(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】風呂給湯装置
(51)【国際特許分類】
G08B 21/08 20060101AFI20220602BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220602BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20220602BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
G08B21/08
G08B25/04 K
A47K3/00 Z
A47K4/00
(21)【出願番号】P 2019001073
(22)【出願日】2019-01-08
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】大桃 正己
(72)【発明者】
【氏名】阿部 基
(72)【発明者】
【氏名】窪田 広記
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-135595(JP,A)
【文献】特開2003-248880(JP,A)
【文献】特開2002-015385(JP,A)
【文献】特開2002-133553(JP,A)
【文献】特開2002-254374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0161866(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108346262(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K3/00-4/00
F24H15/196
G08B19/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内における圧力変化から水位を検出する水位センサと、浴室内における人の動きを検出する人感センサと、浴室内の情報を報知することができる浴室外に設けられた浴室外リモコンと、浴室内に設けられた浴室内リモコンと、前記各リモコンと通信可能に接続された制御装置とを備え、
前記制御装置には、前記水位センサの検出した圧力変化に基づいて、人が入浴したか否かを判定する入浴判定手段と、前記人感センサの検出結果に基づいて、入浴中に人が動いているか否かを判定する体動判定手段とを設け、
前記入浴判定手段で人が入浴したと判定してから出浴したと判定するまでカウントする第一のタイマー手段と、前記第一のタイマー手段でカウントした時間が所定時間を超えると、前記浴室内リモコンから前記所定時間を超えた旨を報知させる報知開始手段とを設けた風呂給湯装置において、
前記制御装置は、前記体動判定手段が入浴中に人が動かないと判定し続けた時間をカウントし、人が動いたらカウントをリセットして再びカウントを開始する第二のタイマー手段とを備え、
前記所定時間経過後、前記制御装置は、前記第一のタイマー手段でカウントした時間が所定の長湯インターバル時間を超える毎に前記浴室内リモコンの前記報知開始手段で体動を促す旨の報知をし、
前記長湯インターバル時間の間に前記第二のタイマー手段のカウントが所定の異常判定カウントを超えていた場合は、異常判定待機状態と判断し、その後の前記体動を促す報知から所定の異常予備時間の間に前記体動判定手段で人の動きが判定されなかったら、前記報知開始手段は異常お知らせの旨を前記浴室外リモコンに報知させるようにしたことを特徴とした風呂給湯装置。
【請求項2】
前記異常予備時間の間及び前記異常お知らせ中に前記体動判定手段で体動があったと判定した場合は、前記異常お知らせの報知を停止し、前記第二のタイマー手段のカウントをリセットして再びカウントを開始するようにしたことを特徴とする請求項1記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記異常判定待機状態と判断すると、前記人感センサの感度を上げ、前記異常判定待機状態と判断してから前記体動判定手段で体動があったと判定されると、前記人感センサの感度を元に戻すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の風呂給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の水位変化から水位を検出する水位センサを備え、水位センサの水位変化から浴槽内の人の入出浴を判定する風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽内での人の動静を検知する浴槽内動静検知センサ(ここでは水位センサ)と、浴槽内動静検知センサで人の静止状態が検知されている間カウントするタイマーとを備えた浴槽内異常検知システムにおいて、人が入浴したまま、静止状態にあることを水位センサで検知している時間を前記タイマーでカウントし、前記時間のカウントが所定時間を超えたときに浴槽内異常の発生可能性を報知する報知手段を備えたものが知られていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水位センサだけでは、入浴している人が意識障害等で動けない異常状態なのか、読書やリラックスしている等で動かない正常状態なのかを判定することができず、前記異常状態の場合のみ、異常お知らせを行うことが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、浴槽内における圧力変化から水位を検出する水位センサと、浴室内における人の動きを検出する人感センサと、浴室内の情報を報知することができる浴室外に設けられた浴室外リモコンと、浴室内に設けられた浴室内リモコンと、前記各リモコンと通信可能に接続された制御装置とを備え、前記制御装置には、前記水位センサの検出した圧力変化に基づいて、人が入浴したか否かを判定する入浴判定手段と、前記人感センサの検出結果に基づいて、入浴中に人が動いているか否かを判定する体動判定手段とを設け、前記入浴判定手段で人が入浴したと判定してから出浴したと判定するまでカウントする第一のタイマー手段と、前記第一のタイマー手段でカウントした時間が所定時間を超えると、前記浴室内リモコンから前記所定時間を超えた旨を報知させる報知開始手段とを設けた風呂給湯装置において、前記制御装置は、前記体動判定手段が入浴中に人が動かないと判定し続けた時間をカウントし、人が動いたらカウントをリセットして再びカウントを開始する第二のタイマー手段とを備え、前記所定時間経過後、前記制御装置は、前記第一のタイマー手段でカウントした時間が所定の長湯インターバル時間を超える毎に前記浴室内リモコンの前記報知開始手段で体動を促す旨の報知をし、前記長湯インターバル時間の間に前記第二のタイマー手段のカウントが所定の異常判定カウントを超えていた場合は、異常判定待機状態と判断し、その後の前記体動を促す報知から所定の異常予備時間の間に前記体動判定手段で人の動きが判定されなかったら、前記報知開始手段は異常お知らせの旨を前記浴室外リモコンに報知させるようにした。
【0006】
また、前記異常予備時間の間及び前記異常お知らせ中に前記体動判定手段で体動があったと判定した場合は、前記異常お知らせの報知を停止し、前記第二のタイマー手段のカウントをリセットして再びカウントを開始するようにした。
【0007】
また、前記制御装置は、前記異常判定待機状態と判断すると、前記人感センサの感度を上げ、前記異常判定待機状態と判断してから前記体動判定手段で体動があったと判定されると、前記人感センサの感度を元に戻すようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第一のタイマー手段で入浴判定後から出浴判定後までの時間をカウントし、第二のタイマーで前記体動判定手段が入浴中に人が動かないと判定し続けた時間をカウントし、第二のタイマー手段のカウントが異常判定待機状態と判定し、その後の前記体動を促す報知から所定の異常予備時間の間に前記体動判定手段で人の動きが判定されなかった場合に異常お知らせを報知するので、長時間体動が無い場合でも、体動を促す報知を受けて動くことのできる正常状態なのか、長時間体動が無い場合で、体動を促す報知を受けて動くことができない異常状態なのかを確実に判定できると共に、異常状態のとき異常お知らせを浴室外のリモコンに報知をすることにより、早急に外部の人に連絡を行うことで対応を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明の所定時間までの入出浴判定を表すフローチャート
【
図3】本発明の異常判定への遷移を表すフローチャート
【
図4】本発明の異常判定なしの一例を表すタイムチャート
【
図5】本発明の異常判定ありの一例を表すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温水を貯湯する貯湯タンク、2は温水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、3は浴槽である。
【0011】
4は貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を循環可能に接続する加熱循環回路で、加熱循環ポンプ5を有し貯湯タンク1の下部に接続されたヒーポン往き管及び貯湯タンク1上部に接続されたヒーポン戻り管より構成され、貯湯タンク1下部の冷水を、ヒーポン往き管を介してヒートポンプユニット2で加熱し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管で貯湯タンク1上部に戻して貯湯タンク1内に温水を加熱貯湯するものである。なお、貯湯タンク1の外周面には貯湯温度センサ6を有しており、この貯湯温度センサ6が所定温度以上を検出することで貯湯量を検知するものである。
【0012】
7は貯湯タンク1に水を供給する給水管、8は貯湯タンク1内の温水を出湯する出湯管、9は給水管7から分岐し、貯湯タンク1を迂回する給水バイパス管、10は給水バイパス管9からの冷水と出湯管8からの温水を設定温度になるように混合する給湯混合弁、11は混合された設定温度の温水を給湯する給湯管、12は給湯管11の端部に設けられる給湯栓である。13は給湯混合弁10の下流に設けた給湯温度センサ、14は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、15は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、16は加熱されることによる過圧を逃がす圧力逃し弁である。
【0013】
17は風呂循環回路で、貯湯タンク1内の湯水と循環する風呂の湯水とを熱交換させる風呂熱交換器18と浴槽3とを、浴槽3から風呂熱交換器18に向かう風呂往き管17a及び風呂熱交換器18から浴槽3に向かう風呂戻り管17bとで循環可能に接続するものである。そして、19は浴槽3と風呂循環回路17を接続する循環口である。
【0014】
20は風呂循環回路17に設けられた風呂循環ポンプ、21は流水の有無を検出する流水センサ、22は風呂循環回路16を流れる風呂の温度を検出する風呂温度センサ、23は湯水の水圧から浴槽3内の水位を検出する水位センサであり、風呂循環回路17途中の風呂循環ポンプ20よりも上流側に設けられている。この水位センサ23は、湯水の水圧から浴槽3内の水位を検出しているので、循環口19が露出してしまうと水位検出が行えないため、水位を検出するためには循環口19よりも水位が上である必要がある。
【0015】
24は給湯管11途中から分岐されて風呂循環回路17に接続され浴槽3への湯張りを行うための湯張り管、25はこの湯張り管24に設けられ浴槽3への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、26は浴槽3への湯張り量をカウントする風呂流量センサである。
【0016】
27はヒートポンプユニット2の加熱制御を行う加熱制御部、28は給湯および風呂の制御を行う制御装置で、貯湯温度センサ6、給湯温度センサ13、給湯流量センサ14、流水センサ21、風呂温度センサ22、水位センサ23、風呂流量センサ26、の検出値が入力され、加熱循環ポンプ5、給湯混合弁10、風呂循環ポンプ20、湯張り弁26を駆動するものである。
【0017】
29は制御装置28と通信可能で、浴室内に設けられた浴室内リモコンであり、操作部30と、設定内容を表示する表示部31と、スピーカー等の音を発生させる音発生部32と、浴室内における人の体動の有無を検出すると共に、浴室への入室と浴室からの退室を検出する人感センサ33とが設けられている。
【0018】
人感センサ33は、検出エリア内の熱源の温度変化量を検出する焦電センサであり、浴室に人がいて、動きがあることを検出する。具体的には、人感センサ33は、人が移動したときや手足などを動かすことによる検出エリアの温度変化を検出することにより、浴室内に人がおり、人の体動の有無を検出すると共に、浴室への入室と浴室からの退室を検出するものであり、人感センサ33の検出結果に基づいて、制御装置28に設けられた体動判定手段34で浴室内の人が動いているか否かの判定を行い、更に入室判定手段35で浴室内への入室と浴室外への退室との判定を行う。
【0019】
また、人感センサ33の検出エリアを詳しく説明すると、入浴中の人も洗い場でシャワーを浴びている人も等しく検出できるものが望ましく、少なくとも人の入退出及び人が浴槽に浸かっていても入浴者の体動が検出できるような範囲を検出できる人感センサ33である。
【0020】
また、この焦電センサからなる人感センサ33は、複数の増幅回路を有しており、この複数の増幅回路は制御装置28が制御している。この複数の増幅回路を必要に応じて切り替えることで、人感センサ33の検出値を増幅させ、人感センサ33の感度を変更している。さらに、人感センサ33の感度は、人の動作の有無を検出する温度変化量の閾値を下げることにより上げても良い。
【0021】
また、制御装置28には、浴槽3に人が入浴したのか、または、浴槽3から人が出浴したのかを判定する入浴判定手段36が設けられている。具体的には、入浴判定手段36は、風呂循環ポンプ20が停止している時に、人が浴槽3内に入浴または浴槽3外に出たときの出浴で生じる圧力変化を水位センサ22で検出し、検出結果に基づいて、人の入浴または出浴を判定している。
【0022】
そして、37は制御装置28と通信可能で、浴室外に設けられた浴室外リモコンであり、浴室内リモコン29と同様に操作部30、表示部31、音発生部32を有していて、浴室内の情報を浴室外に報知することができる。
【0023】
さらに、制御装置28には、自動保温運転時の動作を制御する保温運転制御手段38と、入浴判定手段36で入浴したと判定してから出浴したと判定するまでの時間をカウントする湯上がりタイマーである第一のタイマー手段39と、体動判定手段34で人の動きが判定されていない時間をカウントする不体動時間継続タイマーである第二のタイマー手段40と、浴室内で入浴者に異常が発生した時に浴室内リモコン29及び浴室外リモコン37に備えた表示部31および音発生手段32を用いて、浴室内で入浴者に異常が発生した旨や入浴者に体動を促す旨の報知を開始させる報知開始手段41が備えられている。
【0024】
次に、沸き上げ運転について説明する。
沸き上げ要求があると、制御装置28は、貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を繋ぐ配管の途中にある加熱循環ポンプ5を駆動して、貯湯タンク1内下部から水をくみ上げ、ヒートポンプユニット2で温めて貯湯タンク1上部に戻す動作を続ける事により徐々に貯湯タンク1内の水が高温水へと沸き上げる。
【0025】
次に、給湯動作ついて説明する。
給湯栓12が開かれると給水管7から給水され、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管9を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給水バイパス管9の給水が給湯ミキシング弁10で混ぜ合わされ、給湯設定温度と給湯サーミスタ13で検出された温度が同じなるように調整された湯水が給湯栓12から給湯される。
【0026】
また、湯張り動作について説明する。
浴室内リモコン29および浴室外リモコン37の湯張りスイッチが押されると制御装置28は湯張り弁25を開弁し、給水管7から給水を供給し、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管9を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給水バイパス管9の給水が給湯混合弁10で混ぜ合わされ、風呂設定温度と風呂温度センサ22で検出された温度が同じになるように調整された湯水が浴槽3に流入されることで湯張りが開始される。そして、風呂流量センサ26で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら制御装置28が湯張り弁25を閉状態にすることで湯張りを完了する。また、風呂循環回路17には往き管と戻り管の2本の経路があるが、2本の配管から同時に給湯して湯張り運転を行う高速湯張り運転を行うこともできる。
【0027】
そして、保温運転制御手段38は、湯張り運転完了後から浴室内リモコン29および浴室外リモコン37で予め設定された浴槽の湯を一定温度に沸き上げる自動保温運転の設定時間(ここでは約3時間)の間、繰り返し行う。
【0028】
また、この湯張り運転が完了したあとの自動保温運転が開始されることで、体動判定手段34と入室判定手段35と入浴判定手段36と保温運転制御手段38と第一のタイマー手段39と報知開始手段41との動作による本実施例の動作が開始するものであり、浴室内リモコン29または浴室外リモコン37の電源を切ること、または、所定期間の自動保温運転が終了することで、体動判定手段34と入室判定手段35と入浴判定手段36と保温運転制御手段38と第一のタイマー手段39と報知開始手段41の動作による本実施例の動作が停止するようにしている。
【0029】
また、ユーザーが任意で自動保温運転の実行または本実施例の第一のタイマー手段39及び第二のタイマー手段40と報知開始手段41を用いた見まもり動作の実行を選択するスイッチを設け、開始もしくは解除するようにしてもよい。
【0030】
次に第一のタイマー手段39を用いた入浴判定から所定時間までの入浴、及び入浴の継続までを
図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、水位センサ23の圧力変化の検出値に基づいて浴槽への入浴の有無を確認し、水位センサ23で浴槽の水位が所定水位上昇したと検出したら(S1がYes)、入浴判定手段36は浴槽に人が入浴したとし、入浴状態と判定し(S2)、制御装置28は第一のタイマー手段39は第一のタイマーのカウントをスタートする(S3)。
【0031】
そして、第一のタイマー手段39のカウント途中に、入浴判定手段36は水位変化に基づいて出浴したかを確認し(S5)、水位センサ23で浴槽の水位が所定水位下降したと検出し、入浴判定手段36が出浴と判定したら(S5がNo)、出浴確定してタイマーカウントを終了する(S6)。
【0032】
また、第一のタイマー手段39のカウント途中に出浴の判定がなく(S5がNo)、第一のタイマー手段39のカウントが所定時間に達したら(S6がYes)、報知開始手段41は浴室内リモコン29から「所定時間に達しました。出浴してください。」という出浴を促す旨の報知をする(S7)。
【0033】
そして、浴室内リモコン29の報知を受けて、水位センサ23で浴槽の水位が所定水位下降したと検出し、入浴判定手段36が出浴と判定したら(S8がNo)、出浴確定してタイマーカウントを終了する(S9)。
【0034】
また、水位センサ23で浴槽の水位が所定水位下降したと検出せず入浴判定手段36は出浴判定しないと(S8がYes)、所定時間以上入浴し続けているので、長湯と判定し、浴室内リモコン29で長湯状態であることを表示する(S10)。ここでは、長湯状態の表示は音による報知は行わない。
【0035】
このように、第一のタイマー手段39のカウントが所定時間に達したら、浴室内リモコン29で報知することで、予め定めた入浴時間で入浴を行うことができ、浴室にいて時計等で時間を測れない環境でも適切な入浴を行う事ができる。
【0036】
次に第一のタイマー手段39のカウントで所定時間に達したことを報知したあとに、入浴が継続された場合、入浴者に異常が発生した可能性があることを判定したら、浴室外リモコン37から報知する方法を
図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
まず、長湯判定後(S10)、制御装置28は、第一のタイマー手段39のカウントは 継続させると共に、体動判定手段34で体動を判定できなかった時間をカウントする不体動時間継続タイマーとした第二のタイマー手段40で第二のタイマーのカウントを開始する(S11)。
【0038】
この第一のタイマー手段39と第二のタイマー手段40のカウント途中に水位センサ23で浴槽の水位が所定水位下降されると(S12がYes)、入浴判定手段36で出浴確定し、タイマーカウントを終了して、この入浴中の見まもり動作を終了する(S13)。
【0039】
また、第二のタイマー手段40のカウント途中に、体動判定手段34が入浴者の体動を検出すると(S14がNo)、第二のタイマー手段40のカウントをリセットし、再び第二のタイマー手段40のカウントを再開し(S15)、第一のタイマー手段39のタイマーカウントが長湯インターバル時間に到達したかを確認する(S16)。
【0040】
また、もし、第二のタイマー手段40のカウント途中に、体動判定手段34が入浴者の体動を検出しなくても(S14がYes)、第一のタイマー手段39のタイマーカウントが長湯インターバル時間に到達したかを確認する(S16)。
【0041】
そして、第一のタイマー手段40のカウントが長湯インターバル時間に到達したら(S16がYes)、報知開始手段41は浴室内リモコン29から入浴者に、「時間になりました。身体を動かしてください」のような体動を促す報知を行い(S17)、浴室外リモコン37の表示部31から長湯表示を行う(S18)。
【0042】
このとき、第二のタイマー手段40のカウントが所定の異常判定カウントに達していなかった場合(S19がNo)、S12に戻り、見まもり動作を継続する。
【0043】
また、第二のタイマー手段40のカウントが所定の異常判定カウントに達していた場合(S19がYes)、異常判定待機状態と判断する(S20)。
【0044】
そして、異常判定待機状態となったとき(S20)、人感センサ33の感度を上げ(S21)、体動判定検出手段34で入浴者の体動を監視する(S22)。
【0045】
このとき、体動判定手段34で入浴者の体動判定があった場合は(S22がNo)、人感センサ33の感度を元に戻し(S23)、第二のタイマー手段40のカウントをリセットし、再び第二のタイマー手段40のカウントを再開する(S15)。
【0046】
また、体動判定手段34で入浴者の体動判定が無しの状態で(S22がYes)、報知開始手段41の体動を促す報知から異常予備時間(ここでは2分)が経過すると(S24がYes)、報知開始手段41は浴室内リモコン29及び浴室外リモコン37から音による報知を伴う異常お知らせを報知する(S25)。
【0047】
異常お知らせ報知後(S25)、入浴者の体動を監視し(S26)、体動判定手段34で体動が判定されれば(S26がYes)、異常お知らせ報知を終了すると共に人感センサ33の感度を元に戻し(S23)、S15に戻る。そのまま体動が判定されなければ(S26がNo)、異常お知らせ報知を継続させる。
【0048】
このように、異常判定待機状態であって、前記長湯インターバル時間毎に行う体動を促す報知が行われても、入浴者が体動をしない場合は、入浴者に異常があると判断することができ、浴室外リモコン37から異常お知らせを報知することで浴室外の人に早急な対応を促すことで安全性を向上させる事ができる。
【0049】
また、異常判定待機状態となってもすぐに異常お知らせを行わず、体動を促す報知を行い、報知開始手段41の体動を促す報知から異常予備時間を待ってから異常お知らせを行うことで、入浴者が正常な状態で体動をしなかった場合でも異常判定し、異常お知らせをしてしまう煩わしさを防ぐ事ができる。
【0050】
また、浴室外リモコン37では、所定時間よりも長く入浴していることを音による報知を伴わず表示することで、浴室外の人に煩わしさを感じさせることなく異常判定への遷移に備えることができるとともに、浴室内リモコン29で長湯インターバル時間が経過する毎に体動を促す報知を行うことで、入浴者が動ける正常状態なのか、動けない異常状態なのかを見分けることができる。
【0051】
次に
図4のタイムチャートに基づいて、体動が間欠的に行われて第二のタイマー手段40のカウントが異常判定カウントに達しなかった場合の説明をする。
入浴判定手段36で入浴判定がされると、第一のタイマー手段39のカウントが開始され、所定時間が経過すると、浴室内リモコン29の音発生部32で、所定時間に到達したので出浴を促す報知を行う。それからも入浴を続けた場合は、浴室内リモコン29の表示部31で長湯判定表示を行うとともに、第二のタイマー手段40のカウントを開始する。
【0052】
この第二のタイマー手段40のカウントは、入浴者が体動をするとカウントをリセットして再カウントを行うもので、
図4のように、入浴者の体動が体動判定手段34で間欠的に検知されている場合は、異常なしと判断している。また、浴室外リモコン37には、一度目の長湯インターバル時間を超えて入浴状態が続いていると、浴室外リモコン37の表示部31で長湯判定表示を行う。
【0053】
次に
図5のタイムチャートに基づいて、体動が行われず第二のタイマー手段40のカウントが異常判定カウントに達した場合の説明をする。
入浴判定手段36で入浴判定がされると、第一のタイマー手段39のカウントが開始され、所定時間が経過すると、浴室内リモコン29の音発生部32で、所定時間に到達したので出浴を促す報知を行う。それからも入浴を続けた場合は、浴室内リモコン29の表示部31で長湯判定表示を行うとともに、第二のタイマー手段40のカウントを開始する。
【0054】
この第二のタイマー手段40のカウントは、入浴者が体動をするとカウントをリセットして再カウントを行うもので、
図5のように、入浴者の体動が無く、第二のタイマー手段40のカウントが異常判定カウントに達し、長湯インターバル時間に到達すると、異常判定待機状態となる。それから入浴者の体動が無く、第一のタイマー手段39のカウントが異常判定カウントに達した場合は、浴室内リモコン29及び浴室外リモコン37から異常お知らせを報知する。この異常お知らせの報知は、入浴者の体動が体動検出手段34で検知されれば、報知を停止し、第二のタイマー手段40のカウントをリセットする。
【0055】
また、異常判定待機状態となると、人感センサ33の感度を上げ、入浴者の動きを検知しやすくし、体動判定手段34で体動を検知されると、人感センサ33の感度を元に戻す。
【0056】
なお、本発明は本実施例に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、今回はヒートポンプ式貯湯給湯機を用いて説明したが、貯湯タンク1内にヒーターを設けたものやバーナなどの熱源で湯水を加熱する給湯機でもよいものである。
【0057】
また、本発明では、第二のタイマー手段40のカウントが異常判定カウントを超えても、長湯インターバル時間に到達し、体動を促す報知から異常予備時間が経過するまでは異常お知らせを行わないものであるが、異常判定カウントに到達した時に、体動を促す報知を行い、それから異常予備時間が経過したあとに異常お知らせを行うものでも良く、これにより長時間体動が無く、異常が起きてる可能性があるとき、異常お知らせを聞いた浴室外の人が早急に対応することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 貯湯タンク
3 浴槽
28 制御装置
29 浴室内リモコン
33 人感センサ
34 体動判定手段
35 入室判定手段
36 入浴判定手段
38 保温運転制御手段
39 第一のタイマー手段
40 第二のタイマー手段
41 報知開始手段