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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】コンクリートの養生方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 40/04 20060101AFI20220603BHJP
   C04B 41/62 20060101ALI20220603BHJP
   E04G 21/02 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
C04B40/04
C04B41/62
E04G21/02 104
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020002954
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021110158
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-09-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505068365
【氏名又は名称】初雁興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519051632
【氏名又は名称】埼玉糧穀株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】福手 勤
(72)【発明者】
【氏名】泉名 純一
(72)【発明者】
【氏名】小川 哲史
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06187382(US,B1)
【文献】特開2014-070267(JP,A)
【文献】特開2018-043928(JP,A)
【文献】特開2010-018490(JP,A)
【文献】特開昭56-100180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 40/00-40/06
E04G 21/02-21/10
C04B 41/00-41/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物油と植物由来の乳化剤とで主に構成された養生剤を取得する養生剤取得工程と、
前記養生剤を所定の濃度に希釈して養生液を調製する希釈工程と、
前記養生液を攪拌してエマルジョン化する攪拌工程と、
エマルジョン化した前記養生液をコンクリート表面に塗布する塗布工程と、を有するコンクリートの養生方法において、
前記植物油は、バイオディーゼル燃料としての脂肪酸メチルエステル製造用の大豆油を用い、
前記乳化剤は、バイオディーゼル燃料用の前記大豆油の製造時に分離したリン脂質から抽出したレシチンと、前記大豆油からバイオディーゼル燃料を製造する際の副産物であるグリセリンをエステル化したグリセリン脂肪酸エステルと、バイオディーゼル燃料の製造過程で取得された脂肪酸にソルビタンを添加して製造したソルビタン脂肪酸エステルと、を有することを特徴とするコンクリートの養生方法。
【請求項2】
養生液中の養生剤の濃度が45vol%~75vol%であることを特徴とする請求項1記載のコンクリートの養生方法。
【請求項3】
養生剤をバイオディーゼル燃料を製造するプラントにて作製することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリートの養生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然由来の安全性の高い養生剤を用いたコンクリートの養生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートやモルタル等の水硬性材料は、養生時に表面から水分が蒸発すると水和反応が適切に行われずヒビ割れや強度低下の原因となる。これらを防止する手法の一つとして、例えば下記[特許文献1]に示すように、コンクリート表面を養生シートで覆うことが挙げられる。しかしながら、コンクリートの建造物が複雑な形状を呈していたり、表面に凹凸が存在する場合、これらのコンクリート表面に養生シートを密着させて覆うことは極めて困難である。また使用後の養生シートは基本的に廃棄となるため、廃棄物の削減や環境負荷の観点からも好ましいものではない。
【0003】
また、養生時の水分蒸発を防ぐもう一つの手法として、コンクリート表面に養生剤を塗布して被膜を形成し、この被膜により水分蒸発を防止することが挙げられる。この養生剤を塗布する手法では廃棄物が発生しない他、複雑な形状のコンクリート表面に対しても被膜の形成を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-210759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的な養生剤は石油系の鉱物油や有機溶剤を含むため塗布時に薬品臭が発生する他、人の吸引や皮膚への付着等による健康被害が懸念される。さらに、屋外散布では周辺の動植物へ悪影響を及ぼす可能性が有ることに加え、堤防や護岸、橋梁、港湾等の水際での散布では養生剤が河川や湖沼、海洋等に流出して環境被害を引き起こす可能性がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、自然由来の安全性の高い養生剤を用いたコンクリートの養生方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1)植物油と植物由来の乳化剤とで主に構成された養生剤を取得する養生剤取得工程S100と、前記養生剤を所定の濃度に希釈して養生液を調製する希釈工程S102と、前記養生液を攪拌してエマルジョン化する攪拌工程S104と、エマルジョン化した前記養生液をコンクリート表面に塗布する塗布工程S106と、を有するコンクリートの養生方法において、
前記植物油は、バイオディーゼル燃料としての脂肪酸メチルエステル製造用の大豆油を用い、
前記乳化剤は、バイオディーゼル燃料用の前記大豆油の製造時に分離したリン脂質から抽出したレシチンと、前記大豆油からバイオディーゼル燃料を製造する際の副産物であるグリセリンをエステル化したグリセリン脂肪酸エステルと、バイオディーゼル燃料の製造過程で取得された脂肪酸にソルビタンを添加して製造したソルビタン脂肪酸エステルと、を有することを特徴とするコンクリートの養生方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)養生液中の養生剤の濃度が45vol%~75vol%であることを特徴とする上記(1)記載のコンクリートの養生方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)養生剤をバイオディーゼル燃料を製造するプラントにて作製することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載のコンクリートの養生方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に用いる養生剤は植物油を主成分とし、またその他の成分も植物由来のものを用いる。このため、この養生剤を用いた本発明に係るコンクリートの養生方法は、塗布時や散布時に不快な薬品臭がせず、周辺住民への抵抗感を軽減することができる。また、毒性が無いため作業時の防護措置も不要となり作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、動植物への悪影響も低く、仮に河川や海洋等に流出したとしても環境被害を小さく抑えることができる。また、生分解性に優れるため環境に対する負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るコンクリートの養生方法を示すフローチャートである。
図2】養生剤の濃度と圧縮強度の関係を示すグラフである。
図3】養生剤の濃度と中性化深さの関係を示すグラフである。
図4】養生剤の濃度と透気係数の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るコンクリートの養生方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、本発明に係るコンクリートの養生方法はコンクリートのみならず、モルタル等の水硬性材料全般を適用範囲とする。先ず初めに、本発明に用いる養生剤に関して説明を行う。本発明に用いる養生剤は全体の70wt%~80wt%を植物油で構成し、残りの20wt%~30wt%を主に植物由来の乳化剤及び脂肪酸とで構成する。従って、自然由来の原材料成分が全体の95%~99%を占める。
【0011】
この養生剤に用いる植物油としては、バイオディーゼル燃料の原料とし使用され、一般的な植物由来の乳化剤である大豆レシチンを同時に取得可能な大豆油を用いる。
【0012】
また、養生剤を構成する乳化剤は、前述のように植物由来のものを用いる。尚、養生剤を構成する植物油と乳化剤とは同一の植物から製造する。この乳化剤の具体例としては植物由来のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、これらを混合して用いることが好ましい。尚、植物油でバイオディーゼル燃料を製造する場合、副産物としてグリセリンが生成される。よって、乳化剤としてのグリセリン脂肪酸エステルはバイオディーゼル燃料製造時の副産物であるグリセリンを用いて製造したものを使用する。
【0013】
次に、養生剤の製造方法を説明する。尚、ここでは大豆を原料として、バイオディーゼル燃料を製造する際の製品の一つとして養生剤を製造する例を説明する。
【0014】
先ず、大豆を収穫し夾雑物を除去した後、フレーク状に圧扁する。次に、周知の抽出法を用いて、この圧扁した大豆中に溶剤(例えば、n-ヘキサン)を添加して、この溶剤中に大豆の油分を溶かし抽出する。次に、加熱により溶剤成分を蒸発除去して粗油とする。次に、この粗油に温水を加えリン脂質(ガム物質)を水和させた後、遠心分離機により分離する。尚、分離したリン脂質からはレシチン(アセトン不溶性リン脂質)を抽出する。そして、このレシチンの一部を養生剤を構成する乳化剤の一つとして用いる。次に、リン脂質の除去された粗油に対し、周知の脱酸等を行って遊離脂肪酸を除去し大豆油(原油)を製造する。そして、製造された大豆油の一部を養生剤を構成する植物油として用いる。
【0015】
また、製造された大豆油には例えば水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒とメタノールとが添加される。これにより、大豆油はエステル変換し、バイオディーゼル燃料としてのFAME(脂肪酸メチルエステル)とグリセリン及びアルカリ石鹸となる。次に、遠心分離等の周知の手法によりグリセリン及びアルカリ石鹸が分離され、バイオディーゼル燃料FAMEが完成する。また、分離したグリセリンの一部はエステル化されグリセリン脂肪酸エステルが生成される。そして、このグリセリン脂肪酸エステルの一部を養生剤の乳化剤の一つとして用いる。
【0016】
また、大豆油の分解もしくはFAMEの製造過程で取得された脂肪酸の一部にはソルビタンが添加され周知の手法にてソルビタン脂肪酸エステルが生成される。そして、このソルビタン脂肪酸エステルの一部を養生剤の乳化剤の一つとして用いる。
【0017】
そして、上記の方法にて取得された大豆油を70wt%~80wt%、乳化剤としてのソルビタン脂肪酸エステルを4wt%~12wt%、グリセリン脂肪酸エステルを3wt%~8wt%、レシチンを2wt%~7wt%、脂肪酸その他を3wt%~8wt%配合し所定の条件下で混合する事で養生剤を取得する。
【0018】
このように、養生剤をバイオディーゼル燃料を製造するプラントにて作製することで、養生剤の原材料のほとんどをプラント内で取得することが可能となり、養生剤の材料コストを低く抑えることができる。さらに、グリセリン脂肪酸エステルを製造する際のグリセリンはバイオディーゼル燃料製造時の副産物が利用可能であり、またレシチンは大豆油製造時の副産物が利用可能である。このため、養生剤の材料コストをさらに低く抑えることができる。
【0019】
次に、本発明に係るコンクリートの養生方法に関して説明を行う、ここで、図1は本発明に係るコンクリートの養生方法のフローチャートである。先ず上記の例のようにして作製された養生剤を取得する(養生剤取得工程S100)。尚、本発明の養生剤は植物油を主成分としているため動植物油類に属し、従来の鉱物油を主成分とした養生剤と比較して保管時及び使用時の防火上の規制が緩い。
【0020】
また、これと並行してコンクリートの打設を行う。次に、型枠を用いている場合にはコンクリートがある程度硬化したところで脱枠を行う。次に、養生剤を水(水道水が好ましい)で所定の濃度に希釈して養生液を作製する(希釈工程S102)。尚、養生剤の濃度は45vol%~75vol%が好ましく、45vol%~60vol%が特に好ましい。
【0021】
次に、この養生液を攪拌してエマルジョン化(乳濁化)する(攪拌工程S104)。尚、養生剤と水とは攪拌から数日間はエマルジョン化を維持するが、その後、徐々に分離する。よって、希釈工程S102、攪拌工程S104は塗布時に行う事が好ましい。
【0022】
次に、エマルジョン化した養生液をコンクリート表面に塗布する(塗布工程S106)。塗布方法としては噴霧器によるスプレー噴霧が好ましいが、ハケやローラにて塗布しても良い。また、噴霧とハケやローラとを併用しても良い。この塗布の際、本発明の養生剤は植物油を主成分としているため、従来の鉱物油を主成分とした養生剤のような薬品臭がせず、また皮膚に付着しても無害なためゴーグルやマスク、手袋等の防護措置が必要ない。これにより、周辺住民への配慮や作業者の負担を軽減することができる。尚、塗布が完了すると養生液中の水分は比較的速やかに蒸発し、コンクリート表面は養生剤の被膜により覆われる。これにより、コンクリート内の水分の蒸発は妨げられ、水和反応が適切に進行し強固なコンクリートが形成される。
【0023】
ここで、本発明に用いる養生剤の濃度と効果に関して説明を行う。先ず、試験試料としてレディーミクスコンクリート(27N‐12‐20BB)を所定の寸法の型枠に打設し、常温で3日間硬化した。尚、試験試料の寸法は圧縮試験用の試料がφ100mm×H200mm、中性化促進試験用の試料が100mm×400mm×H100mm、透気試験用の試料が300mm×300mm×H200mmとした。次に、養生剤の濃度を0vol%(養生剤無し)、33vol%、50vol%、75vol%、100vol%(希釈無し)と変化させ、これらを攪拌してエマルジョン化し養生液とした。そして、この養生液を上記の試験試料の表面に塗布した。養生液の塗布方法は噴霧した後にハケによって均すことで行った。また、従来の鉱物油を主成分とした養生剤(株式会社ノックス製:コンクリックエース(登録商標))も比較として試験試料に同様に塗布した。次に、これらの試験試料を28日間常温にて放置し養生を行った。
【0024】
そして、28日後の圧縮試験用試料の圧縮強度を株式会社マルイ製:コンクリート全自動圧縮試験機 MIE-732-1-020を用いてJIS A 1108に準拠して測定した。その結果を図2に示す。尚、図2図4中の破線は従来の鉱物油を主成分とした養生剤の塗布試料の結果を示している。この図2の圧縮強度のグラフから養生剤濃度が33vol%の試料は養生剤なしの試料と比較して圧縮強度に大きな向上効果は認められなかったのに対し、養生剤濃度が50vol%以上の試料では養生剤なしの試料と比較して圧縮強度に4.2%~6.3%の向上効果が認められた。尚、鉱物油を主成分とした養生剤を塗布した試料の圧縮強度は30.0N/mmであり、概ね養生剤濃度45vol%以上で鉱物油系の養生剤と同等の圧縮強度を得られることが判った。
【0025】
また、28日後の中性化促進試験用の試料を温度20±2℃、相対湿度60±5%、二酸化炭素濃度5±0.2%の条件下で28日間中性化促進を行い、その中性化深さの測定をJIS A 1153に準拠して行った。その結果を図3に示す。この図3のグラフから養生剤濃度が33vol%の試料は養生剤なしの試料と比較して中性化深さに大きな差は認められなかったのに対し、養生剤濃度が50vol%以上の試料では養生剤の濃度が高くなるにつれ中性化深さの減少が認められた。尚、鉱物油を主成分とした養生剤のものの中性化深さは8.4mmであり、概ね養生剤濃度45vol%以上で鉱物油系の養生剤よりも小さい中性化深さを得られることが判った。
【0026】
また、28日後の透気試験用の試料の透気係数KT値をトレント法による透気試験により測定した。測定はエフティーエス株式会社製:透気試験機パーマトールを用いて行った。その結果を図4に示す。この図4のグラフから透気係数KT値は養生剤の濃度が高くなるにつれ減少し、養生剤濃度が45vol%以上でほぼ平衡状態となった。そして、透気係数KT値の指標を1.0×10-16(m)以下とした場合、概ね養生剤濃度38vol%以上でこの指標を満たした。尚、鉱物油を主成分とした養生剤の試料の透気係数KT値は1.83×10-16(m)と養生剤なしの試料に近い値に留まった。
【0027】
これらのことから、養生剤の濃度は45vol%以上で鉱物油系の養生剤と同等、もしくはそれ以上の高い養生効果を示すことが判る。特に、透気係数KT値に関しては鉱物油系の養生剤よりも優れた養生効果を示した。また、中性化深さは養生剤濃度の上昇に伴い低下するものの、圧縮強度と透気係数に関しては養生剤濃度が50vol%以上ではほぼ平衡状態となった。ここで、養生剤の濃度が高すぎると粘度が上昇して散布性が劣ることに加え薬剤コストが増加する。よって、これらのことから養生剤の濃度は45vol%~75vol%が好ましく、45vol%~60vol%が特に好ましいと言える。
【0028】
次に、以下のようにして養生剤の魚類に対する短期的影響を評価した。先ず、養生剤を脱塩素後の水道水に100mg/Lの濃度で添加し、48時間攪拌後、1時間静置し、その水性画分(WAF:Water-accommodated fraction)を採取し、試験水とした。この試験水4Lを水温24℃±1℃に維持し、試験生物としてのヒメダカを10匹投入し、24時間、48時間、72時間、96時間後の死亡率を評価した。尚、試験期間中は無給餌、通気無しとした。この結果、96時間経過後にて試験生物の死亡及び異常な外観、行動は認められなかった。このことから、本発明に用いる養生剤及びこれを希釈した養生液の毒性は低く、河川や海洋等に流出しても環境被害は小さいことが判る。
【0029】
以上のように、本発明に用いる養生剤は植物油を主成分とし、またその他の成分も植物由来のものを用いる。このため、この養生剤を用いた本発明に係るコンクリートの養生方法は、塗布時や散布時に不快な薬品臭がせず、周辺住民への抵抗感を軽減することができる。また、毒性が無いため作業時の防護措置も不要となり作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、動植物への悪影響も低く、仮に河川や海洋等に流出したとしても環境被害を小さく抑えることができる。また、生分解性に優れるため環境に対する負荷を低減することができる。
【0030】
また、本発明に用いる養生剤をバイオディーゼル燃料を製造するプラントにて作製することで、養生剤の原材料のほとんどをプラント内で取得することが可能となり、養生剤の材料コストを低く抑えることができる。特に、養生剤の乳化剤として好適なグリセリン脂肪酸エステルを、バイオディーゼル燃料製造時の副産物のグリセリンを用いて生成することで、材料コストをさらに低く抑えることができる。
【0031】
尚、本例で示したコンクリートの養生方法の各工程、養生剤の製造方法、配合比等は一例であるから、これに限定されるものではなく、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
S100 養生剤取得工程
S102 希釈工程
S104 攪拌工程
S106 塗布工程
図1
図2
図3
図4