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特許7082789真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/32 20060101AFI20220602BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20220602BHJP
   H05H 1/48 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
C23C14/32 A
C23C14/24 F
H05H1/48
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017249421
(22)【出願日】2017-12-26
(65)【公開番号】P2019112708
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501377645
【氏名又は名称】株式会社オンワード技研
(74)【代理人】
【識別番号】100084342
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 久巳
(72)【発明者】
【氏名】瀧 真
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-231709(JP,A)
【文献】特表平10-505633(JP,A)
【文献】特表2001-521065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発源である陰極と、前記陰極の陰極表面にトリガ電極先端部を接触させ引き離すときにアーク放電を着火させ陰極物質を放出してプラズマを発生させるトリガ電極と、前記接触又は引き離しを行うために前記トリガ電極を回転又は逆回転させる回転軸と、放出される前記陰極物質が直達しない暗視野空間を設け、着火時以外は前記トリガ電極を逆回転させて前記トリガ電極先端部を前記暗視野空間に退避させ前記トリガ電極先端部に前記陰極物質が直達しない防汚機構を有し、前記トリガ電極の回転軸に又は回転軸付近にトリガ側遮蔽板を配置し、前記陰極物質が前記暗視野空間に侵入することを防止することを特徴とする真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【請求項2】
前記陰極表面から陰極物質が放射される表側領域を区画する前記陰極表面からの暗視野境界線の裏側領域を前記暗視野空間とした請求項1に記載の真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【請求項3】
前記トリガ電極を逆回転させて退避させる格納ポケットを配設し、前記格納ポケットの内部に前記トリガ電極を退避させたときに前記トリガ電極先端部の周囲が前記暗視野空間になっている請求項1又は2に記載の真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【請求項4】
前記格納ポケットの開口部の周辺にダクト側遮蔽板を配置し、前記陰極物質が前記格納ポケットの前記暗視野空間に侵入することを防止する請求項に記載の真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【請求項5】
前記開口部を挟む両側縁周辺の夫々に前記ダクト側遮蔽板を配置し、前記開口部から前記暗視野空間に前記陰極物質が侵入することを防止する請求項に記載の真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【請求項6】
前記トリガ電極先端部の回転軌跡が前記陰極の直径方向から外れているオフセット状態になるように前記回転軸を偏移して配置し、前記陰極物質の到達量を低減させることを特徴
とする請求項1~のいずれかに記載の真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空アークプラズマ蒸着装置において、蒸発源となる陰極にトリガ電極を接触して引き離すことによりアーク放電を生起させて陰極物質のアークプラズマを発生させる着火装置に関し、より詳細にはトリガ電極の先端に陰極物質が堆積して汚染されることを防止する先端防汚型着火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の真空アークプラズマ蒸着装置とその着火装置については、総論的には図9及び図10に示されている。
【0003】
図9に示された真空アークプラズマ蒸着装置は、真空容器21にダクト22が配置され、ダクト22の中には陰極支持体24に固定された陰極23が配設されている。陰極23はアーク電源27により負の高電位に設定されている。陰極23の近傍には、回転軸26により正逆回転可能なトリガ電極25が取着され、トリガ電極25には抵抗器28が接続されて、アーク電流を流出するように構成されている。
【0004】
アーク電源27により高電圧を印加しながら回転軸26によりトリガ電極25を回転させると、トリガ電極先端部25aは回転軌跡26aを描きながら陰極表面23aに接触する。そして、回転軸26を逆回転させてトリガ電極先端部25aを陰極表面23aから引き離すと、トリガ電極先端部25aと陰極表面23aとの間にアーク放電が発生し、プラズマ状態の陰極物質29が陰極表面23aから放出される。このとき、陰極表面23aは放電面23aになる。
【0005】
プラズマである陰極物質29は、陰極表面23aからその半球限界面LLから表側の半球空間に放出される。トリガ電極先端部25aを逆回転により退避位置まで後退させてもトリガ電極先端部25aは前記半球限界面LLの表側半球空間に存在するから、トリガ電極先端部25aは常にプラズマに曝露され、トリガ電極先端部25aは陰極物質の堆積により汚染される。汚染されたトリガ電極先端部25aで再着火させるときには、アーク放電熱で陰極表面23aと前記堆積物質の両者が同一物質である故に同時的に軟化し、また陰極自体が水冷により冷却されるから、トリガ電極先端部25aは陰極表面23aに強力に固着して引き離すことができず、再着火不能になる。再着火可能にするためには、真空アークプラズマ蒸着装置の真空を破って、トリガ電極先端部25aを陰極表面23aから物理的に分離して陰極物質を除去し、再度調整して真空引きをするという極めて煩雑な手間と費用を掛けなければならない。
【0006】
図10に示された真空アークプラズマ蒸着装置は、コ字形のトリガ電極25を使用する点を除いて、他の構成は図9と同一である。この従来例でも、トリガ電極25を退避状態にさせても、トリガ電極先端部25aは半球限界面LLから表側の半球空間に存在し、プラズマ発生中にトリガ電極先端部25aは陰極物質29のプラズマに常に曝露されている。従って、図9と同様の作用により同様の上記欠点を有することに変わりはない。
前述した半球限界面LLは暗視野空間と明視野空間の境界線であるから、暗視野境界線と言ってもよい。本発明では、暗視野空間と明視野空間の境界線を暗視野境界線として統一する。
【0007】
次に、具体的に、従来の真空アークプラズマ蒸着装置とその着火装置について特許文献1~特許文献5で説明する。
【0008】
特開平10-226875号公報(特許文献1)には、トリガ電極を陰極の表面に直交する方向に平行移動させて接触・引き離しを行う引き込み式トリガ装置が開示されている。しかし、トリガ電極の先端は常にアークプラズマに曝露されるために、トリガ電極の先端は陰極物質の堆積により汚染されてしまう。
【0009】
特開2005-267909号公報(特許文献2)には、トリガ電極を回転させて陰極表面に接触させ逆回転させて引き離しを行う回転式トリガ装置が開示されている。しかし、逆回転させても退避位置にあるトリガ電極の先端はアークプラズマに曝露されており、トリガ電極の先端は作動中に常に陰極物質が堆積して汚染されることになる。
【0010】
特開2009-220260号公報(特許文献3)や特開2001-316800号公報(特許文献4)のように、アークプラズマを用いて金属膜を中間層として成膜する手法が近年一部で提案されている。これらの例では0.1Pa程度の極めて低圧のArガス雰囲気下で金属製陰極を用いてアーク放電される。
この場合、上述した従来の着火装置では、トリガ電極の先端に付着する膜は比較的低融点なTiやCr、V、TiAl、AlCr等の金属膜である。また、低ガス圧での放電となるため、放電そのものが不安的になり、頻繁に再着火を行うことになりがちである。しかしながら、プラズマに曝露されているトリガ電極は、プラズマからの輻射熱で高温となりやすい。このため、トリガ先端に付着した膜が熱で軟化しやすく、先端部が再着火のため水冷されている陰極と接触する際にトリガ電極の先端が急冷されて陰極と溶着してしまい、引き離せなくなってしまう。
このようなトリガ電極溶着が発生すると、アークプラズマの着火が不可能となるため、成膜を中断して真空炉を大気開放し、トリガ電極をメンテナンスする必要がある。この結果、成膜工程の途中で装置の運転が停止するため、製造効率や歩留まりが低下するという問題生じる。
【0011】
トリガ電極を用いた着火装置には上記のような欠点があるため、これに替わる着火装置が開発されている。特開平11-61383号公報(特許文献5)では、トリガ電極ではなく高圧パルスを用いてアークプラズマを着火している。原理的にトリガ電極の溶着の問題は生じないものの、高い絶縁性を維持する必要があり、また着火のためだけに高価な高電圧電源が必要になるなど、動作の維持管理に手間が掛かる他、装置のコストも高価になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開平10-226875号公報
【文献】特開2005-267909号公報
【文献】特開2009-220260号公報
【文献】特開2001-316800号公報
【文献】特開平11-61383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、特許文献1~5及び図9、10に示された従来の真空アークプラズマ蒸着装置の着火装置では、トリガ電極の先端が陰極物質の放射に関して明視野下に配置されているため、トリガ電極先端部に陰極物質が堆積する。その結果、再着火するときに、トリガ電極先端部が陰極表面に固着し、トリガ電極先端部を陰極表面から引き離すことができなくなる。即ち、アーク放電を生起できないから、プラズマを発生できない、という事態が生じる。
再記するならば、このようなトリガ電極溶着が発生すると、アークプラズマの着火が不可能となるため、成膜を中断して真空炉を大気開放し、トリガ電極をメンテナンスする必要が生じる。この結果、成膜工程の途中で装置の運転が停止するため、製造効率や歩留まりが低下するという問題生じる。
【0014】
従って、本発明の目的は、蒸発源である陰極の表面にトリガ電極先端部を接触させ引き離すときにアーク放電を着火させ陰極物質を放出してプラズマを発生させるトリガ電極と、前記接触又は引き離しを行うために前記トリガ電極を回転又は逆回転させる回転軸と、放出される前記陰極物質が直達しない暗視野空間と、着火時以外は前記トリガ電極を逆回転させて前記トリガ電極先端部を前記暗視野空間に退避させて前記トリガ電極先端部に前記陰極物質が直達しない防汚機構を有することを特徴とする真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置を提供することである。
この先端防汚型着火装置により、プラズマ着火後にトリガ電極先端部を放電面となる陰極表面から見て暗視野になる位置まで回転させて退避させ、トリガ電極先端部に陰極物質の堆積を大幅に低減し、且つ放電のプラズマからも遮蔽することでトリガ電極先端部の過度の温度上昇を防ぎ、先端に付着した金属膜の軟化を防止することで、結果として再着火時にトリガ電極と陰極が溶着することを防止するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、蒸発源である陰極と、前記陰極の陰極表面にトリガ電極先端部を接触させ引き離すときにアーク放電を着火させ陰極物質を放出してプラズマを発生させるトリガ電極と、前記接触又は引き離しを行うために前記トリガ電極を回転又は逆回転させる回転軸と、放出される前記陰極物質が直達しない暗視野空間と、着火時以外は前記トリガ電極を逆回転させて前記トリガ電極先端部を前記暗視野空間に退避させて前記トリガ電極先端部に前記陰極物質が直達しない防汚機構を有する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0016】
本発明の第2の形態は、陰極表面から陰極物質が放射される表側領域を区画する陰極表面からの暗視野境界線の裏側領域を前記暗視野空間とした真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0017】
本発明の第3の形態は、トリガ電極を逆回転させて退避させる格納ポケットを配設し、この格納ポケットの内部にトリガ電極を退避させたときにトリガ電極先端部の周囲が前記暗視野空間になっている真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0018】
本発明の第4の形態は、格納ポケットの開口部の周辺にダクト側遮蔽板を配置し、陰極物質が格納ポケットの暗視野空間に侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0019】
本発明の第5の形態は、開口部を挟む両側縁周辺の夫々にダクト側遮蔽板を配置し、開口部から暗視野空間に陰極物質が侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0020】
本発明の第6の形態は、トリガ電極の回転軸に又は回転軸付近にトリガ側遮蔽板を配置し、陰極物質が暗視野空間に侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【0021】
本発明の第7の形態は、トリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向から外れているオフセット状態になるように回転軸を偏移して配置し、陰極物質の到達量を低減させる真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の形態によれば、蒸発源である陰極と、前記陰極の陰極表面にトリガ電極先端部を接触させ引き離すときにアーク放電を着火させ陰極物質を放出してプラズマを発生させるトリガ電極と、前記接触又は引き離しを行うために前記トリガ電極を回転又は逆回転させる回転軸と、放出される前記陰極物質が直達しない暗視野空間と、着火時以外は前記トリガ電極を逆回転させて前記トリガ電極先端部を前記暗視野空間に退避させて前記トリガ電極先端部に前記陰極物質が直達しない防汚機構を有する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
本発明形態によれば、陰極表面(放電面)から放出される陰極物質が直達しない暗視野空間を設け、着火後に少なくともトリガ電極先端部を暗視野空間に退避させるから、トリガ電極先端部に陰極物質の金属膜の堆積を大幅に低減することができ、且つトリガ電極先端部を放電のプラズマからも遮蔽することでトリガ電極先端部の過度の温度上昇を防ぐことができる。従って、陰極表面に接触するトリガ電極先端部に陰極物質膜の形成を防止でき、たとえトリガ電極先端部に陰極物質膜ができたとしても膜の軟化を防ぐことができ、その結果として再着火時にトリガ電極先端部が陰極表面に溶着することを防止できる。
トリガ電極はコスト等の問題からMo等の高融点金属のロッドであることが好ましいが、異なる材質やパット状等のその他の形態であっても、陰極と接触する先端部が放電面から暗視野空間となれば、同様な効果が得られる。
また、成膜工程の途中で装置の運転が停止することを防止できるため、製造効率や歩留まりの改善を図ることができる。
更に、本発明は単純な回転機構のみであるため、維持管理を極めて簡素化することが可能になる他、装置の製造コストの低減にも繋がる。
【0023】
本発明の第2の形態によれば、陰極表面から陰極物質が放射される表側領域を区画する陰極表面からの暗視野境界線の裏側領域を前記暗視野空間とした真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
陰極表面から陰極物質が放射されるときに、放射粒子の最大放射角度の両端線が暗視野境界線を与える。両端線で囲まれる内側領域は放射粒子が存在する表側領域になり、両端線の外側領域は放射粒子が存在しない裏側領域になる。この裏側領域が暗視野空間に相当する。
上記の裏側領域の中でも、特に、陰極物質は陰極表面から放射されるから、陰極物質が陰極表面の延長線である暗視野境界線の裏側半球には基本的に放射されることは無いと考えられる。
従って、裏側領域、特に裏側半球のいずれの部分も暗視野空間とすることができ、この暗視野空間にトリガ電極先端部を退避すれば、トリガ電極先端部への陰極物質の堆積を確実に防止することができる。
【0024】
本発明の第3の形態によれば、トリガ電極を逆回転させて退避させる格納ポケットを配設し、この格納ポケットの内部にトリガ電極を退避させたときにトリガ電極先端部の周囲が前記暗視野空間になっている真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
本形態では、トリガ電極を逆回転させて退避させる格納ポケットが設けられ、この格納ポケットの内部にトリガ電極を収納したときに、トリガ電極先端部の周囲が少なくとも陰極物質が直達しない暗視野空間になっておればよい。陰極物質は格納ポケットの内部壁面に衝突してそこに付着してもよいが、トリガ電極先端部の周囲が暗視野空間になっておれば、トリガ電極先端部に陰極物質が堆積することは防止できる。
即ち、陰極がダクトの奥面に設置されている場合、ダクト側面に少なくともトリガ電極の先端部分/又はその全体が格納されるポケットを設置すればよい訳である。特に磁気フィルタ型の真空アーク法(Filterd Arc Deposition:FAD)においては、通常、陰極はプラズマ輸送ダクトの一番奥にありスペースに余裕が無い場合が殆どであるため、トリガ電極の格納ポケットを設置する方法が現実的な実施方法となる。
【0025】
本発明の第4の形態によれば、格納ポケットの開口部の周辺にダクト側遮蔽板を配置し、陰極物質が格納ポケットの暗視野空間に侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
格納ポケットの形状は任意の形状を有することができるが、回転軸の逆回転によりトリガ電極を内部に収納するために、格納ポケットは開口部を有している。陰極物質もこの開口部を通過して直達するから、陰極物質の直達路を遮断するように、開口部の周辺にダクト側遮蔽板を配置することができる。その結果、陰極物質が格納ポケットの暗視野空間に侵入することを防止でき、トリガ電極先端部に陰極物質が堆積することを確実に防止できる。
【0026】
本発明の第5の形態によれば、開口部を挟む両側縁周辺の夫々にダクト側遮蔽板を配置し、開口部から暗視野空間に陰極物質が侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
開口部には両側縁があり、これら両側縁近辺の夫々にダクト側遮蔽板を配置すれば、両側縁の片方又は両方から開口部を通過して内部に侵入しようとする陰極物質を遮断できる。両側縁の夫々にダクト側遮蔽板を配置することによって、陰極物質が格納ポケットの暗視野空間に侵入することを防止でき、トリガ電極先端部に陰極物質が堆積することを確実に防止できることは云うまでもない。
【0027】
本発明の第6の形態によれば、トリガ電極の回転軸に又は回転軸付近にトリガ側遮蔽板を配置し、陰極物質が暗視野空間に侵入することを防止する真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
本形態では、回転軸にトリガ側遮蔽板を設ければトリガ側遮蔽板も回転軸の回転に応じて回転するが、回転軸付近にトリガ側遮蔽板を設ければ回転軸が回転してもトリガ側遮蔽板は固定状態に保持される。いずれの形式のトリガ側遮蔽板も本形態に包含される。
このようなトリガ側遮蔽板を設けることにより、放出された陰極物質はトリガ側遮蔽板により遮断され、陰極物質が格納ポケットの暗視野空間に侵入することを防止でき、トリガ電極先端部に陰極物質が堆積することを確実に防止できることは云うまでもない。
【0028】
本発明の第7の形態によれば、トリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向から外れているオフセット状態になるように回転軸を偏移して配置し、陰極物質の到達量を低減させる真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置が提供できる。
本形態で、オフセット状態とは回転軸の回転に応じたトリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向から外れていることを云い、オフセットしていない状態(オンセット状態とも云う)とはトリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向に一致していることを云う。
陰極が円柱又は略円柱の場合に陰極表面は円形になり、しかも格納ポケットの開口部が陰極表面に対して開く開口角度が一定角であるとする。トリガ電極は格納ポケットに回転収納されるから、トリガ電極先端部の回転軌跡は開口角度の中央に位置する。従って、オフセットしていない状態、即ちトリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向に一致しているオンセット状態では、開口角度の領域に入る陰極表面の面積(トリガ電極先端部への明視野領域ともいう)が最大になり、トリガ電極先端部の回転軌跡が陰極の直径方向から外れているオフセット状態では、開口角度の領域に入る陰極表面の面積(トリガ電極先端部への明視野領域)は外れが大きくなるほど小さくなる。
つまり、開口角度の領域に入る陰極表面の面積(トリガ電極先端部への明視野領域)が小さいほど陰極物質の侵入量が小さくなるから、本形態では、オフセット状態になるように回転軸を偏移して配置し、陰極物質の到達量を低減させることに成功した。従って、オフセットが大きいほど、トリガ電極先端部に堆積する陰極物質の量が少なくなり、本形態ではオフセット状態に配置する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明において、暗視野境界線Lの裏側半球を暗視野空間13とする第1実施例の断面概要図である。
図2図2は、本発明において、暗視野境界線Lの裏側半球を暗視野空間13としたコ字型のトリガ電極5を用いた第2実施例の断面概要図である。
図3図3は、本発明において、格納ポケット10の中に暗視野空間13を有する第3実施例の断面概要図である。
図4図4は、本発明において、格納ポケット10の開口部10a付近にダクト側遮蔽板12を設け且つ回転軸6にトリガ側遮蔽板11を設けた第4実施例の断面概要図である。
図5図5は、本発明において、開口部10aを挟む両側縁の夫々にダクト側遮蔽板12、12を設け且つ回転軸6にトリガ側遮蔽板11を設けた第5実施例の断面概要図である。
図6図6は、本発明において、格納ポケット10の中の暗視野空間13にコ字型のトリガ電極5を退避させた第6実施例の断面概要図である。
図7図7は、本発明において、トリガ電極の回転軸を陰極に対しオフセットした位置に配置した場合に、トリガ電極先端部への明視野領域が小さくなることを示すオフセットしたアーク式蒸発源の平面図である。
図8図8は、本発明において、トリガ電極の回転軸を陰極に対しオフセットしていない位置に配置した場合に、トリガ電極先端部への明視野領域が大きくなることを示すオフセットしていないアーク式蒸発源の平面図である。
図9図9は、棒状のトリガ電極25を退避させてもトリガ電極先端部25aが陰極23の明視野内にある従来の真空アークプラズマ蒸着装置の着火装置の概略図である。
図10図10は、コ字型のトリガ電極25を退避させてもトリガ電極先端部25aが陰極23の明視野内にある従来の真空アークプラズマ蒸着装置の着火装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係る真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置の実施例を図面に従って詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明において、暗視野境界線Lの裏側半球を暗視野空間13とする第1実施例の断面概要図である。
真空容器1の内部にはダクト2が配置され、ダクト2の中には陰極支持体4に固定された陰極3が配設されている。陰極3はアーク電源7により負の高電位に設定されている。陰極3の近傍には、回転軸6により正逆回転可能なトリガ電極5が取着され、トリガ電極5には抵抗器8が接続されて、アーク電流を流出するように構成されている。
【0032】
アーク電源7により高電圧を印加しながら回転軸6によりトリガ電極5を回転させると、トリガ電極先端部5aは回転軌跡6aを描きながら陰極表面3aに接触する。そして、回転軸6を逆回転させてトリガ電極先端部5aを陰極表面3aから引き離すと、トリガ電極先端部5aと陰極表面3aとの間にアーク放電が発生し、プラズマ状態の陰極物質9が陰極表面3aから放出され、陰極表面3aは放電面3aになる。
【0033】
アーク放電が安定しては生起すると、回転軸6は逆回転により、暗視野境界線L(半球限界面Lと云ってもよい)の裏側半球にある暗視野空間13に退避される。陰極物質9は半球限界面Lの表側半球に放出されるだけで、裏側半球にある暗視野空間13には直達されない。従って、トリガ電極先端部5aには陰極物質9が堆積せず、或いは殆ど堆積しないから、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。前記暗視野境界線Lは暗視野空間13と明視野空間との境界線である。
陰極物質9が放出されるに連れて、陰極表面3aは次第に後退に、陰極3の厚みは次第に小さくなってゆく。トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0034】
図2は、本発明において、暗視野境界線Lの裏側半球を暗視野空間13としたコ字型のトリガ電極5を用いた第2実施例の断面概要図である。
図1では棒状のトリガ電極5が用いられているのに対し、図2ではコ字型のトリガ電極5を用いている点が異なるだけで、他の部材については全く同一であるからそれらの説明は省略する。
この第2実施例においても、アーク放電が安定しては生起すると、回転軸6は逆回転により、暗視野境界線Lの裏側半球にある暗視野空間13に退避される。陰極物質9は暗視野境界線Lの表側半球に放出されるだけで、裏側半球にある暗視野空間13には直達されない。従って、トリガ電極先端部5aには陰極物質9が堆積せず、或いは殆ど堆積しないから、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。
トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0035】
図3は、本発明において、格納ポケット10の中に暗視野空間13を有する第3実施例の断面概要図である。
図3では格納ポケット10により暗視野空間13を形成している点が図1と異なるだけで、他の部材については全く同一であるからそれらの説明は省略する。
この第3実施例では、ダクト2の中に開口部10aを開放した格納ポケット10を設けており、回転軸6を逆転させることにより、トリガ電極5を開口部10aに通過させて内部に収納して退避させる。
【0036】
陰極表面3の角と格納ポケット10の角とを結んだ暗視野境界線Lが、左側の暗視野空間13と右側の明視野空間との境界線になっている。トリガ電極先端部5aを暗視野空間13の内部に位置させれば、陰極物質9は暗視野空間13には侵入しないから、トリガ電極先端部5aには陰極物質が堆積することは無いか、或いは殆ど堆積しないから、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。
トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0037】
図4は、本発明において、格納ポケット10の開口部10a付近にダクト側遮蔽板12を設け且つ回転軸6にトリガ側遮蔽板11を設けた第4実施例の断面概要図である。
図4ではダクト側遮蔽板12とトリガ側遮蔽板11を設けている点が図3と異なるだけで、他の部材については全く同一であるからそれらの説明は省略する。
この第4実施例では、格納ポケット10の開口部10aの端部付近にL字型のダクト側遮蔽板12を設け、且つ回転軸6にL字型のトリガ側遮蔽板11を設けている。そして、回転軸6を逆転させることにより、トリガ電極5を開口部10aに通過させてその内部に収納して退避させる。
【0038】
陰極表面3の角とダクト側遮蔽板12の端縁とを結んだ暗視野境界線Lが、左側の暗視野空間13と右側の明視野空間との境界線になっている。また、ダクト側遮蔽板12とトリガ側遮蔽板11により格納ポケット10の内部への陰極物質9の侵入を遮断しているから、格納ポケット10の内部はかなり清浄化されている。特に、トリガ電極先端部5aを暗視野空間13の内部に位置させるから陰極物質9の侵入が遮断されるだけでなく、ダクト側遮蔽板12とトリガ側遮蔽板11により、陰極物質9やプラズマの回り込みも遮断できるから、暗視野空間13の中は極めて清浄化されている。従って、トリガ電極先端部5aには陰極物質が堆積することは無いから、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。
トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0039】
図5は、本発明において、開口部10aを挟む両側縁近辺の夫々にダクト側遮蔽板12、12を設け且つ回転軸6にトリガ側遮蔽板11を設けた第5実施例の断面概要図である。
図5では開口部10aを挟む両側縁近辺の夫々にダクト側遮蔽板12、12を対向して設ける点が図4と異なるだけで、他の部材については全く同一であるからそれらの説明は省略する。
この第5実施例では、格納ポケット10は断面コ字型の直方体形であり、後述する図7及び図8と共通した格納ポケット10を使用している。開口部10aを挟む両側縁近辺の夫々にダクト側遮蔽板12、12を対向して設けているから、回転軸6を逆転させると、トリガ電極5はダクト側遮蔽板12、12の間を通過して開口部10aから内部に退避して収納される。
【0040】
陰極物質9はダクト側遮蔽板12、12の間を通過して内部に侵入する以外になく、その通路は極めて狭隘で深いから、陰極物質9はトリガ電極先端部5aに到達する前に格納ポケット10の内壁面に吸着されてしまう。
従って、トリガ電極先端部5aを暗視野空間13の内部に位置させるから陰極物質9の侵入が遮断されるだけでなく、トリガ側遮蔽板11の遮断作用に加えて、ダクト側遮蔽板12、12の遮断作用により、暗視野空間13の中は極めて清浄化されている。従って、トリガ電極先端部5aには陰極物質が堆積することは無いから、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。
トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0041】
図6は、本発明において、格納ポケット10の中の暗視野空間13にコ字型のトリガ電極5を退避させた第6実施例の断面概要図である。
この第6実施例は、図2のコ字型のトリガ電極5を、格納ポケット10の中の暗視野空間13に収納した点で図2と異なっているだけであり、他の点は全て図2と同様であるから、それらの説明を省略する。
【0042】
暗視野境界線Lの左側は暗視野空間13であり、右側は明視野空間である。格納ポケット10の全体は暗視野空間13の中に包含され、格納ポケット10の内部の全ては暗視野空間13になっている。従って、トリガ電極5を格納ポケット10に退避させると、トリガ電極先端部5aを含むトリガ電極5の全てが暗視野空間13内にあり、陰極物質9がトリガ電極先端部5aに堆積することは無く、同時に、陰極物質9がトリガ電極5の表面に堆積することはあり得ない。
【0043】
この実施例6では、暗視野空間13の中は極めて清浄化されている。トリガ電極先端部5aには陰極物質が堆積することは無く、トリガ電極先端部5aはいつも清浄に保持される。
トリガ電極先端部5aには陰極物質の堆積が無いから、トリガ電極先端部5aを用いて再着火させると、アーク放電は瞬時に生起して再びアークプラズマ蒸着が可能になる。
【0044】
図7は、本発明において、トリガ電極5の回転軸6を陰極3に対しオフセットした位置に配置した場合に、トリガ電極先端部5aへの明視野領域15が小さくなることを示すオフセットしたアーク式蒸発源の平面図である。
このオフセット配置の実施形態では、陰極3の表面におけるトリガ電極先端部5aへの明視野領域15の面積が相対的に小さくなるから、格納ポケット10の内部に侵入する陰極物質9の量が少なくなる効果がある。しかも、図示されるように、格納ポケット10の開口部10aの両側縁付近はダクト側遮蔽板12、12に保護されているから、陰極3に対しトリガ電極先端部5aは完全な暗視野領域の中に配置されることになり、トリガ電極先端部5aには陰極物質9が堆積することは無い。また、トリガ電極5を回転させる回転軸6の表面の中で、回転軸6のプラズマ曝露領域14も比較的小さくて済む効果がある。
更に詳細に説明すると、本形態で、オフセット状態とは回転軸6の回転に応じたトリガ電極先端部5aの回転軌跡6aが陰極3の直径方向から外れていることを云う。
陰極3が円柱又は略円柱の場合には陰極3の表面は円形になり、しかも格納ポケット10の開口部10aが陰極表面に対して開く開口角度が一定角であるとする。トリガ電極5は格納ポケット10に回転収納されるから、トリガ電極先端部5aの回転軌跡6aは開口角度の中央に位置する。従って、トリガ電極先端部5aの回転軌跡6aが陰極3の直径方向から外れているオフセット状態では、開口角度の領域に入る陰極表面3aの面積(トリガ電極先端部5aへの明視野領域15)は外れが大きくなるほど小さくなる。
つまり、開口角度の領域に入る陰極表面3aの面積(トリガ電極先端部5aへの明視野領域15)が小さいほど陰極物質9の侵入量が小さくなるから、本形態では、オフセット状態になるように回転軸6を上方へ偏移して配置し、陰極物質9の到達量を低減させることに成功した。従って、オフセットが大きいほど、トリガ電極先端部5aに堆積する陰極物質9の量が少なくなり、本形態ではオフセット状態に配置することになる。
【0045】
図8は、本発明において、トリガ電極5の回転軸6を陰極3に対しオフセットしていない位置に配置した場合に、トリガ電極先端部5aへの明視野領域15が大きくなることを示すオフセットしていないアーク式蒸発源の平面図である。
図8のオフセットしていない状態は、オフセット状態を表す図7の存在意義をより明瞭にするために比較して図示されている。オフセットしていない状態(オンセット状態とも云う)とは、トリガ電極先端部5aの回転軌跡6aが陰極3の直径方向に一致していることを云う。
オフセットしていない状態、即ちトリガ電極先端部5aの回転軌跡6aが陰極3の直径方向に一致しているオンセット状態では、開口角度の領域に入る陰極表面3aの面積(トリガ電極先端部5aへの明視野領域15ともいう)が最大になる。その結果、格納ポケット10に侵入する陰極物質9の量が最大になる配置状態である。しかも、トリガ電極5を回転させる回転軸6の表面の中で、回転軸6のプラズマ曝露領域14が増大する弱点もある。
本発明では、オフセットしていない配置状態よりも、オフセットした配置状態を使用して、格納ポケット10の内部への陰極物質9の侵入を極減し、トリガ電極先端部5aの清浄化を増進する。
【0046】
本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における別実施例、種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る真空アークプラズマ蒸着装置の先端防汚型着火装置を用いれば、放出される前記陰極物質が直達しない暗視野空間を設けて、着火時以外はトリガ電極を逆回転させてトリガ電極先端部を暗視野空間に退避させてトリガ電極先端部に陰極物質が直達せず、トリガ電極先端部をいつも清浄に保持することが可能になる。
この先端防汚型着火装置により、プラズマ着火後にトリガ電極先端部を放電面となる陰極表面から見て暗視野になる位置まで回転させて退避させることができるから、トリガ電極先端部に陰極物質の堆積を大幅に低減し、且つ放電のプラズマからも遮蔽することでトリガ電極先端部の過度の温度上昇を防ぎ、先端に付着した金属膜の軟化を防止することで、再着火時にトリガ電極と陰極が溶着することを防止でき、再着火を自在且つ瞬時に実現でき、真空アークプラズマ蒸着装置の高性能化を図ることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 真空容器
2 ダクト
3 陰極(蒸発源)
3a 陰極表面(放電面)
4 陰極支持体
5 トリガ電極
5a トリガ電極先端部
6 回転軸
6a 回転軌跡
7 アーク電源
8 抵抗器
9 陰極物質
10 格納ポケット
10a 開口部
11 トリガ側遮蔽板
12 ダクト側遮蔽板
13 暗視野空間
14 回転軸のプラズマ曝露領域
15 トリガ電極先端部への明視野領域
L 暗視野境界線(半球限界面)
21 真空容器
22 ダクト
23 陰極(蒸発源)
23a 陰極表面(放電面)
24 陰極支持体
25 トリガ電極
25a トリガ電極先端部
26 回転軸
26a 回転軌跡
27 アーク電源
28 抵抗器
29 陰極物質
LL 半球限界面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10