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特許7082801託送依頼処理を行う管理サーバ及び訪問者支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】託送依頼処理を行う管理サーバ及び訪問者支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220602BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018109538
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019212162
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】515237061
【氏名又は名称】株式会社LIFE
(74)【代理人】
【識別番号】100121371
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 和人
(72)【発明者】
【氏名】前田 剛之
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-350949(JP,A)
【文献】特開2008-077488(JP,A)
【文献】特開2001-222616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアS内に1乃至複数設けられた託送起点c(k=1,…,N)において受け付けられる託送物を、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた終着点e(j=1,…,N)のうちの何れかの終着点ej1へ託送するための託送依頼の委託先を、事前に登録された複数の配送者のうちの何れかに決定する託送依頼処理を行う管理サーバであって、
託送物を受け付けた託送起点を特定する情報、並びに該託送物の託送先及び希望着荷時刻を特定する情報、並びに該託送物の託送を委託した委託者の情報を含む、託送タスクの情報(以下「託送タスク情報」という。)を管理する託送タスク管理データベースと、
前記各託送起点cに設置され前記管理サーバと通信回線を介して接続された託送起点端末から、前記通信回線を介して、該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、並びに託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報、並びに該託送物Bの託送を委託した委託者の情報を含む、託送受付要求Rqを受信すると、該託送受付要求Rqに対する託送タスクWの託送タスク情報を、前記託送タスク管理データベースへ登録する託送タスク生成手段と、
前記託送タスクWに対し、該託送タスクWの託送物Bを、該託送物Bが受け付けられた前記託送起点cから該託送物Bの託送先である終着点ej1へ輸送するのに必要とされる必要輸送時間Tを、所定の規則に従って決定する輸送時間決定手段と、
託送受付要求を受信した託送受付時刻tが、該託送タスクWの希望着荷時刻taeから必要輸送時間Tと所定の第1の有余時間Ty1との和を引いた時刻である自由受任受付終了時刻t=tae-(T+Ty1)よりも前の場合、該託送タスクWの託送依頼の情報を、事前に登録された前記各配送者が所持する端末装置(以下「配送者端末装置」という。)に対し前記通信回線を介して依頼案件公開情報として公開する託送依頼公開手段と、
前記自由受任受付終了時刻tよりも前にいずれかの前記配送者の前記配送者端末装置から送信された該託送タスクWの託送依頼を受任する受任要求を受信した場合、該配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録する自由受任受付手段と、
前記託送受付時刻tが前記自由受任受付終了時刻tよりも後の場合、又は前記自由受任受付終了時刻tが経過する前に該託送タスクWの託送依頼に対する受任要求が受信されない場合、事前登録された特定の前記配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録するとともに、前記通信回線を介して該配送者の前記配送者端末装置に対し託送受任要請を送信する指定託送要請手段と、を備えた管理サーバ。
【請求項2】
前記託送タスクWの前記託送物Bを受け付けた前記託送起点cから該託送タスクWの託送先である前記終着点ej1へ事前に決められたスケジュールで移動する巡回配送者が、
該託送タスクWの委託者が決定される前に該託送起点cに到達し、且つ該託送タスクWの希望着荷時刻taeよりも前に前記終着点ej1へ到達する予定である場合において、
前記通信回線を介して該託送起点cの前記託送起点端末に対し該託送タスクWの託送受任要請を送信するとともに、
該託送起点端末から、該巡回配送者が該託送タスクWの託送依頼を受任する受任要求を受信した場合、該巡回配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録する巡回託送要請手段、を備え、
前記指定託送要請手段は、前記自由受任受付終了時刻tが経過した後に、前記自由受任受付手段及び前記巡回託送要請手段の何れもが、該託送タスクWの委託者を決定していない場合に、事前登録された特定の前記配送者を該託送タスクWの委託者に決定するものであることを特徴とする請求項1記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記託送依頼公開手段は、前記依頼案件公開情報として前記託送タスクWの託送依頼の情報を公開する場合に於いて、
該託送タスクWの前記託送物Bの前記託送起点cを特定する情報、該託送物Bの託送先を特定する情報、該託送物Bの希望着荷時刻tae、及び該託送物Bの前記必要輸送時間Tを含む情報を前記依頼案件公開情報として公開するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の管理サーバ。
【請求項4】
所定の規則に従って前記託送タスクWに対する託送料金Fを決定する託送料金決定手段を備え、
前記託送依頼公開手段は、前記依頼案件公開情報として前記託送タスクWの託送依頼の情報を公開する場合に於いて、
該託送タスクWの前記託送物Bの前記託送起点cを特定する情報、該託送物Bの託送先を特定する情報、該託送物Bの希望着荷時刻tae、該託送物Bの前記必要輸送時間T、及び該託送タスクWの前記託送料金Fを含む情報を前記依頼案件公開情報として公開するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記託送依頼公開手段は、前記自由受任受付手段又は前記指定託送要請手段により前記託送タスクWの委託者が決定された場合、前記依頼案件公開情報から該託送タスクWの託送依頼の情報を削除し、又は前記依頼案件公開情報の中の該託送タスクWの託送依頼の情報に委託者が決定済みである情報を追加するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の管理サーバ。
【請求項6】
対象エリアS内に1乃至複数設けられた入域起点s(i=1,…,N)のうちの何れかの入域起点si1から、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた託送起点c(k=1,…,N)及び訪問点v(l=1,…,N)の一部又は全部を巡回して、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた終着点e(j=1,…,N)のうちの何れかの終着点ej1へ移動する訪問者を支援する訪問者支援システムであって、
通信回線に接続された請求項1乃至5の何れか一記載の管理サーバと、
前記各託送起点cに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された託送起点端末と、を備え、
前記託送起点端末は、
RFタグのタグIDの読み取り、及びRFタグへのタグIDの書き込みを行う託送起点RFID通信装置と、
前記託送起点RFID通信装置により、訪問者が携帯するRFタグ(以下「訪問者タグ」という。)のタグID(以下「訪問者タグID」という。)を読み取る第1の訪問者タグID読取手段と、
該訪問者が託送依頼する託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報を入力する託送依頼入力手段と、
該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、並びに該託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報、並びに該託送物Bの託送を委託した委託者の情報である前記訪問者タグIDを含む、前記託送受付要求Rqを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する託送受付要求手段と、
前記託送受付要求Rqに対して、前記通信回線を介して前記管理サーバから返信される託送タグIDを受信すると、前記託送起点RFID通信装置により、前記託送物Bに附すためのRFタグ(以下「託送タグ」という。)に該託送タグIDを書き込む託送タグ発行手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記託送受付要求Rqを送信した前記託送起点端末に対し、前記託送タスクWの前記託送タグIDを送信する託送受付応答手段、を備えたことを特徴とする訪問者支援システム。
【請求項7】
前記各終着点eに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された終着点端末を備え、
前記託送タスク管理データベースにおいて管理される前記託送タスク情報は、該託送タスクに係る前記託送物Bが終着点に着荷済みか否かを示す着荷情報を含むものであり、
前記終着点端末は、
RFタグのタグIDの読み取りを行う終着点RFID通信装置と、
前記終着点RFID通信装置により、着荷した前記託送物Bに附された前記託送タグの前記託送タグIDを読み取る第2の託送タグID読取手段と、
前記第2の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送物Bの前記託送タグIDを含む前記託送物Bの着荷通知NOを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する着荷処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記着荷通知NOを受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの前記託送タスク情報に含まれる前記着荷情報を着荷済みとする着荷登録手段、を備えたことを特徴とする請求項6記載の訪問者支援システム。
【請求項8】
前記託送タスク管理データベース内では、前記各託送タスク情報に含まれる委託者の情報により特定される委託者が携帯する携帯端末のメールアドレスが管理されており、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記着荷通知NOを受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの託送タスク情報に含まれる該託送物Bの託送を委託した委託者のメールアドレスに対して、前記託送物Bが終着点に着荷したことを通知する着荷通知メールを配信する着荷通知配信手段、を備えたことを特徴とする請求項7記載の訪問者支援システム。
【請求項9】
前記各入域起点sに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された入域起点端末を備え、
前記入域起点端末は、
RFタグのタグIDの読み取り、及びRFタグへのタグIDの書き込みを行う入域起点RFID通信装置と、
該入域起点端末が置かれた入域起点sにおいて入域する訪問者Vに関する情報を含む訪問者登録要求Rqを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する訪問者登録要求手段と、
該訪問者登録要求Rqに対して、前記管理サーバから前記通信回線を介し該訪問者Vを特定するIDである訪問者タグIDを受信した場合、前記入域起点RFID通信装置により、該訪問者Vが携帯するためのRFタグ(以下「訪問者タグ」という。)に該訪問者タグIDを書き込む訪問者タグ発行手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記各訪問者に関する情報、及び該訪問者の前記訪問者タグIDを含む訪問者情報を管理する訪問者情報データベースと、
前記通信回線を介して前記入域起点端末から送信される前記訪問者登録要求Rqを受信した場合、該訪問者登録要求Rqに係る訪問者Vの前記訪問者タグIDを生成し、該訪問者タグID、並びに該訪問者登録要求Rqに含まれる、前記訪問者Vに関する情報を含む前記訪問者情報を、前記訪問者情報データベースに登録する訪問者登録手段と、
前記訪問者登録要求Rqを送信した前記入域起点端末に対し、前記訪問者Vの前記訪問者タグIDを送信する訪問者登録通知手段と、を備えたことを特徴とする請求項6乃至8の何れか一記載の訪問者支援システム。
【請求項10】
前記託送タスク管理データベース内の前記各託送タスク情報には、該託送物の発送時刻情報が含まれており、
前記託送起点端末は、
前記託送起点RFID通信装置により、配送者が携帯するRFタグ(以下「配送者タグ」という。)のタグID(以下「配送者タグID」という。)を読み取る第1の配送者タグID読取手段と、
前記託送起点RFID通信装置により、該配送者が託送する前記託送物Bに附された前記託送タグの前記託送タグIDを読み取る第1の託送タグID読取手段と、
前記第1の配送者タグID読取手段により読み取られた前記配送者タグID、前記第1の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送タグID、該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、及び発送時刻の情報を含む発送通知NOを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する発送処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記託送起点端末から前記発送通知NOを受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の、該発送通知NOに含まれる前記託送タグIDに対応する前記託送タスク情報のレコードの発送時刻情報を、該発送通知NOに含まれる発送時刻の情報とする発送登録手段、を備えたことを特徴とする請求項6乃至9の何れか一記載の訪問者支援システム。
【請求項11】
前記管理サーバは、請求項2又は請求項2を引用する請求項3乃至5の何れか一記載の管理サーバであり、
前記託送起点端末は、
前記第1の配送者タグID読取手段により、前記巡回配送者が携帯する前記配送者タグの前記配送者タグIDが読み取られた場合に、前記管理サーバに対して、該配送者タグIDの情報を含む巡回配送者到達通知を送信し、
該巡回配送者到達通知に対して、前記管理サーバから前記託送タスクWの前記託送受任要請を受信した場合に、該託送受任要請に含まれる前記託送タスクWに関する託送受任要請情報を報知し、
前記託送受任要請情報の報知に対して、前記第1の託送タグID読取手段により該託送受任要請に含まれる前記託送タスクWに係る前記託送タグIDが読み取られた場合に、前記管理サーバに対して、該巡回配送者が該託送タスクWの託送依頼を受任する前記受任要求を送信する処理を行う巡回配送者委託手段、を備え、
前記管理サーバの前記巡回託送要請手段は、前記託送起点端末の前記巡回配送者委託手段から前記巡回配送者到達通知を受信した場合、該巡回配送者到達通知に含まれる配送者タグIDによって特定される前記巡回配送者に対する前記託送受任要請を送信するものであることを特徴とする請求項10記載の訪問者支援システム。
【請求項12】
前記託送タスク管理データベース内の前記各託送タスク情報には、該託送物の引渡時刻情報が含まれており、
前記終着点端末は、
前記終着点RFID通信装置により、到着した訪問者が携帯する前記訪問者タグの前記訪問者タグIDを読み取る第2の訪問者タグID読取手段と、
前記第2の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送物Bの前記託送タグID、前記第2の訪問者タグID読取手段により読み取られた前記訪問者タグID、及び前記託送タグIDが読み取られた時刻である引渡時刻を含む前記託送物Bの引渡通知を、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する引渡処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記引渡通知を受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの託送タスク情報に含まれる前記引渡時刻情報を、前記引渡通知に含まれる前記引渡時刻とする引渡登録手段、
を備えたことを特徴とする請求項7記載の訪問者支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問者が移動する対象エリア内の託送起点において受け付けられる託送物を、該対象エリア内の終着点へ託送するための託送依頼の委託先を、事前登録された配送者のうちの何れかに決定する託送依頼処理を行う管理サーバ、及び該管理サーバを用いた訪問者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行や買い物を行う場合、旅行者や買物客(訪問者)は、旅行や買い物をする対象エリア内を、手荷物を持って、その対象エリアの入域起点から終着点まで観光地や店舗など(訪問点)に立ち寄りながら移動する。手荷物がごく少量であれば特に問題はないが、手荷物が増えると、訪問者は、手荷物を持ち歩く労力が増加し、行動が制限される。そこで、近年、訪問者の手荷物を終着点まで搬送する役務を、訪問者に代行して配送者が業務として行う物流サービスが実施されている。このような手荷物託送サービスにより、対象エリア内を移動する訪問者の手荷物の輸送を支援するシステムに関連する技術としては、特許文献1~6に記載のものが公知である。
【0003】
特許文献1に記載の取引支援設備は、通信回線を介して接続された端末コンピュータP1,P2とサーバーコンピュータSRVとから構成され、端末コンピュータP1は物流業者Xが、端末コンピュータP2は荷主Y(「訪問者」に対応)が携帯している。ここで、物流業者X,荷主Yは、本設備を利用可能な者として事前に登録されている。各物流業者Xは端末コンピュータP1より、サーバーコンピュータSRVにアクセスし、物流業務を受注依頼するための物流役務の提供条件(出発日、出発場所、到着日、到着場所、荷物形態、容量、配送提供価格、及び決定希望期限)を入力する。一方、各荷主Yは端末コンピュータP2より、サーバーコンピュータSRVにアクセスし、荷物の配送業務の発注依頼のための物流役務の購買条件(出発日、出発場所、到着日、到着場所、荷物形態、容量、購買価格、及び決定希望期限)を入力する。そして、サーバーコンピュータSRVは、これらの各物流業者Xの提供条件と各荷主Yの購買条件に基づいて、ダブルクローズドオークション(売手と買手の双方が価格を提示するオークションであって、現在の入札価格が公開されず、ほかの入札者がどれだけの値段を付けているか分からないタイプのオークション)を行い、配送業務の発注先を決定する(仝文献段落〔0047〕-〔0051〕参照)。
【0004】
特許文献2にも、上記特許文献1に記載の取引支援設備に類似の物流サービスオークションシステムが記載されている(仝文献段落〔0037〕-〔0038〕参照)。
【0005】
特許文献3には、遊戯施設や宿泊施設などの荷物の宅配を行うときに、当該施設にも利用者にも利便性の高い配送サービスを提供することができる配送システムとして、荷物の配送を管理する配送管理サーバと、配達人の携帯端末とからなる配送システムであって、携帯端末は、荷物の配送の依頼主が所有するネームプレートに備えられた記録媒体から、依頼主識別と配送先リストのデータを読み出す読出手段と、読出手段が読み出した配送先リストを出力させるとともに、出力された配送先リストの中から荷物の出荷先として選択された配送先のデータの入力を受けるデータ制御手段と、読出手段が読み出した依頼主識別のデータと、データ制御手段が入力を受けた配送先のデータとを少なくとも含む運送契約データを配送管理サーバへ送信する通信手段とを備え、配送管理サーバは、依頼主識別と、依頼主の名前及び住所の情報を少なくとも含む依頼主情報を記憶する記憶手段と、携帯端末から受信した運送契約データを記憶手段に書き込むデータ管理手段とを備えた配送システムが記載されている。これにより、特定個人がよく利用する遊戯施設や宿泊施設、外出先、滞在先への荷物の配送手続が簡易になる。また、遊戯施設や宿泊施設では、利用客の荷物をまとめて受け取ったり、発送したりする場合の手間を軽減することが可能となる(仝文献段落〔0005〕-〔0019〕,〔0033〕-〔0034〕参照)。
【0006】
特許文献4,5には、通勤者、通学者、その他日常的に固定経路で移動している者や、余裕のある旅行客自身を手荷物輸送の荷物搬送人としてクラウドサーバに登録しておき、登録された荷物搬送人に手荷物輸送の業務を発注することで、低コストで物流を行うようにしたシステムが記載されている。
【0007】
特許文献6には、外出や旅行時での目的地までの経路を勘案して好適に荷物の受取場所を決定することが可能な通信端末及び通信システムが記載されている。この通信システムは、荷物の配送情報を管理するサーバ装置とネットワークを介して接続するユーザ端末(通信端末)とから構成され、ユーザ端末は、出発地、目的地、商品の識別情報を、ルート指定情報Irとしてサーバ装置へ送信する。そして、ユーザ端末は、出発地から目的地への想定ルートRtに基づいてサーバ装置が検索した受取場所候補Scの情報を、サーバ装置から受信する。そして、ユーザ端末は、商品の受取場所候補Scから、外部入力に基づき選択した一の場所の情報を、サーバ装置に送信することで、選択した一の場所を、商品の受取場所として商品の識別情報と関連付けてサーバ装置に記憶させる(仝文献要約,図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2001-357269号公報
【文献】特開2004-338845号公報
【文献】特開2008-169004号公報
【文献】特開2002-63395号公報
【文献】特開2002-163338号公報
【文献】特開2016-71677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
観光地やショッピング・エリア(特定の地域に種々の店舗を集めた一定範囲の地域)等の対象エリアSAにおいて、訪問者が旅行客や買物客等の手荷物を、宅配便業者等の配送者に依頼し、配送者が、ホテル,旅館,駅,バスターミナル,ショッピング・エリア出口等の訪問者の終着点まで該手荷物を託送するようなシステムを考える場合において、上記従来の各システムを適用する場合には次のような課題がある。
【0010】
特許文献1,2に記載されたようなダブルクローズドオークションを用いた物流サービスのシステムを適用する場合、制限時間内にオークションが成立しない場合が生じる。特に、観光地で観光客の手荷物を観光客の宿泊施設(ホテル等)に託送する場合や、ショッピング・エリアで観光客の手荷物を買物客の自宅やショッピング・エリアの出口等に託送する場合、託送依頼時刻から着荷希望時刻までの時間が通常半日程度と短い場合が多く、このような短時間内に、依頼された全ての手荷物について物流サービスオークションが成立する確立は低いと考えられる。また、物流サービスオークションを行うと、通常、低価格を提示した物流業者に対して託送依頼が集中するため、一部の物流業者が極めて多忙となる一方、一部の物流業者は空き時間を多く生じ、全体としての託送タスクの配分が不均衡となり労働生産性が低下する。また、物流業者間で過度な低価格競争を助長する傾向が強くなり、対象エリアSA周辺の物流業者にとっては過度な経済的負担が生じ易く、地域産業の活性化にとっても好ましいとはいえない。
【0011】
また、特許文献4,5に記載されたように、通勤者、通学者や余裕のある旅行客自身を手荷物輸送の荷物搬送人として活用する場合、配送時間帯や確保可能な輸送量に強い制限が課されることになる。従って、観光地やショッピング・エリアの手荷物輸送のように、安定的に手荷物の輸送を行うことが要求されるシステムに適用するには適しているとはいえない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、対象エリアにおいて、訪問者が託送依頼する手荷物を、希望着荷時刻に目的地まで確実に託送できるように配送者の手配を行うことができ、且つ対象エリア内の全ての配送者の輸送能力を最大限に活用することが可能な託送依頼処理を行う管理サーバ及びそれを用いた訪問者支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る託送依頼処理を行う管理サーバの第1の構成は、対象エリアS内に1乃至複数設けられた託送起点c(k=1,…,N)において受け付けられる託送物を、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた終着点e(j=1,…,N)のうちの何れかの終着点ej1へ託送するための託送依頼の委託先を、事前に登録された複数の配送者のうちの何れかに決定する託送依頼処理を行う管理サーバであって、
託送物を受け付けた託送起点を特定する情報、並びに該託送物の託送先及び希望着荷時刻を特定する情報、並びに該託送物の託送を委託した委託者の情報を含む、託送タスクの情報(以下「託送タスク情報」という。)を管理する託送タスク管理データベースと、
前記各託送起点cに設置され前記管理サーバと通信回線を介して接続された託送起点端末から、前記通信回線を介して、該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、並びに託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報、並びに該託送物Bの託送を委託した委託者の情報を含む、託送受付要求Rqを受信すると、該託送受付要求Rqに対する託送タスクWの託送タスク情報を、前記託送タスク管理データベースへ登録する託送タスク生成手段と、
前記託送タスクWに対し、該託送タスクWの託送物Bを、該託送物Bが受け付けられた前記託送起点cから該託送物Bの託送先である終着点ej1へ輸送するのに必要とされる必要輸送時間Tを、所定の規則に従って決定する輸送時間決定手段と、
託送受付要求を受信した託送受付時刻tが、該託送タスクWの希望着荷時刻taeから必要輸送時間Tと所定の第1の有余時間Ty1との和を引いた時刻である自由受任受付終了時刻t=tae-(T+Ty1)よりも前の場合、該託送タスクWの託送依頼の情報を、事前に登録された前記各配送者が所持する端末装置(以下「配送者端末装置」という。)に対し前記通信回線を介して依頼案件公開情報として公開する託送依頼公開手段と、
前記自由受任受付終了時刻tよりも前にいずれかの前記配送者の前記配送者端末装置から送信された該託送タスクWの託送依頼を受任する受任要求を受信した場合、該配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録する自由受任受付手段と、
前記託送受付時刻tが前記自由受任受付終了時刻tよりも後の場合、又は前記自由受任受付終了時刻tが経過する前に該託送タスクWの託送依頼に対する受任要求が受信されない場合、事前登録された特定の前記配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録するとともに、前記通信回線を介して該配送者の前記配送者端末装置に対し託送受任要請を送信する指定託送要請手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、託送起点cにおいて託送依頼された託送物の委託者を決定する場合、まず、託送受付時刻tから自由受任受付終了時刻tが経過するまでは、託送タスクWの託送依頼の情報が、託送依頼公開手段によって依頼案件公開情報として公開され、各配送者に対して託送タスクWの受任の公募が行われる。この場合、全ての配送者は平等に託送タスクWの受任を行うことが出来る。従って、時間的・労力的に余裕のある配送者(例えば、客待ちのタクシー運転手等)が託送タスクWの受任を行うことで、自動的に適切なワークシェアリングが行われる。この場合、オークション形式は採らず、先着で受任要求を行った配送者に対して託送タスクWの委託が行われるので、物流業者間で過度な低価格競争を助長することはない。自由受任受付終了時刻tが経過するまでに託送タスクWの受任が為されない場合には、指定託送要請手段によって、事前登録された特定の配送者が託送タスクWの委託者に決定され、決定された配送者に対して託送受任要請がなされる。これにより、希望着荷時刻taeまでの託送物の確実な配送が担保される。
【0015】
尚、託送受付時刻tが自由受任受付終了時刻tよりも後の場合には、該託送タスクWの託送依頼の情報は依頼案件公開情報として公開されることなく、指定託送要請手段によって、事前登録された特定の配送者が該託送タスクWの委託者に決定され、決定された配送者に対して託送受任要請がなされることになる。
【0016】
ここで、「対象エリア」とは、管理サーバを含む情報処理システムが、管理の対象としている領域をいい、例えば、観光地、ショッピング・エリアなどである。本発明において、対象エリアの広さは特に制限はなく、例えば、大分県全域、北海道全域、中四国全域のように広範な領域に設定することも出来る。「訪問者」とは、対象エリアSA内の各所を訪問する者をいい、例えば、観光客、旅行者、買物客などである。「配送者」とは、託送物を配送する役務を行う主体をいい、例えば、宅配便業者、タクシー運転手、バイク便業者、郵便配達員、その他の荷物配送請負業者等が挙げられる。「託送起点」とは、訪問者の託送物の託送の受け付けが行われるノードをいう。託送起点としては、例えば、駅や観光案内所などに設けられた手荷物預かり所などが挙げられる。「ノード」とは、管理サーバを含む情報処理システムと行動主体とが接触して各種動作や処理が行われる拠点をいう。「終着点」とは、訪問者の終着地のノードをいう。終着点としては、例えば、宿泊施設、駅、バスターミナル等が挙げられる。「託送物」とは、管理サーバを含む情報処理システムを活用して託送される荷物をいい、例えば、旅行鞄、買物荷物、みやげ品等である。「託送先」とは、託送物を配送する配送先をいう。「希望着荷時刻」とは、訪問者によって指定された、託送物が託送先に着荷する期限の希望日時をいう。「託送タスク」とは、或る訪問者より託送物が託送委託されてから託送起点から終着点まで輸送し、終着点にて該訪問者に該託送物が引き渡されるまでの一連の託送業務の一単位をいう。「託送を委託した委託者」とは、託送タスクに係る託送物の配送業務が委託された配送者をいう。「託送受付要求」とは、管理サーバに対して託送委託の受付を要請するための要求信号をいう。必要輸送時間Tを決定する「所定の規則」は、対象エリアSA内の個別具体的な状況に応じて適宜決められる。例えば、カーナビゲーション装置で用いられている方法と同様に、地図上の道路情報に基づいて旅行時間を決定する規則などが用いられる。「第1の有余時間」とは、予め設定された時間であって、事前登録された特定の配送者に託送受任要請を送信してから、該配送者により託送物Baが託送起点から発送されるまでに必要とされる有余時間である。配送者が所持する「配送者端末装置」とは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の通常の端末装置をいう。「通信回線を介して依頼案件公開情報として公開」とは、例えば、依頼公開ホームページ(各託送タスクWの託送依頼の情報を掲載し、通信回線を介して各配送者の配送者端末装置に公開するためのウェブページ)に掲載して公開したり、配送者端末装置からのアクセスに応じて依頼案件公開情報を該配送者端末装置に配信したりすることをいう。「受任要求」とは、管理サーバに対して託送タスクの託送業務の受任を請求する信号をいう。「事前登録された特定の配送者」とは、予め登録された配送者であって、託送受任要請を受けると、その託送受任要請に係る託送物の配送業務を原則的に受任することを契約した配送者をいう。「託送受任要請」とは、配送者の携帯端末に対して託送タスクの託送物の託送業務の受任を要請する信号をいう。
【0017】
本発明に係る託送依頼処理を行う管理サーバの第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記託送タスクWの前記託送物Bを受け付けた前記託送起点cから該託送タスクWの託送先である前記終着点ej1へ事前に決められたスケジュールで移動する巡回配送者が、
該託送タスクWの委託者が決定される前に該託送起点cに到達し、且つ該託送タスクWの希望着荷時刻taeよりも前に前記終着点ej1へ到達する予定である場合において、
前記通信回線を介して該託送起点cの前記託送起点端末に対し該託送タスクWの託送受任要請を送信するとともに、
該託送起点端末から、該巡回配送者が該託送タスクWの託送依頼を受任する受任要求を受信した場合、該巡回配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、前記託送タスク管理データベースに登録する巡回託送要請手段、を備え、
前記指定託送要請手段は、前記自由受任受付終了時刻tが経過した後に、前記自由受任受付手段及び前記巡回託送要請手段の何れもが、該託送タスクWの委託者を決定していない場合に、事前登録された特定の前記配送者を該託送タスクWの委託者に決定するものであることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、託送タスクWの委託者に決定される前に、託送物Bの配送が可能な巡回配送者が託送起点cに到達した場合には、該託送物Bの託送タスクWの委託者は該巡回配送者に決定される。これにより、事前に決められたスケジュールで移動する巡回配送者に託送物Bを便乗させることで、巡回配送者を有効に活用することが出来る。
【0019】
ここで、「巡回配送者」とは、予め決められた時刻に決められた巡路を巡回する配送者をいい、例えば、観光定期便、定期バス、郵便配送車、コンビニエンス・ストアの配送車等の配送者である。
【0020】
本発明に係る託送依頼処理を行う管理サーバの第3の構成は、前記第1又は2の構成に於いて、前記託送依頼公開手段は、前記依頼案件公開情報として前記託送タスクWの託送依頼の情報を公開する場合に於いて、
該託送タスクWの前記託送物Bの前記託送起点cを特定する情報、該託送物Bの託送先を特定する情報、該託送物Bの希望着荷時刻tae、及び該託送物Bの前記必要輸送時間Tを含む情報を前記依頼案件公開情報として公開するものであることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、配送者が依頼案件公開情報を閲覧して託送タスクWを受任することが出来るか否かを判断する際に、託送起点c、託送先、希望着荷時刻tae、必要輸送時間Tを参照して判断することで、無理な託送タスクWの受任を誤ってすることを防止できる。これにより、託送タスクWの達成の確実性・信頼性を上げることが出来る。
【0022】
本発明に係る託送依頼処理を行う管理サーバの第4の構成は、前記第1又は2の構成に於いて、所定の規則に従って前記託送タスクWに対する託送料金Fを決定する託送料金決定手段を備え、
前記託送依頼公開手段は、前記依頼案件公開情報として前記託送タスクWの託送依頼の情報を公開する場合に於いて、
該託送タスクWの前記託送物Bの前記託送起点cを特定する情報、該託送物Bの託送先を特定する情報、該託送物Bの希望着荷時刻tae、該託送物Bの前記必要輸送時間T、及び該託送タスクWの前記託送料金Fを含む情報を前記依頼案件公開情報として公開するものであることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、託送タスクWの混雑具合に合わせて託送料金Fを調整することにより、託送タスクWを担う配送者の確保数を調整することが可能となる。
【0024】
ここで、託送料金Fを決定するための「所定の規則」とは、予め決められた料金計算のための規則をいう。例えば、現在広く用いられている、郵便料金の決定規則や、宅配便料金の決定規則などが例として挙げられる。「所定の規則」は、個別具体的な状況に応じて、任意に設定することが出来る。
【0025】
本発明に係る託送依頼処理を行う管理サーバの第5の構成は、前記請求項1乃至4の何れか一の構成に於いて、前記託送依頼公開手段は、前記自由受任受付手段又は前記指定託送要請手段により前記託送タスクWの委託者が決定された場合、前記依頼案件公開情報から該託送タスクWの託送依頼の情報を削除し、又は前記依頼案件公開情報の中の該託送タスクWの託送依頼の情報に委託者が決定済みである情報を追加するものであることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、これにより、複数の配送者から重複して受任要求がなされることを防止することができる。
【0027】
本発明に係る訪問者支援システムの第1の構成は、対象エリアS内に1乃至複数設けられた入域起点s(i=1,…,N)のうちの何れかの入域起点si1から、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた託送起点c(k=1,…,N)及び訪問点v(l=1,…,N)の一部又は全部を巡回して、該対象エリアS内に1乃至複数設けられた終着点e(j=1,…,N)のうちの何れかの終着点ej1へ移動する訪問者を支援する訪問者支援システムであって、
通信回線に接続された前記第1乃至5の何れか一の構成の管理サーバと、
前記各託送起点cに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された託送起点端末と、を備え、
前記託送起点端末は、
RFタグのタグIDの読み取り、及びRFタグへのタグIDの書き込みを行う託送起点RFID通信装置と、
前記託送起点RFID通信装置により、訪問者が携帯するRFタグ(以下「訪問者タグ」という。)のタグID(以下「訪問者タグID」という。)を読み取る第1の訪問者タグID読取手段と、
該訪問者が託送依頼する託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報を入力する託送依頼入力手段と、
該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、並びに該託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報、並びに該託送物Bの託送を委託した委託者の情報である前記訪問者タグIDを含む、前記託送受付要求Rqを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する託送受付要求手段と、
前記託送受付要求Rqに対して、前記通信回線を介して前記管理サーバから返信される託送タグIDを受信すると、前記託送起点RFID通信装置により、前記託送物Bに附すためのRFタグ(以下「託送タグ」という。)に該託送タグIDを書き込む託送タグ発行手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記託送受付要求Rqを送信した前記託送起点端末に対し、前記託送タスクWの前記託送タグIDを送信する託送受付応答手段、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、訪問者が託送起点cにおいて終着点ej1への託送物の配送を委託する場合、託送起点RFID通信装置により、訪問者が携帯する訪問者タグの訪問者タグIDを読み取り、託送依頼入力手段により訪問者が託送依頼する託送物Bの託送先及び希望着荷時刻taeを特定する情報を入力し、託送受付要求手段により託送受付要求Rqを管理サーバへ送信する。これに対して、管理サーバは、託送物Bの託送タスクWを受け付けると、託送受付応答手段が託送タスクWの前記託送タグIDを託送起点端末に対し返信する。そして、託送起点端末の託送タグ発行手段は、託送タグIDを受信すると、託送起点RFID通信装置により、託送物Bに附すための託送タグに該託送タグIDを書き込む。この託送タグを託送物Bに附しておくことにより、その後、託送物Bの管理や追跡を、託送タグを用いて行うことが出来る。
【0029】
ここで、「RFID」(radio frequency identifier)とは、RFタグの固有IDを読み取るシステムをいう(JIS X 0500-3:2009 05.05.60参照)。「RFタグ」(transponder, RF tag)とは、電波(電磁波)を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体であって、目的物にはり付けられるものをいう(JIS Z 0667:2017, JIS X 0500-3:2009 05.04.02参照)。「訪問者タグ」とは、各訪問者が携帯するRFタグをいう。「訪問者タグID」とは、訪問者タグに記憶された訪問者の識別符号をいう。「託送タグ」とは、各託送物に付されるRFタグをいう。「託送タグID」とは、託送タグに記憶された託送物及びその託送物に関する託送タスクの識別符号をいう。
【0030】
本発明に係る訪問者支援システムの第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記各終着点eに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された終着点端末を備え、
前記託送タスク管理データベースにおいて管理される前記託送タスク情報には、該託送タスクに係る前記託送物Bが終着点に着荷済みか否かを示す着荷情報を含むものであり、
前記終着点端末は、
RFタグのタグIDの読み取りを行う終着点RFID通信装置と、
前記終着点RFID通信装置により、着荷した前記託送物Bに附された前記託送タグの前記託送タグIDを読み取る第2の託送タグID読取手段と、
前記第2の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送物Bの前記託送タグIDを含む前記託送物Bの着荷通知NOを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する着荷処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記着荷通知NOを受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの前記託送タスク情報に含まれる前記着荷情報を着荷済みとする着荷登録手段、を備えたことを特徴とする
【0031】
この構成によれば、配送者が託送タスクWに係る託送物Bをその終着点まで配送した場合、終着点RFID通信装置により、着荷した託送物Bに附された託送タグの託送タグIDが読み取られる。着荷処理手段は、読み取られた託送物Bの託送タグIDを含む託送物Bの着荷通知を、管理サーバへ送信する。管理サーバの着荷登録手段は、託送物Bの着荷通知を受信した場合、託送タスク管理データベース内の該託送物Bの託送タスク情報に含まれる着荷情報を着荷済みとする。これにより、管理サーバにおいて、各託送タスクWに係る託送物Bの着荷状況の管理を確実に行うことが出来る。
【0032】
ここで、「着荷通知」とは、管理サーバに対して終着点に託送物Bが着荷したことを通知する信号をいう。
【0033】
本発明に係る訪問者支援システムの第3の構成は、前記第2の構成に於いて、前記託送タスク管理データベース内では、前記各託送タスク情報に含まれる委託者の情報により特定される委託者が携帯する携帯端末のメールアドレスが管理されており、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記着荷通知を受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの託送タスク情報に含まれる該託送物Bの託送を委託した委託者のメールアドレスに対して、前記託送物Bが終着点に着荷したことを通知する着荷通知メールを配信する着荷通知配信手段、を備えたことを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、終着点に託送物Bが着荷した場合、着荷通知配信手段により託送物Bの託送を委託した訪問者の携帯端末のメールアドレスに着荷通知メールが配信される。訪問者は、この着荷通知メールを受け取ることにより、終着点に到着する前でも、託送物Bが終着点に着荷したことを、確認することが出来る。
【0035】
本発明に係る訪問者支援システムの第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成に於いて、前記各入域起点sに設置され、前記管理サーバと前記通信回線を介して接続された入域起点端末を備え、
前記入域起点端末は、
RFタグのタグIDの読み取り、及びRFタグへのタグIDの書き込みを行う入域起点RFID通信装置と、
該入域起点端末が置かれた入域起点sにおいて入域する訪問者Vに関する情報を含む訪問者登録要求Rqを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する訪問者登録要求手段と、
該訪問者登録要求Rqに対して、前記管理サーバから前記通信回線を介し、該訪問者Vを特定するIDである訪問者タグIDを受信した場合、前記入域起点RFID通信装置により、該訪問者Vが携帯するためのRFタグ(以下「訪問者タグ」という。)に該訪問者タグIDを書き込む訪問者タグ発行手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記各訪問者に関する情報、及び該訪問者の前記訪問者タグIDを含む訪問者情報を管理する訪問者情報データベースと、
前記通信回線を介して前記入域起点端末から送信される前記訪問者登録要求Rqを受信した場合、該訪問者登録要求Rqに係る訪問者Vの前記訪問者タグIDを生成し、該訪問者タグID、並びに該訪問者登録要求Rqに含まれる、前記訪問者Vに関する情報を含む前記訪問者情報を、前記訪問者情報データベースに登録する訪問者登録手段と、
前記訪問者登録要求Rqを送信した前記入域起点端末に対し、前記訪問者Vの前記訪問者タグIDを送信する訪問者登録通知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0036】
この構成によれば、訪問者が入域起点sにおいて対象エリアS内に入域する場合、入域起点端末の訪問者登録要求手段は、訪問者Vに関する情報を含む訪問者登録要求Rqを、管理サーバへ送信する。管理サーバでは、訪問者登録要求Rqを受信すると、訪問者登録手段は、該訪問者登録要求Rqに係る訪問者Vの訪問者タグIDを生成し、該訪問者タグID、並びに該訪問者登録要求Rqに含まれる、訪問者Vに関する情報及び該訪問者タグIDを含む、訪問者情報を、訪問者情報データベースに登録する。そして、訪問者登録通知手段は、訪問者登録要求Rqを送信した入域起点端末に対し、訪問者Vの訪問者タグIDを送信する。入域起点端末では、訪問者タグIDを受信すると、入域起点RFID通信装置により、該訪問者Vが携帯するための訪問者タグに該訪問者タグIDを書き込む。これにより、各訪問者に訪問者タグが発行され、訪問者はこの訪問者タグを用いて、託送物の託送委託等を容易に行うことが出来る。
【0037】
ここで、「訪問者Vに関する情報」とは、訪問者Vのパーソナル情報をいい、具体的には、訪問者の氏名、連絡先、訪問者認証パスワード等の情報である。
【0038】
本発明に係る訪問者支援システムの第5の構成は、前記第1乃至4の何れか一の構成に於いて、前記託送タスク管理データベース内の前記各託送タスク情報には、該託送物の発送時刻情報が含まれており、
前記託送起点端末は、
前記託送起点RFID通信装置により、配送者が携帯するRFタグ(以下「配送者タグ」という。)のタグID(以下「配送者タグID」という。)を読み取る第1の配送者タグID読取手段と、
前記託送起点RFID通信装置により、該配送者が託送する前記託送物Bに附された前記託送タグの前記託送タグIDを読み取る第1の託送タグID読取手段と、
前記第1の配送者タグID読取手段により読み取られた前記配送者タグID、前記第1の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送タグID、該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、及び発送時刻の情報を含む発送通知NOを、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する発送処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記託送起点端末から前記発送通知NOを受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の、該発送通知NOに含まれる前記託送タグIDに対応する前記託送タスク情報のレコードの発送時刻情報を、該発送通知NOに含まれる発送時刻の情報とする発送登録手段、を備えたことを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、託送起点において託送委託された託送物を、その託送物に係る託送タスクを受託した配送者が託送起点に到着した場合、第1の配送者タグID読取手段は、託送起点RFID通信装置により、配送者が携帯する配送者タグの配送者タグIDを読み取り、第1の託送タグID読取手段は、託送起点RFID通信装置により、該配送者が託送する託送物Bに附された託送タグの託送タグIDを読み取る。そして、発送処理手段は、該配送者タグID、該託送タグID、該託送起点端末が属する前記託送起点cを特定する情報、及び発送時刻の情報を含む発送通知NOを、管理サーバへ送信する。管理サーバの発送登録手段は、この発送通知NOを受信した場合、託送タスク管理データベース内の、該発送通知NOに含まれる託送タグIDに対応する託送タスク情報のレコードの発送時刻情報を、該発送通知NOに含まれる発送時刻の情報とする。これにより、管理サーバにおいて、各託送タスクWに係る託送物Bの発送状況の管理を確実に行うことが出来る。
【0040】
ここで、「発送通知」とは、管理サーバに対して託送起点から託送物Bが発送されたことを通知する信号をいう。
【0041】
本発明に係る訪問者支援システムの第6の構成は、前記第1乃至5の何れか一の構成に於いて、前記管理サーバは、請求項2又は請求項2を引用する請求項3乃至5の何れか一記載の管理サーバであり、
前記託送起点端末は、
前記第1の配送者タグID読取手段により、前記巡回配送者が携帯する前記配送者タグの前記配送者タグIDが読み取られた場合に、前記管理サーバに対して、該配送者タグIDの情報を含む巡回配送者到達通知を送信し、
該巡回配送者到達通知に対して、前記管理サーバから前記託送タスクWの前記託送受任要請を受信した場合に、該託送受任要請に含まれる前記託送タスクWに関する託送受任要請情報を報知し、
前記託送受任要請情報の報知に対して、前記第1の託送タグID読取手段により該託送受任要請に含まれる前記託送タスクWに係る前記託送タグIDが読み取られた場合に、前記管理サーバに対して、該巡回配送者が該託送タスクWの託送依頼を受任する前記受任要求を送信する処理を行う巡回配送者委託手段、を備え、
前記管理サーバの前記巡回託送要請手段は、前記託送起点端末の前記巡回配送者委託手段から前記巡回配送者到達通知を受信した場合、該巡回配送者到達通知に含まれる配送者タグIDによって特定される前記巡回配送者に対する前記託送受任要請を送信するものであることを特徴とする。
【0042】
この構成によれば、託送起点に巡回配送者が到着した場合、託送起点端末の第1の配送者タグID読取手段により、巡回配送者が携帯する配送者タグの配送者タグIDが読み取られる。巡回配送者委託手段は、巡回配送者の配送者タグIDが読み取られた場合、管理サーバに対して、該配送者タグIDの情報を含む巡回配送者到達通知を送信する。
管理サーバの巡回託送要請手段は、託送起点端末から巡回配送者到達通知を受信した場合、該巡回配送者到達通知に含まれる配送者タグIDによって特定される巡回配送者に対する託送受任要請を送信する。ここで、託送受任要請に係る託送タスクWは、該巡回配送者の移動経路の託送起点cの後に該託送タスクWの終着点ej1が含まれ、巡回配送者到達通知を受信した時点で託送タスクWの委託者が決定されておらず、且つ該託送タスクWの希望着荷時刻taeよりも前に該巡回配送者が該終着点ej1へ到達する予定であるという条件を満たすものが選択される。託送起点端末の巡回配送者委託手段は、管理サーバから託送受任要請を受信した場合に、該託送受任要請に含まれる前記託送タスクWに関する託送受任要請情報を巡回配送者に報知し、この報知に対して、第1の託送タグID読取手段により該託送受任要請に含まれる託送タスクWに係る託送タグIDが読み取られた場合に、管理サーバに対して、該巡回配送者が該託送タスクWの託送依頼を受任する前記受任要求を送信する。管理サーバの巡回託送要請手段は、託送起点端末から受任要求を受信した場合、該巡回配送者を該託送タスクWの委託者に決定し、託送タスク管理データベースに登録する。これにより、巡回配送者に対しても託送タスクを割り振ることが出来、巡回配送者の有効活用と、託送タスクをこなす他の配送者の負担の軽減を図ることが出来る。
【0043】
ここで、「巡回配送者到達通知」とは、管理サーバに対し巡回配送者が託送起点に到達したことを通知する信号をいう。
【0044】
本発明に係る訪問者支援システムの第7の構成は、前記第1乃至6の何れか一の構成に於いて、前記託送タスク管理データベース内の前記各託送タスク情報には、該託送物の引渡時刻情報が含まれており、
前記終着点端末は、
前記終着点RFID通信装置により、到着した訪問者が携帯する前記訪問者タグの前記訪問者タグIDを読み取る第2の訪問者タグID読取手段と、
前記第2の託送タグID読取手段により読み取られた前記託送物Bの前記託送タグID、前記第2の訪問者タグID読取手段により読み取られた前記訪問者タグID、及び前記託送タグIDが読み取られた時刻である引渡時刻を含む前記託送物Bの引渡通知を、前記通信回線を介して前記管理サーバへ送信する引渡処理手段と、を備え、
前記管理サーバは、
前記通信回線を介して前記終着点端末から送信される前記託送物Bの前記引渡通知を受信した場合、前記託送タスク管理データベース内の該託送物Bの託送タスク情報に含まれる前記引渡時刻情報を、前記引渡通知に含まれる前記引渡時刻とする引渡登録手段、
を備えたことを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、これにより、管理サーバに於いて、終着点での各託送物Bの訪問者への引き渡しの情報を管理することができる。
【発明の効果】
【0046】
以上のように、本発明に依れば、対象エリアにおいて、訪問者が託送依頼する手荷物を、希望着荷時刻に目的地まで確実に託送できるように配送者の手配を行うことができるとともに、自動的に託送タスクWの適切なワークシェアリングが行われるため、対象エリア内の全ての配送者の輸送能力を最大限に活用することが可能な託送依頼処理を行うことが可能となる。また、オークション形式は採らず、先着で受任要求を行った配送者に対して託送タスクWの委託が行われるので、物流業者間で過度な低価格競争を助長することがなく、対象エリアSA周辺の物流業者に過度な経済的負担が生じることも防止でき、地域産業の活性化にも貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明に係る訪問者支援システムのシステム全体の概念を表す図である。
図2】実施例1に係る訪問者支援システムの全体機器構成を表す図である。
図3図2の訪問者管理データベース1aの構成を表すER図(Entity-relationship Diagram)である。
図4図3の各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報を示す一覧表である。
図5】(a)図2の発送管理データベース3bの構成を表すER図、及び(b)各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報を示す一覧表である。
図6】(a)図2の着荷管理データベース5bの構成を表すER図、及び(b)各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報を示す一覧表である。
図7図2の訪問者支援システムの機能構成を示すブロック図である。
図8】訪問者初期登録処理の動作を表すフローチャートである。
図9】訪問者登録ホームページの表示画面の一例を示す図である。
図10】託送物受付処理の動作を表すフローチャートである。
図11】託送依頼入力画面の一例を示す図である。
図12】依頼公開ホームページの表示画面の一例を示す図である。
図13】託送依頼情報配信/配送者決定処理の動作を表すフローチャートである。
図14】巡回配送者への託送委託決定処理の動作を表すフローチャートである。
図15】託送起点端末3の画面表示手段に表示される託送受任案件リストの一例を示す図である。
図16】自由配送者又は準自由配送者に対する託送物発送処理の動作を表すフローチャートである。
図17】終着点ejにおける託送物着荷処理の動作を表すフローチャートである。
図18】終着点ejにおける託送物引渡処理の動作を表すフローチャートである。
図19】訪問点通過情報収集処理の動作を表すフローチャートである。
図20】訪問点商品等売買処理の動作を表すフローチャートである。
図21】商品等タグ入力慫慂画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0049】
(1)システム全体の概念
図1は、本発明に係る訪問者支援システムのシステム全体の概念を表す図である。本システムにおいて本システムに係る託送業務の対象とする領域を対象エリアSAとする。対象エリアSAとしては、例えば、観光地(例えば、温泉地地域、城下町町域等)、ショッピング・エリア(特定の地域に種々の店舗を集めた一定範囲の地域、例えば、ショッピング・モールや○○商店街等)などである。対象エリアSAの広さは特に制限はなく、例えば、大分県全域、北海道全域、中四国全域のように広範な領域に設定することも出来る。
【0050】
本システムを利用して行動する行動主体は、訪問者(visitor)と配送者(carrier)である。「訪問者」とは、対象エリアSA内の各所を訪問する者をいい、例えば、観光客、旅行者、買物客などである。「配送者」とは、託送物を配送する役務を行う主体をいう。また、本システムを活用して託送される荷物を「託送物」(packet)という。各配送者が、託送物の運搬に使用する車両を「運搬車」(moving van)という。運搬車としては、例えば、トラック、バイク、バス、タクシー等が挙げられる。本システムでは、配送者は、さらに、自由配送者(free carrier)、準自由配送者(Nearly free carrier)、巡回配送者(routine carrier)の3つのカテゴリに分類される。「自由配送者」とは、自己の自由意思により託送依頼の受任をする配送者をいい、例えば、タクシーの運転手等である。「準自由配送者」とは、システム管理者からの託送要求を受けた場合には該託送要求を原則的に受任する配送者をいい、例えば、宅配便業者、バイク便業者等である。「原則的に受任する」とは、例えば、受任することが時間的に不可能な場合や運搬車が故障した場合にように、準自由配送者の責に依らないやむを得ない事情がある場合以外には、受任することを意味する。尚、準自由配送者は、託送要求を受けた場合以外に、さらに自己の意思によっても託送依頼の受任をすることも可能である。「巡回配送者」とは、予め決められた時刻に決められた巡路を巡回する配送者をいい、例えば、観光定期便、定期バス、郵便配送車、コンビニエンス・ストアの配送車等の配送者である。
【0051】
図1に示すように、本システムにおいては、対象エリアSA内の各所に複数のノード(node)が設定される。「ノード」とは、訪問者支援システム(情報処理システム)と行動主体とが接触して各種動作や処理が行われる拠点をいう。これらのノードは、入域起点(start node)、託送起点(consignment node)、訪問点(visit node)、終着点(end node)の4つのカテゴリに分類される。「入域起点」とは、対象エリアSA内に訪問者が入域するノードである。例えば、駅、空港、バスターミナル、船着場、テーマパークエリア入口等が挙げられる。「託送起点」とは、訪問者の託送物の託送の受け付けが行われるノードである。例えば、手荷物預かり所、店舗等が挙げられる。「訪問点」とは、訪問者が訪問し又は売買取引を行うノードである。例えば、店舗、レストラン、観光スポット等が挙げられる。「終着点」とは、訪問者の終着地のノードである。例えば、宿泊施設、駅、空港、バスターミナル等が挙げられる。これらの各カテゴリのノードは、其々、対象エリアSA内に1乃至複数個設定されている。尚、入域起点と託送起点、託送起点と訪問点、入域起点と終着点、訪問点と終着点は、同一地点に重複するノードであってもよい。これらのノード対が同一地点に重複する場合でも、概念上は2つの異なるノードが同一地点に重複して存在するものとして考える。
【0052】
本明細書では、対象エリアSA内の入域起点の数をNs、対象エリアSA内の託送起点の数をNc、対象エリアSA内の訪問点の数をNv、対象エリアSA内の終着点の数をNeと記す。また、各入域起点をsi (i=1, …, Ns)、各託送起点をck (k=1, …, Nc)、各訪問点をvl (l=1, …, Nv)、各終着点をej (j=1, …, Ne)と記す。
【0053】
訪問者は、入域起点siから対象エリアSAに入域し、対象エリアSA内を移動して1乃至複数の託送起点ck及び/又は訪問点vlを巡回した後、終着点ejまで移動する。また、訪問者は、託送起点ckにおいて手荷物や購入物等の託送物Baの配送を依頼する。本明細書では、託送物の配送を依頼することを「託送委託」といい、託送物の配送依頼を受け付けることを「受託」という。配送者は、託送起点ckで受託された託送物Baの配送業務を受任して、該託送物Baを託送起点ckから終着点ejまで託送する。
【0054】
或る訪問者より託送物を受託してから託送起点から終着点まで輸送し、終着点にて該訪問者に該託送物を引き渡すまでの一連の託送業務の一単位を「託送タスク」(consignment task)という。託送起点において訪問者より託送物Baを受託した時点で1つの託送タスクWa(Ba)が発生する。また、終着点で託送物Baが訪問者に引き渡された時点で1つの託送タスクWa(Ba)が消滅する。或る託送タスクWa=Wa(Ba)において、託送起点から終着点まで輸送するのに必要な時間を「必要輸送時間」といい、Tt(Wa)と記す。
【0055】
(2)システム全体の機器構成
図2は、実施例1に係る訪問者支援システムの全体機器構成を表す図である。本実施例の訪問者支援システムは、管理センターに設置された管理サーバ1、各入域起点si (i=1. …, Ns)に設置された入域起点端末2、各託送起点ck (k=1, …, Nc)に設置された託送起点端末3、各訪問点vl (l=1, …, Nv)に設置された訪問点端末4、及び各終着点ej (j=1, …, Ne)に設置された終着点端末5、通信ネットワークを介して地図情報を提供する地図情報提供サーバ6を備えている。管理サーバ1、各入域起点端末2、各託送起点端末3、各訪問点端末4、各終着点端末5、及び地図情報提供サーバ6は、通信回線7を介して接続されている。管理サーバ1、入域起点端末2、託送起点端末3、訪問点端末4、終着点端末5は、通信回線7を介して外部とのデータ通信が可能なコンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーション等)により構成されており、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力手段と、ディスプレイ等の表示手段とを備えている。
【0056】
管理サーバ1は、訪問者管理データベース1aを備えている。訪問者管理データベース1aは、各訪問者Vsに関する情報、各託送タスクWaに関する情報、各訪問者Vsに関する情報、各配送者Cpに関する情報等を管理するデータベースである。各入域起点端末2は、1乃至複数の入域起点RFID通信装置2aを備えている。入域起点RFID通信装置2aは、RFタグのタグIDの読み取り及びRFタグへのタグIDの書き込みを行うRFID通信装置である。各託送起点端末3は、1乃至複数の託送起点RFID通信装置3aと、発送管理データベース3bとを備えている。託送起点RFID通信装置3aは、RFタグのタグIDの読み取り及びRFタグへのタグIDの書き込みを行うRFID通信装置である。発送管理データベース3bは、該託送起点端末3が設置された託送起点ckにおいて受託された託送物Baに対する託送タスクに関する情報、事前登録された各配送者Cpに関する情報、及び事前登録された各終着点ejに関する情報を管理するデータベースである。各訪問点端末4は、1乃至複数の訪問点RFID通信装置4aを備えている。訪問点RFID通信装置4aは、RFタグのタグIDの読み取りを行うRFID通信装置である。各終着点端末5は、1乃至複数の終着点RFID通信装置5aと着荷管理データベース5bとを備えている。終着点RFID通信装置5aは、RFタグのタグIDの読み取り及びRFタグへのタグIDの書き込みを行うRFID通信装置である。着荷管理データベース5bは、該終着点端末5が設置された終着点ejに着荷した託送物Baに対する託送タスクWa(Ba)に関する情報、事前登録された各配送者Cpに関する情報、及び事前登録された各託送起点ckに関する情報を管理するデータベースである。地図情報提供サーバ6は、対象エリアSAを含む地図情報を管理する地図情報管理データベース6aを備えている。
【0057】
ここで、「RFタグ」とは、電波(電磁波)を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体をいう。「RFID通信装置」とは、所謂RFIDリーダ又はRFIDリーダライタであり、RFタグとのデータ交信、制御およびそのデータに関する処理を行う装置をいう。
【0058】
尚、本実施例においては、入域起点RFID通信装置2a及び託送起点RFID通信装置3aには、通常のラベル印刷とRFタグへの情報の読み込み・書き込み(リードライト処理)を一度に実施することが可能なRFIDプリンタ装置が用いられている。
【0059】
また、入域起点と託送起点、託送起点と訪問点、入域起点と終着点、訪問点と終着点は、同一地点に重複するノードである場合、重複するノードの端末装置及び重複するノードのRFID通信装置は、同一の端末装置及び同一のRFID通信装置とすることができる。例えば、入域起点と終着点が同一地点(例えば、同一の駅やバスターミナル等)に重複するノードである場合には、入域起点端末2と終着点端末5は、同一の端末装置(コンピュータ)を兼用し、入域起点RFID通信装置2aと終着点RFID通信装置5aは、同一のRFID通信装置を兼用することにより構成することが出来る。
【0060】
各入域起点siにおいて、該入域起点siから対象エリアSA内に入域する訪問者Vsには、該訪問者Vsに固有のタグID(以下「訪問者タグID」という。) IDTG(Vs)が記録されたRFタグ(以下「訪問者タグ」という。)TG(Vs)が配給される。各訪問者Vsは、この訪問者タグTG(Vs)を携帯して、対象エリアSA内を巡回する。
【0061】
また、各訪問者Vsが或る託送起点ckにおいて、手荷物等の託送物Baを託送委託した場合には、該託送物Baに対する託送タスクWa(Ba)が発生し、該託送タスクWa(Ba)に固有のタグID(以下「託送タグID」という。)IDTG(Ba)が記録されたRFタグ(以下「託送タグ」という。)TG(Ba)が発行される。託送タグTG(Ba)は、該託送タスクWa(Ba)が存続する間は、該託送物Baに附された状態とされる。
【0062】
また、事前登録された各配送者Cpには、該配送者Cpに固有のタグID(以下「配送者タグID」という。)IDTG(Cp)が記録されたRFタグ(以下「配送者タグ」という。)TG(Cp)が交付される。各配送者Cpは、託送物Baの配送業務を行う間は、この配送者タグTG(Cp)を常時携帯するものとする。
【0063】
さらに、各訪問者Vsは、訪問者携帯端末MT(Vs)を携帯しており、各配送者Cpは配送者携帯端末MT(Cp)を携帯しているものとする。訪問者携帯端末MT(Vs)及び配送者携帯端末MT(Cp)は、具体的には、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の通信回線との間での無線通信機能を備えた携帯情報端末であって、タッチパネルディスプレイ等の画面表示手段と操作入力手段を備えたものである。
【0064】
(3)各データベースの構成
前述の通り、本実施例の訪問者支援システムが備えているデータベースは、管理サーバ1が具備する訪問者管理データベース1a、各託送起点端末3が具備する発送管理データベース3b、及び各終着点端末5が具備する着荷管理データベース5bである。本実施例では、各データベースは、リレーショナル・データベースとして構成されている。以下、其々のデータベースの具体的な構成について説明する。
【0065】
(3.1)訪問者管理データベース
図3は、図2の訪問者管理データベース1aの構成を表すER図(Entity-relationship Diagram)である。ER図はIDEF1X記法により表す。訪問者管理データベース1aは、訪問者情報テーブル、配送者情報テーブル、託送起点情報テーブル、訪問点情報テーブル、終着点情報テーブル、託送タスク管理テーブル、訪問者タグ情報テーブル、カード情報テーブル、動線情報テーブル、売買情報テーブル、店舗情報テーブル、商品等情報テーブル、配送者位置情報テーブル、及び配送者ルート情報テーブルを備えている。図4に、図3の各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報の内容を示す。「訪問者情報テーブル」は、各訪問者に関する情報を管理するテーブルである。訪問者情報テーブルでは、各訪問者の固有の識別符号である訪問者ID、該訪問者の氏名、該訪問者の訪問者認証パスワード情報、該訪問者が携帯する携帯端末のメールアドレス等の情報が管理されている。「配送者情報テーブル」は、各配送者に関する情報を管理するテーブルである。配送者情報テーブルでは、各配送者の固有の識別符号である配送者ID、該配送者が携帯する配送者タグの配送者タグID、該配送者の氏名、該配送者の所属情報(会社、機関等)、該配送者の電話番号情報、該配送者のE-mail情報、該配送者の配送者種別コード(自由配送者/準自由配送者/巡回配送者の別)等の情報が管理されている。「託送起点情報テーブル」は、各託送起点に関する情報を管理するテーブルである。託送起点情報テーブルでは、各託送起点の固有の識別符号である託送起点ID、託送起点の名称、託送起点の電話番号の情報、託送起点の住所の情報、託送起点のE-mailの情報等の情報が管理されている。「訪問点情報テーブル」は、各訪問点に設置された訪問点センサ(訪問点RFID通信装置4a)に関する情報を管理するテーブルである。訪問点情報テーブルでは、各訪問点の固有の識別符号である訪問点センサID、訪問点に設置された訪問点RFID通信装置4a(訪問点センサ)の名称、訪問点の位置情報等の情報が管理されている。「終着点情報テーブル」は、各終着点に関する情報を管理するテーブルである。終着点情報テーブルでは、各終着点の固有の識別符号である終着点ID、終着点の名称、終着点の電話番号情報、終着点の住所情報、終着点のE-mail情報等の情報が管理されている。「託送タスク管理テーブル」は、各託送タスクに関する情報を管理するテーブルである。この託送タスク管理テーブルで管理される託送タスク情報は、託送物を受け付けた託送起点を特定する情報(託送起点ID)、該託送物の託送先及び希望着荷時刻を特定する情報(終着点ID,到着予定日時)、該託送物の託送を委託した委託者の情報(訪問者ID)、託送料金に関する情報(託送委託料金)、該託送物の発送日時に関する情報(発送日時)、該託送物が終着点に着荷済みか否かを示す着荷情報(到達日時)等を含んでいる。「訪問者タグ情報テーブル」は、各訪問者に対し発行される訪問者タグに関する情報、即ち、該訪問者の訪問者ID、該訪問者に付与された訪問者タグの訪問者タグID、該訪問者タグの発行時刻及び廃止時刻に関する情報を管理するテーブルである。「カード情報テーブル」は、各訪問者が携帯するキャッシュカード(クレジットカード、電子マネーカード、プリペイドカード等)に関する情報を管理するテーブルである。「動線情報テーブル」は、各訪問者の動線に関する情報を管理するテーブルである。「売買情報テーブル」は、各訪問者が各訪問点で行う商品やサービスの売買取引に関する情報を管理するテーブルである。「店舗情報テーブル」は、各訪問者の店舗に関する情報を管理するテーブルである。「商品等情報テーブル」は、各訪問者の店舗で取り扱う商品やサービスに関する情報を管理するテーブルである。「配送者位置情報テーブル」は、各配送者の現在位置に関する情報を管理するテーブルである。「配送者ルート情報テーブル」は、各巡回配送者のルート及び通過時刻に関する情報を管理するテーブルである。
【0066】
(3.2)発送管理データベース
図5は、(a)図2の発送管理データベース3bの構成を表すER図、及び(b)各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報を示す一覧表である。発送管理データベース3bは、発送管理テーブル、終着点情報テーブル、及び配送者情報テーブルを備えている。「発送管理テーブル」は、該発送管理データベース3bが属する託送起点において受託した託送物の受託及び発送に関する情報を管理するテーブルである。「終着点情報テーブル」は、各終着点に関する情報を管理するテーブルである。「配送者情報テーブル」は、各配送者に関する情報を管理するテーブルである。ここで、終着点情報テーブル及び配送者情報テーブルは、訪問者管理データベース1aの終着点情報テーブル及び配送者情報テーブルと同期して逐次更新される。
【0067】
(3.3)着荷管理データベース
図6は、(a)図2の着荷管理データベース5bの構成を表すER図、及び(b)各テーブルに含まれるフィールドと、該フィールドに格納される情報を示す一覧表である。着荷管理データベース5bは、着荷管理テーブル、託送起点情報テーブル、及び配送者情報テーブルを備えている。「着荷管理テーブル」は、該着荷管理データベース5bが属する終着点に着荷した託送物の着荷及び訪問者への引き渡しに関する情報を管理するテーブルである。「託送起点情報テーブル」は、各託送起点に関する情報を管理するテーブルである。「配送者情報テーブル」は、各配送者に関する情報を管理するテーブルである。ここで、託送起点情報テーブル及び配送者情報テーブルは、訪問者管理データベース1aの託送起点情報テーブル及び配送者情報テーブルと同期して逐次更新される。
【0068】
(4)訪問者支援システムの機能構成
図7は、図2の訪問者支援システムの機能構成を示すブロック図である。図7において、図2と対応の部分については同符号を附している。尚、以下に説明する図7の各モジュール及びデータベースは、管理サーバ1、入域起点端末2、託送起点端末3、訪問点端末4、終着点端末5、及び地図情報提供サーバ6において、コンピュータ・ソフトウェアを読み込んで実行することにより、機能的に実現されるものである。
【0069】
(4.1)管理サーバ1
管理サーバ1は、訪問者管理データベース1a、訪問者登録部100、訪問者登録通知部101、託送タスク生成部102、託送受付応答部103、輸送時間決定部104、託送料金決定部105、託送依頼公開部106、自由受任受付部107、指定託送要請部108、巡回託送要請部109、発送登録部110、着荷登録部111、着荷通知配信部112、引渡登録部113、動線情報更新部114、特典生成部115、売買決済部116を備えている。訪問者管理データベース1aは、訪問者の情報、配送者の情報、託送タスクに関する情報等を管理するデータベースであり、図3に示した各テーブルから構成されるリレーショナル・データベースである。
【0070】
訪問者登録部100は、通信回線7を介して入域起点端末2から送信される訪問者登録要求Rqv(Vs)を受信した場合、該訪問者登録要求Rqv(Vs)に係る訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)を生成し、該訪問者タグID IDTG(Vs)、並びに該訪問者登録要求Rqv(Vs)に含まれる、訪問者Vsに関する情報である訪問者情報を、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルに登録するモジュールである。ここで、「訪問者登録要求」とは、管理サーバ1に対して訪問者情報を新規に登録することを請求する信号をいう。訪問者登録要求Rqv(Vs)には、訪問者Vsに関する情報(具体的には、図3の訪問者テーブルの各フィールドの情報)が含まれる。訪問者登録通知部101は、訪問者登録要求Rqv(Vs)を送信した入域起点端末2に対し、生成された訪問者Vsの訪問者タグIDを送信するモジュールである。
【0071】
託送タスク生成部102は、通信回線7を介して託送起点端末3から送信される託送受付要求Rqa= Rqa(Ba; ck, ej, tae, Vs)を受信した場合、該託送受付要求Rqaに対する託送タスクWaを、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルのレコード(以下「託送タスクレコード」という。)RC(Wa)として生成し登録するモジュールである。ここで、「託送受付要求」とは、管理サーバ1に対して託送委託の受付を請求する信号をいう。託送受付要求Rqa(ck, Ba, tae, Vs)には、該託送受付要求を送信した託送起点端末3が属する託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、並びに該託送受付要求に係る託送物Baの託送先を特定する情報(終着点ID ID(ej))及び希望着荷時刻taeを特定する情報(到達予定日時)、並びに該託送物Baの託送を委託した委託者(訪問者Vs)の情報(訪問者タグID IDTG(Vs))が含まれている。託送受付応答部103は、託送受付要求Rqaを送信した託送起点端末3に対し、該託送受付要求Rqaに対して生成された託送タスクWaの託送タグIDを送信するモジュールである。
【0072】
輸送時間決定部104は、各託送タスクWaに対し、該託送タスクWaの託送物Baを、該託送物Baが受け付けられた託送起点ckから該託送物Baの託送先である終着点ej1へ輸送するのに必要とされる必要輸送時間Tt=Tt(Wa)を、所定の規則(以下「必要輸送時間決定規則」という。)に従って決定するモジュールである。必要輸送時間Ttを決定するための必要輸送時間決定規則については、対象エリアSA内の状況に応じて適宜決められる。例えば、対象エリアSAが、複数の観光スポットが各所に点在するような観光地(例えば、温泉が各所に点在する温泉地など。)の場合、必要輸送時間決定規則として、通信回線7を介して地図情報提供サーバ6から提供される地図に基づき求められる、託送起点ckから終着点ej1までのルートの旅行時間を必要輸送時間Ttとするような規則を採用したり、また、託送起点ckから終着点ej1までのルートの旅行時間に曜日又は日付や1日の時間帯による渋滞補正係数を掛けた時間を必要輸送時間Ttとするような規則を採用したりすることができる。また、託送起点ckから終着点ej1までの過去の輸送時間のデータを蓄積し、蓄積されたデータに基づく機械学習により必要輸送時間Ttを決定するような規則を必要輸送時間決定規則とすることもできる。更に、各託送起点ckと各終着点ej1の組み合わせに対する必要輸送時間Ttを、事前に必要輸送時間テーブルとして用意しておき、この必要輸送時間テーブルに基づき必要輸送時間Ttを決定するような規則を必要輸送時間決定規則とすることもできる。
【0073】
託送料金決定部105は、所定の規則(以下「託送料金決定規則」という。)に従って各託送タスクWaに対する託送料金Fa=Fa(Wa)を決定するモジュールである。託送料金Faを決定するための託送料金決定規則については、目的に応じて適宜決められる。例えば、郵便料金のように託送物Baのサイズや重量に応じて予め決められた料金テーブルから託送料金Faを決定する規則を採用したり、輸送時間決定部104により決定される託送タスクWaの必要輸送時間Ttに応じて予め決められた料金テーブルから託送料金Faを決定する規則を採用したり、託送物Baのサイズ、重量、及び必要輸送時間Ttに応じて予め決められた料金テーブルから託送料金Faを決定する規則を採用したりすることができる。また、上記方法により決定される料金に、曜日又は日付や1日の時間帯に応じた加重係数を掛けた料金を託送料金Faとすることもできる。
【0074】
託送依頼公開部106は、該託送受付要求Rqaに係る託送タスクWaの託送依頼の情報を依頼案件公開情報として依頼公開ホームページに掲載し、通信回線7を介して通信ネットワーク(インターネット等)上に公開するモジュールである。この「依頼公開ホームページ」は、受託された託送依頼の一覧情報を依頼案件公開情報として掲載し、且つ各配送者端末MT(Cp)からの託送依頼の受任の受付処理を行うホームページであり、事前に登録された各配送者Cpが携帯する携帯端末MT(Cp)から通信回線7を介して閲覧可能である。尚、託送依頼公開部106は、託送タスク生成部102において託送受付要求Rqaを受信した託送受付時刻t0が自由受任受付終了時刻t1よりも前であり、且つ、該託送タスクWaの委託者が既に決定されていない場合に限り、該託送タスクWaの託送依頼の情報を依頼公開ホームページに掲載する。ここで、「自由受任受付終了時刻」とは、自由配送者による託送タスクWaの受任を受け付ける期間の終了時刻をいう。自由受任受付終了時刻t1は、託送受付要求Rqaに係る託送タスクWaの希望着荷時刻taeから必要輸送時間Ttと所定の第1の有余時間Ty1との和を引いた時刻t1=tae-(Tt+Ty1)とされる。第1の有余時間Ty1は、予め設定された定数時間である。後述するように、自由受任受付終了時刻t1までに自由配送者又は準自由配送者による託送タスクWaの受任がなされなかった場合に特定の準自由配送者に対して託送受任要請を行うが、この託送受任要請を行ってから要請を受けた準自由配送者が託送タスクWaの託送物Baが託送預託された託送起点ckに到達し託送物Baが発送されるまでに一定の時間が必要である。第1の有余時間Ty1は、この託送受任要請から託送物Baが発送されるまでに必要とされる有余時間である。
【0075】
自由受任受付部107は、自由受任受付終了時刻t1よりも前にいずれかの配送者Cpの携帯端末から送信された託送タスクWaの託送依頼を受任する受任要求Rqm=Rqm(Cp, Wa)を受信した場合、該配送者Cpを該託送タスクWaの委託者に決定し、託送タスク管理テーブルの該託送タスクWaの託送タスクレコードRC(Wa)に登録するモジュールである。ここで、「受任要求」とは、管理サーバ1に対して託送タスクの託送業務の受任を請求する信号をいう。受任要求には、該託受任要求を送信した配送者端末MT(Cp)が携帯する配送者Cpを特定する情報(配送者ID IDTG(Cp))、受任する託送タスクWaを特定する情報(託送タスクID ID(Wa)又は託送タグID IDTG(Ba))が含まれている。
【0076】
指定託送要請部108は、託送受付時刻t0が自由受任受付終了時刻t1よりも後の場合、又は自由受任受付終了時刻t1が経過する前に託送タスクWaの託送依頼に対する受任要求Rqm(Cp, Wa)が受信されない場合、事前登録された特定の配送者(準自由配送者)Cpを該託送タスクWaの委託者に決定し、託送タスク管理テーブルに登録するとともに、通信回線7を介して該配送者Cpの携帯端末MT(Cp)に対し託送受任要請DMm(Wa)を送信するモジュールである。ここで、「託送受任要請」とは、配送者Cpの携帯端末MT(Cp)に対して託送タスクWaの託送物Baの託送業務の受任を要請する信号をいう。
【0077】
巡回託送要請部109は、巡回配送者Cpが到着した託送起点端末3から送信される受任要求に基づき、一定の条件下で、巡回配送者Cpを託送タスクWaの委託者に決定し、託送タスク管理テーブルに登録する処理を行うモジュールである。ここで、「一定の条件」とは、次の条件が満たされた場合をいう。
(a)巡回配送者Cpが、託送タスクWa(Ba)の託送物Baを受け付けた託送起点ckから該託送タスクWa(Ba)の託送先である終着点ej1へ、事前に決められたスケジュールで移動するものであること。
(b)該巡回配送者Cpが、該託送タスクWa(Ba)の委託者が決定される前に該託送起点ckに到達し、且つスケジュール上、該託送タスクWa(Ba)の希望着荷時刻taeよりも前に該終着点ej1へ到達する予定であること。
【0078】
発送登録部110は、託送起点端末3から発送通知NOa=NOa(Ba; Cp, Wa, ck, ts)を受信した場合、託送タスク管理テーブル内の、該発送通知NOaに含まれる託送タグIDに対応する託送タスクレコードRC(Wa)の発送時刻ts(Wa)を、該発送通知NOaに含まれる発送時刻とするモジュールである。ここで、「発送通知」とは、管理サーバ1に対して託送起点ckから託送物Baが発送されたことを通知する信号をいう。発送通知NOaには、託送タスクWaの託送物Baを受任した配送者Cpの配送者タグID IDTG(Cp)、該託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)、託送起点端末3が設置された託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、及び発送時刻ts(Wa)の情報が含まれている。また、発送登録部110は、該発送通知NOaを受信した場合、該発送通知NOaに係る託送物Baの託送先である終着点ejの終着点端末5に対して、発送情報通知NOIa=NOIa(Ba; Wa, Vs, Cp, ck, t0, ts, tae)の送信を行う。この「発送情報通知」とは、終着点端末5に対して託送起点ckから託送物Baが該終着点端末5が設置された終着点ejへ発送されたこと及びその託送物Baの託送タスクWa(Ba)に関する情報を通知する信号をいう。発送情報通知NOIaには、託送タスクWaを特定する情報(託送タグID TG(Ba))、託送物Baを受託した訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))、託送物Baの託送受付時刻(受託日時)t0、託送物Baの発送日時ts、託送物Baの託送物名称、託送物Baの取扱種別、託送物Baが託送委託された託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、託送物Baの到達予定日時(希望着荷日時tae)、託送物Baの配送業務を受任した配送者Cpを特定する情報(配送者ID ID(Cp)又は配送者タグID IDTG(Cp))が含まれている。
【0079】
着荷登録部111は、通信回線7を介して終着点ejの終着点端末5から送信される託送物Baの着荷通知NOr=NOr(Ba; Wa, Cp, tr)を受信した場合、託送タスク管理テーブル内の該託送物Baの託送タスクレコードRC(Wa)に含まれる着荷情報を着荷済みとするモジュールである。ここで、「着荷通知」とは、管理サーバ1に対して終着点ejに託送物Baが着荷したことを通知する信号をいう。着荷通知NOrには、終着点ejを特定する情報(終着点ID ID(ej))、終着点ejに着荷した託送物Baに係る託送タスクWa(Ba)を特定する情報(託送タグID IDTG(Ba))、託送物Baを終着点ejまで配送した配送者Cpを特定する情報(配送者タグID IDTG(Cp)又は配送者ID ID(Cp))、及び託送物Baの着荷日時tr(Wa(Ba))の情報が含まれている。着荷通知配信部112は、託送物Baの着荷通知NOrを受信した場合、託送タスク管理テーブル内の該託送物Baの託送タスクレコードRC(Wa)に含まれる該託送物Baの託送を委託した委託者のメールアドレスに対して、託送物Baが終着点ejに着荷したことを通知する着荷通知メールを配信するモジュールである。
【0080】
引渡登録部113は、通信回線7を介して終着点端末5から送信される託送物Baの引渡通知NOh=NOh(Ba; Wa, Vs, th)を受信した場合、託送タスク管理テーブル内の該託送物Baの託送タスクレコードRC(Wa)の引渡時刻th(Wa)を、該引渡通知に含まれる引渡時刻thに更新する処理を行うモジュールである。ここで、「引渡通知」とは、管理サーバ1に対して終着点ejにおいて託送物Baが訪問者Vsに引き渡されたことを通知する信号をいう。引渡通知NOhには、終着点ejを特定する情報(終着点ID ID(ej))、終着点ejで引き渡された託送物Baに係る託送タスクWa(Ba)を特定する情報(託送タグID IDTG(Ba))、託送物Ba引き取った訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))、及び託送物Baの引渡時刻thの情報が含まれている。
【0081】
動線情報更新部114は、通信回線7を介して訪問点端末4から送信される訪問者検出通知NOv=NOv(vl, m; Vs, tp)を受信した場合、訪問者管理データベース1aの動線情報テーブルに、訪問者検出通知NOvに含まれる(配送者タグID,訪問点センサID,通過日時)を登録する処理を行うモジュールである。ここで、「訪問者検出通知」とは、訪問者が訪問点を通過したことを通知する信号をいう。訪問者検出通知NOvには、訪問点端末4が設置された訪問点vlを通過した訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)、訪問点vlの訪問点端末4に接続された訪問点RFID通信装置4aを特定する訪問点センサID ID(vl, m)、及び該訪問者Vsが訪問点vlを通過した日時の情報である通過日時tp(Vs)等が含まれている。
【0082】
特典生成部115は、訪問者Vsが特典付与条件に合致するか否かを判定して、該訪問者Vsの訪問者携帯端末MT(Vs)に対して特典情報を送信する処理を行うモジュールである。ここで、「特典付与条件」とは、訪問者Vsに特典が付与される条件をいう。特典付与条件は、任意に設定することが出来、例えば、「訪問者Vsが訪問点vlを或る個数以上訪問したこと」、「訪問者Vsが特定の訪問点vlを訪問したこと」などが考えられる。また、「特典」とは、訪問者Vsに与えられる特別の恩恵をいう。特典としては、例えば、「訪問者Vsに対象エリアSA内で利用できるポイントを進呈する」、「訪問者Vsに対象エリアSA内で利用できる割引チケットを進呈する」などが考えられる。
【0083】
売買決済部116は、訪問点端末4との間で、訪問点vlで訪問者Vsが商品等の売買を行う際の決済処理を行うモジュールである。
【0084】
(4.2)入域起点端末2
入域起点端末2は、入域起点RFID通信装置2a、訪問者情報入力部20、訪問者登録要求部21、及び訪問者タグ発行部22を備えている。訪問者情報入力部20は、入域起点端末2が置かれた入域起点siにおいて入域する訪問者Vsに関する情報(以下「訪問者情報」という。)を入力する際の画面表示・入力等の処理を行うモジュールである。訪問者登録要求部21は、訪問者Vsに関する訪問者情報を含む訪問者登録要求Rqv(Vs)を、通信回線7を介して管理サーバ1へ送信するモジュールである。ここで、訪問者情報には、訪問者Vsの氏名、電話番号、住所、メールアドレス、終着点を特定する情報(終着点ID)等が含まれる。訪問者タグ発行部22は、該訪問者登録要求Rqv(Vs)に対し、管理サーバ1から通信回線7を介して該訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)を受信した場合、入域起点RFID通信装置2aにより、該訪問者Vsが携帯するための訪問者タグ TG(Vs)に該訪問者タグID IDTG(Vs)を書き込むモジュールである。
【0085】
(4.3)託送起点端末3
託送起点端末3は、託送起点RFID通信装置3a、発送管理データベース3b、訪問者タグID読取部31、託送依頼入力部32、託送受付要求部33、託送タグ発行部34、配送者タグID読取部35、託送タグID読取部36、発送処理部37、配送者登録部38、及び巡回配送者委託部39を備えている。発送管理データベース3bは、託送起点端末3が置かれた託送起点ckにおいて託送受託され発送される各託送物Baの発送情報を管理するデータベースであり、図5に示した各テーブルから構成されるリレーショナル・データベースである。
【0086】
訪問者タグID読取部31は、託送起点RFID通信装置3aにより、託送起点ckにおいて託送物Baを託送委託する訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグIDを読み取る処理を行うモジュールである。託送依頼入力部32は、託送起点端末3が設置された託送起点ckにおいて託送物Baを託送委託する訪問者Vsが、託送物Baの託送先(終着点ID ID(ej))、希望着荷時刻(到達予定日時)tae等の託送委託の内容に関する情報を入力する際の画面表示・入力等の処理を行うモジュールである。託送受付要求部33は、託送依頼入力部32により入力された託送委託の内容に関する情報に基づき託送受付要求Rqa(Ba; ck, ej, tae, Vs)を生成し、通信回線7を介して管理サーバ1へ送信するモジュールである。
【0087】
託送タグ発行部34は、託送受付要求部33により送信される託送受付要求Rqaに対して、通信回線7を介して管理サーバ1から返信される託送タグID IDTG(Ba)を受信すると、託送起点RFID通信装置3aにより、託送委託された託送物Baに附すための託送タグTG(Ba)に該託送タグID IDTG(Ba)を書き込むモジュールである。
【0088】
配送者タグID読取部35は、託送起点RFID通信装置3aにより、託送物Baの託送を受託する配送者Cpが携帯する配送者タグTG(Cp)の配送者タグIDを読み取る処理を行うモジュールである。託送タグID読取部36は、託送起点RFID通信装置3aにより、発送される託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)を読み取る処理を行うモジュールである。発送処理部37は、託送物Baの発送通知NOa(Ba; Cp, Wa, ck, ts)を、通信回線7を介して管理サーバ1へ送信する処理を行うモジュールである。ここで、発送通知NOa(Ba; Cp, Wa, ck, ts)には、配送者タグID読取部35により読み取られた配送者タグID IDTG(Cp)、託送タグID読取部36により読み取られた託送タグID IDTG(Ba)、託送起点端末3が設置された託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、及び発送時刻(託送タグID読取部36及び配送者タグID読取部35によるタグIDの読み取りが完了した時刻)ts(Wa)の情報が含まれている。
【0089】
配送者登録部38は、管理サーバ1からの指示により、発送管理データベース3bの発送管理テーブル内における、指定された託送タスクWaの託送タスクレコードRC(Wa)の配送者の情報(「配送者ID」)を、指定された配送者Cpの情報(配送者ID ID(Cp))として登録するモジュールである。
【0090】
巡回配送者委託部39は、巡回配送者への託送委託に関する処理を行うモジュールである。
【0091】
(4.4)訪問点端末4
訪問点端末4は、訪問点RFID通信装置4a、訪問者通過検出部41、売買処理部42を備えている。訪問者通過検出部41は、訪問点RFID通信装置4aにより、訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を読み取り、管理サーバ1に対し通信回線7を介して訪問者検出通知NOv(vl, m; Vs, tp)として送信する処理を行うモジュールである。売買処理部42は、訪問者Vsが訪問点vlにおいて商品等の売買取引をする際の各種処理を行うモジュールである。
【0092】
(4.5)終着点端末5
終着点端末5は、終着点RFID通信装置5a、着荷管理データベース5b、託送タグID読取部51、配送者タグID読取部52、着荷処理部53、発送情報受信部54、訪問者タグID読取部55、及び引渡処理部56を備えている。着荷管理データベース5bは、終着点端末5が置かれた終着点ejに着荷する各託送物Baの着荷・引き渡し情報を管理するデータベースであり、図6に示した各テーブルから構成されるリレーショナル・データベースである。
【0093】
託送タグID読取部51は、終着点RFID通信装置5aにより、着荷した託送物Ba、又は訪問者Vsに引き渡す託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグIDを読み取る処理を行うモジュールである。配送者タグID読取部52は、終着点RFID通信装置5aにより、託送物Baを終着点ejに配送した配送者Cpが携帯する配送者タグTG(Cp)の配送者タグID IDTG(Cp)を読み取る処理を行うモジュールである。着荷処理部53は、託送物Baの着荷通知NOr(Ba; Cp, tr)を、通信回線7を介して管理サーバ1へ送信する処理を行うモジュールである。ここで、着荷通知NOrには、託送タグID読取部51により読み取られた着荷した託送物Baの託送タグID IDTG(Ba)、配送者タグID読取部52により読み取られた託送物Baを配送した配送者Cpの配送者タグID IDTG(Cp)、及び託送物Baの着荷時刻(託送タグID読取部51及び配送者タグID読取部52によるタグIDの読み取りが完了した時刻)tr(Wa)が含まれている。
【0094】
発送情報受信部54は、管理サーバ1から終着点端末5へ送信される、終着点端末5が設置された終着点ejに着荷する予定の託送物Baの発送情報通知NOIa(Ba; Vs, Cp, ck, t0, tae)を受信し、該発送情報通知NOIaに含まれる各種情報を着荷管理データベース5bの着荷管理テーブルに格納する処理を行うモジュールである。
【0095】
訪問者タグID読取部55は、終着点ejにおいて託送物Baを引き取る訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を、終着点RFID通信装置5aにより読み取る処理を行うモジュールである。引渡処理部56は、託送物Baの引渡通知NOh(Ba; Vs, th)を、通信回線7を介して管理サーバ1へ送信する処理を行うモジュールである。ここで、引渡通知NOhには、託送タグID読取部51により読み取られた引き渡された託送物Baの託送タグID IDTG(Ba)、訪問者タグID読取部55により読み取られた託送物Ba引き取った訪問者Vsの訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)、及び託送物Baの引渡時刻(託送タグID読取部51及び訪問者タグID読取部55によるタグIDの読み取りが完了した時刻)th(Wa)の情報が含まれている。
【0096】
(4.6)地図情報提供サーバ6
地図情報提供サーバ6は、地図情報管理データベース6a及び地図情報配信部6bを備えている。地図情報管理データベース6aは、対象エリアSAを含む領域の地図情報を管理するデータベースである。地図情報配信部6bは、通信回線7を介して入力される地図情報の配信要求に応じて、地図情報管理データベース6aで管理されている地図情報の配信処理を行うモジュールである。
【0097】
(5)システムの動作
以上のように構成された本実施例の訪問者支援システムについて、以下その動作を説明する。
【0098】
(5.1)訪問者初期登録処理
まず、入域起点siから対象エリアSA内に入域する訪問者Vsは、該入域起点siの入域起点端末2において、訪問者情報の登録と訪問者タグTG(Vs)の交付を受ける。このときの訪問者支援システムにおける情報処理を訪問者初期登録処理と呼ぶ。図8は、訪問者初期登録処理の動作を表すフローチャートである。
【0099】
まず、入域起点端末2において、訪問者Vsの操作により、訪問者情報入力部20は、通信回線7を介して管理サーバ1の訪問者登録ホームページにアクセスする。管理サーバ1においては、訪問者登録部100は、入域起点端末2からのアクセスに対して、訪問者登録ホームページの情報を入域起点端末2へ送信する(S101,111)。
【0100】
図9は、訪問者登録ホームページの表示画面の一例を示す図である。訪問者登録ホームページには、訪問者Vsの氏名入力欄C1、電話番号入力欄C2、住所入力欄C3、メールアドレス入力欄C4、カード情報(クレジットカード等の情報)入力欄C5、訪問者認証パスワード入力欄C6、終着点入力欄C7と、送信ボタンB1及びキャンセルボタンB2が設けられている。氏名入力欄C1には該訪問者Vsの氏名を、電話番号入力欄C2には該訪問者Vsの電話番号を、住所入力欄C3には該訪問者Vsの住所を、メールアドレス入力欄C4には該訪問者Vsのメールアドレスを、カード情報入力欄C5には該訪問者Vsのクレジットカード等のカード情報を、訪問者認証パスワード入力欄C6には該訪問者Vsの訪問者認証パスワードを、終着点入力欄C7には該訪問者Vsの終着点ejを、其々入力する。ここで、「訪問者認証パスワード」とは、訪問者Vsが託送委託した荷物を受け取る際や、訪問者Vsが各訪問点vlにおいて商品等の購入時に支払いを行う際に、訪問者Vsの本人認証を行うためのパスワードである。また、終着点入力欄C7には該訪問者Vsの終着点ejを複数個入力することが可能である。訪問者Vsにより、これらの欄に情報が入力された後(S102)、送信ボタンB1が選択(クリック又はタップ)されると、訪問者情報入力部20は、入力された訪問者情報を含む訪問者登録要求Rqv(Vs)を管理サーバ1へ送信する(S103)。管理サーバ1の訪問者登録部100は、訪問者登録ホームページにアクセスしている入域起点端末2から訪問者登録要求Rqv(Vs)を受信すると(S112)、訪問者登録部100は、訪問者Vsに対する訪問者タグID IDTG(Vs)を生成し(S113)、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルに新規レコードを生成し、該訪問者タグID IDTG(Vs)、及び該訪問者登録要求Rqv(Vs)に含まれる訪問者Vsに関する訪問者情報を、生成した新規レコード(訪問者情報レコードRC(Vs))に登録する(S114)。そして、訪問者登録通知部101は、訪問者登録要求Rqv(Vs)を送信した入域起点端末2に対して、該訪問者タグID IDTG(Vs)を送信する(S115)。
【0101】
入域起点端末2の訪問者タグ発行部22は、管理サーバ1から、該訪問者登録要求Rqv(Vs)に対して該訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)を受信した場合、入域起点RFID通信装置2aにより、該訪問者Vsが携帯するための訪問者タグTG(Vs)に該訪問者タグID IDTG(Vs)を書き込む(S104)。前述したように、入域起点RFID通信装置2aには、通常のラベル印刷とRFタグへのリードライト処理を一度に実施することが可能なRFIDプリンタ装置が用いられている。従って、入域起点RFID通信装置2aは、RFタグの表面に訪問者タグID IDTG(Vs)の2次元コード、訪問者Vsの氏名等を印刷すると共に、該RFタグのICチップに訪問者タグID IDTG(Vs)の情報を書き込んで、訪問者タグTG(Vs)として発行する。
【0102】
尚、ステップS101~S103の訪問者登録ホームページからの訪問者の初期登録の手続処理ついては、訪問者Vsが携帯する訪問者携帯端末MT(Vs)からも行うことが出来る。この場合、訪問者タグID IDTG(Vs)は、管理サーバ1から訪問者携帯端末MT(Vs)に送信される。従って、訪問者携帯端末MT(Vs)では、受信した訪問者タグID IDTG(Vs)を一旦記憶しておき、訪問者タグTG(Vs)を発行する際には、訪問者携帯端末MT(Vs)から入域起点siの入域起点端末2に近距離無線通信により訪問者タグID IDTG(Vs)を送信し、入域起点RFID通信装置2aにより訪問者タグTG(Vs)を印刷・発行するように構成すればよい。または、訪問者タグTG(Vs)を発行する際に、訪問者携帯端末MT(Vs)の表示装置(ディスプレイ)に訪問者タグID IDTG(Vs)の情報を含む二次元コード(マトリックス型二次元コードやバーコード)を表示させ、入域起点端末2において入域起点端末2附属のカメラにより表示された該二次元コードを読み取らせて、読み取った該二次元コードから訪問者タグID IDTG(Vs)を抽出し、入域起点RFID通信装置2aにより訪問者タグTG(Vs)を印刷・発行するように構成してもよい。
【0103】
(5.2)託送物受付処理
対象エリアSA内に入域した訪問者Vsは、各託送起点ckにおいて、手荷物等の託送物Baを終着点ejに託送するように、託送委託をすることが出来る。この各託送起点ckにおける託送委託をする際の訪問者支援システムにおける情報処理を託送物受付処理と呼ぶ。図10は、託送物受付処理の動作を表すフローチャートである。
【0104】
まず、託送起点ckの託送起点端末3において、訪問者タグID読取部31は、託送起点RFID通信装置3aにより、託送物Baを託送委託する訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を読み取る(S121)。
【0105】
次に、託送依頼入力部32は、訪問者Vsが、託送物Baの託送先(終着点ID ID(ej))、希望着荷時刻(到達予定日時)tae等の託送委託の依頼内容に関する情報を入力する際の画面表示・入力等の処理を行う(S122)。この際、託送依頼入力部32は、管理サーバ1に対して、訪問者タグIDにより特定される訪問者Vsの訪問者情報を要求し、管理サーバ1は該訪問者Vsの訪問者情報を該託送起点端末3に送信する。そして、託送依頼入力部32は、受信した訪問者情報に基づき、託送起点端末3に附属のタッチパネルディスプレイに、例えば、図11のような託送依頼入力画面を表示する。図11の託送依頼入力画面には、訪問者Vsの氏名表示欄C11、電話番号表示欄C12、託送先選択欄C13、託送物情報入力欄C14、希望着荷時刻入力欄C15と、送信ボタンB1及びキャンセルボタンB2が設けられている。氏名表示欄C11には、訪問者情報に含まれる訪問者Vsの氏名が表示され、電話番号表示欄C12には、訪問者情報に含まれる訪問者Vsの電話番号が表示される。託送先選択欄C13には、訪問者情報に含まれる訪問者Vsの終着点ejが「お届け先」として表示されるとともに、終着点ejが複数の場合には、各終着点ejの名称の横に選択ボタンC13aが表示される。選択ボタンC13aはラジオボタン(項目の選択に用いられるGUI部品のひとつで、複数項目から1つだけ取捨選択させるGUI部品のこと。)となっている。託送物情報入力欄C14には、託送物Baの名称(品名)、託送物Baの取扱種別(ワレモノ,生もの,冷凍,冷蔵等)、託送物Baのサイズを入力する。ここで、「託送物Baのサイズ」は、託送物Baの大きさや重量を表すサイズであり、該託送物Baの託送料金Fa(Wa(Ba))を決定する際の基準とされるものである。希望着荷時刻入力欄C15には、託送物Baの終着点ej1への希望着荷時刻tae(日時を選択指定)を入力する。訪問者Vsにより、これらの欄に情報が入力された後(S122)、送信ボタンB1が選択(クリック又はタップ)されると、託送受付要求部33は、入力された託送依頼情報及び訪問者Vsの訪問者タグIDを含む託送受付要求Rqa=Rqa(Ba; ck, ej, tae, Vs)を、管理サーバ1へ送信する(S123)。
【0106】
管理サーバ1の託送タスク生成部102は、託送起点ckの託送起点端末3から託送受付要求Rqaを受信すると(S132)、該託送受付要求Rqaに対する託送タスクWa=Wa(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)を生成し(S133)、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルに新規レコード(託送タスクレコードRC(Wa))を生成し、該託送タグID IDTG(Ba)、及び該託送受付要求Rqaに含まれる託送物Baに関する託送依頼情報を、生成した託送タスクレコードRC(Wa)に登録する(S134)。これにより、1つの託送タスクWaが新たに発生することになる。ここで、託送タスクWaの託送受付時刻t0(Wa)は、管理サーバ1において該託送受付要求Rqaが受信された日時とされる。そして、託送受付応答部103は、該託送受付要求Rqaを送信した託送起点端末3に対して、該託送タグID IDTG(Ba)を送信する(S135)。そして、輸送時間決定部104は、託送タスクWaに係る託送起点ck及び終着点ej1の位置情報(住所情報)を、訪問者管理データベース1aの託送起点情報テーブル及び終着点情報テーブルから取得し、託送起点ckから終着点ej1へ向かう配送ルートの時間距離の情報を地図情報提供サーバ6から取得し、託送タスクWaに係る託送起点ckから終着点ej1へ輸送するのに必要とされる必要輸送時間Tt(Wa)を決定する。また、託送料金決定部105は、託送受付要求Rqaに含まれる託送物Baのサイズ情報及び必要輸送時間Tt(Wa)に基づき、該託送物Baの託送料金Fa(Wa)を決定する(S136)。託送依頼公開部106は、託送受付要求Rqaの託送受付時刻t0(Wa)が、該託送タスクWaの希望着荷時刻tae(Wa)から必要輸送時間Tt(Wa)と所定の第1の有余時間Ty1との和を引いた時刻である自由受任受付終了時刻t1(Wa)=tae-(Tt+Ty1)よりも前(t0(Wa)<t1(Wa))の場合、該託送タスクWaの託送依頼の情報を、事前登録された各配送者Cp(自由配送者及び準自由配送者)が携帯する携帯端末MT(Cp)から通信回線7を介して閲覧可能な依頼公開ホームページに掲載する(S137)。
【0107】
図12(a),(b)に、依頼公開ホームページの表示画面の一例を示す。図12において、各行が、其々の託送タスクWaの託送依頼の情報を示している。各行の左端に表示されたチェックボックスは、配送者Cpが受任するか否かを選択するトグルボタンである(グレーは無効状態を示す)。また、各行の右端に表示された[地図]ボタンは、託送タスクWaの配達先(終着点)の周辺の地図を表示させるためのボタンである。図12(a)では、各行には、その行に対応する託送タスクWaに係る託送物Baの託送起点ckを特定する情報、該託送物Baの託送先を特定する情報、該託送物Baの希望着荷時刻tae、及び該託送物Baの必要輸送時間Ttの情報が掲載されている。配送者Cpは、各行の左端に表示されたチェックボックスを有効にし、画面下端付近の受任ボタンB3をクリックすることによって、選択した託送タスクWaの託送受任要請を行うことが出来る。
【0108】
また、図12(b)では、各行には、図12(a)の場合に加えて、託送料金Fa(Wa(Ba))の情報が掲載されている。このように、託送料金Faを表示することで、託送タスクWaの混雑具合に合わせて託送料金Faを調整して、託送タスクWaを担う自由配送者Cpの確保数を調整することが可能となる。即ち、託送タスクWaが集中し混雑している場合には、託送料金Faを高く設定することで自由配送者Cpの受任インセンティブをより高めて、より多くの数の自由配送者Cpを確保するように調整し、逆に託送タスクWaが少ない場合には託送料金Faを低く設定することで、自由配送者Cpの受任インセンティブをより低めて、過度に多くの自由配送者Cpが参入することを抑制するように調整することができる。託送料金Faの決め方は様々な方法が考えられるが、例えば、数理計画法を用いたり、機械学習による決定法を用いたりすることが出来る。また、図12(b)では、各行の左端に表示されたチェックボックスにおいて、委託者が決定済みの託送タスクWaについては、「×」マークが表示されている。これにより、複数の配送者から重複して受任要求がなされることを防止することができる。
【0109】
次に、託送タスク生成部102は、託送タスクWaの配送者の初期値(初期配送者Cp0)を決定して、託送タスク管理テーブルの託送タスクWaの託送タスクレコードRC(Wa)の「配送者ID」を初期配送者Cp0の配送者ID ID(Cp0)とし(S138)、該初期配送者の配送者ID ID(Cp0)を託送起点ckの託送起点端末3へ送信する(S139)。ここで、「初期配送者」は、t0(Wa)<t1(Wa)の場合は無効値(初期配送者なし)、t0(Wa)≧t1(Wa) の場合は事前登録された特定の準自由配送者Cp1とされる。
【0110】
託送起点ckの託送起点端末3において、託送受付要求Rqaに対して管理サーバ1から託送タグID IDTG(Ba)を受信すると(S124)、託送タグ発行部34は、託送起点RFID通信装置3aにより、託送物Baに附すための託送タグTG(Ba)に該託送タグID IDTG(Ba)を書き込む(S125)。前述したように、託送起点RFID通信装置3aには、通常のラベル印刷とRFタグへのリードライト処理を一度に実施することが可能なRFIDプリンタ装置が用いられている。従って、託送起点RFID通信装置3aは、RFタグの表面に訪問者タグIDの2次元コード及び該託送物Baの託送依頼情報を印刷すると共に、該RFタグのICチップに託送タグIDの情報を書き込んで、託送タグTG(Ba)として発行する。この託送依頼情報が印刷された託送タグTG(Ba)は、該託送物Baに附され、託送伝票としての役割も担う。
【0111】
また、託送起点端末3において、託送受付要求Rqaに対して管理サーバ1から初期配送者の配送者ID ID(Cp0)を受信すると(S126)、託送起点端末3の発送処理部37は、発送管理データベース3bの発送管理テーブルに、託送受付要求Rqaに係る託送タスクWaに対する新規レコード(発送管理レコードRCs(Wa))を生成して、該発送管理レコードRCs(Wa)の「配送者ID」を受信した配送者IDとするとともに、該発送管理レコードRCs(Wa)の他のフィールドに、託送タスクWaの各情報を保存する(S127)。尚、このとき託送タスクWaの初期配送者Cp0が無効値の場合は、該レコードの「配送者ID」には無効値(配送者が未登録であることを示す値。例えば、NULL値等)が登録される。
【0112】
(5.3)託送依頼情報配信/配送者決定処理
各託送起点ckにおいて受託された各託送物Baに関する託送タスクWaについては、上述したように、依頼公開ホームページにおいて公開され、各配送者Cp(自由配送者及び準自由配送者)が携帯する携帯端末MT(Cp)から通信回線7を介して一定期間(自由受任受付期間)の間、閲覧可能とし、各配送者Cp(自由配送者又は準自由配送者)の自由意思による託送タスクWaの受任の受付が行われる。そして、自由受任受付期間内に託送タスクWaの受任がされない場合には、事前に契約している準自由配送者Cp1の配送者携帯端末MT(Cp1)に対して託送受任要請DMm(Wa)が送信される。このような、訪問者支援システムに於けるタスク処理を託送依頼情報配信/配送者決定処理と呼ぶ。以下では、この託送依頼情報配信/配送者決定処理について具体的に説明する。
【0113】
図13は、託送依頼情報配信/配送者決定処理の動作を表すフローチャートである。上述したように、各託送起点ckにおいて受託された各託送物Baに関する託送タスクWaに関する託送依頼情報は、依頼公開ホームページに逐次掲載される。
【0114】
まず、管理サーバ1の指定託送要請部108は、現在の時刻tにおいて、依頼公開ホームページに公開されている託送依頼情報に係る託送タスク(「公開中託送タスク」という。){Wa}のうち、自由受任受付終了時刻t1(Wa)を経過したものがあるか否かを判定する(S151)。
【0115】
ステップS151で、自由受任受付終了時刻t1(Wa)を経過した託送タスクWaがあった場合、管理サーバ1の指定託送要請部108は、該託送タスクWaを託送委託する配送者を、事前登録された特定の準自由配送者(以下「指定配送者」という。)Cp1に仮決定する。そして、指定託送要請部108は、該託送タスクWaの託送タスクレコードRC(Wa)を訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルから索出し、託送タスクレコードRC(Wa)の「託送起点ID」で特定される託送起点端末3に対して配送者変更要請DMc=DMc(Wa; Cp1)を送信する(S152)。ここで、「配送者変更要請」は、託送起点端末3に対して特定の託送タスクの配送者情報を、特定の配送者に変更することを要請する信号をいう。配送者変更要請DMcには、託送タスクを特定する情報(託送タグID IDTG(Ba))、該託送タスクの配送者Cp1を特定する情報(配送者ID ID(Cp1))等が含まれる。
【0116】
託送起点端末3の配送者登録部38は、配送者変更要請DMc(Wa; Cp1)を受信した場合(S171)、配送者変更要請DMc(Wa; Cp1)に含まれる託送タスクWaの託送タグID IDTG(Ba)の発送管理レコードRCs(Wa)を、発送管理データベース3bの発送管理テーブルから索出し(S172)、該発送管理レコードRCs(Wa)の配送者IDが変更可能(即ち、配送者IDが無効値)であるか否かを検査し(S173)、
・変更可能の場合には、管理サーバ1に対して「変更拒否応答」を送信する(S174)。
・変更可能の場合には、管理サーバ1に対して「変更受付応答」を送信し(S175)、該レコードの配送者IDを配送者変更要請DMc(Wa; Cp1)に含まれる配送者IDに更新する(S176)。これにより、発送管理テーブルに配送者ID ID(Cp1)が登録される。
【0117】
管理サーバ1の指定託送要請部108は、託送起点端末3から「変更拒否応答」を受信した場合には(S153)、ステップS151に戻る。また、託送起点端末3から「変更受付応答」を受信した場合には(S153)、指定託送要請部108は、該託送タスクWaの委託者を、指定配送者Cp1に決定し、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブル内の該託送タスクWaの託送タスクレコードRC(Wa)の「配送者ID」を、指定配送者Cp1の配送者IDとし、「配送者変更許可フラグ」を不許可に変更し、該指定配送者Cp1の携帯端末MT(Cp1)に対し託送受任要請を送信する。そして、管理サーバ1の託送依頼公開部106は、依頼公開ホームページから託送タスクWaの託送依頼情報を削除し(S154)、ステップS151に戻る。
【0118】
一方、ステップS151で、現在の時刻tにおいて、公開中託送タスク{Wa}のうち、自由受任受付終了時刻t1(Wa)を経過したものが無い場合、次に、管理サーバ1の自由受任受付部107は、各自由配送者又は各準自由配送者の配送者端末MT(Cp)から、公開中託送タスク{Wa}のうちの何れかの託送タスクWa1に対する受任要求Rqm(Cp, Wa1)を受信したか否かを判定する(S155)。ここで、受任要求Rqm(Cp, Wa1)が受信されていない場合には、ステップS151に戻る。
【0119】
一方、ステップS155において、託送タスクWa1に対する受任要求Rqm(Cp, Wa1)が受信された場合、自由受任受付部107は、該受任要求Rqm(Cp, Wa1)に含まれる託送タスクWa1を特定する情報(託送タスクID又は託送タグID)に基づき、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルから、該託送タスクWa1に対する託送タスクレコードRC(Wa1)を索出するとともに、該受任要求Rqm(Cp, Wa1)に含まれる配送者Cpを特定する情報(配送者ID ID(Cp))に基づき、訪問者管理データベース1aの配送者情報テーブルから、該配送者Cpに対する配送者レコードRC(Cp)を索出する(S156)。ここで、自由受任受付部107は、託送タスクレコードRC(Wa1)の「配送者変更許可フラグ」が許可(受任要求の受付中)であり、且つ配送者レコードRC(Cp)の「配送者種別コード」が自由配送者又は準自由配送者である場合には、配送者の変更が可能と判定し、そうでない場合には配送者の変更が不可と判定する(S157)。
【0120】
ステップS157において、配送者の変更が不可と判定された場合、自由受任受付部107は、受任要求Rqm(Cp, Wa1)を送信した配送者端末MT(Cp)に対して、現時点で託送委託が不可であることを示す「委託不可応答」を送信し(S158)、ステップS151に戻る。
【0121】
一方、ステップS157において、配送者の変更が可能と判定された場合、自由受任受付部107は、託送タスクレコードRC(Wa1)の「託送起点ID」で特定される託送起点端末3に対して配送者変更要請DMc(Wa1; Cp)を送信する(S159)。
【0122】
託送起点端末3の配送者登録部38は、配送者変更要請DMc(Wa1; Cp)を受信した場合(S171)、配送者変更要請DMc(Wa1; Cp)に含まれる託送タスクWa1の託送タグIDの発送管理レコードRCs(Wa1)を、発送管理データベース3bの発送管理テーブルから索出し(S172)、該発送管理レコードRCs(Wa1)の配送者IDが変更可能(即ち、配送者IDが無効値)であるか否かを検査し(S173)、
・変更不可の場合には、管理サーバ1に対して「変更拒否応答」を送信する(S174)。
・変更可能(無効値)の場合には、管理サーバ1に対して「変更受付応答」を送信し(S175)、該レコードの配送者IDを配送者変更要請DMc(Wa1; Cp)に含まれる配送者ID ID(Cp)に更新する(S176)。これにより、発送管理テーブルに配送者ID ID(Cp)が登録される。
【0123】
管理サーバ1の自由受任受付部107は、託送起点端末3から「変更拒否応答」を受信した場合には(S160)、配送者端末MT(Cp)に対して、現時点で託送委託が不可であることを示す「委託不可応答」を送信し(S158)、ステップS151に戻る。一方、託送起点端末3から「変更受付応答」を受信した場合には(S160)、該託送タスクWa1の委託者を、受任要求Rqm(Cp, Wa1)を送信した配送者Cpに決定し、該配送者Cpの携帯端末MT(Cp)に対し「託送委託応答」を送信し(S161)、管理サーバ1の託送依頼公開部106は、依頼公開ホームページから託送タスクWaの託送依頼情報を削除する(S162)。そして、自由受任受付部107は、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブル内の該託送タスクWa1の託送タスクレコードRC(Wa1)の「配送者ID」を、該準自由配送者Cpの配送者IDとし、「配送者変更許可フラグ」を不許可に変更し(S163)、ステップS151に戻る。
【0124】
以上のようにして、各託送起点ckの託送起点端末3において受託された各託送タスクWaについて、該託送タスクWaの自由受任受付終了時刻t1(Wa)が経過するまでは、該託送タスクWaに関する託送依頼情報は依頼公開ホームページに公開され、全ての自由配送者及び準自由配送者に対し該託送タスクWaの受任の公募が行われる。そして、自由受任受付終了時刻t1(Wa)の経過前に自由配送者又は準自由配送者から受任要求があれば、最先に受任要求を行った自由配送者又は準自由配送者に対して託送委託が行われる。一方、自由受任受付終了時刻t1(Wa)の経過前に受任要求がなければ、自動的に指定配送者に対して託送委託が行われることになる。これにより、自由受任受付終了時刻t1(Wa)までに、個々の自由配送者及び準自由配送者の個別の事情に応じて各託送タスクWaの受任が行われ、全託送タスクWaについてのワークシェアリングがなされ、特定の配送者に対して託送タスクが集中することが緩和される。また、各自由配送者及び各準自由配送者に託送業務の配分がなされ、該対象エリアSAの周囲の経済の活性化の助力となる。また、自由受任受付終了時刻t1までに自由受任がされない託送タスクWaについては、事前に契約した指定配送者に託送委託がされるため、各託送タスクWaに係る託送物Baがその希望着荷時刻tae(Wa)までに終着点ejに託送されることを担保することができる。
【0125】
(5.4)巡回配送者への託送委託処理
次に、巡回配送者に対する託送タスクWaの配分方法について説明する。上述したように、巡回配送者は、予め決められた時刻に決められた巡路を巡回する配送者である。従って、巡回配送者Cp2に対して託送タスクWaを託送委託する場合には、少なくとも次のような条件(以下「巡回配送者委託条件」という。)が必要である。
(a)巡回配送者Cp2の巡路に、託送起点ckから終着点ej1へ向かう経路が含まれていること。即ち、対象エリアSA内の託送起点及び終着点のノードの集合を{νi}とし、巡回配送者Cp2の巡路p(Cp2)を順序集合p(Cp2)=(να1, να2,…,ναN)で表し、順序集合p(Cp2)における順序関係を「<」で表すとき、(ναp, ναq∈p(Cp2))∧(ckαp)∧(ej1αq)∧(ναp<ναq)であること。
(b)巡回配送者Cp2が、託送タスクWaの託送受付時刻t0(Wa)よりも後で且つ託送タスクWaの委託者が決定されるよりも前の時刻tr1に託送起点ckに到達し、且つ、時刻tr1より後で且つ託送タスクWaの希望着荷時刻tae(Wa)よりも前の時刻tr2に終着点ej1に到達すること。即ち、時刻tにおける託送タスクWaを受任した配送者をCp(Wa, t)とすると、(t0(Wa)<tr1<tr2<tae(Wa))∧(Cp(Wa, t)=φ)であること(但し、φは空集合を表す)。
【0126】
図14は、巡回配送者への託送委託決定処理の動作を表すフローチャートである。巡回配送者への託送委託決定処理動作は、管理サーバ1と託送起点ckの託送起点端末3と各託送タスクの終着点ejの終着点端末5との間で通信回線7を介して通信しながら行われる。
【0127】
まず、予め決められた巡路p(Cp2)に沿って予め決められたスケジュールに従って移動する巡回配送者Cp2が、巡路p(Cp2)上の託送起点ckに到達すると、該巡回配送者Cp2は、自らが携帯している配送者タグTG(Cp2)の配送者タグIDを、該託送起点ckに設置された託送起点端末3の託送起点RFID通信装置3aにより読み取らせる。託送起点端末3の巡回配送者委託部39は、託送起点RFID通信装置3aにおいて、巡回配送者Cp2の配送者タグTG(Cp2)の配送者タグIDが読み取られると(S181)、管理サーバ1に対して、巡回配送者到達通知を送信する(S182)。ここで、「巡回配送者到達通知」とは、管理サーバ1に対し巡回配送者が託送起点に到達したことを通知する信号をいう。巡回配送者到達通知には、該配送者タグTG(Cp2)の配送者タグIDを含む。尚、ステップS181において、読み取られた配送者タグIDが巡回配送者のものであるか否かの判断は、発送管理データベース3bの配送者情報テーブルを参照することによって行われる。
【0128】
管理サーバ1において、巡回託送要請部109は、託送起点ckの託送起点端末3から巡回配送者到達通知を受信すると(S201)、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブル及び配送者情報テーブルを検索し、該巡回配送者到達通知に含まれる配送者タグIDによって特定される配送者Cp2の「配送者種別コード」が「巡回配送者」である否かを検査し、「巡回配送者」の場合には、上述の巡回配送者委託条件(a),(b)を満たす託送タスクレコードを託送タスク管理テーブルから抽出する(S202)。ここで、抽出された託送タスクレコードに係る託送タスクの集合を{Wa(Cp2, i)}、託送タスクの集合{Wa(Cp2, i)}に属する各託送タスクWa(Cp2, i)の託送タグIDの集合を{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}とする。尚、配送者Cp2の「配送者種別コード」が「巡回配送者」ではない場合、又は上述の巡回配送者委託条件(a),(b)を満たす託送タスクレコードが託送タスク管理テーブル内にない場合には、集合{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}は空集合となる。そして、巡回託送要請部109は、集合{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}に属する各託送タグIDの情報を含む託送受任要請DMm({Wa(Cp2, i)})を、該巡回配送者到達通知を送信した託送起点端末3に対して送信する(S203)。ここで、「託送受任要請」とは、巡回配送者Cp2に対して上述の巡回配送者委託条件(a),(b)を満たす託送タスク{Wa(Cp2, i)}の受任を要請する信号をいう。
【0129】
託送起点端末3において、巡回配送者委託部39は、該託送受任要請を受信すると(S183)、該託送受任要請DMm({Wa(Cp2, i)})に含まれる託送タグID集合{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}に属する託送タグIDIDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))に係る発送管理レコードRCs(Wa(Cp2, i))を発送管理データベース3bの発送管理テーブルから索出し、索出した各発送管理レコードRCs(Wa(Cp2, i))の託送タスク情報のリスト(「託送受任案件リスト」という。)を、該託送起点端末3が具備するタッチパネルディスプレイ等の画面表示手段に表示する(S184)。これにより、巡回配送者Cp2は、託送起点ckにおいて自分が受託すべき託送タスクに係る託送物Baがどれであるかを認知することが出来る。尚、託送受任要請DMm({Wa(Cp2, i)}) に含まれる託送タグID集合{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}に託送タグIDが全く含まれていない場合(即ち、ステップS203において集合{IDTG(Ba(Wa(Cp2, i)))}が空集合の場合)には、上記託送受任案件リストは空リストとなる。
【0130】
図15は、託送起点端末3の画面表示手段に表示される託送受任案件リストの一例を示す図である。図15において、託送受任案件リストの上部には、委託配送者表示欄(C20)が設けられ、中央には、託送受任要請がされた各託送タスクの情報の表である託送受任要請一覧表が設けられ、下部には、終了ボタンB4が設けられている。中央の託送受任要請一覧表は、各行が1つの託送タスクの情報を表している。また、各列は、左から、タグ読込完了チェックボックス(C21)、託送委託者名(ご依頼主)(C22)、終着点名称(お届け先)(C23)、到達予定日時(指定日時)(C24)、託送物名称(お荷物名)(C25)、取扱種別(C26)を表す。タグ読込完了チェックボックス(C21)は、後述のステップS190において、託送タスクIDの読み込みがされたときに有効(チェックがされた状態)となる。
【0131】
ここで、巡回配送者Cp2は、託送起点端末3の画面表示手段に表示された託送タスク集合{Wa(Cp2, i)}に属する各託送タスクWa(Cp2, i)に係る託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)を、託送起点端末3に附属する託送起点RFID通信装置3aにより読み取る。巡回配送者委託部39は、託送起点RFID通信装置3aにより託送タグID IDTG(Ba)が読み取られると(S185)、読み取られた託送タグID IDTG(Ba)に係る託送タスクWa(Ba)が、上記託送受任案件リストの託送タスク集合{Wa(Cp2, i)}に属する(即ち、Wa(Ba)∈{Wa(Cp2, i)})か否かを検査する(S186)。ここで、Wa(Ba)∈{Wa(Cp2, i)}でないと判定された場合には、巡回配送者委託部39は、誤った託送物Baが選択されたと判断して、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送受任案件リスト外の託送物であることを報知し(S187)、ステップS185に戻る。一方、ステップS186で、Wa(Ba)∈{Wa(Cp2, i)}と判定された場合には、巡回配送者委託部39は、管理サーバ1に対して、読み取られた託送タグID IDTG(Ba)に係る託送タスクWa(Cp2, i)に対する巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))を送信する(S188)。ここで、「巡回配送者受任要求」とは、管理サーバ1に対して巡回配送者Cp2が託送タスクWaの託送業務の受任を請求する信号をいう。巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))には、該託受任要求を送信した巡回配送者Cp2を特定する情報(配送者タグTG(Cp2)の配送者タグID IDTG(Cp2))、受任する託送タスクWa(Cp2, i)を特定する情報(託送タスクID ID(Wa(Cp2, i))又は託送タグID TG(Ba))が含まれている。
【0132】
管理サーバ1において、巡回託送要請部109は、託送起点端末3から巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))を受信すると(S210)、該巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))に含まれる託送タスクWa(Cp2, i)を特定する情報(託送タスクID ID(Wa(Cp2, i))又は託送タグID TG(Ba))に基づいて、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルを検索し、託送タスクWa(Cp2, i)に係る託送タスクレコードRC(Wa(Cp2, i))を索出し、該託送タスクレコードRC(Wa(Cp2, i))の「配送者変更許可フラグ」を参照することにより、該託送タスクWa(Cp2, i)の配送者の変更が許可されているか否かを検査する(S211)。ここで、「配送者変更許可フラグ」が不許可(配送者の変更が不可)の場合には、巡回託送要請部109は、巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))を送信した託送起点端末3に対して、現時点で託送委託が不可であることを示す「託送委託不可応答」を送信し(S212)、ステップS210に戻る。一方、ステップS211で、「配送者変更許可フラグ」が許可(配送者の変更が可能)の場合には、巡回託送要請部109は、前記託送起点端末3に対して「託送委託応答」を送信し(S213)、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブル内の該託送タスクWa(Cp2, i)の託送タスクレコードの「配送者ID」を該巡回配送者Cp2の配送者IDとし、「配送者変更許可フラグ」を不許可に変更し、「発送日時」tsを現時刻tとする(S214)。そして、託送依頼公開部106は、依頼公開ホームページから該託送タスクWa(Cp2, i)の託送依頼情報を削除し(S215)、該託送タスクWa(Cp2, i)の終着点ejの終着点端末5に対して発送情報通知NOIa=NOIa(Ba; Wa(Cp2, i), Vs, Cp2, ck, t0, ts, tae)を送信した後(S216)、ステップS151に戻る。尚、「託送委託応答」とは、託送起点端末3に対して巡回配送者Cp2に託送タスクWaの託送業務の委託がされたことを通知する信号をいう。「託送委託不可応答」とは、託送起点端末3に対して巡回配送者Cp2に託送タスクWaの託送業務の委託がされないことを通知する信号をいう。「発送情報通知」とは、終着点端末5に対して託送起点ckから託送物Baが、該終着点端末5が設置された終着点ejへ発送されたこと及びその託送物Baの託送タスクWa(Ba)に関する情報を通知する信号をいう。発送情報通知NOIaには、託送タスクWa(Cp2, i)を特定する情報(託送タグID TG(Ba))、託送物Baを受託した訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))、託送物Baの託送受付時刻(受託日時)t0(Wa(Cp2, i))、託送物Baの発送日時ts(Wa(Cp2, i))、託送物Baの託送物名称、託送物Baの取扱種別、託送物Baが託送委託された託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、託送物Baの到達予定日時(希望着荷日時tae(Wa(Cp2, i)))、託送物Baの配送業務を受任した配送者Cpを特定する情報(配送者ID ID(Cp2))が含まれている。
【0133】
託送タスクWa(Cp2, i)の終着点ejの終着点端末5において、管理サーバ1から発送情報通知NOIa=NOIa(Ba; Wa(Cp2, i), Vs, Cp2, ck, t0, ts, tae)を受信した場合(S221)、終着点端末5の発送情報受信部54は、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブル内から、該発送情報通知NOIaに含まれる託送タスクWa(Cp2, i)を特定する情報(託送タグID TG(Ba))によって特定される託送タスクWa(Cp2, i)に対応する着荷管理レコードRCr(Wa(Cp2, i))を索出し又は新規作成し、該着荷管理レコードRCr(Wa(Cp2, i))の「託送タグID」,「訪問者タグID」,「受託日時」,「託送物名称」,「取扱種別」,「託送起点ID」,「到達予定日時」,「配送者ID」,「発送日時」を、其々、該発送情報通知NOIaに含まれる託送タグID TG(Ba),訪問者タグID IDTG(Vs) ,受託日時t0(Wa(Cp2, i)),託送物名称,取扱種別,託送起点ID ID(ck),希望着荷日時tae(Wa(Cp2, i)),配送者ID ID(Cp2),発送日時ts(Wa(Cp2, i))に更新する(S222)。
【0134】
託送起点端末3において、巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))に対して管理サーバ1から「託送委託応答」を受信した場合(S189)、巡回配送者委託部39は、上記託送受任案件リストの託送タスクWa(Cp2, i)に係る行のタグ読込完了チェックボックス(C21)を有効にするとともに、発送管理データベース3bの発送管理テーブルにおける託送タスクWa(Cp2, i)に係る発送管理レコードRCs(Wa(Cp2, i))の「配送者ID」を、巡回配送者Cp2の配送者ID ID(Cp2)とし、「発送日時」を現時刻tとする(S190)。そして、巡回配送者委託部39は、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送タスクWa(Cp2, i)に係る託送物Baが巡回配送者Cp2に託送委託されたことを報知し(S191)、ステップS194に進む。
【0135】
一方、託送起点端末3において、巡回配送者受任要求Rqm(Cp2, Wa(Cp2, i))に対して管理サーバ1から「託送委託不可応答」を受信した場合(S192)、巡回配送者委託部39は、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送タスクWa(Cp2, i)に係る託送物Baは該巡回配送者Cp2に託送委託することができないことを報知し、託送受任案件リスト(図15参照)から該託送タスクWa(Cp2, i)の欄を削除して(即ち、{Wa(Cp2, i)}←{Wa(Cp2, i)}-Wa(Cp2, i)として)(S193)、ステップS194に進む。
【0136】
ステップS194において、巡回配送者委託部39は、託送起点端末3の画面表示手段に表示されている託送受任案件リストにおいて、終了ボタンB4が選択(クリック又はタップ)されたか否かを判定し(S194)、選択されていなければステップS185に戻り、選択された場合にはステップS181に戻る。
【0137】
以上のような動作により、巡回配送者Cp2が託送起点ckに到達し、該巡回配送者Cp2が配送者タグTG(Cp2)を託送起点端末3の託送起点RFID通信装置3aにより読み取らせると、その託送起点ckにおいて該巡回配送者Cp2に託送委託する託送物Ba(託送タスクWa(Ba))を一覧表にした託送受任案件リストが、託送起点端末3の画面表示手段に表示される。そして、巡回配送者Cp2はこの託送受任案件リストを見て、自分が配送する託送物Baを選択し、託送起点RFID通信装置3aに託送タグID IDTG(Ba)を読み取らせて受任することができる。このとき、巡回配送者Cp2が誤った託送物Baを配送しようとした場合には、巡回配送者委託部39は、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送タスクWa(Cp2, i)に係る託送物Baは該巡回配送者Cp2に託送委託することができないことが報知されるため、配送時の人為的なミスを予防することができる。巡回配送者Cp2が託送物Baに係る託送タスクWa(Cp2, i)を受任すると、管理サーバ1の訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルにおける託送タスクレコードRC(Wa(Cp2, i))の「配送者変更許可フラグ」が不許可となり、それ以降は、他の自由配送者や準自由配送者が託送タスクWa(Cp2, i)を受任することは出来なくなるため、託送タスクWa(Cp2, i)に対して重複して託送委託がされることも防止される。
【0138】
(5.5)自由配送者及び準自由配送者に対する託送物発送処理
巡回配送者に対する託送物発送処理については、(5.4)において説明したので、ここでは、それ以外の自由配送者又は準自由配送者に対する託送物発送処理について説明する。図16は、自由配送者又は準自由配送者に対する託送物発送処理の動作を表すフローチャートである。自由配送者又は準自由配送者に対する託送物発送処理動作は、管理サーバ1と託送タスクの託送起点ckの託送起点端末3と託送タスクの終着点ejの終着点端末5との間で通信回線7を介して通信しながら行われる。
【0139】
まず、上記(5.3)で説明した託送依頼情報配信/配送者決定処理により託送タスクWaについて託送受託した配送者Cp(自由配送者又は準自由配送者)は、託送タスクWa(Ba)に係る託送物Baが受託された託送起点ckに到達すると、該配送者Cpは、自らが携帯している配送者タグTG(Cp)の配送者タグID IDTG(Cp)を、該託送起点ckに設置された託送起点端末3の託送起点RFID通信装置3aにより読み取らせる。託送起点端末3の発送処理部37は、託送起点RFID通信装置3aにおいて、配送者Cpの配送者タグTG(Cp)の配送者タグID IDTG(Cp)が読み取られると(S231)、発送管理データベース3bの配送者情報テーブルを検索して、該配送者Cpに関する配送者レコードRC(Cp)を索出し(S232)、該配送者レコードRC(Cp)の「配送者種別コード」が「自由配送者」又は「準自由配送者」であるか否かを判定する(S233)。ここで、「配送者種別コード」が「自由配送者」又は「準自由配送者」の場合は配送者Cpが「適合」、それ以外は配送者Cpが「不適合」と判定される。
【0140】
ステップS233において、配送者Cpが「不適合」と判定された場合、発送処理部37は、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、配送者Cpに託送委託することができないことを報知し(S234)、託送物発送処理を終了する。
【0141】
ステップS233において、配送者Cpが「適合」(自由配送者又は準自由配送者である)と判定された場合、発送処理部37は、発送管理データベース3bの発送管理テーブルを検索し、配送者Cpに託送委託されている(即ち、「配送者ID」が配送者Cpの配送者ID ID(Cp)である)託送タスクWa(Cp, i)の発送管理レコードRCs(Wa(Cp, i))をすべて索出する(S235)。ここで、索出された発送管理レコードRCs(Wa(Cp, i))に対応する託送タスクWa(Cp, i)の集合を{Wa(Cp, i)}とする。発送処理部37は、図15に示したような、託送タスクの集合{Wa(Cp, i)}に属する各託送タスクWa(Cp, i)の情報のリスト(託送受任案件リスト)を、該託送起点端末3が具備するタッチパネルディスプレイ等の画面表示手段に表示する(S236)。これにより、配送者Cpは、託送起点ckにおいて自分が受託すべき託送タスクに係る託送物Baがどれであるかを認知することが出来る。尚、託送タスクの集合{Wa(Cp, i)}が空集合の場合には、上記託送受任案件リストは空リストとなる。このように、託送受任案件リストを配送者Cpに対して表示することで、配送者Cpは託送起点ckで積荷する託送物Baを漏れなく確認することが出来、確実な託送物Baの配送が担保される。
【0142】
次に、配送者Cpは、託送起点端末3の画面表示手段に表示された託送受任案件リスト内の各託送タスクWa(Cp, i)に係る託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID TG(Ba)を、託送起点端末3に附属する託送起点RFID通信装置3aに読み取らせる。発送処理部37は、託送起点RFID通信装置3aにより託送タグIDが読み取られると(S237)、読み取られた託送タグIDが、上記託送受任案件リスト内の託送タスク集合{Wa(Cp, i)}に属する託送タスクの託送タグIDであるか否かを検査する(S238)。ここで、読み取られた託送タグIDが託送受任案件リストに含まれないと判定された場合には、発送処理部37は、誤った託送物Baが選択されたと判断して、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送受任案件リスト外の託送物であることを報知し(S239)、ステップS242に進む。一方、ステップS238で、読み取られた託送タグIDが託送受任案件リストに含まれると判定された場合には、発送処理部37は、管理サーバ1に対して、読み取られた託送タグIDに係る託送タスクWa(Cp, i)に対する発送通知NOa=NOa(Ba; Cp, Wa(Cp, i), ck, ts)を送信し(S240)、上記託送受任案件リストの託送タスクWa(Cp, i)の行のタグ読込完了チェックボックス(C21)を有効にするとともに、発送管理データベース3bの発送管理テーブルにおける託送タスクWa(Cp, i)に係る発送管理レコードRCs(Wa(Cp, i))の「配送者ID」を、配送者Cpの配送者ID ID(Cp)とし、「発送日時」tsを現時刻tとし(S241)、ステップS242に進む。ここで、「発送受付通知」とは、管理サーバ1に対して託送タスクWaに係る託送物Baが託送起点から発送されたことを通知する信号をいう。発送通知NOaには、託送タスクWa(Cp, i)を特定する情報(託送タグID IDTG(Ba)又は託送タスクID ID(Wa(Cp, i)))、託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、発送日時tsの情報、及び配送者Cpを特定する情報(配送者ID ID(Cp)又は配送者タグID IDTG(Cp))が含まれている。
【0143】
管理サーバ1において、託送起点端末3より発送通知NOa(Ba; Cp, Wa(Cp, i), ck, ts)を受信すると(S251)、管理サーバ1の発送登録部110は、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルから、該発送通知NOaにより指定される託送タスクWa(Cp, i)の託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))を索出し、該託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))の「発送日時」を、発送通知NOaに含まれる発送日時tsの情報に更新する(S252)。そして、該託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))の「終着点ID」により特定される終着点ejの終着点端末5に対して、発送情報通知NOIa=NOIa(Ba; Wa(Cp, i), Vs, Cp, ck, t0, ts, tae)を送信した後(S253)、ステップS251に戻る。ここで、「発送情報通知」とは、終着点端末5に対して託送タスクWaに係る託送物Baが発送されたことを通知する信号をいう。発送情報通知NOIaには、託送タスクWa(Cp, i)を特定する情報(託送タグID TG(Ba))、託送物Baを受託した訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))、託送物Baの託送受付時刻(受託日時)t0(Wa(Cp, i))、託送物Baの発送日時ts(Wa(Cp, i))、託送物Baの託送物名称、託送物Baの取扱種別、託送物Baが託送委託された託送起点ckを特定する情報(託送起点ID ID(ck))、託送物Baの到達予定日時(希望着荷日時tae(Wa(Cp, i)))、託送物Baの配送業務を受任した配送者Cpを特定する情報(配送者ID ID(Cp))が含まれている。
【0144】
託送タスクWa(Cp, i)の終着点ejの終着点端末5において、管理サーバ1から発送情報通知NOIa(Ba; Wa(Cp, i), Vs, Cp, ck, t0, ts, tae)を受信した場合(S261)、終着点端末5の発送情報受信部54は、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブル内から、該発送情報通知NOIaに含まれる託送タスクWa(Cp, i)を特定する情報(託送タグID TG(Ba))によって特定される託送タスクWa(Cp, i)に対応する着荷管理レコードRCr(Wa(Cp, i))を索出し又は新規作成し、該着荷管理レコードRCr(Wa(Cp, i))の「託送タグID」,「訪問者タグID」,「受託日時」,「託送物名称」,「取扱種別」,「託送起点ID」,「到達予定日時」,「配送者ID」,「発送日時」を、其々、該発送情報通知NOIaに含まれる託送タグID TG(Ba),訪問者タグID IDTG(Vs) ,受託日時t0(Wa(Cp, i)),託送物名称,取扱種別,託送起点ID ID(ck),希望着荷日時tae(Wa(Cp, i)),配送者ID ID(Cp),発送日時ts(Wa(Cp, i))に更新する(S262)。
【0145】
最後に、ステップS242において、託送起点端末3の発送処理部37は、託送起点端末3の画面表示手段に表示される託送受任案件リストにおいて、終了ボタンB4が選択(クリック又はタップ)されたか否かを判定し(S242)、選択されていなければステップS237に戻り、選択された場合には一連の託送物発送処理を終了する。
【0146】
以上のような動作により、配送者Cp(自由配送者又は準自由配送者)が託送起点ckに到着し、該配送者Cpが配送者タグTG(Cp)を託送起点端末3の託送起点RFID通信装置3aにより読み取らせると、該配送者Cpが受任したその託送起点ckにある託送物Ba(託送タスクWa(Ba))を一覧表にした託送受任案件リストが、託送起点端末3の画面表示手段に表示される。そして、該配送者Cpはこの託送受任案件リストを見て、自分が配送する託送物Baを選択し、託送起点RFID通信装置3aに託送タグID IDTG(Ba)を読み取らせて発送手続をすることができる。このとき、配送者Cpが誤った託送物Baを配送しようとした場合には、発送処理部37は、託送起点端末3が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送タスクWa(Cp, i)に係る託送物Baは該配送者Cpが配送を受任したものではないことが報知されるため、配送者Cpが託送物Baを引き取る際の人為的なミスを予防することができる。
【0147】
(5.6)託送物着荷処理
託送タスクWa(Ba)を受託した配送者Cpは、該託送タスクWa(Ba)に係る託送物Baを、該託送タスクWa(Ba)の終着点ejまで配送し、終着点ejに託送物Baが着荷する。このとき、終着点ejにおいて、託送物Baが着荷したことを登録するための託送物着荷処理が行われる。図17は、終着点ejにおける託送物着荷処理の動作を表すフローチャートである。この託送物着荷処理動作は、管理サーバ1と託送タスクの終着点ejの終着点端末5との間で通信回線7を介して通信しながら行われる。
【0148】
まず、託送タスクWa(Ba)に係る託送物Baを受託した配送者Cpは、該託送タスクWa(Ba)の終着点ejに到着すると、自らが携帯している配送者タグTG(Cp)の配送者タグID IDTG(Cp)を、終着点ejに設置された終着点端末5の終着点RFID通信装置5aにより読み取らせる。終着点端末5の着荷処理部53は、終着点RFID通信装置5aにおいて配送者Cpの配送者タグID IDTG(Cp)が読み取られると(S271)、着荷管理データベース5bの配送者情報テーブルを検索して、該配送者Cpに関する配送者レコードRC(Cp)を検索し(S272)、該配送者Cpが事前登録された配送者(自由配送者、準自由配送者、又は巡回配送者)であるか否か(即ち、配送者レコードRC(Cp)が存在するか否か)を判定する(S273)。ここで、配送者レコードRC(Cp)が存在する場合は配送者Cpが「適格」、存在しない場合は配送者Cpが「不適格」と判定される。
【0149】
ステップS273において、配送者Cpが「不適格」と判定された場合、着荷処理部53は、終着点端末5が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、配送者Cpが不適格であることを報知し(S274)、託送物着荷処理を終了する。
【0150】
ステップS273において、配送者Cpが「適格」と判定された場合、着荷処理部53は、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブルを検索し、配送者Cpの配送者タグID ID(Cp)に対応する着荷管理レコードRCr(Wa)を索出する(S275)。ここで、索出された着荷管理レコードRCr(Wa)に対応する託送タスクの集合を{Wa(Cp, i)}とする。着荷処理部53は、図15に示したような、託送タスク集合{Wa(Cp, i)}に属する各託送タスクWa(Cp, i)の情報のリストである託送受任案件リストを、該終着点端末5が具備するタッチパネルディスプレイ等の画面表示手段に表示する(S276)。尚、託送タスクの集合{Wa(Cp, i)}が空集合の場合には、上記託送受任案件リストは空リストとなる。この託送受任案件リストを配送者Cpに対して表示することで、配送者Cpは、自分が受託し配送した託送タスクに係る託送物のうち、該終着点ejに荷下ろしする託送物{Ba}の一覧を確認することが出来、作業効率が向上すると共に、託送物Baの配送の確実性が担保される。
【0151】
次に、配送者Cpは、終着点端末5の画面表示手段に表示された託送受任案件リスト内の各託送タスクWa(Cp, i)に係る託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)を、終着点端末5に附属する終着点RFID通信装置5aに読み取らせる。着荷処理部53は、終着点RFID通信装置5aにより託送タグID IDTG(Ba)の読み取りが行われると(S277)、着荷処理部53は、読み取られた託送タグID IDTG(Ba)に係る託送タスクWa(Ba)が、上記託送受任案件リスト内の託送タスク集合{Wa(Cp, i)}に属するか否かを検査する(S278)。ここで、Wa(Ba)∈{Wa(Cp, i)}でないと判定された場合には、着荷処理部53は、誤った託送物Baが選択されたと判断して、終着点端末5が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、託送受任案件リスト外の託送物であることを報知し(S279)、ステップS282に進む。一方、ステップS278で、Wa(Ba)∈{Wa(Cp, i)}であると判定された場合には、着荷処理部53は、管理サーバ1に対して、読み取られた託送タグIDに係る託送タスクWa(Cp, i)に対する着荷通知NOr(Ba; Wa(Cp, i), Cp, tr)を送信し(S280)、上記託送受任案件リストの託送タスクWa(Cp, i)の行のタグ読込完了チェックボックス(C21)を有効にするとともに、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブルにおける託送タスクWa(Cp, i)に係る着荷管理レコードの「着荷日時」trを現時刻tとし(S281)、ステップS282に進む。ここで、「着荷通知」とは、管理サーバ1に対して託送タスクWaに係る託送物Baが終着点に着荷したことを通知する信号をいう。着荷通知NOr(Ba; Wa, Cp, tr)には、終着点ejを特定する情報(終着点ID ID(ej))、終着点ejに着荷した託送物Baに係る託送タスクWa(Ba)を特定する情報(託送タグID IDTG(Ba))、託送物Baを終着点ejまで配送した配送者Cpを特定する情報(配送者タグID IDTG(Cp)又は配送者ID ID(Cp))、及び託送物Baの着荷日時tr(Wa(Ba))の情報が含まれている。
【0152】
管理サーバ1において、終着点端末5より着荷通知NOr(Ba; Wa(Cp, i), Cp, tr)を受信すると(S291)、管理サーバ1の着荷登録部111は、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルから、該着荷通知NOr(Ba; Wa(Cp, i), Cp, tr)により指定される託送タスクWa(Cp, i)の託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))を索出し、該託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))の「着荷日時」を、着荷通知NOr(Ba; Wa(Cp, i), Cp, tr)に含まれる着荷日時tr(Wa(Cp, i))に更新する(S292)。そして、着荷通知配信部112は、該託送タスクレコードRC(Wa(Cp, i))の「訪問者ID」により特定される訪問者Vsのメールアドレスを、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルから取得し、取得されたメールアドレスに対して、託送物Baの着荷通知メールを送信した後(S293)、ステップS291に戻る。ここで、「着荷通知メール」とは、訪問者Vsが携帯する訪問者携帯端末MT(Vs)に対して託送タスクWa(Cp, i)に係る託送物Baが終着点に着荷したことを通知するメールをいう。着荷通知メールの文面は、予め決められたフォーマットに従って着荷通知配信部112が自動生成する。この着荷通知メールにより、訪問者Vsは託送委託した託送物Baが終着点に到着したことを認知することが出来る。
【0153】
最後に、ステップS282において、終着点端末5の着荷処理部53は、終着点端末5の画面表示手段に表示される託送受任案件リストにおいて、終了ボタンB4が選択(クリック又はタップ)されたか否かを判定し(S282)、選択されていなければステップS277に戻り、選択された場合には一連の託送物着荷処理を終了する。
【0154】
(5.7)託送物引渡処理
託送物Baが終着点ejに着荷した後、該託送物Baを託送委託した訪問者Vsが該終着点ejに到着すると、該託送物Baは該訪問者Vsに引き渡される。このとき、終着点ejにおいて、託送物Baが訪問者Vsに引き渡されたことを登録するための託送物引渡処理が行われる。図18は、終着点ejにおける託送物引渡処理の動作を表すフローチャートである。この託送物引渡処理動作は、管理サーバ1と託送タスクの終着点ejの終着点端末5との間で通信回線7を介して通信しながら行われる。
【0155】
まず、託送物Baを託送委託した訪問者Vsは、該訪問者Vsの終着点ejに到着すると、自らが携帯している訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を、終着点ejに設置された終着点端末5の終着点RFID通信装置5aにより読み取らせる。終着点端末5の引渡処理部56は、終着点RFID通信装置5aにおいて該訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)が読み取られると(S301)、管理サーバ1に対して訪問者タグID IDTG(Vs)の照会要求(以下「訪問者照会要求」という。)Rqr(Vs)を行う(S302)。管理サーバ1の引渡登録部113は、終着点端末5から訪問者照会要求Rqr(Vs)を受信すると、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルを検索して該訪問者タグID IDTG(Vs)に対応する訪問者情報レコードRC(Vs)が存在するか否かを検査し、存在する場合には「適格」、存在しない場合には「不適格」とする訪問者照会応答Rsr(Vs)を、該訪問者照会要求Rqr(Vs)を送信した終着点端末5に対して返信し(S321)、終着点端末5はこれを受信する(S302)。そして、終着点端末5の引渡処理部56は、受信した該訪問者照会応答Rsr(Vs)の「不適格」/「適格」を判定する(S303)。
【0156】
ステップS303において、管理サーバ1から受信した訪問者照会応答Rsr(Vs)が「不適格」の場合、引渡処理部56は、終着点端末5が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、訪問者Vsが不適格であることを報知し(S304)、託送物引渡処理を終了する。
【0157】
ステップS303において、配送者Cpが「適格」と判定された場合、引渡処理部56は、終着点端末5が具備する画面表示手段により、訪問者Vsに訪問者認証パスワードを入力することを促すパスワード入力画面を表示する(S305)。これに対し、訪問者Vsが終着点端末5に自分の訪問者認証パスワードを入力すると、引渡処理部56は、管理サーバ1に対して、訪問者タグID及び入力されたパスワードの情報を含む訪問者認証パスワードの照会要求(以下「訪問者PW照会要求」という。)Rqpw(Vs)を送信する(S306)。管理サーバ1の引渡登録部113は、終着点端末5から訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)を受信すると、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルを検索して該訪問者タグIDに対応する訪問者情報レコードRC(Vs)の「パスワード情報」と訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)に含まれる訪問者認証パスワードの情報とを照合し、合致する場合には「適合」、合致しない場合には「不適合」とする訪問者PW照会応答Rspw(Vs)を、該訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)を送信した終着点端末5に対して返信し(S322)、終着点端末5はこれを受信する(S306)。そして、終着点端末5の引渡処理部56は、受信した該訪問者PW照会応答Rspw(Vs)の「不適合」/「適合」を判定する(S307)。
【0158】
ステップS307において、管理サーバ1から受信した訪問者PW照会応答Rspw(Vs)が「不適合」の場合、引渡処理部56は、終着点端末5が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、訪問者認証パスワードが不適合であることを報知し(S308)、託送物引渡処理を終了する。
【0159】
ステップS307において、訪問者認証パスワードRspw(Vs)が「適合」と判定された場合、引渡処理部56は、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブルを検索し、訪問者Vsの訪問者タグID IDTG(Vs)に対応する着荷管理レコードRCr(Wa(Vs, i))を索出する(S309)。ここで、索出された着荷管理レコードに対応する託送タスクの集合を{Wa(Vs, i)}とする。引渡処理部56は、図15と同様の、託送タスクの集合{Wa(Vs, i)}に属する各託送タスクWa(Vs, i)の情報のリストである引渡案件リストを、該終着点端末5が具備するタッチパネルディスプレイ等の画面表示手段に表示する(S310)。これにより、終着点ejに常駐する職員又は訪問者Vsは、自分が託送委託して終着点ejに着荷した託送物Baの一覧を確認することが出来る。尚、託送タスク集合{Wa(Vs, i)}が空集合の場合には、上記引渡案件リストは空リストとなる。この引渡案件リストを訪問者Vsに対して表示することで、終着点ejに常駐する職員又は訪問者Vsは終着点ejに着荷した訪問者Vsの託送物Baを漏れなく確認することが出来、託送物Baの引き渡しの確実性が担保される。
【0160】
ここで、終着点ejに常駐する職員又は訪問者Vsは、終着点端末5の画面表示手段に表示された引渡案件リスト内の各託送タスクWa(Vs, i)に係る託送物Baに附された託送タグTG(Ba)の託送タグID IDTG(Ba)を、終着点端末5に附属する終着点RFID通信装置5aに読み取らせる。引渡処理部56は、終着点RFID通信装置5aにより託送タグID IDTG(Ba)が読み取られると(S311)、読み取られた託送タグID IDTG(Ba)に係る託送タスクWa(Ba)が、上記引渡案件リスト内の託送タスク集合{Wa(Vs, i)}に属するか否かを検査する(S312)。ここで、Wa(Ba)∈{Wa(Vs, i)}ではないと判定された場合には、引渡処理部56は、誤った託送物Baが選択されたと判断して、終着点端末5が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、引渡案件リスト外の託送物であることを報知し(S313)、ステップS316に進む。一方、ステップS312で、Wa(Ba)∈{Wa(Vs, i)}と判定された場合には、引渡処理部56は、管理サーバ1に対して、読み取られた託送タグID IDTG(Ba)に係る託送タスクWa(Vs, i)に対する引渡通知NOh(Ba; Wa(Vs, i), Vs, th)を送信し(S280)、上記引渡案件リストの託送タスクWa(Vs, i)の行のタグ読込完了チェックボックス(C21)を有効にするとともに、着荷管理データベース5bの着荷管理テーブルにおける託送タスクWa(Vs, i)に係る着荷管理レコードの「引渡日時」thを現時刻tとし(S315)、ステップS316に進む。ここで、「引渡通知」とは、管理サーバ1に対して託送タスクWaに係る託送物Baが終着点で訪問者Vsに引き渡されたことを通知する信号をいう。引渡通知NOh(Ba; Wa(Vs, i), Vs, th)には、終着点ejを特定する情報(終着点ID ID(ej))、託送タスクWa(Vs, i)を特定する情報(託送タグID IDTG(Ba))、引渡日時th(Wa(Vs, i))の情報、及び託送物Ba引き取った訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))が含まれている。
【0161】
管理サーバ1において、終着点端末5より引渡通知NOh(Ba; Wa(Vs, i), Vs, th)を受信すると(S323)、管理サーバ1の引渡登録部113は、訪問者管理データベース1aの託送タスク管理テーブルから、該引渡通知NOh(Ba; Wa(Vs, i), Vs, th)により指定される託送タスクWa(Vs, i)の託送タスクレコードRC(Wa(Vs, i))を索出し、該託送タスクレコードRC(Wa(Vs, i))の「引渡日時」及び「廃止日時」を、引渡通知NOh(Ba; Wa(Vs, i), Vs, th)に含まれる引渡日時th(Wa(Vs, i))に更新する(S324)。
【0162】
最後に、ステップS316において、終着点端末5の引渡処理部56は、終着点端末5の画面表示手段に表示される引渡案件リストにおいて、終了ボタンB4が選択(クリック又はタップ)されたか否かを判定し(S316)、選択されていなければステップS311に戻り、選択された場合には一連の託送物引渡処理を終了する。
【0163】
(5.8)訪問点通過情報収集処理
訪問者Vsは、入域起点siから対象エリアSAに入域し、各託送起点ck及び訪問点vlを自由に巡回した後に、終着点ejに到達する。この際、各訪問者Vsが、そのような巡路を採って巡回したかについての統計的な動線情報は、対象エリアSA内の交通環境の整備、店舗,案内所等の配置などの設計・修正を行うに当たり有用である。また、一定の条件を満たした訪問者に対しては何らかの特典を与えることで、対象エリアSAへの訪問者の増加を促進する効果が期待できる。そこで、訪問者支援システムでは、各訪問点vlにおいて、訪問者Vsの通過情報の収集及び訪問者Vsへの特典の付与を行う訪問点通過情報収集処理が実行される。
【0164】
図19は、訪問点通過情報収集処理の動作を表すフローチャートである。訪問点vlに設置された訪問者通過検出用の訪問点RFID通信装置4aの近傍を訪問者Vsが通過すると、該訪問点RFID通信装置4aは、訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を読み取る(S331)。訪問点vlの訪問点端末4の訪問者通過検出部41は、該訪問点RFID通信装置4aにより訪問者タグID IDTG(Vs)が読み取られた場合(S332)、該訪問者タグID IDTG(Vs)、該訪問点RFID通信装置4aの訪問点センサID ID(vl, m)、及び現在の時刻tである通過日時tp(Vs)を含む訪問者検出通知NOv= NOv(vl, m; Vs, tp)を生成し、管理サーバ1へ送信する(S333)。
【0165】
管理サーバ1においては、訪問点vlの訪問点端末4から訪問者検出通知NOv(vl, m; Vs, tp)を受信した場合(S341)、動線情報更新部114は、受信した訪問者検出通知NOvに含まれる(訪問者タグID IDTG(Vs),訪問点センサID ID(vl, m),通過日時tp(Vs))を、訪問者管理データベース1aの動線情報テーブルに登録する(S342)。これにより、各訪問者Vsの動線(対象エリアSA内の移動経路)の情報は、訪問者管理データベース1aの動線情報テーブルに蓄積される。
【0166】
次いで、特典生成部115は、受信した訪問者検出通知NOvに含まれる訪問者タグID IDTG(Vs)に対応する動線情報レコードを動線情報テーブルから抽出し、該訪問者IDに対応する訪問者Vsが特典付与条件に合致するか否かを判定する(S343)。ステップS343において、特典付与条件に合致しないと判定された場合は、ステップS341に戻る。一方、ステップS343において、特典付与条件に合致すると判定された場合、特典生成部115は、該訪問者IDに対応する訪問者Vsが携帯する訪問者携帯端末MT(Vs)に対して特典情報を送信し(S345)、ステップS341に戻る。ここで、「特典付与条件」とは、訪問者Vsに特典が付与される条件をいう。「特典情報」とは、特典に係る情報をいう。例えば、特典として、対象エリアSA内で利用できるポイントやチケットを進呈する場合、特典情報は、当該ポイントやチケットの電子情報となる。
【0167】
(5.9)訪問点商品等売買処理
本実施例の訪問者支援システムでは、訪問者Vsが各訪問点vlにおいて、商品の買い物をする場合や飲食物の提供などのサービスの提供を受ける場合など、商品や役務の売買取引を行う場合、取引代金の支払いを、訪問者Vsが携帯する訪問者タグTG(Vs)を用いて行うことが出来る。以下では、その際に訪問者支援システムによって行われる訪問点商品等売買処理について説明する。
【0168】
図20は、訪問点商品等売買処理の動作を表すフローチャートである。訪問者Vsが訪問点vlにおいて商品等の売買取引を行う場合、該訪問者Vsは、まず自らが携帯している訪問者タグTG(Vs)の訪問者タグID IDTG(Vs)を、該訪問点vlに設置された売買取引用の訪問点端末4の訪問点RFID通信装置4aにより読み取らせる。訪問点端末4の売買処理部42は、訪問点RFID通信装置4aにより訪問者タグID IDTG(Vs)が読み取られると(S351)、管理サーバ1に対して訪問者タグID IDTG(Vs)の照会要求(訪問者照会要求)Rqr(Vs)を行う(S352)。管理サーバ1の売買決済部116は、訪問点端末4から訪問者照会要求Rqr(Vs)を受信すると、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルを検索して該訪問者タグID IDTG(Vs)に対応する訪問者情報レコードRC(Vs)が存在するか否かを検査し、存在する場合には「適格」、存在しない場合には「不適格」とする訪問者照会応答Rsr(Vs)を、該訪問者照会要求Rqr(Vs)を送信した訪問点端末4に対して返信し(S381)、訪問点端末4はこれを受信する(S352)。そして、訪問点端末4の売買処理部42は、受信した該訪問者照会応答Rsr(Vs)の「不適格」/「適格」を判定する(S353)。
【0169】
ステップS353において、管理サーバ1から受信した訪問者照会応答Rsr(Vs)が「不適格」の場合、売買処理部42は、訪問点端末4が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、訪問者Vsが不適格であることを報知し(S354)、訪問点商品等売買処理を終了する。
【0170】
ステップS353において、配送者Cpが「適格」と判定された場合、売買処理部42は、訪問点端末4が具備する画面表示手段により、訪問者Vsに訪問者認証パスワードを入力することを促すパスワード入力画面を表示する(S355)。これに対し、訪問者Vsが訪問点端末4に自分の訪問者認証パスワードを入力すると、売買処理部42は、管理サーバ1に対して、訪問者タグID及び入力されたパスワードの情報を含む訪問者認証パスワードの照会要求(訪問者PW照会要求)Rqpw(Vs)を送信する(S356)。管理サーバ1の売買決済部116は、終着点端末5から訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)を受信すると、訪問者管理データベース1aの訪問者情報テーブルを検索して該訪問者タグIDに対応する訪問者情報レコードRC(Vs)の「パスワード情報」と訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)に含まれる訪問者認証パスワードの情報とを照合し、合致する場合には「適合」、合致しない場合には「不適合」とする訪問者PW照会応答Rspw(Vs)を、該訪問者PW照会要求Rqpw(Vs)を送信した訪問点端末4に対して返信し(S382)、訪問点端末4はこれを受信する(S356)。そして、訪問点端末4の売買処理部42は、受信した該訪問者PW照会応答Rspw(Vs)の「不適合」/「適合」を判定する(S357)。
【0171】
ステップS357において、管理サーバ1から受信した訪問者PW照会応答Rspw(Vs)が「不適合」の場合、売買処理部42は、訪問点端末4が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、訪問者認証パスワードが不適合であることを報知し(S358)、訪問点商品等売買処理を終了する。
【0172】
ステップS357において、訪問者認証パスワードが「適合」と判定された場合、売買処理部42は、訪問点端末4が具備する画面表示手段に、訪問者Vsに対して売買取引の対象である商品等のRFタグ(以下「商品等タグ」という。)TG(G)の読み取りを行うことを促す商品等タグ入力慫慂画面を表示する(S359)。図21に、商品等タグ入力慫慂画面の一例を示す。画面の中央には、商品等タグTG(G)の読み取りが終わった商品等の名称及び価格の一覧表が表示され、画面の下部には、精算ボタン(B5)とキャンセルボタン(B2)が表示される。訪問者Vsは、この商品等タグ入力慫慂画面を視て、どの商品等について商品等タグTG(G)の読み取りが完了したかを確認することができる。
【0173】
訪問者Vsは、購入する全ての商品等について、商品等の商品等タグTG(G)を訪問点RFID通信装置4aに翳すことで、該商品等タグTG(G)の商品等タグIDの読み取りを行う。訪問点RFID通信装置4aより商品等タグID IDTG(G)が読み取られると、売買処理部42は、読み取られた商品等タグID IDTG(G)に対応する商品名及び価格を、管理サーバ1に照会することにより取得し、商品等タグ入力慫慂画面の一覧表に表示するとともに、購入商品リストに追加する(S359)。ここで、「購入商品リスト」とは、訪問者Vsが購入する商品等のリストを表す{(商品等ID,単価情報)}のリスト型の内部変数である。「商品等ID」,「単価情報」は、図3の訪問者管理データベース1aの商品等情報テーブルにおける「商品等ID」,「単価情報」に対応している。このとき、管理サーバ1の売買決済部116は、訪問点端末4から商品等タグID IDTG(G)に対する商品等の照会要求を受信すると、訪問者管理データベース1aの商品等情報テーブルを照会し、該商品等タグID IDTG(G)に対する商品等名称、単価情報を含む商品等の照会応答を、該訪問点端末4へ返信する。訪問点端末4の売買処理部42は、この商品等の照会応答により、商品等タグID IDTG(G)に対応する商品名及び価格を取得することが出来る。
【0174】
購入する全ての商品等についての商品等タグTG(G)の読み取りが完了した時点で、訪問者Vsは精算ボタン(B5)を選択(クリック又はタップ)する(S360)。精算ボタン(B5)が選択されると、売買処理部42は、売買決済要求を、管理サーバ1に対して送信する(S361)。ここで、「売買決済要求」とは、管理サーバ1に対して購入商品リストに係る商品等の売買の決済を行うことを請求する信号をいう。売買決済要求には、上記購入商品リスト、商品等を購入した訪問者Vsを特定する情報(訪問者タグID IDTG(Vs))等が含まれる。
【0175】
管理サーバ1において、訪問点端末4から売買決済要求を受信すると(S384)、売買決済部116は、該売買決済要求に含まれる購入商品リストに係る商品等の価格の合計を算出し、カード決済処理を行い(S385)、カード決済処理が完了すると、該訪問点端末4に対して決済完了通知を送信し(S386)、訪問者管理データベース1aの商品等情報テーブルの売買情報の更新を行う(S387)。ここで、「決済完了通知」とは、訪問点端末4に対し売買決済要求に係るカード決済が完了したことを通知する信号をいう。尚、ステップS387における売買情報の更新では、具体的には、訪問者管理データベース1aの商品等情報テーブルに対して、購入商品リストに含まれる各商品等について、その「売上数情報」及び「売上額情報」の加算更新が行われる。
【0176】
訪問点端末4において、管理サーバ1から決済完了通知を受信すると(S362)、売買処理部42は、訪問点端末4が具備する画面表示手段や音声出力手段等により、決済が完了したことを報知し(S363)、訪問点商品等売買処理を終了する。
【符号の説明】
【0177】
管理サーバ1
訪問者管理データベース1a
訪問者登録部100
訪問者登録通知部101
託送タスク生成部102
託送受付応答部103
輸送時間決定部104
託送料金決定部105
託送依頼公開部106
自由受任受付部107
指定託送要請部108
巡回託送要請部109
発送登録部110
着荷登録部111
着荷通知配信部112
引渡登録部113
動線情報更新部114
特典生成部115
売買決済部116
入域起点端末2
入域起点RFID通信装置2a
訪問者情報入力部20
訪問者登録要求部21
訪問者タグ発行部22
託送起点端末3
託送起点RFID通信装置3a
発送管理データベース3b
訪問者タグID読取部31
託送依頼入力部32
託送受付要求部33
託送タグ発行部34
配送者タグID読取部35
託送タグID読取部36
発送処理部37
配送者登録部38
巡回配送者委託部39
訪問点端末4
訪問点RFID通信装置4a
訪問者通過検出部41
売買処理部42
終着点端末5
終着点RFID通信装置5a
着荷管理データベース5b
託送タグID読取部51
配送者タグID読取部52
着荷処理部53
発送情報受信部54
訪問者タグID読取部55
引渡処理部56
地図情報提供サーバ6
地図情報管理データベース6a
地図情報配信部6b
通信回線7
図1
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図21