(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】エレメント及びスライドファスナー
(51)【国際特許分類】
A44B 19/06 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
A44B19/06
(21)【出願番号】P 2020535353
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2018029458
(87)【国際公開番号】W WO2020031239
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】土田 茂
(72)【発明者】
【氏名】廣見 千賀子
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/135699(WO,A1)
【文献】米国特許第01610839(US,A)
【文献】実開昭61-52912(JP,U)
【文献】特開平6-217810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面から突出する噛合凸部(13)及び他方の面で前記噛合凸部(13)の裏側に形成される噛合凹部(14)が形成される頭部(11)と、
前記頭部(11)から延びる一対の脚部(12)と、
を備え、
前記噛合凹部(14)の前記脚部(12)側には、前記噛合凹部(14)の内側に突出する突出部(16)が形成され
、
前記突出部(16)の表面(10a)での最大幅(Wp)と前記噛合凹部(14)の表面(10a)での最大幅(Wbox)は、以下の式(1)を満足する
ことを特徴とするエレメント(10)。
20% ≦ Wp/Wbox ≦ 55% (1)
なお、前記表面(10a)とは、前記嵌合凹部(14)が形成された側の前記エレメント(10)の面とする。
【請求項2】
前記突出部(16)の表面(10a)での最大高さ(Hp)と前記噛合凹部(14)の前記表面(10a)での最大高さ(Hbox)は、以下の式(2)を満足する
ことを特徴とする請求項
1に記載のエレメント(10)。
5% ≦ Hp/Hbox ≦ 15% (2)
なお、前記表面(10a)とは、前記噛合凹部(14)が形成された側の前記エレメント(10)の面とする。
【請求項3】
前記噛合凸部(13)と前記噛合凹部(14)の噛み合い状態での相対回転許容角度(α)は、以下の式(3)を満足する
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のエレメント(10)。
-30°≦ α ≦ 30° (3)
ただし、αは、2つの噛み合う前記エレメント(10)の前記頭部先端(11a)が平行の場合を0°とする。
【請求項4】
一対のファスナーテープ(2)と、
前記一対のファスナーテープ(2)にそれぞれ固定された複数の請求項1乃至
3に記載のエレメント(10)と、
前記エレメント(10)が通過することで前記エレメント(10)を噛合又は分離させる少なくとも1つのスライダー(7)と、を備える
ことを特徴とするスライドファスナー(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライダーの移動によって噛合及び離間する金属製のエレメント及びスライドファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横引きまたは突き上げなどの外力に対して耐え得る強い噛み合い強度を得るため、噛合頭部に形成される噛合凹部の前端壁の内側面にリブを設けたエレメントが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたエレメントは、噛合凹部の前端壁の内側面にリブを設けるため、特許文献1の
図7に示すように一方側のエレメントの噛合凸部が他方側のエレメントの噛合凹部の前端壁を乗り越えて噛合凹部と係合して噛合するとき、一方側のエレメントの噛合凸部と他方側のエレメントの噛合凹部の前端壁側に設けたリブが干渉して摺動性が悪くなる場合があった。
【0005】
本発明は、噛合時の摺動性を維持しつつ、突き上げ強度が向上するエレメント及びスライドファスナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態にかかるエレメントは、
一方の面から突出する噛合凸部及び他方の面で前記噛合凸部の裏側に形成される噛合凹部が形成される頭部と、
前記頭部から延びる一対の脚部と、
を備え、
前記噛合凹部の前記脚部側には、前記噛合凹部の内側に突出する突出部が形成され、
前記突出部の表面での最大幅と前記噛合凹部の表面での最大幅は、以下の式(1)を満足する
ことを特徴とする。
20% ≦ Wp/Wbox ≦ 55% (1)
なお、前記表面とは、前記嵌合凹部が形成された側の前記エレメントの面とする。
【0008】
本発明の一実施形態にかかるエレメントでは、
前記突出部の表面での最大高さHpと前記噛合凹部の前記表面での最大高さHboxは、以下の式(2)を満足する
ことを特徴とする。
5% ≦ Hp/Hbox ≦ 15% (2)
なお、前記表面とは、前記噛合凹部が形成された側の前記エレメントの面とする。
【0009】
本発明の一実施形態にかかるエレメントでは、
前記噛合凸部と前記噛合凹部の噛み合い状態での相対回転許容角度αは、以下の式(3)を満足する
ことを特徴とする。
-20°≦ α ≦ 20° (3)
ただし、αは、2つの噛み合う前記エレメントの前記頭部先端が平行の場合を0°とする。
【0010】
本発明の一実施形態にかかるスライドファスナーは、
一対のファスナーテープと、
前記一対のファスナーテープにそれぞれ固定された複数の前記エレメントと、
前記エレメントが通過することで前記エレメントを噛合又は分離させるスライダーと、を備える
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態にかかるエレメント及びスライドファスナーによれば、エレメントの噛合時の摺動性を維持しつつ、突き上げ強度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態のエレメントを用いたスライドファスナーを示す。
【
図4】第1実施形態のエレメントを噛合凹部側から見た図を示す。
【
図7】第1実施形態のエレメントが噛み合い状態で相対回転した噛合凸部と噛合凹部を示す。
【
図8】
図7の噛合凸部と噛合凹部を拡大した断面図を示す。
【
図9】第2実施形態のエレメントを噛合凹部側から見た図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明にかかる一実施形態のエレメント10及びスライドファスナー1を具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のエレメント10を用いたスライドファスナー1を示す。なお、以下の実施形態では、
図1に示すように、矢印Fは前方、矢印Bは後方、矢印Lは左方、矢印Rは右方を表す。
【0015】
本実施形態にて説明するスライドファスナー1は、複数の第1エレメント10Lが第1ファスナーテープ4Lの縁部5Lに固定された第1ファスナーストリンガー3L並びに複数の第2エレメント10Rが第2ファスナーテープ4Rの縁部5Rに固定された第2ファスナーストリンガー3Rを有する左右一対のファスナーチェーン2と、左右のエレメント10L,10Rに沿って摺動し、左右のエレメント10L,10Rを噛合及び分離させる第1スライダー7及び第2スライダー8と、を有している。
【0016】
ファスナーチェーン2は、一対のファスナーストリンガー3L,3Rからなる。ファスナーストリンガー3L,3Rは、一対のファスナーテープ4L,4Rと、一対のファスナーテープ4L,4Rのそれぞれの縁部5L,5Rに所定のピッチ毎に固定された複数のエレメント10L,10Rと、を有し、各エレメント10L,10Rが対向するように配置されている。
【0017】
また、各エレメント10L,10Rには、第1スライダー7及び第2スライダー8が前後方向に相反する方向を向いて挿通される。すなわち、本実施形態のファスナーチェーン2は、前後方向から開口又は閉鎖可能な両開きタイプで構成される。なお、ファスナーチェーン2は、両開きタイプに限らず、片開きタイプでもよい。
【0018】
図1に示したスライドファスナー1おいて、第1スライダー7を矢印Fの前方に移動することで左右のファスナーチェーン2のエレメント10L,10Rが噛合し、第1スライダー7を矢印Bの後方に移動することでエレメント10L,10Rの噛合が解除される。また、第2スライダー8を矢印Bの後方に移動することで左右のファスナーチェーン2のエレメント10L,10Rが噛合し、第2スライダー8を矢印Fの前方に移動することでエレメント10L,10Rの噛合が解除される。
【0019】
ここで、この前後方向(F-B方向)は、スライダー7の移動方向であり、ファスナーテープ4L,4Rのテープ長手方向でもある。矢印L、Rの左右方向(L-R方向)は、ファスナーテープ4L,4Rの幅方向で、かつ前後方向に垂直な方向である。また、左右方向(L-R方向)は、スライダー7の引手71の回転軸方向でもある。そして、図示しない紙面に垂直な上下方向(U-D方向)は、ファスナーテープ4L,4Rのテープ面に垂直の方向である。
【0020】
図2は、第1実施形態のエレメント10の斜視図を示す。
図3は、第1実施形態のエレメント10のA-A断面図を示す。
図4は、第1実施形態のエレメント10を噛合凹部14側から見た図を示す。
【0021】
エレメント10は、プレス加工等によって作製される金属製であって、
図1に示したようなスライドファスナー1に用いられる。エレメント10は、スライドファスナー1が閉鎖状態の時に対向する他のエレメント10と噛み合う頭部11と、ファスナーテープ4L,4Rのそれぞれの縁部5L,5Rに取り付けられる脚部12と、を有する。
【0022】
頭部11は、一方の面から突出する噛合凸部13と、他方の面に形成される噛合凹部14と、が形成される。頭部11の先端11aの表面10aには、ファスナーを噛合凹部14側から噛合する際に対向する他のエレメント10と噛み合い易くする傾斜部15が形成される。傾斜部15は、頭部11の噛合凹部14側の先端を面取りするように形成される。
【0023】
噛合凸部13は、突出するほど周囲の長さが短くなるように先細に形成される。噛合凹部14は、噛合凸部13の裏側をくり抜くように形成され、奥に向かうほど、周囲の長さが短くなるように先細に形成される。噛合凹部14の脚部12側には、突出部16が形成される。突出部16は、嵌合凹部14が先細に形成されるのにあわせて、嵌合凹部14の奥に向かって傾斜して形成される。
【0024】
突出部16の表面10aでの最大幅Wpと噛合凹部14の表面10aでの最大幅Wboxは、以下の式(1)を満足する。なお、表面10aとは、嵌合凹部14が形成された側のエレメント10の面とする。
20% ≦ Wp/Wbox ≦ 55% (1)
ただし、
Wpは、突出部16の表面10aでの最大幅、
Wboxは、噛合凹部14の表面10aでの最大幅、
とする。
【0025】
また、突出部16の表面10aでの最大高さHpと噛合凹部14の表面10aでの最大高さHboxは、以下の式(2)を満足する。なお、表面10aとは、嵌合凹部14が形成された側のエレメント10の面とする。
5% ≦ Hp/Hbox ≦ 15% (2)
ただし、
Hpは、噛合凹部14の脚部12側の表面10aからの突出部16の最大高さ、
Hboxは、噛合凹部14の脚部12側の表面10aからの噛合凹部14の最大高さ、
とする。
【0026】
また、以下の式(1’)及び(2’)を満足すると、より好ましい。
24% ≦ Wp/Wbox ≦ 52% (1’)
5.2% ≦ Hp/Hbox ≦ 11.5% (2’)
【0027】
脚部12は、ファスナーテープ4の縁部5が嵌め込まれる取付部17を挟んで頭部11から2本延びる。エレメント10は、取付部17にファスナーテープ4の縁部5を嵌め込み、2本の脚部12をかしめることでファスナーテープ4に取り付けられる。
【0028】
【0029】
エレメント10は、
図5に示すように、脚部12をかしめることで、ファスナーテープ4の縁部5に取り付けられる。エレメント列10’は、複数のエレメント10を同じ間隔で同じ向きに並べて形成されると好ましい。エレメント10の間隔は、エレメント10の脚部12の厚さ以上であればよい。
【0030】
図6は、第1実施形態のエレメント10の噛合を示す。ただし、
図6では、ファスナーテープ4、縁部5を省略している。
【0031】
本実施形態のエレメント列10L’,10R’は、
図1に示したスライダー7を前方Fに移動することで噛み合い、後方Bに移動することで離間する。本実施形態のエレメント列10L’,10R’は、左エレメント10Lが右エレメント10Rに噛み合う時、左エレメント10Lと右エレメント10Rが近づき、右エレメント10Rの傾斜部15Rに左エレメント10Lの噛合凸部13Lが接触する。左エレメント10Lの噛合凸部13Lは、右エレメント10Rの傾斜部15Rによって案内され、右エレメント10Rの噛合凹部14Rに導かれる。
【0032】
その後、左エレメント10Lの噛合凸部13Lは、右エレメント10Rの噛合凹部14R内に挿入される。左エレメント10Lの噛合凸部13Lは、右エレメント10Rの噛合凹部14Rの突出部16Rとは反対側の面に沿って進入する。最終的に、左エレメント10Lと右エレメント10Rが噛み合う。なお、右エレメント10Rが左エレメント10Lに噛み合う時は、左と右を逆に考えればよい。この動作を左エレメント10Lと右エレメント10Rで繰り返し、エレメント列10L’,10R’が噛み合う。
【0033】
左エレメント10Lの噛合凸部13Lが右エレメント10Rの噛合凹部14Rの突出部16Rとは反対側の面に沿って進入するので、突出部16Rが噛合凸部13Lと干渉することなく、スライダー7が円滑に摺動し、エレメント列10L’,10R’を的確に噛み合わせることができる。
【0034】
図7は、第1実施形態のエレメント10が噛み合い状態で相対回転した噛合凸部13と噛合凹部14を示す。
図8は、
図7の噛合凸部と噛合凹部を拡大した断面図を示す。
【0035】
本実施形態の左エレメント10Lと右エレメント10Rは、噛み合い状態で所定角度相対回転可能に形成される。
図7に示すように、相対回転許容角度αは以下の式(3)を満足する。
-30°≦ α ≦ 30° (3)
ただし、αは、2つの噛み合う前記エレメント10の前記頭部先端11aが平行の場合を0°とする。
【0036】
また、以下の式(3’)を満足すると好ましく、以下の式(3”)を満足するとより好ましい。
-25°≦ α ≦ 25° (3’)
-20°≦ α ≦ 20° (3”)
【0037】
左エレメント10Lと右エレメント10Rは許容角度まで相対回転できるため、このエレメント10を用いたスライドファスナー1は、容易に変形させることができ、多くの種類の製品に用いることができる。
【0038】
噛み合い状態の左エレメント10Lと右エレメント10Rに突き上げ力が加わると、
図7に示すように、左エレメント10Lと右エレメント10Rは、交差するように相対回転する。この相対回転許容角度が大きくなると、左エレメント10Lの噛合凹部14L及び突出部16Lと右エレメント10Rの噛合凸部13Rが接触し、突き上げ力に耐えることができる。例えば、突起が無い場合と比べ、突き上げ強度が最大20%上昇する。
【0039】
図9は、第2実施形態のエレメント10を噛合凹部14側から見た図を示す。
【0040】
第2実施形態のエレメント10の噛合凹部14に形成される突出部16は、間隔を空けて2つ形成される。この場合、突出部16の幅Wpは、左側の突出部16の表面10aの左側面から右側の突出部16の表面10aの右側面までの距離となる。突出部16の表面10aでの最大幅Wpと噛合凹部14の表面10aでの最大幅Wboxは、式(1)を満足する。また、突出部16の表面10aでの最大高さHpと噛合凹部14の表面10aでの最大高さHboxは、式(2)を満足する。
【0041】
さらに、突出部16は、間隔を空けて形成されていても噛合凸部13との相対回転角度は変わらないので、式(3)を満足する。なお、式(1’)及び(2’)を満足すると、より好ましい。なお、突出部16は、3つ以上設けても良く、その場合、突出部16の幅Wpは、最も左側の突出部16の表面10aの左側面から最も右側の突出部16の表面10aの右側面までの距離となる。また、その場合、突出部16の高さHpは、両端の突出部16の表面10aでの高さとなる。
【0042】
なお、本実施形態のエレメント10は、噛合凹部14の脚部12側に加えて先端11a側にも突出する部分を設けてもよい
【0043】
以上、本実施形態のエレメント10は、一方の面から突出する噛合凸部13及び他方の面で噛合凸部13の裏側に形成される噛合凹部14が形成される頭部11と、頭部11から延びる一対の脚部12と、を備え、噛合凹部14の脚部12側には、噛合凹部14の内側に突出する突出部16が形成される。したがって、エレメント10の噛合時の摺動性を維持しつつ、突き上げ強度を向上させることが可能となる。
【0044】
また、本実施形態のエレメント10は、突出部16の表面10aでの最大幅Wpと噛合凹部14の表面10aでの最大幅Wboxは、以下の式(1)を満足する。
20% ≦ Wp/Wbox ≦ 55% (1)
なお、表面10aとは、嵌合凹部14が形成された側のエレメント10の面とする。
したがって、エレメント10の噛合時の摺動性を維持しつつ、より突き上げ強度を向上させることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態のエレメント10は、突出部16の表面10aでの最大高さHpと噛合凹部14の表面10aでの最大高さHboxは、以下の式(2)を満足する。
5% ≦ Hp/Hbox ≦ 15% (2)
なお、表面10aとは、噛合凹部14が形成された側のエレメント10の面とする。
したがって、エレメント10の噛合時の摺動性を維持しつつ、より突き上げ強度を向上させることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態のエレメント10は、噛合凸部13と噛合凹部14の噛み合い状態での相対回転許容角度αは、以下の式(3)を満足する。
-20°≦ α ≦ 20° (3)
ただし、αは、2つの噛み合うエレメント10の頭部先端11aが平行の場合を0°とする。
したがって、エレメント10を用いたスライドファスナー1は、容易に変形させることができ、多くの種類の製品に用いることができる。
【0047】
さらに、本実施形態のスライドファスナー1は、 一対のファスナーテープ2と、一対のファスナーテープ2にそれぞれ固定された複数の前記エレメント10と、エレメント10が通過することでエレメント10を噛合又は分離させるスライダー7と、を備える。したがって、スライドファスナー1は、エレメント10の噛合時の摺動性を維持しつつ、突き上げ強度を向上させることが可能となる。
【0048】
なお、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…スライドファスナー
2…ファスナーチェーン
3(3L,3R)…ファスナーストリンガー
4(4L,4R)…ファスナーテープ
5(5L,5R)…縁部
7…第1スライダー
8…第2スライダー
10(10L,10R)…エレメント
11…頭部
12…脚部
13…噛合凸部
14…噛合凹部
15…傾斜部
16…突出部
17…取付部