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特許7083100光線方向制御素子及びこれを用いた表示装置、照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】光線方向制御素子及びこれを用いた表示装置、照明装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1676 20190101AFI20220603BHJP
   G02F 1/1675 20190101ALI20220603BHJP
【FI】
G02F1/1676
G02F1/1675
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017190770
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019066621
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-08-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519380923
【氏名又は名称】天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】特許業務法人藤央特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼屋 倫基
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸浩
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/141740(WO,A1)
【文献】特開2016-062092(JP,A)
【文献】特開2016-062091(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0002220(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1241306(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0000551(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/15-1/19
F21S 2/00
F21V 8/00
G09F 9/00,9/30-9/46
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の透明基板と、
前記第1の透明基板に対向するように配置され、電極を備えていない第2の透明基板と、
前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面に配置された複数の第1の制御電極及び複数の第2の制御電極と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に配置された複数の光透過領域と、
各々が隣接する二つの前記光透過領域の間に配置された、特定の極性の電荷を帯び、かつ、遮光性の電気泳動粒子及び光透過性の分散剤からなる複数の電気泳動素子と、を有し、
前記複数の電気泳動素子は、それぞれが、個々に独立した直方体の領域内に配置され、
少なくとも一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と、少なくとも一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部とが、それぞれ、前記各電気泳動素子の一部と重畳するように、前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極が配置され、
前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極は、それぞれ、前記光透過領域と前記電気泳動素子との境界に直交する方向を長手方向とする帯状に形成され、前記各第1の制御電極と前記各第2の制御電極とが交互に配置され、
前記各電気泳動素子は、前記各第1の制御電極に重畳する領域と前記各第2の制御電極に重畳する領域との間が、前記電気泳動粒子が移動可能に流通し、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間の電位差に応じて前記電気泳動粒子の分散状態が変化することによって、通過する光の出射方向の範囲が変化する、光線方向制御素子。
【請求項2】
請求項1に記載の光線方向制御素子において、
前記複数の第1の制御電極は、その長手方向のうち第1の方向の端において相互に連結するように形成され、
前記複数の第2の制御電極は、その長手方向のうち前記第1の方向の反対の第2の方向の端において相互に連結するように形成される、光線方向制御素子。
【請求項3】
請求項1に記載の光線方向制御素子において、
前記各第1の制御電極は、隣接する前記第2の制御電極に対向する辺が、前記隣接する第2の制御電極の方向に突出した複数の凸部、及び、前記隣接する第2の制御電極の反対の方向に後退した複数の凹部を有するように形成され、
前記各第2の制御電極は、隣接する前記第1の制御電極の前記複数の凸部に対応する複数の凹部、及び、前記隣接する第1の制御電極の前記凹部に対応する複数の凸部を有するように形成される、光線方向制御素子。
【請求項4】
第1の透明基板と、
前記第1の透明基板に対向するように配置され、電極を備えていない第2の透明基板と、
前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面に配置された複数の第1の制御電極及び複数の第2の制御電極と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に配置された複数の光透過領域と、
各々が隣接する二つの前記光透過領域の間に配置された、特定の極性の電荷を帯び、かつ、遮光性の電気泳動粒子及び光透過性の分散剤からなる複数の電気泳動素子と、を有し、
前記複数の電気泳動素子は、それぞれが、個々に独立した直方体の領域内に配置され、
少なくとも一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と、少なくとも一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部とが、それぞれ、前記各電気泳動素子の一部と重畳するように、前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極が配置され、
前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極は、それぞれ、前記光透過領域と前記電気泳動素子との境界に平行な方向を長手方向とする帯状に形成され、前記各電気泳動素子の一部が一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と重畳し、前記各電気泳動素子の他の一部が一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部と重畳するように配置され、
前記各電気泳動素子は、前記各第1の制御電極に重畳する領域と前記各第2の制御電極に重畳する領域との間が、前記電気泳動粒子が移動可能に流通し、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間の電位差に応じて前記電気泳動粒子の分散状態が変化することによって、通過する光の出射方向の範囲が変化する、光線方向制御素子。
【請求項5】
請求項4に記載の光線方向制御素子において、
前記複数の第1の制御電極は、その長手方向のうち第1の方向の端において相互に連結するように形成され、
前記複数の第2の制御電極は、その長手方向のうち前記第1の方向の反対の第2の方向の端において相互に連結するように形成される、光線方向制御素子。
【請求項6】
請求項1または4に記載の光線方向制御素子において、
前記光線方向制御素子は、前記光線方向制御素子の視野角を制御する制御部をさらに有し、
前記制御部は、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を広げるために、前記制御部が、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間に所定の電位差が生じるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御し、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を狭めるために、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極とが同電位になるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御する、光線方向制御素子。
【請求項7】
第1の透明基板と、
前記第1の透明基板に対向するように配置された第2の透明基板と、
前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面に配置された複数の第1の制御電極及び複数の第2の制御電極と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に配置された複数の光透過領域と、
各々が隣接する二つの前記光透過領域の間に配置された、特定の極性の電荷を帯び、かつ、遮光性の電気泳動粒子及び光透過性の分散剤からなる複数の電気泳動素子と、を有し、
前記複数の電気泳動素子は、それぞれ、直方体に形成され、
少なくとも一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と、少なくとも一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部とが、それぞれ、前記各電気泳動素子の一部と重畳するように、前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極が配置され、
前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極は、それぞれ、前記光透過領域と前記電気泳動素子との境界に直交する方向を長手方向とする帯状に形成され、前記各第1の制御電極と前記各第2の制御電極とが交互に配置され、
前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間の電位差に応じて前記電気泳動粒子の分散状態が変化することによって、通過する光の出射方向の範囲が変化する、光線方向制御素子であって、
前記光線方向制御素子は、前記第2の透明基板の前記第1の透明基板に対向する面に配置された第3の制御電極と、前記光線方向制御素子の視野角を制御する制御部とをさらに有し、
前記制御部は、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を広げるために、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間に所定の電位差が生じるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御し、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を狭めるために、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極とが同電位になるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御し、さらに、所定の期間、前記第3の制御電極と前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極との間に所定の電位差が生じ、かつ、前記第3の制御電極の電位の極性が前記電気泳動粒子の電荷と逆の極性となるように制御する、光線方向制御素子。
【請求項8】
第1の透明基板と、
前記第1の透明基板に対向するように配置された第2の透明基板と、
前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面に配置された複数の第1の制御電極及び複数の第2の制御電極と、
前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に配置された複数の光透過領域と、
各々が隣接する二つの前記光透過領域の間に配置された、特定の極性の電荷を帯び、かつ、遮光性の電気泳動粒子及び光透過性の分散剤からなる複数の電気泳動素子と、を有し、
前記複数の電気泳動素子は、それぞれ、直方体に形成され、
少なくとも一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と、少なくとも一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部とが、それぞれ、前記各電気泳動素子の一部と重畳するように、前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極が配置され、
前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極は、それぞれ、前記光透過領域と前記電気泳動素子との境界に平行な方向を長手方向とする帯状に形成され、前記各電気泳動素子の一部が一つの前記第1の制御電極の少なくとも一部と重畳し、前記各電気泳動素子の他の一部が一つの前記第2の制御電極の少なくとも一部と重畳するように配置され、
前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間の電位差に応じて前記電気泳動粒子の分散状態が変化することによって、通過する光の出射方向の範囲が変化する、光線方向制御素子であって、
前記光線方向制御素子は、前記第2の透明基板の前記第1の透明基板に対向する面に配置された第3の制御電極と、前記光線方向制御素子の視野角を制御する制御部とをさらに有し、
前記制御部は、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を広げるために、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極との間に所定の電位差が生じるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御し、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を狭めるために、前記複数の第1の制御電極と前記複数の第2の制御電極とが同電位になるように前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極の電位を制御し、さらに、所定の期間、前記第3の制御電極と前記複数の第1の制御電極及び前記複数の第2の制御電極との間に所定の電位差が生じ、かつ、前記第3の制御電極の電位の極性が前記電気泳動粒子の電荷と逆の極性となるように制御する、光線方向制御素子。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の光線方向制御素子において、
前記制御部は、
前記各光透過領域及び前記分散剤を透過する光の出射方向の範囲を広げるために、さらに、前記複数の第1の制御電極の電位の極性が前記電気泳動粒子の電荷の極性と同一である場合に、所定の期間、前記第3の制御電極の電位を、前記複数の第2の制御電極の電位より前記複数の第1の制御電極の電位に近づくように制御する、光線方向制御素子。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つに記載の光線方向制御素子と、表示素子と、制御部と、を有する表示装置であって、
前記表示素子は、前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面の反対側の面に配置される、表示装置。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一つに記載の光線方向制御素子と、光源と、制御部と、を有する照明装置であって、
前記光源は、前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面の反対側の面に配置される、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、透過光の射出方向の範囲を可変制御する光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、会議等において表示画面を複数人で共有する状況、又は、公共の場所において操作者のみで表示画面を確認する状況といった様々な状況下で使用される。前者の状況下ではそれぞれ異なる方向から複数人が同時に画面を閲覧できるように、画面上の表示を視認できる方向の範囲(すなわち視野角)が広いことが望ましいが、後者の状況下ではのぞき見を防止するために視野角が狭い範囲に制限されていることが望ましい。このように状況に応じた視野角を実現するために表示装置に装着する光線方向制御素子(ルーバー)が開示されている。
【0003】
例えば、米国特許第7751667号明細書(特許文献1)に開示されているルーバーは、透明領域と電気泳動粒子を充填した光吸収領域とを透明導電膜の電極で挟む構造となっており、非動作(電圧OFF)時に光線方向を制御して特定視野のみで表示を確認でき、動作(電圧ON)時に広視野角で表示を確認できる。
【0004】
また、特開2007-155784号公報(特許文献2)には、液晶表示素子と面光源とのあいだに配置される視野制御素子が開示されている。この視野制御素子は、エレクトロクロミック層と透明層とを交互に積層し、これらの層に直行する方向の両端に複数のエレクトロクロミック層に通電するための一対の電極を設けた構造を有している。電極からエレクトロクロミック層に通電しなければ、エレクトロクロミック層は無色透明のため、面光源からの照射光は透過して広視野角となり、エレクトロクロミック層に通電するとエレクトロクロミック層が発色し、発色した箇所が遮光部となって狭視野角となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7751667号明細書
【文献】特開2007-155784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、電圧OFF時には電気泳動粒子が光吸収領域全体に分散して光吸収領域全体が不透明になり、その結果、視野角が狭くなる。一方、電圧ON時には電気泳動粒子がそれとは逆の極性の電荷を帯びた電極の付近に偏るため、光吸収領域のうちもう一方の電極に近い部分が透明になり、その結果視野角が広くなる。しかし、その場合も、光吸収領域のうち電気泳動粒子とは逆の極性の電荷を帯びた電極の側の面の全体が電気泳動粒子によって覆われるため、広視野角モードにおける画面に垂直な方向の光透過率は狭視野角モードにおけるものと変わらない。
【0007】
また、特許文献2の視野制御素子は、液晶表示素子の画面と平行な方向の電界をエレクトロクロミック層に加える構造となっているため、画面が大型化するほど電極間の距離が大きくなり、高電圧での駆動が必要になる。また、特許文献2の視野制御素子は、透明な基材とエレクトロクロミック層とを積層したフィルムを多層に重ねて、フィルム面に垂直な方向にスライスすることによって制作されるため、画面が大型化するほど貼り合わせの工程が多くなり、コストが上昇する。さらに、各エレクトロクロミック層の特性のばらつきによって、発色が不均一になることが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、第1の透明基板と、前記第1の透明基板に対向するように配置された第2の透明基板と、前記第1の透明基板の前記第2の透明基板に対向する面に配置された複数の第1の透明導電膜及び複数の第2の透明導電膜と、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に配置された複数の光透過領域と、各々が隣接する二つの前記光透過領域の間に配置された、特定の極性の電荷を帯び、かつ、遮光性の電気泳動粒子及び光透過性の分散剤からなる複数の電気泳動素子と、を有し、少なくとも一つの前記第1の透明導電膜の少なくとも一部と、少なくとも一つの前記第2の透明導電膜の少なくとも一部とが、それぞれ、前記各電気泳動素子の一部と重畳するように、前記複数の第1の透明導電膜及び前記複数の第2の透明導電膜が配置され、前記複数の第1の透明導電膜と前記複数の第2の透明導電膜との間の電位差に応じて、前記電気泳動粒子の分散状態が変化することによって、通過する光の出射方向の範囲が変化する、光線方向制御素子である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、広視野角モードにおいて電気泳動粒子が覆う部分の面積が小さくなり、光透過率が向上するとともに、省電力化される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】実施例1の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図1B】実施例1の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図2A】実施例1の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図2B】実施例1の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図2C】実施例1の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図2D】実施例1の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示すブロック図である。
図2E】実施例1の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示す概略図である。
図2F】実施例1の光線方向制御素子を有する照明装置の構成を示す概略図である。
図3】実施例1の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
図4A】実施例1の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
図4B】実施例1の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
図5A】実施例2の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図5B】実施例2の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図6A】実施例2の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図6B】実施例2の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図6C】実施例2の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図6D】実施例2の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図7】実施例2の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
図8A】実施例3の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図8B】実施例3の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図9A】実施例3の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図9B】実施例3の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図9C】実施例3の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
図10】実施例3の光線方向制御素子における制御電極及び補助電極の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図11】実施例3の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。各図において共通の構成については同一の参照符号が付されている。
【実施例1】
【0012】
図1A及び図1Bは、実施例1の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0013】
具体的には、狭視野角モードに制御された本実施例の光線方向制御素子100の断面図及び平面図をそれぞれ図1A及び図1Bに示す。
【0014】
図1Aに示すように、本実施例の光線方向制御素子100は、下部透明基板(第1の透明基板)101と、下部透明基板101に対向するように配置された上部透明基板(第2の透明基板)105と、下部透明基板101の上面(すなわち上部透明基板105に対向する側の面)に形成された複数の制御電極102(制御電極102Bを含む)と、下部透明基板101及び複数の制御電極102と上部透明基板105との間に形成された複数の透明なリブ(光透過領域)103と、隣接するリブ103の間に形成された複数の電気泳動素子104と、を備えている。
【0015】
下部透明基板101及び上部透明基板105は、例えばガラス、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、PC(Poly Carbonate)又はPEN(Poly Ethylene Naphthalate)等の透明な素材を平坦に形成した基板である。
【0016】
制御電極102は、例えばITO(Indium-Tin-Oxide、酸化インジウムスズ)などの透明導電膜で形成されている。複数の制御電極102が帯状に設けられ、所定の間隔で下部透明基板101上に配列される。
【0017】
図1Bは、本実施例の光線方向制御素子100の平面図であり、図1A図1BのA-A線断面図である。ただし、説明の便宜上、図1Bでは下部透明基板101及び上部透明基板105の図示は省略されている。図1Bには、複数の制御電極102の例として制御電極102A~102Eを示している。制御電極102A~102Eの全体について説明する場合、及び、制御電極102A~102Eのいずれにも共通する説明をする場合には、これらを総称して制御電極102とも記載する。
【0018】
なお、複数の制御電極102は、複数の第1の制御電極(第1の透明導電膜)及び複数の第2の制御電極(第2の透明導電膜)を含む。第1の制御電極及び第2の制御電極は交互に配置されてもよい。図1Bの例では、奇数番目の制御電極102A、102C及び102Eが第1の制御電極であり、偶数番目の制御電極102B及び102Dが第2の制御電極である。後述するように、広視野角モードでは、複数の第1の制御電極102と複数の第2の制御電極102との間に所定の電位差が生じるように各制御電極102の電位が制御される。
【0019】
リブ103は、例えば光硬化性材料によって形成される。例えば、フォトリソグラフィ技術によって、それぞれが所定の幅を持つ複数のリブ103が、所定の間隔で下部透明基板101及び制御電極102の上に配列されるように形成されてもよい。一般には、リブ103の高さは、3[μm]~300[μm]の範囲が好適である。リブ103の幅は、1~150[μm]の範囲が好適である。リブ103の間隔(すなわち後述する電気泳動素子104の幅)は、0.25[μm]~40[μm]の範囲が好適である。ただし、本実施例は、リブ103の高さ、幅及び間隔を上記に限定するものではない。
【0020】
隣接する二つのリブ103の間に電気泳動素子104が形成される。電気泳動素子104は、光透過性及び流動性のある分散剤と、遮光性かつ所定の極性の電荷を帯びた電気泳動粒子との混合物である。以下、電気泳動粒子がマイナスの電荷を帯びている例を説明するが、電気泳動粒子はプラスの電荷を帯びていてもよい。分散剤の流動性のため、電気泳動粒子は電気泳動素子104内を移動することができる。狭視野角モードでは、全ての制御電極102が同電位に設定されるため、電気泳動素子104内で電位の勾配が生じない。このため、電気泳動粒子はいずれの制御電極102にも凝集することなく、電気泳動素子104内に分散する。電気泳動粒子が電気泳動素子104内に一様に分散した場合、電気泳動素子104の全体が遮光性を示す。言い換えると、図1A等に示す狭視野角モードにおいては、電気泳動素子104の全体が遮光部となる。
【0021】
例えば本実施例の光線方向制御素子100が液晶パネル等の表示装置に設置される場合、表示装置からの出射光は下部透明基板101、制御電極(透明導電膜)102、リブ103及び上部透明基板105を順次通過する。このとき、リブ103間に形成された遮光性の電気泳動素子104がルーバーとして作用することによって、光線方向制御素子100を通過する光の出射方向の範囲が、後述する広視野角モードにおける出射方向の範囲より狭くなる。その結果、視野角が狭められる。
【0022】
なお、本実施例では、図1Bに示すように、帯状の各制御電極102は、リブ103と電気泳動素子104との境界に直交する方向(図1Bの左右方向)が長手方向となるように形成される。図1Bには制御電極102の上にリブ103及び電気泳動素子104が形成された状態を示しており、制御電極102のリブ103及び電気泳動素子104の下に隠れた部分は図示されていないが、実際には図1Aに示すように各制御電極102は左右方向に連続している。
【0023】
しかし、上記のような制御電極102、リブ103及び電気泳動素子104の配置は一例であり、後述するように上記以外の配置も可能である(例えば実施例2参照)。ただし、それぞれの電気泳動素子104の一部が少なくとも一つの第1の制御電極と重畳し、他の一部が少なくとも一つの第2の制御電極と重畳している必要がある。図1A等の例では、各電気泳動素子104は、制御電極102A~102Eのそれぞれの一部と重畳している。
【0024】
また、本実施例では、上部透明基板105は省略してもよいが、その場合は分散剤が流出しないように電気泳動素子104を封止する必要がある。
【0025】
図2Aから図2Cは、実施例1の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0026】
具体的には、図1A等に示したものと同じ光線方向制御素子100が広視野角モードに設定された場合の平面図を図2Cに示す。また、その光線方向制御素子100の制御電極102の長手方向のB-B線断面図を図2Aに、制御電極102の長手方向に直交する方向のC-C線断面図を図2Bに、それぞれ示す。
【0027】
広視野角モードでは、各制御電極102の電位が、第1の制御電極と第2の制御電極との間に所定の電位差(例えば、20V~25V程度の直流電圧)が生じるように制御される。図2A等の例では、第1の制御電極102A、102C及び102Eにマイナス、第2の制御電極102B及び102Dにプラスの極性の電位が設定される。このとき、電気泳動素子104内に電位の勾配が生じるため、電気泳動素子104内の電気泳動粒子は、その電気泳動素子104に重畳している複数の制御電極102のうち、電気泳動粒子自体が帯びている電荷の極性とは逆の極性の制御電極102の付近に凝集する。
【0028】
図2A等の例では、電気泳動粒子がマイナスの極性の電荷を帯びているため、プラスの極性の第2の制御電極102B及び102Dの付近に凝集する。その結果、電気泳動素子104のうち、電気泳動粒子が凝集した第2の制御電極102B及び102Dの付近の領域は、遮光性を示す遮光部202となる。一方、電気泳動素子104のうち、第2の制御電極102B及び102Dから離れた領域は、電気泳動粒子の濃度が低下して、光を透過する透明部201となる。
【0029】
その結果、図2A及び図2Bに示すように、電気泳動素子104のうち上部透明基板105に近い領域は透明部201となる。すなわち、光線方向制御素子100を通過する光は、透明なリブ103だけでなく、電気泳動素子104の透明部201も通過することができるため、図1A等の狭視野角モードと比較して、光線方向制御素子100を通過する光の出射方向の範囲が、前述の狭視野角モードにおける出射方向の範囲より広くなる。これによって、視野角が広がる。さらに、図2Cに示すように、電気泳動粒子は第2の制御電極102B及び102Dの付近に凝集し、電気泳動粒子と同一の極性の電位が設定された第1の制御電極102A、102C及び102Eの付近の領域は透明部201となるため、光が透過する領域の面積が増すことによって、表示装置を参照するユーザが感じる画面の明るさが増す。
【0030】
また、本実施例の光線方向制御素子100は、下部透明基板101に制御電極102をパターニングすることによって製造できるため、大型化が容易である。
【0031】
さらに、本実施例の光線方向制御素子100は、電気泳動粒子の濃度差によって遮光部及び透明部を形成するため、黒色の発色の不均一(すなわち光線方向制御素子100内の明るさの不均一)が抑制される。
【0032】
図2Dは、実施例1の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
図2Dに示す表示装置210は、光線方向制御素子100及び表示素子217からなる表示部216と、ホスト211に接続され、光線方向制御素子100に印加される電位を制御する制御部212と、を有する。
【0034】
ホスト211は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末又はその他のPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であり、実行した処理の結果等を表示するための信号を出力する。表示部216は、ホスト211の外部に接続されていてもよいし、例えばホスト211がスマートフォンである場合のようにホスト211と一体に形成されてもよい。
【0035】
図2Eは、実施例1の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示す概略図である。表示素子217は、ホスト211に接続され、ホスト211から出力された信号に従って画像等を表示する、例えば有機EL素子や液晶素子等である。図2Eに示すように、光線方向制御素子100は、表示素子217が画像等を表示する表示面の上に設置される。例えば図1Aの光線方向制御素子100の下部透明基板101の下に(言い換えると、下部透明基板101の、上部透明基板105に対向する面の反対側の面に)表示素子217が設置される。表示素子217から放射された光が下部透明基板101に入射して、下部透明基板101、リブ103及び上部透明基板105を順次通過して上部透明基板105の上方に出射する。表示素子217の光が光線方向制御素子100を通過する際、前述したように、光線方向制御素子100を通過する光の出射方向の範囲が制御される。表示素子217が液晶素子である場合は、光線方向制御素子100は、光源(バックライト)と液晶パネルの間に配置してもよい。
【0036】
光線方向制御素子100の制御電極102に印加される電位は、制御部212によって制御される。制御部212は、タイミング制御部213、制御電極駆動部214及び制御電極駆動部215を有する。タイミング制御部213は、制御電極102の電位を変更するタイミングを制御する制御信号を生成して制御電極駆動部214及び制御電極駆動部215に入力する。制御電極駆動部214及び制御電極駆動部215は、タイミング制御部213からの制御信号に従って、所望のタイミングで第1の制御電極102A、102C、102E、第2の制御電極102B及び102Dに印加する電位を生成する。
【0037】
ここで、光線方向制御素子100が時刻t1に狭視野角モードから広視野角モードに変更され、時刻t3に広視野角モードから狭視野角モードに変更される場合の制御電極102の電位の制御の例を説明する。この例では、狭視野角モードにおいて、全ての制御電極102の電位が同電位(V0)に制御される。一方、広視野角モードにおいては、第1の制御電極と第2の制御電極との間に所定の電位差(V2-V1)が生じるように、第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位がV1に制御され、第2の制御電極102B及び102Dの電位がV2に制御される。これは、後述する実施例3の制御電極102の制御と同様である。
【0038】
この場合、タイミング制御部213は、時刻t1に第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位をV0からV1に変更するための制御信号を制御電極駆動部214に入力し、第2の制御電極102B及び102Dの電位をV0からV2に変更するための制御信号を制御電極駆動部215に入力する。このとき、制御電極駆動部214は、タイミング制御部213からの制御信号に従って、時刻t1以降に、第1の制御電極102A、102C及び102Eに電位V1を印加する。また、制御電極駆動部215は、タイミング制御部213からの制御信号に従って、時刻t1以降に、第2の制御電極102B及び102Dに電位V2を印加する。
【0039】
さらに、タイミング制御部213は、時刻t3に第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位をV1からV0に変更するための制御信号を制御電極駆動部214に入力し、第2の制御電極102B及び102Dの電位をV2からV0に変更するための制御信号を制御電極駆動部215に入力する。制御電極駆動部214は、タイミング制御部213からの制御信号に従って、時刻t3以降に、第1の制御電極102A、102C及び102Eに電位V0を印加する。また、制御電極駆動部215は、タイミング制御部213からの制御信号に従って、時刻t3以降に、第2の制御電極102B及び102Dに電位V0を印加する。
【0040】
タイミング制御部213は、ホスト211からの視野角モード切り替え信号に応じて上記の制御信号を生成してもよい。例えば、ホスト211のユーザが狭視野角モードから広視野角モードに変更する指示をホスト211に入力すると、ホスト211がその指示をタイミング制御部213に送信し、その指示を受信したタイミング制御部213が上記の時刻t1の制御信号を生成してもよい。同様に、ホスト211のユーザが広視野角モードから狭視野角モードに変更する指示をホスト211に入力すると、ホスト211がその指示をタイミング制御部213に送信し、その指示を受信したタイミング制御部213が上記の時刻t3の制御信号を生成してもよい。
【0041】
上記のような制御部212による制御の結果、光線方向制御素子100を表示装置に適用した場合に適切なタイミングで広視野角モードと狭視野角モードとの切り替えを行うことができる。
【0042】
図2D図2Eには、本実施例の光線方向制御素子100を表示装置に適用する例を示したが、光線方向制御素子100は照明装置に適用することもできる。図2Fは、実施例1の光線方向制御素子を有する照明装置の構成を示す概略図である。図2Fに示すように、表示素子217を例えば冷陰極管又はLED(Light Emitting Diode)等の光源221に置き換えることにより、照明装置220が構成される。ホスト211は省略されてもよく、その場合、制御部212に例えば図示しないボタン等の入力装置を介してユーザから視野角モードを変更する指示が入力される。タイミング制御部213は、入力された指示に従って、上記と同様の制御信号を生成して制御電極駆動部214及び制御電極駆動部215に入力する。これによって、光源から光線方向制御素子100を通過して出射される光の出射方向の範囲が制御される。
【0043】
図3は、実施例1の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
【0044】
具体的には、図3は、本発明の実施例1の光線方向制御素子100の第1の変形例である光線方向制御素子300の平面図である。光線方向制御素子300は、前述した実施例1の制御電極102A~102Eが制御電極301A及び301Bによって置き換えられている点を除いて、光線方向制御素子100と同様である。なお、図1Bと同様、図3において、下部透明基板101及び上部透明基板105の図示は省略されている。
【0045】
制御電極301Aは、図1Bにおける第1の制御電極102A、102C及び102Eと同様の帯状の透明導電膜を一方の端で連結した形状となるように一体に形成したものである。同様に、制御電極301Bは、図1Bにおける第2の制御電極102B及び102Dと同様の帯状の透明導電膜をもう一方の端で連結した形状となるように一体に形成したものである。図3の例において、制御電極301Aが第1の制御電極(第1の透明導電膜)、制御電極301Bが第2の制御電極(第2の透明導電膜)に相当する。
【0046】
電極をこのような形状に構成することによって、二つの制御電極のみを用いた制御が可能となり、制御電極への配線のためのスペースを削減することができる。
【0047】
図4A及び図4Bは、実施例1の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
【0048】
具体的には、図4A及び図4Bは、それぞれ、図1Bの制御電極102A~102Eを置き換える制御電極の例を示す平面図である。図4A及び図4Bに示す制御電極は、リブ103と電気泳動素子104との境界に直交する方向を長手方向とする帯状の制御電極であって、隣接する制御電極の方向に突出する凸部と、隣接する制御電極の凸部に対応して後退する凹部とを有する。
【0049】
図4Aに示す制御電極401A~401Cは、矩形の凸部402及びそれらに対応する矩形の凹部403を有する。例えば制御電極401A及び401Cが第1の制御電極であり、制御電極401Bが第2の制御電極であってもよい。なお、図4A及び図4Bでは、制御電極401のうち、リブ103に覆われた部分の輪郭を破線で示している。
【0050】
一方、図4Bに示す制御電極401D~401Hは、三角形の凸部402及びそれらに対応する三角形の凹部403を有する。例えば制御電極401D、401F及び401Hが第1の制御電極であり、制御電極401E及び401Gが第2の制御電極であってもよい。
【0051】
上記の凸部及び凹部の形状は一例であり、各制御電極401は上記以外の形状の凸部及び凹部を有してもよい。制御電極401をこのような形状にすることによって、電気泳動素子104内の電界強度の分布が均一に近づき、その結果、広視野角モードにおける電気泳動粒子の凝集が確実化される。
【0052】
以上の実施例によれば、同一面内に隣接した電極間に電界を発生させて電気泳動粒子を駆動するため、広視野角モードにおいて電気泳動粒子が覆う部分の面積が小さくなり、光透過率が向上するとともに、省電力化される。
【0053】
また、素子の一方の面に電極をパターニングすることで製造できるため、製造コストを低減できるとともに、大型化が容易である。
【0054】
さらに、電気泳動粒子の濃度差を利用して光吸収領域を形成するため、黒色の発色の不均一が抑制される。
【実施例2】
【0055】
以下、本発明の実施例2を説明する。実施例2のうち実施例1と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0056】
図5A及び図5Bは、実施例2の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0057】
図5A及び図5Bに示す実施例2の光線方向制御素子500の構造は、制御電極の配置を除いて、図1A等に示した実施例1の光線方向制御素子100と同様である。図5Bは、実施例2の光線方向制御素子500の平面図であり、図5A図5BのD-D線断面図である。ただし、説明の便宜上、図5Bでは下部透明基板101及び上部透明基板105の図示は省略されている。
【0058】
実施例2の制御電極501A~501Dは、リブ103と電気泳動素子104との境界に平行な方向(図5Bの上下方向)を長手方向とする帯状に形成される。この例において、制御電極501A及び501Cが第1の制御電極、制御電極501B及び501Dが第2の制御電極である。図5A等の例では、第1の制御電極501Aの少なくとも一部及び第2の制御電極501Bの少なくとも一部が一つの電気泳動素子104の一部と重畳するように形成され、第1の制御電極501Cの少なくとも一部及び第2の制御電極501Dの少なくとも一部がもう一つの電気泳動素子104の一部と重畳するように形成される。
【0059】
なお、実施例1と同様に、制御電極501A~501Dの全体について説明する場合、及び、制御電極501A~501Dのいずれにも共通する説明をする場合には、これらを総称して制御電極501とも記載する。後述するように、実施例1と同様、広視野角モードでは第1の制御電極501A及び501Cと第2の制御電極501B及び501Dとの間に所定の電位差が生じるように各制御電極501の電位が制御される。
【0060】
図5A等に示す狭視野角モードでは、第1の制御電極501A及び501Cと第2の制御電極501B及び501Dとが同電位に設定されるため、実施例1の狭視野角モードの場合と同様に、電気泳動粒子が電気泳動素子104内に分散することによって、電気泳動素子104全体が遮光部となる。
【0061】
図6Aから図6Dは、実施例2の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0062】
具体的には、図5A等に示したものと同じ光線方向制御素子500が広視野角モードに設定された場合の平面図を図6Cに示す。その光線方向制御素子500の制御電極501の長手方向に直交する方向のE-E線断面図を図6Aに示す。第1の制御電極501Cと電気泳動素子104とが重畳する領域における、第1の制御電極501Cの長手方向のF-F線断面図を図6Bに示す。第2の制御電極501Dと電気泳動素子104とが重畳する領域における、第2の制御電極501Dの長手方向のG-G線断面図を図6Dに示す。
【0063】
広視野角モードでは、各制御電極501の電位が、第1の制御電極と第2の制御電極との間に所定の電位差(例えば、20V~25V程度の直流電圧)が生じるように制御される。図6A等の例では、第1の制御電極501A及び501Cにマイナス、第2の制御電極501B及び501Dにプラスの極性の電位が設定される。このとき、電気泳動素子104内に電位の勾配が生じ、電気泳動粒子はそれ自体が帯びている電荷の極性とは逆の極性の制御電極の付近に凝集する。
【0064】
図6A等の例では、電気泳動粒子がマイナスの極性の電荷を帯びているため、プラスの極性の第2の制御電極501B及び501Dの付近に凝集する。その結果、電気泳動素子104のうち、電気泳動粒子が凝集した第2の制御電極501B及び501Dの付近の領域は、遮光性を示す遮光部602となる。一方、電気泳動素子104のうち、第2の制御電極501B及び501Dから離れた領域は、電気泳動粒子の濃度が低下して、光を透過する透明部601となる。
【0065】
その結果、本発明の実施例2によれば、実施例1と同様に、広視野角モードにおいて光透過率が向上するとともに、省電力化される。
【0066】
なお、本実施例の光線方向制御素子500、実施例1の光線方向制御素子100と同様に、表示装置及び照明装置に適用することができる(図2E図2F参照)。
【0067】
図7は、実施例2の光線方向制御素子の制御電極の形状の別の例を示す説明図である。
【0068】
具体的には、図7は、本発明の実施例2の光線方向制御素子500の変形例である光線方向制御素子700の平面図である。光線方向制御素子700は、前述した実施例2の制御電極501A~501Dが制御電極701A及び701Bによって置き換えられている点を除いて、光線方向制御素子500と同様である。なお、図5Bと同様、図7において、下部透明基板101及び上部透明基板105の図示は省略されている。
【0069】
制御電極701Aは、図5Bにおける第1の制御電極501A及び501Cと同様の帯状の透明導電膜を一方の端で連結した形状となるように一体に形成したものである。同様に、制御電極701Bは、図5Bにおける第2の制御電極501B及び501Dと同様の帯状の透明導電膜をもう一方の端で連結した形状となるように一体に形成したものである。図7の例において、制御電極701Aが第1の制御電極(第1の透明導電膜)、制御電極701Bが第2の制御電極(第2の透明導電膜)に相当する。
【0070】
電極をこのような形状に構成することによって、二つの制御電極のみを用いた制御が可能となり、制御電極への配線のためのスペースを削減することができる。
【0071】
なお、実施例2に示した制御電極501を、図4A又は図4Bに示したものと同様の凸部及び凹部を有する制御電極で置き換えてもよい。すなわち、実施例2の制御電極501は、リブ103と電気泳動素子104との境界に平行な方向を長手方向とする帯状の制御電極であって、隣接する制御電極の方向に突出する凸部と、隣接する制御電極の凸部に対応して後退する凹部とを有してもよい。
【実施例3】
【0072】
以下、本発明の実施例3を説明する。実施例3のうち実施例1又は実施例2と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0073】
図8A及び図8Bは、実施例3の狭視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0074】
図8A及び図8Bに示す実施例3の光線方向制御素子800の構造は、補助電極801が新たに設けられていることを除いて、図1A及び図1B等に示した実施例1の光線方向制御素子100と同様である。図8Bは、実施例3の光線方向制御素子800の平面図であり、図8A図8BのH-H線断面図である。ただし、説明の便宜上、図8Bでは下部透明基板101及び上部透明基板105の図示は省略されている。
【0075】
補助電極801は、上部透明基板105の下部透明基板101に対向する面に形成された透明導電膜(第3の透明導電膜)である。図8Bに示すように、補助電極801は、複数の制御電極102の上に形成された複数のリブ103及び複数の電気泳動素子104の上面の全体を覆うように形成される。補助電極801の電位の制御については後述する(図10参照)。
【0076】
図9Aから図9Cは、実施例3の広視野角モードにおける光線方向制御素子の構造を示す説明図である。
【0077】
具体的には、図8A等に示したものと同じ光線方向制御素子800が広視野角モードに設定された場合の平面図を図9Cに示す。その光線方向制御素子800の制御電極102の長手方向のI-I線断面図を図9Aに、制御電極102の長手方向に直交する方向のJ-J線断面図を図9Bに、それぞれ示す。
【0078】
図10は、実施例3の光線方向制御素子における制御電極及び補助電極の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0079】
図10(a)は、第1の(すなわち図8Bに示す奇数番目の)制御電極102A、102C及び102Eの各時刻における電位の例を示す。図10(b)は、第2の(すなわち図8Bに示す偶数番目の)制御電極102B及び102Dの各時刻における電位の例を示す。図10(c)は、補助電極801の各時刻における電位の例を示す。
【0080】
この例において、光線方向制御素子800は、時刻t1において狭視野角モードから広視野角モードに変更され、その後、時刻t3において広視野角モードから狭視野角モードに変更される。以下、図10を参照して各時刻における各電極の電位を説明する。
【0081】
時刻t1までの狭視野角モードにおいては、第1の制御電極102A、102C及び102Eと、第2の制御電極102B及び102Dと、補助電極801とが全て同電位(図10の例ではV0)に設定される。このとき、図8A等に示すように、電気泳動素子104内で電気泳動粒子が分散し、電気泳動素子104全体が遮光部となる。
【0082】
時刻t1において、光線方向制御素子800を狭視野角モードから広視野角モードに変更するために、第1の制御電極102A、102C及び102Eと、第2の制御電極102B及び102Dとの間に所定の電位差(例えば、20V~25V程度の直流電圧)が生じるように各制御電極102の電位が制御される。図10の例では、第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位がV1に、第2の制御電極102B及び102Dの電位がV2に設定される。この例において、V2は、V1に対して相対的に正の極性の電位である。
【0083】
この例において、補助電極801の電位は、時刻t1から所定の期間(すなわち時刻t2まで)、第1の制御電極102A、102C及び102Eと同じV1に設定され、その後、元のV0に戻る。本発明において、第1の制御電極102A、102C及び102Eと第2の制御電極102B及び102Dは電気泳動素子104の同じ側の面(すなわち下部透明基板101側の面)に設けられるため、それらの間に電圧を加えた場合、制御電極102が設けられた面の付近の電界強度に比べて、その反対側の面(すなわち上部透明基板105側の面)の付近の領域に生じる電界強度が小さくなる傾向がある。しかし、上記のように制御電極102が設けられた面の反対側の面に補助電極801を設けて、補助電極801と電気泳動粒子を凝集する側の制御電極102との間に所定の電位差を生じさせることによって、制御電極102から遠い領域の電界強度が増す。その結果、迅速に電気泳動粒子が第2の制御電極102B及び102Dの付近に凝集して遮光部を形成し、その他の領域が透明部となることによって、光線方向制御素子800が狭視野角モードから広視野角モードに速やかに移行する。
【0084】
時刻t3において、光線方向制御素子800を広視野角モードから狭視野角モードに変更するために、第1の制御電極102A、102C及び102Eと、第2の制御電極102B及び102Dとが同電位(図10の例ではV0)になるように各制御電極102の電位が制御される。
【0085】
この例において、補助電極801の電位は、時刻t3から所定の期間(すなわち時刻t4まで)、広視野角モードにおける第2の制御電極102B及び102Dと同じV2に設定され、その後、元のV0に戻る。これによって、時刻t3から時刻t4までの期間に限り、第2の制御電極102B及び102Dの付近に凝集していた電気泳動粒子に、補助電極801に引き寄せる(すなわち第2の制御電極102B及び102Dから遠ざける)力が加わる。このため、時刻t3から時刻t4までの期間の長さを適切に設定することによって、電気泳動粒子が電気泳動素子104内に迅速に分散し、光線方向制御素子800が広視野角モードから狭視野角モードに速やかに移行する。
【0086】
なお、図10(c)に示した補助電極801の電圧及びその切り替えのタイミングは典型的な一例であり、種々の変形例があり得る。例えば、補助電極801の電位をV0からV1に切り替える時刻は、制御電極102の電位が狭視野角モードから広視野角モードに切り替わる時刻t1と同一でなくてもよく、また、そのときの補助電極801の電位はV1と同一でなくてもよい。詳細には、少なくとも、時刻t1より後の所定の期間に、補助電極801の電位が、第2の制御電極102B及び102Dの電位より第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位に近くなるように制御されていればよく、その期間の始点は時刻t1より遅くてもよい。このような制御によって、狭視野角モードから広視野角モードへの切り替え時の電気泳動粒子の凝集が迅速化される。
【0087】
また、例えば、第1の制御電極102A、102C及び102Eと第2の制御電極102B及び102Dとの電位差のみによって十分に迅速に電気泳動粒子が凝集する場合には、時刻t1から時刻t2の間の補助電極801の電位をV0のまま維持してもよい。
【0088】
同様に、補助電極801の電位をV0からV2に切り替える時刻は、制御電極102の電位が広視野角モードから狭視野角モードに切り替わる時刻t3と同一でなくてもよく、また、そのときの補助電極801の電位はV2と同一でなくてもよい。詳細には、少なくとも、時刻t3より後の所定の期間に、補助電極801と制御電極102との間に所定の電位差が生じ、かつ、補助電極801の電位の極性が、電気泳動粒子の電荷の極性と逆になるように、補助電極801と各制御電極102の電位が制御されていればよく、補助電極801にその電位が設定される期間の始点は時刻t3より遅くてもよい。このような制御によって、広視野角モードから狭視野角モードへの切り替え時の電気泳動粒子の分散が迅速化される。
【0089】
なお、図8B等に示した光線方向制御素子800は、図1B等に示したものと同様の制御電極102A~102Eを有しているが、それらに代えて、図3に示した制御電極301A~301B、図4A及び図4Bに示した制御電極401A~401H、図5A及び図5Bに示した制御電極501A~501D又は図7に示した制御電極701A~701Bを有してもよい。
【0090】
なお、実施例1の第1の制御電極102A、102C及び102E、並びに、実施例2の第1の制御電極501A及び501Cも、上記の図10(a)に示すように駆動される。同様に、実施例1の第2の制御電極102B及び102D、並びに、実施例2の第2の制御電極501B及び501Dも、上記の図10(b)に示すように駆動される。
【0091】
図11は、実施例3の光線方向制御素子を有する表示装置の構成を示すブロック図である。
【0092】
図11に示す表示装置1100は、光線方向制御素子800及び表示素子1108からなる表示部1107と、ホスト1101に接続され、光線方向制御素子800に印加される電位を制御する制御部1102と、を有する。
【0093】
ホスト1101及び表示素子1108は、それぞれ図2Dに示すホスト211及び表示素子217と同様のものであってよいため、説明を省略する。また、表示部1107における光線方向制御素子800及び表示素子1108の構成や配置も図2Eに示す表示部216における光線方向制御素子100及び表示素子217の構成や配置と同様であってよいため、説明を省略する。
【0094】
光線方向制御素子800の制御電極102及び補助電極801に印加される電位は、制御部1102によって制御される。制御部1102は、タイミング制御部1103、制御電極駆動部1104、制御電極駆動部1105及び補助電極駆動部1106を有する。タイミング制御部1103は、制御電極102及び補助電極801の電位を変更するタイミングを制御する制御信号を生成して制御電極駆動部1104、制御電極駆動部1105及び補助電極駆動部1106に入力する。制御電極駆動部1104、制御電極駆動部1105及び補助電極駆動部1106は、タイミング制御部1103からの制御信号に従って、所望のタイミングで第1の制御電極102A、102C、102E、第2の制御電極102B、102D及び補助電極801に印加する電位を生成する。
【0095】
ここで、図10に示す例で制御電極102及び補助電極801の電位を制御する方法を説明する。
【0096】
この場合、タイミング制御部1103は、時刻t1に第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位をV0からV1に変更するための制御信号を制御電極駆動部1104に入力し、第2の制御電極102B及び102Dの電位をV0からV2に変更するための制御信号を制御電極駆動部1105に入力する。このとき、制御電極駆動部1104は、タイミング制御部1103からの制御信号に従って、時刻t1以降に、第1の制御電極102A、102C及び102Eに電位V1を印加する。また、制御電極駆動部1105は、タイミング制御部1103からの制御信号に従って、時刻t1以降に、第2の制御電極102B及び102Dに電位V2を印加する。
【0097】
さらに、タイミング制御部1103は、時刻t3に第1の制御電極102A、102C及び102Eの電位をV1からV0に変更するための制御信号を制御電極駆動部1104に入力し、第2の制御電極102B及び102Dの電位をV2からV0に変更するための制御信号を制御電極駆動部1105に入力する。制御電極駆動部1104は、タイミング制御部1103からの制御信号に従って、時刻t3以降に、第1の制御電極102A、102C及び102Eに電位V0を印加する。また、制御電極駆動部1105は、タイミング制御部1103からの制御信号に従って、時刻t3以降に、第2の制御電極102B及び102Dに電位V0を印加する。
【0098】
同様に、タイミング制御部1103は、補助電極801の電位を時刻t1にV1に変更し、時刻t2にV0に変更し、時刻t3にV2に変更し、時刻t4にV0に変更するための制御信号を補助電極駆動部1106に入力する。補助電極駆動部1106は、制御信号に従って、補助電極801に時刻t1以降に電位V1を印加し、時刻t2以降に電位V0を印加し、時刻t3以降に電位V2を印加し、時刻t4以降に電位V0を印加する。
【0099】
タイミング制御部1103は、ホスト1101からの視野角モード切り替え信号に応じて上記の制御信号を生成してもよい。例えば、ホスト1101のユーザが狭視野角モードから広視野角モードに変更する指示をホスト1101に入力すると、ホスト1101がその指示をタイミング制御部1103に送信し、その指示を受信したタイミング制御部1103が上記の時刻t1及びt2の制御信号を生成してもよい。同様に、ホスト1101のユーザが広視野角モードから狭視野角モードに変更する指示をホスト1101に入力すると、ホスト1101がその指示をタイミング制御部1103に送信し、その指示を受信したタイミング制御部1103が上記の時刻t3及びt4の制御信号を生成してもよい。
【0100】
上記のような制御部1102による制御の結果、光線方向制御素子800を表示装置に適用した場合に適切なタイミングで広視野角モードと狭視野角モードとの切り替えを行うことができる。さらに、タイミング制御部1103が、時刻t1からt2までの時間を、電気泳動粒子が凝集するのに十分な時間に設定し、時刻t3からt4までの時間を、電気泳動粒子が適度に拡散するまでの時間に設定することによって、広視野角モードと狭視野角モードとの切り替えを速やかに行うことができる。
【0101】
上記の図11には、本実施例の光線方向制御素子800を表示装置に適用する例を示したが、光線方向制御素子800は照明装置に適用することもできる。具体的には、図2Fと同様に、表示素子1108が例えば冷陰極管又はLED等の光源によって置き換えられる。ホスト1101は省略されてもよく、その場合、制御部1102に例えば図示しないボタン等の入力装置を介して狭視野角モードから広視野角モードへの変更、又はその逆の変更の指示が入力される。タイミング制御部1103は、入力された指示に従って、上記と同様の制御信号を生成して制御電極駆動部1104、制御電極駆動部1105及び補助電極駆動部1106に入力する。これによって、光源から光線方向制御素子800を通過して出射される光の出射方向の範囲が制御される。この場合も、上記と同様に、光の出射方向の範囲の切り替えを速やかに行うことができる。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0103】
100、300、500、700、800 光線方向制御素子
101 下部透明基板
102A~102E、301A、301B、401A~401H、501A~501D、701A、701B 制御電極
103 リブ
104 電気泳動素子
105 上部透明基板
201、601 透明部
202、602 遮光部
210 表示装置
211、1101 ホスト
212、1102 制御部
213、1103 タイミング制御部
214、1104 制御電極駆動部(第1の制御電極)
215、1105 制御電極駆動部(第2の制御電極)
1106 補助電極駆動部
216、1107 表示部
217、1108 表示素子
220 照明装置
221 光源
402 凸部
403 凹部
801 補助電極
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11