(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】コンベックス用フック
(51)【国際特許分類】
G01B 3/1071 20200101AFI20220603BHJP
【FI】
G01B3/1071
(21)【出願番号】P 2018150602
(22)【出願日】2018-08-09
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】592069263
【氏名又は名称】株式会社清水製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴雄
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0302845(US,A1)
【文献】実公平04-054478(JP,Y2)
【文献】特開平09-229602(JP,A)
【文献】特開2009-058269(JP,A)
【文献】特開2018-084538(JP,A)
【文献】特開2006-250887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/1071
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に板バネ製のベルトクリップを備えたコンベックスに対して着脱可能に取り付けられるコンベックス用フックであって、
全体が平坦に形成された本体から成ると共に、前記本体の長手方向の一端にフック部を、また他端に係合部を備えており、
前記係合部が、前記他端の外周の内側に備えられた係合孔と、前記係合孔を横方向に横切る挟持部と、から構成されており、
前記コンベックスのベルトクリップが前記係合孔内に挿入され、且つ前記挟持部を挟持することにより、前記本体が前記コンベックスの側面に対して固定保持されることを特徴とする、コンベックス用フック。
【請求項2】
前記フック部が、一側に開放部を備えたフック本体と、前記開放部を閉じるよう内側に揺動可能に支持され且つ外側に向かって付勢されて閉鎖位置で前記開放部を閉鎖するゲートバーと、から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンベックス用フック。
【請求項3】
前記挟持部が、前記他端に向かって肉薄になるように傾斜して形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のコンベックス用フック。
【請求項4】
前記挟持部が、複数種類の幅の異なるベルトクリップに対応して、横方向に関して両側から内側に向かって段階的に薄くなるように形成された少なくとも一組の段部を備えていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のコンベックス用フック。
【請求項5】
前記本体が、ガラス繊維強化樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のコンベックス用フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベックスに着脱可能に取り付けられるコンベックス用フックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば建築現場や測量業務の現場では、作業用の巻き尺として、所謂コンベックスが広く使用されている。
このようなコンベックスは、作業現場で頻繁に利用することが多いことから、作業員の腰袋や作業服のポケットに収容され、作業員は、コンベックス使用時に、腰袋やポケットからコンベックスを取り出して使用している。
【0003】
ところで、このような腰袋やポケットには、他の工具等も収容されていることから、作業者は、腰袋やポケット内を手さぐりでコンベックスを探し出して、取り出すようにしている。
このため、コンベックスを取り出すために時間がかかってしまうと共に、コンベックスを取り出す際に、他の工具がコンベックスと一緒に取り出されてしまうことがある。
【0004】
これに対して、コンベックスの本体側面にバネ製のベルトクリップを備えたコンベックスも市販されている。
ベルトクリップ付きコンベックスは、不使用時には、作業員は、このベルトクリップを、自分の作業服の腰ベルトに差し込むことにより、コンベックスを携帯することができる。
【0005】
しかしながら、このようなベルトクリップにより作業員の腰ベルトに差し込む方式では、ベルトクリップが腰ベルトから外れて、コンベックスが落下してしまうおそれがある。
【0006】
また、コンベックス自体に、上述した作業員の腰ベルトにワンタッチで固定することができる取付器具を備えつけて、不使用時に、コンベックスを腰ベルトにワンタッチで取り付けるようにした取付器具付きのコンベックスも市販されている。
【0007】
このような取付器具は、市販のコンベックス自体に付属品として備えられているもので、取付器具のみ別売されないことが多く、またコンベックスのメーカー毎に仕様が異なることから、他社製のコンベックスに装着することができなかった。このため、コンベックスが故障したり破損した場合、コンベックスを買い換えると、元のコンベックスに付属していた取付器具を利用することができず、また取付器具付きのコンベックスを購入する必要があった。
さらに、取付器具自体が故障したり破損した場合には、取付器具のみを購入することができず、コンベックスも新たに購入しなければならないこともあった。
【0008】
また、特許文献1に示すように、コンベックスのカンチレバークリップ(ベルトクリップに相当)にカラビナが固定されたコンベックスも市販されている。
このコンベックスによれば、カラビナを作業員の腰ベルト等に容易に且つ確実に着脱可能に取り付けることができる。
しかしながら、このようなカラビナを備えたコンベックスにおいては、カラビナ自体は、コンベックスの本体に固定されており、カラビナを他の(特に他社の)コンベックスに取り付けることは困難である。
【0009】
これに対して、特許文献2には、コンベックス本体と、コンベックス本体に取り付けられたベルトクリップ(爪部)に着脱可能に環形状のハンガーと、から構成されている。
このコンベックスによれば、市販のベルトクリップ付きコンベックスに対して、ハンガーを取り付けることにより、容易に且つ低コストで構成され得ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特表2018-509588号公報
【文献】実用新案登録第3152684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2によるコンベックスにおいては、ハンガーが環形状に形成されており、開口部を備えていないことから、このハンガーを吊り下げる相手方のツールフックは、開放可能な例えばカラビナ状のツールフックに限定されてしまう。
【0012】
さらに、特許文献2によるコンベックスにおいては、ハンガーのベルトクリップ側の部分が、ベルトクリップの幅より僅かに長い直線部を備えることによって、ベルトクリップに対して横方向にずれないようになっているが、種々のメーカーから市販されているコンベックスにおいては、ベルトクリップの幅も多様であり、前述したハンガーの直線部の長さがベルトクリップの幅に対して大きい場合には、ハンガーが横方向に動いてしまい、ガタツキが生ずると共に、ハンガーの直線部の長さがベルトクリップより小さい場合には、ハンガーをベルトクリップに取り付けることができなくなってしまう。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑み、種々のベルトクリップ付きコンベックスに着脱可能に装着することができるようにしたコンベックス用フックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、本発明の構成によれば、側面に板バネ製のベルトクリップを備えたコンベックスに対して着脱可能に取り付けられるコンベックス用フックであって、全体が平坦に形成された本体から成ると共に、本体の長手方向の一端にフック部を、また他端に係合部を備えており、フック部が、一側に開放部を備えたフック本体と、開放部を閉じるよう内側に揺動可能に支持され且つ外側に向かって付勢されて閉鎖位置で開放部を閉鎖するゲートバーと、から構成されていて、係合部が、他端の外周の内側に備えられた係合孔と、係合孔を横方向に横切る挟持部と、から構成されており、コンベックスのベルトクリップが係合孔内に挿入され、且つ挟持部を挟持することにより、本体がコンベックスの側面に対して固定保持されることを特徴とする、コンベックス用フックにより、達成される。
【0015】
上記構成によれば、本体をコンベックスのベルトクリップが取り付けられた側面に合わせて、係合部内にベルトクリップを挿入し、ベルトクリップの開口部内に挟持部を嵌入させ、挟持部をベルトクリップの開口部内に押し込むことにより、挟持部がベルトクリップにより挟持され、固定保持され得る。
【0016】
これにより、コンベックス用フックは、ベルトクリップに対してガタツキなしに固定保持されることになる。
この状態から、本コンベックス用フックの一端に備えられたフック部が、例えば作業員の腰ベルト等の取付金具に対して、コンベックスが容易に作業員の腰ベルト等の取付金具に着脱可能に取り付けられ得る。
【0017】
そして、作業員の腰ベルト等の取付金具にフック部が装着された状態において、コンベックス本体は、腰ベルト等の取付金具から吊り下げられることになる。従って、作業員の移動の際に、コンベックス本体が何らかの物に当たったとしても、コンベックス本体は、フック部を中心として揺動することになり、コンベックス本体に対する衝撃が和らげられるので、コンベックス本体の破損が低減されることになる。
【0018】
また、本コンベックス用フックをコンベックスのベルトクリップから取り外す場合には、挟持部がベルトクリップの開口部から脱出するように、本体をベルトクリップそしてコンベックスに対して押動することにより、挟持部がベルトクリップの挟持力に抗して、その開口部から外れ、係合孔からコンベックスのベルトクリップを離脱させることにより、本コンベックス用フックがコンベックスのベルトクリップから容易に取り外され得る。
【0019】
このようにして、本コンベックス用フックは、ベルトクリップ付きコンベックスであれば、何れのメーカーのものであっても、そのベルトクリップに対して着脱可能に取り付けることができる。
【0020】
本発明によるコンベックス用フックは、好ましくは、フック部が、一側に開放部を備えたフック本体と、開放部を閉じるよう内側に揺動可能に支持され且つ外側に向かって付勢されて閉鎖位置で開放部を閉鎖するゲートバーと、から構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、本コンベックス用フックの一端に備えられたフック部が、例えば作業員の腰ベルト等の取付金具に対して、ゲートバーを開きながら装着することにより、コンベックスが容易に作業員の腰ベルト等の取付金具に着脱可能に取り付けられ得る。
【0021】
本発明によるコンベックス用フックは、好ましくは、挟持部が、前記他端に向かって肉薄になるように傾斜して形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、本コンベックス用フックをコンベックスのベルトクリップに装着した状態において、挟持部の傾斜した部分が、ベルトクリップの内面に当接することになり、この当接によって、挟持部がベルトクリップに対してガタツキなく確実に保持され得ることになる。
【0022】
本発明によるコンベックス用フックは、好ましくは、挟持部が、複数種類の幅の異なるベルトクリップに対応して、横方向に関して両側から内側に向かって段階的に薄くなるように形成された少なくとも一組の段部を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、挟持部がコンベックスのベルトクリップを挟持する際に、ベルトクリップが、横方向に関して係合孔の内縁または何れかの段部により挟持されることによって、ベルトクリップが横方向に確実に保持され得るので、本コンベックス用フックがコンベックスのベルトクリップに対して横方向のガタツキが低減され得ることになる。
【0023】
本発明によるコンベックス用フックは、好ましくは、ガラス繊維強化樹脂から構成されていることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、本コンベックス用フックが非常に軽量に且つ強靱に構成されるので、比較的重いコンベックス本体であっても、その重さに耐えることが可能であると共に、コンベックス本体に対して本コンベックス用フックを取り付けた状態において、その追加重量は僅かである。
【発明の効果】
【0025】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、コンベックスにガタツキなしに取り付けることが出来るので、恰もコンベックス自体に開閉可能なフックが付随しているかのように使うことが出来る。これにより今まで引っ掛けることが出来なかったベルトループや腰ベルトのD環やループ、環状になった工具フック(工具差し)、等、環状になったものならどこにでも引っ掛けて持ち運ぶことが出来る。また、取り外しが簡単で使いたいときにすぐ使用することが出来る。このような特徴を市販のベルトクリップ付きコンベックスのほとんどすべてに提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるコンベックス用フックの一実施形態の構成を示す正面図である。
【
図2】
図1のコンベックス用フックを示す右側面図である。
【
図3】
図1のコンベックス用フックを示す平面図である。
【
図4】
図1のコンベックス用フックを示す背面図である。
【
図5】
図1のコンベックス用フックを示す左側面図である。
【
図6】
図1のコンベックス用フックを示す一部破断左側面図である。
【
図7】
図1のコンベックス用フックの各種コンベックスに取り付けられた幅の異なる大型,中型及び小型のベルトクリップの係合状態を示す正面図である。
【
図8】本発明によるコンベックス用フックをコンベックスに取り付けた状態を示す図である。
【
図9】本発明によるコンベックス用フックを作業員の腰ベルトに備えられたD環等の円環状取付金具に通した状態を示す図である。
【
図10】本発明によるコンベックス用フックの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1~
図5は、本発明によるコンベックス用フックの一実施形態の構成を示している。
図1~
図5において、コンベックス用フック10は、全体が平坦に且つ長手方向(
図1にて上下方向)に延びるように形成されたた本体11と、本体11の一端11a(
図1にて上端)に備えられたフック部20と、他端11b(
図1にて下端)に備えられた係合部30と、から構成されている。
【0028】
フック部20は、本体11の外周縁に沿うように環状に形成されたフック本体21と、このフック本体21の一側(
図1にて右側)に設けられた開放部22と、開放部22を閉じるように内側に揺動可能に支持されたゲートバー23と、から構成されている。
フック本体21は、例えばガラス繊維強化樹脂から成形されており、強靱且つ軽量に構成されている。
ゲートバー23は、開放部22の下側で、
図1にて矢印Aで示すように、内側に向かって揺動可能に支持されている。
【0029】
具体的には、ゲートバー23は、例えばバネ性を有する一本の細長い棒状材料から成り、
図1及び
図2に示すように、中央部23aから同じ方向に延びるように屈曲され、その両端23a,23bが互いに内側に向くようにほぼ直角に折り曲げられて、本体11の両面からそれぞれ貫通孔11c及び11dに挿通されている。
ここで、二つの貫通孔11c及び11dは、互いに長手方向に離反して且つ一方の貫通孔11cが他方の貫通孔11dに対して、
図1にて上方に且つ僅かに内側にずれた位置に設けられている。
【0030】
これにより、ゲートバー23は、図示の閉鎖位置から、矢印A方向に揺動可能であると共に、矢印Aとは逆方向に弾性が作用して、閉鎖位置に向かって付勢されている。
【0031】
なお、本体11は、
図1にてゲートバー23とは反対側の側縁に、凹部11eを備えており、作業者がゲートバー23を内側に向かって例えば親指で押動する際に、人指し指等を凹部11e内に位置させることにより、安定した状態でゲートバー23を開放することができるようになっている。
【0032】
このようにして、フック部20は、一般的なゲートバー式のフックと同様に構成されており、ゲートバー23を開いて、例えばD環等の円環状または環状の部分に通した状態で、ゲートバー23から手を離すことにより、ゲートバー23が開放部22を閉鎖して、フック部20そしてコンベックス用フック10が、吊り下げられ得る。
【0033】
係合部30は、本体11の他端11b側にて、本体11の外周縁を枠とする係合孔31と、係合孔31を横方向(
図1にて左右方向)に横切るように形成された挟持部32と、から構成されている。
これにより、係合孔31は、挟持部32により、二つの係合孔31a及び31bに分割されている。
係合孔31aは、フック部20寄りの一端11a側(
図1にて上側)に位置し、また係合孔31bは、他端11b側(
図1にて下側)に位置している。
【0034】
挟持部32は、断面がほぼ円形に形成されていると共に、横方向両側にて、二組の段部32a,32bを備えている。
ここで、挟持部32は、コンベックスに取り付けられたベルトクリップが通過し得る程度の(
図1にて紙面に垂直な方向、
図2にて左右方向の)厚さに選定されている。
【0035】
第一組の段部32aは、係合孔31bの両側縁から横方向内側に向かって所定距離d1だけ突出していると共に、挟持部32から本体11の他端11bに向かって徐々に肉薄になるように傾斜して形成されている。
また、第二組の段部32bは、第一組の段部32aから横方向内側に向かって所定距離d2だけ突出していると共に、挟持部32から本体11の他端11bに向かって徐々に肉薄になるように傾斜して形成されている。
【0036】
さらに、挟持部32は、第二組の段部32bの横方向内側にて、本体11の他端側11bに向かって徐々に先細になるように例えば紡錘形断面を備えている。
これら第一組の段部32a,第二組の段部32b及び挟持部32の下端は、それぞれ
図6に示すように、長手方向の距離が順次に短くなるように形成されている。
【0037】
ここで、係合部30の係合孔31b内において、係合孔31bの内壁,第一組の段部32a及び第二組の段部32bの間に画成される間隙D1,D2及びD3は、それぞれ一般的なベルトクリップ付きコンベックスにおけるベルトクリップの幅に対応して選定されている。
【0038】
即ち、間隙D1は、小型のベルトクリップの幅に対応しており、間隙D2は、中型のベルトクリップの幅に対応しており、間隙D3は、大型のベルトクリップの幅に対応している。
このようにして、三段階の間隙D1,D2及びD3を設定することによって、多様な大きさのベルトクリップに対応できるようになっている。
なお、第一組の段部32a及び第二組の段部32bは、
図1及び
図4に示すように、それぞれ挟持部32の反対側(本体11の一端11a側)にも回り込んで形成されている。
【0039】
本発明によるコンベックス用フック10は、以上のように構成されており、例えば中型の板バネ製ベルトクリップを備えたコンベックス40に対して装着する場合、まずコンベックス40のベルトクリップ41の先端を持ち上げる(コンベックス40の側面から離反させる)と共に、ベルトクリップ41の先端をコンベックス用フック10の係合部30の係合孔31aに、裏側(
図5の左方)から挿入して、ベルトクリップ41をコンベックス用フック10に対して相対的に長手方向の本体11の他端11b側に押動する。
【0040】
これにより、ベルトクリップ41の先端は、第二組の段部32bの斜面を摺動して、ベルトクリップ41の根元部分が挟持部32の本体11の一端11a側に当接して、
図6に示すように、ベルトクリップ41が挟持部32を表面及び裏面から挟持して保持する。
【0041】
この状態において、ベルトクリップ41は、
図7にて一点鎖線で示すように、その横方向の両側縁が、係合部32の第一の段部32aの内側面により挟持されることになり、三軸方向に関して挟持され、保持されるので、コンベックス用フック10は、ベルトクリップ付きコンベックス40に対してガタツキなく確実に保持され得る。
図8は、このコンベックス用フック10をコンベックス40に取り付けた状態を示す。
【0042】
このようにしてコンベックス用フック10が装着されたベルトクリップ付きコンベックス40は、コンベックス用フック10のフック部20が、例えば、
図9に示すように、作業員の腰ベルトに備えられたD環等の円環状取付金具に、通されることにより、容易に且つ着脱可能に作業員の腰ベルト等に吊り下げることが可能である。
【0043】
コンベックス用フック10をベルトクリップ付きコンベックス40から取り外す場合には、
図6及び
図7の状態から、ベルトクリップ41をコンベックス用フック10に対して相対的に本体11の一端11a側に押動する。
【0044】
これにより、ベルトクリップ41の両側縁は、第一組の段部32aの斜面に沿って摺動し、それに伴ってベルトクリップ41の先端が持ち上げられることにより、ベルトクリップ41の先端は、容易に挟持部32を越えて係合孔31a内に退避し、挟持部32から外れることになる。
【0045】
大型ベルトクリップ付きコンベックスの場合には、そのベルトクリップ41aは、同様に挟持部32を表面及び裏面から挟持すると共に、
図7に示すように、係合孔31b内にて、その内側面により挟持される。これにより、大型ベルトクリップの場合にも、横方向に関してガタツキが低減されることになる。
【0046】
これに対して、小型ベルトクリップ付きコンベックスの場合には、そのベルトクリップ41bは、同様に挟持部32を表面及び裏面から挟持すると共に、
図7に示すように、係合孔31b内にて、第二組の段部32bの内側面により挟持される。これにより、小型ベルトクリップの場合にも、横方向に関してガタツキが低減されることに成る。
【0047】
なお、
図10に、上記した本発明の実施形態に係るコンベックス用フックの全体構成が明確になるように六面図を示した。即ち、
図10(a)は、コンベックス用フックの平面図であり、
図10(b)は、コンベックス用フックの正面図であり、
図10(c)は、コンベックス用フックの底面図であり、
図10(d)は、コンベックス用フックの左側面図であり、
図10(e)は、コンベックス用フックの右側面図である。
図10(f)は、コンベックス用フックの背面図である。
【0048】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、本体11に凹部11eが備えられているが、これに限らず、凹部11eは省略されてもよい。
また、上述した実施形態においては、フック部20は、このような構成に限定されることなく、例えばカラビナ状のフック部として構成されていてもよいことは明らかである。
【符号の説明】
【0049】
10 コンベックス用フック
11 本体
11a 一端
11b 他端
11c,11d 貫通孔
11e 凹部
20 フック部
21 フック本体
22 開口部
23 ゲートバー
30 係合部
31,31a,31b 係合孔
32 挟持部
32a 第一組の段部
32b 第二組の段部