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特許7083021*MRE骨格型モレキュラーシーブの合成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】*MRE骨格型モレキュラーシーブの合成
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/04 20060101AFI20220602BHJP
   B01J 20/18 20060101ALI20220602BHJP
   B01J 29/40 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
C01B39/04
B01J20/18 A
B01J29/40 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020520013
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 IB2018059324
(87)【国際公開番号】W WO2019171167
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】62/640,622
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ダン
(72)【発明者】
【氏名】オホ、アデオラ フローレンス
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-014115(JP,A)
【文献】特表2018-531864(JP,A)
【文献】特開昭60-127227(JP,A)
【文献】特開昭56-022622(JP,A)
【文献】特表2013-510066(JP,A)
【文献】A. TUEL at el.,A new template for the synthesis of titanium silicates with the ZSM-48 structure,Zeolites,1995年,Vol. 15,pp. 164-170
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 39/00
B01J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRE骨格型のモレキュラーシーブを合成する方法であって:
(a)下記を含む反応混合物を提供すること:
(1)酸化ケイ素の供給源;
(2)場合により、三価元素(X)の酸化物の供給源;
(3)場合により、第1族又は第2族金属(M)の供給源;
(4)水酸化物イオンの供給源;
(5)(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む構造指向剤(Q);及び
(6)水;及び
(b)当該反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、
を含み、
反応混合物が、モル比で下記の組成を有する、前記の方法。
【表1】
【請求項2】
反応混合物が、モル比で下記の組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表2】
【請求項3】
三価元素Xが、ホウ素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
三価元素Xが、アルミニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
結晶化条件が、125℃~200℃の温度を含む、請求項1に記載の方法
【請求項6】
その合成されたままの形態で、その細孔中に、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む、MRE骨格型のモレキュラーシーブであって、
少なくとも80のSiO /X モル比を有し、Xが三価元素である、前記のモレキュラーシーブ
【請求項7】
三価元素Xが、ホウ素を含む、請求項に記載のモレキュラーシーブ。
【請求項8】
三価元素Xが、アルミニウムを含む、請求項に記載のモレキュラーシーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、March 9, 2018に提出された米国仮出願第62/640,622の利益及び優先権を主張する。
【0002】
分野
この開示は、MRE骨格型のモレキュラーシーブの合成に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ゼオライト系材料は、様々な種類の炭化水素転化反応用に触媒特性を有すること及び吸着剤として有用性を有することが公知である。特定のゼオライト系材料は、X線回折で決定して、明確な結晶構造を有する規則正しい(秩序ある)多孔質結晶材料であり、その中には、多くの依然として小さい導路(チャネル)または細孔によって相互接続され得る多数の小さい空洞が存在する。これらの空洞および細孔は、特定のゼオライト系材料内で均一な大きさである。これらの細孔の寸法は、もっと大きな寸法のものを除外しつつ、特定の寸法の収着分子を受け入れるような寸法であるため、これらの材料は、「モレキュラーシーブ」として知られるようになってきており、これらの特性を利用する様々なやり方で利用される。
【0004】
石油ストリームの触媒処理に使用されるゼオライト構造の1つのタイプは、ZSM-48、一次元10環チャネルを有する無秩序な高シリカゼオライトである。米国特許第4,397,827号は、ZSM-48と、C-C12アルキルアミンとテトラメチルアンモニウム化合物の混合物を使用したその調製を開示している。
【0005】
R.F. Lobo et al. (J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 13222-13230)は、ZSM-48は1つの材料のコードではなく、さまざまな程度の不規則性を持つ材料ファミリーのコードであると報告した。ZSM-48の骨格構造には、国際ゼオライト協会の構造委員会によって3文字コードMREが割り当てられている。MRE骨格型の他の材料には、COK-8(Chem. Mater. 2009, 21, 371-380に記載)、EU-2(米国特許番号5,098,685に記載)、EU11(J. Catal. 1984, 85, 135-142に記載)、IZM-1(米国特許第7,771,703号に記載)、SSZ-91(米国特許第9,802,830号に記載)およびZBM-30(欧州特許出願第0046504に記載)が含まれる。
【0006】
有機線状アミンおよびポリアミン化合物、ジ第四級アルキルアンモニウム化合物およびグリコールを含むMRE骨格型モレキュラーシーブの合成を導く多くの有機化合物が示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンが、MRE骨格型モレキュラーシーブの合成における構造指向剤として効果的であることが、ここに見出された。
【0008】
概要
一側面では、下記の方法が、提供される:
MRE骨格型のモレキュラーシーブを合成する方法であって:
(a)下記を含む反応混合物を提供すること:
(1)酸化ケイ素の供給源;
(2)場合により、三価元素(X)の酸化物の供給源;
(3)場合により、第1族又は第2族金属(M)の供給源;
(4)水酸化物イオンの供給源;
(5)(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む構造指向剤(Q);及び
(6)水;及び
(b)当該反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、
を含む、前記の方法。
【0009】
他の側面では、その合成されたままの形態で、その細孔中に、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む、MRE骨格型のモレキュラーシーブが、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面の簡単な説明
図1図1は、実施例1で調製された合成されたままのモレキュラーシーブの粉末X線回折(XRD)パターンである。
【0011】
図2図2は、実施例1で調製された合成モレキュラーシーブの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な記述
緒言
用語「骨格型」は、the “Atlas of Zeolite Framework Types,” Sixth Revised Edition, Elsevier, 2007に記載されている意味で使用される。
【0013】
用語「合成されたままの」は、構造指向剤を除去する前の、結晶化後のその形態のモレキュラーシーブのことを言うために、ここで使用される。
【0014】
用語「無水の」は、物理的吸着水及び化学的吸着水の両方が実質的に欠けているモレキュラーシーブのことを言うために、ここで使用される。
【0015】
ここで使用される時、周期表の族のためのナンバリングスキームは、Chem. Eng. News 1985, 63(5), 26-27に開示されている通りである
【0016】
反応混合物
一般に、MRE骨格型のモレキュラーシーブは、下記によって合成することができる:
(a)下記を含む反応混合物を提供すること:
(1)酸化ケイ素の供給源;
(2)場合により、三価元素(X)の酸化物の供給源;
(3)場合により、第1族又は第2族金属(M)の供給源;
(4)水酸化物イオンの供給源;
(5)(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む構造指向剤(Q);及び
(6)水;及び
(b)当該反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること。
【0017】
反応混合物が、モル比で下記の範囲内の組成を有することができる:
【表1】

ここで、組成変項X、M及びQは、上記のとおりである。
【0018】
酸化ケイ素の適切な供給源は、ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、沈降シリカ、アルカリ金属ケイ酸塩、及び、テトラアルキルオルトケイ酸塩を含む。
【0019】
存在する場合、三価元素Xの適切な供給源は、選択される元素X(たとえば、B、Al、Ga、Feの1つ以上)に依存する。Xがホウ素を含むまたはホウ素である場合、ホウ素の適切な供給源には、ホウ酸および水溶性ホウ素塩(例えば、四ホウ酸ナトリウムおよびホウ酸カリウム)が含まれる。追加または代替として、酸化ケイ素と酸化ホウ素の組み合わせ源を使用することができ、ホウケイ酸ゼオライト(例えば、ホウ素ベータゼオライト)を含むことができる。Xがアルミニウムを含むかまたはアルミニウムである場合、アルミニウムの適切な供給源には、水和アルミナおよび水溶性アルミニウム塩(例えば、硝酸アルミニウム)が含まれる。追加または代替として、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの組み合わせ源を使用することができ、アルミノケイ酸塩ゼオライト(例えば、ゼオライトY)および粘土または処理粘土(例えば、メタカオリン)を含むことができる。
【0020】
もし存在するなら、適切な第1族又は第2族金属は、ナトリウム、カリウム及びカルシウムを含む。金属は、一般に、水酸化物として反応混合物中に存在する。
【0021】
構造指向剤(Q)は、それぞれ、下記の構造(1)、(2)、(3)及び(4)によって表される、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む:
【化1】
【0022】
Qの適切な供給源は、関連する第4級アンモニウム化合物の水酸化物及び/又は他の塩である。
【0023】
反応混合物は、望ましくは、反応混合物の0.01~10,000重量ppm(例えば、100~5000重量ppm)の量で、ZSM-48などのモレキュラーシーブ材料の種を含有することもできる。シーディングは、完全な結晶化が起こるのに必要な時間を短縮するのに有利である。さらに、シーディングは、望ましくない相にわたって所望のモレキュラーシーブの形成および/または核生成を促進することによって得られる生成物の純度を高めることをもたらし得る。
【0024】
ここに記載の各実施形態について、反応混合物は、複数の供給源によって供給されることができる。また、2つ以上の反応成分を1つの供給源によって提供することができる。
【0025】
反応混合物は、バッチ式または連続式のいずれかで調製することができる。ここに記載のモレキュラーシーブの結晶の大きさ、モルフォロジーおよび結晶化時間は、反応混合物の性質および結晶化条件によって様々に変わり得る。
【0026】
結晶化および合成後の処理
上記反応混合物からのモレキュラーシーブの結晶化は、適切な反応容器中、例えばポリプロピレン瓶またはテフロン(登録商標)ライニングされた又はステンレススチール製オートクレーブ中、125℃~200℃の温度で、使用される温度で結晶化が起こるのに十分な時間(例えば、3~25日)、静置条件下、回転条件下または撹拌条件下で行うことができる。結晶化は、通常は、自生圧力下に閉鎖系中で実施される。
【0027】
モレキュラーシーブ結晶が一旦形成されたら、遠心分離または濾過などの標準的な機械的分離技術によって、固体生成物を反応混合物から分離する。結晶を水で洗浄し、次いで乾燥させ、合成されたままのモレキュラーシーブ結晶を得る。乾燥工程は、典型的には200℃未満の温度で実施される。
【0028】
結晶化プロセスの結果として、回収された結晶性モレキュラーシーブ生成物は、その細孔構造内に、合成で使用される構造指向剤の少なくとも一部を含有する。
【0029】
所望の範囲で、及び、物質のSiO/Xモル比に依存して、合成されたままのモレキュラーシーブにおけるいかなるカチオンも、他のカチオンとのイオン交換によって業界で周知の技術に従って、置換されることができる。置換カチオンは、金属イオン、水素イオン、水素前駆体イオン(例えば、アンモニウムイオン)、及び、それらの組み合わせを、含むことができる。特に好ましい置換カチオンは、特定の炭化水素転化反応の触媒活性を調整するものを含む。これらは、水素、希土類金属、及び、元素の周期表の2族~15族の金属を含むことができる。
【0030】
合成されたままのモレキュラーシーブは、その合成で使用される構造指向剤(Q)の一部又は全てを除去するためにその後の処理に供することができる。これは、熱処理(焼成)によって都合よく達成でき、そこでは、合成されたままの材料は、少なくとも約370℃の温度で、少なくとも1分間で一般に約24時間以下、加熱できる。熱処理は、約925℃までの温度で実施できる。熱処理に減圧及び/又は過圧を使用できるが、利便性の理由で、大気圧が所望される。追加で又は代わりに、構造指向剤は、オゾンでの処理によって除去することができる(例えば、A.N. Parikh et al., Micropor. Mesopor. Mater. 2004, 76, 17-22を参照)。
【0031】
モレキュラーシーブの特徴付け
その合成されたままの及び無水物の形態において、本発明のモレキュラーシーブは、下記のモル関係を含む化学組成を有することができる:
【表2】

ここで、組成変項X、Q及びMは、上述の通りである。SiO/Xモル比の許容値から、本モレキュラーシーブは、三価元素(X)の酸化物が不存在かまたは本質的に不存在である完全にシリカ質の形態(すなわち、「全シリカ」形態)で合成できることが理解されよう。
【0032】
いくつかの実施形態では、本モレキュラーシーブは、COK-8、EU-2、EU-11、IZM-1、SSZ-91、ZBM-30、およびZSM-48のうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
本発明のモレキュラーシーブは、非MRE材料を実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される「非MRE材料を実質的に含まない」という用語は、本モレキュラーシーブが、3.5wt%以下(例えば、0から3.5wt%、2wt%以下、1wt%以下、またはXRDによる検出量なし)のそのような不純物を好ましくは含有することを意味し、重量パーセント(wt%)値は、不純物と純相MRE材料の合計重量に基づいている。非MRE材料の例には、アモルファス材料、ケニアアイト、マガディアイト、EU-1、およびZSM-50が含まれる。
【0034】
ここに提示される粉末X線回折パターンは、標準的な技術によって収集された。放射線は、CuKα放射線であった。2θ(θはブラッグ角である)の関数としてのピーク高さおよび位置は、ピークの相対強度(バックグラウンドに合わせて調整する)から読み取られ、記録された線(ライン)に対応する面間隔dを計算することができる。
【0035】
回折パターンのわずかな変動は、格子定数の変化に起因する特定のサンプルの骨格種のモル比の変動から生じ得る。さらに、不規則の材料及び/又は十分に小さな結晶が、ピークの形状および強度に影響を与え、顕著なピークの広がり(ブロードニング)を引き起こすであろう。回折パターンのわずかな変動は、調製に使用された有機化合物の変動から生じる場合もある。焼成は、XRDパターンのわずかなシフトをも引き起こし得る。これらのわずかな乱れにもかかわらず、基本的な結晶格子構造は変化しないまま維持されている。
【0036】

以下の例示的な例は、非限定的なものであることを意図している。
【0037】
例1
36.27gの脱イオン水、6.34gの48-50%(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物溶液(TCI America)、0.15gの50%水酸化アルミニウム溶液(BarcroftTM0250水酸化アルミニウム,SPI Pharma)、及び11.00gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで広範囲に撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)14日間、170℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0038】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンが、図1に示されており、そして、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示す。図2は、合成されたままの物質のSEMであり、結晶の均一なフィールドを示す。
【0039】
得られたZSM-48生成物は、誘導結合プラズマ-質量分析法(ICP-MS)で決定して、SiO/Alモル比96.6を有した。
【0040】
例2
4.96gの脱イオン水、0.86gの48-50%(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物溶液(TCI America)、及び1.50gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)8日間、170℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0041】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0042】
例3
3.45gの脱イオン水、0.60gの48-50%(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物溶液(TCI America)、0.03gのCBV600 Y-ゼオライト粉末(Zeolyst International,SiO/Alモル比=5.1)、及び0.98gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)12日間、170℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0043】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0044】
得られたZSM-48生成物は、ICP-MSで決定して、SiO/Alモル比91.2を有した。
【0045】
例4
3.15gの脱イオン水、1.01gの40%ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物溶液(Sigma-Aldrich)、0.03gのCBV600 Y-ゼオライト粉末(Zeolyst International,SiO/Alモル比=5.1)、及び0.98gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)12日間、170℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0046】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、少量のアモルファス物質と一緒に、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0047】
例5
2.77gの脱イオン水、3.08gの15.30%(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム水酸化物溶液、0.01gの50%水酸化アルミニウム溶液(BarcroftTM0250水酸化アルミニウム、SPI Pharma)、及び1.50gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで広範囲に撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)10日間、170℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0048】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0049】
得られたZSM-48生成物は、ICP-MSで決定して、SiO/Alモル比137.6を有した。
【0050】
例6
4.41gの脱イオン水、0.16gの45%KOH溶液、1.99gの18.69%プロピルトリメチルアンモニウム水酸化物溶液、0.01gの50%水酸化アルミニウム溶液(BarcroftTM0250水酸化アルミニウム、SPI Pharma)、及び2.50gのLUDOX(登録商標)AS-40コロイドシリカを、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで広範囲に撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)8日間、150℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0051】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0052】
得られたZSM-48生成物は、ICP-MSで決定して、SiO/Alモル比172.4を有した。
【0053】
例7
4.35gの脱イオン水、0.07gの50%NaOH溶液、1.06gの18.69%プロピルトリメチルアンモニウム水酸化物溶液、0.005gのホウ酸、及び0.50gのCAB-O-SIL(登録商標)M-5ヒュームドシリカ(Cabot Corporation)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを、均一になるまで広範囲に撹拌した。その後、ライナーは蓋をして、そして、Parrスチールオートクレーブ反応器の中に置いた。その後、オートクレーブは、回転させながら(43rpm)7日間、160℃に加熱されたオーブン中に置かれた。固体生成物が、遠心分離により冷却された反応器から回収され、脱イオン水で洗浄され、そして、95℃で乾燥された。
【0054】
合成されたままの物質の粉末XRDパターンは、ZSM-48トポロジーの典型的な純粋な相を示した。
【0055】
例8
例1の合成されたままの生成物が、1℃/分の速度で595℃に加熱されて595℃で5時間保持された空気流の下にマッフル炉の中で焼成されて、冷却されて、その後、粉末XRDによって分析された。有機SDA除去するための焼成後に、物質が安定のままであることを、粉末XRDパターンは、示す。
【0056】
乾燥後の生成物は、B.E.T.法を介して吸着質としてNを使用するミクロ細孔容積分析に付された。モレキュラーシーブは、0.08cm/gのミクロ細孔容積を示した。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
MRE骨格型のモレキュラーシーブを合成する方法であって:
(a)下記を含む反応混合物を提供すること:
(1)酸化ケイ素の供給源;
(2)場合により、三価元素(X)の酸化物の供給源;
(3)場合により、第1族又は第2族金属(M)の供給源;
(4)水酸化物イオンの供給源;
(5)(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む構造指向剤(Q);及び
(6)水;及び
(b)当該反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、
を含む、前記の方法。
[2]
反応混合物が、モル比で下記の組成を有する、[1]に記載の方法。
【表1】

[3]
反応混合物が、モル比で下記の組成を有する、[1]に記載の方法。
【表2】

[4]
三価元素Xが、ホウ素を含む、[1]に記載の方法。
[5]
三価元素Xが、アルミニウムを含む、[1]に記載の方法。
[6]
結晶化条件が、125℃~200℃の温度を含む、[1]に記載の方法
[7]
その合成されたままの形態で、その細孔中に、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、プロピルトリメチルアンモニウムカチオン、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンの1つ以上を含む、 MRE骨格型のモレキュラーシーブ。
[8]
少なくとも80のSiO /X モル比を有し、Xが三価元素である、[7]に記載のモレキュラーシーブ。
[9]
三価元素Xが、ホウ素を含む、[8]に記載のモレキュラーシーブ。
[10]
三価元素Xが、アルミニウムを含む、[8]に記載のモレキュラーシーブ。

図1
図2