(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】猟具兼漁具
(51)【国際特許分類】
A01K 80/00 20060101AFI20220602BHJP
A01M 31/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A01K80/00
A01M31/00
(21)【出願番号】P 2018248856
(22)【出願日】2018-12-31
【審査請求日】2021-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501346940
【氏名又は名称】株式会社GLOBE
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(74)【代理人】
【識別番号】100154195
【氏名又は名称】丸林 敬子
(74)【代理人】
【識別番号】100171826
【氏名又は名称】丸林 啓介
(72)【発明者】
【氏名】堀内 健吾
(72)【発明者】
【氏名】堀内 幸之助
(72)【発明者】
【氏名】和野 遼平
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-134962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 80/00
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄とこの柄の一端部から当該柄の長手方向に延びる銛身とこの銛身の一側部から横方向に突出する複数の銛先とを備え
、前記複数の銛先による間隔部分には返し又は抜け防止部が当該間隔部分における銛先のうちの少なくとも1つから前記間隔部分の側に突出した形状に設けられたことを特徴とする猟具兼漁具。
【請求項2】
前記複数の銛先が第1間隔部分と当該第1間隔部分に隣接した第2間隔部分とを形成し、前記第1間隔部分には返しが前記第1間隔部分における銛先のうちの少なくとも1つから前記第1間隔部分の側に突出した形状に設けられ、前記第2間隔部分には抜け防止部が前記第2間隔部分における銛先のうちの少なくとも1つから前記第2間隔部分の側に突出した形状に設けられたことを特徴とする請求項
1記載の猟具兼漁具。
【請求項3】
前記複数の銛先が第1間隔部分と当該第1間隔部分に隣接した第2間隔部分とを形成し、前記第1間隔部分には返しが一対の銛先から第1間隔部分の側に突出した形状に設けられ、前記第2間隔部分には返し及び抜け防止部が設けられていないことを特徴とする請求項
1記載の猟具兼漁具。
【請求項4】
前記銛先及び返し又は抜け防止部が刃になったことを特徴とする請求項
1乃至
3記載の特徴とする猟具兼漁具。
【請求項5】
前記第1間隔部分における銛身が刃になっていないことを特徴とする請求項
1乃至
3記載の猟具兼漁具。
【請求項6】
前記銛身の先端部には保護部が前記複数の銛先よりも横方向に突出して設けられたことを特徴とする請求項
1乃至
3記載の猟具兼漁具。
【請求項7】
前記銛身の背側には刃が設けられたことを特徴とする請求項
1乃至
3記載の猟具兼漁具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄と柄の一端部から柄の長手方向に延びる銛身と銛身の一側部から横方向に突出する複数の銛先とを備え、水辺から水辺の植物の周囲の水中に振りかざして水棲生物を獲たり、陸上の動物に対して振り下ろして捕獲したりする山刀形状をした道具としての猟具兼漁具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示された柄の軸心方向に突き出して水棲生物を獲る道具は、柄の一端部に3本以上の銛先を備えており、振りかざして使用するに不適切な構造である。又、柄の長手方向に突く形で使用すると、獲物を外した場合、銛先が川底に当たり銛先の鋭さが失われて一度で使用できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国実用新案CN201541605U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、振りかざして使用される猟具兼漁具であって、銛身の一側部から横方向に突出する複数の銛部が獲物に突き刺さりやすい猟具兼漁具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、柄とこの柄の一端部から当該柄の長手方向に延びる銛身とこの銛身の一側部から横方向に突出する複数の銛先とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、柄とこの柄の一端部から当該柄の長手方向に延びる銛身とこの銛身の一側部から横方向に突出する複数の銛先とこの複数の銛先を備えたことにより、猟具兼漁具を振りかざした際に、複数の銛先が獲物に突き刺さりやすい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】発明を実施するための形態1に係る猟具兼漁具を示す正面図。
【
図3】発明を実施するための形態2に係る猟具兼漁具を示す正面図。
【
図4】発明を実施するための形態2に係る猟具兼漁具を示す正面図。
【
図5】発明を実施するための形態3に係る猟具兼漁具を示す正面図。
【
図6】発明を実施するための形態4に係る猟具兼漁具の要部を示す正面図。
【
図7】発明を実施するための形態5に係る猟具兼漁具の要部を示す正面図。
【
図8】図(A)は、発明を実施するための形態6に係る猟具兼漁具を示す平面図。図(B)は、発明を実施するための形態6に係る猟具兼漁具を示す左側面図。図(C)は、発明を実施するための形態6に係る猟具兼漁具を示す正面図。図(D)は、発明を実施するための形態6に係る猟具兼漁具を示す右側面図。図(E)は、発明を実施するための形態6に係る猟具兼漁具を示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示した猟具兼漁具は、柄1と銛身2と複数の銛先3とを備える。柄1は、一端部から他端部の方向に長手方向Xが存在する板状になっている。銛身2は、柄1の一端部から柄1の長手方向Xに延びる板状であって、一端部から他端部の方向に長手方向Xが存在する板状になっている。複数の銛先3は、銛身2の長手方向Xと交差する方向の一側部から横方向Yに突出する板状になっている。各銛先3は、銛身2の長手方向Xと平行する一本の仮想線8上に位置している。猟具兼漁具は、人が手17で取手7を握って矢印Zの方向に振り下ろして使用するものであり、従来の柄の長手方向に突く銛よりも扱いが簡単で、銛先も傷めにくい。
【0009】
銛先3の本数は6本に限定されるものではいが6本を例示し、間隔部分として第1間隔部分4と第2間隔部分6とを例示し、第1間隔部分4と第2間隔部分6とが銛身2の長手方向Xに交互に隣接した態様を例示した。
【0010】
第1間隔部分4には、返し5が設けられていない形状であってもよい。この場合であっても、取手7を人が手17で握って矢印Zの方向に猟具兼漁具を振り下ろす際の遠心力を利用して獲物に複数の銛部3を突き刺すことが可能である。又、返し5が第1間隔部分4における銛先3のうちの少なくとも1つから第1間隔部分4の側に突出した形状に設けられてもよいが、返し5が第1間隔部分4における一対の銛先3から第1間隔部分4の側に突出した形状に設けられた態様を例示したので、返し5が第1間隔部分4における銛先3のうちの少なくとも1つに設けられるより、返し5が第1間隔部分4における一対の銛先3に設けられた方が、獲物が逃げ難くなり、獲物を捕獲しやすい。第2間隔部分6には、返し及び抜け防止部が設けられていない。
【0011】
以上のように、
図1に示した猟具兼漁具は、柄1と柄1の一端部から柄1の長手方向Xに延びる銛身2と銛身2の長手方向Xに交差する方向の一側部から横方向Yに突出する複数の銛先3と第1間隔部分4における銛先3の少なくとも1つから第1間隔部分4に突出するように設けられた返し5とを備えた構造になっているので、猟具兼漁具を鉄板又はステンレス等の金属製の板材からプレス加工で作ることができる。そして、鉄板又はステンレス等の金属製の板材からプレス加工で作った猟具兼漁具の柄1に仮想線で示した取手7を外装して手で握りやすいようにしても良い。尚、猟具兼漁具は、レーザー加工で金属製の板材から切り抜いて作成してもよく、鋳造により作成することも可能であるが、金属製の板材からプレス加工又はレーザー加工で作成するほうが鋳造よりも容易に作成できる。
【0012】
又、取手7を着脱できるように、柄1に取手7の付構造を設けても良い。柄1に棒を取り付けて槍や大鎌のような猟具兼漁具にしてもよい。
【0013】
図2に示したように、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5には刃9が形成されている。つまり、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5が一対の銛先3及び返し5における板材の板厚が一対の銛先3の側及び返し5の側に行くに従って徐々に薄くなるように研磨されたことで、刃9が第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に形成されている。言い換えると、第1間隔部分4の一対の銛先3には向かい合うように刃9が設けられている。このように第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5には刃9が形成されたことから、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5が獲物に突き刺さりやすい効果がある。
【0014】
又、第2間隔部分6における一対の銛先3には刃が形成されておらず、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2にも刃が形成されていない。つまり、第2間隔部分6における一対の銛先3が板厚のままの状態であって刃になっていない。第2間隔部分6における一対の銛先3には向かい合うように刃が設けられていないことから、銛先3に突き刺さった獲物が外れにくく、獲物が暴れても逃げられにくい効果がある。
【0015】
又、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2が板厚のままの状態であって刃になっていない。このように、第2間隔部分6における一対の銛先3と第2間隔部分6における銛身2と第1間隔部分4における銛身2とのそれぞれには刃が形成されていないことから、当該刃の形成されていない部分による獲物の切断を未然に防ぐことができる。
【0016】
尚、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されていない一方、第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合であっても、段落0013及び段落0014と同様の効果を奏する。
【0017】
尚、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されかつ第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合、獲物に刺さりやすく、銛先3から獲物を外しやすい効果があるが、銛先3に刺さった獲物が暴れた際に銛先3の刃9及び刃9に類似する刃が獲物に刺さった部分を切り開いてしまうため逃げられやすくなる。
【0018】
図3に示した猟具兼漁具では、最先端の銛先3が一本の仮想線8上に位置する他の銛先3よりも横方向に出っ張っているので、この最先端の銛先3が他の銛先3を岩や地面に当たって破損しないように保護することができ、この最先端の銛先3が岩や地面に当たって鋭利さが劣化した場合は、この最先端の銛先3だけを研磨すれば良い。尚、銛身2の背側には刃13が設けられなくてもよいが、刃13が設けられた場合を
図3に例示した。銛身2の先端部14には銛先側保護部15と背側保護部16が設けられる。銛先側保護部15は、猟具兼漁具の銛先3の側を振り下ろした際に地面にぶつかっても、衝撃をいなすように銛先3から猟具兼漁具の先端に向けて傾斜部分として設けられる。背側保護部15は、猟具兼漁具の銛身2の背側を振り下ろした際に地面にぶつかっても、衝撃をいなすように刃13から猟具兼漁具の先端に向けて傾斜部分として設けられる。
【0019】
又、
図4に示すように、最先端の銛先3の先端が取手7の側に向くようにかつ、最先端の銛先3が他の銛先3よりも横方向に出っ張る形状であれば、猟具兼漁具を鞘に納める際に、銛先3が引っかかることがなく、収納が容易になる。さらに、最先端の銛先3の先端が取手7の側に向くよう設けられていることから、捕獲した獲物を猟具兼漁具の先端に引っ掛けて移動させたりすることも可能である。
【0020】
図3及び
図4に示した猟具兼漁具でも、
図2に示した刃9が設けられてもよい。かかる場合、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5が獲物に突き刺さりやすい効果がある。又、第2間隔部分6における一対の銛先3には向かい合うように刃が設けられていないことから、銛先3に突き刺さった獲物が外れにくく、獲物が暴れても逃げられにくい効果がある。さらに、第2間隔部分6における一対の銛先3と第2間隔部分6における銛身2と第1間隔部分4における銛身2とのそれぞれには刃が形成されていないことから、当該刃の形成されていない部分による獲物の切断を未然に防ぐことができる。
【0021】
尚、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されていない一方、第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合であっても、段落0020と同様の効果を奏する。
【0022】
又、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されかつ第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合、獲物に刺さりやすく、銛先3から獲物を外しやすい効果があるが、銛先3に刺さった獲物が暴れた際に、銛先3の刃9及び刃9に類似する刃が獲物に刺さった部分を切り開いてしまうため逃げられやすくなる。
【0023】
図5に示した猟具兼漁具では、他の銛先3よりも横方向に出っ張っている最先端の部分が銛先3なっていないでかつ返しも設けられていない突起としての保護部10なっているので、保護部10が他の銛先3を岩や地面に当たって破損しないように保護することができる。又、猟具兼漁具を鞘に納める際に、銛先3が引っかかることもなく、収納が容易になる。
【0024】
図5に示した猟具兼漁具でも、
図2に示した刃9が設けられてもよい。かかる場合、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5が獲物に突き刺さりやすい効果がある。又、第2間隔部分6における一対の銛先3には向かい合うように刃が設けられていないことから、銛先3に突き刺さった獲物が外れにくく、獲物が暴れても逃げられにくい効果がある。さらに、第2間隔部分6における一対の銛先3と第2間隔部分6における銛身2と第1間隔部分4における銛身2とのそれぞれには刃が形成されていないことから、当該刃の形成されていない部分による獲物の切断を未然に防ぐことができる。
【0025】
尚、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されていない一方、第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合であっても、段落0024と同様の効果を奏する。
【0026】
又、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されかつ第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃を形成してもよい。かかる場合、獲物に刺さりやすく、銛先3から獲物を外しやすい効果があるが、銛先3に刺さった獲物が暴れた際に銛先3の刃9及び刃9に類似する刃が獲物に刺さった部分を切り開いてしまうため逃げられやすくなる。
【0027】
図6に示した猟具兼漁具では、3本以上の銛先3のうちで互いに向き合う一対の銛先3の互い向き合う側としての第1間隔部分4には、抜け防止部11が、互いに向き合う一対の銛先3から第1間隔部分4の側に凸凹に形成された形状に設けられる。
図6に示した抜け防止部11は、
図1乃至4に示した返し5に相当し、銛先3に刺さった獲物から銛先3が抜けないように、凸凹の形状になっている。
図6では、抜け防止部11よりも銛先3に刃9を設けた態様を例示した。かかる場合、第1間隔部分4における一対の銛先3が突き刺さりやすい効果がある。
【0028】
又、第2間隔部分6における一対の銛先3には刃が形成されておらず、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2にも刃が形成されていない。つまり、第2間隔部分6における一対の銛先3が板厚のままの状態であって刃になっていない。第2間隔部分6における一対の銛先3には向かい合うように刃が設けられていないことから、銛先3に突き刺さった獲物が外れにくく、獲物が暴れても逃げられにくい効果がある。
【0029】
又、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2が板厚のままの状態であって刃になっていない。このように、第2間隔部分6における一対の銛先3と第2間隔部分6における銛身2と第1間隔部分4における銛身2とのそれぞれには刃が形成されていないことから、当該刃の形成されていない部分による獲物の切断を未然に防ぐことができる。
【0030】
尚、抜け防止部11よりも銛先3に刃9が形成されていない一方、第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃が形成されても良い。かかる場合であっても、段落0027乃至段落0028と同様の効果がある。
【0031】
又、抜け防止部11よりも銛先3に刃9が形成されかつ第2間隔部分6における一対の銛先3に刃9に類似する刃が形成されても良い。かかる場合、獲物に刺さりやすく、銛先3から獲物を外しやすい効果があるが、銛先3に刺さった獲物が暴れた際に銛先3の刃9及び刃9に類似する刃が獲物に刺さった部分を切り開いてしまうため逃げられやすくなる。
【0032】
図6に示した猟具兼漁具でも、
図3に示した最先端の銛先3又は
図5に示した保護部10を設けてよい。
【0033】
図7に示した猟具兼漁具では、3本以上の銛先3のうちで互いに向き合う一対の銛先3の互い向き合う側としての第1間隔部分4に返し5が互いに向き合う一対の銛先3から第1間隔部分4の側に突出した形状に設けられ、第1間隔部分4に隣接する第2間隔部分6に抜け防止部12が互いに向き合う一対の銛先3から第2間隔部分6の側に凸凹に形成された形状に設けられる。
図7では、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5には刃9が形成されている場合を例示した。かかる場合、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5が獲物に突き刺さりやすい効果がある。
【0034】
又、第2間隔部分6における一対の銛先3には刃が形成されておらず、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2にも刃が形成されていない。つまり、第2間隔部分6における一対の銛先3が板厚のままの状態であって刃になっていない。第2間隔部分6における一対の銛先3には向かい合うように刃が設けられていないことから、銛先3に突き刺さった獲物が外れにくく、獲物が暴れても逃げられにくい効果がある。
【0035】
又、第2間隔部分6における銛身2及び第1間隔部分4における銛身2が板厚のままの状態であって刃になっていない。このように、第2間隔部分6における一対の銛先3と第2間隔部分6における銛身2と第1間隔部分4における銛身2とのそれぞれには刃が形成されていないことから、当該刃の形成されていない部分による獲物の切断を未然に防ぐことができる。
【0036】
尚、
図7において、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されていない一方、抜け防止部12よりも銛先3には刃9に類似する刃が形成されてもよい。かかる場合であっても、段落0033及び段落0034と同様の効果を奏する。
【0037】
又、第1間隔部分4における一対の銛先3及び返し5に刃9が形成されかつ第2間隔部分6における一対の抜け防止部12よりも銛先3に刃9に類似する刃が形成されても良い。かかる場合、獲物に刺さりやすく、銛先3から獲物を外しやすい効果があるが、銛先3に刺さった獲物が暴れた際に銛先3の刃9及び刃9に類似する刃が獲物に刺さった部分を切り開いてしまうため逃げられやすくなる。
【0038】
図7に示した猟具兼漁具でも、
図3に示した最先端の銛先3、刃13、銛先側保護部15、背側保護部16、又は
図5に示した保護部10を設けてよい。
【0039】
図8を参照し、発明を実施するための形態6を示す。本実施の形態は、実施の形態
図4の猟具兼漁具の銛先3に刃9が設けられた点が異なる。
図8は、発明を実施するための形態6の平面図、左側面図、正面図、右側面図、底面図を表した図である。尚、正面図と背面図は対称であるため省略する。
図8は、実線で記載されているが、部分意匠として創作された意匠も含む図である。
【0040】
発明を実施するための形態1乃至3及び発明を実施するための形態5乃至6では、一対の銛先3に返し5が一つずつ設けられた場合を例示した。しかしながら、一対の銛先3に返し5が、第1間隔部分4の側に横方向Yに複数個並べるように設けられてもよい。尚、一対の銛先3のうち、一方の銛先3の返し5の個数と他方の銛先3の返し5の個数が同数であっても異なっていても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 柄
2 銛身
3 銛先
4 第1間隔部分
5 返し
6 第2間隔部分
7 取手
8 仮想線
9 刃
10 保護部
11 抜け防止部
12 抜け防止部
13 刃
14 先端部
15 銛先側保護部
16 背側保護部
X 柄1及び銛身2の長手方向
Y 長手方向に交差する横方向
Z 振りかざす方向