(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】洗濯機の制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 33/47 20200101AFI20220602BHJP
D06F 33/42 20200101ALI20220602BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
D06F33/47
D06F33/42
D06F39/08 311F
(21)【出願番号】P 2020543048
(86)(22)【出願日】2019-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2019074327
(87)【国際公開番号】W WO2019154297
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】201810147306.8
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810146786.6
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】方大豊
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-068494(JP,A)
【文献】特開2010-172640(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02216438(EP,A1)
【文献】特開2013-123462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0052953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00~51/02
D06F 58/02~58/08
D06F 58/20~58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の制御方法であって、
洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、
前記洗浄槽内に設置され前記洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置と、前記洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置
とを含み、
前記集水装置には集水水位検出装置が設置され、
前記洗浄槽の槽底には排水口が設けられており、前記集水装置内には排水装置が設置されており、
前記排水装置はバルブプラグを含み、前記バルブプラグは、上下運動によって排水口を開放/閉止するように構成されており、前記バルブプラグの上部には、前記洗浄水位検出装置として、前記洗浄槽内の水位を検出するための圧力センサが設置されており、
前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、
前記集水水位検出装置が集水装置に洗浄水が進入したことを検出すると、給水を停止
して、
前記排水装置のバルブプラグをN回(Nは所定の値)伸縮運動させるよう制御したあとに、前記洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合には、前記排水装置のバルブプラグを開放し、前記洗浄水位検出装置によって水位の値が所定の洗浄水位に達したことが検出されてから閉止するよう制御するが、前記洗浄水位検出装置による検出値が変化しなかった場合には、洗濯機が一時停止して警告を発することを特徴とする
洗濯機の制御方法。
【請求項2】
前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、集水水位検出装置が集水装置への洗浄水の進入を検出していない場合には、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位に達したことが検出されるまで給水を続けたあと給水を停止することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項3】
洗濯機は、集水水位検出装置が水位を検出しなくなったあとに、排水装置のバルブプラグをN回伸縮運動させるよう制御することを特徴とする請求項
1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項4】
洗濯機の制御方法であって、
洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、前記洗浄槽内に設置され前記洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置と、前記洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置と、故障セルフチェックプログラムとを含み、
前記集水装置には集水水位検出装置が設置され、
前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、前記集水水位検出装置が集水装置に洗浄水が進入したことを検出すると、給水を停止し、
前記故障セルフチェックプログラムでは、
前記洗浄水位検出装置によって
前記洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、
前記集水水位検出装置によって洗浄水が
前記集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止し、且つ、洗濯機は、故障情報が「洗浄水位検出装置及び/又は集水水位検出装置の故障」であると判定して表示することを特徴
とする洗濯機の制御方法。
【請求項5】
前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水口を封止/開放可能な排水装置が設置されており、前記洗浄槽には開放/閉止可能な排水装置が設置されており、前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止し、且つ、洗濯機は、排水装置を開放するよう制御して、洗浄水位検出装置による検出値が変化しないか大きくなった場合には、故障情報が「洗浄水位検出装置の故障」であると判定して表示するが、洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合には、洗濯機は、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示することを特徴とする請求項
4に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項6】
洗濯機の制御方法であって、
洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、前記洗浄槽内に設置され前記洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置と、前記洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置と、故障セルフチェックプログラムとを含み、
前記集水装置には集水水位検出装置が設置され、
前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、前記集水水位検出装置が前記集水装置に洗浄水が進入したことを検出すると、給水を停止し、
前記故障セルフチェックプログラムでは、前記洗濯機に
前記洗浄槽の溢流水位が設定されており、
前記洗浄水位検出装置によって
前記洗浄槽内の水位が
前記洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、
前記集水水位検出装置によって洗浄水が
前記集水装置に進入したことが検出された場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「洗濯機の給水装置の故障」であると判定して表示することを特徴
とする洗濯機の制御方法。
【請求項7】
前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、集水水位検出装置によって集水装置への洗浄水の進入が検出されなかった場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示することを特徴とする請求項
6に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項8】
洗濯機の排水制御方法であって、
洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置を含み、前記集水装置内には集水水位検出装置が設置され、
前記排水制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合に排水を一時停止することを特徴とする排水制御方法。
【請求項9】
前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水装置が設置されており、排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって洗浄槽の排水口を開放/閉止し、
前記制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合には、バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御することで、排水過程を一時停止することを特徴とする請求項
8に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項10】
前記洗濯機に排水一時停止時間間隔T0を設定し、排水の一時停止時間が排水一時停止時間間隔T0に達すると、集水装置内の水位が予め定められた安全水位よりも小さいか否かを判断し、小さい場合には排水を再開するが、小さくない場合には、排水の一時停止を次の排水一時停止時間間隔T0まで継続し、
前記排水一時停止時間間隔T0は所定の値であることを特徴とする請求項
8又は9に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項11】
排水一時停止時間間隔T0をN回実行したあと、集水装置内の水位が依然として予め定められた安全水位にある場合、洗濯機は排水を停止して警告を発することを特徴とする請求項
8又は9に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項12】
前記集水水位検出装置は圧力センサであり、前記圧力センサはバルブプラグの上部に設置されて水位を検出し、
洗濯機が前記バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御したとき、圧力センサは洗浄槽内の水位を検出するために用いられ、
洗濯機が前記バルブプラグを下方へ運動させて洗浄槽の排水口を開放するよう制御すると、バルブプラグは集水装置の内部に没入し、圧力センサが集水装置内の水位を検出するために用いられることを特徴とする請求項
10又は11に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項13】
洗濯機に最低排水水位を予め設定しておき、排水の一時停止過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が最低排水水位に達した場合に排水を再開することを特徴とする請求項
8又は9に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項14】
洗濯機に最大排水一時停止時間を予め設定しておき、排水一時停止時間が最大排水一時停止時間に達すると、排水を停止して警告を発することを特徴とする請求項
13に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項15】
前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置され、前記洗濯機は主制御ユニットを含み、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続されることを特徴とする請求項
13又は14に記載の洗濯機の排水制御方法。
【請求項16】
請求項
9~15のいずれか1項に記載の排水制御方法を用いる洗濯機であって、
主制御ユニットと、集水装置内に設置されて集水装置内の水位を検出するための集水水位検出装置を含み、集水水位検出装置と主制御ユニットが電気的に接続されることを特徴とする洗濯機。
【請求項17】
前記集水装置内には開口した集水室が備わっており、集水室の底壁には集水案内槽が開設されており、前記集水水位検出装置が集水案内槽内に設置されており、
前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置されており、前記洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続されることを特徴とする請求項
16に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機器の技術分野に関し、具体的には、洗濯機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、電気を利用して衣類を洗浄する装置として設計される。一般的に、洗濯機は、洗浄水を蓄える槽と、回転可能に槽の内部に装着される回転槽と、回転可能に回転槽の底部に装着されるパルセータと、回転槽及びパルセータを回転させるように構成されるモータ及びクラッチを含む。衣類及び洗剤が回転槽に投入された状態で回転槽とパルセータが回転すると、回転槽に投入された衣類とともにパルセータが洗浄水を攪動することで、衣類から汚れが除去される。
【0003】
洗濯機の洗浄容量を増大させるには、より大きな回転槽が必要となる。即ち、回転槽の高さ又は直径を拡大する必要がある。しかし、回転槽がより大きなサイズを有する場合には、回転槽を収容する収容槽及びハウジングもまた回転槽の拡大に伴って増大させる必要がある。
【0004】
洗濯機の外観に対応するハウジングの拡大は、洗濯機の設置領域のスペースに規制される。一般的に、ユーザの家庭では、洗濯機の設置スペースに限りがあるため、洗濯機のハウジングを拡大して洗濯槽の容量を増大させるという目的を達成することはあまり現実的ではない。そこで、洗濯機のハウジングを拡大することなく、如何にして回転槽の容量を増大させるかが設計者を悩ませる大きな難題となっている。
【0005】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の目的は、洗濯機の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
洗濯機の制御方法であって、洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置を含む。前記集水装置には集水水位検出装置が設置される。
【0008】
前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、集水水位検出装置が集水装置に洗浄水が進入したことを検出すると、給水を停止する。
【0009】
更に、前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置されている。前記制御方法では、洗濯機の給水過程において、集水水位検出装置が集水装置への洗浄水の進入を検出していない場合には、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位に達したことが検出されるまで給水を続けたあと給水を停止する。
【0010】
更に、前記洗浄水位検出装置は圧力センサである。前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水装置が設置されている。排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって排水口を開放/閉止する。また、前記バルブプラグの上部には、洗浄槽内の水位を検出するための圧力センサが設置されている。
【0011】
集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出されると、洗濯機は、給水を停止してから、排水装置のバルブプラグをN回(Nは所定の値)伸縮運動させるよう制御したあとに、洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合には、排水装置のバルブプラグを開放し、洗浄水位検出装置によって水位の値が所定の洗浄水位に達したことが検出されてから閉止するよう制御する。一方、洗浄水位検出装置による検出値が変化しなかった場合、洗濯機は一時停止して警告を発する。
【0012】
更に、洗濯機の制御方法において、洗濯機は、集水水位検出装置が水位を検出しなくなったあとに、排水装置のバルブプラグをN回伸縮運動させるよう制御する。
【0013】
更に、前記洗濯機は更に故障セルフチェックプログラムを含む。前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止する。そして、洗濯機は、故障情報が「洗浄水位検出装置及び/又は集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0014】
更に、前記洗浄槽の槽底に排水口が開設されている。また、前記集水装置内には排水口を封止/開放可能な排水装置が設置されており、前記洗浄槽には開放/閉止可能な排水装置が設置されている。前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止する。そして、洗濯機は、排水装置を開放するよう制御して、洗浄水位検出装置による検出値が変化しないか大きくなった場合には、故障情報が「洗浄水位検出装置の故障」であると判定して表示する。一方、洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合、洗濯機は、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0015】
更に、前記故障セルフチェックプログラムでは、前記洗濯機に洗浄槽の溢流水位が設定されている。洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「洗濯機の給水装置の故障」であると判定して表示する。
【0016】
更に、前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、集水水位検出装置によって集水装置への洗浄水の進入が検出されなかった場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0017】
本発明の更なる発明の目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0018】
上記いずれかに記載の制御方法を用いる洗濯機であって、主制御ユニットと、集水装置内に設置されて集水装置内の水位を検出するための集水水位検出装置を含み、集水水位検出装置と主制御ユニットが電気的に接続される。
【0019】
更に、前記集水装置内には開口した集水室が備わっている。集水室の底壁には集水案内槽が開設されており、前記集水水位検出装置が集水案内槽内に設置されている。
【0020】
前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置されており、前記洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。
【0021】
本発明における洗濯機の内槽は洗浄過程で貯水に使用可能なため、内槽に「孔の無い内槽」設計を採用している。且つ、外槽の構造設計を省略し、外槽の代わりに集水装置を使用して集水及び排水を行う。これにより、本発明は以下の技術的効果を有する。
【0022】
1.ハウジングの容積を変えることなく内槽の容量を増大させられるため、洗濯機の容量増大効果が実現される。
【0023】
2.洗浄過程において、水は内槽内にのみ存在することから、従来の洗濯機のように内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と内槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避される。従って、より良好な洗浄効果を有する。
【0024】
3.外槽を省略し、内槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に溜水が存在しなくなる。これにより、洗浄用水量が減少するため、洗浄用水量の節約となる。
【0025】
本発明では、洗濯機の集水装置内に集水水位検出装置を設置するとともに、制御方法を組み合わせる。給水過程において、集水水位検出装置が集水装置内に水が存在することを検出すると、洗浄槽に異常な給水が発生していると判断されるため、洗濯機は給水を停止して当該異常な給水の問題を解決するよう制御する。これにより、洗濯機の故障を速やかに発見してユーザに警告を発する。
【0026】
上記の課題を解決するために、本発明の更なる目的は、洗濯機の排水制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0027】
洗濯機の排水制御方法であって、洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置を含む。前記集水装置内には集水水位検出装置が設置される。
【0028】
前記排水制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合に排水を一時停止する。
【0029】
更に、前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水装置が設置されている。排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって洗浄槽の排水口を開放/閉止する。
【0030】
前記制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合には、バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御することで、排水過程を一時停止する。
【0031】
更に、前記洗濯機に排水一時停止時間間隔T0を設定する。排水の一時停止時間が排水一時停止時間間隔T0に達すると、集水装置内の水位が予め定められた安全水位よりも小さいか否かを判断し、小さい場合には排水を再開するが、小さくない場合には、排水の一時停止を次の排水一時停止時間間隔T0まで継続する。
【0032】
前記排水一時停止時間間隔T0は所定の値である。
【0033】
更に、排水一時停止時間間隔T0をN回実行したあと、集水装置内の水位が依然として予め定められた安全水位にある場合、洗濯機は排水を停止して警告を発する。
【0034】
更に、前記集水水位検出装置は圧力センサである。前記圧力センサはバルブプラグの上部に設置されて水位を検出する。
【0035】
洗濯機が前記バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御したとき、圧力センサは洗浄槽内の水位を検出するために用いられる。
【0036】
洗濯機が前記バルブプラグを下方へ運動させて洗浄槽の排水口を開放するよう制御すると、バルブプラグは集水装置の内部に没入し、圧力センサが集水装置内の水位を検出するために用いられる。
【0037】
更に、洗濯機に最低排水水位を予め設定しておき、排水の一時停止過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が最低排水水位に達した場合に排水を再開する。
【0038】
更に、洗濯機に最大排水一時停止時間を予め設定しておき、排水一時停止時間が最大排水一時停止時間に達すると、排水を停止して警告を発する。
【0039】
更に、前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置される。前記洗濯機は主制御ユニットを含み、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。
【0040】
本発明の更なる目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0041】
上記いずれかに記載の排水制御方法を用いる洗濯機であって、主制御ユニットと、集水装置内に設置されて集水装置内の水位を検出するための集水水位検出装置を含み、集水水位検出装置と主制御ユニットが電気的に接続される。
【0042】
更に、前記集水装置内には開口した集水室が備わっている。集水室の底壁には集水案内槽が開設されており、前記集水水位検出装置が集水案内槽内に設置されている。
【0043】
前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置されており、前記洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。
【0044】
本発明における洗濯機の内槽は洗浄過程で貯水に使用可能なため、内槽に「孔の無い内槽」設計を採用している。且つ、外槽の構造設計を省略し、外槽の代わりに集水装置を使用して集水及び排水を行う。これにより、本発明は以下の技術的効果を有する。
【0045】
1.ハウジングの容積を変えることなく内槽の容量を増大させられるため、洗濯機の容量増大効果が実現される。
【0046】
2.洗浄過程において、水は内槽内にのみ存在することから、従来の洗濯機のように内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と内槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避される。従って、より良好な洗浄効果を有する。
【0047】
3.外槽を省略し、内槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に溜水が存在しなくなる。これにより、洗浄用水量が減少するため、洗浄用水量の節約となる。
【0048】
本発明では、集水装置内に集水水位検出装置を設置する。これにより、洗濯機の排水制御方法において、集水水位検出装置により集水装置内の水位を検出する。そして、集水装置内の水位が予め定められた安全水位に達した場合には排水を一時停止して、洗濯機の排水過程における溢水リスクを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における洗濯機の制御方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における洗濯機の排水制御方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における洗濯機の構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例における洗濯機の集水装置の立体構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例における洗濯機の集水装置の平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例における洗濯機の集水装置の
図4のA-A面に沿う断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例における洗濯機の集水装置の底部を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例における洗濯機の集水装置の
図6のB-B面に沿う断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例5における洗濯機の集水装置の立体構造を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例5における洗濯機の集水装置の底部を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例5における洗濯機の集水装置の
図9のC-C面に沿う断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例6における洗濯機の集水装置の立体構造を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例6における洗濯機の集水装置の更なる実施形態の立体構造を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例6における洗濯機の集水装置の更なる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の洗濯機について詳細に述べる。
【実施例1】
【0051】
図1に示すように、本実施例の洗濯機の制御方法において、洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置を含む。本実施例における洗濯機の洗浄槽は貯水槽となり、洗浄槽の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では洗浄槽の底部にのみ集水装置を設置する。且つ、洗浄槽内の水位を測定するために、内槽内の水位を検出する水位検出装置を設置する必要があるのに対し、集水装置は集水と排水にのみ用いられるため、一般的には水位を検出する必要がない。しかし、洗浄槽の水位検出装置が故障し、給水過程で洗濯用の給水が内槽のバランスリングから溢れ出した場合には、溢れ出した水が集水装置に進入する。このとき、集水装置の排水口が常に開いていれば、水が溢れ続け、機器やユーザに極めて大きな損失をもたらすことになる。
【0052】
本実施例ではこのような課題を解決するために、前記集水装置内に集水水位検出装置を設置するとともに、制御方法を改良することで、洗濯機の給水過程における溢流の防止を実現する。
【0053】
本実施例における洗濯機の制御方法では、洗濯機の給水過程において、集水水位検出装置が集水装置に洗浄水が進入したことを検出すると、給水を停止する。
【0054】
本実施例では、洗濯機の集水装置に集水水位検出装置を設置する。給水過程において、集水水位検出装置が集水装置内に水が存在することを検出すると、洗浄槽に異常な給水が発生しているため、洗濯機は給水を停止して当該異常な給水の問題を解決するよう制御する。
【0055】
更に、前記洗浄槽内に、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置を設置する。本実施例における洗濯機の制御方法では、洗濯機の給水過程において、集水水位検出装置が集水装置への洗浄水の進入を検出していない場合には、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位に達したことが検出されるまで給水を続けたあと、給水を停止する。
【0056】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載する洗浄水位検出装置は圧力センサである。前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水装置が設置されている。排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって排水口を開放/閉止する。また、前記バルブプラグの上部には、洗浄槽内の水位を検出するための圧力センサが設置されている。本実施例では、圧力センサを排水装置のバルブプラグに集積しているため、洗浄過程において、バルブプラグが排水口の閉塞を維持するとともに、バルブプラグ上の圧力センサによって洗浄槽内の水位を検出するとの目的を実現可能である。本実施例によれば、洗浄槽を貯水槽として使用する場合の水位検出の課題が解決される。
【0057】
しかし、洗浄水位検出装置を排水装置のバルブプラグに集積していることから、バルブプラグが正常に閉止するか否かが洗浄水位検出装置による検出の精度にある程度影響を及ぼす。そこで、本実施例における洗濯機の制御方法は、以下のステップを含む。
【0058】
洗濯機は、給水を停止してから、排水装置のバルブプラグをN回(Nは所定の値)伸縮運動させるよう制御したあとに、洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合には、排水装置のバルブプラグを開放し、洗浄水位検出装置によって水位の値が所定の洗浄水位に達したことが検出されてから閉止するよう制御する。一方、洗浄水位検出装置による検出値が変化しなかった場合、洗濯機は一時停止して警告を発する。
【0059】
本実施例では、排水装置のバルブプラグの動作を制御することで、バルブプラグの閉止が適切でないために洗浄水位検出装置による検出値が不正確になっているか否かを検出する。バルブプラグが動作しても洗浄水位検出装置による検出値が変化しない場合には、洗浄水位検出装置が故障していることを意味するため、警告を発する必要がある。
【0060】
本実施例の一実施形態として、洗濯機は、集水水位検出装置が水位を検出しなくなったあとに、排水装置のバルブプラグをN回伸縮運動させるよう制御する。
【0061】
本実施例における洗濯機の制御方法は、更に、故障セルフチェックプログラムを含む。前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止する。そして、洗濯機は、故障情報が「洗浄水位検出装置及び/又は集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0062】
本実施例では、前記洗浄槽の槽底に排水口が開設されている。また、前記集水装置内には排水口を封止/開放可能な排水装置が設置されており、前記洗浄槽には開放/閉止可能な排水装置が設置されている。本実施例の前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が所定の水位よりも下であることが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合に給水を停止する。そして、洗濯機は、排水装置を開放するよう制御して、洗浄水位検出装置による検出値が変化しないか大きくなった場合には、故障情報が「洗浄水位検出装置の故障」であると判定して表示する。一方、洗浄水位検出装置による検出値が小さくなった場合、洗濯機は、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0063】
本実施例の前記故障セルフチェックプログラムでは、前記洗濯機に洗浄槽の溢流水位が設定されている。洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、集水水位検出装置によって洗浄水が集水装置に進入したことが検出された場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「洗濯機の給水装置の故障」であると判定して表示する。
【0064】
本実施例の前記故障セルフチェックプログラムでは、洗浄水位検出装置によって洗浄槽内の水位が洗浄槽の溢流水位に達したことが検出され、集水水位検出装置によって集水装置への洗浄水の進入が検出されなかった場合、洗濯機は警告を発し、故障情報が「集水水位検出装置の故障」であると判定して表示する。
【0065】
且つ、本実施例は、主制御ユニットと、集水装置内の水位を検出するために集水装置に設置される集水水位検出装置を含む洗濯機を提供する。集水水位検出装置と主制御ユニットは電気的に接続される。
【0066】
更に、前記集水装置内には開口した集水室が備わっている。集水室の底壁には集水案内槽が開設されており、前記集水水位検出装置が集水案内槽内に設置されている。前記洗浄槽内には、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置が設置されており、前記洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。
【0067】
本実施例の主制御ユニットは、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置によって、洗濯機の給水過程に異常が発生したか否かを判断することで、洗濯機の故障を速やかに発見するとともに、ユーザに対し速やかに修繕するよう警告を発することが可能である。
【実施例2】
【0068】
図2に示すように、本実施例の洗濯機の排水制御方法において、洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置を含む。本実施例における洗濯機の洗浄槽は貯水槽となり、洗浄槽の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽の底部にのみ集水装置を設置する。一般的に、集水装置は垂直に排出する排水管路を有するが、排水管路の滞りによって排水速度が遅くなると、集水リング内の水位が過剰に高くなり、溢水のリスクが発生する。
【0069】
そこで、本実施例では、前記集水装置内に集水水位検出装置を設置するとともに、排水制御方法と組み合わせることで、洗濯機の排水過程における溢水リスクを防止する。
【0070】
本実施例の排水制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合に排水を一時停止する。
【0071】
本実施例の排水制御方法では、集水水位検出装置によって検出された水位に基づいて、排水管路の滞りの有無を判断する。集水装置内の水位が予め定められた安全水位に達した場合には排水管路の滞りを意味することから、排水を停止して溢水を防止する。
【0072】
本実施例では、集水装置内に集水水位検出装置を設置し、集水水位検出装置によって集水装置内の水位を検出する。そして、集水装置内の水位が予め定められた安全水位に達した場合には、排水を一時停止するよう制御することで、洗濯機の排水過程における溢水リスクを回避する。
【0073】
具体的に、前記洗浄槽の槽底には排水口が開設されており、前記集水装置内には排水装置が設置されている。排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって洗浄槽の排水口を開放/閉止する。
【0074】
前記制御方法では、洗濯機の排水過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が予め定められた安全水位に達した場合には、バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御することで、排水過程を一時停止する。
【0075】
本実施例の実施形態1として、本実施例における洗濯機の排水制御方法では、前記洗濯機に排水一時停止時間間隔T0を設定する。排水の一時停止時間が排水一時停止時間間隔T0に達すると、集水装置内の水位が予め定められた安全水位よりも小さいか否かを判断し、小さい場合には排水を再開するが、小さくない場合には、排水の一時停止を次の排水一時停止時間間隔T0まで継続する。
【0076】
前記排水一時停止時間間隔T0は所定の値である。
【0077】
更に、本実施例における洗濯機の排水制御方法では、排水一時停止時間間隔T0をN回実行したあと、集水装置内の水位が依然として予め定められた安全水位にある場合、洗濯機は排水を停止して警告を発する。
【0078】
本実施例の一実施形態として、前記集水水位検出装置は圧力センサである。前記圧力センサは、バルブプラグの上部に設置されて水位を検出する。
【0079】
洗濯機が前記バルブプラグを上方へ運動させて洗浄槽の排水口を閉止するよう制御したとき、圧力センサは洗浄槽内の水位を検出するために用いられる。
【0080】
洗濯機が前記バルブプラグを下方へ運動させて洗浄槽の排水口を開放するよう制御すると、バルブプラグは集水装置の内部に没入し、圧力センサが集水装置内の水位を検出するために用いられる。
【0081】
このように、本実施例の集水水位検出装置は、給水過程における洗浄槽内の水位検出と、排水過程における集水装置内の水位検出の双方を実現可能である。これにより、水位検出装置が1つ省略されるため、構造全体が簡略化され、製造コストが低下する。
【0082】
このほか、本実施例の洗濯機は、集水水位検出装置を1つ備えるだけで、洗浄槽と集水装置双方の水位検出を実現することから、排水過程において、集水装置内の水位が予め定められた安全水位に達したことが検出されると、バルブプラグが動作して洗浄槽の排水口を閉塞する。このとき、集水水位検出装置は集水装置内の水位を検出不可能となるため、集水装置内の水位がいつ予め定められた安全水位よりも下まで低下し、排水を再開できるかについては判断不可能である。そのため、本実施例の洗濯機は、集水水位検出装置を1つ設けたうえで、上記の実施形態1を組み合わせることで、集水装置内の水位が安全水位よりも下まで低下したときに排水を再開するという目的を実現する必要がある。
【0083】
本実施例の実施形態2として、洗濯機の排水制御方法では、洗濯機に最低排水水位を予め設定しておき、排水の一時停止過程において、集水水位検出装置によって検出された水位が最低排水水位に達した場合に排水を再開する。
【0084】
更に、洗濯機に最大排水一時停止時間を予め設定しておき、排水一時停止時間が最大排水一時停止時間に達すると、排水を停止して警告を発する。
【0085】
また、実施形態2と組み合わせて、前記洗浄槽内に、洗浄槽内の水位を検出するための洗浄水位検出装置を設置する。前記洗濯機は主制御ユニットを含み、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。
【0086】
このように、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ洗浄槽と集水装置の水位を検出することで、実施形態2の制御過程を実現する。
【実施例3】
【0087】
図3に示すように、洗濯機は、水位検出装置と、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽200と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置500を含む。前記水位検出装置は、洗浄槽200内の水位を検出するための洗浄水位検出装置1002と、集水装置500内の水位を検出するための集水水位検出装置1001を含む。
【0088】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は貯水槽となり、洗浄槽200の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽200の底部にのみ集水装置500を設置する。本実施例の水位検出装置は、洗浄槽200内の水位を検出するための洗浄水位検出装置1002と、集水装置500内の水位を検出するため集水水位検出装置1001を含んでおり、洗濯過程における洗浄槽200及び集水装置500内の水位検出を実現することで、洗浄槽200及び集水装置500における溢水の発生を防止する。
【0089】
本実施例の一実施形態として、前記集水装置500は集水室を含む。前記集水水位検出装置1001は水位検出端を含み、前記水位検出端は集水室内の最低水位位置に設置される。
【0090】
更に、前記集水室の底壁には下方に窪んだ集水槽が設けられており、前記集水水位検出装置の水位検出端が集水槽内に設置される。
【0091】
本実施例における集水水位検出装置1001には、従来の洗濯機における水位検出装置を採用可能である。水位検出装置は水位センサとガス室を含む。ガス室の入力端は集水室内の最低水位位置と連通し、前記水位センサは前記ガス室の出力端に接続される。
【0092】
本実施例の一実施形態として、前記集水装置500は集水室を含む。前記集水水位検出装置1001は圧力センサであり、前記圧力センサは集水室内の最低水位位置に設置される。
【0093】
好ましくは、前記集水室の底壁には下方に窪んだ集水槽が設けられており、前記圧力センサが集水槽内に設置される。
【0094】
本実施例の一実施形態として、前記洗浄槽200の槽底には排水口が開設されている。また、洗濯機は、集水装置500内に設置される排水装置を含んでいる。排水装置はバルブプラグを含み、バルブプラグの上下運動によって洗浄槽の排水口を開放/閉止する。前記洗浄水位検出装置1002は圧力センサであり、前記圧力センサは、バルブプラグの上部に設置されて洗浄槽内の水位を検出する。
【0095】
本実施例の洗浄水位検出装置1002は圧力センサであって、排水装置のバルブプラグ上に集積されている。洗浄過程では、バルブプラグが排水口の閉塞を維持するとともに、バルブプラグ上の圧力センサによって洗浄槽200内の水位を検出するという目的を実現可能である。本実施例によれば、洗浄槽200を貯水槽として使用する場合の水位検出の課題が解決される。
【0096】
具体的に、本実施例で記載する集水装置500は集水室を含む。集水室の底壁は、全体が面一に設置される主部と、主部の外周を一周する集水槽を含んでいる。前記主部には、排水装置を装着するための排水装置第1装着部位が設けられており、前記集水槽内には、集水水位検出装置を装着するための第2装着部位が設けられている。
【0097】
更に、本実施例の洗濯機は主制御ユニットを含み、前記洗浄水位検出装置と集水水位検出装置がそれぞれ主制御ユニットに電気的に接続される。これにより、主制御ユニットは、洗浄水位検出装置と集水水位検出装置によって洗濯機の全洗濯過程における水位状況を検出することで、溢流の発生を防止する。
【実施例4】
【0098】
図3~
図6に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽200と、洗浄槽200から排出される水を収集するための集水装置500を含む。前記集水装置500は、集水室503と、集水室503と連通する排水口504を含む。前記集水室503の底壁には、水流を排水口504に案内する導水構造が設けられている。
【0099】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は貯水槽となり、洗浄槽200の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽200の底部にのみ集水装置500を設置する。これにより、洗浄槽の洗浄水は集水装置500に放出されてから排出されるため、集水装置500は、一次的な貯水機能を実現するために集水室503を有している。また、集水装置500の高さは洗浄槽200の高さよりも低く、前記集水室503の底壁には、水流を排水口504に案内するための導水構造が設けられている。これにより、水流の速やかな排出を確実に保証可能なため、集水装置500に水が過度に溜まって溢流が発生しそうになるとの事態が防止される。
【0100】
本実施例の一実施形態として、前記集水室503の底壁の全て又は底壁の一部を高い方から低い方へ移行するよう設けることで、前記導水構造が形成される。前記排水口504は、集水室503の底壁における最高水位よりも下方の位置に設けられる。これにより、排水を集水室503の導水構造に沿ってより良好に排水口504へと放出し、排出することが可能である。
【0101】
更に、本実施例における前記集水室503の底壁には、下方に窪んだ集水槽502が設けられている。前記集水槽502の垂直方向の深さを高い方から低い方へ移行するよう設けることで、前記導水構造が形成される。前記排水口504は、集水槽502内であって、最高水位よりも下方の位置に設けられる。本実施例では、集水室503内に下方に窪んだ集水槽502を設けているため、水の収集容積を拡大可能であるとともに、水の飛散を防止可能である。集水室503内では集水槽の水位が最も低くなるため、排水口504を集水槽内に設けることで排水にいっそう有利となる。
【0102】
具体的に、本実施例で記載する集水槽502は、集水室503の底壁の周方向に沿って環状に設置される。前記集水槽502の垂直方向の深さを、時計周り又は反時計周りに高い方から低い方へ移行するよう設けることで、前記導水構造が形成される。
【0103】
好ましくは、前記集水槽の垂直方向の深さを、時計周りに高い方から低い方へ移行するよう設けることで、前記導水構造が形成される。
【0104】
本実施例の一実施形態として、前記導水構造は、集水槽502の槽底であって、高い方から低い方に向かう螺旋状構造をなすか、段差状構造をなしている。また、前記排水口504は集水槽内に設けられ、且つ、螺旋状構造又は段差状構造の最低水位位置に配置される。これにより、排水を完全に排出することが可能となるため、集水室503内の溜水が回避される。
【0105】
具体的には、
図5に示すように、集水槽502の槽底の最も高い位置と最も低い位置との差をhとする。前記hは、洗濯機の排水要求に応じて設計すればよい。
【0106】
本実施例の洗濯機では、前記洗浄槽200の槽壁のうち最高水位以下の部分を封止して設けているため、洗浄過程において前記洗浄槽200を貯水に使用可能である。また、前記洗浄槽200の槽壁のうち最高水位よりも上の部分には脱水孔が設けられており、脱水過程において、前記洗浄槽200は脱水孔から排水することが可能である。また、前記洗浄槽200の外壁には脱水排水装置300が設けられている。脱水排水装置300の給水端は前記脱水孔と連通しており、脱水排水装置300の吐水端は集水装置500の集水室503内まで延伸している。
【0107】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は「孔無しの洗浄槽」であるため、洗浄過程では洗浄槽200が貯水槽となる。また、洗浄槽200の槽壁のうち最高水位よりも上の部分には脱水孔が設けられているため、脱水機能が実現される。且つ、洗浄槽200の槽壁には脱水排水装置が設けられている。これにより、洗濯機の脱水過程における水を脱水排水装置を通じて集水装置500の集水室503内に収集し、排出することで、脱水の水流が洗濯機のハウジング内に飛散することが防止される。
【0108】
本実施例における集水装置500は、洗浄槽200の下方に位置するとともに、洗浄槽と同軸に設置される。前記集水装置500の上部の開口は、洗浄槽200の脱水孔よりも低くなるよう設けられる。また、前記脱水排水装置300は、上から下へ集水装置500の集水槽502内へ延伸する排水経路を含んでいる。前記集水槽502における垂直方向の深さは、洗浄槽の脱水時の回転方向に沿って徐々に増大している。本実施例では、脱水排水装置300を集水装置500の集水槽502内まで延伸させているため、脱水過程における水を集水槽502内に収集して排出することが可能である。且つ、集水槽502の深さは集水室503よりも大きいことから、脱水時の排水の飛散を防止可能である。
【0109】
更に、本実施例の前記洗浄槽200の槽口位置には複数の脱水孔が設けられている。また、前記排水経路は複数とし、各脱水孔にそれぞれ一対一で対応している。排水経路の上端は脱水孔と連通し、下端は集水装置の集水槽502内まで延伸している。
【0110】
或いは、前記洗浄槽200の槽口位置には複数の脱水孔群が均一に設けられており、各脱水孔群が複数の脱水孔を含んでいる。また、前記排水経路は複数とし、脱水孔群にそれぞれ一対一で対応している。排水経路の上端は脱水孔群の複数の脱水孔と連通し、下端は集水装置の集水槽502内まで延伸している。
【0111】
本実施例の一実施形態として、前記集水室503の底壁は、全体が面一に設置される主部505と、主部505の外周を一周する環状の集水槽502を含んでいる。また、前記排水経路は複数とし、それぞれ洗浄槽の外壁に均一に配置される。複数の排水経路の吐水端はいずれも環状の集水槽内に連通している。
【0112】
更に、本実施例における前記排水口504は環状の集水槽502内の最低水位箇所に設けられる。前記排水口504は、排水量の要求を満たすよう、前記主部505に向かって拡張している。これにより、排水口504の口径を拡大可能なため、吐水流量が増加し、排水要求が満たされる結果、集水装置500に溜まった水の溢流が回避される。
【0113】
本実施例における主部505は、バルブプラグ装着部506とロック部材装着部507を有している。バルブプラグ装着部506にはバルブプラグが装着され、ロック部材装着部507にはロック部材が装着される。また、前記洗浄槽200の底部には、位置決め孔と洗浄槽排水口が設けられている。洗浄槽から排水する際には、ロック部材が動作して洗浄槽200の位置決め孔に挿入されることで、洗浄槽200が位置決め及びロックされる。且つ、バルブプラグが動作して洗浄槽排水口を開放することで、洗浄槽からの排水が実施される。
【0114】
本実施例における集水装置500は、内部に空洞を有するトレイ状構造をなしている。前記集水装置500は、懸架ロッド400によって洗濯機のハウジング100内に懸装されている。集水装置の外周壁には、懸架ロッド400を装着するための懸架ロッド装着ベース501が設置されている。好ましくは、前記懸架ロッド装着ベースは4つとし、周方向に均一に配置される。
【0115】
本実施例における集水装置500の底壁には駆動装置600が装着されている。駆動装置は、洗浄槽200及びパルセータ800を回動駆動させる洗浄槽軸と、パルセータ軸を有している。
【0116】
本実施例における洗浄槽200の開口にはバランスリング900が設置されている。洗浄槽200の脱水孔は開口箇所に設けられており、且つバランスリング900によって遮断されている。これにより、見た目上は洗浄槽200を「孔無し」とできるため、全体の一体性が向上する。
【0117】
本実施例の洗濯機に「孔無しの洗浄槽」を採用し、且つ外槽を省略した構造設計によれば、以下のような効果が得られる。
【0118】
1.ハウジングの容積を変えることなく洗浄槽の容量を増大させられるため、洗濯機の容量増大効果が実現される。
【0119】
2.洗浄過程において、水は洗浄槽内にのみ存在することから、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と洗浄槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避される。従って、より良好な洗浄効果を有する。
【0120】
3.外槽を省略し、洗浄槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に溜水が存在しなくなる。これにより、洗浄用水量が減少するため、洗浄用水量の節約となる。
【0121】
4.集水装置の集水槽は高い方から低い方へ移行するよう設けられている。従って、より良好に導水及び排水がなされ、集水装置の集水及び排水が確実に保証されることから、溜水の溢流が防止される。
【実施例5】
【0122】
図3~
図8に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽200と、洗浄槽200から排出される水を収集するための集水装置500を含む。前記集水装置500は、集水室503と、集水室503と連通する排水口504を含む。前記集水室503の底壁には、下方に窪んだ集水槽502が設けられている。また、前記排水口504の最内周は、集水槽502の最外周の内側に位置する。
【0123】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は貯水槽となり、洗浄槽200の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽200の底部にのみ集水装置500を設置する。これにより、洗浄槽の洗浄水は集水装置500に放出されてから排出されるため、集水装置500は、一次的な貯水機能を実現するために集水室503を有している。また、本実施例では、排水口504の最内周を集水槽502の最外周の内側に位置させているため、排水口504をフル稼働させて排水要求を満たすことが可能である。
【0124】
本実施例の一実施形態として、前記排水口504の最内周は、集水槽502の最外周に内接している。これにより、排水口504は迅速な排水を実施可能となるため、集水槽502内の溜水が減少する。
【0125】
図6に示すように、前記集水槽502の最外周をR0とし、前記排水口504の最内周をR1とすると、前記R0とR1が内接する。
【0126】
本実施例の一実施形態として、集水装置500の排水要求をより良好に満たすよう、前記排水口504は少なくとも2つとし、集水槽502内にそれぞれ設置する。また、複数の前記排水口504の最内周は、いずれも集水槽502の最外周の内側に位置する。これにより、各排水口504が迅速な排水を実施可能となるため、集水槽502内の溜水が極めて大幅に減少する。
【0127】
好ましくは、少なくとも1つの排水口504の最内周は、集水槽502の最外周に内接している。より好ましくは、全ての排水口504の最内周が、いずれも集水槽502の最外周に内接している。
【0128】
本実施例の一実施形態として、前記集水槽502の垂直方向の深さは、高い方から低い方へ移行するよう設けられる。複数の前記排水口504は、集水槽502内であって、最高水位よりも下方の位置に配置される。また、少なくとも1つの排水口504が、集水槽502内であって、最低水位位置に設けられる。
【0129】
更に、前記排水口504は第1排水口と第2排水口を含む。前記第1排水口は集水槽502内の最低水位位置に設けられ、前記第2排水口は、集水槽502内の最高水位と最低水位の間の位置に設けられる。前記第1排水口の最内周と第2排水口の最内周は、それぞれ集水槽の最外周と内接する。
【0130】
好ましくは、前記集水槽502は、集水室503の底壁の周方向に沿って環状に設置される。また、前記集水槽502の垂直方向の深さは、時計周り又は反時計周りに高い方から低い方へ移行するよう設けられる。前記第1排水口と第2排水口は、それぞれ集水槽502内に設けられ、第1排水口と第2排水口の間の夾角Aが90°≦A≦180°を満たす。好ましくは、前記A=180°である。
【0131】
具体的に、本実施例の前記集水室503の底壁は、全体が面一に設置される主部505と、主部505の外周を一周する環状の集水槽502を含んでいる。前記排水口504は環状の集水槽502内に設けられ、前記排水口504の最内周の一方の側が、環状の集水槽502の最外周に内接する。また、排水口504の最内周のうち、一方の側と対向する他方の側は本体505に向かって拡張している。
【実施例6】
【0132】
図3、
図9~
図11に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽200と、洗浄槽200から排出される水を収集するための集水装置500を含む。前記集水装置500は、集水室503と、集水室503と連通する排水口504を含む。集水装置500からの溢流を防止するとの排水要求を満たすべく、前記排水口504は複数とする。
【0133】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は貯水槽となり、洗浄槽200の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽200の底部にのみ集水装置500を設置する。これにより、洗浄槽の洗浄水は集水装置500に放出されてから排出されるため、集水装置500は、一次的な貯水機能を実現するために集水室503を有している。本実施例の排水口504は複数存在するため、集水装置500の時間あたりの排水量を増加させることが可能である。これにより、迅速な排水が実現され、集水槽内の溜水が減少することから、集水装置500における溢流の発生が防止される。
【0134】
具体的に、本実施例の一実施形態として、前記集水室503の底壁には、下方に窪んだ集水槽502が設けられている。前記排水口504は少なくとも2つとし、集水槽502内にそれぞれ設置する。集水槽502の位置は低くなっているため、2つの排水口を全て集水槽内に設けることで、排水要求をより良好に満たすことが可能となる。
【0135】
更に、前記集水槽502の垂直方向の深さを高い方から低い方へ移行するよう設けることで、水流をより良好に案内して排出可能とする。複数の前記排水口504は、集水槽502内であって、最高水位よりも下方の位置に配置される。また、少なくとも1つの排水口504を集水槽内の最低水位位置に設けることで、集水槽502内の水を完全に排出可能となるよう保証する。
【0136】
本実施例の一実施形態として、前記排水口は第1排水口5041と第2排水口5042を含む。前記第1排水口5041は、集水槽502内であって、最低水位位置に設けられる。また、前記第2排水口5042は、集水槽502内であって、最高水位と最低水位の間の位置に設けられる。排水口は、できるだけ多く設けることで排水要求をより良好に満たすことが可能となるが、集水装置500の製造加工及び全体の強度に影響が及んでしまう。そこで、本実施例では排水口を2つとすることで、排水要求をより良好に満たしつつ、集水装置500の加工及び強度要求も保証可能とする。
【0137】
本実施例の第1排水口5041は第1排水管701に接続され、第2排水口5042は第2排水管702に接続される。第1排水管701と第2排水管702は三方弁704に接続され、前記三方弁704は第3排水管703に接続される。また、第3排水管703は洗濯機のハウジング100の外部と連通する。
【0138】
更に、前記集水槽502は集水室503の底壁の周方向に沿って環状に設置される。また、前記集水槽502の垂直方向の深さは、時計周り又は反時計周りに高い方から低い方へ移行するよう設けられる。前記第1排水口5041と第2排水口5042は、それぞれ集水槽内に設けられ、第1排水口5041と第2排水口5042の間の夾角Aが90°≦A≦180°を満たす。これにより、集水室503内の可能な限り離間した2つの領域から同時に排水可能となるため、もう一方の排水口からの排水圧力が減少する。
【0139】
好ましくは、前記A=180°とする。これにより、集水室503内の対向する2つの領域から同時に排水を実現可能となるため、それぞれの排水口の排水圧力が減少する。
【0140】
好ましくは、複数の前記排水口の最内周は、いずれも集水槽の最外周の内側に位置する。
【0141】
好ましくは、少なくとも1つの排水口の最内周が集水槽の最外周に内接している。
【0142】
より好ましくは、前記第1排水口の最内周と第2排水口の最内周は、それぞれ集水槽の最外周と内接する。
【0143】
本実施例の一実施形態として、複数の前記排水口の口径は同じ又は異なっている。
【0144】
好ましくは、前記排水口の口径は、配置される集水室内の水面高さの増大に応じて拡大する。
【実施例7】
【0145】
図3、
図12~
図14に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄過程で貯水に使用可能な洗浄槽200と、洗浄槽から排出される水を収集するための集水装置500を含む。前記集水装置500は集水室503を含む。また、前記集水室503の側壁には溢水構造510が設けられている。溢水構造510は、集水室内から溢れた水を排出するための溢水口509を含む。
【0146】
本実施例における洗濯機の洗浄槽200は貯水槽となり、洗浄槽200の外部に外槽は設置されない。また、本実施例では、洗浄槽200の底部にのみ集水装置500を設置する。これにより、洗浄槽の洗浄水は集水装置500に放出されてから排出されるため、集水装置500は、一次的な貯水機能を実現するために集水室503を有している。また、本実施例における集水室503の側壁には溢水構造510が設けられている。集水室503内の溜水が溢水構造510に達すると、溢水構造510の溢水口509から集水室503内の溜水が排出される。これにより、集水装置500内の溜水が過度に多くなって集水室503から溢れ出すとの事態が回避される。
【0147】
本実施例の前記溢水構造510は、集水室503の上部の側壁に設けられる溢水室を含んでおり、前記溢水口509が溢水室の底壁に設けられている。集水室503内の溜水が溢水構造510に達すると、溢水構造510の溢水室内に集水室503内の溜水が進入し、溢水口509を通じて直接排出される。これにより、集水室503内の溜水量が減少するため、集水室503における溢水の発生が防止される。
【0148】
図12及び
図13に示すように、本実施例の一実施形態として、前記溢水室は集水室の上部の側壁の一部から外側に拡張するよう形成される。
【0149】
図14に示すように、本実施例の前記集水室503の外壁には溢水リング511が設けられており、溢水リング511内に前記溢水室が備わっている。前記溢水口509は、溢水リング511の底部に開設されて溢水室と連通している。前記集水室503から溢れた水は、集水室の壁を通過して溢水リング511内の溢水室に溢流し、溢水口509から排出される。
【0150】
更に、前記集水装置500は集水室開口を有している。また、前記集水リング511は上端に環状の開口を有する環状体である。前記環状体は集水室503の外壁に密封装着されるとともに、集水室開口に近接している。
【0151】
本実施例の一実施形態として、前記溢水室503の底部は高い方から低い方へ移行するよう設けられており、前記溢水口509は、溢水室503の底壁における最低水位位置に設けられる。
【0152】
図13に示すように、本実施例の前記溢水口509は溢水管705に接続されており、前記溢水管705は洗濯機の本体の外部に直接導出されている。また、排水口に接続される排水管もまた洗濯機の本体の外部に別途延伸している。
【0153】
或いは、
図12に示すように、前記集水室503内には排水口504が設けられており、前記排水口504が排水管に接続されている。また、前記溢水口509は溢水管に接続されており、前記溢水管が前記排水管と連通している。
【0154】
具体的に、前記排水管は、第1排水管701と第2排水管を含んでいる。前記第1排水管701は、一端が排水口504と連通し、他端が三方弁704と連通する。また、前記溢水管705は、一端が溢水口509と連通し、他端が三方弁704と連通する。前記第2排水管は、一端が三方弁704と連通し、他端が洗濯機の本体の外部に導出されている。好ましくは、前記第1排水管、第2排水管及び溢水管はいずれも垂直排水管路である。
【0155】
以上の各実施例は単独で実施してもよいし、互いに組み合わせて新たな技術方案を形成し、対応する複数の技術的課題を解決してもよい。
【0156】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。