し、この消費傾向において残量を消費する時期、つまり補給時期を予測し、事前に補給時期を連絡をする。
【0039】
2.一定時間運転させたり、一定期間経過したりすると水に溶けた繊維による汚れや水垢などにより性能が落ちるため、定期的なメンテナンスが必要であり、前回メンテナンスを行ってからの運転時間の合計と日々の運転時間により、メンテナンス時期を予測し、事前にメンテナンス時期を連絡する。
【0040】
3.製紙機の洗浄において、標準的な洗浄時間に対して、実施の洗浄時間が長くなる傾向にあると、配管や洗浄箇所の汚れがひどくなってきていると予測できるので、メンテナンスが必要である旨の連絡をする。
【0041】
4.用紙投入量における標準的な再生枚数に対して、実際の再生枚数が多くなる傾向にあると、脱墨性能低下による廃繊維が少なすぎたり、配管目詰まりによる紙厚(湿紙や生成した用紙の厚み)が薄くなったりしている可能性が推測され、トラブルになる前にメンテナンスが必要である旨の連絡をする。
【0042】
5.操作状況の可視化とエラーの統計により、ヒューマンエラーによるものと推測できることに関しては、利用者に指導することができる。
【0043】
6.トラブル発生時に、そのトラブル発生前のセンサーや駆動部の動作状態に履歴解析からトラブルの原因を推測する。
【0044】
なお、利用者への通知は、製紙情報送信部513を制御して必要に応じて自動的に製紙関連情報として送信してもよいし、解析結果を受けたサーバー管理者やサービスマンから利用者に通知するようにしてもよい。
【0045】
製紙機1の暗号化・複合化部517は、管理サーバー51に送信する稼動データを暗号化する。また、管理サーバー51の暗号化・複合化部517は、受信した稼働データを復号化する。また、製紙機1は、管理サーバー51の正確な時刻生成部518から管理サーバー51の基準時計の時刻を受信することにより内部時計723の時刻を補正する。
【0046】
また、管理サーバー51の暗号化・複合化部517は、製紙機1に送信する基準時計の時刻や稼働指令を暗号化する。また、製紙機1の暗号化・複合化部721は、受信した暗号化された基準時計の時刻や稼働指令を複合化する。
【0047】
本実施の形態では、パルプ懸濁液から抄紙する湿式の古紙再生処理装置を例示して本発明を説明したが、本発明は古紙再生処理装置のみならず、乾式の製紙機にも適用可能である。図7に示すように、乾式の製紙機81では、例えば、繊維化部82において、古紙等の原材料を摩砕等の機械的手段により繊維状に解して繊維物を生成する。次に、成形部83の堆積部84において、繊維物に結合剤として樹脂材料を混合して混合繊維物を生成し、さらに混合繊維物を所定幅に、かつ所定厚みに堆積させて帯状堆積物を生成する。そして、加熱部85で帯状堆積物を加熱し、繊維物を結合剤で結合させて成形紙を生成する。次に、仕上げ部86において成形紙を所定サイズに裁断して用紙に仕上げる。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、製紙機1の稼働状況を必要に応じて利用者端末527に送信することができ、製紙機1の稼働状況を遠隔監視することができる。また、製紙機1に作動エラーが発生したことを製紙機1の管理者に知らせるので、製紙機1の管理者は作動エラーの発生を速やかに知り得て、製紙機1の運転を速やかに再開することができる。また、蓄積した稼働状況の情報を利用者が希望する形態で知らせることができる。暗号化により、データ傍受やなりすましによるデータの漏出を防止できる。
【0049】
管理サーバー51が、稼働データを利用者の希望する形態に集計して編集した編集情報利用者端末527に送信するので、利用者端末に集計や編集等の負荷が生じず、端末の性能によらずに、利用者は容易に編集情報を閲覧することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 製紙機
13 制御装置
51 管理サーバー
52 端末
53 通信網
527 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7