IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイペイ・メディカル・ユニバーシティの特許一覧 ▶ ナショナル タイワン ユニバーシティの特許一覧

特許7083133ヒストン脱アセチル化酵素6阻害剤およびその使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】ヒストン脱アセチル化酵素6阻害剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/12 20060101AFI20220603BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220603BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220603BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20220603BHJP
   A61K 31/4706 20060101ALI20220603BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20220603BHJP
   A61K 31/472 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 215/42 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 215/40 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 217/22 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 215/38 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 215/26 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 241/42 20060101ALI20220603BHJP
   C07D 217/02 20060101ALI20220603BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
C07D215/12
A61P35/00
A61P25/28
A61K31/47
A61K31/4706
A61K31/498
A61K31/472
C07D215/42 CSP
C07D215/40
C07D217/22
C07D215/38
C07D215/26
C07D241/42
C07D217/02
A61P43/00 111
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018560157
(86)(22)【出願日】2017-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 US2017032784
(87)【国際公開番号】W WO2017200966
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-11
(31)【優先権主張番号】62/336,863
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511180112
【氏名又は名称】タイペイ・メディカル・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】TAIPEI MEDICAL UNIVERSITY
(73)【特許権者】
【識別番号】503209342
【氏名又は名称】ナショナル タイワン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テン チェミン
(72)【発明者】
【氏名】リョウ ジンピン
(72)【発明者】
【氏名】パン シオウリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チアロン
【審査官】布川 莉奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-508318(JP,A)
【文献】国際公開第2005/028447(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/137887(WO,A1)
【文献】特表2006-518341(JP,A)
【文献】国際公開第2014/181137(WO,A1)
【文献】特開2007-001885(JP,A)
【文献】特表2006-518730(JP,A)
【文献】国際公開第2012/106343(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101255124(CN,A)
【文献】Chinese Journal of Chemistry,2009年,27,557-564
【文献】ChemMedChem,2011年,6,698-712
【文献】Bioorg. Med. Chem.,2015年,Vol. 23,5881-5890
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に示された式(I)の化合物、または、薬学的に許容されるその塩であって、
【化1】
式中、R1、R2、R3、および、R4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリール;または、R3およびR4は、CR34におけるCとともにC=O、C=S、もしくは、C=NHを形成し、R、R’、および、R”のそれぞれは独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリールであり;
Wは、キノリン、イソキノリン、または、キノキサリンであり;
Xは、CR56、O、S、または、NR7であり、R5、R6、および、R7は、それぞれ独立して、H、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、または、ヘテロアリールであり;
Yは、アリーレンであり;
Zは、結合、メチレン、または、-CH=CH-であり、
は0であり、
nは、1であり、
1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリーレン、キノリン、イソキノリン、または、キノキサリンのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、C1-5アルキル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、または、ヘテロアリールと置換されないか置換される、
化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Xは、CH2、O、S、または、NHである、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
Yはフェニレンであり、Zは結合である、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
Xは、CH2、または、NHである、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
Yはフェニレンであり、Zは結合である、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
Wは、
【化2】
である、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
Xは、NHである、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
Yはフェニレンであり、Zは結合である、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
Yは、パラフェニレン、または、メタフェニレンである、請求項に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
下記の化学式で示される化合物4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、50、52、54、56、61、63、66、68、71、もしくは、73、または、化合物28-メシレートである請求項1に記載の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
【化3】
【化4】
【請求項11】
医薬的に許容される担体、および、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
【請求項12】
前記化合物または薬学的に許容されるその塩は、下記の化学式で示される化合物12、化合物28、または、化合物28-メシレートである、請求項11に記載の医薬組成物。
【化5】
【請求項13】
ヒストン脱アセチル化酵素6関連症状を治療する薬剤であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を有効量
前記ヒストン脱アセチル化酵素6関連症状は、ガン、または、神経変性疾患である、薬剤
【請求項14】
前記化合物または薬学的に許容されるその塩は、下記の化学式で示される化合物12、化合物28、または、化合物28-メシレートである、請求項13に記載の薬剤
【化6】
【請求項15】
前記薬剤は、経口投与される、請求項13に記載の薬剤
【請求項16】
前記化合物または薬学的に許容されるその塩は、下記の化学式で示される化合物12、化合物28、または、化合物28-メシレートである、請求項15に記載の薬剤
【化7】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDAC6関連症状を治療するための新種のヒドロキサム酸化合物に関する。これらの化合物は、予期せぬ優れた効果、選択性、および、望ましい安全性を有する。
【背景技術】
【0002】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は、酵素の一種であり、例えば、ヒストンや微小管などのタンパク質からアセチル基を除去したものである。HDACは、遺伝子発現、細胞運動性、および、細胞機能の調節において重要な役割を果たす。ガンなどのさまざまな病気を治療するために多くのHDAC阻害剤が開発されている。
【0003】
現在開発中のHDAC阻害剤のほとんどは、汎HDAC阻害剤であり、異なるHDACアイソフォームに対して非選択的である。非選択的な汎HDAC阻害剤を使用することにより、副作用が生じる。また、汎HDAC阻害剤には、用量制限毒性も関わる問題もある。
【0004】
ヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)は、細胞質内の微小管に結合する脱アセチル化酵素であり、多くのガン細胞型で、その基質の1つ、すなわち熱ショックタンパク質90が過剰発現するということで、大いに注目を集めている。選択的HDAC6阻害剤は、汎HDAC阻害剤の使用に付随する神経毒性を低下させることが報告されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Rivieccio et al., Proc Natl Acad Sci USA, 2009, 106, 19599-19604
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、効果に優れ、所望の安全性を有する選択的HDAC6阻害剤の開発が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、化合物は、以下の式(I)によって示される。
【化1】
式中、R、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリール;または、RおよびRは、CRにおけるCとともにC=O、C=S、もしくは、C=NHを形成し、R、R’、および、R”のそれぞれは独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリールであり;Wは、二環式アリール、または、二環式ヘテロアリールであり;Xは、CR、O、S、または、NRであり、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、H、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、または、ヘテロアリールであり;Yは、アリーレン、または、ヘテロアリーレンであり;Zは、結合、メチレン、または、エチレンであり、mおよびnは、それぞれ0または1である。
【0008】
1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリーレン、および、ヘテロアリーレンのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、C1-5アルキル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、または、ヘテロアリールと置換されないか置換される。
【0009】
上記化合物のサブセットは、上記式(I)のうち、Wが二環式ヘテロアリール、Yがアリーレン、mが0、nが1であるものを含む。二環式ヘテロアリールの例としては、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ベンゾピリミジン、インドール、ベンゾキサゾール、および、ベンゾチアゾールが挙げられる。好ましくは、Wは、キノリン、イソキノリン、または、キノキサリンであり、より好ましくは、キノロンであり、
さらに好ましくは、
【化2】
または
【化3】
である。
【0010】
アリーレンの例としては、パラフェニレン、および、メタフェニレンなどのフェニレンが挙げられる。
【0011】
さらに、式(I)では、化合物の他のサブセットは、XがCH、O、S、または、NHであるものを含む。
【0012】
式(I)のさらなる他のサブセットは、Yがパラフェニレンまたはメタフェニレンであり、Zが結合であるものを含む。
【0013】
さらに、上記化合物において、RおよびRは、CRにおけるCとともにC=Oを形成し得る。
【0014】
本願明細書における「アルキル」という用語は、1~20(例えば、1~8または1~5)の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、および、t-ブチルが挙げられる。「アルケニル」という用語は、2~20(例えば、2~8、または、2~5)の炭素原子、および、1つ以上の二重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。例として、エテニル、および、プロペニルが挙げられる。「アルキニル」という用語は、2~20(例えば、2~8、または、2~5)の炭素原子、および、1つ以上の三重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。例として、エチニル、および、プロピニルが挙げられる。
【0015】
「アルコキシ」という用語は、-O-アルキル基を指す。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、および、イソプロポキシが挙げられる。
【0016】
「シクロアルキル」という用語は、3~12の炭素を有する飽和および部分的に不飽和の単環式、二環式、三環式、または、四環式炭化水素基を指す。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、および、シクロオクチルが挙げられる。
【0017】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1つ以上のヘテロ原子(例えば、O、N、P、および、S)を有する非芳香族の5~8員単環式、8~12員二環式、または、11~14員三環式環系を指す。例としては、ピペラジニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ジヒドロチアジアゾリル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロプラニル、および、テトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0018】
「アリール」という用語は、6炭素単環式、10炭素二環式、14炭素三環式の芳香族環系を指し、各環は、1~5の置換基を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフテニル、および、アントラセニルが挙げられる。「二環式アリール」という用語は、10炭素二環式の芳香族環系を指す。二環式アリールの例としては、ナフテニルが挙げられる。
【0019】
「ヘテロアリール」という用語は、1つ以上のヘテロ原子(例えば、O、N、P、および、S)を有する芳香族の5~8員単環式、8~12員二環式、または、11~14員三環式環系を指す。例として、トリアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル、および、ベンゾチアゾリルが挙げられる。「二環式ヘテロアリール」という用語は、1つ以上のヘテロ原子を有する8~12員二環式環系を指す。例として、ベンズイミダゾリル、および、キノリニルが挙げられる。
【0020】
「アリーレン」という用語は、アリール環から2つの水素原子を除去することにより生成されるビラジカルを指す。例として、フェニレン、ナフチレン、および、アントラセニレンが挙げられる。
【0021】
「ヘテロアリーレン」という用語は、ヘテロアリール環から2つの水素原子を除去することにより生成されるビラジカルを指す。例としては、オキサゾリレン、ピラゾリレン、および、キノリニレンが挙げられる。
【0022】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、または、ヨードラジカルを指す。「アミノ」という用語は、非置換、または、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または、ヘテロアリールで一置換/二置換されるアミン由来のラジカルを指す。
【0023】
本願明細書に記載されているアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリーレン、および、ヘテロアリーレンは、置換部分および非置換部分のどちらも含む。置換基の例としては、これらに限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、チオウレイド、チオシアナト、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、および、ヘテロシクロアルキルが挙げられ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、および、ヘテロシクロアルキルは、さらに置換されてよい。
【0024】
本願明細書に記載されている「化合物」という用語は、上記式(I)の化合物を指し、該当する場合は、それらの塩および溶媒和物も含む。塩は、化合物におけるアニオンと正電荷の基(例えば、アミノ)との間に形成される。適切なアニオンの例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、トシラート、酒石酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グロクロン酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、および、マレイン酸塩が挙げられる。塩は、カチオンと負電荷の基との間に形成されてもよい。適切なカチオンの例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および、テトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンが挙げられる。塩は、さらに、四級窒素原子を含むカチオンを含む。溶媒和物とは、活性化合物と、医薬的に許容される溶媒との間に形成される複合体を意味する。医薬的に許容される溶媒の例としては、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸、および、エタノールアミンが挙げられる。
【0025】
本発明は、また、HDAC6関連症状を治療するための医薬組成物にも関する。HDAC6関連症状は、ガン、および、神経変性疾患を含む。
【0026】
医薬組成物は、医薬的に許容される担体、および、上記式(I)の化合物の1つを含む。
【0027】
本発明は、さらに、HDAC6関連症状を治療する薬物を製造するための組成物の使用にも関する。
【0028】
経口投与用の組成物は、カプセル、錠剤、乳濁液、水性懸濁液、分散状態、および水溶液を含むいかなる経口投与可能な形態であってよい。錠剤の場合は、一般的に用いられる担体は、ラクトースおよびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの平滑剤も一般的に添加される。カプセルタイプの経口投与のために有用な希釈剤は、ラクトース、および、乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液または乳剤が経口投与された場合、活性成分は、乳化剤または懸濁剤と結合した油性相中に懸濁または溶解され得る。必要に応じて、特定の甘味料、香料、または、着色剤を添加してもよい。経口投与のための固形剤型は、噴霧乾燥技術、熱溶融押出法、微粉化、および、ナノミリング技術によって調製され得る。
【0029】
鼻エアロゾルまたは吸入組成物は、製剤処方の技術分野においてよく知られた技術によって調製され得る。例えば、このような組成物は、ベンジルアルコール、または、他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または、他の可溶可能剤または分散剤を用いて、塩類溶液として調製され得る。また、直腸投与では、活性化合物を有する組成物が座薬の形態で投与されてよい。
【0030】
医薬品組成物における担体は、組成物の活性成分と相溶性があるという意味で「許容できる」ものでなくてはならず(好ましくは、活性成分を安定させることができる)、治療される被検者に有害なものであってはならない。活性化合物を送達するための医薬賦形剤として、1つ以上の可溶化剤が用いられてよい。他の担体の例としては、コロイド酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、および、D&C黄色10号が挙げられる。
【0031】
本発明は、さらに、ガンなどのHDAC6関連症状を治療する方法に関する。
【0032】
方法は、必要とする被検者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
【0033】
上記化合物、または、上記化合物を含む医薬品組成物は、経口で、非経口で、吸入噴霧によって、局所的に、直腸から、鼻から、頬から、または、埋め込み式リザーバによって被検者に投与され得る。本願明細書中で用いられる「非経口」という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内、および、頭蓋内注射、または、点滴技術を含む。
【0034】
「治療」という用語は、疾病、症状、または、素因を治療、軽減、緩和、改善するか、または、それに作用するという目的で、被検者に化合物を適用または投与することを意味する。「有効量」とは、被検者に所望の効果をもたらすのに必要な化合物の量を意味する。当業者であれば、有効量は、投与ルート、賦形剤の使用、および、他の活性薬剤の使用など、他の治療法との併用の可能性によって変化することが理解できよう。
【0035】
本発明の1つ以上の実施形態は、以下に詳細に記載される。本発明の特徴、目的、および、利点は、以下の発明を実施するための形態、および、添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、以下の式(I)の化合物を提供する。
【化4】
式中、R、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリール;または、RおよびRは、CRにおけるCとともにC=O、C=S、もしくは、C=NHを形成し、R、R’、および、R”のそれぞれは独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリールであり;Wは、二環式アリール、または、二環式ヘテロアリールであり;Xは、CR、O、S、または、NRであり、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、H、-COR、-COOR、-CONR’R”、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、または、ヘテロアリールであり;Yは、アリーレン、または、ヘテロアリーレンであり;Zは、結合、メチレン、または、エチレンであり、mおよびnは、それぞれ0または1である。C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C2-5アルコキシ、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリーレン、および、ヘテロアリーレンのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、C1-5アルキル、C2-5アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくは、ヘテロアリール、または、薬学的に許容されるその塩と置換される。
【0037】
一実施形態では、化合物は、以下のようなWを有する。
【化5】
【0038】
他の実施形態では、化合物は、以下のようなWを有する。
【化6】
【0039】
式(I)の化合物の一例は、HとしてのRおよびR、または、CRにおける
CとともにC=Oを形成するRおよびRを有する。
【0040】
さらに、本発明は、HDAC6関連症状を治療するための医薬組成物に関する。組成物は、医薬的に許容される担体、および、上記式(I)の化合物の1つを含む。HDAC6関連症状は、ガン、および、神経変性疾患を含む。ガンの例としては、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病、結腸直腸ガン、および、乳ガンが挙げられる。神経変性疾患の例としては、アルツハイマー病が挙げられる。
【0041】
本発明は、さらに、HDAC6関連症状を治療する方法に関する。方法は、式(I)の化合物を必要とする被検者に有効量で投与することを含む。
【0042】
式(I)の化合物を合成する方法は、当技術分野では周知である。例えば、R. Larock「包括的有機変換」(第2版、VCH出版、1999年)、P. G. M. WutおよびT. W. Greene「グリーンの有機合成における保護基」(第4版、John Wiley and Sons、2007年)、L. FieserおよびM. Fieser「Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis」(John Wiley and Sons、1994年)、L. Paquette, ed「有機合成用試薬百科事典」(第2版、John Wiley and Sons、2009年)、および、G.J.Yu等、ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー、2008年、51,6044-6054を参照されたい。
【0043】
このように調製された式(I)の化合物の、組み換えHDACタンパク質による基質のリシン残基の脱アセチル化を阻害する効果は、以下の実施例1に記載されたHDAC蛍光アッセイなどのインビトロアッセイを用いて最初にスクリーニングされ得る。その後、化合物は、腫瘍抑制アッセイなどのインビボアッセイを用いて、ヒト多発性骨髄腫異種移植モデルにおける腫瘍成長を抑制する効果について評価され得る。選択された化合物は、HDAC6関連症状の治療におけるそれらの効果を立証するためにさらにテストされ得る。例えば、化合物は、HDAC6関連症状を呈する動物(ラットなど)に投与されることができ、その治療効果が評価される。評価結果に基づき、適切な用量域、および、投与ルートが決定され得る。
【0044】
当業者は、さらなる詳細がなくとも、上記記載に基づき、本発明を最大限活用できるだろう。したがって、以下の特定の実施例は、単なる例に過ぎず、開示の他の部分を限定する意味合いはない。本願明細書中に挙げられたすべての出版物は、参照することにより組み込まれる。
【0045】
以下の3つの手順、すなわち、A、B、および、Cは、34個の例示化合物4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、47、50、52、54、56、59、61、63、66、68、71、73、および、75を合成するために用いられることができ、それらの構造を以下に示す。
【0046】
メチル4-((キノリニルアミノ)メチル)ベンゾエート、または、(E)-メチル3-(4-((キノリニルアミノ)メチル)フェニル)アクリレートを合成する手順A
【0047】
方法A
酢酸(1M)にアミノキノリン(1当量)、および、メチル4-ホルミルベンゾエート、または、(E)-メチル3-(4-ホルミルフェニル)アクリレート(1.05当量)を溶解したものを、室温にて30分撹拌した。酢酸(1M)にトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2当量)を溶解したものを前の溶液に滴下した。結果として生じた溶液を室温にて1時間撹拌した。その溶液に氷水を注ぎ、溶液のpH値を水酸化ナトリウム溶液で10に調整した。このようにして生成された混合物を酢酸エチルで抽出し、最上層である有機層を収集した。有機層の濃縮残渣を酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するクロマトグラフィーで精製し、固体を得た。
【0048】
方法B
メタノールに混合したメチル4-(アミノメチル)ベンゾエート塩酸塩(1.5当量)に水酸化ナトリウム(1.5当量)粉末を0℃にて添加した。結果として生じた混合物を0℃にて一時間撹拌し、その後ろ過した。ろ液を真空で濃縮することにより、溶媒を除去した。このようにして得た遊離アミンを酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。その後、最上層の有機層を収集し、トルエン(0.5M)に溶解してアミン溶液を生成した。このようにして生成されたアミン溶液を、ブロモキノリン(1当量)、Pd(OAc)(0.06当量)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(0.12当量)、および、KPO(3当量)の撹拌混合物に、室温にてアルゴン保護下で添加した。結果として得た混合物を12時間100℃まで加熱し、室温まで冷却した後、ろ過し、酢酸エチルで洗浄した。最上層の有機層を収集し、濃縮し、酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物を得た。
【0049】
メチル4-(キノリニルカルバモイル)ベンゾエート、または、(E)-メチル3-(4-((キノリニルアミノ)メチル)フェニル)アクリレートを合成する手順B
【0050】
方法A
ジクロロメタン(DCM、0.5M)にアミノキノリン(1.3当量)およびトリエチルアミン(2当量)を溶解したものに、メチル4-(クロロカルボニル)ベンゾエート(1当量)を0℃にて分割して添加した。このようにして生成した溶液を室温にて12時間撹拌した。結果として生じた溶液を酢酸エチルで希釈し、2N塩酸で洗浄した。最上層の有機層を収集し、真空で濃縮することにより、所望の生産物を得た。
【0051】
方法B
ジクロロメタン(DCM:0.1M)に、アミノキノリン(1当量)、4-ジメチルアミノピリジン、および、モノメチルテレフタレート、または、(E)-メチル3-(4-ホルミルフェニル)アクリレート(1.2当量)を溶解したものを室温にて12時間撹拌した。溶液に水を加え、未精製反応混合物をDCMで抽出した。収集した有機層を濃縮し、酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するクロマトグラフィーで精製することにより、所望の生成物を得た。
【0052】
ベンズアミドまたはアクリルアミドを合成する手順C
【0053】
メタノール中で0℃にて撹拌したヒドロキシルアミン塩酸塩(10当量)の混合物に水酸化ナトリウム(10当量)を添加し、結果として生じた混合物を30分間撹拌することにより、懸濁液を得た。その後、この懸濁液をろ過してろ液を得た。このろ液を、メタノール(0.1M)中で手順Bによって得たモノエステル(1当量)に添加し、溶液を生成した。この溶液に、追加の水酸化ナトリウム(1~4当量)を0℃にて加え、結果として生じた溶液を室温にて1~24時間維持した。その後、このようにして得た溶液に氷水を加え、pHを7に調整して沈殿物を得た。最後に、沈殿物をろ過し、沸騰しているメタノールで洗浄することにより、ベンズアミド、または、アクリルアミドを得た。
【0054】
以下に、例示化合物を調製する工程を含む6つの合成スキームを示す。
【0055】
スキーム1:中間化合物1を介して出発材料1,4-フェニルビスアルデヒドから化合物2を調製する合成順序
【化7】
試薬および条件:(a)メチル2-(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸塩、THF、室温;(b)NaClO、スルファミン酸、HOアセトン、0℃
【0056】
スキーム2:出発材料アミノキノリン2a~2dから化合物3~6、11~14、19~22、および、27~30を調製する合成順序
【化8】
試薬および条件:(a)テレフタルアルデヒド酸メチル(メチルテレフタルアルデヒデート)、NaBH(OAc)、HOAc、室温;(b)(E)-メチル3-(4-ホルミルフェニル)アクリレート、NaBH(OAc)、HOAc、室温;(c)2N水酸化ナトリウム、メタノール、室温;(d)(i)NHOTHP、EDC-HCl、DMAP、DCM、室温;(ii)1N塩酸、メタノール、室温;(e)NHOH、水酸化ナトリウム、メタノール、室温
【0057】
スキーム3:出発材料クロロまたはブロモキノリン3a~3cから化合物39~44を調製する合成順序
【化9】
試薬および条件:(a)メチル4-(アミノメチル)ベンゾエート、Pd(OAc)、BINAP、KCO、トルエン、100℃;(b)メチル4-(アミノメチル)ベンゾエート、Pd(OAc)、DPEphos、KPO、トルエン、100℃;(c)2N水酸化ナトリウム、メタノール、室温;(d)(i)NHOTHP、EDC-HCl、DMAP、DCM、室温、(ii)1N塩酸、メタノール、室温;(e)NHOH、水酸化ナトリウム、メタノール、室温
【0058】
スキーム4:出発材料アミノキノリン2a~2dから化合物7~10、15~18、23~26、および、31~34を調製する合成順序
【化10】
試薬および条件:(a)メチル4-(クロロホルミル)ベンゾエート、TEA、DCM、0℃から室温まで;(b)モノメチルテレフタレート、HBTU、TEA、DMF、室温から80℃まで;(c)モノメチルテレフタレート、HBTU、DIEA、DCM、室温から還流温度まで;(d)モノメチルテレフタレート、EDC-HCl、DMAP(0.1当量)、DCM、室温から還流温度まで;(e)モノメチルテレフタレート、EDC-HCl、DMAP(1当量)、DCM、室温;(f)(E)-4-(3-メトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)安息香酸、EDH-HCl、DMAP(1当量)、DCM、室温、(g)2N水酸化ナトリウム、メタノール、室温;(h)(1)NHOTHP、EDC-HCl、DMAP、DCM、室温;(2)1N塩酸、メタノール、室温;(i)NHOH、水酸化ナトリウム、メタノール、室温
【0059】
スキーム5:出発材料クロロまたはブロモキノリン5a~5dおよび64から化合物53~56および60~63を調製する合成順序
【化11】
試薬および条件:(a)メチル4-(アミノメチル)ベンゾエート、Pd(OAc)、DPEphos、KPO、トルエン、100℃;(b)2N水酸化ナトリウム、メタノール、室温
【0060】
スキーム6:出発材料6a~6fから化合物46、47、50~52、57、59、67~75を調製する合成順序
【化12】
試薬および条件:(a)(1)t-ブチルカルバメート、TFA、EtSiH、ACN、還流温度;(2)TFA、還流温度;(b)メチルテレフタルアルデヒデート、または、メチル3-ホルミルベンゾエート、または、メチル4-(アミノメチル)ベンゾエート、NaBH(OAc)、AcOH、還流温度;(c)3-(メトキシカルボニル)安息香酸、または、EDC-HCl、DMAP、DCM、還流温度;(d)エチル4-(ブロモメチル)ベンゾエート、KCO、アセトン、還流温度;(e)トリフェニル-(4-メトキシカルボニルベンジル)塩化ホスホニウム、t-BuOK、DCM、0℃~還流温度;(f)メチル4-(アミノメチル)ベンゾエート、Pd(OAc)、DPEphos、KPO、トルエン、100℃;(g)Pd/C、H、メタノール、還流温度;(h)1N水酸化ナトリウム、メタノール、還流温度;(i)NHOH、水酸化ナトリウム、メタノール、還流温度;(j)(1)NH-OTHP、EDC-HCl、DMAP、DCM、還流温度;(2)1N塩酸、メタノール、還流温度
【0061】
例示化合物を調製する方法だけでなく、このようにして調製された化合物の解析データも以下の実施例1~35に記載される。
【0062】
これらの化合物をテストする手順は、以下の実施例36から43に記載される。実施例36では、例示化合物は、HDAC1、3、4、5、6、7、8、9、および、Sirt1に対してテストされる。注目すべき18個のヒトHDACが存在する。それらのうち11個は、HDAC1~11と指定され、亜鉛依存性であり、他の7個はSirt1~7と指定され、NAD+依存性である。
【0063】
実施例1
(E)-メチル3-(4-ホルミルフェニル)アクリレート
【化13】
【0064】
テトラヒドロフラン(THF)にテレフタルアルデヒド(5g、36.54mmol)を溶融させたものにメチル(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸塩(13.09g、38.37mmol)を室温にて添加した。溶液を室温にて4時間撹拌した。結果として生じた溶液を水で3回洗浄し、有機層を収集した。残留物を、酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するクロマトグラフィーで精製することにより、固体(6.17g、89%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.74 (s, 3H, OCH3), 6.81 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.73 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.90-7.97 (m, 4H, ArH), 10.02 (brs, 1H, CHO)。
【0065】
(E)-4-(3-メトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)安息香酸
【化14】
【0066】
アセトン(160mL)に(E)-メチル3-(4-ホルミルフェニル)アクリレート(6g、31.55mmol)を溶解させたものに、水(80mL)にスルファミン酸(4.64g、2.88mmol)を溶解させたもの添加した。結果として生じた溶液を0℃まで冷却した後、亜鉛素酸ナトリウム(0.26g、2.31mmol)をゆっくり添加した。30分後、溶液を濃縮して固体を得た。粗固体を水で洗浄して生成物(6.1g、93%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.73 (s, 3H, OCH3), 6.75 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.71 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.83 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.93-7.96 (m, 2H, ArH), 13.10 (brs, 1H, COOH)。
【0067】
メチル4-((キノリン-3-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化15】
【0068】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる3-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.2g、89%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.48 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.94 (d, 1H, J = 2.7 Hz, ArH), 6.98-7.03 (m, 1H, NH), 7.27-7.38 (m, 2H, ArH), 7.53-7.57 (m, 3H, ArH), 7.74-7.78 (m, 1H, ArH), 7.90-7.95 (m, 2H, ArH), 8.55(d, 1H, J = 2.7 Hz, ArH)。
【0069】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-3-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化16】
【0070】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、2.05mmol)から得た(0.56g、93%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.43 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.93-6.98 (m, 2H, ArH), 7.27-7.38 (m, 2H, ArH), 7.67 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.54-7.58 (m, 1H, ArH), 7.69-7.78 (m, 3H, ArH), 8.54 (d, 1H, J = 2.7 Hz, ArH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1209;実測値293.1164。
【0071】
実施例2
(E)-メチル3-(4-((キノリン-3-イルアミド)メチル)フェニル)アクリレート
【化17】
【0072】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる3-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.2g、89%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.70 (s, 3H, OCH3), 4.42 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.59 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 6.93-6.97 (m, 2H, ArH, NH), 7.27-7.38 (m, 2H, ArH), 7.45 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.54-7.58 (m, 1H, ArH), 7.60-7.70 (m, 3H, ArH), 7.74-7.78 (m, 1H, ArH), 8.54 (d, 1H, J = 2.1 Hz, ArH)。
【0073】
(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-((キノリン-3-イルアミド)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化18】
【0074】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.7g、2.2mmol)から得た(0.61g、87%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.40 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.42 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 6.91-6.97 (m, 2H, ArH, NH), 7.27-7.46 (m, 5H, ArH), 7.51-7.58 (m, 3H, ArH), 7.76 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 8.54 (d, 1H, J = 2.7 Hz, ArH), 9.01 (s, 1H, NH), 10.73 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1917[M+H];計算値320.1365;実測値319.1321。
【0075】
実施例3
メチル4-(キノリン-3-イルカルバモイル)ベンゾエート
【化19】
【0076】
標記化合物は、手順Bの方法Bによる3-アミノキノリン(0.3g、2.04mmol)、および、4-ジメチルアミノピリジン(50mg、0.41mmol)から得た(0.5g、80%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.90 (s, 3H, OCH3), 7.56-7.62 (m, 1H, ArH), 7.64-7.71 (m, 1H, ArH), 7.95-8.00 (m, 2H, ArH), 8.10-8.18 (m, 4H, ArH), 8.85 (d, 1H, J = 2.1 Hz, ArH), 9.14 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 10.89 (s, 1H, NH)。
【0077】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-3-イル)テレフタルアミド
【化20】
【0078】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、1.96mmol)から得た(0.55g、91%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.56-7.70 (m, 2H, ArH), 7.91-8.00 (m, 4H, ArH), 8.96 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.85 (d, 1H, J = 2.1 Hz, ArH), 9.14 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 9.18 (s, 1H, NH), 10.79 (s, 1H, NH). 11.41 (s, 1H, OH)。
【0079】
実施例4
(E)-メチル3-(4-((キノリン-3-イルカルバモイル)フェニル)アクリレート
【化21】
【0080】
標記化合物は、手順Bの方法Bによる3-アミノキノリン(0.6g、4.08mmol)、および、4-ジメチルアミノピリジン(100mg、0.82mmol)から得た(0.81g、59%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.75 (s, 3H, OCH3), 6.81 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.56-7.62 (m, 1H, ArH), 7.64-7.70 (m, 1H, ArH), 7.75 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.91-8.00 (m, 4H, ArH), 8.07 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.85 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 9.14 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 10.75 (s, 1H, NH)。
【0081】
(E)-4-(3-(ヒドロキシアミノ)-3-オキソプロプ-1-エンイル)-N-(キノリン-3-イル) ベンズアミド
【化22】
【0082】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.6g、1.81mmol)から得た(0.56g、93%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 6.60 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.51-7.70 (m, 3H, ArH), 7.75 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.94-7.99 (m, 2H, ArH), 8.07 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.85 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 9.11-9.15 (m, 3H, ArH), 10.73 (s, 1H, NH), 10.85 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1915[M+H];計算値334.1175;実測値333.1113。
【0083】
実施例5
メチル4-((キノリン-5-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化23】
【0084】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる5-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.15g、93%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.58 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.34 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.19 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.28 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 7.34-7.40 (m, 1H, ArH), 7.43 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 7.53 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.91 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.69 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.80 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH)。
【0085】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-5-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化24】
【0086】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(1.12g、3.83mmol)から得た(1.02g、91%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.54 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.37 (d, 1H, J = 7.5 Hz, ArH), 7.18 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.24 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 7.34-7.48 (m, 4H, ArH), 7.69 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.69 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.80 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 9.00 (s, 1H, NH), 11.14 (s, 1H, OH)。
【0087】
実施例6
(E)-メチル3-(4-((キノリン-5-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリレート
【化25】
【0088】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる5-アミノキノリン(0.55g、3.7mmol)から得た(0.95g、81%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.70 (s, 3H, OCH3), 4.52 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.38 (d, 1H, J = 7.2 Hz, ArH), 6.57 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.18 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.23 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 7.34-7.45 (m, 4H, ArH), 7.59-7.67 (m, 3H, ArH), 8.69 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.80 (d, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH)。
【0089】
(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-((キノリン-5-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化26】
【0090】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.86g、2.7mmol)から得た(0.83g、96%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.51 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.36-6.43 (m, 2H, ArH), 7.15-7.24 (m, 2H, ArH), 7.37-7.45 (m, 5H, ArH), 7.50 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.69 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.78-8.81 (m, 1H, ArH), 9.01 (s, 1H, NH), 10.72 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1917[M+H];計算値320.1375;実測値319.1321。
【0091】
実施例7
メチル4-(キノリン-5-イルカルバモイル)ベンゾエート
【化27】
【0092】
標記化合物は、手順Bの方法Aによる5-アミノキノリン(4g、27.8mmol)から得た(0.75g、9%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.91 (s, 3H, OCH3), 7.56 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 7.70-7.73 (m, 1H, ArH), 7.77-7.83 (m, 1H, ArH), 7.97 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.13 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.21 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.41 (d, 2H, J = 8.7 Hz, ArH), 8.92-8.95 (m, 1H, ArH), 10.73 (s, 1H, NH)。
【0093】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-5-イル)テレフタルアミド
【化28】
【0094】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、1.96mmol)から得た(0.56g、93%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.55 (dd, 1H, J = 4.2 Hz, ArH),7.70-7.73 (m, 1H, ArH), 7.77-7.83 (m, 1H, ArH), 7.90-7.98 (m, 3H, ArH), 8.14 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.41 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.93 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, NH), 9.17 (s, 1H, NH), 10.64 (s, 1H, NH), 11.41 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1713[M+H];計算値308.1004;実測値307.0957。
【0095】
実施例8
(E)-メチル3-(4-(キノリン-5-イルカルバモイル)フェニル)アクリレート
【化29】
【0096】
標記化合物は、手順Bの方法Bによる5-アミノキノリン(0.6g、4.1mmol)から得た(1.02g、68%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.75 (s, 3H, OCH3), 6.81 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.55 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 7.70-7.83 (m, 3H, ArH), 7.90-7.98 (m, 3H, ArH), 8.12 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.40 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.93 (d, 1H, J = 1.5, 3.9 Hz, ArH), 10.60 (s, 1H, NH)。
【0097】
(E)-4-(3-(ヒドロキシアミノ)-3-オキソプロプ-1-エンイル)-N-(キノリン-5-イル) ベンズアミド
【化30】
【0098】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.6g、1.81mmol)から得た(0.54g、90%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 6.61 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.52-7.58 (m, 2H, ArH), 7.69-7.83 (m, 4H, ArH), 7.96 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.11 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.39 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.93 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 9.12 (s, 1H, NH), 10.58 (s, 1H, NH), 10.85 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1915[M+H];計算値334.1175;実測値333.1113。
【0099】
実施例9
メチル4-((キノリン-6-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化31】
【0100】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる6-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.05g、85%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.47 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.62 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 6.86-6.91 (m, 1H, NH), 7.22-7.30 (m, 2H, ArH), 7.54 (d, 2H, J = 9.0 Hz, ArH) , 7.72 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 7.86-7.94 (m, 1H, ArH), 8.46 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH)。
【0101】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-6-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化32】
【0102】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、2.05mmol)から得た(0.56g、93%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.56 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.62 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 6.88 (t, 1H, J = 5.7 Hz, NH), 7.22-7.30 (m, 2H, ArH), 7.51 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.71 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 7.88-7.92 (m, 3H, ArH), 8.46 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M-H];計算値292.1069;実測値293.1164。
【0103】
実施例10
(E)-メチル3-(4-((キノリン-6-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリレート
【化33】
【0104】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる6-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.11g、82%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.70 (s, 3H, OCH3), 4.41 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.59 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 6.64 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 6.83 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 7.22-7.29 (m, 2H, ArH), 7.44 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.60-7.73 (m, 4H, ArH), 7.89 (dd, 1H, J = 0.9, 8.4 Hz, ArH), 8.46 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH)。
【0105】
(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-((キノリン-6-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化34】
【0106】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.6g、1.88mmol)から得た(0.55g、92%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.40 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.48 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 6.64 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 6.82 (t, 1H, J = 5.7 Hz, NH), 7.22-7.28 (m, 2H, ArH), 7.43 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.54 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.60-7.72 (m, 3H, ArH), 7.89 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.45 (d, 1H, J = 2.7 Hz, ArH)。HRMS-ESIの結果:C1917[M+H];計算値320.1409;実測値319.1321。
【0107】
実施例11
メチル4-(キノリン-6-イルカルバモイル)ベンゾエート
【化35】
【0108】
標記化合物は、手順Bの方法Aによる6-アミノキノリン(2g、13.6mmol)から得た(1.2g、29%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.89 (s, 3H, OCH3), 7.50 (dd, 1H, J = 4.2 Hz, ArH), 8.02-8.04 (m, 2H, ArH), 8.09-8.13 (m, 4H, ArH), 8.34 (dd, 1H, J = 1.8, 8.1 Hz, ArH), 8.53-8.55 (m, 1H, ArH), 8.81 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 10.78 (s, 1H, NH)。
【0109】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-6-イル)テレフタルアミド
【化36】
【0110】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、1.96mmol)から得た(0.12g、20%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.49 (dd, 1H, J = 4.2 Hz, ArH), 7.91 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.98-8.09 (m, 4H, ArH), 8.33 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.55 (s, 1H, ArH), 8.81 (d, 1H, J = 3.0 Hz, ArH), 9.19 (s, 1H, NH), 10.67 (s, 1H, NH), 11.42 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1713[M+H];計算値308.1005;実測値307.0957。
【0111】
実施例12
(E)-メチル3-(4-(キノリン-6-イルカルバモイル)フェニル)アクリレート
【化37】
【0112】
標記化合物は、手順Bの方法Bによる6-アミノキノリン(0.6g、4.08mmol)から得た(0.7g、52%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.75 (s, 3H, OCH3), 6.80 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.50 (dd, 1H, J = 4.2 Hz, ArH), 7.74 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.91 (d, 2H, J = 8.7 Hz, ArH), 7.98-8.07 (m, 4H, ArH), 8.32 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 8.54 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH), 8.80 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 10.62 (s, 1H, NH)。
【0113】
(E)-4-(3-(ヒドロキシアミノ)-3-オキソプロプ-1-エンイル)-N-(キノリン-6-イル) ベンズアミド
【化38】
【0114】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.5g、1.51mmol)から得た(0.46g、91%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 6.60 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.47-7.56 (m, 2H, ArH), 7.74 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.98-8.07 (m, 4H, ArH), 8.32 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 8.53 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH), 8.80 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 10.61 (s, 1H, NH)。HRMS-ESIの結果:C1915[M+H];計算値334.1162;実測値333.1113。
【0115】
実施例13
メチル4-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化39】
【0116】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる8-アミノキノリン(0.63g、4.25mmol)から得た(1.12g、90%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.62 (d, 2H, J = 6.3 Hz, CH2), 6.46-6.50 (m, 1H, ArH), 7.04 (dd, 1H, J = 0.9, 8.1 Hz, ArH), 7.21-7.32 (m, 2H, ArH, NH), 7.47-7.53 (m, 3H, ArH), 7.89 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.17-8.21 (m, 1H, ArH), 8.76 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH)。
【0117】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化40】
【0118】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(1.12g、3.83mmol)から得た(1.03g、92%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.57 (d, 2H, J = 6.3 Hz, CH2), 6.51 (dd, 1H, J = 1.2, 7.8 Hz, ArH), 7.04 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, NH), 7.21-7.28 (m, 2H, ArH), 7.45 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.50 (dd, 1H, J = 4.2, 8.4 Hz, ArH), 7.68 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.20 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.76 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 8.96 (brs, 1H, NH), 11.11 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1217;実測値293.1164。
【0119】
実施例14
(E)-メチル3-(4-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリレート
【化41】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる8-アミノキノリン(0.7g、4.76mmol)から得た(1.36g、90%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.70 (s, 3H, OCH3), 4.53 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.38 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 6.58 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.17-7.25 (m, 2H, NH, ArH), 7.35-7.43 (m, 4H, ArH), 7.44-7.67 (m, 3H, ArH), 8.70 (d, 1H, J = 8.7 Hz, ArH), 8.79-8.81 (m, 1H, ArH)。
【0120】
(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化42】
【0121】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(1.36g、4.47mmol)から得た(1.26g、88%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.55 (d, 2H, J = 6.6 Hz, CH2), 6.40 (d, 1H, J = 15.6 Hz, CH=CH), 6.53 (dd, 1H, J = 0.9, 7.5 Hz, ArH), 7.02-7.06 (m, 1H, ArH), 7.19-7.29 (m, 2H, ArH), 7.38-7.53 (m, 6H, ArH), 8.20 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.76 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 8.99 (brs, 1H, NH), 10.72 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1917[M+H];計算値320.1382;実測値319.1321。
【0122】
実施例15
メチル4-(キノリン-8-イルカルバモイル)ベンゾエート
【化43】
【0123】
標記化合物は、手順Aの方法Aによる8-アミノキノリン(2g、13.6mmol)から得た(3.6g、86%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.90 (s, 3H, OCH3), 7.61-7.69 (m, 2H, ArH), 7.73-7.77 (m, 1H, ArH), 8.14 (s, 4H, ArH), 8.44 (dd, 1H, J = 1.5, 8.4 Hz, ArH), 8.70 (dd, 1H, J = 1.5, 7.5 Hz, ArH), 8.96 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 10.70 (s, 1H, NH)。
【0124】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-8-イル)テレフタルアミド
【化44】
【0125】
標記化合物は、手順Cにより調製されたベンゾエート(0.6g、1.96mmol)から得た(0.53g、88%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.61-7.77 (m, 3H, ArH), 7.95-8.16 (m, 4H, ArH), 8.45 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.69-8.75 (m, 1H, ArH), 8.97 (d, 1H, J = 3.6 Hz, ArH), 10.68 (s, 1H, NH)。HRMS-ESIの結果:C1713[M+H];計算値308.1016;実測値307.0957。
【0126】
実施例16
(E)-メチル3-(4-(キノリン-8-イルカルバモイル)フェニル)アクリレート
【化45】
【0127】
標記化合物は、手順Bの方法Bによる8-アミノキノリン(0.7g、4.76mmol)から得た(0.75g、47%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.84 (s, 3H, OCH3), 6.55 (d, 1H, J = 16.0 Hz, CH=CH), 6.50 (dd, 1H, J = 4.0, 8.5 Hz,), 7.56-7.63 (m, 2H, ArH), 7.70 (d, 2H, J = 8.0 Hz, ArH), 7.76 (d, 1H, J = 16.0 Hz, CH=CH), 8.11 (d, 2H, J = 8.0 Hz, CH=CH), 8.20 (dd, 1H, J = 1.0, 8.0 Hz, ArH), 8.86 (dd, 1H, J = 1.5, 4 Hz, ArH), 8.93 (d, 1H, J = 7.5 Hz, ArH), 10.78 (s, 1H, NH)。
【0128】
(E)-4-(3-(ヒドロキシアミノ)-3-オキソプロプ-1-エンイル)-N-(キノリン-8-イル) ベンズアミド
【化46】
【0129】
標記化合物は、手順Cにより調製されたアクリレート(0.6g、1.8mmol)から得た(0.53g、89%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 6.60 (d, 1H, J = 15.9 Hz, CH=CH), 7.55 (d, 1H, J = 16.2 Hz, CH=CH), 7.63-7.81 (m, 5H, ArH), 8.06 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.45-8.48 (m, 1H, ArH), 8.71-8.74 (m, 1H, ArH), 8.97-8.99 (m, 1H, ArH), 9.12 (brs, 1H, NH), 10.68 (s, 1H, NH), 10.87 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1915[M+H];計算値334.1180;実測値333.1113。
【0130】
実施例17
メチル3-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化47】
【0131】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.60 (d, 2H, J = 6.3 Hz, CH2), 6.49-6.53 (m, 1H, ArH), 7.03 (dd, 1H, J = 1.2, 8.1 Hz, ArH), 7.25 (t, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.28-7.34 (m, 1H, NH), 7.43-7.53 (m, 2H, ArH), 7.66-7.70 (m, 1H, ArH), 7.79-7.83 (m, 1H, ArH), 8.00-8.12 (m, 1H, ArH), 8.18-8.22 (m, 1H, ArH), 8.77 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH)。
【0132】
N-ヒドロキシ-3-((キノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化48】
【0133】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.57 (d, 2H, J = 6.3 Hz, CH2), 6.54 (d, 1H, J = 7.2, 8.1 Hz, ArH), 7.04 (d, 1H, J = 7.5 Hz, ArH), 7.19-7.29 (m, 2H, ArH), 7.34-7.40 (m, 1H, NH), 7.47-7.60 (m, 3H, ArH), 7.82 (s, 1H, ArH), 8.17-8.22 (m, 1H, ArH), 8.75-8.77 (m, 1H, ArH), 8.99 (s, 1H, NH), 11.19 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1209;実測値293.1164。
【0134】
実施例18
メチル3-(キノリン-8-イルカルバモイル)ベンゾエート
【化49】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.92 (s, 3H, OCH3), 7.62-7.69 (m, 2H, ArH), 7.74-7.79 (m, 2H, ArH), 8.18-8.22 (m, 1H, ArH), 8.28-8.31 (m, 1H, ArH), 8.43-8.47 (m, 1H, ArH), 8.54-8.56 (m, 1H, ArH), 8.69 (dd, 1H, J = 1.2, 7.5 Hz, ArH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 10.72 (s, 1H, NH)。
【0135】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-8-イル)イソフタルアミド
【化50】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 7.63-7.78 (m, 4H, ArH), 8.01 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 8.17 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 8.41 (s, 1H, ArH), 8.44-8.48 (m, 1H, ArH), 8.70-8.74 (m, 1H, ArH), 8.98 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 9.20 (s, 1H, NH), 10.68 (s, 1H, NH), 11.46 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1713[M+H];計算値308.1008;実測値307.0957。
【0136】
実施例19
メチル4-((キノリン-2-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化51】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.72 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.84 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 7.10-7.17 (m, 1H, ArH), 7.40-7.48 (m, 2H, ArH, NH), 7.52 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.59-7.64 (m, 2H, ArH), 7.85-7.93 (m, 3H, ArH)。
【0137】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-2-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化52】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.67 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.83 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 7.10-7.17 (m, 1H, ArH), 7.42-7.46 (m, 4H, ArH, NH), 7.54-7.62 (m, 2H, ArH), 7.69 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.87 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 8.98 (s, 1H, NH), 11.14 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1208;実測値293.1164。
【0138】
実施例20
メチル4-((キノリン-7-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化53】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.50 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.68 (d, 1H, J = 2.4 Hz, ArH), 7.02-7.13 (m, 3H, ArH, NH), 7.54 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.63 (d, 1H, J = 9.0 Hz, ArH), 7.93 (dt, 2H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 7.98-8.02 (m, 1H, ArH), 8.55 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH)。
【0139】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-7-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化54】
【0140】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.45 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.70 (d, 1H, J = 2.1 Hz, ArH), 6.99-7.14 (m, 3H, ArH, NH), 7.47 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.62 (d, 1H, J = 8.7 Hz, ArH), 7.71 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.00 (dd, 1H, J = 1.2, 8.0 Hz, ArH), 8.54-8.57 (m, 1H, ArH), 9.02 (s, 1H, NH), 11.15 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1222;実測値293.1164。
【0141】
実施例21
メチル4-((キノリン-4-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化55】
【0142】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.63 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.27 (d, 1H, J = 5.4 Hz, ArH), 7.43-7.53 (m, 3H, ArH), 7.59-7.65 (m, 1H, ArH), 7.77-7.81 (m, 1H, ArH), 7.89-7.93 (m, 2H, ArH), 7.97 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 8.27-8.31 (m, 2H, ArH)。
【0143】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-4-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化56】
【0144】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.59 (d, 2H, J = 5.1 Hz, CH2), 6.29 (d, 1H, J = 5.4 Hz, ArH), 7.42-7.48 (m, 3H, ArH), 7.59-7.65 (m, 1H, ArH), 7.69 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.78 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.95 (s, 1H, NH), 8.29 (d, 1H, J = 5.4 Hz, ArH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1209。
【0145】
実施例22
キノリン-8-イルメタンアミン
【化57】
【0146】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.55 (brs, 2H, NH2), 4.29 (s, 2H, CH2), 7.21-7.36 (m, 2H, ArH), 7.47-7.58 (m, 2H, ArH), 7.98 (d, 1H, J = 7.2 Hz, ArH), 8.77 (d, 1H, J = 2.1 Hz, ArH)。
【0147】
メチル4-((キノリン-8-イルメチル)カルバモイル)ベンゾエート
【化58】
【0148】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.88 (s, 3H, OCH3), 5.15 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 7.54-7.61 (m, 2H, ArH), 7.63-7.67 (m, 1H, ArH), 7.87-7.91 (m, 1H, ArH), 8.03-8.10 (m, 4H, ArH), 8.39 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 9.23-9.28 (m, 1H, NH)。
【0149】
-ヒドロキシ-N-(キノリン-8-イルメチル)テレフタルアミド
【化59】
【0150】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 5.15 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 7.54-7.66 (m, 3H, ArH), 7.83-7.90 (m, 3H, ArH), 8.01 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.39 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 9.13-9.20 (m, 2H, NH), 11.35 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1815[M+H];計算値322.1192;実測値322.1170。
【0151】
実施例23
4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)安息香酸
【化60】
【0152】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.26 (t, 3H, J = 7.2 Hz, CH3), 3.69 (s, 2H, CH2), 4.17 (q, 2H, J = 7.2 Hz, CH2), 7.40 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.08 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH)。
【0153】
エチル2-(4-(キノリン-8-イルカルバモイル)フェニル)アセテート
【化61】
【0154】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.24-2.30 (m, 3H, CH3), 3.71 (s, 2H, CH2), 4.14-4.22 (m, 2H, CH2), 7.44-7.49 (m, 3H, ArH), 7.51-7.62 (m, 2H, ArH), 8.02-8.07 (m, 2H, ArH), 8.15-8.20 (m, 1H, ArH), 8.84 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 8.90-8.94 (m, 1H, ArH), 10.72 (s, 1H, NH)。
【0155】
4-(2-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソエチル)-N-(キノリン-8-イル)ベンズアミド
【化62】
【0156】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.41 (s, 2H, CH2), 7.49 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.62-7.75 (m, 3H, ArH), 7.97 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.45 (dd, 1H, J = 1.5, 8.4 Hz, ArH), 8.72 (dd, 1H, J = 1.2, 7.5 Hz, ArH), 8.89 (d, 1H, J = 1.5 Hz, NH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 10.62 (s, 1H, NH), 10.72 (s, 1H, NH)。HRMS-ESIの結果:C1815[M+H];計算値322.1192;実測値322.1163。
【0157】
実施例24
メチル4-(2-(キノリン-8-イル)エチル)ベンゾエート
【化63】
【0158】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.16-3.22 (m, 2H, CH2), 3.58-3.64 (m, 2H, CH2), 3.91 (s, 3H, OCH3), 7.29 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.38-7.44 (m, 3H, ArH), 7.66-7.72 (m, 1H, ArH), 7.94-8.00 (m, 2H, ArH), 8.15 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH)。
【0159】
N-ヒドロキシ-4-(2-(キノリン-8-イル)エチル)ベンズアミド
【化64】
【0160】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.03-3.09 (m, 2H, CH2), 3.47-3.53 (m, 2H, CH2), 7.30 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.45-7.58 (m, 3H, ArH), 7.68 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.81(dd, 1H, J = 1.5, 8.1 Hz, ArH), 8.31-8.35 (m, 1H, ArH), 8.95 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 8.98 (s, 1H, NH), 11.15 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1816[M+H];計算値293.1290;実測値293.1262。
【0161】
実施例25
メチル4-((イソキノリン-5-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化65】
【0162】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.59 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.48-6.51 (m, 1H, ArH), 7.21-7.34 (m, 3H, ArH, NH), 7.52 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.90 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.12 (d, 1H, J = 6.0 Hz, ArH), 8.44 (d, 1H, J = 6.0 Hz, ArH), 9.12 (s, 1H, ArH)。
【0163】
N-ヒドロキシ-4-((イソキノリン-5-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化66】
【0164】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.55 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.51 (d, 1H, J = 7.5 Hz, ArH), 7.20-7.24 (m, 2H, ArH, NH), 7.31 (t, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.44 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.68 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.11 (d, 1H, J = 6.0 Hz, ArH), 8.43 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 8.97 (s, 1H, NH), 9.11 (s, 1H, ArH), 11.11 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1210。
【0165】
実施例26
メチル4-((イソキノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化67】
【0166】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.35 (s, OCH3), 4.60 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.39 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.28 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.36 (t, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.54 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.58-7.66 (m, 1H, ArH, NH), 7.89-7.92 (m, 2H, ArH), 8.40 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 9.64 (s, 1H, ArH)。
【0167】
N-ヒドロキシ-4-((イソキノリン-8-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化68】
【0168】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.56 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.42 (d, 1H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.02 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.34-7.40 (m, 1H, ArH), 7.47 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.58-7.63 (m, 2H, NH, ArH), 7.70 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.40 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 9.03 (brs, 1H, NH), 9.64 (s, 1H, ArH), 11.14 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1221。
【0169】
実施例27
メチル4-(キノリン-8-イルアミノ)ベンゾエート
【化69】
【0170】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.79 (s, 3H, OCH3), 7.44-7.54 (m, 4H, ArH), 7.56-7.61 (m, 1H, ArH), 7.66-7.70 (m, 1H, ArH), 7.87 (d, 2H, J = 9.0 Hz, ArH), 8.32-8.36 (m, 1H, ArH), 8.86-8.89 (m, 1H, ArH), 9.12 (s, 1H, NH)。
【0171】
4-(キノリン-8-イルアミノ)安息香酸
【化70】
【0172】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 7.43-7.55 (m, 4H, ArH), 7.60 (dd, 1H, J = 1.2, 8.1 Hz, ArH), 7.68 (dd, 1H, J = 2.1, 6.9 Hz, ArH), 7.84-7.89 (m, 2H, ArH), 8.35 (dd, 1H, J = 1.5, 8.4 Hz, ArH), 8.89 (dd, 1H, J = 1.5, 4.2 Hz, ArH), 9.07 (s, 1H, NH), 12.45 (s, 1H, COOH)。
【0173】
N-ヒドロキシ-4-(キノリン-8-イルアミノ)ベンズアミド
【化71】
【0174】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 7.33-7.38 (m, 2H, ArH), 7.57-7.63 (m, 2H, ArH), 7.70-7.78 (m, 4H, ArH), 8.62 (dd, 1H, J = 1.5, 8.4 Hz, ArH), 8.97 (dd, 1H, J = 1.5, 4.5 Hz, ArH)。HRMS-ESIの結果:C1613[M+H];計算値280.1086;実測値280.1081。
【0175】
実施例28
メチル4-((イソキノリン-1-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化72】
【0176】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.81 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.90 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 7.45-7.54 (m, 3H, ArH), 7.60-7.66 (m, 1H, ArH), 7.71 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.90 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 8.88 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.08 (d, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 8.30 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH)。
【0177】
N-ヒドロキシ-4-((イソキノリン-1-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化73】
【0178】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.77 (d, 2H, J = 5.7 Hz, CH2), 6.89 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 7.40 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.48-7.54 (m, 1H, ArH), 7.59-7.72 (m, 4H, ArH), 7.80 (d, 1H, J = 5.7 Hz, ArH), 8.04 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 8.30 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 9.00 (s, 1H, NH), 11.12 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1208。
【0179】
実施例29
メチル4-((イソキノリン-4-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化74】
【0180】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.62 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 7.13 (t, 1H, J = 6.0 Hz, NH), 7.52-7.57 (m, 3H, ArH), 7.58-7.64 (m, 1H, ArH), 7.68-7.74 (m, 1H, ArH), 7.90-7.96 (m, 3H, ArH), 8.29 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.51 (s, 1H, ArH)。
【0181】
N-ヒドロキシ-4-((イソキノリン-4-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化75】
【0182】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.58 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 7.13 (d, 1H, J = 6.0 Hz, ArH), 7.46-7.54 (m, 3H, ArH), 7.59-7.65 (m, 1H, ArH), 7.67-7.74 (m, 3H, ArH), 7.88-7.96 (m, 1H, ArH), 8.29 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.98 (s, 1H, NH), 11.13 (s, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1212。
【0183】
実施例30
5-クロロキノキサリン
【化76】
【0184】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 7.81-7.88 (m, 1H, ArH), 8.03-8.11 (m, 2H, ArH), 9.04-9.07 (m, 2H, ArH)。
【0185】
メチル4-((キノキサリン-5-イルアミノ)メチル)ベンゾエート
【化77】
【0186】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 3.81 (s, 3H, OCH3), 4.63 (d, 2H, J = 6.6 Hz, CH2), 6.53 (dd, 1H, J = 0.9, 7.8 Hz, ArH), 7.16 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 7.45-7.54 (m, 4H, NH, ArH), 7.87-7.91 (m, 2H, ArH), 8.77 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH), 8.90 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH)。
【0187】
N-ヒドロキシ-4-((キノキサリン-5-イルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化78】
【0188】
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ 4.59 (d, 2H, J = 6.6 Hz, CH2), 6.56 (dd, 1H, J = 0.6, 7.8 Hz, ArH), 7.16 (dd, 1H, J = 0.9, 8.4 Hz, ArH), 7.43-7.52 (m, 4H, NH, ArH), 7.68 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.77 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH), 8.89 (d, 1H, J = 1.8 Hz, ArH), , 8.97 (brs, 1H, NH), 11.12 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1614[M+H];計算値295.1195;実測値295.1190。
【0189】
実施例31
メチル4-(((2-メチルキノリン-8-イル)アミノ)メチル)ベンゾエート
【化79】
【0190】
基本手順Aの方法Aにより、6a(0.6g、3.72mmol)から固体化合物を得た(0.9g、79%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.71 (s, 3H, CH3), 3.91 (s, 3H, OCH3), 6.36 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.52 (dd, 1H, J = 0.6, 7.5 Hz,), 6.72-6.77 (m, 1H, NH), 7.01-7.05 (m, 1H, ArH), 7.20-7.28 (m, 2H, ArH), 7.50 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.94-8.03 (m, 3H, ArH)。
【0191】
N-ヒドロキシ-4-(((2-メチルキノリン-8-イル)アミノ)メチル)ベンズアミド
【化80】
【0192】
基本手順Cにより、67(0.83g、2.71mmol)から固体化合物を得た(0.76g、91%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 2.67 (s, 3H, CH3), 4.57 (d, 2H, J = 6.6 Hz, CH2), 6.47 (d, 1H, J = 7.5 Hz, ArH), 6.97-7.05 (m, 2H, NH, ArH), 7.17 (t, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.38 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.44 (d, 2H, J = 7.8 Hz, ArH), 7.68 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.08 (d, 1H, J = 8.4 Hz, ArH), 8.96 (brs, 1H, NH), 11.11 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1817[M+H];計算値308.1448;実測値308.1399。
【0193】
実施例32
メチル4-((キノリン-8-イルオキシ)メチル)ベンゾエート
【化81】
【0194】
アセトン(10mL)に6b(0.6g、4.2mmol)、メチル4-(クロロメチル)ベンゾエート(0.87g、4.62mmol)、および、炭酸カリウム(1.16g、8.4mmol)を溶解したものを還流温度まで12時間加熱した。その後、混合物をろ過した。有機層を収集し、酢酸エチル/ヘキサンクロマトグラフィーによって精製することにより、生成物を得た(1.1g、89%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.85 (s, 3H, OCH3), 5.42 (s, 2H, CH2), 7.25-7.29 (m, 1H, ArH), 7.46-7.59 (m, 3H, ArH), 7.69 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.99-8.03 (m, 2H, ArH), 8.30-8.34 (m, 1H, ArH), 8.86-8.89 (m, 1H, ArH)。
【0195】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-8-イルオキシ)メチル)ベンズアミド
【化82】
【0196】
基本手順Cにより、70(0.6g、2.05mmol)から固体化合物を得た(0.54g、90%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 5.37 (s, 2H, CH2), 7.25-7.29 (m, 1H, ArH), 7.46-7.57 (m, 3H, ArH), 7.61 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 7.78 (d, 2H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.30-8.34 (m, 1H, ArH), 8.85-8.88 (m, 1H, ArH), 9.03 (brs, 1H, NH), 11.22 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1714[M+H];計算値295.1083;実測値295.1057。
【0197】
実施例33
メチル4-((キノリン-8-イルチオ)メチル)ベンゾエート
【化83】
【0198】
アセトン(10mL)に溶解した8-メルカプトキノリン塩酸塩(6c)(0.36g、1.74mmol)、メチル4-(クロロメチル)ベンゾエート(0.36g、1.92mmol)、トリエチルアミン(0.3mL、2.09mmol)、および、炭酸カリウム(0.49g、3.48mmol)を12時間、還流温度まで加熱した。その後、混合物をろ過した。有機層を収集し、酢酸エチル/ヘキサンクロマトグラフィーによって精製することにより、生成物を得た(0.48g、89%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.43 (s, 2H, CH2), 7.46-7.52 (m, 1H, ArH), 7.55-7.64 (m, 4H, ArH), 7.69-7.73 (m, 1H, ArH), 7.89-7.92 (m, 2H, ArH), 8.35 (dd, 1H, J = 1.8, 8.4 Hz, ArH), 8.88 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH)。
【0199】
N-ヒドロキシ-4-((キノリン-8-イルチオ)メチル)ベンズアミド
【化84】
【0200】
基本手順Cにより、72(0.6g、1.86mmol)から固体化合物を得た(0.53g、92%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.38 (s, 2H, CH2), 7.47-7.61 (m, 5H, ArH), 7.68-7.73 (m, 3H, ArH), 8.35 (dd, 1H, J = 1.2, 8.4 Hz, ArH), 8.88 (dd, 1H, J = 1.8, 4.2 Hz, ArH), 9.00 (brs, 1H, NH), 11.17 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1714S[M+H];計算値311.0854;実測値311.0848。
【0201】
実施例34
メチル4-(キノリン-8-イルメチルアミノ)ベンゾエート
【化85】
【0202】
基本手順Aの方法Aにより、6d(0.67g、4.28mmol)、および、メチル4-アミノ安息香酸(0.6g、3.89mmol)から固体化合物を得た(1.03g、82%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.71 (s, 3H, OCH3), 4.98 (s, 2H, CH2), 6.61-6.65 (m, 2H, ArH), 7.14-7.18 (m, 1H, NH), 7.25-7.67 (m, 5H, ArH), 7.88 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.37-8.41 (m, 1H, ArH), 8.97-8.99 (m, 1H, ArH)。
【0203】
N-ヒドロキシ-4-(キノリン-8-イルメチルアミノ)ベンズアミド
【化86】
【0204】
基本手順Cにより、76(0.6g、2.05mmol)から固体化合物を得た(0.52g、87%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 4.95 (d, 2H, J = 6.0 Hz, CH2), 6.57 (d, 2H, J = 8.7 Hz, ArH), 6.79-6.84 (m, 1H, NH), 7.45-7.68 (m, 5H, NH), 7.87 (d, 1H, J = 8.1 Hz, ArH), 8.37-8.41 (m, 1H, ArH), 8.64 (s, 1H, NH), 8.96-8.99 (m, 1H, ArH), 10.71 (brs, 1H, OH)。HRMS-ESIの結果:C1715[M+H];計算値294.1243;実測値294.1238。
【0205】
実施例35
N-ヒドロキシ-4-(キノリン-8-イルアミノメチル)ベンズアミドメシレート
【化87】
【0206】
ジオキサン(0.2M)に溶解した化合物28をジオキサン(0.2M)に溶解したMsOH(メタンスルホン酸)に加え、結果として生じた混合物を室温にて撹拌した。反応混合物をろ過し、ジオキサンで洗浄することにより、化合物28-メシレートを得た。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.34 (s, 3H), 4.59 (s, 2H), 6.56 (dd, J = 0.9, 7.8 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 1.2, 8.1 Hz, 1H), 7.26-7.32 (m, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.55 (dd, J = 8.4, 8.4 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.26 (dd, J = 1.8, 8.4 Hz, 1H)。燃焼元素分析の結果:C1819S;計算値C,55.52;H,4.92;N,10.79;S,8.23;実測値C,55.65;H,4.81;N,10.72;S,7.91;HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による純度98.83%(保持時間26.42)。
【0207】
実施例36
HDAC6を阻害する際の式(I)の化合物の阻害活性、ガン細胞の成長を抑制する際のテスト化合物の増殖抑制作用、および、他のHDACアイソフォームと比較したHDAC6の阻害選択性を評価すべく、検査を行った。
【0208】
HDAC蛍光アッセイキットを用いて、製造業者(BPSバイオサイエンス社、米国、カリフォルニア州、サンディエゴ)の説明書に従い、組み換えタンパク質HDAC1、3、4、5、6、7、8、9、および、Sirt1により、基質のリシン残基の脱アセチル化を阻害するHDAC阻害剤の能力を評価した。
【0209】
検査は、Cell Death and Disease 2014年4月、5:e1166においてHsieh等により報告された実験計画書に従って行われた。
【0210】
以下の表1に示すように、予想外にも、複数の化合物が顕著なHDAC6阻害活性を示した(阻害活性は、それらの半数阻害濃度(IC50)によって測定した)。具体的には、9つの化合物が、IC50値25nM未満である優れたHDAC6阻害作用を示した。特に、化合物12および28は、それぞれのIC50値が2.73nM、4.41nMという際立ったHDAC6阻害作用を示した。
【0211】
表1に示すように、9つの化合物のうちの8つがIC50値0.78~6.70μMというHDAC1阻害作用を示した。
【0212】
【表1】
【0213】
以下の表2は、さまざまなガン細胞株に対するテスト化合物の((それらの半数増殖阻害濃度(GI50)によって測定した)増殖抑制活性を示す。
【0214】
予想外にも、多数の式(I)の化合物が6つのガン細胞株、すなわち、PC-3、A549、HCT116、HL60、MDA-MB-231、および、T98に対してGI50値10μM未満という高い効果を示した。
【0215】
【表2】
【0216】
以下の表3は、HDAC1、3、4、5、7、8、9、および、Sirt1を含む他のHDACと比較したHDAC6阻害化合物の選択性を示す。
【0217】
予想外にも、化合物12および28のどちらも、その他のテストHDACのすべてに対して100倍を上回る選択性を示した。さらに、予想外にも、化合物12がその他のすべてのHDACに対して1000倍を上回る著しい選択性を示した。
【0218】
【表3】
【0219】
実施例37
式(I)の化合物の活性により、ヒト多発性骨髄腫細胞株(RPMI8226、U266、および、NCI-H929)におけるアセチル-α-チューブリン発現が増加するか評価すべく検査を行った。
【0220】
細胞(1×10)を培養容器内の溶菌緩衝液中、4℃にて10分間インキュベート(培養)し、その後培養容器から取り除き、氷上でさらに10分間インキュベートし、17,000×gの遠心分離を4℃にて30分間行った。タンパク質試料(80μg)をSDSゲルで電気泳動させ、ニトロセルロース膜に転写し、それをリン酸緩衝生理食塩水中、室温にて30分間、5%無脂肪乳でインキュベートすることによって阻止した。PBS中で一次抗体と共に4℃にて一晩インキュベートすることにより免疫ブロット法を行い、その後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)共役二次抗体と共に室温にて1時間インキュベートし、その後、強化ケミルミネッセンス(ECL)試薬(Advansta社、米国、カリフォルニア州、メンロパーク)を用いて結合抗体を測定し、写真用フィルムに曝露した。
【0221】
検査は、ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディシン誌、2014年11月、92(11):1147-1158においてヤング等によって報告された実験計画書に従って行われた。
【0222】
化合物28は、予想外の活性を示し、3つのヒト多発性骨髄腫細胞株、すなわち、RPMI8226、U266、および、NCI-H929においてアセチル-α-チューブリンの発現を用量依存的に増加させた。
【0223】
実施例38
式(I)の化合物の活性により、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積を誘導するHDAC6とダイニンとの結合が阻害されるか評価すべく検査を行った。
【0224】
1μgのダイニン抗体、および、A/Gアガロースビーズを用いて、4℃にて一晩、細胞溶解物を免疫沈降させた。沈降したビーズを、1mLの氷のように冷やした細胞溶解緩衝液で3回すすいだ。結果として生じた免疫複合体をSDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により還元し、その後、抗HDAC6抗体を用いて免疫ブロット分析を行った。
【0225】
検査は、ジャーナル・オブ・イミュノロジー誌、2008年、181(12):8441-8449においてChenらによって報告された実験計画書に従って行われた。
【0226】
化合物28は、予想外にも、HDAC6とダイニンとの結合を用量依存的に阻害し、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積を用量依存的に誘導した。
【0227】
実施例39
ボルテゾミブを組み合わせた式(I)の化合物が多発性骨髄腫細胞におけるアポトーシスの誘導に効果を発揮するか評価すべく検査を行った。
【0228】
細胞周期の進行を検出すべく、細胞を指示薬ありまたはなしで24時間インキュベートし、氷のように冷やしたPBSで2回すすぎ、遠心分離によって収集し、マイナス20℃にて、70%(v/v)のエタノールで2時間固定した。これらを0.2mLのデオキシリボ核酸(DNA)の抽出緩衝液(0.2MのNaHPO、および、0.1Mのクエン酸緩衝液、pH7.8)によって室温にて30分間インキュベートし、1mLのヨウ化プロピジウム染色緩衝液(PBS中、0.1%のトリトンX-100、100μg/mLのリボヌクレアーゼA、および、80μg/mLのヨウ化プロピジウム)に再懸濁し、暗所にて37℃で30分間インキュベートし、FACScan(登録商標)でソートし、CellQuestソフトウエア(BDバイオサイエンス社)を用いて分析した。
【0229】
検査は、Cell Death and Disease誌、2014年4月、5:e1166においてHsieh等によって報告された実験計画書に従って行われた。
【0230】
予想外にも、ボルテゾミブを組み合わせた化合物28は、3つのヒト多発性骨髄腫細胞株、すなわち、RPMI8226、U266、および、NCI-H929のすべてでアポトーシスを相乗的に誘導した。
【0231】
実施例40
ボルテゾミブを組み合わせた式(I)の化合物が多発性骨髄腫細胞におけるカスパーゼ-3、カスパーゼ-8、および、カスパーゼ-9開裂の増加に効果を発揮するか評価すべく検査を行った。
【0232】
細胞(1×10)を培養容器内の溶菌緩衝液中、4℃にて10分間インキュベートし、その後培養容器から取り除き、氷上でさらに10分間インキュベートし、17,000×gの遠心分離を4℃にて30分間行った。タンパク質試料(80μg)をSDSゲルで電気泳動させ、ニトロセルロース膜に転写し、それをリン酸緩衝生理食塩水中、室温にて30分間、5%無脂肪乳でインキュベートすることによって阻止した。PBS中で一次抗体と共に4℃にて一晩インキュベートすることにより免疫ブロット法を行い、その後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)共役二次抗体と共に室温にて1時間インキュベートし、その後、強化ケミルミネッセンス(ECL)試薬(Advansta社、米国、カリフォルニア、メンロパーク)を用いて結合抗体を測定し、写真用フィルムに曝露した。
【0233】
検査は、ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディシン誌、2014年11月、92(11):1147-1158においてヤング等によって報告された実験計画書に従って行われた。
【0234】
ボルテゾミブを組み合わせた化合物28は、多発性骨髄腫細胞株RPMI8226およびNCI-H929において、カスパーゼ-3、カスパーゼ-8、および、カスパーゼ-9の開裂を予想外に増加させた。
【0235】
実施例41
式(I)の化合物がアミロイド前駆体タンパク(APP)レベル、および、Aβ42の生成に効果を発揮するか評価すべく検査を行った。
【0236】
6ウェルプレートのニューロ2a細胞(1×10)にpCAX APP 695プラスミドを24時間導入し、化合物12、化合物28、または、tubasatin A(0.1~10μM)と共に24時間インキュベートした。細胞を採取し、APPタンパク質のウエスタンブロット分析のために細胞溶解物を調製した。
【0237】
さらに、ニューロ2a、または、SH-SY5Y細胞(1×10)にpCAX APP 695プラスミドを24時間導入し、化合物12、または、化合物28(0.1~10μM)と共に24時間インキュベートした。Aβ42が生成されているか細胞培養上清を検査した。
【0238】
対照実験としてpCAX APP 695プラスミドを導入したニューロ2a細胞では、APPレベルが著しく上昇した。予想外にも、化合物12および28は、APP発現を著しく減少させた。さらに、これら2つの化合物は、pCAX APP 695プラスミドを導入したニューロ2aおよびSH-SY5Y細胞におけるAβ42の生成も減少させた。
【0239】
実施例42
式(I)の化合物が複数の型のヒトガンにおける腫瘍成長の阻止に効果を発揮するか評価すべく検査を行った。
【0240】
8週齢の無胸腺ヌードマウスを一定光周期(12時間明/12時間暗)、温度21~23℃、湿度60~85%にて、滅菌食および水へのアクセスは自由にさせるという条件下で群飼した。すべての動物実験は、台北医学大学の動物使用管理委員会によって規定された倫理規範および規則に従って実行された。総体積0.1mLの無血清培地(内50%マトリゲル)(BDバイオサイエンス社)で培養した110~110のヒトガン細胞を各マウスに皮下接種した。腫瘍が定着するにつれ(~100mm)、マウスを、予め決められた材料で治療される別々の群に無作為に割り当てた(n=6~8/グループ):(i)対照群:DMSO0.5%、クレモホル90%、D5W90%、(ii)治療群:毎日予め決められた用量の化合物12および28。検査期間中、マウスは腹こう内投与で治療された。ノギスを用いて腫瘍を毎週測定した。mm単位の腫瘍の大きさを以下の式によって計算した。腫瘍容積=(wl)/2(wは腫瘍の幅(mm)、lは、腫瘍の長さ(mm)を示す)。
【0241】
以下の表4に示すように、予想外にも、化合物12および28は、どちらも、さまざまなヒトガンの腫瘍成長を阻害する著しい効果を示した。
【0242】
【表4】
【0243】
上記検査において動物の体重変化はほとんど見られなかった。
【0244】
さらに、化合物12および28は、動物の安全に対しても評価された。
【0245】
ICR系(Crl:CD1)マウスに化合物12および28を50、100、および、200mg/kg投与した。動物には1日1回7日間腹腔内投与し、さらに7日間監視した。1週間毎日1回体重を測り、その後、週2回体重を測った。
【0246】
化合物12および28はいずれも、3つの用量50、100、200mg/kgすべてに良好な耐用性を示した。
【0247】
実施例43
式(I)の化合物がアルツハイマー病に関連する記憶障害の改善に効果を発揮するか評価すべく、インビボ検査を行った。
【0248】
行動実験に先立ち、化合物12、化合物28、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(50mg/kg)、または、賦形剤をチューブで1日2回、7日間ラットに与えた。行動評価当日、評価に先立ち、対照群を除くすべての群のラットにスコポラミン(1.5mg/kg)を腹腔内注射で30分間投与してから、水迷路試験、または、高架式十字迷路試験を行った。
【0249】
水迷路試験では、スコポラミンで治療したラットは、対照群のラットに比べて、4分割した区画のうちの正しい区画で過ごす時間が著しく減少した。予想外にも、化合物12および28で治療したラットでは、これとはまったく逆の効果を示すことがわかった。
【0250】
さらに、スコポラミンでの治療は、高架式十字迷路試験における進入に要する時間を著しく増大させた。予想外にも、化合物12および28での治療は、スコポラミンによって長くなった進入に要する時間を著しく短縮した。進入に要する時間の著しい短縮は、記憶力の向上を示している。
【0251】
他の実施形態
本願明細書に開示されるすべての特徴は、いかなるように組み合わせてもよい。本願明細書に開示される特徴のそれぞれは、同じ、等価な、または、同様の目的を果たす代替的な特徴と置き換えられてよい。したがって、明記しないかぎり、開示された各特徴は、等価なまたは同様の特徴の一般的な例に過ぎない。
【0252】
当業者は、上記記載から、本発明の本質的な特徴を容易に解明でき、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、本発明をさまざまな用途および条件に適用させるべく、本発明の様々な変更および修正が可能である。したがって、他の実施形態も、特許請求の範囲内に含まれる。