(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】悪臭除去用のラクトン含有組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20220602BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20220602BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220602BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20220602BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20220602BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A61K8/49
A23L29/00
A61K8/34
A61Q11/00
A61Q15/00
C11D3/50
(21)【出願番号】P 2017500085
(86)(22)【出願日】2015-07-02
(86)【国際出願番号】 IB2015001677
(87)【国際公開番号】W WO2016001761
(87)【国際公開日】2016-01-07
【審査請求日】2018-07-02
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-14
(32)【優先日】2014-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 亜貴子
(72)【発明者】
【氏名】ザノーネ ジョン ディー
(72)【発明者】
【氏名】マンロー マイケル ジェイ
【合議体】
【審判長】森井 隆信
【審判官】岡崎 美穂
【審判官】冨永 みどり
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-20526(JP,A)
【文献】特開2009-179711(JP,A)
【文献】特開2010-254898(JP,A)
【文献】特開2007-99782(JP,A)
【文献】特開2005-75821(JP,A)
【文献】特開2004-155681(JP,A)
【文献】特表2009-541578(JP,A)
【文献】特表2007-537325(JP,A)
【文献】特開2008-289899(JP,A)
【文献】特開2003-190264(JP,A)
【文献】特表平7-503281(JP,A)
【文献】特開平10-158257(JP,A)
【文献】特表2010-526047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61L9/00-9/22
A23L5/00-5/30,29/00-29/10
C11B1/00-15/00
C11C1/00-5/02
C11D1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)α-アンゲリカラクトン、β-アンゲリカラクトン、δ-2-デセノラクトン、および2(5H)フラノンからなる群から選択される少なくとも1種のラクトン、および
(b)オイゲノール、バニリルブチルエーテル(VBE)、およびサリチル酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種のフェノール化合物を含み、
口腔ケア製品、飲料または食品に使用するための悪臭除去組成物であって、
硫黄含有化合物によってもたらされた悪臭を除去するための悪臭除去組成物。
【請求項2】
悪臭マスキング化合物をさらに含む、請求項
1に記載の悪臭除去組成物。
【請求項3】
悪臭マスキング化合物が、メントール、酢酸アニシル、酢酸エチル、フェネチルアルコール、2-メチル酪酸エチル、酪酸エチル、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、シナモン、およびジンジャーからなる群から選択される、請求項
2に記載の悪臭除去組成物。
【請求項4】
3-(l-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、p-メンタン-3,8-ジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールからなる群から選択されるジオール溶媒をさらに含む、請求項1から
3までのいずれかに記載の悪臭除去組成物。
【請求項5】
請求項1から
4までのいずれかに記載の悪臭除去組成物を含み、
口腔ケア製品、飲料または食品である最終製品であって、
硫黄含有化合物によってもたらされた悪臭を除去するための最終製品。
【請求項6】
口腔ケア製品が練り歯磨き、マウスリンス、ブレスミント、デンタルフロス、またはガムを含む、請求項
5に記載の最終製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2014年7月3日出願の米国特許仮出願第62/020,908号および2014年7月3日出願の米国特許仮出願第62/020,915号に対する利益を主張し、それぞれの優先権を主張するものであり、それぞれ参照により全体として組み込まれる。
本開示の主題は、望ましくない悪臭、例えば硫黄含有化合物およびアミン含有化合物の存在による望ましくない悪臭を改善する組成物に関する。本開示の組成物は、食物、飲料、練り歯磨き、洗口液、他の経口消費可能製品、動物ケア製品、清浄用製品、および脱臭用製品を含めて、様々な製品に添加することができるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
望ましくない味を経口消費製品にもたらす口臭を様々な材料によって一時的に軽減できることは、当技術分野において公知である。これらの材料としては、例えば抗細菌剤、酵素成分含有または不含天然抽出物、抗酸化剤、キレート剤、ならびにフレグランスおよびフレーバー材料が挙げられる。口臭を制御することが知られている他の物質としては、第四級アンモニウム化合物、トリクロサン、重曹、塩化セチルピリジニウム、シクロヘキシジン、亜鉛塩、第一スズ塩、抗細菌性フレーバー材料、精油、および天然抽出物、例えばポリフェノールが挙げられる。
これらの材料は、口腔に適用されると様々な方式で口臭抑制効果をもたらすことができる。例えば、抑制効果は、悪臭材料との化学反応または悪臭の単なるマスキングによって、悪臭発生を予防することによるものであり得る。米国特許出願公開第2008/0311054号には、不飽和アルカン酸エステルを使用した、口臭を相殺する組成物が記載されている。これらの活性成分は口腔細菌を生成する酵素を阻害することがわかった。同様に、米国特許出願公開第2008/0247966号は、細菌酵素阻害に基づいた、口臭を相殺する組成物に関する。
悪臭を低減しようとする他の物質は当技術分野において公知である。例えば、米国特許第8,007,771号には、口腔ケア組成物中における悪臭および異味の発生を予防する保護剤成分が開示されている。さらに、米国特許出願公開第2008/0085246号は、悪臭呼気を引き起こす微生物の増殖を阻害する方法を教示している。
【0003】
悪臭を中和またはマスクする悪臭相殺(counteractancyまたはcounteracting)(MOC)方法が知られている。例えば、米国特許出願公開第2010/0028288号および国際公開第2008/026140号には、消費者製品に使用するための、少なくとも1種のニトリル材料を別のフレグランス材料と組み合わせて含むMOC組成物が開示されている。米国特許出願公開第2012/0052031号および国際公開第2010/8146556号には、汗臭を少なくとも低減することができるMOC組成物が開示されている。これらの組成物は、培地中におけるスタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)酵素活性により発生した悪臭に対する悪臭抑制係数が少なくとも25%であるMOC原料を少なくとも1種含有する。国際公開第2005/110499号には、フェニルエチルメチルエーテル、シプリゼート(cyprisate)、カモナール(camonal)およびp-クレシルメチルエーテルからなる群から選択される臭気低減材料を少なくとも1種含む、悪臭アミンを相殺するための臭気低減組成物が開示されている。
【0004】
国際公開第2007/071085号には、悪臭分子に化学結合すると言われているエステル化されたフマレートを含む、口臭を相殺する組成物が記載されている。しかし、これらの相殺する組成物は実用的ではなく、よくみられるフレーバー材料は高価であり、入手が困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術で使用される様々な材料は、渋みもしくは金属味を含めて、不快な効果を引き起こす可能性があり、または経口消費可能製品において不安定である。悪臭を単にマスクする組成物は悪臭知覚を低減させるにすぎない。それらは悪臭を除去せず、悪臭が口腔に残存する。したがって、経口消費製品における悪臭材料を削減できる組成物の改良が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の主題は、悪臭、例えば硫黄含有化合物およびアミン含有化合物によってもたらされた悪臭の効率的な除去を実現する悪臭除去組成物を提供する。
一実施形態において、本開示の主題は、少なくとも1種のラクトンを含む悪臭除去組成物を提供する。一実施形態において、本開示の主題は、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む悪臭除去組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種のラクトンは、α-アンゲリカラクトン、β-アンゲリカラクトン、ミントラクトン、δ-2-デセノラクトン、2(5H)フラノン、およびそれらの組合せからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種のフェノール化合物は、オイゲノール、Hotact(登録商標) VBE、Hotact(登録商標) VEE、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、ラズベリーケトン、チモール、バニリン、エチルバニリン、バニトロープ、およびそれらの組合せからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本開示の主題の悪臭除去組成物は、悪臭マスキング化合物をさらに含む。悪臭マスキング化合物は、メントール、酢酸アニシル、酢酸エチル、フェネチルアルコール、2-メチル酪酸エチル、酪酸エチル、プロピレングリコール、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、シナモン、およびジンジャー、およびそれらの組合せからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本開示の主題の悪臭除去組成物は、ジオール溶媒をさらに含む。ジオール溶媒は、3-(l-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、p-メンタン-3,8-ジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの組合せからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
本開示の主題は、上記の悪臭除去組成物を含む口腔ケア最終製品も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】快不快尺度は製剤Jのミント練り歯磨きを評価する臨床試験から得られるグラフである。各時点において処置群間で統計処理を行った。同じ文字の付いた棒には有意差がない(p<0.05)。
【
図2】快不快尺度は製剤Oの洗口液を評価する臨床試験から得られるグラフである。各時点において処置群間で統計処理を行った。同じ文字の付いた棒は95%未満有意である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では「悪臭除去」または「悪臭抑制」は、悪臭の知覚の単なるマスキング(すなわち、隠蔽)とは対照的に、悪臭の原因となる材料の少なくとも部分除去を指す。
本明細書では「悪臭除去組成物」は、悪臭の知覚を単にマスク(すなわち、隠蔽)する組成物とは対照的に、例えば悪臭の原因となる構成要素との化学反応により、悪臭の原因となる材料の少なくとも部分除去を容易にする組成物または生成物を指す。いくつかの実施形態において、悪臭の原因となる構成要素は悪臭除去組成物の成分または原料の少なくとも1種と反応して、快くなるまたは少なくとも不快でなくなる新規化合物を少なくとも1種形成する。いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物の成分または原料の少なくとも1種は、悪臭の原因となる様々な構成要素、特に、チオールおよびアミンを含むがこれらに限定されない悪臭の原因となる構成要素と反応しやすい特異的化学官能基を有する。
本明細書では「悪臭マスキング化合物」は、悪臭の知覚をマスクし、それによって快い知覚を経口消費製品の消費者にもたらす、あるいはその他の方法で、それが適用された製品(例えば、経口消費された消費者製品)をより魅力的にしまたは不快でなくする化合物を指す。悪臭マスキング化合物は、悪臭の原因となる構成要素と化学的に相互作用して、新規化合物を作り出すことはない。
【0009】
本明細書では「消費者製品」または「最終製品」は、市販の効能のために消費者によって使用される用意ができている形の本開示の組成物を含む製品を指す。例えば、限定するものではないが、洗口液またはマウスリンスの消費者製品は、(例えば、口臭および/または歯垢を改善するために)口腔衛生を改善するための経口および/または頬側使用を適応とする消費者製品を指す。より広範な製品例はさらに以下に含まれる。そのような製品は、対象の口腔、唇下、舌下、および/または頬側投与に適した形(例えば、含嗽剤またはリンス剤)をとることができる。そのような製品は、経口消費用の形をとることもできる。
本明細書では「消費者製品での使用に適した溶媒」は、最終製品の他の成分と組み合わせたとき、最終製品をその所期の使用に不向きとするものではない溶媒である。例えば、限定するものではないが、洗口液またはマウスリンスでの使用に適した溶媒は、最終製品が示されたように経口消費(例えば、うがい、リンスおよび/または嚥下)される能力を損なわない溶媒でなければならない。
【0010】
本明細書では「ppm」は百万分率を意味し、質量の相対的パラメーターである。1百万分率は1g当たり1μgであり、したがって1ppmで存在する成分は、凝集混合物1g当たり特定成分1μgまたは水1リットル中の1mgで存在する。
本明細書では「相乗」、「相乗的に」、または「相乗効果」とは、2種以上の個々の成分によって生成した効果を指し、これらの成分が組み合わせて利用されたときに生成した全効果は、各成分が単独で作用する個々の効果の合計より大きい。
本明細書では「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、当業者によって決定されるように、特定の値に対する許容できる誤差範囲内を意味し、その値の測定または決定方法、すなわち計測システムの限界によっても部分的に影響を受ける。例えば、「約」は、当技術分野における慣行に従って、3標準偏差以内または3を超える標準偏差を意味することができる。あるいは、「約」は所与の値の最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、より好ましくはさらに最大1%の範囲を意味することができる。
【0011】
悪臭除去組成物
本開示の主題は少なくとも1種のラクトンを含む悪臭除去組成物を提供する。本開示の主題は、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む悪臭除去組成物も提供する。
少なくとも1種のラクトンと少なくとも1種のフェノール化合物の組合せは、悪臭の抑制および/または除去に対して測定可能な利益をもたらす。いくつかの実施形態において、組合せによって、驚くべき予想外の悪臭抑制および悪臭除去が実現する。例えば、少なくとも1種のラクトンと少なくとも1種のフェノール化合物の組合せによって、各化合物単独の単なる相加作用より高い悪臭抑制または除去が実現する。
【0012】
ラクトン
本開示の主題によれば、本開示の組成物は少なくとも1種のラクトンを含む。いくつかの実施形態において、ラクトンは3員、4員、5員、6員、7員、または8員のラクトン環を含む。いくつかの実施形態において、ラクトンは、不飽和結合を有するまたは有さない5員ラクトン環を含む。いくつかの実施形態において、ラクトンは少なくとも1個の不飽和結合を有する5員ラクトン環を含む。いくつかの実施形態において、ラクトンは、式1aまたは式1bで表わされる化学構造を有することができる、少なくとも1個の不飽和結合を有する5員ラクトン環を含み、式中、R
1、R
2、R
3、およびR
4は独立して、水素、ヒドロキシル、および脂肪族C
1-C
8からなる群から選択することができ、脂肪族C
1-C
8は直鎖または分枝とすることができ、独立して飽和または不飽和とすることができる。いくつかの実施形態において、あるいはR
2とR
3は一緒になって、6員炭素環式環を形成することができ、その6員炭素環式環は、飽和、不飽和、または芳香族とすることができ、1個または複数の脂肪族C
1-C
8置換基でさらに置換されていてもよく、直鎖または分枝とすることができ、独立して飽和または不飽和とすることができる。いくつかの実施形態において、R
1はヒドロキシル基ではない。いくつかの実施形態において、R
2はヒドロキシル基ではない。
【化1】
【0013】
少なくとも1個の不飽和結合を有する5員ラクトン環を含むラクトンの例としては、α-アンゲリカラクトン、β-アンゲリカラクトン、ミントラクトン、5,5-ジメチル-2(5H)-フラノン、5-エチル-2(5H)-フラノン、5-ペンチル-2(5H)-フラノン、5-ヘキシル-2(5H)-フラノン、5-ペンチル-2(3H)-フラノン、4-メチル-3-ペンチル-2(5H)-フラノン、および2(5H)-フラノンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ラクトンはα-アンゲリカラクトンである。他の実施形態において、ラクトンはβ-アンゲリカラクトンである。いくつかの実施形態において、α-アンゲリカラクトンとβ-アンゲリカラクトンが使用される。というのは、それら自体あたりさわりのない臭気を(別個にまたは一緒に)有するからである。それらには臭気がほとんどないので、どんな量でも、それらが添加される組成物の臭気または味に影響を及ぼすことなく、別個にまたは一緒に使用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、ラクトンは不飽和結合を全く有さない5員ラクトン環を含む。そのようなラクトンの例としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-デカラクトン、ジヒドロジャスモンラクトン、およびジヒドロミントラクトン(別名Natactone(商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
さらに、あるいは、ラクトンは不飽和結合を有するまたは有さない6員ラクトン環を含む。いくつかの実施形態において、ラクトンは少なくとも1個の不飽和結合を有する6員ラクトン環を含む。ラクトンは、少なくとも1個の不飽和結合を有する6員ラクトン環を含み、式2a、2b、または2cで表わされる化学構造を有することができ、式中、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10は独立して、水素、ヒドロキシル、および脂肪族C
1-C
8からなる群から選択することができ、脂肪族C
1-C
8は直鎖または分枝とすることができ、独立して飽和または不飽和とすることができる。式2aのいくつかの実施形態において、R
8とR
9は一緒になって、6員炭素環式環を形成することができ、その6員炭素環式環は、飽和、不飽和、または芳香族とすることができ、1個または複数の脂肪族C
1-C
8置換基でさらに置換されていてもよく、直鎖または分枝とすることができ、独立して飽和または不飽和とすることができる。
【化2】
少なくとも1個の不飽和結合を有する6員ラクトン環を含むラクトンの例としては、δ-2-デセノラクトン、クマリン、および6-メチルクマリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
他の実施形態において、ラクトンは不飽和結合を全く有さない6員ラクトン環を含む。不飽和結合を全く有さない6員ラクトン環を含むラクトンの例としては、δ-デカラクトン、δ-ドデカラクトン、およびシクロヘキシルラクトンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示のラクトン(例えば、α,β-不飽和ラクトン)は、マイケル付加反応により(スキーム1および2に示すように)、求核性悪臭材料、例えばチオールおよびアミンと反応して、悪臭を除去することができる。
【化3】
【化4】
代替実施形態において、開環反応によりラクトンは悪臭材料と反応することができる。
【0017】
スキーム3は、マイケル付加反応(スキーム3a)および開環反応(スキーム3b)により形成される考え得る反応生成物を示す。
【化5】
【化6】
【0018】
フェノール化合物
いくつかの実施形態において、少なくとも1種のフェノール化合物が本開示組成物中に存在している。フェノール化合物は、例えばフェノール、p-クレゾール、カルバクロール、チモール、ラズベリーケトン、サリチレート、O-アセチル置換アニソール、および2-アルコキシフェノールとすることができる。いくつかの実施形態において、フェノール化合物はチモールである。別の実施形態において、フェノール化合物はラズベリーケトンである。もう1つの実施形態において、フェノール化合物はバニリンである。
【0019】
いくつかの実施形態において、フェノール化合物はサリチレートである。サリチレートの例としては、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸cis-3-ヘキセニル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸プレニル、サリチル酸イソプロポキシエチル、サリチル酸2-メチルブチル、およびサリチル酸p-クレシルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、フェノール化合物はサリチル酸メチルである。
いくつかの実施形態において、フェノール化合物はO-アセチル置換アニソールである。O-アセチル置換アニソールの例としては、アセチルバニリン、アセチルオイゲノール、およびアセチルイソオイゲノールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、フェノール化合物はオイゲノールである。
【0020】
いくつかの実施形態において、フェノール化合物は2-アルコキシフェノールである。2-アルコキシフェノールの例としては、オイゲノール、イソオイゲノール、ジヒドロオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、バルスパイス(valspice)(別名「クレオソール」)、グアイアコール、バニリン、エチルバニリン、エチルグアイアコールバニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、Hotact(登録商標) VBE(バニリルブチルエーテル)、Hotact(登録商標) VEE(バニリルエチルエーテル)、Hotact(登録商標)-1MM(4-(メトキシメチル)-2-(3’-メトキシ-4’-ヒドロキシフェニル)-1,3-ジオキソラン)、ジンゲロン、ショウガオール、ギンゲロール、バニリルアルコール、エチルバニリルアルコールおよびバニトロープが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、フェノール化合物はオイゲノールである。一実施形態において、フェノール化合物はHotact(登録商標) VBE(バニリルブチルエーテル)である。いくつかの実施形態において、フェノール化合物はHotact(登録商標) VEEである。別の実施形態において、フェノール化合物はバニトロープである。もう1つの実施形態において、フェノール化合物はバニリンである。
【0021】
組成物
本開示の主題によれば、悪臭組成物は少なくとも1種のラクトンを含む。悪臭除去組成物中のラクトンの量は、悪臭除去組成物の性質により異なる。例えば、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約99.9%、約0.1%~約1%、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約99%、約0.5%~約90%、約0.65%~約80%、約0.8%~約70%、約1%~約60%、約5%~約50%、約10%~約40%、約5%~約10%、約0.1%~約2%、約0.1%~約0.2%、約0.2%~約0.5%、約0.5%~約1%、1%~約1.2%、約1.2%~約1.5%、または約1.5%~約2%の量で存在することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約10%、約0.25%~約10%、約0.5%~約10%、約0.75%~約10%、約1.5%~約10%、約2%~約10%、約2.5%~約10%、約3%~約10%、約3.5%~約10%、約4%~約10%、約4.5%~約10%、約5%~約10%、約5.5%~約10%、約6%~約10%、約6.5%~約10%、約7%~約10%、約7.5%~約10%、約8%~約10%、約8.5%~約10%、または約9%~約10%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約5%、約0.25~約5%、約0.5%~約5%、約0.75%~約5%、約1.5%~約5%、約2%~約5%、約2.5%~約5%、約3%~約5%、約3.5%~約5%、または約4%~約5%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.0001%~約0.1%、約0.00015%~約0.05%、約0.0002%~約0.01%、約0.00025%~約0.005%、約0.0003%~約0.001%、または約0.00035%~約0.0005%の量で存在することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約30%~約90%、約30%~約85%、約30%~約80%、約30%~約75%、約30%~約70%、約30%~約65%、約30%~約60%、約30%~約55%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、または約60%~約70%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約40%~約90%、約45%~約90%、約50%~約90%、約55%~約90%、約60%~約90%、約65%~約90%、約70%~約90%、約75%~約90%、約80%~約90%、および約85%~約90%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約30%~約90%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約40%~約50%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約60%~約70%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%、または約30%以下で存在している。
【0024】
一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.5%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約0.8%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約1.5%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約1.8%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約2%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約2.3%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約2.5%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約3%の量で存在している。別の実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約8%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約10%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約13%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約25%の量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約26%の量で存在している。いくつかの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約40%からの量で存在している。別の実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約42%からの量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約43%の量で存在している。もう1つの実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約45%からの量で存在している。一実施形態において、ラクトンは、全悪臭除去組成物の質量比約61%の量で存在している。
【0025】
フェノール化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約99.9%、約0.1%~約1%、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約99%、約0.5%~約90%、約0.65%~約80%、約0.8%~約70%、約1%~約60%、約5%~約50%、約10%~約40%、約5%~約10%、約0.1%~約2%、約0.1%~約0.2%、約0.2%~約0.5%、約0.5%~約1%、約1%~約1.2%、約1.2%~約1.5%、または約1.5%~約2%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、フェノール化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約0.00001%~約0.1%、約0.000015%~約0.05%、約0.00002%~約0.01%、約0.000025%~約0.005%、約0.00003%~約0.001%、約0.000035%~約0.0005%、約0.00004%~約0.0001%、または約0.000045%~約0.00005%の量で存在している。いくつかの実施形態において、フェノール化合物は、全悪臭除去組成物の質量比少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%の量で存在している。
【0026】
いくつかの実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約10%~約20%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約11%の量で存在している。別の実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約18%の量で存在している。いくつかの実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約1%~約10%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.001%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.04%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.4%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.5%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約1%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約1.8%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約3%の量で存在している。別の実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約4%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約5%の量で存在している。別の実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約6%の量で存在している。もう1つの実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約7%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約8%の量で存在している。一実施形態において、フェノール化合物は全悪臭除去組成物の質量比約10%の量で存在している。
【0027】
本開示の主題によれば、悪臭除去組成物中におけるラクトンとフェノール化合物の比は、悪臭除去組成物の性質により異なる。ラクトンとフェノール化合物の比は約1:1とすることができる。いくつかの実施形態において、ラクトンはフェノール化合物より少ない量で存在している。例えば、ラクトンとフェノール化合物の比は約1:2~約1:10とすることができる。様々な実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、または約1:10である。一実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約1:2.7である。一実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約1:2.3である。一実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約1:2.4である。
【0028】
いくつかの実施形態において、ラクトンはフェノール化合物より多い量で存在している。例えば、ラクトンとフェノール化合物の比は約2:1~約100:1とすることができる。いくつかの実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約10:1~約100:1である。様々な実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約30:1、約40:1、約50:1、約60:1、約70:1、約80:1、約90:1、または約100:1である。一実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約4:1である。別の実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約10:1である。別の実施形態において、ラクトンとフェノール化合物の比は約11:1である。
【0029】
本開示の主題によれば、最終製品は、本開示の悪臭除去組成物および最終製品での使用に適した溶媒(例えば、洗口液またはフレグランスでの使用に適した溶媒)を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は有機溶媒である。いくつかの実施形態において、有機溶媒としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、およびtert-ブタノールなどの低級アルコール;2-ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール、ブチルアルコール、セタノール、およびステアリルアルコールなどの高級アルコール;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ソルビトール、およびマルチトールなどのポリオール;スクアラン、流動パラフィン、液状ラノリン、ワセリン、および固形パラフィンなどの炭化水素;パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸セチル、乳酸セチル、1-イソステアロイル-3-ミリストイルグリセロール、イソステアリン酸コレステリル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸2-オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール、炭酸ジカプリリル、およびジ-パラ-メトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール(diethylenegylcol)ジメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル;ベニバナ油、ヒマワリ油、ローズマリー油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、オレンジ油、米糠油、トリエチルヘキサノイン、およびトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどの脂肪および脂肪油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、およびジフェニルポリシロキサンなどの線状鎖ポリシロキサンを含めて、シリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環式ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、およびフッ素変性ポリシロキサンなどの変性ポリシロキサンなど;クエン酸トリエチル、トリアセチン(三酢酸グリセリン)およびMCT(中鎖トリグリセリド)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
一実施形態において、溶媒はジオール溶媒またはアルコールである。いくつかの実施形態において、ジオール溶媒またはアルコールは、3-(l-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール(高砂香料工業株式会社から市販)、p-メンタン-3,8-ジオール(高砂香料工業株式会社から市販)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチルアルコール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、溶媒はプロピレングリコールである。
【0031】
溶媒は、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約99.9%、 約0.1%~約1%、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約99%、約0.5%~約90%、約0.65%~約80%、約0.8%~約70%、約1%~約60%、約5%~約50%、約10%~約40%、約5%~約10%、約0.1%~約2%、約0.1%~約0.2%、約0.2%~約0.5%、約0.5%~約1%、1%~約1.2%、約1.2%~約1.5%、または約1.5%~約2%の量で存在することができる。溶媒は、全悪臭除去組成物の質量比約10%~約90%、約25%~約35%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約35%~約67%、約35%~約40%、約40%~約60%、または約60%~約70%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、溶媒は、全悪臭除去組成物の質量比約0.0001%~約0.1%、約0.00015%~約0.05%、約0.0002%~約0.01%、約0.00025%~約0.005%、約0.0003%~約0.001%、または約0.00035%~約0.0005%の量で存在することができる。
【0032】
もう1つの実施形態において、溶媒は全悪臭除去組成物の質量比約25%の量で存在している。もう1つの実施形態において、溶媒は全悪臭除去組成物の質量比約35%の量で存在している。もう1つの実施形態において、溶媒は全悪臭除去組成物の質量比約40%の量で存在している。もう1つの実施形態において、溶媒は全悪臭除去組成物の質量比約67%の量で存在している。
【0033】
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、少なくとも1種の悪臭マスキング化合物をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、悪臭マスキング化合物は、メントール、酢酸アニシル、酢酸エチル、フェネチルアルコール、2-メチル酪酸エチル、酪酸エチル、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、シナモン、ジンジャー、およびそれらの組合せからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
【0034】
悪臭マスキング化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約99.9%、約0.1%~約1%、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約99%、約0.5%~約90%、約0.65%~約80%、約0.8%~約70%、約1%~約60%、約5%~約50%、約10%~約40%、約5%~約10%、約0.1%~約2%、約0.1%~約0.2%、約0.2%~約0.5%、約0.5%~約1%、1%~約1.2%、約1.2%~約1.5%、または約1.5%~約2%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、マスキング化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約0.0001%~約0.1%、約0.00015%~約0.05%、約0.0002%~約0.01%、約0.00025%~約0.005%、約0.0003%~約0.001%、または約0.00035%~約0.0005%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、マスキング剤は、全悪臭除去組成物の質量比約0.1%~約90%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.47%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約2.5%、約2%~約4%、約25~約7%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約 の量で存在することができる。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は、全悪臭除去組成物の質量比約50%~約99%、約40%~約99%、約40%~約60%、約60%~約80%、または約60%~約90%の量で存在している。
【0035】
もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.1%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.3%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約0.4%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約1.5%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約2%~約15%、約2%~約20%、約2%~約30%、約2%~約50%、約2%~約60%、約2%~約70%、約2%~約80%、または約2%~約85%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約2.5%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約3%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約4%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約7%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約10%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約12%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約16%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比17%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約18%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約20%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約22%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約24%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約25%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約28%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約40%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約50%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約67%の量で存在している。もう1つの実施形態において、悪臭マスキング化合物は全悪臭除去組成物の質量比約85%の量で存在している。
【0036】
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は少なくとも1種の賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、賦形剤は、亜鉛塩、第一スズ塩、重曹、ポリフェノール、精油、ならびに/または抗細菌剤、例えば第四級アンモニウム、塩化セチルピリジニウム(cethylpyridinium)、シクロヘキシジン、トリクロサン、および抗細菌性フレーバー材料、デキストロース、スクロース、もしくは他のサッカリド、ソルビトール、マンニトール、イソマルチトール(isomalitol)、アルコール、不溶性フィラー(例えば、エラストマー、樹脂、脂肪、蝋、および油)、エラストマー可塑剤、乳化剤、希釈剤、柔軟剤、水不溶性矯味剤、水溶性バッファー化学薬品、抗酸化剤、保水剤、研摩剤、結合剤、安定剤、崩壊剤、界面活性剤、粘着防止剤(anti-adherent)、カプセル化用被覆剤、流動化剤、滑沢剤、保存剤、収着剤、増白剤、およびフッ化物、食用カルシウム粉末(例えば、炭酸カルシウム)、ケイ素、水溶性ポリマー、酸性化剤、または担体とすることができるが、これらに限定されない。
【0037】
一実施形態において、本開示の悪臭除去組成物は、亜鉛塩、第一スズ塩、重曹、ポリフェノール、精油、ならびに/または抗細菌剤、例えば第四級アンモニウム、塩化セチルピリジニウム、シクロヘキシジン、トリクロサン、および抗細菌性フレーバー材料などの賦形剤と組み合わせられるが、これらに限定されない。
【0038】
最終製品
本開示の主題の悪臭除去組成物は、練り歯磨き、歯磨き粉、歯磨きジェル、洗口液またはマウスリンス消費者製品、デンタルフロス、義歯ケア製品、菓子(例えば、ハードまたはソフトキャンディ)、ブレスミント、錠剤、溶けるブレスストリップ(breath strip)、ガム、トローチ、および製薬製品または医薬品(例えば、頬側投与に適した製薬製品)を含めて、様々な口腔ケア最終製品で使用することができるが、これらに限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、果汁飲料、スポーツドリンク、野菜ジュース、乳酸発酵飲料、炭酸飲料、コーヒー、ココア、茶(例えば、紅茶、ウーロン茶緑茶)、日本酒、アルコール、および粉末飲料などの飲料;キャンディ、チューインガム、錠剤化キャンディ、ガム状キャンディ、ソーダポップキャンディ、およびチョコレートなどの菓子製品;クッキー、ビスケット、およびパンなどのベーカリー製品;ヨーグルト、アイスクリーム、およびジャムなどのデザート(desert);ポテトチップやクラッカーなどのスナック;シチュー、カレー、スープ、ドレッシング、ディップ、ヌードルスープ、ブイヨンストック、味噌、即席食品ブイヨン、ソース、ブイヨン、味噌汁、ピクルス、おにぎりのトッピング、茶および米飯のトッピング、コムギ、ソバ、およびヌードルなどの半調理済みもしくは調理済み食物、またはそれらのチルド食品および冷凍食品;即席ヌードルなどの即席食品;粉末状混合調味料などの調味料;マヨネーズ、マスタード、およびタマネギベース食品などのサラダドレッシングおよび香辛料;ニンニクベース食品;ならびに卵および卵ベース食品を含めて、食物および飲料で使用されるが、これらに限定されない。本開示の主題の悪臭除去組成物は、ミルク、コンデンスミルク、エバミルク、スキムミルク、バター、クリーム、ホイップクリーム、乳製品矯味剤、ヨーグルト、チーズ、クリームチーズ、またはサワークリームを含めて、様々な消費者製品で使用することができるが、これらに限定されない。
【0040】
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、ドライシャンプー、浴用石けん、パヒューム石けん、クリア石けん、合成石けん;ボディ石けん、ボディシャンプー、手洗い用石けん、バスソルト、バスタブレット、バスフォーム(foam bath)(例えば、バスバブル(bubble bath)、バスパヒュームやバスカプセルなどのバスオイル)、バスミルク(milk bath)、バスゼリー、およびバスキューブを含めて、パーソナルケア製品で使用されるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、衣類用洗浄剤、液体洗濯洗浄剤、洗濯石けん、コンパクト洗浄剤、汎用洗浄剤、柔軟剤、家庭用清浄剤、ハウスウォッシュ(house wash)、トイレ清浄剤、浴室清浄剤、ガラス清浄剤、殺真菌剤、および排水管用清浄剤、台所用石けん、台所用合成石けん、および皿洗い用洗浄剤、漂白剤(beaching agent)、酸化型漂白剤(例えば、塩素系漂白剤および酸素系漂白剤)、還元型漂白剤(例えば、硫黄含有漂白剤)、蛍光漂白剤、スプレーエアロゾル、粉末スプレー、脱臭芳香剤(例えば、固体、ゲルおよび液体脱臭剤)、芳香剤、カーフレッシュナー、ルームフレッシュナー、蝋燭、ならびにじゅうたん脱臭剤を含めて、清浄用製品で使用されるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、シャンプー、バスパウダー、ドライシャンプー、清拭用クロス、脱臭スプレー、ペット用床敷脱臭剤、ペット用練り歯磨き、チュートイ、ペットフード、ペット用トリーツ、猫用リター、猫用リターライナー、および猫用トイレ脱臭剤を含めて、動物ケア製品で使用されるが、これらに限定されない。
【0041】
熟練のフレーバーリストまたはフレグランススペシャリストによって理解されるように、所与の最終製品中における悪臭除去組成物の使用レベル(または全量)は、悪臭除去組成物が添加される最終製品、熟練のフレーバーリストまたはフレグランススペシャリストによって所望される味または香りのプロファイル、および加工によって変わり得る。悪臭除去組成物の成分または原料の様々な組合せによって、使用レベルが最終製品の用途および剤形(例えば、練り歯磨きであるのかそれともゲルの形をしているのか)に応じて高くまたは低くなり得ることも起こり得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、本開示の主題の悪臭除去組成物は、ラクトンおよびことによるとフェノール化合物を含めて、これらの組成物の成分または原料が、チオールやアミンなどの悪臭の原因となる構成要素と極性環境(水、アルコール、またはジオール溶媒(例えば、プロピレングリコール)などであるが、これらに限定されない)中で反応できる程度に十分に親水性である。いくつかの実施形態において、悪臭除去組成物は、口腔などの水性環境における悪臭除去に特に適している。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示の主題の悪臭除去組成物を好適な溶媒と組み合わせ、消費者製品、例えば口腔パーソナル最終製品で(例えば、作製する際に)使用する。悪臭除去組成物は口腔ケア最終製品に快い効果をもたらし、それらの口腔ケア最終製品を消費者は一般的に気持ちよいと感じる。好適な溶媒は、最終製品の他の成分と組み合わせたとき、最終製品をその所期の使用に不向きとするものではない溶媒である。例えば、限定するものではないが、洗口液またはマウスリンスでの使用に適した溶媒は、最終製品が示されたように経口消費(例えば、うがい、リンスおよび/または嚥下)される能力を損なわない溶媒でなければならない。
【0043】
一実施形態において、最終製品は洗口液またはマウスリンス消費者製品である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全洗口液またはマウスリンス消費者製品の質量比約0.001%~約3%、約0.01%~約1.5%、約0.05%~約1%、または約0.1%~約0.5%である。
洗口液またはマウスリンス消費者製品は、当業者に公知であるいずれかの好適な方法で調製することができる。例えば、洗口液またはマウスリンス消費者製品は、(液体または粉末の形で存在している)悪臭除去組成物を、例えばメントールなどのフレーバーおよび界面活性剤をさらに含む好適な溶媒に溶解し、次いで、得られた溶液を例えばエリスリトール水溶液と混合することによって調製することができる。いくつかの実施形態において、フレーバーは、全洗口液またはマウスリンス消費者製品の質量比約0.05%~約0.5%、約0.075%~約0.45%、約0.1%~約0.4%、約0.25%~約0.35%、約0.1%~約0.4%、または約0.2%~約0.5%存在している。いくつかの実施形態において、フレーバーは、全洗口液またはマウスリンス消費者製品の質量比少なくとも約0.05%、少なくとも約0.06%、少なくとも約0.07%、少なくとも約0.08%、少なくとも約0.09%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、または少なくとも0.5%から存在している。いくつかの実施形態において、界面活性剤はフレーバーの量の約2~約5倍、約3~約5倍、約4~約5倍、約3~約4倍存在している。
【0044】
一実施形態において、最終製品は練り歯磨き消費者製品である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全練り歯磨き消費者製品の質量比約0.1%~約3.0%、約0.5%~約2.0%、約0.65%~約1.65%、または約0.8%~約1.3%である。
一実施形態において、最終製品はデンタルフロスである。悪臭除去組成物の使用レベルは、デンタルフロス消費者製品の全被覆の質量比約0.2%~約3.5%、約0.4%~約3.0%、約0.6%~約2.5%、または約0.8%~約2%である。
一実施形態において、最終製品は義歯粘着剤製品である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全義歯粘着剤製品の質量比約0.05%~約10%、約0.1%~約9%、約0.15%~約8%、約1%~約7%、約1.5%~約6%、約2%~約5%、または約2.5%~約4%である。
一実施形態において、最終製品は義歯用清浄剤(例えば、ペースト、ゲル、粉末等)製品である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全義歯清浄剤製品の質量比約0.05%~約10%、約0.1%~約9%、約0.15%~約8%、約1%~約7%、約1.5%~約6%、約2%~約5%、または約2.5%~約4%である。
一実施形態において、最終製品はチューインガムである。悪臭除去組成物の使用レベルは、全チューインガム製品の質量比約0.1%~約6.0%、約0.15%~約5.5%、約0.2%~約5.0%、約0.25%~約4.5%、約0.3%~約4.0%、約0.35%~約3.5%、約0.4%~約3.0%、約0.45%~約2.5%、約0.5%~約2.0%、約0.55%~約1.5%、または約0.6%~約1.0%である。
【0045】
一実施形態において、最終製品は錠剤である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全錠剤製品の質量比約0.05%~約10%、約0.1%~約9%、約0.15%~約8%、約1%~約7%、約1.5%~約6%、約2%~約5%、または約2.5%~約4%である。
一実施形態において、最終製品は香錠である。悪臭除去組成物の使用レベルは、全香錠製品の質量比約0.1%~約6.0%、約0.15%~約5.5%、約0.2%~約5.0%、約0.25%~約4.5%、約0.3%~約4.0%、約0.35%~約3.5%、約0.4%~約3.0%、約0.45%~約2.5%、約0.5%~約2.0%、約0.55%~約1.5%、または約0.6%~約1.0%である。
【0046】
一実施形態において、最終製品はハードキャンディである。悪臭除去組成物の使用レベルは、全ハードキャンディ製品の質量比約0.1%~約6.0%、約0.15%~約5.5%、約0.2%~約5.0%、約0.25%~約4.5%、約0.3%~約4.0%、約0.35%~約3.5%、約0.4%~約3.0%、約0.45%~約2.5%、約0.5%~約2.0%、約0.55%~約1.5%、または約0.6%~約1.0%である。
悪臭除去組成物およびそれらを含む最終製品は、当技術分野において周知である追加のフレーバー成分および賦形剤をさらに含むことができる。公知のフレーバー成分の例は、米国食品香料製造者協会(FEMA:Flavor and Extracts Manufacturers Association of the United States)出版物、特に一般に安全(FEMA-GRAS)材料と認められる化合物にみることができる。本開示の主題の悪臭除去組成物は、Allured’s Flavor and Fragrance Materials (2004), published by Allured Publishing Inc.に記載されている1種または複数の成分をさらに含んでもよい。
【実施例】
【0047】
以下の例は本開示の主題の例示にすぎず、決して本開示の主題の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
スクリーニング例
概要
例1~6は、悪臭除去組成物に有用な化合物を同定および標的にするための一連のスクリーニングアッセイを示す。
【0048】
メチルメルカプタン抑制分析を使用して、化合物の悪臭除去効果を評価した。メチルメルカプタンは主要な口臭物質であることが知られている。例えば、メチルメルカプタンは口臭患者の口腔に認められ、悪臭発生食品(例えば、ニンニク)にも認められる。マルチパーパスサンプラー(MPS 2、Gerstel Inc社、Baltimore MD)-ガスクロマトグラフィー(6890N、Agilent Technologies Inc社、Wilmington DE)とパルス型炎光光度検出器(PFPD、モデル5380、OI Analytical社、College Station, Tx)をメチルメルカプタン分析に使用した。脱イオン水中の0.5%(w/v)メチルメルカプタンナトリウム塩であるナトリウムチオメトキシド(Aldrich chemical company, Inc.社、Allentown, PAから購入)をメチルメルカプタン保存溶液として使用し、試験日毎に新たに調製した。
【0049】
例1~4の方法および材料
200ppmまたは100ppmラクトン(200プルーフエタノール中の1%(200ppm)または0.5%(100ppm)(w/v)試験悪臭除去化合物36μl)、144μlの200プルーフエタノール、および1620μlの脱イオン水を2mlのGCバイアルに添加した。調製したバイアルをマルチパーパスサンプラー-GC-PFPDの試料トレーに置いた。マルチパーパスサンプラーを用いて、3.6μlのメチルメルカプタン保存溶液をGCバイアルに添加し、GCバイアルを室温で2時間放置した。マルチパーパスサンプラーを用いて、0.4μlの試験溶液をGC注入口(ガラスウール付きAgilentテーパーフォーカスライナーを取り付けた。スプリットモード、スプリット比10:1)に注入した。キャリヤーガス流速は1.5ml/分(一定流量モード)であり、Agilent DB-1MS UIカラム(L60m×ID 0.250mm×膜厚0.25μm)を分析に使用した。GCオーブンの初期温度は40℃であり、5分後に20℃/分の速度で180℃に昇温し、引き続いて40℃/分の速度で280℃に昇温した。GCオーブンを5分間280℃に保持した。エタノール単独をブランク対照として使用した。試験悪臭除去化合物の最終濃度は200ppmまたは100ppmであり、メチルメルカプタンナトリウム塩の最終濃度は約10ppmであった。
悪臭(メチルメルカプタン)抑制は以下の通り算出した。悪臭(メチルメルカプタン)抑制(%)=(ブランク対照試料のGC面積-試験試料のGC面積)/ブランク対照試料のGC面積×100。
【0050】
例5~9の方法および材料
スクリーニング試験では、100ppmのラクトン(200プルーフエタノール中の0.5%ラクトン(w/v)20μl)、300ppmのラクトン(200プルーフエタノール中の1%ラクトン(w/v)30μl)、200ppmのフェノール化合物(200プルーフエタノール中の1%フェノール化合物(w/v)20μl)および300ppmのフェノール化合物(200プルーフエタノール中の1%フェノール化合物(w/v)30μl)を試験した。さらに、ラクトンとフェノール化合物の様々な組合せを試験した。ラクトンおよびフェノール化合物をピペットで2mlのGCバイアルに計り、200プルーフエタノールを1000μlまで添加した。調製したバイアルをマルチパーパスサンプラー-GC-PFPDの試料トレーに置いた。マルチパーパスサンプラーを利用して、2μlのメチルメルカプタン保存溶液をGCバイアルに添加し、バイアルを室温で2時間放置した。マルチパーパスサンプラーを用いて、0.4μlの試験溶液をGC注入口(ガラスウール付きAgilentテーパーフォーカスライナーを取り付けた。スプリットモード、スプリット比10:1)に注入した。キャリヤーガス流速は1.5ml/分(一定流量モード)であり、Agilent DB-1MS UIカラム(L60m×ID 0.250mm×膜厚0.25μm)を分析に使用した。GCオーブンの温度は40℃で始め、5分後に、20℃/分の速度で180℃に昇温し、引き続いて40℃/分の速度で280℃に昇温し、5分間保持した。
200プルーフエタノール単独をブランク対照として使用した。メチルメルカプタンナトリウム塩の最終濃度は10ppmであった。
悪臭(メチルメルカプタン)抑制は以下の通り算出した。悪臭(メチルメルカプタン)抑制(%)=(ブランク対照試料のGC面積-試験試料のGC面積)/ブランク対照試料のGC面積×100。
【0051】
例1~4の結果
(例1)
例1において、200ppmのα-アンゲリカラクトンによってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価した。結果を表1に示す。
【表1】
【0052】
(例2)
例2において、200ppmのミントラクトンによってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価した。結果を表2に示す。
【表2】
【0053】
(例3)
例3において、100ppmの2(5H)フラノンによってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価した。結果を表3に示す。
【表3】
【0054】
(例4)
例4において、100ppm α-アンゲリカラクトンおよび100ppm β-アンゲリカラクトンによってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために一連の試験を実施した。結果を表4に示す。
【表4】
【0055】
例1~4の考察
表1~4に示すように、ラクトン(例えば、α-アンゲリカラクトン、β-アンゲリカラクトン、ミントラクトン、および2(5H)フラノン)は、メチルメルカプタンの量を抑制した。
【0056】
例5~8の結果
(例5)
例5において、ラクトン単独(例えば、100ppm α-アンゲリカラクトン)、フェノール化合物単独(例えば、200ppm オイゲノール、200ppm Hotact(登録商標)VBE、200ppm サリチル酸メチル)、およびラクトンとフェノール化合物の組合せ(例えば、100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm サリチル酸メチルの組合せ)によってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために一連の試験を実施した。結果を表5に示す。
【表5】
【0057】
(例6)
例6において、ラクトン単独(例えば、100ppm α-アンゲリカラクトン)、フェノール化合物単独(例えば、200ppm オイゲノール、200ppm Hotact(登録商標)VBE、200ppm サリチル酸メチル)、およびラクトンとフェノール化合物の組合せ(例えば、100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm オイゲノールの組合せ、100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm Hotact(登録商標)VBEの組合せ、および100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm サリチル酸メチルの組合せ)によってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために一連の試験を実施した。結果を表6に示す。
【表6】
【0058】
(例7)
例7において、ラクトン単独(例えば、100ppm 2(5H)フラノン)、フェノール化合物単独(例えば、200ppm オイゲノール)、およびラクトンとフェノール化合物の組合せ(例えば、100ppm 2(5H)フラノンと200ppm オイゲノールの組合せ)によってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために一連の試験を実施した。結果を表7に示す。
【表7】
【0059】
(例8)
例8において、ラクトン単独(例えば、300ppm α-アンゲリカラクトン)、フェノール化合物単独(例えば、300ppm オイゲノール、300ppm Hotact(登録商標)VBE、および300ppm サリチル酸メチル)、およびラクトンとフェノール化合物の組合せ(例えば、100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm オイゲノールの組合せ、100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm Hotact(登録商標)VBEの組合せ、および100ppm α-アンゲリカラクトンと200ppm サリチル酸メチルの組合せ)によってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために単一試験を実施した。結果を表8に示す。
【表8】
【0060】
(例9)
例9において、200ppm フラネオールまたは200ppm アスコルビン酸の単独または200ppm サリチル酸メチルとの組合せによってもたらされた悪臭抑制または除去効果を評価するために一連の試験を実施した。結果を表9に示す。
【表9】
【0061】
例5~9の考察
例1~4は水性条件を使用して実施したが、例5~9は非水性(エタノール)条件を使用して実施した。エタノール中のラクトンの活性は、水性条件において達成される活性より低いことに留意すべきである。表5~8に示すように、単一のラクトン(例えば、α-アンゲリカラクトンおよび2(5H)フラノン)の単一のフェノール化合物(例えば、オイゲノール、Hotact(登録商標)VBE、およびサリチル酸メチル)と組み合わせた様々な組合せは、ラクトンにフェノール化合物を加えた相加作用より極めて高い悪臭抑制または除去効果を示した。例9は、例5~8の相乗効果はラクトンとフェノールの組合せに特有であることを実証している。特に、例9によって、構造が例5~8のラクトンに似ている化合物(例えば、フラネオールおよびアスコルビン酸)はフェノール化合物と組み合わせると、相乗的な悪臭除去効果を示さないことが示されている。
したがって、それらの結果は、1種のラクトンと1種のフェノール化合物の組合せが予想外の相乗的抑制または除去効果を示すことを裏付けている。
【0062】
製剤例
以下の例10~25は、本開示の悪臭除去組成物を包含する様々なフレーバー製剤を示す。
(例10)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるラズベリーフレーバーのキャンディ製剤Aを表10に示す。
【表10】
【0063】
(例11)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるラズベリーフレーバーのマウスリンス製剤Bを表11に示す。
【表11】
【0064】
(例12)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるバニラフレーバーの練り歯磨き製剤Cを表12に示す。
【表12】
【0065】
(例13)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるバニラフレーバーのマウスリンス製剤Dを表13に示す。
【表13】
【0066】
(例14)
例えば、少なくとも1種のラクトンを含む、本開示の主題によるコンデンスミルクラクトン製剤Eを表14に示す。
【表14】
【0067】
(例15)
例えば、少なくとも1種のラクトンを含む、本開示の主題によるトロピカル(tropical)製剤Fを表15に示す。
【表15】
【0068】
(例16)
表16に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるスペアミントフレーバーのブレスミント製剤Gを作製した。
【表16】
【0069】
(例17)
表17に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるペパーミントフレーバーのブレスミント製剤Hを作製した。
【表17】
【0070】
(例18)
表18に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるクールミントフレーバーのブレスミント製剤Iを作製した。
【表18】
【0071】
(例19)
表19に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンを含む、本開示の主題によるミントフレーバーの練り歯磨き製剤Jを作製した。この製剤の1.2%を試験製品で使用した。
【表19】
【0072】
(例20)
表20に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンを含む、本開示の主題による対照フレーバーの練り歯磨き製剤Kを作製した。この製剤の1.2%を対照製品で使用した。
【表20】
【0073】
(例21)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるラズベリーフレーバーのマウスリンス製剤Lを表21に示す。
【表21】
【0074】
(例22)
例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるバニラフレーバーのマウスリンス製剤Mを表22に示す。
【表22】
【0075】
(例23)
例えば、少なくとも1種のラクトンを含む、本開示の主題によるコンデンスミルクラクトン製剤Nを表23に示す。
【表23】
【0076】
(例24)
表24に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるフレーバー付き洗口液製剤Oを作製した。
【表24】
【表25】
【表26】
【0077】
(例25)
表27に示すように、例えば、少なくとも1種のラクトンおよび少なくとも1種のフェノール化合物を含む、本開示の主題によるフレーバー付きガム製剤Pを作製した。フレーバー製剤を、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ダイズレシチン、グリセリン、トリアセチン、アセスルファムK、およびアスパルテームを含有するガム基材に添加した。
【表27】
【0078】
(例26)
例26は、製剤G~Iのブレスミント錠が食品由来の悪臭(例えば、新鮮なニンニクおよびペパローニ)および細菌由来の悪臭(例えば、メチルメルカプタンおよびアリルメルカプタン)に対してプラスの効果を有するかどうかを試験するために行われた臨床試験である。メチルメルカプタンおよびアリルメルカプタンは、悪臭発生食品にも認められる。ブランド品のペパーミントブレス錠剤およびフレーバーなしのプラセボベース製品を対照として試験した。
経験に富むパネリスト20名は、表28に指定した悪臭化合物を嗅ぎ、その強度をスコア付けすることについて指示を受けた。悪臭材料が入っているスニッフジャー(sniff jar)をパネリストに与えた。パネリストは嗅ぎ、悪臭試料を悪臭スコアチャートの表30に従ってスコア付けした。
悪臭対照試料を表28に示すように調製した。特に、0.10%メチルメルカプタンを95%天然エチルアルコールに溶解した。試験用に100ppmメチルメルカプタン蒸留水(DW)溶液を調製し、100μlを各スニッフジャーに添加した。0.10%アリルメルカプタンを95%天然エチルアルコールに溶解した。試験用に10ppmアリルメルカプタンDW溶液を調製し、100μlを各スニッフジャーに添加した。10gの新鮮な刻みニンニクを100gのDW中でブレンドした。ニンニクと水の溶液を濾過した。試験用に10%ニンニクDW溶液を調製し、1mLを各スニッフジャーに添加した。ペパローニを刻み、0.5グラムを各スニッフジャーに添加した。
【0079】
試験試料を表29に示すように調製した。特に、ブランド品のペパーミントブレス錠剤は、1錠(1.8g)を粉末に粉砕し、次いでそれを1.8mLのDWと混合して、スラリーを作製することによって調製した。製剤G~Iの(すなわち、それぞれスペアミント、ペパーミント、およびクールミント)フレーバー付き製品試料は、1錠(1.8g)を粉末に粉砕し、次いでそれを1.8mLのDWと混合して、スラリーを作製することによって調製した。1.8gのプラセボ試料(フレーバーを添加していないブレスミント錠のベース)をDW中で混合して、スラリーを作製した。
【表28】
【表29】
【0080】
パネリストは、(影響を防ぐために)盲検コード化および視覚的盲検化されて提示された20個の試験試料を嗅ぎ、表30に従って結果をランク付けするよう指示を受けた。試料をそれらの臭気群内でランダム化した。各臭気評価を行った後、パネリストは、次の評価を行う前に重曹の小型ジャーを嗅いで、気道から残存している臭気を取り除くよう指示を受けた。20個の評価を10~15分間続く1セッションで完了した。
【表30】
【0081】
【表31】
結果(表31)によれば、フレーバー付き対照製品および製剤G~Iは、プラセボ対照と比較すると統計学的に有意な悪臭低減を示し、製剤G~Iブレスミントは、悪臭参考試料のすべてについて悪臭スコアを低減するのに有効である。製剤Gブレスミントは、メチルメルカプタンを除いて悪臭参考物のすべてについて悪臭低減の成績がよりよく、メチルメルカプタンの場合はペパーミント対照よりよく、またクールミントブレスミントとほとんど同様に悪臭低減を行った。製剤Hブレスミントは、アリルメルカプタンおよびニンニクの悪臭に対して、ペパーミント対照よりよいとは言わないまでも同様によく低減を行い、クールミントブレスミントよりよく低減を行った。
クールミント錠は、製剤Hブレスミントに等しく、またはそれよりよく悪臭低減を行う。それらの結果は、少なくとも一部は、より高いフレーバーレベルとフレーバーのスラリー粉末ベース自体からの潜在的によりよい放出に起因する。
【0082】
(例27)
例27において、製剤Jの練り歯磨きの口臭に及ぼす効果を試験するための臨床試験を行った。特に、この試験は、ブレスの快不快評価を用いて、負の対照に対する製剤Jのミント練り歯磨きの口臭/ブレス保護の有効性を比較した。これは、9点快不快尺度で少なくとも7.0±0.5の口臭がある約45名の成人ボランティアに対するランダム化パラレル二重盲検臨床試験であった。ベースラインで、対象者は適格な臭気判定士によって実施されたブレスの快不快評価を受け、継続基準を満たす対象者45名を製品分布において3つの処置群のうちの1群にランダムに割り付けた(15名/群)。3つの処置は、1)製剤Jの練り歯磨き;2)ブランド品のミント練り歯磨き;および3)対照のウィンターミント(winter mint)フレーバーの練り歯磨き(製剤K)であった。対照製品および製剤Jの製品は、フレーバー量が約1.2%であった。
ブレス臭気が快不快尺度で少なくとも7.0±0.5という必要最小限を満たさない場合、または試験に干渉することになる全身起源の臭気を有する場合、対象者は、ベースライン評価を行った後に不適格とされた。生まれながらの歯が20本未満の対象者も不適格とされた。
【0083】
対象者は、評価日前の午前および夕方に試験製品を使用するよう指示を受けた。対象者は、評価日の悪臭評価の午前中に食物または飲料を摂取しないよう指示を受け、また口腔衛生製品の使用を控えるよう指示を受けた。対象者は、口臭評価に先立って、タバコ製品、ボディローション、シャンプー、パヒューム、または口紅も使用しないよう要請された。対象者は、試験の期間中に舌をブラシで磨くことは許可されず、どんな随意の歯科医療も遅延しなければならなかった。これらの要件に従った対象者しか評価されなかった。対象者は、対象者全員に同じ標準練り歯磨きを実験の前日までの1週間使用するよう要請する休薬期間も経験した。
評価日に、対象者は、訓練を受けた判定士によって終夜悪臭の快不快について評価された。次に、対象者は製品を用いてブラシで60秒間磨きながら監視された。悪臭評価は、使用直後、使用30分後、使用1時間後、使用2時間後、および使用4時間後に判定士によって行われた。訓練を受けた臭気判定士の一団を、9点快不快尺度を用いる各試験セッションに利用した。1)最も快い;2)非常に快い;3)中程度に快い;4)わずかに快い;5)快くもなく、不快でもない;6)わずかに不快;7)中程度に不快;8)非常に不快;および9)最も不快。再現性のある評価をもたらすために、対象者は、2分間口を閉じ、鼻で呼吸するよう指示を受けた。2分後、対象者は、判定士が対象者の口から約10cmのところで臭気強度を評価する間に1~20を大声で数えるよう指示を受けた。
悪臭の快不快尺度試験の結果を
図1に示す。それらのデータから、ブランド品のミントおよび製剤Jの試料は時間が経つにつれて方向傾向またはウィンターミントフレーバーの対照(製剤K)に比べて悪臭低減において有意な改善を示したことが実証されている。2時間および4時間までに、製剤Jの練り歯磨きは、ウィンターミントフレーバーの対照よりよい悪臭低減を行った。
【0084】
(例28)
例28において、ブレスの快不快評価を用いて、負の対照に対する製剤Oの洗口液の効果を試験するための臨床試験を行った。これは、9点快不快尺度で少なくとも7.0±0.5の口臭がある約45名の成人ボランティアに対するランダム化パラレル二重盲検臨床試験であった。ベースラインで、対象者は適格な臭気判定士によって実施されたブレスの快不快評価を受け、継続基準を満たす対象者45名を製品分布において3つの処置群のうちの1群にランダムに割り付けた(15名/群)。3つの処置は、1)製剤Oの試験洗口液;2)対照洗口液(例24);および3)水であった。
対象者は、同じ標準練り歯磨きおよび歯ブラシを評価日に先立って1週間使用するよう指示を受けた(すなわち、休薬期間)。対象者は、口臭評価に先立って、タバコ製品、ボディローション、シャンプー、パヒューム、または口紅も使用しないよう要請された。対象者は、試験の期間中に舌をブラシで磨くことも許可されず、どんな随意の歯科医療も遅延するよう依頼された。対象者はまた、香辛料の効いた食物、例えばメキシコおよびインドの食物ならびに大量のニンニクも評価日のブレス評価に先立って24時間控えるように依頼された。
【0085】
評価日に、対象者は、訓練を受けた判定士3名によって終夜悪臭の快不快について評価された。次に、対象者は試験または対照洗口液にランダムに割り付けられ、監視下で20mlの洗口液を30秒間使用した。製品を使用した後、対象者は、悪臭の快不快評価をさらに以下の時点で受けた:使用直後、使用30分後、使用1時間後、使用2時間後、使用4時間後。訓練を受けた臭気判定士3名の一団を、9点快不快尺度を用いる各試験セッションに利用した。1)最も快い;2)非常に快い;3)中程度に快い;4)わずかに快い;5)快くもなく、不快でもない;6)わずかに不快;7)中程度に不快;8)非常に不快;および9)最も不快。再現性のある評価をもたらすために、対象者は、2分間口を閉じ、鼻で呼吸するよう指示を受けた。2分後、対象者は、判定士が対象者の口から約10cmのところで臭気強度を評価する間に1~20を大声で数えるよう指示を受けた。
【0086】
悪臭の快不快尺度試験の結果を
図2に示す。結果は、30分および2時間に95%有意および1時間および4時間に非常に強い方向差を示した。この傾向は製剤Oの洗口液についてすべての時点において一貫し、よりよい悪臭低減が行われた。
本開示の主題は、範囲が本明細書に記載される特定の実施形態によって限定されるものではない。実際、本明細書に記載される修正に加えて、本開示の主題の様々な修正は、前述の説明および添付図面から当業者に明らかとなる。そのような修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることを意図したものである。
【0087】
特許、特許出願、刊行物、製品説明書、およびプロトコルが、本出願全体に引用され、それらの開示内容は、すべての目的で参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。