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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、および集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20220602BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04L27/26 113
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019507379
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2018001515
(87)【国際公開番号】W WO2018173442
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2017056577
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】Intel Corporation,Group Common PDCCH[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702219,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702219.zip>,2017年02月13日
【文献】Sharp,DL Control Channel and data multiplexing in NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703239,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703239.zip>,2017年02月13日
【文献】ZTE, ZTE Microelectronics,DL Common Control for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1701584,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1701584.zip>,2017年02月13日
【文献】Huawei, HiSilicon,Discussion on TDD operation on an unpaired spectrum[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1701670,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1701670.zip>,2017年02月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Group Common PDCCHを含む信号を受信する受信機と、
前記Group Common PDCCHを復号する制御する制御回路と、を具備し、
前記Group Common PDCCHが配置されるシンボル数は、Non-Group Common PDCCHが配置されるシンボル数と同じであり、
前記Group Common PDCCH及び前記Non-Group Common PDCCHは、同じ制御チャネル領域(Control Resource Set)の全てのシンボルに配置される、
通信装置。
【請求項2】
前記Group Common PDCCHが配置されるシンボル数は可変である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記Group Common PDCCHはスロットの先頭部分に配置される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記Group Common PDCCHが配置される制御チャネル領域のスロットは上位レイヤ信号によって指示される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記Group Common PDCCHが配置される制御チャネル領域は上位レイヤ信号によって指示される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記Group Common PDCCHは、制御チャネル領域において周波数方向よりも時間方向を優先して配置される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記Group Common PDCCHは、ダウンリンクのシンボル数、アップリンクのシンボル数、および、その他のシンボル数を示す情報を含む、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
Group Common PDCCHを含む信号を受信し、
前記Group Common PDCCHを復号し、
前記Group Common PDCCHが配置されるシンボル数は、Non-Group Common PDCCHが配置されるシンボル数と同じであり、
前記Group Common PDCCH及び前記Non-Group Common PDCCHは、同じ制御チャネル領域(Control Resource Set)の全てのシンボルに配置される、
通信方法。
【請求項9】
前記Group Common PDCCHが配置されるシンボル数は可変である、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記Group Common PDCCHはスロットの先頭部分に配置される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項11】
前記Group Common PDCCHが配置される制御チャネル領域のスロットは上位レイヤ信号によって指示される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項12】
前記Group Common PDCCHが配置される制御チャネル領域は上位レイヤ信号によって指示される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項13】
前記Group Common PDCCHは、制御チャネル領域において周波数方向よりも時間方向を優先して配置される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項14】
前記Group Common PDCCHは、ダウンリンクのシンボル数、アップリンクのシンボル数、および、その他のシンボル数を示す情報を含む、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項15】
Group Common PDCCHを含む信号を受信する処理と、
前記Group Common PDCCHを復号する処理と、を処理し、
前記Group Common PDCCHが配置されるシンボル数は、Non-Group Common PDCCHが配置されるシンボル数と同じであり、
前記Group Common PDCCH及び前記Non-Group Common PDCCHは、同じ制御チャネル領域(Control Resource Set)の全てのシンボルに配置される、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)と呼ばれる通信システムが検討されている。5Gでは、通信トラフィックの増大、接続する端末数の増大、高信頼性、低遅延のそれぞれが必要とされるユースケース毎に機能を柔軟に提供することが検討されている。代表的なユースケースとして、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、大規模コミュニケーション/多数接続(mMTC:massive Machine Type Communications)、超信頼性・低遅延 コミュニケーション(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communicant)の3つがある。国際標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、LTEシステムの高度化と、New RAT(Radio Access Technology)(例えば、非特許文献1を参照)の両面から、通信システムの高度化を検討している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】RP-161596, "Revision of SI: Study on New Radio Access Technology", NTT DOCOMO, September 2016
【発明の概要】
【0004】
New RATでは、スロットの構成を端末に通知するための制御信号として、group common PDCCH(PDCCH: Physical Downlink control Channel)が検討されており、この制御信号の具体的な無線リソースへの配置について検討する必要がある。
【0005】
本開示の一態様は、スロットの構成を端末に通知する共通制御信号を適切に無線リソースに配置する基地局および通信方法の提供に資する。
【0006】
本開示の一態様に係る基地局は、スロットの構成を示す情報を含む第1の制御信号と前記情報を含まない第2の制御信号とを、グループに属する端末によってモニタされるリソースセットに割り当てる割当回路と、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを端末に送信する送信機と、を備え、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数を、前記第2の制御信号が割り当てられる最も小さいシンボル数に合わせる。
【0007】
本開示の一態様に係る通信方法は、スロットの構成を示す情報を含む第1の制御信号と前記情報を含まない第2の制御信号とを、グループに属する端末によってモニタされるリソースセットに割り当て、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを端末に送信する通信方法において、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数を、前記第2の制御信号が割り当てられる最も小さいシンボル数に合わせる。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、スロットの構成を端末に通知する共通制御信号を適切に無線リソースに配置することができる。
【0010】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施の形態に係るgroup common PDCCHを説明する。
図2A図2Aは、group common PDCCHの配置を説明する。
図2B図2Bは、group common PDCCHの配置を説明する。
図3図3は、第1の実施の形態に係る基地局の一部の構成を示す。
図4図4は、第1の実施の形態に係る基地局の構成を示す。
図5図5は、第1の実施の形態に係る端末の構成を示す。
図6図6は、基地局のPDCCHのデザイン動作例を示す。
図7A図7Aは、PDCCHとCCEとの関係を説明する。
図7B図7Bは、PDCCHとCCEとの関係を説明する。
図7C図7Cは、PDCCHとCCEとの関係を説明する。
図8A図8Aは、アグリゲーションレベルが「2」のときのPDCCHの構成例を説明する。
図8B図8Bは、アグリゲーションレベルが「2」のときのPDCCHの構成例を説明する。
図8C図8Cは、アグリゲーションレベルが「2」のときのPDCCHの構成例を説明する。
図9図9は、ケース1)を説明する。
図10図10は、ケース2)を説明する。
図11図11は、ケース3)を説明する。
図12図12は、第2の実施の形態に係るgroup common PDCCHのデザイン例を説明する。
図13図13は、第3の実施の形態に係るgroup common PDCCHに割り当てられるシンボル数の例を説明する。
図14図14は、第4の実施の形態に係るCCEのロジカルマッピングの例を示す。
図15A図15Aは、無線リソースを説明する。
図15B図15Bは、無線リソースを説明する。
図15C図15Cは、無線リソースを説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るgroup common PDCCHを説明する図である。図1には、group common control resource setと、group common PDCCHと、が示してある。なお、group common control resource setは、CORSET(Control resource set)と呼ばれることもある。
【0014】
NR(New Radio)では、スロットの構成を端末(UE:User Equipment)に通知するための制御信号として、group common PDCCHが検討されている。例えば、group common PDCCHは、DL(DownLink)のシンボル数およびUL(UpLink)のシンボル数および他の用途に使用されるシンボル数等を端末に通知するのに用いられる。
【0015】
group common PDCCHは、グループに属する端末で用いられる。例えば、あるgroup common PDCCHは、あるグループに属する端末で用いられ、別のgroup common PDCCHは、別のグループに属する端末で用いられる。group common PDCCHは、図1に示すように、group common control resource setと呼ばれる領域に配置されることが検討されている。
【0016】
group common control resource setには、group common PDCCH以外に、他のPDCCHも配置されることが検討されている。例えば、group common control resource setには、RACH(Random Access Channel)レスポンス、電力制御、ページングの通知、およびSIB(System Information Block)等の割り当てに使用される制御信号が配置される。これらの制御信号は、LTEでは、コモンサーチスペースに配置される信号である。以下では、group common control resource setに配置されるgroup common PDCCH以外のPDCCH(スロットの構成を示す情報を含まないPDCCH)をother PDCCHと呼ぶことがある。
【0017】
group common control resource setの周波数領域と時間領域は、上位レイヤのシグナリングで端末に通知されることが検討されている。端末は、group common control resource set内にサーチスペースを設定する。
【0018】
上記したように、group common PDCCHは、グループ内の複数の端末向けに送信されることを想定している。従って、group common PDCCHは、グループ内で最も回線品質の悪い端末も受信できるように送信される必要がある。
【0019】
図2Aおよび図2Bは、group common PDCCHの配置を説明する図である。回線品質を向上させる方法として、複数のシンボルにgroup common PDCCHを配置することが考えらえる。シンボルごとに使用できる送信パワーに制限がある場合、group common PDCCHを複数シンボルに配置することで、group common PDCCHの送信電力を向上させることができる。
【0020】
例えば、図2Aでは、group common PDCCHは、1シンボルに割り当てられているが、図2Bでは、3シンボルに割り当てられている。このため、図2Bでは、group common PDCCHの合計パワーを上げることができ、送信電力を向上させることができる。
【0021】
しかし、複数シンボルにgroup common PDCCHを配置すると、DLデータを伝送するPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、ULデータを伝送するPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)(図2Aおよび図2Bには図示せず)、または、サイドリンク(図2Aおよび図2Bには図示せず)等に使用されるシンボル数が制限される。
【0022】
例えば、図2Aの例では、DLデータは、2シンボル目から配置されているが、図2Bの例では、DLデータは、4シンボル目から配置されている。このため、図2Bの例は、図2Aの例に対し、DLデータ等に使用されるシンボル数が制限されている。
【0023】
そこで、本実施の形態に係る基地局は、group common control resource setに配置されるother PDCCHのデザイン(PDCCHなどの信号をシンボルなどのリソース領域に割り当てる(配置する)構成(configuration))に応じて、group common PDCCHをデザインする。例えば、基地局は、other PDCCHのカバレッジを広くするため、other PDCCHが割り当てられるシンボル数を増加させたとする。この場合、基地局は、other PDCCHのデザインに合わせて、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数も増加させる。これによって、基地局は、group common PDCCHを適切に無線リソースに配置することができる。
【0024】
図3は、第1の実施の形態に係る基地局100の一部の構成を示すブロック図である。図3に示す基地局100において、信号割当部13は、スロットの構成を示す情報を含むgroup common PDCCHと、スロットの構成を示す情報を含まないother PDCCHとを、グループに属する端末によってモニタされるgroup common control resource setに割り当てる。送信部14は、group common control resource setに割り当てられたgroup common PDCCHとother PDCCHとを端末に送信する。基地局100は、group common PDCCHおよびother PDCCHを、group common control resource setに割り当てる際、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、other PDCCHが割り当てられる最も小さいシンボル数に合わせるように、group common PDCCHをデザインする。
【0025】
図4は、第1の実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図4に示すように、基地局100は、誤り訂正符号化部11と、変調部12と、信号割当部13と、送信部14と、受信部15と、信号分離部16と、復調部17と、誤り訂正復号部18と、PDCCHデザイン決定部19と、group common PDCCH生成部20と、DCI(DownLink Control Information)生成部21と、を有している。
【0026】
誤り訂正符号化部11には、送信データ信号(DLデータ信号)およびPDCCHデザイン決定部19から出力される上位レイヤのシグナリング(デザイン情報)が入力される。誤り訂正符号化部11は、入力された送信データ信号およびデザイン情報に対し、誤り訂正符号化処理を施し、変調部12へ出力する。
【0027】
変調部12は、誤り訂正符号化部11から出力される信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部13へ出力する。
【0028】
信号割当部13は、変調部12から出力されるDLデータ信号、DCI生成部21から出力される制御信号であるDCI、およびgroup common PDCCH生成部20から出力されるgroup common PDCCHの制御情報を無線リソースに割り当てる。DCIは、group common control resource setまたはUE specific control resource setに定められている無線リソースに割り当てられる。PDCCHデザイン決定部19から出力されるデザイン情報にもとづき、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数が決定され、group common PDCCHは、group common control resource set内の無線リソースに割り当てられる。形成された信号は、送信部14へ出力される。
【0029】
送信部14は、信号割当部13から出力される信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して端末へ送信する。
【0030】
受信部15は、端末から送信された信号を、アンテナを介して受信し、信号分離部16へ出力する。
【0031】
信号分離部16は、DCI生成部21から出力されるUL割り当て情報に基づき、受信信号を分離する。ULデータ信号は、復調部17へ出力される。
【0032】
復調部17は、信号分離部16から出力される信号に対して復調処理を施し、復調処理した信号を誤り訂正復号部18へ出力する。
【0033】
誤り訂正復号部18は、復調部17から出力される信号を復号し、端末からの受信データ信号を得る。
【0034】
PDCCHデザイン決定部19は、PDCCHのデザインを決定する。例えば、PDCCHデザイン決定部19は、CCE(Control Channel Element)をどのREG(Resource Element Group)にマッピングするかを定めるデザイン、アグリゲーションレベルが2以上の場合、PDCCHをどのCCEで構成するかを定めるデザイン、およびgroup common control resource setの周波数領域と時間領域とを決定する。PDCCHデザイン決定部19は、決定したデザインを示すデザイン情報を、上位レイヤのシグナリングとして、誤り訂正符号化部11へ出力する。また、PDCCHデザイン決定部19は、決定したデザインを、信号割当部13へ出力する。
【0035】
group common PDCCH生成部20は、group common PDCCHで送信される制御情報を生成する。例えば、group common PDCCH生成部20は、DCI生成部21から出力される情報、DLデータ量、およびULデータ量の情報より、スロット、ミニスロット、またはサブフレームの構成(例えば、DLのシンボル数、ULのシンボル数、およびその他のシンボル数)を示す情報を生成し、信号割当部13へ出力する。
【0036】
DCI生成部21は、DLデータまたはULデータの無線リソース割り当て情報(DL割り当て情報またはUL割り当て情報)を生成する。DCI生成部21は、DL割り当て情報を信号割当部13に出力し、UL割り当て情報を信号分離部16に出力する。また、DCI生成部21は、スロット、ミニスロット、またはサブフレーム単位で送信するDCIの数、各DCIのアグリゲーションレベル、サーチスペースの設定などから、必要となるシンボル数を算出し、group common PDCCH生成部20へ出力する。
【0037】
図5は、第1の実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。図5に示すように、端末200は、誤り訂正符号化部31と、変調部32と、信号割当部33と、送信部34と、受信部35と、信号分離部36と、復調部37と、誤り訂正復号部38と、PDCCHデザイン受信部39と、DCI受信部40と、group common PDCCH受信部41と、を有している。
【0038】
誤り訂正符号化部31には、送信データ信号(ULデータ信号)が入力される。誤り訂正符号化部31は、入力された送信データ信号に対して誤り訂正符号化処理を施し、変調部32へ出力する。
【0039】
変調部32は、誤り訂正符号化部31から出力される信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部33へ出力する。
【0040】
信号割当部33は、変調部32から出力される送信信号を、DCI受信部40から出力されるUL割り当て情報に基づき、無線リソースに割当て、送信部34へ出力する。
【0041】
送信部34は、信号割当部33から出力される信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、基地局100へ送信する。
【0042】
受信部35は、基地局100から送信された信号を、アンテナを介して受信し、ダウンコンバート等の受信処理を施し、信号分離部36へ出力する。
【0043】
信号分離部36は、PDCCHデザイン受信部39から出力されるデザイン情報に基づき、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を特定し、group common PDCCHを分離する。信号分離部36は、分離したgroup common PDCCHを、group common PDCCH受信部41へ出力する。また、信号分離部36は、PDCCHデザイン受信部39から出力されるデザイン情報に基づき、DCIを分離する。信号分離部36は、分離したDCIをDCI受信部40へ出力する。また、信号分離部36は、DCI受信部40から出力されるDLの割り当て情報に基づき、DLデータまたは上位レイヤのシグナリングを分離して、復調部37へ出力する。
【0044】
復調部37は、信号分離部36から出力される信号に対して復調処理を施し、誤り訂正復号部38へ出力する。
【0045】
誤り訂正復号部38は、復調部37から出力される復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力し、得られた上位レイヤのシグナリングをPDCCHデザイン受信部39へ出力する。
【0046】
PDCCHデザイン受信部39は、誤り訂正復号部38によって復号された上位レイヤのシグナリングに含まれるデザイン情報を受信し、信号分離部36へ出力する。
【0047】
DCI受信部40は、信号分離部36から出力されるDCIに対して、復号を試みて、DCIを検出(受信)する。DCI受信部40は、受信したDCIに示されるDLリソース割り当て情報を信号分離部36へ出力する。また、DCI受信部40は、受信したDCIに示されるULリソース割り当て情報を信号割当部33へ出力する。
【0048】
group common PDCCH受信部41は、信号分離部36から出力されるgroup common PDCCHを受信する。
【0049】
図6は、基地局100のPDCCHのデザイン動作例を示すフローチャートである。PDCCHデザイン決定部19は、group common control resource setに割り当てられるother PDCCHをデザインする(ステップS1)。例えば、PDCCHデザイン決定部19は、group common control resource setに割り当てられるother PDCCHのシンボル数を決定する。
【0050】
次に、PDCCHデザイン決定部19は、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数が、other PDCCHが割り当てられる最も短いシンボル数と同じになるようにデザインする(ステップS2)。
【0051】
次に、信号割当部13は、ステップS1,S2のデザインに従って、other PDCCHおよびgroup common PDCCHをgroup common control resource setに割り当てる(ステップS3)。
【0052】
以下、PDCCHのgroup common control resource setへの配置について説明する。other PDCCHおよびgroup common PDCCHを区別する必要がないときは、単にPDCCHと記載することがある。
【0053】
図7A図7B、および図7Cは、PDCCHとCCEとの関係を説明する図である。図7Aには、REGと、CCEと、が示してある。
【0054】
PDCCHは、1以上のCCEによって構成される。1CCEは、複数のREGで構成される。REGは、1PRB(Physical Resource Block)の1シンボルから構成される。
【0055】
1CCEのデザインは、大きく2つに分けられる。1つは、1CCEが同一シンボルで構成されるデザインと、もう1つは、1CCEが複数のシンボルで構成されるデザインである。
【0056】
例えば、図7Aに示すように、1CCEは、同一シンボルで構成されることができる。また、図7Bおよび図7Cに示すように、1CCEは、複数のシンボルで構成されることができる。なお、図7A図7B、および図7Cにおいて、1CCEは、例えば、同じハッチングが付されているREGで構成される。
【0057】
1CCEが複数のシンボルで構成される場合、図7Bおよび図7Cに示すように、2つのデザインに分けられる。例えば、異なるPRBで構成される場合と、同じPRBで構成される場合である。
【0058】
例えば、図7Bに示すように、1CCEは、異なるPRBにおける異なる複数のシンボルで構成されることができる。また、図7Cに示すように、1CCEは、同じPRBにおける異なる複数のシンボルで構成されることができる。
【0059】
図7Aに示すように、1CCEを同一シンボルに配置するデザインは、PDCCHの後に配置される、例えば、PDSCH等の無線リソース数を増加させることができる。これに対し、図7Bおよび図7Cに示すように、1CCEを複数のシンボルに配置するデザインは、例えば、シンボルごとに使用できる送信パワーに制限がある場合、送信電力の向上を図ることができる。
【0060】
図7A図7B、および図7Cのどのタイプのデザインを使用するかは、基地局100の判断に委ねられる。CCEのデザインは、基地局100から端末200に、例えば、上位レイヤのシグナリング(SIBまたはdedicated RRC)で通知される。
【0061】
1CCEのデザインが、図7Bおよび図7Cに示すように、複数のシンボルに渡る場合、PDCCHは、アグリゲーションレベルに関係なく、複数のシンボル(3シンボル)に配置される。
【0062】
一方、1CCEが同一シンボルで構成される場合、アグリゲーションレベルが2以上になると、PDCCHは、同一シンボル(1シンボル)で構成される場合と、複数シンボル(2または3シンボル)で構成される場合とが生じる。
【0063】
図8A図8B、および図8Cは、アグリゲーションレベルが「2」のときのPDCCHの構成例を説明する図である。
【0064】
1CCEが同一シンボルで構成される場合、アグリゲーションレベル「2」のPDCCHのCCEは、図8Aに示すように、同一シンボルで構成される場合がある。この場合、PDCCHは、図8Aに示すように1シンボルに配置される。
【0065】
また、1CCEが同一シンボルで構成される場合、アグリゲーションレベル「2」のPDCCHのCCEは、図8Bおよび図8Cに示すように、異なるシンボルで構成される場合がある。つまり、アグリゲーションレベル「2」以上のPDCCHのCCEは、2以上のシンボルで構成される場合がある。
【0066】
アグリゲーションレベル「2」のPDCCHのCCEが、異なるシンボルで構成される場合、CCEの構成は、大きく2つに分けられる。例えば、図8Bに示すように、PDCCHのCCEは、同じPRBで構成される場合と、図8Cに示すように、異なるPRBで構成される場合とに分けられる。
【0067】
すなわち、基地局100は、アグリゲーションレベルが「2」以上の場合、次の3つの基準によって、PDCCHをgroup common control resource setに配置することができる。
【0068】
(1)PDCCHを構成するCCEを、例えば、図8Aに示すように、同一シンボルに配置する(Frequency first mapping)。
【0069】
(2)PDCCHを構成するCCEを、例えば、図8Bに示すように、同じPRBにおける異なる複数のシンボルに配置する(Time first mapping)。
【0070】
(3)PDCCHを構成するCCEを、例えば、図8Cに示すように、異なるPRBにおける異なる複数のシンボルに配置する。
【0071】
上記(1)の基準によって、PDCCHをgroup common control resource setに配置した場合、基地局100は、PDCCHの占有するシンボル数を抑制することができる。
【0072】
上記(2)の基準によって、PDCCHをgroup common control resource setに配置した場合、基地局100は、例えば、DMRS(Demodulation Reference Signal)の量を低減できる。また、基地局100は、シンボルごとに使用できる送信パワーに制限がある場合、送信電力の向上を図ることができる。
【0073】
上記(3)の基準によって、PDCCHをgroup common control resource setに配置した場合、端末200は、周波数方向および時間方向の両方において、ダイバーシチゲインを得ることができる。
【0074】
基地局100(PDCCHデザイン決定部19)は、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、端末200によってモニタ(サーチ)されるother PDCCHが割り当てられるシンボル数に基づいてデザインする。例えば、基地局100は、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、other PDCCHが割り当てられる最も短いシンボル数に合わせるよう、group common PDCCHを配置(デザイン)する。その際、基地局100は、group common PDCCHを、group common control resource setの先頭のシンボルから配置する。
【0075】
従って、基地局100は、other PDCCHを同一シンボルに配置するようにデザインする場合(図7Aおよび図8A参照)、group common PDCCHを1シンボルに配置(デザイン)することが可能となる。これにより、基地局100は、送信データのシンボル数を増やすことが可能となる。
【0076】
また、基地局100は、other PDCCHを異なる複数のシンボルに配置するようにデザインする場合(図7B図7C図8B、および図8Cを参照)、group common PDCCHを、異なる複数のシンボルに配置することになる。これにより、基地局100は、group common PDCCHの送信電力の向上を図ることができる。
【0077】
なお、端末200がgroup common control resource setでモニタするPDCCHは、アグリゲーションレベル「1」からではなく、例えば、アグリゲーションレベル「4」以上とされることも考えられる。これは、group common control resource setで送信するPDCCHは、複数の端末200によって同時に受信されるものや、端末200の設定に関する情報を指示する情報を有するものがあり、UE specific control resource setで送付される再送処理が可能なデータ信号を指示する制御信号よりも、高い品質が求められるからである。
【0078】
また、group common PDCCHおよびgroup common control resource setは、スロットの先頭部分に配置されることが考えられる。これらを先頭に配置すると、データ部分よりも先にgroup common PDCCHの受信を開始できるという利点がある。
【0079】
また、group common PDCCHおよびgroup common control resource setは、スロット単位ではなく、サブフレーム単位、またはミニスロット単位で送信されることも考えられる。サブフレームは、1msecの時間間隔を示し、スロットは、サブフレーム内に1以上配置される。ミニスロットは、スロットより短い単位である。
【0080】
また、group common control resource setに配置されるPDCCHのデザインおよび2以上のアグリゲーションレベルが占有するシンボル数は、上位レイヤのシグナリング(SIBまたはdedicated RRC)にて通知される。また、最小のアグリゲーションレベルは、システムで固定であるとする。
【0081】
以下、アグリゲーションレベルが「2」の場合の次のケースについて説明する。
【0082】
ケース1)other PDCCHを、図8Aに示したように、同一シンボルに配置するケース
【0083】
ケース2)other PDCCHを、図8B(または図8C)に示したように、異なる複数のシンボルに配置するケース
【0084】
ケース3)other PDCCHのCCEを、図7Bに示したように、異なる複数のシンボルで構成するケース
【0085】
図9は、ケース1)を説明する図である。図9には、group common control resource setと、other PDCCHと、group common PDCCHと、が示してある。other PDCCHおよびgroup common PDCCHは、group common control resource setに配置される。
【0086】
ケース1)の場合、基地局100は、アグリゲーションレベル「2」のother PDCCHを、図9に示すように、同一シンボル(1シンボル)に配置する。そして、基地局100は、group common control resource setにおいて、other PDCCHが割り当てられる最小シンボル数に合わせ、図9に示すように、group common PDCCHを1シンボルに配置する。
【0087】
基地局100は、ケース1)の場合、other PDCCHが割り当てられるシンボル数と、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数とを、「1」となるようにデザインできる。この場合、基地局100は、送信データをシンボル「#1」から割り当てることができる。
【0088】
図10は、ケース2)を説明する図である。ケース2)の場合、基地局100は、アグリゲーションレベル「2」のother PDCCHの2CCEを、図10に示すように、異なる複数のシンボル(2シンボル)に配置する。そして、基地局100は、group common control resource setにおいて、other PDCCHが割り当てられる最小シンボル数に合わせ、図10に示すように、group common PDCCHを2シンボルに配置する。
【0089】
基地局100は、ケース2)の場合、other PDCCHと、group common PDCCHとの両方が占有するシンボルを、シンボル「#0,#1」に限定できる。この場合、基地局100は、送信データをシンボル「#2」から割り当てることができる。
【0090】
図11は、ケース3)を説明する図である。ケース3)の場合、基地局100は、other PDCCHを構成するCCEを、図11に示すように、異なる複数のシンボル(3シンボル)に配置する。ケース3)の場合では、other PDCCHは、group common control resource setに割り当てられるシンボルのすべてに渡って配置される。従って、group common PDCCHも、group common control resource setのシンボル全てを占有するように、デザインされる。
【0091】
なお、ケース3)の場合、どのアグリゲーションレベルであっても、other PDCCHは、3シンボル全てに渡って配置されるので、group common PDCCHも3シンボルに渡って配置される。
【0092】
以上説明したように、基地局100(PDCCHデザイン決定部19)は、グループに属する端末200がモニタするgroup common control resource setに割り当てられるgroup common PDCCHのシンボル数を、group common control resource setに割り当てられるother PDCCHの最も小さいシンボル数に合わせて、デザインする。これにより、基地局100は、スロットの構成を端末に通知するgroup common PDCCHを適切に無線リソースに配置することができる。例えば、基地局100は、データを送受信できるシンボル数を増やすことができる。
【0093】
また、基地局100は、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数が、other PDCCHが割り当てられるシンボル数より多くなり、group common PDCCHが占有する領域によって、送信データの開始地点(開始シンボル)を遅らせるということを回避できる。
【0094】
また、group common control resource setに配置されるother PDCCHが、複数のシンボルに配置される場合、そのグループに回線品質の低いユーザが存在している可能性がある。そのような場合は、group common PDCCHも複数のシンボルに配置されるので、回線品質の低いユーザも、group common PDCCHの受信品質を向上できるという利点がある。
【0095】
また、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数は、group common control resource setに配置されるPDCCHのデザインから決定されるが、group common control resource setのシンボル数と、一致しないことがある。group common control resource setは、端末200が複数のPDCCHをモニタする領域であり、配置されるPDCCHが増えると、実際に使用される領域は広くなる。配置されるPDCCHが少なく、またアグリゲーションレベルが低い場合、実際に使用される領域を小さくできる。その場合、group common control resource setとして割り当てられているシンボル数よりも、実際に使われるシンボル数が少なくなる。group common PDCCHが割り当てられるシンボル数は、PDCCHの割り当てが少ない場合を想定して、使用される最小のシンボル数に設定する。
【0096】
[第2の実施の形態]
group common control resource setは、毎スロットに配置されない可能性もある。第2の実施の形態では、group common control resource setが毎スロットに配置されない場合のgroup common PDCCHのデザインについて説明する。
【0097】
図12は、第2の実施の形態に係るgroup common PDCCHのデザイン例を説明する図である。図12に示すスロットには、group common control resource setが配置されていない。
【0098】
group common PDCCHが割り当てられるシンボル数は、group common control resource setが配置されるスロットにおいては、実施の形態1で説明したように、端末200がモニタするother PDCCHが割り当てられる最も小さいシンボル数と同じとする。一方、図12に示すように、group common control resource setが配置されないスロットにおいては、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を「1」とする。
【0099】
端末200が、group common control resource setをモニタするスロットは、予め、上位レイヤのシグナリング(SIBまたはdedicated RRC)で通知されているとする。
【0100】
group common control resource setで送信すべきPDCCHの頻度は、毎スロットでなくてもよいかもしれない。特に、ULデータを割り当てるスロットでは、データ領域にSIB等のDLデータを送信することができないので、group common control resource setにPDCCHを配置する必要がない。
【0101】
従って、予めULデータを割り当てる予定のスロットでは、group common control resource setをモニタしないように設定することで、不要なPDCCHのモニタを減らすことができる。ただし、group common PDCCHは、ULデータ領域のシンボル数または他の制御情報等を通知する必要があるため、端末200に受信されるように設定することができる。
【0102】
基地局100(PDCCHデザイン決定部19)は、group common control resource setを配置しないスロットでは、図12に示すように、group common PDCCHのシンボル数を「1」とする。このため、group common PDCCHは、パワーブースティング(power boosting)の効果を期待できない。しかし、group common control resource setに配置されるother PDCCHがないので、その分の電力を、group common PDCCHに使用でき、十分な電力を確保できる。
【0103】
以上説明したように、基地局100は、group common control resource setが配置されないスロットにおいては、group common PDCCHが1シンボルに割り当てられるようにデザインする。これにより、基地局100は、group common PDCCHを適切に無線リソースに配置することができる。例えば、基地局100は、group common control resource setが配置されないスロットでは、group common PDCCHが配置されるシンボルを少なくすることができ、データに割り当てられるシンボル数を多くすることができる。
【0104】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、group common PDCCHが、複数のアグリゲーションレベルでモニタされ、アグリゲーションレベルごとに占有するシンボル数を可変とする。基地局100は、アグリゲーションレベルが高い場合に、group common PDCCHの占有するシンボル数を多くすることで、回線品質を向上させる。
【0105】
複数のアグリゲーションレベルで、group common PDCCHがモニタされると、基地局100は、回線品質にあわせて、アグリゲーションレベルを選択できる。例えば、基地局100は、回線品質の良いグループの端末200に対して、アグリゲーションレベルを低くする。これにより、基地局100は、group common PDCCHに使用するリソース量を減らすことができる。また、基地局100は、回線品質の悪いグループの端末200に対して、アグリゲーションレベルを高くする。これにより、基地局100は、符号化率を低くし、誤り耐性の強い状態にして、group common PDCCHを送信できる。
【0106】
group common PDCCHに設定されるアグリゲーションレベルと、group common control resource setでモニタされるother PDCCHのアグリゲーションレベルは異なる可能性もある。
【0107】
基地局100は、group common PDCCHのアグリゲーションレベルがX未満の場合、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、group common control resource setでUEがモニタするother PDCCHが割り当てられる、最も小さいシンボル数と同じにする。また、基地局100は、group common PDCCHのアグリゲーションレベルがX以上の場合、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、other PDCCHが割り当てられる、2番目に小さいシンボル数と同じにする。
【0108】
図13は、第3の実施の形態に係るgroup common PDCCHに割り当てられるシンボル数の例を説明する図である。
【0109】
group common control resource setで端末200がモニタするother PDCCHのアグリゲーションレベルを「4」および「8」とする。図13に示すように、アグリゲーションレベルが「4」のとき、other PDCCHは、1シンボルに配置され、アグリゲーションレベルが「8」のとき、other PDCCHは、2シンボルに配置されるデザインとする。
【0110】
また、group common PDCCHのアグリゲーションレベルを「1」および「2」とし、「X=2」とする。
【0111】
この場合、基地局100(PDCCHデザイン決定部19)は、図13に示すように、アグリゲーションレベルが「X=2」未満(すなわち、アグリゲーションレベル「1」)のgroup common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、other PDCCHが割り当てられる最も小さいシンボル数「1」となるようにデザインする。また、基地局100は、図13に示すように、アグリゲーションレベルが「X=2」以上(すなわち、アグリゲーションレベル「2」)のgroup common PDCCHが割り当てられるシンボル数を、other PDCCHが割り当てられる2番目に小さいシンボル数「2」となるようにデザインする。
【0112】
このようにすると、基地局100は、group common PDCCHのアグリゲーションレベルが大きくなるにつれて、group common control resource setに配置されるgroup common PDCCHのシンボル数を多くできる。すなわち、基地局100は、アグリゲーションレベルの大きさに応じて、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を多くできる。
【0113】
以上説明したように、基地局100は、アグリゲーションレベルに応じて、group common PDCCHのシンボル数を可変する。これにより、基地局100は、group common PDCCHを適切に無線リソースに配置することができる。例えば、基地局100は、高いアグリゲーションレベルを選択することにより、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を多くすることができ、回線品質を向上させることができる。
【0114】
なお、上記では、group common PDCCHのアグリゲーションレベルは、group common control resource setに配置されるPDCCHよりも、低いと想定している。これは、group common PDCCHに含まれる情報ビット数が、other PDCCHよりも少ないと想定したからである。情報ビット数の量によって、必要となるアグリゲーションレベルは異なる。
【0115】
また、group common PDCCHのアグリゲーションレベルがX未満の場合、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を「1」とし、group common PDCCHのアグリゲーションレベルがX以上の場合、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数を「2」とする、というように、group common control resource setに配置されるother PDCCHのデザインにかかわらず、固定の値を設定してもよい。
【0116】
また、基地局100が、アグリゲーションレベルの高いものを選択する場合、グループ内に回線品質の悪いユーザが含まれていることが想定される。また、そのような場合、スロット、ミニスロット、またはサブフレームが、強い干渉を受けていることが想定される。
【0117】
このような場合、基地局100は、誤り耐性を上げるため、group common control resource setで端末200がモニタするother PDCCHも、アグリゲーションレベルの高いものを使う可能性が高い。従って、group common control resource setに配置されるother PDCCHと、同等のシンボル数でgroup common PDCCHを送信することで、group common PDCCHのパワーブースティングが可能となる。group common control resource setに配置されるother PDCCHのシンボル数と、group common PDCCHが割り当てられるシンボル数とが同等になるので、例えば、端末200の送信データは、group common control resource setに配置されるother PDCCHおよびgroup common PDCCHのシンボルより後からスタートすることができる。
【0118】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、CCE#を、シンボル番号の小さい方から割り当て、group common PDCCHを先頭シンボルに配置できるようにする。また、CCE#のREGのマッピングが、複数のシンボルに渡る場合、group common PDCCHも複数のシンボルに配置され、パワーブースティングをできるようにする。
【0119】
図14は、第4の実施の形態に係るCCEのロジカルマッピングの例を示した図である。基地局100(PDCCHデザイン決定部19)は、group common PDCCHのアグリゲーションレベルを「n」とした場合、CCE#0~CCE#n-1にgroup common PDCCHを割り当てる。例えば、group common PDCCHのアグリゲーションレベルを「2」とすると、基地局100は、CCE#0,CCE#1にgroup common PDCCHを割り当てる。
【0120】
図15A図15B、および図15Cは、無線リソースを説明する図である。図14に示したハッチングと、図15A図15B、および図15Cに示すハッチングは、対応している。例えば、図14に示すように、CCE#0,#1に割り当てられたgroup common PDCCHは、図15A図15B、および図15Cの対応するハッチングのCCE(太線で囲むREG)に割り当てられる。
【0121】
図15Aでは、CCEは、同一シンボルのREGで構成されている。図14に示したCCE#を、図15Aのシンボルの先頭から割り当てる場合、group common PDCCHは、group common control resource set内の先頭シンボルから配置される。
【0122】
例えば、group common PDCCHを、図14に示したCCE#0、#1に配置した場合、group common PDCCHは、図15Aに示すように、group common control resource set内の先頭シンボルから配置される。つまり、基地局100(PDCCHデザイン決定部19は、)は、group common PDCCHを、図14のCCE#の先頭から割り当てることによってシンボル#0に配置し、シンボル#1以降を送信データに使用することができる。
【0123】
図15Bおよび図15Cでは、CCEは、異なるシンボルのREGで構成されている。group common PDCCHは、図14に示したどのCCE#に割り当てても、図15Bおよび15Cに示すように、複数のシンボル(3シンボル)に渡って配置される。図14図15Bとに示すような対応関係、または図14図15Cとに示すような対応関係にすると、基地局100は、パワーブースティングを適用することができる。
【0124】
図15Bおよび図15Cの場合、ロジカルマップのどのCCE#にgroup common PDCCHを割り当てても、使用されるシンボル数は変わらない。例えば、図15Bおよび図15Cに示すように、group common PDCCHに割り当てられるシンボル数は、「3」となる。
【0125】
基地局100は、「group common PDCCHをCCE#の先頭から配置する」と定めると、CCEを同一のシンボルのREGで構成する場合と(図15A参照)、CCEを複数のシンボルのREGで構成する場合(図15Bおよび図14C参照)との両方において、ロジカルマップ(図14参照)へのCCEの割り当て処理を共通にできるという利点がある。
【0126】
group common PDCCHのアグリゲーションレベルが一意に定まっている場合、端末200は、group common PDCCHが配置されるCCEを除いて、other PDCCHが配置されると認識して、other PDCCHをモニタできる。
【0127】
group common PDCCHのアグリゲーションレベルが一意に定まっていない場合は、2通りの方法がある。1つの方法として、端末200は、group common PDCCHを受信後に、group common PDCCHのアグリゲーションレベルが分かるので、group common PDCCHに占有されたCCEを除いて、other PDCCHをモニタする方法がある。もう1つの方法として、端末200は、group common PDCCHの受信完了を待たずに、group common PDCCHの最小アグリゲーションレベルが占有するCCEのみを除いて、other PDCCHをモニタする方法がある。
【0128】
以上説明したように、基地局100は、group common PDCCHをCCEのロジカルマップの先頭から割り当てる。これにより、基地局100は、group common PDCCHを適切に無線リソースに配置することができる。例えば、基地局100は、group common PDCCHを、CCE#の小さい番号から割り当てることにより、group common control resource setの先頭シンボルに配置できる。また、基地局100は、CCE#に対応するREGが、複数のシンボルに渡る場合(図15Bまたは図15C)、group common PDCCHも複数のシンボルに配置され、パワーブースティングをすることができる。
【0129】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0130】
なお、group common PDCCHのデザインおよび2以上のアグリゲーションレベルが占有するシンボル数は、上位レイヤのシグナリング(SIBまたはdedicated RRC)にて通知され、最小のアグリゲーションレベルは、システムで固定であるとしたが、group common PDCCHのデザインおよび2以上のアグリゲーションレベルが占有するシンボル数を、他の情報から決定してもよい。他の情報とは、送信帯域幅、キャリア周波数、UE capabilityなどである。帯域幅が広い場合、使用するシンボル数は短くなり、帯域幅が広い場合、使用するシンボル数が多くなることが考えられる。また、キャリア周波数が高い領域、特にミリ波帯では、シンボルごとにビームを変えて送信することが考えられるので、group common control resource setのシンボル数を「1」に固定することも考えらえる。UE capabilityは、capabilityごとに、サポートするデザインが異なる可能性がある。特に、MTC(Machine type communication)向け端末や、NB-Iot(Narrow band IoT)向け端末では、group common PDCCHを繰り返し複数のシンボルで送信することもできる。
【0131】
また、データは、group common PDCCHおよびgroup common control resource set内に配置されるother PDCCHのシンボルよりも後ろのシンボルに配置されるとしたが、これは、同一PRB内にのみに適用され、PDCCHが配置されないPRBは、異なるシンボルからデータを開始してもよい。また、SU-MIMOや、CoMPなど、空間多重技術を使用する場合、other PDCCHまたはgroup common PDCCHとデータが空間多重されている場合、同一のシンボルにデータを割り当ててもよい。
【0132】
また、上記では、データは、DLデータ(PDSCH)として説明したが、ULデータおよび、Sidelinkのデータ、URLLCのデータ、MTCのデータ等の他のデータを割り当ててもよい。
【0133】
また、group common control resource setに配置されるPDCCHのデザインは、セル単位で共通としてもよいし、グループ単位で共通よしてもよいし、端末200個別に設定できるようにしてもよい。
【0134】
また、上記の周波数領域(PRB#)は、物理的なマッピングを例として示したが、論理的なマッピングとすることもできる。論理的なマッピングの場合、論理的なマッピングから物理的なマッピングに変更するので、図中連続している周波数領域であっても、物理的には離れた位置に配置できるので、周波数ダイバーシチ効果が得られる。
【0135】
また、group common PDCCHは、PCFICH(Physical Control Format Indicator channel)、または、PSFICH(Physical Slot Format Indicator channel)、PDCCH type0など異なる名前で定義される可能性がある。
【0136】
また、上記の図では、CCEは、3つのREGで構成されているとしたがこれに制限するものではなく、CCEを構成するREG数は、4,6,8など異なる値にも適用できる。
【0137】
また、group common control resource setは、group common search spaceと呼ばれることもある。
【0138】
また、上記のgroup common control resource setを、UE specific control resource setに置き換えてもよい。
【0139】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0140】
本開示の基地局は、スロットの構成を示す情報を含む第1の制御信号と前記情報を含まない第2の制御信号とを、グループに属する端末によってモニタされるリソースセットに割り当てる割当回路と、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを端末に送信する送信機と、を備え、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数を、前記第2の制御信号が割り当てられる最も小さいシンボル数に合わせる。
【0141】
本開示の基地局において、前記リソースセットが配置されないスロットにおいては、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数を1にする。
【0142】
本開示の基地局において、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数をアグリゲーションレベルに応じて可変する。
【0143】
本開示の基地局において、前記第1の制御信号をコントロールチャネルエレメントのロジカルマップの先頭から割り当てる。
【0144】
本開示の基地局において、前記第1の制御信号をスロットの先頭シンボルから配置する。
【0145】
本開示の通信方法は、スロットの構成を示す情報を含む第1の制御信号と前記情報を含まない第2の制御信号とを、グループに属する端末によってモニタされるリソースセットに割り当て、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とを端末に送信する通信方法において、前記第1の制御信号が割り当てられるシンボル数を、前記第2の制御信号が割り当てられる最も小さいシンボル数に合わせる。
【0146】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0147】
100 基地局
13 信号割当部
19 PDCCHデザイン決定部
20 group common PDCCH生成部
200 端末
39 PDCCHデザイン受信部
41 group common PDCCH受信部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C