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特許7083009ホイール洗浄装置およびホイールを洗浄する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】ホイール洗浄装置およびホイールを洗浄する方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
B08B3/02 C
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020150600
(22)【出願日】2020-09-08
(62)【分割の表示】P 2019522905の分割
【原出願日】2016-10-26
(65)【公開番号】P2021000634
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519149490
【氏名又は名称】リンゲスコーグ フレデリク
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リンゲスコーグ フレデリク
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-237701(JP,A)
【文献】国際公開第2016/105306(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/00-3/14
B60C 19/00
B60S 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール洗浄ゾーン(15)、および車両のホイール(12)を前記ホイール洗浄ゾーン(15)に搬入搬出するためのホイール搬送システムを備えた、リムおよび前記リムに取り付けられたタイヤを有する前記車両のホイール(12)を洗浄するためのホイール洗浄装置(10)であって、前記ホイール搬送システムは、
ホイール把持装置36)、および少なくとも部分的に水平方向(A)に延びるホイール搬送機(20)を備え、前記ホイール把持装置(36)は、前記ホイール搬送機(20)からつるされ、前記ホイール搬送機(20)によって移動可能であり、単一のホイールを解放可能に把持するように構成され、前記ホイール搬送システムは、ホイール(12)を個々に、連続して、寝かせた位置で、前記ホイール洗浄ゾーン(15)へ、少なくとも部分的に前記水平方向(A)に搬送し、次に前記ホイール洗浄ゾーン(15)からホイール支持部(22)へ、少なくとも部分的に前記水平方向(A)に搬送し、次に、洗浄される次のホイールの上方の位置に戻し、手順を繰り返して、洗浄されたホイール(12)のスタック(14)を出すように、構成されることを特徴とする、ホイール洗浄装置。
【請求項2】
ホイール(12)を前記ホイール把持装置36)に搬送するための入口搬送機(35)を備える、請求項1に記載のホイール洗浄装置。
【請求項3】
前記入口搬送機(35)は、ホイール(12)のスタック(14)を前記ホイール把持装置36)に搬送するように構成される、請求項2に記載のホイール洗浄装置。
【請求項4】
前記ホイール搬送システムは、ホイール(12)を個々に、連続して、寝かせた位置で、ホイールのスタック(14)から前記ホイール洗浄ゾーン(15)へ搬送するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のホイール洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄ゾーン(15)は、前記ホイール(12)を洗浄するために洗浄液を前記洗浄ゾーン(15)に提供するよう、前記ホイール(12)の移動経路の上方および下方に配置されたノズル(17a、17b)を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のホイール洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄ゾーン(15)は、洗浄されるホイール(12)を受け入れるための、洗浄液を伴う容器(26)を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のホイール洗浄装置。
【請求項7】
リムおよび前記リムに取り付けられたタイヤを有する車両のホイール(12)を洗浄するための方法であって、
a)洗浄されるホイール(12)を、ホイール搬送システムのホイール把持装置36)に位置付けるステップと、
b)前記ホイール把持装置(36)によって、洗浄される単一のホイール(12)を把持するステップと、
c)前記ホイール搬送システムのホイール搬送機(20)によって寝かせた位置で前記単一のホイール(12)を有する前記ホイール把持装置(36)ホイール洗浄ゾーン(15)へ少なくとも部分的に水平方向(A)に搬送するステップと、
d)前記ホイール洗浄ゾーン(15)で前記ホイール(12)を洗浄するステップと、
e)洗浄された前記ホイール(12)を有する前記ホイール把持装置(36)を、前記ホイール洗浄ゾーン(15)から前記ホイール搬送機(20)によって少なくとも部分的に前記水平方向(A)に搬送するステップと、
f)洗浄された前記ホイールを、前記搬送システムによって所定の位置に位置付け、洗浄された前記ホイールを、前記ホイール把持装置(36)から解放する、ステップと、
g)前記ホイール把持装置(36)を、洗浄される次のホイールの上方の位置に戻すステップと、
h)次のホイールについてステップb~を繰り返し、ステップf)の前記所定の位置は、以前に洗浄された前記ホイールの上であり、それによって洗浄されたホイール(12)のスタック(14)を出す、ステップと
を含む、方法。
【請求項8】
入口搬送機(35)によってホイール(12)を前記ホイール把持装置36)に搬送するステップを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール洗浄装置に関する。より詳細には、本発明は、リムおよびこのリムに取り付けられたタイヤを有する車両のホイールを洗浄するための装置に関する。このタイプのホイール洗浄装置は、使用されたホイールを洗浄するために、一般的にタイヤショップで使用される。ホイール洗浄装置は、例えば、通常タイヤ(夏用タイヤとも呼ばれる)のホイールのセットと、冬用タイヤ(スノータイヤとも呼ばれる)のホイールのセットとの間などのホイール交換に関連してホイールを洗浄するために使用される。このようなホイール洗浄装置は、同じリムを再び使用するタイヤ交換に関連して、または空気漏れもしくはパンクしたタイヤなど、1つまたは複数の損傷したタイヤを補修することに関連してホイールを洗浄するために使用することもできる。本発明は、ホイールを洗浄する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術には、いくつかの異なるタイプのホイール洗浄装置がある。このようなホイール洗浄装置の1つは洗いチャンバを備え、ホイールは、自動的に洗うために洗いチャンバ内に位置付けられる。次に、汚れのないホイールは、格納するか、または車両に取り付けるために、手作業で洗いチャンバから取り除かれる。別の先行技術のホイール洗浄装置は、洗いチャンバと、洗いチャンバを通して搬送機上に寝かせたホイールを連続的に搬送するための搬送機と、を備える。
【0003】
先行技術による、このようなホイール洗浄装置の課題は、それらが非効率的であることである。
【0004】
このような先行技術のホイール洗浄装置の別の課題は、それらは労力を要し非人間工学的であって、経費を要する操作、および人的損傷のかなりの危険性をもたらすことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の課題を回避して、改善したホイール洗浄装置およびホイールを洗浄する方法を提供することである。本発明は、ホイールの効率的な取り扱いおよび洗浄をもたらし、車両からのホイールのセットなど、ホイールのスタックのホイールを効率的に洗浄し、格納または車両への取り付けなど、さらなる取り扱いのために積み重ねる。本発明によると、単一の車両からのホイールのセットを、ホイールのスタックとして構成する。このスタックのホイールは洗浄され、対応する汚れのないホイールのスタックが、格納または車両への取り付けなど、さらなる取り扱いのために準備される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リムおよびこのリムに取り付けられたタイヤを有する車両のホイールを洗浄するための、ホイール洗浄装置に関する。この洗浄装置は、ホイール洗浄ゾーンと、ホイールをホイール洗浄ゾーンに搬入搬出するための、少なくとも1つのホイール搬送システムを備える。ホイール搬送システムは、少なくとも1つの垂直移動可能なホイール係合要素、および少なくとも部分的に水平方向に延びるホイール搬送機を備えることに特徴付けられる。ホイール搬送システムは、ホイールを個々に、連続して、寝かせた向きで、洗浄されるホイールのスタックをホイール洗浄ゾーンへ、少なくとも部分的に水平方向に搬送し、次に洗浄されたホイールのスタックを取り出すように構成される。寝かせたホイールを、洗浄ゾーンに搬入搬出するため、ならびに任意選択で洗浄ゾーンを通過させるための搬送機と組み合わされた、垂直移動可能なホイール係合要素は、ホイールの効率的な洗浄および取り扱いの可能性をもたらし、自動車など、単一の車両からのホイールのセットから成るホイールのスタックを、洗浄のためにホイール洗浄装置に投入し、次に洗浄されたホイールのスタックを、所定の箇所に取り出すことができる。
【0007】
例えば、ホイール係合要素を、ホイールのスタックのうちの1つまたは複数のホイールを把持するための、垂直移動可能なホイール把持装置として構成することができる。ホイール把持装置を、寝かせた向きの単一のホイールを取り上げて、ホイール洗浄ゾーンに搬入搬出するように構成することができる。ホイール把持装置を、ホイールのスタックのうちの最上部のホイールを取り上げるように構成することができる。代替として、ホイール把持装置を、ホイールのスタックのうちの最下部が搬送機によってホイール洗浄ゾーンに搬送され得るよう、ホイールのスタックから複数のホイールを把持するように構成することができる。
【0008】
代替として、第1のホイール係合要素を、洗浄されるホイールのスタックを支持するための、垂直移動可能な第1のホイール支持部として構成することができ、第2のホイール係合要素を、洗浄されたホイールを受け取るための、垂直移動可能な第2のホイール支持部として構成することができる。ホイール搬送機は、ホイールを個々に、連続して、寝かせた位置で、第1のホイール支持部から第2のホイール支持部へ、ホイール洗浄ゾーンを介して少なくとも部分的に水平方向に搬送し、第2のホイール支持部上の洗浄されたホイールのスタックを取り出すように構成される。したがって、自動車など、単一の車両からのホイールのセットから成るホイールのスタックを、第1のホイール支持部上に位置付け、その後第2のホイール支持部上の洗浄されたホイールのスタックとして、取り出すことができる。
【0009】
ホイール洗浄装置は、1つまたは複数のホイール係合要素と、任意選択で、洗浄されるホイールのスタックを取り扱い、洗浄されたホイールのスタックを取り出すための搬送機とを自動制御するよう、1つまたは複数のホイールの存在、ならびに/または位置、および/もしくは高さを検出するための、1つまたは複数のセンサに接続された制御ユニットを備えることができる。例えば、第1および第2のホイール支持部、ならびに任意選択で搬送機も、制御ユニットによって制御され得る。制御ユニットは、時間調整装置、ならびに/または第1のホイール支持部上および第2のホイール支持部上の1つまたは複数のホイールの位置および/もしくは存在を検出するための、1つまたは複数のセンサに接続させることができる。したがって洗浄装置を、効率的な方法で、自動的にホイールのスタックを取り扱うよう、および洗浄するように構成することができる。
【0010】
制御ユニットを、第1のホイール支持部を徐々に上昇させ、搬送機によって洗浄ゾーンに移送するため、スタックのホイールを連続して位置付けるように構成することができる。同様に、制御ユニットを、対応する方法で第2のホイール支持部を下降させて、連続して洗浄されたホイールを受け取り、洗浄されたホイールのスタックを形成するよう、構成することができる
【0011】
搬送機は、ホイールのトレッドと係合するベルト、ローラなどを備えることができる。搬送ベルト、ローラなどは、寝かせたホイールを少なくとも部分的に水平方向に搬送するよう、垂直面に延びることができる。したがってホイールの側部は、上からおよび下から、効率的な洗浄のためにアクセス可能である。さらに、ホイール搬送機は、ホイールを搬送ベルト、ローラなどに向けて付勢する、締付け装置を備えることができ、ホイールは確実な方法で搬送され、異なる半径などの異なるサイズのホイールも、効率的かつ確実な方法で搬送することができる。
【0012】
本発明は、リムおよびこのリムに取り付けられたタイヤを有する車両のホイールを、洗浄するための方法にも関し、以下のステップを含む。
a)洗浄されるホイールのスタックを、ホイール搬送システムの垂直移動可能なホイール係合要素に位置付けるステップ、
b)ホイール搬送システムのホイール搬送機によって、スタックのホイールを個々に、寝かせた向きで、ホイール洗浄ゾーンへ少なくとも部分的に水平方向に搬送するステップ、
c)ホイール洗浄ゾーンでホイールを洗浄するステップ、
d)洗浄されたホイールを、ホイール洗浄ゾーンからホイール搬送機によって搬送するステップ、
e)洗浄されたホイールを、搬送システムによって所定の位置に位置付けるステップ、
f)ステップb~eを繰り返し、それによって洗浄されたホイールのスタックを取り出すステップ。
【0013】
方法は、ホイール係合要素によって、複数のホイールのうちの1つまたは複数を把持するステップを含むことができる。
【0014】
方法は、以下のステップを含むことができる。
a)洗浄されるホイールのスタックを、垂直移動可能な第1のホイール支持部上に位置付けるステップ、
b)ホイール搬送システムによって、ホイールのスタックのうちの最上部にあるホイールを個々に、寝かせた位置で、第1のホイール支持部からホイール洗浄ゾーンへ少なくとも部分的に水平方向に搬送するステップ、
c)ホイール洗浄ゾーンでホイールを洗浄するステップ、
d)洗浄されたホイールを、ホイール洗浄ゾーンから垂直移動可能な第2のホイール支持部へ、ホイール搬送システムによって搬送するステップ、
e)第2のホイール支持部を、別のホイールを前のホイールの上部に受け取るための位置まで下降させるステップ、
f)第1のホイール支持部を上昇させて、第1のホイール支持部上にある次のホイールを搬送システムに位置合わせするステップ、
g)スタックの全てのホイールが洗浄されるまで、ステップb~fを繰り返し、それによって汚れのないホイールのスタックを第2のホイール支持部上に提供するステップ。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の実施形態の説明、添付の図、および従属請求項から明白となろう。
【0016】
次に本発明を、実施形態の補助および添付の図を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】1つの実施形態による、ホイール洗浄装置、およびホイールを格納するための格納ラックを含む、ホイールを洗浄し取り扱うためのシステムの概略図である。
図2】1つの実施形態による、ホイール洗浄装置の概略断面図である。
図3】1つの代替実施形態による、ホイール洗浄装置の概略断面図である。
図4】1つの実施形態による、ホイール洗浄装置の一部の概略斜視図である。
図5図4のホイール洗浄装置の一部の概略上面図である。
図6】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図7】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図8】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図9】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図10】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図11】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図12】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図13】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図14】ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図15】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図16】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図17】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図18】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図19】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図20】別の実施形態による、ホイール洗浄装置の動作、およびホイールのセットの取り扱いを示す概略図である。
図21】さらに別の実施形態によるホイール洗浄装置を示す概略図である。
図22】さらに別の実施形態によるホイール洗浄装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、1つの実施形態による、ホイール12を取り扱い洗浄するためのシステムの、ホイール洗浄装置10およびホイール格納ラック11が、概略で示される。例えばシステムは、リムおよびこのリムに取り付けられたタイヤを有する車両のホイール12の、取り扱い、洗浄、および格納のために配置される。図1において、自動車の形態である車両13が概略で示され、ホイール洗浄装置10およびホイール格納ラック11が、例えばタイヤショップなどに設置されている。そこでは、自動車、トラック、オートバイなどの車両13が、修理、維持、またはホイール12もしくはタイヤ交換のために受け入れられる。システムは、ホイール12のスタック14を取り扱うように構成され、フルスタック14は、2本、3本、4本、6本、8本、またはそれより多くのホイールなど、単一の車両13からのホイール12のセットから成る。通常、ホイール12のセットは、自動車の形態である車両13からの4本のホイールから成り、フルスタック14は4本のホイール12から成る。ホイール12のスタック14は、寝かせた位置にある複数のホイール12から成る。ここでは、フルスタックという表現は、自動車の全ての4本のホイールなど、車両の全てのホイールから成るスタックに用いられる。ホイールをスタックから取り除いて、ホイールのスタックのうちの最後のホイールが取り除かれるまで、ホイールのスタックの数が減少され得ることが理解される。各ホイール12は半径方向の円周トレッド、側部、およびホイールを寝かせた表面に対して実施的に垂直である中心軸を有し、側部は寝かせた表面と平行である。スタック14のホイール12の側部は、互いに接触しており、それらの中心軸は実質的に位置合わせされている。通常、スタック14のホイール12は実質的に水平に配置される。例えば、スタック14の最下部のホイール12は、地面、床、棚などの上に配置される。ホイール洗浄装置10は、洗浄されるホイール12のスタック14を受け入れるように構成され、格納または車両13への取り付けなどの別の取り扱いのために、洗浄されたホイール12のスタック14を取り出すように構成される。ホイール格納ラック11は、複数の群14のホイール12を格納するように構成される。
【0019】
図2を参照すると、ホイール洗浄装置10は、1つの実施形態に従って概略で示される。ホイール洗浄装置10は、ホイール12を洗浄するためのホイール洗浄ゾーン15を備える。図において、ホイール洗浄ゾーン15は点線によって示される。例えば、ホイール洗浄ゾーン15は、洗浄チャンバ16の内側に配置される。代替として、ホイール洗浄ゾーン15は、野外などのオープンスペースに配置される。代替として、ホイール洗浄ゾーン15は、建物の内側に配置される。ホイール洗浄ゾーン15は、水、洗剤、化学洗浄液、圧縮空気、スチームなどの洗浄液によって、任意の好適な方法でホイール12を洗浄するために配置される。代替として、洗浄ゾーン15は、超音波、ブラシなどの機械的洗浄装置によってホイール12を洗浄するために配置される。代替として、洗浄ゾーン15は、洗浄液、超音波、および/または機械的洗浄装置の組み合わせによってホイールを洗浄するために配置される。図2の実施形態において、ホイール洗浄装置10は、水および任意選択で洗剤などの洗浄液を、ホイール12を洗うための洗浄ゾーン15に提供するために、ノズル17を備える。代替として、ノズル17はスチームを洗浄ゾーン15に提供するように構成される。ノズル17は、例えばホイール12に洗浄液を噴射するように構成される。図2の実施形態において、第1のノズル17aまたは第1のノズルのセットは、ホイール12の上面側に洗浄液を噴射するように構成され、第2のノズル17bまたは第2のノズルのセットは、ホイール12の反対の底部側に噴射するように構成される。したがって、第1および第2のノズル17a、17bは、ホイール12の両側を洗うように構成され、互いに対向して配置される。第1のノズル17aは上部ノズルであり、下方に噴射するように構成され、第2のノズル17bは下部ノズルであり、上方に噴射するように構成される。示された実施形態において、ノズル17a、17bは洗浄チャンバ16の内側に配置される。洗浄チャンバ16は入口18および出口19を備え、入口18は、洗浄チャンバ16の一方の端部に配置され、出口19はその反対側の端部に配置され、洗浄ゾーン15は入口18と出口19との間に配置される。示された実施形態において、入口18はホイール12のスタック14を受け入れるように構成される。したがって、入口18の高さは、4本のホイール12など、寝かせた複数のホイール12の合計高さに相応するか、または合計高さよりも高い。ホイール12のスタック14の高さは、ホイール12の合計幅に相応する。代替として、入口18は1度に1つのホイール12を受け入れるように構成され、入口18の高さは、単一のホイール12の幅に相応するか、または幅よりもいくらか高い。例えば、単一のホイール12の最大幅は、自動車のホイール12では400mm未満、または300mm未満であると考えられる。例えば、出口19も、ホイール12のスタック14を受け入れるように構成される。したがって、出口19の高さも、4本のホイール12など、寝かせた複数のホイール12の合計高さに相応するか、または合計高さよりも高い。
【0020】
ホイール洗浄装置10は、洗浄のためにホイール12をホイール洗浄ゾーン15に搬送し、洗浄後にホイール12をホイール洗浄ゾーン15から搬送するための、ホイール搬送システムを備える。搬送システムはホイール搬送機20を備え、ホイール搬送機20はホイール12を、図2で矢印Aによって示された移動経路にある、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。搬送機20は、ホイール12をスタック14としてではなく個々に搬送するように構成される。例えば、搬送機20は単一のホイール12を、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。代替として、搬送機20は、1列のホイール12を連続的または断続的に、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。例えば、搬送機は、洗浄のためにホイール12の上面側および底面側にアクセス可能なように、ホイール12のトレッドと係合させるための循環回転ベルト、または複数の回転ロールを備える。例えば、搬送機20は、例えばホイール12を少なくとも部分的に水平方向に、洗浄ゾーン15を通して搬送するよう、搬送機20のホイール係合面を垂直面にして配置する。搬送機20は、ホイール12のトレッドの両側に係合させるよう、2つの対向するホイール係合面を備え、ホイール12はこれらの部分の間に締付けられて洗浄ゾーン15を通して搬送される。図2において、ホイール搬送機20の一部のみが示され、反対の部分は示されない。さらに図2において、搬送機20はホイール12を、洗浄ゾーン15を通して実質的に入口18から出口19まで搬送するよう、洗浄チャンバ16の内側に配置される。
【0021】
ホイール洗浄装置10のホイール搬送システムは、垂直移動可能なホイール係合要素を備え、図2の実施形態において、洗浄されるホイール12のスタック14を支持するための、垂直移動可能な第1のホイール支持部21として構成される。第1のホイール支持部21は、図2で矢印Bによって示された方向に移動可能である。したがって、第1のホイール支持部21は、少なくとも部分的に垂直方向に移動可能で、上昇および下降させることができる。例えば、第1のホイール支持部21は昇降機として構成される。例えば、第1のホイール支持部21は、搬送機20の移動経路に対して、実質的に垂直方向にホイール12を持ち上げるように構成される。示された実施形態において、第1のホイール支持部21は洗浄チャンバ16の内側に配置される。代替として、第1のホイール支持部21は、オープン構造における洗浄ゾーン15に隣接して、または洗浄チャンバ16の外側に配置される。第1のホイール支持部21は、ホイール12のスタック14を受け取り、かつ支持するように構成され、ホイール12を搬送機20に供給するよう上昇される。したがって、第1のホイール支持部21は、当初はフルスタック14を支持するように構成され、その後ホイールは、第1のホイール支持部21が空になるまでスタックから取り除かれる。次に、第1のホイール支持部21は、別のホイール12のスタック14を受け取るために、当初位置まで下降させるように構成される。
【0022】
図2のホイール洗浄装置10のホイール搬送システムは、別の垂直移動可能なホイール係合要素を備え、これは図2の実施形態において、洗浄されたホイール12を受け取るための、垂直移動可能な第2のホイール支持部22として構成される。第2のホイール支持部22は、図2で矢印Cによって示された方向に移動可能である。したがって、第2のホイール支持部22も、少なくとも部分的に垂直方向に移動可能で、上昇および下降させることができる。例えば、第2のホイール支持部22も昇降機として構成される。例えば、第2のホイール支持部22は、第1のホイール支持部21と平行な面に移動可能である。示された実施形態において、第2のホイール支持部22は洗浄チャンバ16の内側に配置される。代替として、第2のホイール支持部22は、オープン構造における洗浄ゾーン15に隣接して、または洗浄チャンバ16の外側に配置される。洗浄ゾーン15は、第1と第2のホイール支持部21、22の間に配置される。搬送機20は、ホイール12を第1のホイール支持部21から第2のホイール支持部に、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。スタック14のホイール12は、個々に、連続して、第1のホイール支持部21から第2のホイール支持部22へ、ホイール洗浄ゾーン15を通して少なくとも部分的に水平方向Aに搬送され、洗浄されたホイール12のスタック14を第2のホイール支持部22上に取り出す。したがって、第2のホイール支持部22は、搬送機20によって、洗浄されたホイール12を受け取るように構成され、汚れのないホイール12のスタック14が第2のホイール支持部22上に配置されるまで、別の洗浄されたホイール12を受け取るために下降される。したがって、第2のホイール支持部22は、その上に洗浄されたホイール12のフルスタック14を形成するように構成される。次に、第2のホイール支持部22は、別のホイール12のスタック14の第1のホイール12を受け取るために、当初位置まで上昇させるように構成される。したがって、ホイール洗浄装置10は、ホイールのフルスタックを受け取るように構成され、それらのホイールを洗浄し、洗浄されたホイール12のフルスタック14を第2のホイール支持部22上に取り出す。次に、洗浄されたホイール12のフルスタック14は、格納もしくは別の取り扱いのために、第2のホイール支持部22から、手作業、または押動装置、搬送機などで自動的に取り除かれる。
【0023】
ホイール洗浄装置10は、第1および第2のホイール支持部21、22の動作、ならびに任意選択で搬送機20および/またはノズル17もしくは洗浄ゾーン15における洗浄のための任意の他の動作可能な装置の動作も制御するための、制御ユニット23を備える。したがって、制御ユニット23は、洗浄装置10またはその構成要素の動作を制御するように構成される。制御ユニット23は、例えば第1および第2のホイール支持部21、22の動作を制御するための、1つまたは複数のセンサに接続される。示された実施形態において、制御ユニット23は、第1のホイール支持部21上のホイール12のスタック14を検出するため、または所定の位置にあるホイールを検出するための、第1のセンサに接続される。第1のセンサ24は、所定の高さなど、所定の位置にあるホイールの存在を検出する、例えば光学センサまたは機械電気センサである。例えば、第1のセンサ24は、寝かせたホイール12の高さ(すなわちタイヤもしくはホイールの幅に相応する)、および/またはホイール12のスタック14の高さを計測もしくは感知するように構成される。制御ユニット23は、第1のホイール支持部21を例えば徐々に上昇させ、第1のホイール支持部21が空になるまで、ホイール12のスタック14のうちの最上部のホイール12を搬送機20によって係合させるために位置付け、次に第1のホイール支持部21をその当初の位置に下降させるように構成される。示された実施形態において、制御ユニット23は、第2のセンサ25にも接続される。第2のセンサ25は、第2のホイール支持部22上のホイールを検出するように構成される。第2のセンサ25は、所定の位置におけるホイール12を検出するための、例えば光学センサまたは機械電気センサである。例えば、第2のセンサ25は、寝かせたホイール12の高さを計測または感知するように構成される。制御ユニット23は、第2のホイール支持部22を、ホイール12のスタック14が第2のホイール支持部22上に配置されるまで、寝かせたホイール12の相応する高さの距離(すなわちホイール12の幅に相応する距離)だけ下降させ、次に、ホイール12のスタック14が第2のホイール支持部22から取り除かれたとき、第2のホイール支持部22を当初の位置まで上昇させるように構成される。
【0024】
図3を参照すると、ホイール洗浄装置10の代替実施形態が概略で示される。図3の実施形態においても、ホイール洗浄装置10は、洗浄ゾーン15を伴う洗浄チャンバ16、搬送機20を伴うホイール搬送システム、および第1および第2のホイール支持部21、22の形態である2つのホイール係合要素を備える。図3において、洗浄ゾーン15には、上部が開放されて洗浄液を伴うような容器26が提供され、搬送機20は、ホイール12を容器26に搬入搬出するように構成される。ホイール12は、容器26の内側の洗浄液の中に沈められる。任意選択で、ホイールは洗浄のために容器26の内側で超音波を受ける。例えば、容器26は、1度に単一のホイール12を受け入れるよう、または同時に複数のホイールを受け入れるように構成される。
【0025】
図3において、搬送システムは、押動ユニット27、および傾斜した搬送要素28も備える。傾斜した搬送要素28を伴う搬送機20は、寝かせたホイール12の底部側を支持し、ホイール12を少なくとも部分的に水平方向Aに、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。図3に示されたように、ホイールは、容器26の中に降ろされ、容器26から上げられるよう、垂直方向にも搬送される。例えば、ホイール12は、傾斜した搬送要素28によって容器26の中および容器26の外へ斜めに搬送される。移動経路は水平、垂直の両方である。例えば、搬送機20および傾斜した搬送要素28は、ホイール12を連続的に洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。代替として、傾斜した搬送要素28を伴う搬送機20は、1本のホイール12を容器26の中に搬送し、所定の期間静止させた後に、容器26から洗浄されたホイール12を搬出して、第2のホイール支持部22に搬送するように構成される。押動ユニット27は、1度に1本のホイールを、図3の矢印Dで示されるように、第1のホイール支持部21から搬送機20またはその傾斜した搬送要素28に押すように構成される。したがって、押動ユニット27は、ホイール12を実質的に水平方向に押すように構成される。例えば、押動ユニット27は、制御ユニット23に接続されて、ホイール12が所定の位置にあることを第1のセンサ24が検出すると、起動される。次に、第1のホイール支持部21上の最上部のホイール12が押しやられると、第1のセンサ24はもはやホイール12を検出せず、制御ユニット23に、第1のホイール支持部21を上昇させるよう信号を送る。任意選択で、洗浄装置10は、図3の矢印Eによって示されるように、洗浄されたホイール12を搬送機20またはその傾斜した搬送要素28から第2のホイール支持部22に押すための、別の押動ユニット29を備える。例えば、他の押動ユニット29も、ホイール12を実質的に水平に押すように構成される。例えば、制御ユニット23は、洗浄されたホイール12を、第2のホイール支持部22上に押す位置にあるか、または第2のホイール支持部22上に配置された別のホイール12の上に押す位置にあるかを検出するための、第3のセンサ29に接続される。洗浄されたホイール12が第2のホイール支持部22上に押されると、これは第2のセンサ25によって検出され、制御ユニット23は、第2のホイール支持部22を起動させ、次のホイール12を受け取るための距離だけ下降させ、第2のホイール支持部22上にスタック14を形成する。
【0026】
図4および図5を参照すると、洗浄装置10の一部が概略で示され、ここで1つの実施形態による、第1のホイール支持部21、搬送機20、および第2のホイール支持部22が示される。第1のホイール支持部21は、プラットフォーム31および1つまたは複数の支柱32を備える。プラットフォーム31は寝かせたホイール12を係合し、ホイール12のスタック14を支持するように構成され、プラットフォーム31は、モータ(図示せず)によって支柱32に沿って移動可能である。第2のホイール支持部22は、図4および図5の実施形態の対応する方法で構成され、プラットフォーム31および支柱32を備える。ホイール12を第1のホイール支持部21から押して搬送機20に入れる、押動ユニット27が提供される。押動ユニット27は、第1のホイール支持部21上におけるスタック14の最上部のホイールを押すか、または第1のホイール支持部21上に唯一残されたホイール12を、第1のホイール支持部21から搬送機20に入れるように構成される。図4および図5の実施形態において、搬送機20は、寝かせたホイール12のトレッドと係合するように構成される。ホイール12は寝かせた位置で少なくとも部分的に水平方向に搬送され、ホイール12の側部は、洗浄ゾーン15を通して移動する間、洗浄のためにアクセス可能になる。搬送機20は、ホイール12を搬送するための複数の搬送ローラ33を備える。搬送ローラ33は、ホイール12を水平に移動させるよう、垂直軸を伴って構成される。代替として、搬送機20は、寝かせたホイール12のトレッドと係合するよう、搬送ベルト、チェーンなどを備える。搬送ローラ33はモータ(図示せず)によって回転される。図4および図5の実施形態において、搬送機20は複数の締付け装置34も備える。複数の締付け装置34はホイール12を、搬送ローラ33、ベルト、チェーンなどに向けて押圧するように構成され、それによってホイール12を、搬送ローラ33、ベルト、チェーンなどと締付け装置34との間に締付ける。例えば、締付け装置34は、搬送ローラ33、ベルト、チェーンなどに向けて付勢されたばねであり、締付け装置34は、実質的に水平方向に付勢されたばねである。したがって、締付け装置34は、ホイール12のトレッドと係合するよう、すなわち寝かせたホイール12に対して半径方向に配置される。したがって、締付け装置34は、ホイール12のトレッドと係合するための垂直面を備える。代替として、搬送機20は、2つの対向する搬送ベルト、搬送ローラ33のセットなどを備え、1つまたは複数の寝かせたホイール12が、2つのベルトの間、搬送ローラ33のセットの間などに締付けられ、かつ搬送される。搬送機20は、例えばホイール12を、1列で順々に、任意選択で各ホイール12間に間隙をもたせて搬送するように構成される。図4および図5の実施形態において、搬送システムは、ホイール12を第1のホイール支持部21から、搬送ローラ33、ベルトなどと締付け装置34との間の間隙の中に誘導するための、誘導要素35も備える。
【0027】
図6図14を参照すると、1つの実施形態による洗浄装置10の動作が概略で示される。図6図14において、洗浄装置10は、ノズル17が中に配置された洗浄チャンバ16を備える。しかし、洗浄装置10の動作の全体的な原理は、洗いチャンバ16を伴う、または伴わない任意の他のタイプの洗浄ゾーン15、およびこのような任意の洗浄チャンバ16の内側または外側に配置された第1および第2のホイール支持部21、22も伴う、任意の他のタイプの洗浄ゾーン15の実施形態に適用できることが理解される。
【0028】
図6において、洗浄されるホイール12のスタック14は、第1のホイール支持部21の隣に位置付けられる。第1のホイール支持部21は、フルスタック14を受け取るよう、当初の下部位置にある。例えば、スタック14は、4本のホイール12a~12dなど、自動車からのホイールのセットによって形成される。フルスタック14は、第1のホイール支持部21上に位置付けられる。例えば、フルスタック14は、入口搬送機35から第1のホイール支持部21へ移送され、フルスタック14は第1のホイール支持部21上で、図7で矢印Fによって示された方向に動かされる。したがって、フルスタック14は、第1のホイール支持部21へ水平に動かされる。代替として、フルスタック14は、例えばカートによって手作業で、第1のホイール支持部21上に位置付けられる。それによって、フルスタック14は第1のホイール支持部21上に位置付けられ、第1のホイール支持部は、図7に示された下部位置にある。例えば、フルスタック14は、洗浄チャンバ16の入口18を通して第1のホイール支持部21へ搬送される。次に、フルスタック14のうちの最上部にある第1のホイール12aが、第1のホイール支持部21上にあるスタック14から洗浄ゾーン15の中に、搬送機20によって搬送される。これは図8の矢印Gで示され、ここで第1のホイール12aは洗浄される。例えば、第1のホイール12aは、搬送機20によって、第1のホイール支持部21から洗浄ゾーン15の中に水平方向に搬送される。次に、第1のホイール12aが洗浄ゾーン15で洗浄されると、図9の矢印Hで示されるように、搬送機20によって第2のホイール支持部22へ搬送される。例えば、第1のホイール12aは、洗浄ゾーン15から第2のホイール支持部22へ、水平方向で搬送される。この第2のホイール支持部22は、図8に開示されるように、洗浄された第1のホイール12aを受け取るため、当初の上部位置にある。
【0029】
第1のホイール12aがスタック14から取り除かれた後、第1のホイール支持部21は、図9の矢印Iで示されるように上昇される。例えば、第1のホイール支持部21は、第1のホイール12aがスタック14から取り除かれると、直ちにまたは少し後に上昇される。しかし、示された例において、第1のホイール支持部21は、第1のホイール12aが洗浄ゾーン15から第2のホイール支持部22へ搬送されるときに上昇される。第1のホイール支持部21は、寝かせたホイールの高さに相応する距離だけ、もしくはスタック14の第2のホイール12b、すなわちスタックのうちの残り部分が、第1のセンサ24、または開示した発明の観点から当業者が理解するような任意の他の好適な方法で検出されるまで、垂直に上昇される。したがって、第1のホイール支持部21は、第2のホイール12bが搬送機20によって洗浄ゾーン15の中に移送されるよう位置付けられるまで、上昇される。次に、第2のホイール12bは、図10の矢印Jによって示されるように、搬送機20によって洗浄ゾーン15の中に搬送される。第1のホイール12aを載せている第2のホイール支持部22は、図10に矢印Kで示されるように、第2のホイール12bを受け取るための位置まで下降される。したがって、第2のホイール支持部22は、寝かせたホイールの高さに相応する距離だけ、または第1のホイール12aの上部側が第2のホイール12bの底部側と位置合わせされる位置まで、例えば第2のセンサ25、もしくは開示した発明の観点から当業者が理解するような任意の他の好適な方法によって、下降される。さらに、第2のホイール12bを第1のホイール支持部21上のスタック14から取り除いた後、第1のホイール支持部21は、搬送機20によって第3のホイール12cを洗浄ゾーン15へ移送させるよう位置付けるために、図10の矢印Lによって示されるように、再び上昇される。第2のホイール12bは、第2のホイール支持部22に搬送され、第1のホイール12aの上に位置付けられる。ここで第2のホイール支持部22は、図11の矢印Mによって示されるように下降される。第3のホイール12cは、第4のホイール12dの上部の位置から取り除かれ、図10の矢印Nによって示される方向で、洗浄のために洗浄ゾーン15の中に搬送される。第3のホイール12cを洗浄ゾーン15の中で洗浄した後、第3のホイール12cは、第2のホイール支持部22に向かって、搬送機20によってさらに搬送される。第3のホイール12cを第1のホイール支持部21上の第4のホイール12dから取り除いた後、第1のホイール支持部21は、第4のホイール12dを洗浄ゾーン15への後続の移送のための場所に位置付けるよう、図11の矢印Oによって示されるように、再び上昇される。例えば、第4のホイール12dはスタック14の最後であり、ここで第1のホイール支持部21は、その上部位置にある。任意選択で、第1のホイール支持部21の上部位置は、例えば第1のセンサ24によって検出される。第3のホイール12cは、洗浄後に、図12の矢印Pによって示された方向へ、第2のホイール支持部22上の第1のホイール12aの上部に位置された第2のホイール12bの上に搬送される。第4のホイール12dは、同じ方向で洗浄ゾーン15の中に搬送される。第3のホイール12cが、第2のホイール支持部22上の他のホイール12a、12bの上部に位置された後、第2のホイール支持部22は、矢印Qによって示されるように再び下降される。第4の最後のホイール12dが第1のホイール支持部21から取り除かれた後、第1のホイール支持部21は、図12の矢印Rによって示されるように、洗浄される別のスタック14のホイールを受け取るために、当初の下部位置に下降される。第4のホイール12dを洗浄した後、図13で矢印Sによって示されるように、第4のホイール12dは洗浄ゾーン15から第2のホイール支持部22に搬送され、その上にある第3のホイール12cの上部に位置される。したがって、洗浄されたホイール12a~12dのフルスタック14は、第2のホイール支持部22上に形成され、この洗浄されたホイールのフルスタック14は、図14の矢印Tで示されるように、第2のホイール支持部22から、手作業または自動で取り除かれる。例えば、洗浄されたホイール12a~12dのフルスタック14は、洗浄チャンバ16の出口19を通して動かされる。洗浄装置10は、洗浄されたホイール12a~12dのフルスタック14を取り出して、格納ラック11に格納するか、または車両13に取り付けるために取付場所に戻すかなど、別の取り扱いのように構成される。例えば、洗浄されたホイール12a~12dのフルスタック14が、第2のホイール支持部22から取り除かれると、図6に示されるように第2のホイール支持部22は、別のスタックを形成するために、別の車両13からの別のホイールのセットのうちの第1のホイールを受け取るよう、上部位置に上昇される。次に、手順は別のホイールのセットを洗浄するために繰り返され、別の洗浄されたホイールのスタックを形成する。
【0030】
図15図20を参照すると別の実施形態が示され、ここでホイール洗浄装置10は、ホイール12a~12dのスタック14から1度に単一のホイール12を把持するための、垂直移動可能なホイール把持装置36の形態であるホイール係合要素を備える。例えば、ホイール把持装置36は、寝かせたホイール12を把持するように構成される。例えば、ホイール把持装置36は、ホイール12のトレッドと係合するように構成される。例えば、スタック14のホイールは、入口搬送機35の形態である第1のホイール支持部21上に配置され、ホイール把持装置36は、入口搬送機35からホイール12を取り込むように構成される。代替として、第1のホイール支持部は、洗浄されるホイールのスタック14を支持するのに好適な、固定されたホイール支持部であり、ここでホイール把持装置36は、第1のホイール支持部からホイール12を取り込むように構成される。したがって、ホイール把持装置36は垂直方向に移動可能で、上昇および下降させることができる。ホイール把持装置36は搬送機20に接続される。ホイール把持装置36は、搬送機20に沿って移動可能である。例えば、ホイール把持装置36および搬送機20は、把持装置36が、ホイール12を把持して上昇および下降させ、ホイール12をホイール洗浄ゾーン15に搬入搬出するために、搬送機20に沿って動かせるように構成される。したがって、ホイール把持装置36および搬送機20は、スタック14から最上部のホイール12を取り上げ、このホイール12を洗浄するためにホイール洗浄ゾーン15へ移動させるように構成される。次に洗浄されたホイール12は、ホイール洗浄ゾーン15から、第2のホイール支持部22などの所定の位置へ、ホイール把持装置36および搬送機20によって移送される。図15図20の実施形態における。代替として、洗浄されるホイールは、第1のホイール把持装置によってホイール洗浄ゾーンに移送され、洗浄されたホイール12は、洗浄ゾーン15から第2のホイール把持装置によって所定の位置へ移送される。示された実施形態において、ホイール把持装置36は搬送機20から懸架され、図15に示されるように、洗浄されるホイールのスタック14の上方の位置に運ばれる。ホイール把持装置36は、図16に示されたように、スタック14の第1のホイール12aなどのホイールを取り上げるために、下方に移動可能である。それによって、ホイール把持装置36はスタック14の最上部の第1のホイール12aを把持する。第1のホイール12aを伴うホイール把持装置36は、図17に示されるように、搬送機20に沿ってホイール洗浄ゾーン15へ搬送される。任意選択で、ホイール把持装置36は、第1のホイール12aを水平方向に洗浄ゾーン15へ移送させる前に、上昇される。次に、第1のホイール12aは、ノズル17または図18に示されるように容器26の中に下降させることによって、洗浄ゾーンで洗浄される。任意選択で、把持装置36は、第1のホイール12aを解放し、洗浄中に上昇される。第1のホイール12aは洗浄後に、同じホイール把持装置36または別のホイール把持装置(図示せず)によって再び把持される。次に、第1のホイール12aは、図20に示されるように、ホイール把持装置36によってホイール洗浄ゾーン15から第2のホイール支持部22へ移送される。そこで第1のホイール12aは、任意選択で好適な距離だけ下降された後に、ホイール把持装置36から解放される。次に、ホイール把持装置20は、スタック14の次のホイール12bの上方の当初位置に戻され、第1のホイール12aの手順が、洗浄されたホイール12のスタック14が所定の箇所に取り出されるまで、第2および後続のホイール12b~12dのために繰り返される。したがって洗浄後、第2のホイール12bは第1のホイール12aの上部に位置付けられ、第3のホイール12cは第2のホイール12bの上部に位置付けられ、第4のホイール12dは第3のホイール12cの上部に位置付けられる。さらに、図15図20の実施形態には、洗浄装置10の自動操作のための、例えば好適なセンサおよび制御ユニットが提供される。
【0031】
図21および図22を参照すると、ホイール洗浄装置10の別の実施形態が示される。ここで、ホイール係合装置が垂直移動可能なホイール把持装置36として構成され、ホイール把持装置36は、ホイール12のスタック14の全体を把持して持ち上げるよう、すなわち、フルスタック14のホイール12のうちの1つではなく全てを把持するように構成される。例えば、ホイール把持装置36は、寝かせた複数のホイールを把持するように構成される。例えば、ホイール把持装置36は、ホイール12のトレッドと係合するように構成される。したがって、ホイール把持装置36は垂直方向に移動可能で、上昇および下降させることができる。図21および図22の実施形態において、ホイール把持装置36は、搬送機20によって少なくとも部分的に水平方向Aに、ホイール洗浄ゾーン15に移送させるため、1度に単一のホイール12を解放するように構成される。
【0032】
図21および図22において、搬送機20は、ホイール12を個々に洗浄するために、ホイール洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。例えば、搬送機20は、ホイール12の底面側と係合するように構成される。代替として、搬送機20は、上述のようにホイール12のトレッドと係合するように構成される。搬送機20は傾斜した搬送要素28を備える。傾斜した搬送要素28を伴う搬送機20は、寝かせたホイール12の底部側を支持し、ホイール12を少なくとも部分的に水平方向Aに、洗浄ゾーン15を通して搬送するように構成される。したがって、ホイール12は、搬送機20によって垂直方向上方へ搬送される。例えば、ホイール12は、傾斜した搬送要素28によって容器26一部を通して斜めに搬送される。移動経路は水平、垂直の両方である。例えば、搬送機20の一部は、洗浄されるホイール12のスタック14を受け取るための第1のホイール支持部を形成する。代替として、第1のホイール支持部は、分離した固定式のホイール支持部である。
【0033】
図21および図22の実施形態において、ホイール洗浄装置10は、洗浄されたホイール12を受け取り、上記で図2~14を参照して説明したようなスタック14を形成するよう、垂直移動可能な第2のホイール支持部22も備える。したがって、ホイール支持部22は、洗浄されたホイール12を洗浄した後に搬送機20から受け取るため、図21の矢印Cによって示されるように、垂直方向に移動可能である。洗浄されたホイール12を受け取った後、ホイール支持部22は、寝かされたホイールの高さに実質的に相応する距離だけ、他のホイール12の上部に別の洗浄されたホイール12を受け取る位置まで下降される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図11
図12
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図22