(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 6/70 20060101AFI20220602BHJP
D03D 15/292 20210101ALI20220602BHJP
【FI】
D01F6/70 A
D03D15/292
(21)【出願番号】P 2020536510
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2018011269
(87)【国際公開番号】W WO2019132182
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181583
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520230318
【氏名又は名称】ヒョソン ティ・エヌ・シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】HYOSUNG TNC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】キム テ ホン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ホ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】カン ヨン ス
【審査官】櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104790057(CN,A)
【文献】特開2001-098423(JP,A)
【文献】特開2008-169536(JP,A)
【文献】特表2008-519179(JP,A)
【文献】特開2009-191415(JP,A)
【文献】特開2002-212834(JP,A)
【文献】特表2014-531522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ル、(b) 1種以上のジイソシアネート、(c) 1種以上のジアミン鎖延長剤、及び、(d) 1種以上のアミン鎖終止剤を反応させた生成物を含むポリウレタンウレア弾性糸であり、前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルは相異なる物質であり、
前記第2ポリオ―ルは、全体ポリオ―ルに比して10.0乃至20.0モール%混合することを特徴とする、染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸。
【請求項2】
前記ポリウレタンウレア弾性糸のアミン末端数が20.0乃至45.0 meq/kgであることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンウレア弾性糸。
【請求項3】
(a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ルを1種以上のジイソシアネートと接触させてポリウレタン予備重合体を製造するステップと、
(b) 前記ステップ(a)の予備重合体に溶媒を添加するステップと、
(c) 前記ステップ(b)の生成物を1種以上のジアミン鎖延長剤及び1種以上のアミン鎖終止剤と接触させるステップと、
(d) 前記ステップ(c)の生成物を紡糸してポリウレタンウレア弾性糸を製造するステップと、を含み、
前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオールは相異なる物質であり、
前記第2ポリオ―ルは、全体ポリオ―ルに比して10.0乃至20.0モール%混合することを特徴とする、染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸の製造方法。
【請求項4】
前記ポリウレタンウレア弾性糸のアミン末端数が20.0乃至45.0 meq/kgであることを特徴とする、請求項3に記載の染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンウレア弾性糸とナイロンを編織して酸性染料に対する染色性が向上した織物。
【請求項6】
請求項3
または4に記載の製造方法によるポリウレタンウレア弾性糸とナイロンを編織して酸性染料に対する染色性が構造した織物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸及びこの製造方法に関し、より詳しくは酸性染料に対する染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性特性を有するポリウレタン繊維は、繊維産業において幅広く用いられている。「スパンデックス」繊維は、このような弾性繊維を意味する一般的な用語で使用しており、通常繊維を形成する構造のうち、ポリウレタン結合が85%以上である合成繊維を称する。
【0003】
このようなポリウレタン繊維は、一般的に高分子量のジオール化合物のポリオールと過量のジイソシアネート化合物を反応させて、ポリオールの両末端にイソシアネート基を有する予備重合体(Prepolymer)を得る1次重合反応と、前記予備重合体を適切な溶媒に溶解させた後、その溶液にジアミン系又はジオール系鎖延長剤を添加して反応させる2次重合反応により製造される。
【0004】
ポリウレタン繊維は、用途に応じてアクリル、ウール、綿、絹などのような、別の様々な繊維と組み合わせて使用され得るし、通常、下着、水泳服、及びストッキングなどの弾性を必要とする目的として使用されてきた。
【0005】
このような弾性を有する固有の特徴のために、ポリウレタン繊維は多様な用途で活発に使用されており、その用途の拡大により既存のポリウレタン繊維に新しい付加的な特性が続けて要求されている。現在まで耐熱性及び弾性回復力がより強化されたポリウレタン繊維が多数開発されており、最近は、高い熱セット性を有するポリウレタン繊維及び染色性が向上したポリウレタン繊維に対する需要ももっと増加している。
【0006】
ポリウレタン繊維は、一般的に染色性がよくない問題点を有しているが、酸性染料に対する染色性を向上させるための一般的な技術では、1) 第3級窒素原子をポリウレタン重合鎖内に導入する方法(日本国特許公告昭62-23097号)、2) 有機酸又は無機酸と、第3級アミンとの塩をポリウレタン重合鎖中に導入する方法(日本国特許公告昭50-17520号)、3) ポリウレタン重合鎖の末端に第3級又は第4級窒素原子を導入する方法(日本国特許公告昭44-16386号)、4) 鎖延長剤として低分子ジアミンを使用する方法(日本国公開特許公報昭59-108021号)などがある。
【0007】
しかしながら、方法1)と方法2)は、反応中にゲール(Gel)になり易く、方法3)は、窒素原子の導入量を制御しにくい問題がある。また、鎖延長剤として低分子ジアミンを使用する方法4)は、染色性を向上させることはできるが、軟質性と弾性を落とす問題点がある。
【0008】
その他にも韓国特許公開第10‐2009-0118997号と第10‐2005-0070652号には、それぞれマレイミド単位からなったマレイミド構造を有する重合体を含有する特定の青色酸性染料で染色するか、またはタルク化合物を添加して染色性を改善させようとしたが、ポリウレタンの染色性を十分に向上させるためには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、酸性染料に対する染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸及びこの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した技術的課題を解決するための手段であって、本発明の一実施例による染料に対する染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸は、(a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ル、(b)1種以上のジイソシアネート、(c)1種以上のジアミン鎖延長剤、及び、(d)1種以上のアミン鎖終止剤を反応させたポリウレタンウレア弾性糸であり、前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルは相異なる物質であることを特徴とする。
【0011】
また、第2ポリオ―ルは、全体ポリオ―ルに比して5.0乃至20.0モル%を混合することを特徴とする。
【0012】
また、ポリウレタンウレア弾性糸のアミン末端数が20.0乃至45.0 meq/kgであることを特徴とする。
【0013】
本発明による染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸の製造方法は、 (a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ルを1種以上のジイソシアネートと接触させてポリウレタン予備重合体を製造するステップ、(b) 前記ステップ(a)の予備重合体に溶媒を添加するステップ、(c) 前記ステップ(b)の生成物を1種以上のジアミン鎖延長剤及び1種以上のアミン鎖終止剤と接触させるステップと、(d) 前記ステップ(c)の生成物を紡糸してポリウレタンウレア弾性糸を製造するステップと、を含み、前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオールは相異なる物質であることを特徴とする。
【0014】
また、第2ポリオ―ルは、全体ポリオ―ルに比して5.0乃至20.0モル%を混合することを特徴とする。
【0015】
また、ポリウレタンウレア弾性糸のアミン末端数が20.0乃至45.0 meq/kgであることを特徴とする。
【0016】
本発明による織物は、本発明の一実施例によるポリウレタンウレア弾性糸とナイロンを編織して酸性染料に対する染色性が向上した織物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
ポリウレタン予備重合体を製造するステップにおいて、ポリエチレングリコールを混合適用することにより、ポリウレタンウレア弾性糸の親水性向上によって酸性染料のポリウレタンウレア弾性糸への接近性を向上させ、これによって酸性染料に対するポリウレタンウレア弾性糸の染色性を向上させることができるだけでなく、本発明のポリウレタンウレア弾性糸をナイロンと共に編織した織物の染色深色化の長所を期待することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、(a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ルと、(b) 1種以上のジイソシアネートと、(c) 1種以上のジアミン鎖延長剤、及び、(d) 1種以上のアミン鎖終止剤を反応させた生成物を含むポリウレタンウレア弾性糸であり、前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルは相異なる他の物質である染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸に関する。
【0019】
また、本発明は、(a) 第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含むポリオ―ルを1種以上のジイソシアネートと接触させてポリウレタン予備重合体を製造するステップと、(b) 前記ステップ(a)における予備重合体に溶媒を添加するステップと、(c) 前記ステップ(b)の生成物を1種以上のジアミン鎖延長剤及び1種以上のアミン鎖終止剤と接触させるステップと、(d) 前記ステップ(c)の生成物を紡糸してポリウレタンウレア弾性糸を製造するステップと、を含み、前記第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールであり、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルは相異なる物質である染色性が改善されたポリウレタンウレア弾性糸の製造方法に関する。
【0020】
本発明において、ポリオ―ルは、第1ポリオ―ル及び第2ポリオ―ルを含む。すなわち、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルを混合してポリオ―ルとして使用し、第1ポリオ―ルと第2ポリオ―ルは相異なる物質である。
【0021】
本発明において、第1ポリオ―ルは、ポリテトラメチレンエテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカーボネートジオールなどが使用されることができる。
【0022】
本発明において、第2ポリオ―ルはポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは親水性に優れているため、ポリウレタン予備重合体を製造するステップにおいて混合適用することにより、ポリウレタンウレア弾性糸の親水性を向上させ、それによって酸性染料のポリウレタンウレア弾性糸への接近性を向上させて、酸性染料に対するポリウレタンウレア弾性糸の染色性を向上させることができる。
【0023】
本発明において、ポリエチレングリコールは、全体ポリオ―ルに比して5.0乃至20.0モル%混合することが好ましい。ポリエチレングリコールを5.0モル%未満で適用する場合、酸性染料に対する染色性の向上を期待できず、20.0モル%超過で適用する場合は、弾性糸の深刻な物性の低下及び工程の適用可能性の低下をきたすことができる。
【0024】
本発明において、ジイソシアネートは、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ブチルジイソシアネート、水素化されたP,P-メチレンジイソシアネートなどが使用されることができ、この中で1種以上が使用されることができる。
【0025】
前記ポリオ―ルとジイソシアネートを接触させてポリウレタン予備重合体を製造し、これに溶媒を添加する。この時、溶媒はジメチルアセトアミドであることが好ましい。その後、1種以上の鎖延長剤及び1種以上の鎖終止剤と接触させてポリウレタンウレア溶液を製造する。製造された生成物であるポリウレタンウレア溶液を乾式紡糸又は溶融紡糸のような繊維紡糸工程を介してポリウレタンウレア弾性糸を製造する。
【0026】
本発明において、鎖延長剤は1種以上のジアミンである。使用可能なジアミンの例としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-ブタンジアミン(1,2-ジアミノブタン)、1,3-ブタンジアミン(1,3-ジアミノブタン)、1,4-ブタンジアミン(1,4-ジアミノブタン)、1,3-ジアミノ‐2,2‐ジメチルブタン、4,4'‐メチレンビス‐シクロヘキシルアミン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン、1,6-ヘキサンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン、2,4-ジアミノ-1-メチルシクロヘキサン、N-メチルアミノビス(3-プロピルアミン)、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,5-ジアミノペンタン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-ジアミノ-4-メチルシクロヘキサン、1,3-シクロヘキサン-ジアミン、1,1-メチレン-ビス(4,4'-ジアミノヘキサン)、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ペンタンジアミン(1,3-ジアミノペンタン)、m-クシリレンジアミン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖延長剤としてエチレンジアミンが好ましい。
【0027】
本発明において、鎖終止剤は1種以上のアミンである。使用可能なアミンの例として、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、n-ヘキシルアミン及びこれらの混合物を挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖終止剤としてジエチルアミンが好ましい。
【0028】
本発明のポリウレタンウレア弾性糸は、原糸のアミン末端数が20.0乃至45.0 meq/kgであることが好ましい。原糸のアミン末端は、染料と結合可能な染着座席として役割をするが、原糸のアミン末端数が20.0 meq/kg未満の場合、染着座席の不足で十分な染色性の向上効果が期待できない。なお、原糸のアミン末端数が45.0 meq/kg超過の場合、染色性は十分であるが、過度なアミン末端数の増加で重合物の貯蔵安定性に大きな問題が生じ得る。
【0029】
なお、本発明においては、紫外線、大気スモグ及びスパンデックス加工に伴う熱処理過程などによるポリウレタンウレアの変色と物性の低下を防止するために、紡糸原液に立体障害フェノール系化合物、ベンゾフラン-オン系化合物、セミカルバジド系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、重合体性3級アミン安定剤などを適切に組み合わせて添加することができる。本発明のスパンデックス繊維は、前記成分以外にも原糸の yellowishを緩和するために、黄色の補色である青色を示す顔料や染料を添加することができる。
【0030】
さらに、本発明のポリウレタンウレア弾性糸は、前記成分以外にも二酸化チタン、マグネシウムステアレートなどのような添加剤を含むことができる。
【0031】
本発明のポリウレタンウレア弾性糸は、ナイロンと共に編織して織物を製造でき、このような編織織物の場合、酸性染料に対する染色性が改善されて織物の深色効果が優れている。
【0032】
以下、本発明は実施例を通じて具体的に説明するが、下記の実施例及び実験例は本発明の一形態を例示することに過ぎないことであり、本発明の範囲が下記の実施例及び実験例により制限されることではない。
【0033】
(実施例1)
ポリテトラメチレンエテルグリコール(PTMG,分子量1800)33.8 kgにポリエチレングリコール(分子量2000)を5.0モル%混合した後、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート8.8 kgを添加して、窒素ガス気流の中で90℃,120分間攪拌しながら反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン予備重合体(prepolymer)を製造した。前記予備重合体を室温まで冷却させた後、溶媒としてジメチルアセトアミド66.1 kgを加えてポリウレタン予備重合体(prepolymer)溶液を得た。
【0034】
続いて鎖延長剤としてエチレンジアミン1.1 kg、鎖終止剤としてジエチルアミン0.1 kgをジメチルアセトアミド15.6 kgに溶解し、10℃以下で前記予備重合体溶液に添加して、ポリウレタンウレア溶液固形分のアミン末端数が63 meq/kgであるポリウレタンウレア溶液を得た。
【0035】
追加で、前記ポリウレタンウレア溶液に酸化防止剤としてトリエチレングリコール-ビス-3(3-ターシャリーブチル‐4‐ヒドロキシフェニール)プロピオネート1.5重量%と無機耐塩素剤としてメラミンポリホスフェート1重量%がコーティングされたハイドロタルサイト(Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O)を4重量%、耐光剤として二酸化チタン0.5重量%を混合してポリウレタンウレア紡糸原液を製造した。
【0036】
前記のように得られた紡糸原液を乾式紡糸によって900m/min速度で紡糸して、40デニール3フィラメント、原糸のアミン末端数は33 meq/kgであるポリウレタンウレア弾性糸を製造した。
【0037】
(実施例2)
前記実施例1の予備重合体を調製する過程の中で、ポリテトラメチレンエテルグリコール(PTMG,分子量1800)32.0 kgにポリエチレングリコール(分子量2000)を10.0モル%混合した後、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート8.7 kgを添加して、窒素ガス気流の中で90℃,120分間攪拌しながら反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン予備重合体(prepolymer)を製造した。以後、製造過程は実施例1と同一である。
【0038】
(実施例3)
前記実施例1の予備重合体を調製する過程の中で、ポリテトラメチレンエテルグリコール(PTMG,分子量1800)28.2 kgにポリエチレングリコール(分子量2000)を20.0モル%混合した後、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート8.7 kgを添加して、窒素ガス気流の中で90℃,120分間攪拌しながら反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン予備重合体(prepolymer)を製造した。以後、製造過程は実施例1と同一である。
【0039】
(比較例1)
前記実施例1と製造過程は同一に実施するが、予備重合体の製造段階においてポリエチレングリコールを混合せずにポリウレタンウレア弾性糸を製造した。
【0040】
(比較例2)
前記実施例1の予備重合体を調製する過程の中で、ポリテトラメチレンエテルグリコール(PTMG,分子量1800)34.2 kgにポリエチレングリコール(分子量2000)を4.0モル%混合した後、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート8.8 kgを添加して、窒素ガス気流の中で90℃,120分間攪拌しながら反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン予備重合体(prepolymer)を製造した。以後、製造過程は実施例1と同一である。
【0041】
(比較例3)
前記実施例1の予備重合体を調製する過程の中で、ポリテトラメチレンエテルグリコール(PTMG,分子量1800)27.8 kgにポリエチレングリコール(分子量2000)を21.0モル%混合した後、4,4'-ジフェニールメタンジイソシアネート8.7 kgを添加して、窒素ガス気流の中で90℃,120分間攪拌しながら反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン予備重合体(prepolymer)を製造した。以後、製造過程は実施例1と同一である。
【0042】
前記実施例と比較例において製造されたスパンデックスについて黒い色相(black color)の酸性染料で染色を実施し、染色後、明度(L*)値で染色性程度(濃さ)を測定して比較・評価した。
【0043】
その評価結果は次の表1に比較して示した。ここで染色性程度であるL*値の測定は、分光光度計を使用して原糸の反射率を測定した後、これをCIE Lab色差式の計算式を利用して計算した。
【0044】
【0045】
前記の実験結果から、本発明による実施例の場合、比較例に比して顕著に優れた染色性を示すという事実を確認できた。なお、本発明によるポリエチレングリコールに使用量に対する臨界的意義があるものと確認された。
【0046】
比較例3の場合、ポリエチレングリコールの過量添加により原糸のモジュラス(modulus)が低下し、紡糸中、作業性の不良によって工程適用が困難な問題点がある。
【0047】
比較例2の場合、ポリエチレングリコールを少なく添加することにより、原糸のL*値が顕著に増加して染色性が悪くなるという問題点がある。