(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019196310
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 唯史
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196359(JP,A)
【文献】特開2019-088482(JP,A)
【文献】CR緋弾のアリアII,パチンコ必勝ガイド ,株式会社ガイドワークス,2017年03月01日,p.14-17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否抽選を所定条件の成立を契機として行う当否抽選手段と、
前記当否抽選の当選確率が低確率状態であるのか高確率状態であるのか明示されない特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
前記特定遊技状態にて前記当否抽選の当選確率を前記高確率状態から前記低確率状態に移行させるか否かの転落抽選を所定条件の成立を契機として行う転落抽選手段と、
前記当否抽選の結果を報知する報知演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記特定遊技状態は、前記報知演出の様式に関わる複数種の演出モードのうちのいずれかが設定されるものであり、
前記特定遊技状態が設定されてから実行された前記当否抽選の回数が同じであれば、前記転落抽選に当選しているかどうかに拘わらず前記演出モードの種類は同じとなるように制御され、
前記特定遊技状態においては、未だ前記転落抽選に当選しておらず前記当否抽選の当選確率が前記高確率状態である場合と、既に前記転落抽選に当選して前記当否抽選の当選確率が前記低確率状態となっている場合とでは、設定されている前記演出モードの種類が同じであっても、前記報知演出の内容を決定する方法が異なることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
高確率状態(確率変動状態)にて所定条件成立時に転落抽選が実行され、当該転落抽選に当選した場合には低確率状態に移行することになる遊技性を備えた遊技機(いわゆる転落機)が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、高確率状態にて転落抽選が実行される遊技機の趣向性が低下してしまうのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否抽選を所定条件の成立を契機として行う当否抽選手段と、前記当否抽選の当選確率が低確率状態であるのか高確率状態であるのか明示されない特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態にて前記当否抽選の当選確率を前記高確率状態から前記低確率状態に移行させるか否かの転落抽選を所定条件の成立を契機として行う転落抽選手段と、前記当否抽選の結果を報知する報知演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記特定遊技状態は、前記報知演出の様式に関わる複数種の演出モードのうちのいずれかが設定されるものであり、前記特定遊技状態が設定された後前記転落抽選に当選しているかどうかに拘わらず、前記演出モードの種類は前記特定遊技状態が設定された時点を基準として決まることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高確率状態にて転落抽選が実行される遊技機の趣向性が低下してしまうのを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示領域に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
【
図3】本実施形態にかかる遊技機の遊技状態(遊技性)を説明するための図である。
【
図4】特定遊技状態にて報知演出の内容を決定するための大まかなフローである。
【
図5】低確率用テーブルおよび高確率用テーブルの一例を示した図である。
【
図6】低確率状態時における所定演出の大当たり信頼度と高確率状態時における所定演出の大当たり信頼度を比較するための図である。
【
図8】第四具体例を説明するための図(その一)である。
【
図9】第四具体例を説明するための図(その二)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。
【0014】
本実施形態では、保留図柄70として、当否抽選(当否判定)結果を報知する報知演出(識別図柄80(識別図柄群80g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する報知演出が開始されていない情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(
図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じであり、両者を区別するために変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示される。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。
【0015】
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特
図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特
図1および特
図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(
図2参照)。
【0016】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄80を含む識別図柄群80g(左識別図柄群80gL、中識別図柄群80gC、右識別図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群80gから一の識別図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群80gから選択されて停止した識別図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。識別図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。
【0017】
本実施形態にかかる遊技機1の遊技状態について説明する。
図3に示すように、遊技状態は、大まかに、通常遊技状態と特定遊技状態に区分けされる。また、通常遊技状態はいわゆる低ベース状態であり、特定遊技状態はいわゆる高ベース状態(いわゆる時短状態)である。低ベース状態よりも高ベース状態の方が、始動領域904に遊技球が入賞しやすい。すなわち、当否抽選を受けやすい状態である。また、始動領域904に遊技球が入賞することで賞球が得られるため、低ベース状態よりも、高ベース状態の方が、遊技球の減少速度が小さい(一回の当否抽選を受けるのに減少する遊技球数の期待値が小さい)。したがって、通常遊技状態よりも特定遊技状態の方が、遊技者に有利な遊技状態であるといえる。通常遊技状態は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる(いわゆる左打ちを行う)遊技状態である。特定遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる(いわゆる右打ちを行う)遊技状態である。特定遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい(通常遊技状態よりも当選しやすい)状態である。当該開放抽選に当選した場合、第二始動領域904bに設けられた開閉部材(いわゆる電チュー)が開放し、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する状態となる。
【0018】
特定遊技状態は、第一特定遊技状態と第二特定遊技状態に区分けされる(
図3参照)。第一特定遊技状態は当否抽選に当選する確率が相対的に低い低確率状態(低確率・高ベース)である。第二特定遊技状態は当否抽選に当選する確率が相対的に高い高確率状態(高確率(確変)・高ベース)である。したがって、第一特定遊技状態よりも第二特定遊技状態の方が遊技者に有利な状態である。本実施形態では、高確率状態での大当たり確率(当否抽選の当選確率)は約1/50であり、低確率状態での大当たり確率(当否抽選の当選確率)は約1/300に設定されている。
【0019】
2)遊技性
図1および
図3を参照して本実施形態にかかる遊技機1の遊技性について説明する。本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる(確変)「転落」タイプの遊技性を有するものである。遊技者は、まずは通常遊技状態にて大当たり当選を目指し遊技する。大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後は第二特定遊技状態(高確率・高ベース)に移行する。本実施形態では、100%の確率で大当たり遊技終了後の遊技状態は第二特定遊技状態となるように設定されているが、100%未満の所定の確率で第二特定遊技状態となるように設定された構成としてもよい(公知の「V確変機」としてもよい)。
【0020】
第二特定遊技状態においては、始動領域904(第二始動領域904b)に遊技球が入賞することを契機とした当否抽選により大当たり当選を目指して遊技する。第二特定遊技状態にて大当たり当選した場合には、いわゆる連チャンとなる。ただし、第二特定遊技状態においては、始動領域904(第二始動領域904b)に遊技球が入賞することを契機として、当否抽選だけでなく、転落抽選が実行される。つまり、同じ事象(始動領域904に入賞するという事象)を契機として、当否抽選および転落抽選という二つの抽選が実行される(転落抽選を回避して、当否抽選を受けることは不可能である)。当該転落抽選に当選した場合には、第二特定遊技状態から第一特定遊技状態に移行する。つまり、高ベース状態は維持されるものの、当否抽選の当選確率が高確率から低確率に移行(転落)する。なお、本実施形態では、第二特定遊技状態における当否抽選の当選確率(大当たり確率)の方が、転落抽選の当選確率(本実施形態では、転落抽選の当選確率は約1/250である)よりも高い。したがって転落抽選に当選するよりも前に大当たりに当選する蓋然性の方が高い。また、大当たりに当選することと転落抽選に当選することが同時に起こる可能性はない(同時に起こる可能性はあるが、同時に起こった場合には一方の当選が無効とされるような構成としてもよい)。当否抽選および転落抽選の一方に当選する場合は、他方に当選していないことになる。
【0021】
特定遊技状態は、少なくとも、当否抽選が連続して所定回数はずれとなるまで継続する。本実施形態では、少なくとも100回連続してはずれとなるまで継続する(いわゆる時短回数は最低100回である)。ただし、当否抽選が100回連続してはずれとなった時点で特定遊技状態が終了するのは、当該時点にて転落抽選に当選している場合、すなわち低確率状態に移行していた場合である。つまり、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選(時短100回目)が低確率状態で行われた場合には、当該100回目の当否抽選がはずれとなることをもって特定遊技状態は終了する。一方、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が高確率状態で行われた場合には、当該100回目の当否抽選がはずれとなった以降も特定遊技状態(第二特定遊技状態)は継続する。この場合、特定遊技状態は、当否抽選および転落抽選のいずれかに当選するまで継続する。当否抽選に当選した場合はいわゆる「連チャン」となる。転落抽選に当選した場合にはそこで特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。つまり、101回目以降(時短100回超)は、転落抽選に当選するよりも前に当否抽選に当選することを遊技者が願う遊技性となる。
【0022】
特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行されるよりも前に転落抽選に当選していた場合には、当該転落抽選に当選した後、100回目の当否抽選が実行されるまでは第一特定遊技状態(低確率・高ベース)とされる。第一特定遊技状態にて当否抽選に当選した場合はいわゆる「連チャン」となる。
【0023】
特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行されるよりも前に転落抽選に当選した場合、転落抽選に当選したタイミングを遊技者は知ることはできない。また、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行されるよりも前にて現在の遊技状態が第一特定遊技状態であるか第二特定遊技状態であるかは遊技者に対し明示されないから、いずれの状態であるのか遊技者が知ることはできない(ただし、演出として現在の遊技状態を示唆するものが発生するようにしてもよい)。すなわち、転落抽選に当選する前後に亘り、特定遊技状態であること(第一特定遊技状態であるか第二特定遊技状態であるか分からない状態)は維持されるのであるから、遊技者は転落抽選に当選したことを明確に知ることはできない。なお、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行された後は、転落抽選に当選することを契機として特定遊技状態(第二特定遊技状態)が終了するのであるから、転落抽選に当選したタイミングを遊技者は知ることができる。また、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行された後は、現在の遊技状態は第二特定遊技状態であるといえる。ただし、本実施形態では、遊技者に対し、現在の遊技状態が第二特定遊技状態であると明示はされない。
【0024】
3)特定遊技状態における報知演出
特定遊技状態における報知演出の内容を決定するための手法について説明する。なお、特に明示する場合を除き、以下の説明は特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行されるよりも前の状態(高確率状態であるのか低確率状態であるのは遊技者には分からない状態)に関していうものとする。上述した通り、本実施形態における特定遊技状態は、当初は高確率状態(第二特定遊技状態)であるものの、転落抽選に当選することを契機として低確率状態(第一特定遊技状態)に移行する(
図3参照)。つまり、転落抽選に当選するか否かに拘わらず、特定遊技状態は維持される。
【0025】
特定遊技状態にて報知演出の内容を決定するための大まかなフローを説明する。現在の遊技状態が高確率状態(第二特定遊技状態)である(
図4;S1「Y」)と判断された場合、まず、転落抽選に当選したかどうかが判定される(
図4;S2)。転落抽選に当選しなかった場合には高確率状態(第二特定遊技状態)が維持される。転落抽選に当選した場合(
図4;S2「Y」)には低確率状態(第一特定遊技状態)に移行する(
図4;S3)。次に、当否抽選(大当たり)に当選したかどうかが判定される。低確率状態である場合には大当たり確率約1/300の当否抽選が(
図4;S4)、高確率状態である場合には大当たり確率約1/50の当否抽選が実行される(
図4;S5)。当該当否抽選の結果(大当たりフラグ成立の有無)は一旦図示されない記憶手段に記憶される。
【0026】
その後、遊技状態が低確率状態(第一特定遊技状態)であれば低確率用テーブルを参照して報知演出の内容を決定する(
図4;S6)。一方、遊技状態が高確率状態(第二特定遊技状態)であれば高確率用テーブルを参照して報知演出の内容を決定する(
図4;S7)。つまり、本実施形態では、報知演出の内容を決定するための演出決定テーブルとして、高確率用テーブルと低確率用テーブルを用意し、毎回(毎変動)、遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかを判断した上で、それに対応したテーブルを参照して報知演出の内容を決定する。
【0027】
低確率用テーブルおよび高確率用テーブルの具体的な構成(振分)は適宜設定することができるから詳細な説明を省略する。なお、これらの低確率用テーブルおよび高確率用テーブルは、特定遊技状態(時短有の状態)にて用いられるものである。本実施形態では、「変動パターン」を決めるためのテーブルとして、低確率用テーブルおよび高確率用テーブルが設けられている(
図4;S8)。変動パターンは、報知演出の長さ(時間)等、報知演出の基本的構成を決める要素である。当該変動パターンを決める抽選は、一般的な遊技機と同様に主制御基板(図示せず)に構築された主制御回路にて行われる。ここで決まった変動パターンに基づき、サブ制御基板(図示せず)に構築されたサブ制御回路にて報知演出の具体的な内容が決まる。なお、低確率用テーブルおよび高確率用テーブルが変動パターンを決めるためのテーブルであること(主制御回路にて行われる抽選に用いられること)はあくまで一例である。報知演出の内容(構成)を決めるための少なくとも一部のテーブルが低確率用テーブルおよび高確率用テーブルに分けられていればよい。サブ制御回路にて実行される抽選に用いられるテーブルが低確率用テーブルおよび高確率用テーブルに分けられていてもよいし、主制御回路にて実行される抽選にて用いられるテーブルおよびサブ制御回路にて実行される抽選にて用いられるテーブルの両方が低確率用テーブルおよび高確率用テーブルに分けられていてもよい。
【0028】
低確率用テーブルおよび高確率用テーブルの一例を
図5に示す(なお、振分を決める具体的な乱数値は示さず、各変動パターンに振り分けられる割合(振分確率)のみ示す)。低確率用テーブルおよび高確率用テーブルのいずれにおいても、当否抽選結果が大当たりである場合には変動パターンP1~P3のいずれかが選択され、当否抽選結果がはずれである場合には変動パターンP4~P8のいずれかが選択される。基本的には、変動時間が長くなる変動パターンが選択された場合の方が、大当たりに期待がもてることになる。図示しないが、ここで決定された変動パターンがサブ制御回路に送られ、当該変動パターンに基づき、報知演出の具体的態様が決定される。変動時間が長くなる変動パターンが選択された場合の方が、報知演出を構成する演出として対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、大当たり信頼度と称することもある)の高い演出が発生しやすい。なお、いわゆる保留数等、他の条件に応じて各変動パターンに振り分けられる確率が変化するテーブルとしてもよい。
【0029】
本実施形態のように、高確率用テーブルと低確率用テーブルを用意し、遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかを判断した上で、それに対応したテーブルを参照して報知演出を決定するようにする利点は次の通りである。(確変)転落タイプの遊技機は、特定遊技状態において遊技者には転落したタイミングが明確に知らされず、遊技者は転落していないことを願いつつ遊技するというものである。したがって、転落したことが分かってしまう(転落した蓋然性が高いと感じる状況になる)と遊技者が興醒めしてしまう(遊技の趣向性が低下してしまう)。
【0030】
このような転落タイプの遊技機では、転落抽選に当選しても、(特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選が実行されるよりも前であれば)特定遊技状態は維持されるのであるから、報知演出の内容を決定させるためのテーブルを変化させないのが一般的である。しかし、転落抽選に当選しているか否かに拘わらず(高確率状態であるか否かに拘わらず)同じテーブルを用いて報知演出の内容が決定されるとすると高確率状態であるか否かによって「演出バランス」が大きく異なってしまう。例えば、報知演出を構成する演出として発生しうる所定演出が設定されているものとする。同じテーブルを用いた場合、当該所定演出が発生した場合の大当たり信頼度は、低確率状態と高確率状態で異なってしまう。具体的には、高確率状態で発生した場合の大当たり信頼度よりも、低確率状態で発生した場合の大当たり信頼度の方が著しく低くなる。低確率状態の方が、「はずれ」となる頻度(確率)が高く、はずれ時に所定演出が発生する頻度が高まってしまうからである。
【0031】
一方、低確率用テーブルと高確率用テーブルを用意すると、上記のような大当たり信頼度の差を小さくすることができる。例えば、
図5に示したテーブルにおいて、大当たり時には変動パターンP1が、はずれ時には変動パターンP4が選択された場合に報知演出にて必ず所定演出(例えば、所定のチャンスアップ画像が表示される演出)が発生するものとする。この場合、
図6(a)に示す通り、低確率状態(転落抽選に当選していない段階)にて大当たり当選時に所定演出が発生する確率(変動パターンP1が選択される確率)とはずれ時に所定時演出が発生する確率(変動パターンP4が選択される確率)は略同じであり、大当たり信頼度は約50%である。一方、
図6(b)に示す通り、高確率状態(転落抽選に当選した後)にて大当たり当選時に所定演出が発生する確率(変動パターンP1が選択される確率)とはずれ時に所定演出が発生する確率(変動パターンP4が選択される確率)も略同じであり、大当たり信頼度は約51%である。具体的には、はずれ時に所定演出が発生する確率を高確率状態時よりも低確率状態時の方が低くなるようにすることで、所定演出の大当たり信頼度の差を小さくしている。このように、低確率用テーブルと高確率用テーブルを用意することにより、低確率状態時と高確率状態時とにおける所定演出の大当たり信頼度の差を抑制すること(転落抽選に当選することで演出バランスが大きく変化するのを抑制すること)が可能である。低確率状態に移行することで所定演出の大当たり信頼度が大きく低下してしまうような構成であると転落抽選に当選したことに遊技者が気付いてしまうおそれが高まるところ、本実施形態のようにすればこのようなおそれを低くすることが可能である。
【0032】
4)以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0033】
〇第一具体例
上記実施形態では、転落抽選に当選して低確率状態に移行した後は、低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定することを説明したが、転落抽選に当選しても低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する状態に移行するとは限られない設定とする。具体的には次の通りである。
【0034】
報知演出の内容を決定するためのテーブルとして、第一テーブル(上記実施形態における低確率用テーブルに相当)および第二テーブル(上記実施形態における高確率用テーブルに相当)を設けることは上記実施形態と同じである。転落抽選に当選する前、すなわち高確率状態(第二特定遊技状態)にあるときには、第二テーブルを用いて報知演出の内容を決定する(
図7(a)参照)。転落抽選に当選して低確率状態(第一特定遊技状態)に移行した後は、第一テーブルを用いて報知演出の内容を決定する態様に移行すること(
図7(b-1)参照)もあれば、当該態様には移行せずに第二テーブルを用いて報知演出の内容を決定する態様が維持されること(
図7(b-2)参照)もある構成とする。すなわち、低確率状態にて「第一テーブルを用いる場合」と「第二テーブルを用いる場合」が発生するようにする。
【0035】
低確率状態にて「第二テーブルを用いる場合」は、高確率状態から低確率状態に移行することによって報知演出を構成する少なくとも一部の演出(所定演出)の大当たり信頼度が低下してしまう(その理由は上記実施形態にて述べた通りである)。一方、低確率状態にて「第一テーブルを用いる場合」は、上記実施形態にて説明したように、転落抽選の当選を契機とした所定演出の大当たり信頼度の変化を抑制することができる。換言すれば、「第二テーブルを用いる場合」は遊技者が低確率状態に移行したことを予測しやすく、「第一テーブルを用いる場合」遊技者が低確率状態に移行したことを予測しにくい態様であるといえる。このように、低確率状態への移行が予測しやすい状態となる場合もあれば、そのような状態とはならない場合もある構成とすることで、面白みのある遊技性を実現することができる。
【0036】
〇第二具体例
特定遊技状態において、高確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する場合、報知演出の一部を構成する演出として、現在の遊技状態が高確率状態(第二特定遊技状態)であることが確定するような演出(以下、確定演出と称する)が発生しうるものとする。当該確定演出は、低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する場合には、発生する可能性がない設定であるとする。確定演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。現在の遊技状態が高確率状態であることを遊技者に明確に示すような態様であってもよいし、暗示するような態様であってもよい。
【0037】
上記実施形態にて説明した通り、高確率状態から低確率状態に移行した場合には即座に高確率用テーブルから低確率用テーブルに切り替えるのであるから、それを利用して高確率用テーブルを用いた場合にしか発生しないような確定演出が発生するようにすることで、遊技の面白みを向上させること(特定遊技状態にて確定演出の発生に期待する遊技性を確立すること)可能となる。
【0038】
〇第三具体例
報知演出を構成する演出として、発生した場合に高確率状態である蓋然性が高まる演出(以下、高確率示唆演出と称する)が発生しうるものとする(高確率示唆演出は、上記確定演出とは異なり、発生することによって高確率状態であることが確定するものではない)。そして、報知演出の一部として高確率示唆演出が発生する蓋然性は、高確率用テーブルを用いて報知演出の内容が決定された場合の方が、低確率用テーブルを用いて報知演出の内容が決定された場合よりも高くなるような設定とする。つまり、(上記第三具体例にて説明した確定演出とは異なり)、発生した場合に高確率状態であることが確定するような演出で無ければ、低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する場合においても発生しうるものとしてもよい。
【0039】
〇第四具体例
特定遊技状態中に実行される報知演出の様式は演出モードに応じたものとされる。つまり、演出モードは、報知演出の少なくとも一部の基本的態様を司る要素である。現在設定されている演出モードを表す画像(演出モードの名称や、演出モードに対応するマーク等)が表示領域911に表示されるようにしてもよい。本実施形態では、演出モードとして、第一演出モード、第二演出モード、第三演出モード、第四演出モードの四つが設定されている。
【0040】
第一演出モード(
図8(a)参照)はキャラクタAをモチーフとした報知演出が実行されるモードとされている。第二演出モード(
図8(b)参照)はキャラクタB(キャラクタAとは異なるキャラクタ)をモチーフとした報知演出が実行されるモードとされている。第三演出モード(
図8(c)参照)は味方側キャラクタと敵側キャラクタが戦う報知演出(いわゆるバトル演出)が実行されるモードとされている。第四演出モード(
図8(d)参照)はキャラクタC(キャラクタA、キャラクタBとは異なるキャラクタ)をモチーフとした報知演出が実行されるモードとされている。本実施形態では、各演出モードが設定されている状況において、各演出モードを示す画像が表示される(例えば、第一演出モードにおいては「Aゾーン」という文字が表示される)。換言すれば、各演出モードにおいては、他の演出モードが設定されているときには表示されることがない特有の画像が表示される。当該画像により、遊技者はいずれの演出モードが設定されているかや、演出モードの変化を把握することが可能である。
【0041】
本実施形態では、特定遊技状態に移行してから実行された当否抽選(はずれ)の回数(以下「変動回数」と称することもある。また、以下の説明において単に「~回」というときは、当該変動回数を指すものとする)によって演出モードの制御がなされる。第一演出モードは、特定遊技状態に移行してから1~50回目の当否抽選結果を報知する報知演出にて設定される。第二演出モードは、特定遊技状態に移行してから51~99回目の当否抽選結果を報知する報知演出にて設定される。第三演出モードは、特定遊技状態に移行してから100回目の当否抽選結果を報知する報知演出にて設定される。第四演出モードは、特定遊技状態に移行してから101回目以降の当否抽選結果を報知する報知演出にて設定される(
図8参照)。なお、100回目の当否抽選までに転落抽選に当選していれば100回目の当否抽選結果の報知をもって特定遊技状態が終了することになるため、必然的に第四演出モードが設定された状態は高確率状態(第二特定遊技状態)ということになる。
【0042】
第三演出モードは100回目の報知演出に限って実行されるモードであり、当否抽選結果の報知だけでなく、当否抽選結果がはずれである場合には特定遊技状態が継続するかどうかを遊技者に示す演出が実行されることになる。上述した通り、本実施形態ではバトル演出が実行される。バトル演出は、味方側キャラクタと敵側キャラクタが戦い、味方側キャラクタが勝利すれば特定遊技状態が継続し、味方側キャラクタが敗北(敵側キャラクタが勝利)すれば特定遊技状態が終了するというものである。すなわち、変動回数100回目まで(100回目も含む)に転落抽選に当選していなければ味方側キャラクタが勝利し、転落抽選に当選していれば味方側キャラクタが敗北するという結果に至る。このように、100回目の報知演出は、特定遊技状態が継続するか否か(転落抽選に当選して低確率状態に移行しているか否か)を示す「分岐」の演出であるといえる。なお、本例においては、100回目の当否抽選が大当たりであれば味方側キャラクタが勝利した上で大当たりが報知されるような構成とされている。
【0043】
このような演出モードの切り替えは、シナリオに基づき制御される。本実施形態では、上記の通り、1~50回目は第一演出モード、51~99回目は第二演出モード、100回目は第三演出モード、101回目以降は第四演出モードを設定する「基本シナリオ」(
図9(a)参照)が新たに特定遊技状態(第二特定遊技状態)が開始される時点(大当たり遊技終了時点)で設定される。そして、転落抽選に当選して以降は「低確率用シナリオ」(
図9(a)参照)に切り替えられる。低確率シナリオは、1~50回目は第一演出モード、51~99回目は第二演出モード、100回目は第三演出モードとするものである。つまり、低確率シナリオも、特定遊技状態が設定されてからの変動回数(当否抽選回数)に基づいて設定される。したがって、高確率シナリオおよび低確率シナリオのいずれが設定されている場合であっても、特定遊技状態が設定されてからの変動回数(前回の大当たり終了後の変動回数)に基づき、演出モードの種類が決まることになる。例えば、転落抽選に当選していようがいまいが、45回目は必ず第一演出モードが設定されているし、100回目は必ず第三演出モードが設定されることになる。
【0044】
各演出モード(モチーフ)に対応した報知演出が実行されるようにするため、各演出モードに対応した演出決定用のテーブルが用意される。また、第一演出モード~第三演出モードに対応するテーブルは「高確率用」と「低確率用」の二つが設けられる。すなわち、第一演出モードに対応した第一高確率用テーブルと第一低確率用テーブル、第二演出モードに対応した第二高確率用テーブルと第二低確率用テーブル、第三演出モードに対応した第三高確率用テーブルと第三低確率用テーブルが設けられる。一方、第四演出モードに対応したテーブルは、「高確率用」のもの(第四高確率用テーブル)しか設けられない(「低確率用」はない)(
図9(b)参照)。その理由については後述する。なお、これらのテーブルは、主制御回路にて実行される抽選に用いられるテーブルであってもよいし、サブ制御回路にて実行される抽選に用いられるテーブルであってもよい。
【0045】
特定遊技状態にて、報知演出の内容を決定するに際しては、転落抽選に当選して低確率状態に移行しているか否か(すなわち、「基本シナリオ」が維持されているか、それとも転落抽選に当選して「低確率用シナリオ」が設定されているか)および演出モードを参照し、対応したテーブルを用いて抽選により決定する。例えば、変動回数30回目で未だ転落抽選に当選していないときには第一高確率用テーブルを用いて、既に転落抽選に当選しているときには第一低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する。また、変動回数75回目で未だ転落抽選に当選していないときには第二高確率用テーブルを用いて、既に転落抽選に当選しているときには第二低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する。変動回数100回目は、それまでに転落抽選に当選していなければ第三高確率用テーブルを用いて、転落抽選に当選しているときには第三低確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する。また、変動回数101回目以降は、それまでに転落抽選に当選しなかったということであるから、第四高確率用テーブルを用いて報知演出の内容を決定する。変動回数101回目以降に大当たりに当選するよりも前に転落抽選に当選した場合には、特定遊技状態(第二特定遊技状態)が終了して特定遊技状態に移行することになるため、第四演出モードに対応した「低確率用」のテーブルはない。また、「低確率用シナリオ」は、「基本シナリオ」が含む第四演出モードに対応するモードを含むものではない。
【0046】
このように、本例では、特定遊技状態が設定されてからの変動回数に基づき、演出モードを制御する。特定遊技状態が設定されてからの変動回数が同じであれば、それまでに転落抽選に当選しているか否かに拘わらず、演出モードの種類は同じである(転落抽選に当選することを契機として新たなシナリオが開始されるというものではなく、転落抽選に当選した変動回数に基づき「低確率用シナリオ」が設定される)。したがって、演出モードの種類の変化等から転落抽選に当選したことが分かってしまい、遊技者が興醒めしてしまうこと(遊技の趣向性が低下してしまうこと)が抑制される。そして、現在設定されている演出モードと当否抽選確率(低確率状態or高確率状態)に基づき報知演出の内容が決定されることになるから、転落抽選に当選することを契機として演出バランスが大きく変化してしまうこと(所定演出の大当たり信頼度が大きく低下してしまうこと)が抑制される。
【0047】
5)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0048】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0049】
・手段1-1
当否抽選を所定条件の成立を契機として行う当否抽選手段と、前記当否抽選の当選確率が低確率状態であるのか高確率状態であるのか明示されない特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態にて前記当否抽選の当選確率を前記高確率状態から前記低確率状態に移行させるか否かの転落抽選を所定条件の成立を契機として行う転落抽選手段と、前記当否抽選の結果を報知する報知演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記特定遊技状態は維持される場合であっても、前記転落抽選に当選することを契機として、前記報知演出の内容を決定する方法が変化することを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、転落抽選に当選したことを分かりにくくすることができるため、遊技の趣向性が低下してしまうのを抑制することが可能である。
【0050】
・手段1-2
前記特定遊技状態における前記報知演出の内容を決定するための演出決定テーブルとして、前記当否抽選の当選確率が前記高確率状態である場合に参照される高確率用テーブル、および、前記当否抽選の当選確率が前記低確率状態である場合に参照される低確率用テーブルが設けられていることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このように、高確率状態と低確率状態とでは、異なる演出決定テーブルが用いられるようにするとよい。
【0051】
・手段2-1
当否抽選を所定条件の成立を契機として行う当否抽選手段と、前記当否抽選の当選確率が低確率状態であるのか高確率状態であるのか明示されない特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態にて前記当否抽選の当選確率を前記高確率状態から前記低確率状態に移行させるか否かの転落抽選を所定条件の成立を契機として行う転落抽選手段と、前記当否抽選の結果を報知する報知演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記特定遊技状態は、前記報知演出の様式に関わる複数種の演出モードのうちのいずれかが設定されるものであり、前記特定遊技状態が設定された後前記転落抽選に当選しているかどうかに拘わらず、前記演出モードの種類は前記特定遊技状態が設定された時点を基準として決まることを特徴とする遊技機。
・手段2-2
前記特定遊技状態が設定されてから実行された前記当否抽選の回数が同じであれば、前記転落抽選に当選しているかどうかに拘わらず前記演出モードの種類は同じとなることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、演出モードの種類の変化により、転落抽選に当選したことが分かってしまい、遊技者が興醒めしてしまうこと(遊技の趣向性が低下してしまうこと)が抑制される。
【0052】
・手段2-3
前記特定遊技状態においては、現在設定されている前記演出モードの種類、および、既に前記転落抽選に当選して前記当否抽選の当選確率が前記低確率状態となっているか否かに基づき、前記報知演出の内容が決定されることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、転落抽選に当選することを契機として演出バランスが大きく変化してしまうことが抑制される。
【符号の説明】
【0053】
1 遊技機
80 識別図柄
904 始動領域(904a 第一始動領域 904b 第二始動領域)
91 表示装置
911 表示領域