(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】等温核酸増幅を用いた生体組織の3次元核酸映像診断方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6844 20180101AFI20220602BHJP
C12Q 1/6813 20180101ALI20220602BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20220602BHJP
G01N 1/30 20060101ALI20220602BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20220602BHJP
【FI】
C12Q1/6844 Z ZNA
C12Q1/6813 Z
G01N1/28 J
G01N1/30
C12N15/09 Z
(21)【出願番号】P 2020563441
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2019003622
(87)【国際公開番号】W WO2019221384
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0057465
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519191880
【氏名又は名称】バイナリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BINAREE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン イル
(72)【発明者】
【氏名】クム、サン イル
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョ ソン
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/139501(WO,A1)
【文献】Technical Review: In Situ Hybridization,THE ANATOMICAL RECORD,2014年,Volume 297, Issue 8,1349-1353
【文献】Scale: a chemical approach for fluorescence imaging and reconstruction of transparent mouse brain,NATURE NEUROSCIENCE,2011年,Volume 14, Number 11,1481-1488
【文献】Detection of gene point mutation in paraffin sections using in situ loop-mediated isothemal amplification,Pathology International,2007年,Volume 57,594-599
【文献】In situ RT-LAMP法を用いたキクわい化ウイロイド(CSVd)RNA視覚化の試み,園芸学会雑誌,第74巻, 別冊1,第467頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q1/00-3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
(i)脳組織試料を、スクロースを含有する固定溶液に入れて固定させる段階、
(ii)前記固定された試料を、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)、尿素、および塩化ナトリウム(NaCl)を含有する組織クリアリング溶液に入れて反応させる段階、及び
(iii)前記組織クリアリング溶液に反応させた前記試料を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびアジ化ナトリウムを含有する洗浄溶液に入れて前記試料に付着している有機物を洗い落とす段階を含む、脳組織試料を透明化させる段階と、
(b)前記(a)段階で透明化させた
脳組織試料に酵素反応混合液およびプライマーを添加して、検出しようとするバイオマーカーを等温で増幅させる段階と、
(c)前記(b)段階で増幅させたバイオマーカーを検出する段階と、を含む、
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項2】
前記(b)段階で使用されたプライマーは、増幅させようとするバイオマーカーのプライマーであることを特徴とする、請求項1に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項3】
前記プライマーは、プローブを含むことを特徴とする、請求項2に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項4】
前記スクロースは、濃度が20%(w/v)~100%(w/v)であることを特徴とする、請求項
1~3のいずれか一項に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項5】
前記塩化ナトリウム(NaCl)は、濃度が0.001~1.0%(w/v)であることを特徴とする、請求項
1~4のいずれか一項に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項6】
前記アジ化ナトリウムは、濃度が0.001~0.5%(w/v)であることを特徴とする、請求項
1~5のいずれか一項に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項7】
前記バイオマーカーは、分子バイオマーカーであることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【請求項8】
前記分子バイオマーカーは、DNAまたはRNAであることを特徴とする、請求項
7に記載の
脳組織の3次元核酸映像の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、等温核酸増幅を用いた生体組織の3次元核酸映像診断方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
疾病の診断に使用される検査方法のうちタンパク質を用いた免疫化学的診断または映像診断は、抗体等の特異的反応が低く、増幅をすることができないので、少量のバイオマーカーを用いた診断に困難がある。
【0003】
したがって、これを克服するために、癌をはじめとする様々な疾病の診断において人体内遺伝情報を含んでいるDNAとRNAにて疾病を確認する分子バイオマーカー研究が多く使用されている。DNAおよびRNAバイオマーカーは、PCR、マイクロチップ、NGS等の方法で様々な疾病の診断に用いられているが、この場合、PCR(Polymerase chain reaction)は、少量の核酸を検出し分析する方法である核酸増幅技術のうち最も広く使用される技術であり、高い温度条件で二本鎖DNAを一本鎖DNAに変性させた後、温度を低くして一本鎖にプライマー(primer)が結合し、Taq polymerase(熱安定性酵素)が二本鎖DNAに延長させる過程が繰り返される方法である。しかしながら、上記のようなDNAおよびRNAバイオマーカーは、組織内で発現する細胞および位置を知ることができない短所が存在する。
【0004】
これを解決するために、FISH等のハイブリダイゼーション法で組織内DNAおよびRNAバイオマーカーの存在および位置等を知ることができるが、前記方法を使用する場合、増幅が行われず、診断に困難があると共に、組織の透過性が低く、結果の観察に制限が多い。
【0005】
一方、等温増幅方法(loop-mediated isothermal amplification,LAMP)は、2000年に納富等により考案された検出方法であって、従来のPCR法と類似しているが、PCRやリアルタイムPCR反応時にDNA変性、プライマーのアニーリング、重合酵素の伸長に必要であった温度変化が不要であり、60℃に近い一つの温度で増幅反応が可能な検出方法である。
【0006】
LAMPの最も大きい特徴は、等温で遺伝子の増幅が行われるという点であり、温度の勾配が必要なPCRに比べて温度調節が不要であるので、相対的に反応時間が短くなる。したがって、LAMPを用いる場合、さらに早い時間内で遺伝子増幅を可能にし、電気泳動時間を除いて1時間以内に遺伝子増幅が可能であることがすでに報告されている。また、温度変化によるDNA損失および損傷がないので、増幅効率が非常に高く、等温条件での増幅は、LAMPが他の検出方法とは異なって現場性を有し得るという根拠となる。一定の温度を維持すれば良いので、高価な装備が不要であり、恒温水槽など簡単な装備のみを有しても反応が可能である。したがって、LAMPを用いると、あえて実験室内での環境ではなくても、現場で特定遺伝子の検出が可能になる。
【0007】
しかしながら、等温増幅方法を用いた診断方法に対する関連研究はまだ不十分な状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、上記のようなバイオマーカーを用いた診断方法の問題点を解決できる方法を開発するために、鋭意努力した結果、生体組織の透明化を通じて光が透過して特定の分子バイオマーカーを組織で正確に見えるようにすることで、診断の正確性を向上させることができ、生体組織内で等温増幅方法を用いてバイオマーカーを3次元で容易にイメージングすることができる生体組織の3次元核酸映像診断方法を発明して、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するために、本発明は、(a)生体組織試料を透明化させる段階と、
(b)前記(a)段階で透明化させた生体組織試料に酵素反応混合液およびプライマーを添加して、検出しようとするバイオマーカーを等温で増幅させる段階と、
(c)前記(b)段階で増幅させたバイオマーカーを検出する段階と、を含む、生体組織の3次元核酸映像診断方法を提供する。
【0010】
本発明の一具現例として、前記(b)段階で使用されたプライマーは、増幅させようとするバイオマーカーのプライマーでありうる。
【0011】
本発明の他の一具現例として、前記プライマーは、プローブを含むことができる。
【0012】
本発明のさらに他の一具現例として、前記生体組織は、脳、肝臓、肺、腎臓、腸、心臓、筋肉、または血管でありうる。
【0013】
本発明のさらに他の一具現例として、前記(a)で透明化させる段階は、(イ)生体組織試料を固定溶液に入れて固定させる段階と、
(ロ)前記固定された試料を組織クリアリング溶液に入れて反応させる段階と、
(ハ)前記組織クリアリング溶液に反応させた試料を洗浄溶液に入れて試料に付着している有機物を洗い落とす段階と、を含むことができる。
【0014】
本発明のさらに他の一具現例として、前記固定溶液は、スクロースを含むことができる。
【0015】
本発明のさらに他の一具現例として、前記スクロースは、濃度が20%(w/v)~100%(w/v)でありうる。
【0016】
本発明のさらに他の一具現例として、前記組織クリアリング溶液は、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)、尿素、および塩化ナトリウム(NaCl)よりなる群から選ばれた一つ以上を含むことができる。
【0017】
本発明のさらに他の一具現例として、前記塩化ナトリウム(NaCl)は、濃度が0.001~1.0%(w/v)でありうる。
【0018】
本発明のさらに他の一具現例として、前記洗浄溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびアジ化ナトリウムを含むことができる。
【0019】
本発明のさらに他の一具現例として、前記アジ化ナトリウムは、濃度が0.001~0.5%(w/v)でありうる。
【0020】
本発明のさらに他の一具現例として、前記バイオマーカーは、分子バイオマーカーでありうる。
【0021】
本発明のさらに他の一具現例として、前記分子バイオマーカーは、DNAまたはRNAでありうる。
【発明の効果】
【0022】
本発明による等温核酸増幅を用いた生体組織の3次元核酸映像診断方法は、組織を透明化させる段階を通じて特定の分子バイオマーカーを組織で正確に見ることができるようにし、生体組織の内部全体を視覚化しつつ、立体的に組織を再構成することができて、診断の正確性を向上させ、生体組織内で等温核酸増幅段階を通じて人体内遺伝情報を含んでいるDNAまたはRNAのような分子バイオマーカーを3次元に容易にイメージングして、癌をはじめとする様々な疾病を診断するのに有用に使用できるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一具現例によるマウス脳組織でThy-1 mRNAの等温核酸増幅結果を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一具現例によるマウス脳組織でGAD-67 mRNAの等温核酸増幅結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有し得るところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。本発明を説明するに際して、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明は、(a)生体組織試料を透明化させる段階と、
(b)前記(a)段階で透明化させた生体組織試料に酵素反応混合液およびプライマーを添加して、検出しようとするバイオマーカーを等温で増幅させる段階と、
(c)前記(b)段階で増幅させたバイオマーカーを検出する段階と、を含む、生体組織の3次元核酸映像診断方法を提供する。
【0027】
前記(b)段階で使用されたプライマーは、増幅させようとするバイオマーカーのプライマーであり得、プローブを含むことができる。
【0028】
前記(a)段階の生体組織は、脳、肝臓、肺、腎臓、腸、心臓、筋肉、または血管であり得るが、これに制限されない。
【0029】
また、前記(a)段階で透明化させる段階は、(イ)生体組織試料を固定溶液に入れて固定させる段階と、
(ロ)前記固定された試料を組織クリアリング溶液に入れて反応させる段階と、
(ハ)前記組織クリアリング溶液に反応させた試料を洗浄溶液に入れて試料に付着している有機物を洗い落とす段階と、を含むことができる。
【0030】
前記固定溶液は、スクロースを含むことができ、この際、スクロースの濃度は、20%(w/v)~100%(w/v)であり得、本発明の一具現例によれば、20~80%(w/v)、20~60%(w/v)、20~40%(w/v)、20~30%(w/v)、60~100%(w/v)、または80~100%(w/v)であり得るが、20%(w/v)以上であれば、前記濃度に制限されない。
【0031】
前記組織クリアリング溶液は、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)、尿素、および塩化ナトリウム(NaCl)よりなる群から選ばれた一つ以上を含むことができ、この際、前記塩化ナトリウム(NaCl)の濃度は、0.001~1.0%(w/v)であり得、本発明の一具現例によれば、0.01~0.7%(w/v)、0.01~0.5%(w/v)、0.1~0.7%(w/v)、0.1~0.5%(w/v)、0.1~0.3%(w/v)、または0.3~0.5%(w/v)であり得るが、前記濃度に制限されない。
【0032】
前記洗浄溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびアジ化ナトリウムを含むことができる。この際、前記アジ化ナトリウムの濃度は、0.001~0.5%(w/v)であり得、本発明の一具現例によれば、0.01~0.4%(w/v)、0.01~0.3%(w/v)、0.01~0.2%(w/v)、または0.1%(w/v)であり得るが、前記濃度に制限されない。
【0033】
前記(b)段階で「バイオマーカー」は、DNA、RNA、代謝物質、タンパク質およびタンパク質断片等に由来する分子的情報として疾病の発生等により誘発された身体の変化を感知できる指標であって、疾病の発生および進行に関連する新しい薬物の開発、体外での疾病の早期発見、その予後を観察する体外分子診断技術、特定薬物に反応するバイオマーカーの個人別特性を規定する個人別オーダーメード医療技術、患者便宜的な診療環境を構築するためのユビキタスヘルスケアシステム等の開発に幅広く用いられている。バイオマーカーは、生命体で疾病の種類および発生と進行に応じて相違することから、特定疾患の有無や薬物反応状態等を客観的に測定できるようにする血液や体液内にある指標となる物質であり、この血液や体液を分析するだけで、疾病を早期に判断できるようにする役割がある。
【0034】
本発明において前記バイオマーカーは、分子バイオマーカーであり得、具体的には、DNAまたはRNAであり得るが、これに制限されない。
【0035】
本発明の一実施例では、生体組織試料を透明化した後(実施例1参照)、等温核酸増幅を用いて生体組織の3次元核酸映像を確認した(実施例2参照)。
【実施例】
【0036】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は本発明をさらに容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0037】
[実施例1.生体組織試料の透明化]
マウスから脳を摘出して3mmのサイズにスライスした後、スライスした脳試料を固定溶液に入れ、4℃で12時間の間反応させた。
【0038】
その後、試料を組織クリアリング溶液で37℃で6時間の間反応させた。
【0039】
前記組織クリアリング溶液で反応させた試料は、洗浄溶液に入れ、常温で6時間の間反応させて透明化させた。
【0040】
前記生体組織試料の透明化のために使用した溶液の構成成分は、下記表1に示した。
【0041】
【0042】
[実施例2.等温核酸増幅を用いた生体組織の3次元核酸映像の確認]
(2-1.マウス脳でのThy-1 mRNA等温核酸増幅結果の確認)
前記実施例1で透明化させたマウス脳試料にBst DNAポリメラーゼおよび逆転写酵素を含む酵素反応混合液を添加して、4℃で24時間の間振とうし、組織で等温増幅が可能であるかを判断するために、ニューロン、胸腺細胞、T細胞、および幹細胞マーカーとしてマウス脳組織神経で多く発現するThy-1(Thymocyte differentiation antigen 1)mRNAを等温で増幅させた。
【0043】
具体的に、前記マウス脳試料にThy1プライマー(プローブを含む)を添加して、4℃で12時間の間振とうし、2xバッファーで常温で6時間の間洗浄した。この際に使用したThy1プライマー(プローブを含む)は、下記表2に示した。
【0044】
前記洗浄後、dNTP(デオキシリボヌクレオチド三リン酸)を含む2xバッファーである反応バッファーで4℃で1時間の間反応させた後、58℃で5~20分間培養した。
【0045】
培養後、洗浄溶液で、常温で6時間の間反応させ、マウンティング溶液で37℃で6時間の間反応させた後、light sheetでThy-1 mRNAを検出した。
【0046】
前記Thy-1 mRNAの等温核酸増幅のために使用した溶液の構成成分は、下記表3に示した。
【0047】
その結果、
図1に示されたように、Thy-1 mRNAを等温核酸増幅させることによって、マウス脳におけるThy-1 mRNAの位置が緑色蛍光で鮮明に表示されたことを確認することができた。
【0048】
【0049】
【0050】
(2-2.マウス脳でのGAD-67 mRNA等温核酸増幅結果の確認)
前記実施例2-1の方法と同じ方法でマウス脳試料のGAD-67(Glutamic acid decarboxylase 67)mRNAを等温で増幅させた。この際に使用したGAD67プライマー(プローブを含む)は、下記表4に示した。
【0051】
その結果、
図2に示されたように、GAD-67 mRNAを等温核酸増幅させることによって、マウス脳におけるGAD-67 mRNAの位置が赤色で鮮明に表示されたことを確認することができた。
【0052】
【0053】
前記実施例の結果から、本発明による3次元核酸映像診断方法を使用する場合、組織透明化および等温増幅方法を通じて生体組織内バイオマーカーの位置確認による正確な診断が可能であることを確認した。
【0054】
上記に記述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明による等温核酸増幅を用いた生体組織の3次元核酸映像診断方法は、生体組織内で等温核酸増幅段階を通じて人体内遺伝情報を含んでいるDNAまたはRNAのような分子バイオマーカーを3次元に容易にイメージングして、癌をはじめとする様々な疾病を診断するのに有用に利用可能なものと期待される。
【配列表】