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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】制御装置および制御システム
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20220602BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20220602BHJP
   B62K 23/02 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
B62J45/00
B62M25/08
B62K23/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018079958
(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2019188844
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】増田 隆哉
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-165991(JP,A)
【文献】特開2008-211706(JP,A)
【文献】特開2005-328295(JP,A)
【文献】特開2018-39466(JP,A)
【文献】特開2012-250552(JP,A)
【文献】特開2010-143457(JP,A)
【文献】特開2012-56437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0102237(US,A1)
【文献】“Specification of the Bluetooth System”,Version 1.1,Promoter Members of Bluetooth SIG, Inc.,2001年02月22日,p.41-61
【文献】杉山直樹,“Bluetoothシステムのコア技術”,沖電気研究開発,日本,沖電気工業株式会社,2000年10月,第184号,Vol.67, No.3,p.53-56,ISSN 0286-892X
【文献】酒井五雄,“パーソナルエリアネットワークを実現する技術―Bluetooth―”,通信ソサイエティマガジン,日本,電子情報通信学会,2007年09月01日,第2号,p.55-61,DOI:10.1587/bplus.2007.2_55,ISSN 2186-0661
【文献】Wei-Shin Wang,“BLUETOOTH: A New Era of Connectivity”,IEEE Microwave Magazine,IEEE,2002年09月,Vol. 3, Issue 3,p.38-42,DOI:10.1109/MMW.2002.1028360,ISSN 1527-3342
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/00,
B62M 25/08,
B62K 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の第1コンポーネントに搭載される制御装置であって、
人力駆動車の第2コンポーネントと無線通信する通信部と、
前記第1コンポーネントに関する第1情報、および、前記第2コンポーネントに関する第2情報を含む送信情報を、前記第2コンポーネントとの通信に用いるように前記通信部を制御する制御部と、を備え
前記第2コンポーネントは、前記第1コンポーネントから前記送信情報を受信した場合、前記第2コンポーネントの記憶部に記憶される前記第1情報および前記第2情報に基づいて確認情報を生成し、生成した前記確認情報を、前記第1コンポーネントとの通信に用いるように構成され、
前記第1コンポーネントは、ユーザの操作が入力される操作装置、および、前記操作装置への入力に応じて動作する被操作装置のいずれか一方であり、
前記第2コンポーネントは、前記操作装置および前記被操作装置の他方であり、
前記被操作装置は、可動部材と、前記可動部材を動作させるアクチュエータとを含む、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2コンポーネントに、前記第1情報、および、前記第2情報を含む前記送信情報を送信するように前記通信部を制御し、
前記第2コンポーネントは、前記制御部に、前記第1情報、および、前記第2情報を含む前記送信情報を送信するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1情報は、前記第1コンポーネントに関する識別情報を含み、
前記第2情報は、前記第2コンポーネントに関する識別情報を含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
人力駆動車の第1コンポーネントに搭載される制御装置であって、
人力駆動車の第2コンポーネントと無線通信する通信部と、
前記第1コンポーネントに関する第1情報、および、前記第2コンポーネントに関する第2情報の含む送信情報を、前記第2コンポーネントとの通信に用いるように前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記第1コンポーネントは、ユーザの操作が入力される操作装置、および、前記操作装置への入力に応じて動作する被操作装置のいずれか一方であり、
前記第2コンポーネントは、前記第1コンポーネントから前記送信情報を受信した場合、前記第2コンポーネントの記憶部に記憶される前記第1情報および前記第2情報に基づいて確認情報を生成し、生成した前記確認情報を、前記第1コンポーネントとの通信に用いるように構成され、
前記第2コンポーネントは、前記操作装置および前記被操作装置の他方であり、
前記被操作装置は、可動部材と、前記可動部材を動作させるアクチュエータとを含み、
前記第1情報は、前記第1コンポーネントに関する識別情報を含み、
前記第2情報は、前記第2コンポーネントに関する識別情報を含む、制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送信情報を生成する、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1情報および前記第2情報の少なくとも1つは、暗号化される、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1情報および前記第2情報を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第コンポーネントは、前記操作装置である、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1コンポーネントは、前記被操作装置である、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記操作装置は、ユーザの操作が入力される操作部材と、前記操作部材への入力に応じて発電する発電部とを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記被操作装置は、変速装置、制動装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、および、走行補助装置の少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記第1コンポーネントと、を備え、
前記第1コンポーネントは、前記制御装置を収容するハウジングを含む、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車に搭載される複数のコンポーネントを無線通信させる制御システムが知られている。特許文献1は、従来の制御システムの一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2014/0102237号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信に関するセキュリティの向上が望まれる。
本発明の目的は、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる制御装置および制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車の第1コンポーネントに搭載される制御装置であって、人力駆動車の第2コンポーネントと無線通信する通信部と、前記第1コンポーネントに関する第1情報、および、前記第2コンポーネントに関する第2情報を含む送信情報を、前記第2コンポーネントとの通信に用いるように前記通信部を制御する制御部と、を備え、前記第1コンポーネントは、ユーザの操作が入力される操作装置、および、前記操作装置への入力に応じて動作する被操作装置のいずれか一方であり、前記第2コンポーネントは、前記操作装置および前記被操作装置の他方であり、前記被操作装置は、可動部材と、前記可動部材を動作させるアクチュエータとを含む。
第1情報および第2情報が送信情報に含まれるため、受け付けた情報が正しい送信元からのものか否かを判断できる。このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記送信情報を生成する。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記第1情報および前記第2情報の少なくとも1つは、暗号化される。
暗号化された情報が送信情報に含まれるため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0008】
前記第1~第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記第1情報および前記第2情報を記憶する記憶部をさらに備える。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0009】
前記第1~第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記第1情報は、前記第1コンポーネントに関する識別情報を含み、前記第2情報は、前記第2コンポーネントに関する識別情報を含む。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0010】
前記第1~第5側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記操作装置であり、前記送信情報は、前記操作装置への入力に関する入力情報をさらに含む。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0011】
前記第1~第5側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記被操作装置であり、前記送信情報は、前記操作装置からの信号に関する確認情報をさらに含む。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0012】
本発明の第8側面に従う制御装置は、人力駆動車の第1コンポーネントに搭載される制御装置であって、人力駆動車の第2コンポーネントと無線通信する通信部と、前記通信部を制御する制御部と、を備え、前記第1コンポーネントは、ユーザの操作が入力される操作装置であり、前記第2コンポーネントは、前記操作装置への入力に応じて動作する被操作装置であり、前記制御部は、前記第2コンポーネントに、前記第2コンポーネントに関する情報、および、前記操作装置への入力に関する入力情報を含む送信情報を送信するように前記通信部を制御する。
第1コンポーネントに関する情報が送信情報に含まれないため、送信情報に関するデータ量を削減でき、かつ、被操作装置である第2コンポーネントに関する情報が送信情報に含まれるため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0013】
前記第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記被操作装置は、可動部材と、前記可動部材を動作させるアクチュエータとを含む。
このため、被操作装置を、入力情報に応じて適切に動作させることができる。
【0014】
前記第1~第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記操作装置は、ユーザの操作が入力される操作部材と、前記操作部材への入力に応じて発電する発電部とを含む。
操作装置に電源を搭載する必要がないため、操作装置のコストを削減できる。
【0015】
前記第1~第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記被操作装置は、変速装置、制動装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、および、走行補助装置の少なくとも1つを含む。
このため、人力駆動車に搭載される各種の被操作装置との無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0016】
前記第8側面に従う第12側面の制御装置において、前記被操作装置は、変速装置、制動装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、走行補助装置、照明装置、撮像装置、および、報知装置の少なくとも1つを含む。
このため、人力駆動車に搭載される各種の被操作装置との無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【0017】
本発明の第13側面に従う制御システムは、前記制御装置と、前記第1コンポーネントと、を備え、前記第1コンポーネントは、前記制御装置を収容するハウジングを含む。
このため、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の制御装置および制御システムによれば、無線通信に関するセキュリティの向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態の制御システムを含む人力駆動車の側面図。
図2図1の制御システムと各種の要素との接続を示すブロック図。
図3図2の制御装置が送受信する情報の第1例を示す模式図。
図4図2の制御装置が送受信する情報の第2例を示す模式図。
図5図2の制御装置が送信する情報の一例を示す模式図。
図6】第2実施形態の制御システムと各種の要素との接続を示すブロック図。
図7図6の制御装置が送受信する情報の一例を示す模式図。
図8図6の制御装置が送信する情報の一例を示す模式図。
図9】第3実施形態の制御システムと各種の要素との接続を示すブロック図。
図10図9の制御装置が送受信する情報の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
図1を参照して、制御システム10を含む人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する走行補助装置Eを含む自転車(e-bike)である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、前輪WF、後輪WR、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。
【0021】
ドライブトレインBは、チェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットアセンブリD1、リアスプロケットアセンブリD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に対して回転可能にフレームA1に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。なお、ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0022】
フロントスプロケットアセンブリD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクCに設けられる。フロントスプロケットアセンブリD1は、複数のフロントスプロケットD11を含む。リアスプロケットアセンブリD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。リアスプロケットアセンブリD2は、複数のリアスプロケットD21を含む。チェーンD3は、複数のフロントスプロケットD11の1つと、複数のリアスプロケットD21の1つとに巻き掛けられる。人力駆動車Aに搭乗するユーザによってペダルPDに加えられる駆動力は、フロントスプロケットアセンブリD1、チェーンD3、および、リアスプロケットアセンブリD2を介して後輪WRに伝達される。
【0023】
人力駆動車Aは、複数のコンポーネントCOをさらに含む。コンポーネントCOは、第1コンポーネントCO1および第2コンポーネントCO2を含む。第1コンポーネントCO1は、ユーザの操作が入力される操作装置OD、および、操作装置ODへの入力に応じて動作する被操作装置OTのいずれか一方である。本実施形態では、第1コンポーネントは、操作装置ODである。一例では、操作装置ODは、シフトレバーSL、ブレーキレバーBL、サスペンション操作装置(図示略)、アジャスタブルシートポスト操作装置(図示略)、および、走行補助操作装置(図示略)の少なくとも1つを含む。
【0024】
第2コンポーネントCO2は、操作装置ODおよび被操作装置OTの他方である。本実施形態では、第2コンポーネントCO2は、被操作装置OTである。一例では、被操作装置OTは、可動部材OT1と、可動部材OT1を動作させるアクチュエータOT2とを含む(図2参照)。アクチュエータOT2は、例えば電気モータを含む。一例では、被操作装置OTは、変速装置T、制動装置BD、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、走行補助装置Eの少なくとも1つを含む。各種のコンポーネントCOは、例えば人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力、または、個々のコンポーネントCOに搭載される専用の電源から供給される電力によって動作する。
【0025】
変速装置Tは、外装変速機を含む。一例では、変速装置Tは、フロントディレーラTFおよびリアディレーラTRの少なくとも1つを含む。フロントディレーラTFは、フレームA1のフロントスプロケットアセンブリD1付近に設けられる。フロントディレーラTFによって、チェーンD3が巻き掛けられるフロントスプロケットD11が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。リアディレーラTRは、フレームA1のリアエンドA3に設けられる。リアディレーラTRによって、チェーンD3が巻き掛けられるリアスプロケットD21が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。一例では、シフトレバーSLの操作に応じて、変速装置Tが電気的に駆動される。具体的には、シフトレバーSLの操作に応じてアクチュエータOT2が駆動され、可動部材OT1が動作することで人力駆動車Aの変速比が変更される。なお、変速装置Tは、内装変速機を含んでいてもよい。
【0026】
制動装置BDは、車輪の数に対応する制動装置BDを含む。本実施形態では、前輪WFに対応する制動装置BD、および、後輪WRに対応する制動装置BDが人力駆動車Aに設けられる。2つの制動装置BDは、互いに同様の構成を有していてもよい。制動装置BDは、例えば人力駆動車AのリムRを制動するリムブレーキ装置である。一例では、ブレーキレバーBLの操作に応じて、対応する制動装置BDが電気的に駆動される。具体的には、ブレーキレバーBLの操作に応じてアクチュエータOT2が駆動され、可動部材OT1が動作することで人力駆動車AのリムRが制動される。制動装置BDの可動部材OT1は、例えばキャリパおよびブレーキパッドの少なくとも1つを含む。なお、制動装置BDは、人力駆動車Aに搭載されるディスクブレーキロータ(図示略)を制動するディスクブレーキ装置であってもよい。
【0027】
サスペンションSUは、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンション(図示略)の少なくとも1つを含む。フロントサスペンションSFは、前輪WFが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。リアサスペンションは、後輪WRが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。一例では、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUが電気的に駆動される。具体的には、サスペンション操作装置の操作に応じてアクチュエータOT2が駆動され、可動部材OT1が動作することでサスペンションSUの動作状態が変更される。サスペンションSUの可動部材OT1は、例えばサスペンションSUの流体バルブ(図示略)を含む。サスペンションSUの動作状態は、変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つを含む。
【0028】
アジャスタブルシートポストASPは、フレームA1に対するサドルSDの高さが変更されるように動作する。一例では、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じて、アジャスタブルシートポストASPが電気的に駆動される。具体的には、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じてアクチュエータOT2が駆動され、可動部材OT1が動作することでサドルSDの高さが変更される。アジャスタブルシートポストASPの可動部材OT1は、例えばアジャスタブルシートポストASPの流体バルブ(図示略)を含む。
【0029】
走行補助装置Eは、人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。走行補助装置Eは、例えばペダルPDに加えられる駆動力に応じて動作する。一例では、走行補助操作装置の操作に応じて、走行補助装置Eが電気的に駆動される。具体的には、走行補助操作装置の操作に応じてアクチュエータOT2が駆動され、可動部材OT1が動作することで人力駆動車Aの推進力がアシストされる。走行補助装置Eの可動部材OT1は、例えば、フロントスプロケットアセンブリD1に駆動力を出力するための出力部材(図示略)を含む。
【0030】
図2図5を参照して、制御システム10の構成について説明する。
図2に示されるように、制御システム10は、制御装置12と、第1コンポーネントCO1とを備える。第1コンポーネントCO1は、制御装置12を収容するハウジングCHを含む。一例では、制御装置12は、人力駆動車Aの第1コンポーネントCO1に搭載される。本実施形態では、制御装置12は、人力駆動車Aの操作装置ODに搭載される。制御装置12は、例えばそれぞれの操作装置ODに搭載される。
【0031】
操作装置ODは、ユーザの操作が入力される操作部材OD1と、操作部材OD1への入力に応じて発電する発電部OD2とを含む。発電部OD2は、操作部材OD1への入力に応じて操作部材OD1と接触し、操作部材OD1との接触によって発電する圧電素子(図示略)を含む。本実施形態では、制御装置12は、発電部OD2から供給される電力によって動作する。操作装置ODは、発電部OD2によって発電される電力を蓄電する蓄電部(図示略)をさらに含んでいてもよい。蓄電部は、例えばコンデンサを含む。この場合、制御装置12は、発電部OD2および蓄電部の少なくとも1つから供給される電力によって動作する。なお、制御装置12は、操作装置ODから発電部OD2が省略される場合、バッテリBTから供給される電力によって動作する。
【0032】
制御装置12は、人力駆動車Aの第2コンポーネントCO2と無線通信する通信部14と、第1コンポーネントCO1に関する第1情報IA、および、第2コンポーネントCO2に関する第2情報IBを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部14を制御する制御部16とを備える。通信部14は、例えば各種の情報を第2コンポーネントCO2に送信する機能、および、第2コンポーネントCO2から各種の情報を受信する機能を含む。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。
【0033】
第1情報IAは、第1コンポーネントCO1に関する識別情報を含む。第1コンポーネントCO1に関する識別情報は、第1コンポーネントCO1のモデル番号、シリアル番号、および、ソフトウェアのバージョン情報の少なくとも1つを含む。第2情報IBは、第2コンポーネントCO2に関する識別情報を含む。第2コンポーネントCO2に関する識別情報は、第2コンポーネントCO2のモデル番号、シリアル番号、および、ソフトウェアのバージョン情報の少なくとも1つを含む。
【0034】
制御装置12は、第1情報IAおよび第2情報IBを記憶する記憶部18をさらに備える。記憶部18は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部18は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。一例では、制御部16は、第1情報IAを予め記憶部18に記憶させ、通信部14と第2コンポーネントCO2との通信によって取得した第2情報IBを記憶部18にさらに記憶させる。第1情報IAおよび第2情報IBが記憶部18に記憶されることによって、第1コンポーネントCO1と第2コンポーネントCO2とがペアリングされる。なお、制御部16は、第1コンポーネントCO1とペアリング可能な第2コンポーネントCO2が複数存在する場合、それぞれの第2コンポーネントCO2に関する第2情報IBを記憶部18に記憶させてもよい。
【0035】
制御部16は、送信情報ISを生成する。一例では、制御部16は、所定条件が成立する場合、記憶部18に記憶される第1情報IAおよび第2情報IBに基づいて送信情報ISを生成する。制御部16は、例えば操作部材OD1への入力に応じて、第2コンポーネントCO2と通信可能な程度の電力が発電部OD2によって発電された場合、所定条件が成立すると判定する。一例では、制御部16は、操作部材OD1への入力に応じて送信情報ISを生成し、その送信情報ISを含む信号を第2コンポーネントCO2に送信するように通信部14を制御する。
【0036】
制御部16は、例えば以下の第1例または第2例に従う送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部14を制御する。
第1例では、制御部16は、第1コンポーネントCO1に関する情報、および、第2コンポーネントCO2に関する情報を含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部14を制御する(図3参照)。図3に示される例では、制御部16は、第1情報IAおよび第2情報IBを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2に送信するように通信部14を制御する。
【0037】
第2例では、第1情報IAおよび第2情報IBの少なくとも1つは、暗号化される。具体的には、制御部16は、第1情報IAまたは暗号化された第1情報(以下、「第1暗号情報IAS」)、および、第2情報IBまたは暗号化された第2情報(以下、「第2暗号情報IBS」)を含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部14を制御する(図4参照)。図4に示される例では、制御部16は、第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2に送信するように通信部14を制御する。なお、制御部16は、記憶部18に記憶される第1情報IAおよび第2情報IBに基づいて、第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSを生成してもよく、予め生成した第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSの少なくとも1つを記憶部18に記憶させてもよい。
【0038】
図2に示されるように、第2コンポーネントCO2は、人力駆動車Aの第1コンポーネントCO1と無線通信する通信部20と、操作装置ODからの信号に関する確認情報ICを、第1コンポーネントCO1との通信に用いるように通信部20を制御する制御部22とを含む。通信部20は、例えば各種の情報を第1コンポーネントCO1に送信する機能、および、第1コンポーネントCO1から各種の情報を受信する機能を含む。制御部22は、CPUまたはMPUである。確認情報ICは、操作装置ODからの信号(送信情報IS)を正常に受信したことを示す情報を含む。一例では、確認情報ICは、第1情報IAおよび第2情報IBの少なくとも1つを含む。第2コンポーネントCO2に含まれる電気的な要素は、例えばバッテリBTから供給される電力によって動作する。
【0039】
第2コンポーネントCO2は、第1情報IAおよび第2情報IBを記憶する記憶部24をさらに含む。記憶部24は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部24は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。一例では、制御部22は、第2情報IBを予め記憶部24に記憶させ、通信部20と第1コンポーネントCO1との通信によって取得した第1情報IAを記憶部24にさらに記憶させる。第1情報IAおよび第2情報IBが記憶部24に記憶されることによって、第1コンポーネントCO1と第2コンポーネントCO2とがペアリングされる。なお、制御部22は、第2コンポーネントCO2とペアリング可能な第1コンポーネントCO1が複数存在する場合、それぞれの第1コンポーネントCO1に関する第1情報IAを記憶部24に記憶させてもよい。
【0040】
制御部22は、例えば第1コンポーネントCO1から送信情報ISを受信した場合、記憶部24に記憶される第1情報IAおよび第2情報IBに基づいて確認情報ICを生成する。そして、制御部22は、確認情報ICを含む信号を第1コンポーネントCO1に送信するように通信部20を制御する。
【0041】
制御部22は、例えば以下の第3例または第4例に従う確認情報ICを、第1コンポーネントCO1との通信に用いるように通信部20を制御する。制御部22は、上述の第1例に従う送信情報ISを受信する場合、第3例に従う確認情報ICを第1コンポーネントCO1との通信に用いることが好ましい。また、制御部22は、上述の第2例に従う送信情報ISを受信する場合、第4例に従う確認情報ICを第1コンポーネントCO1との通信に用いることが好ましい。
【0042】
第3例では、制御部22は、第1コンポーネントCO1に関する情報、および、第2コンポーネントCO2に関する情報を含む確認情報ICを、第1コンポーネントCO1との通信に用いるように通信部20を制御する(図3参照)。図3に示される例では、制御部22は、第1情報IAおよび第2情報IBを含む確認情報ICを、第1コンポーネントCO1に送信するように通信部20を制御する。一例では、制御装置12の制御部16が、第2コンポーネントCO2から送信される確認情報ICを受信する。
【0043】
第4例では、第1情報IAおよび第2情報IBの少なくとも1つは、暗号化される。具体的には、制御部22は、第1情報IAまたは第1暗号情報IAS、および、第2情報IBまたは第2暗号情報IBSを含む確認情報ICを、第1コンポーネントCO1との通信に用いるように通信部20を制御する(図4参照)。図4に示される例では、制御部22は、第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSを含む確認情報ICを、第1コンポーネントCO1に送信するように通信部20を制御する。一例では、制御装置12の制御部16が、第2コンポーネントCO2から送信される確認情報ICを受信する。なお、制御部22は、記憶部24に記憶される第1情報IAおよび第2情報IBに基づいて、第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSを生成してもよく、予め生成した第1暗号情報IASおよび第2暗号情報IBSの少なくとも1つを記憶部24に記憶させてもよい。
【0044】
図5に示されるように、送信情報ISは、操作装置ODへの入力に関する入力情報IOをさらに含む。一例では、制御装置12の制御部16は、所定条件が成立する場合、操作装置ODから入力情報IOを取得する。そして、制御部16は、入力情報IOを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2に送信するように通信部14を制御する。第2コンポーネントCO2の制御部22は、送信情報ISを受信した場合、送信情報ISに含まれる入力情報IOに応じてアクチュエータOT2を制御する。
【0045】
(第2実施形態)
図6図8を参照して、第2実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0046】
図6に示されるように、制御システム10は、制御装置30と、第1コンポーネントCO1とを備える。第1コンポーネントCO1は、制御装置30を収容するハウジングCHを含む。一例では、制御装置30は、人力駆動車Aの第1コンポーネントCO1に搭載される。制御装置30は、例えばそれぞれの第1コンポーネントCO1に搭載される。制御装置30は、人力駆動車Aの第2コンポーネントCO2と無線通信する通信部32と、通信部32を制御する制御部34とを備える。通信部32は、例えば各種の情報を第2コンポーネントCO2に送信する機能、および、第2コンポーネントCO2から各種の情報を受信する機能を含む。
【0047】
第1コンポーネントCO1は、ユーザの操作が入力される操作装置ODである。一例では、操作装置ODは、シフトレバーSL、ブレーキレバーBL、サスペンション操作装置、アジャスタブルシートポスト操作装置、走行補助操作装置、照明操作装置(図示略)、撮像操作装置(図示略)、および、報知操作装置(図示略)の少なくとも1つを含む。
【0048】
第2コンポーネントCO2は、操作装置ODへの入力に応じて動作する被操作装置OTである。被操作装置OTは、可動部材OT1およびアクチュエータOT2を含む要素以外の要素を含んでいてもよい。一例では、被操作装置OTは、変速装置T、制動装置BD、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、走行補助装置E、照明装置LD、撮像装置ID、および、報知装置SCの少なくとも1つを含む。
【0049】
照明装置LDは、例えばランプを含む。一例では、照明操作装置の操作に応じて、照明装置LDが電気的に駆動される。撮像装置IDは、例えばカメラを含む。一例では、撮像操作装置の操作に応じて、撮像装置IDが電気的に駆動される。報知装置SCは、例えば、LED(Light Emitting Diode)、スピーカ、振動装置、および、サイクルコンピュータを含む。一例では、報知操作装置の操作に応じて、報知装置SCが電気的に駆動される。各種のコンポーネントCOは、例えばバッテリBTから供給される電力、または、個々のコンポーネントCOに搭載される専用の電源から供給される電力によって動作する。
【0050】
制御部34は、CPUまたはMPUである。制御部34は、第2コンポーネントCO2に関する情報を含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部32を制御する。第2コンポーネントCO2に関する情報は、第2情報IBを含む。第2情報IBは、第2コンポーネントCO2に関する識別情報を含む。
【0051】
制御装置30は、第2情報IBを記憶する記憶部36をさらに備える。記憶部36は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含む。記憶部36は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。一例では、制御部34は、通信部32と第2コンポーネントCO2との通信によって取得した第2情報IBを記憶部36に記憶させる。第2情報IBが記憶部36に記憶されることによって、第1コンポーネントCO1と第2コンポーネントCO2とがペアリングされる。なお、制御部34は、第1コンポーネントCO1とペアリング可能な第2コンポーネントCO2が複数存在する場合、それぞれの第2コンポーネントCO2に関する第2情報IBを記憶部36に記憶させてもよい。
【0052】
制御部34は、送信情報ISを生成する。制御部34は、例えば所定条件が成立する場合、記憶部36に記憶される第2情報IBに基づいて送信情報ISを生成する。一例では、制御部34は、操作部材OD1への入力に応じて送信情報ISを生成し、その送信情報ISを含む信号を第2コンポーネントCO2に送信するように通信部32を制御する。図7に示される例では、制御部34は、第2情報IBを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2に送信するように通信部32を制御する。そして、制御部34が、第2コンポーネントCO2から送信される確認情報ICを受信する。なお、送信情報ISに含まれる第2情報IB、および、確認情報ICに含まれる第2情報IBの少なくとも1つは、暗号化されていてもよい。
【0053】
図8に示されるように、送信情報ISは、操作装置ODへの入力に関する入力情報IOをさらに含む。一例では、制御部34は、所定条件が成立する場合、操作装置ODから入力情報IOを取得する。そして、制御部34は、第2コンポーネントCO2に、第2コンポーネントCO2に関する情報(第2情報IB)、および、操作装置ODへの入力に関する入力情報IOを含む送信情報ISを送信するように通信部32を制御する。第2コンポーネントCO2の制御部22は、送信情報ISを受信した場合、送信情報ISに含まれる入力情報IOに応じて被操作装置OTを制御する。
【0054】
(第3実施形態)
図9および図10を参照して、第3実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0055】
図9に示されるように、制御システム10は、制御装置40と、第1コンポーネントCO1とを備える。第1コンポーネントCO1は、制御装置40を収容するハウジングCHを含む。一例では、制御装置40は、人力駆動車Aの第1コンポーネントCO1に搭載される。制御装置40は、例えばそれぞれの第1コンポーネントCO1に搭載される。
【0056】
第1コンポーネントCO1は、ユーザの操作が入力される操作装置OD、および、操作装置ODへの入力に応じて動作する被操作装置OTのいずれか一方である。本実施形態では、第1コンポーネントCO1は、被操作装置OTである。すなわち、制御装置40は、人力駆動車Aの被操作装置OTに搭載される。第2コンポーネントCO2は、操作装置ODおよび被操作装置OTの他方である。本実施形態では、第2コンポーネントCO2は、操作装置ODである。
【0057】
第2コンポーネントCO2は、人力駆動車Aの第1コンポーネントCO1と無線通信する通信部50と、第1コンポーネントCO1に関する第1情報IA、および、第2コンポーネントCO2に関する第2情報IBを含む通信情報IPを、第1コンポーネントCO1との通信に用いるように通信部50を制御する制御部52とを含む。通信部50は、第1実施形態の通信部14と実質的に同じ構成を有する。制御部52は、第1実施形態の制御部16と実質的に同じ構成を有する。第2コンポーネントCO2は、第1情報IAおよび第2情報IBを記憶する記憶部54をさらに含む。記憶部54は、第1実施形態の記憶部18と実質的に同じ構成を有する。図10に示される例では、制御部52は、操作部材OD1への入力に応じて通信情報IPを生成し、その通信情報IPを含む信号を第1コンポーネントCO1に送信するように通信部50を制御する。
【0058】
図9に示されるように、制御装置40は、人力駆動車Aの第2コンポーネントCO2と無線通信する通信部42と、第1コンポーネントCO1に関する第1情報IA、および、第2コンポーネントCO2に関する第2情報IBを含む送信情報ISを、第2コンポーネントCO2との通信に用いるように通信部42を制御する制御部44とを備える。通信部42は、第1実施形態の通信部20と実質的に同じ構成を有する。制御部44は、第1実施形態の制御部22と実質的に同じ構成を有する。送信情報ISは、操作装置ODからの信号に関する確認情報ICをさらに含む。確認情報ICは、操作装置ODからの信号(通信情報IP)を正常に受信したことを示す情報を含む。一例では、確認情報ICは、第1情報IAおよび第2情報IBを含む。制御装置40は、第1情報IAおよび第2情報IBを記憶する記憶部46をさらに備える。記憶部46は、第1実施形態の記憶部24と実質的に同じ構成を有する。図10に示される例では、制御部44は、第2コンポーネントCO2から通信情報IPを受信した場合、記憶部46に記憶される第1情報IAおよび第2情報IBに基づいて送信情報ISを生成し、その送信情報ISを含む信号を第2コンポーネントCO2に送信するように通信部42を制御する。そして、第2コンポーネントCO2の制御部52が、第1コンポーネントCO1から送信される送信情報ISを受信する。
【0059】
通信情報IPは、操作装置ODへの入力に関する入力情報IOをさらに含む。一例では、第2コンポーネントCO2の制御部52は、所定条件が成立する場合、操作装置ODから入力情報IOを取得する。そして、制御部52は、入力情報IOを含む通信情報IPを、第1コンポーネントCO1に送信するように通信部50を制御する。制御装置40の制御部44は、通信情報IPに含まれる入力情報IOに応じてアクチュエータOT2を制御する。
【0060】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う制御装置および制御システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う制御装置および制御システムは、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
・第1情報IAの内容は、任意に変更可能である。一例では、第1情報IAは、第1コンポーネントCO1の配置に関する情報を含む。
・第2情報IBの内容は、任意に変更可能である。一例では、第2情報IBは、第2コンポーネントCO2の配置に関する情報を含む。
【0062】
・制御装置12、30、40の配置は、任意に変更可能である。第1例では、制御装置12、30、40は、第1コンポーネントCO1のハウジングCHの外表面に設けられる。第2例では、制御装置12、30、40は、フレームA1、フロントフォークA2、および、ハンドルHの少なくとも1つに設けられる。
【0063】
・制御システム10の構成は、任意に変更可能である。一例では、制御システム10は、制御装置12、30、40と、第1コンポーネントCO1と、第2コンポーネントCO2とを備える。
【0064】
・人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、人力駆動車Aは、キックスケータである。
【符号の説明】
【0065】
10…制御システム、12…制御装置、14…通信部、16…制御部、18…記憶部、30…制御装置、32…通信部、34…制御部、40…制御装置、42…通信部、44…制御部、46…記憶部、A…人力駆動車、ASP…アジャスタブルシートポスト、BD…制動装置、CH…ハウジング、CO1…第1コンポーネント、CO2…第2コンポーネント、E…走行補助装置、IA…第1情報、IB…第2情報、IC…確認情報、ID…撮像装置、IO…入力情報、IS…送信情報、LD…照明装置、OD…操作装置、OD1…操作部材、OD2…発電部、OT…被操作装置、OT1…可動部材、OT2…アクチュエータ、SC…報知装置、SU…サスペンション、T…変速装置。
図1
図2
図3
図4
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図8
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