(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】横型ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/384 20060101AFI20220603BHJP
E06B 9/386 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
E06B9/384
E06B9/386
(21)【出願番号】P 2017248344
(22)【出願日】2017-12-25
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 陽一
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-42797(JP,U)
【文献】特開2011-252265(JP,A)
【文献】実開昭56-162795(JP,U)
【文献】特開2016-180219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0127197(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004061988(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスから吊り下げられるラダーコードと、前記ラダーコードによって整列状態に支持される複数のスラットと、前記ラダーコードの下端が連結されるボトムレールと、を備えた横型ブラインドであって、
前記ラダーコードは、前記スラットの前後に垂下される縦コードと、前記前後の縦コードを連結する中段コードと、を有し、
前記前後の縦コードは、前記スラットの長手方向に対して左右にずれるように配置し、前記中段コードは、前記スラットの短手方向に対して斜めに前記スラットを支持し、
前記スラットには、前記ラダーコードのずれを防止するずれ防止部が備えられており、
前記ずれ防止部は、前記スラットの前後の側縁のうち少なくとも一方に形成され
、前記中段コードよりも大きい幅で前記スラットの側縁まで連続して形成されている切欠部であり、
前記切欠部は、前記切欠部に挿通された前記中段コードの短手方向の移動を規制しないことを特徴とする、横型ブラインド。
【請求項2】
前記中段コードは一対の上下コードを備え、前記上下コードにより交叉部分が形成されており、
前記上下コード間に前記スラットが挿入され、前記交叉部分に前記スラット
の側縁を接触させたうえで、前記上下コードで前記スラットを挟んで支持することを特徴とする、請求項
1に記載の横型ブラインド。
【請求項3】
前記前後の縦コードの上端は、前記ヘッドボックスの挿通孔から導出されるときに前記ヘッドボックスに対して左右にずれるようにして垂下することを特徴とする、請求項
1又は2に記載の横型ブラインド。
【請求項4】
前記前後の縦コードの下端は、前記ボトムレールにラダーホルダによって連結されており、
前記ラダーホルダには、前記前後の縦コードを案内する案内溝が前記ボトムレールの短手方向に対して左右にずれるように形成されていることを特徴とする、請求項
1~3のいずれかに記載の横型ブラインド。
【請求項5】
前記スラットには、前記中段コードを前記スラットの短手方向に対して斜めに固定するためのスラットクリップが設けられていることを特徴とする、請求項
1~4のいずれかに記載の横型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の横型ブラインドとしては、特開2010-77682号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に開示される横型ブラインドは、スラットを全閉となる角度まで傾斜させると、スラットの凸面の縁部寄りの部分がラダーテープの垂直テープに接触して回転が阻害され、スラットが十分に傾斜しきれずに十分な遮蔽性が得られないことがあることから、ラダーテープの中段テープの少なくとも一方の縁部から中央寄りの所定位置に易折曲部を形成している。
【0003】
これによれば、スラットを全閉となる角度まで傾斜させると、スラットの縁部が易折曲部を折り曲げながら傾斜するため、スラットが中段テープのほぼ中央位置に位置したまま傾斜する。よって、スラットの傾斜が垂直テープによって妨げられ難くなり、スラットがより垂直に近い姿勢をとり易くなって遮蔽性が向上するという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ラダーテープの中段テープに易折曲部を形成するためには、予め中段テープの所定位置に折癖を加工する必要があり、ラダーテープの製造工程において易折曲部を形成しなければならないため、ラダーテープ製造装置を改良する必要があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ラダーテープに特別な加工を施していない一般的なラダーコードを使用してもスラットの傾斜角度を大きくすることができる横型ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によればヘッドボックスから吊り下げられるラダーコードと、前記ラダーコードによって整列状態に支持される複数のスラットと、前記ラダーコードの下端が連結されるボトムレールと、を備えたブラインドであって、前記ラダーコードは、前記スラットの前後に垂下される縦コードと、前記前後の縦コードを連結する中段コードと、を有し、前記前後の縦コードは、前記スラットの長手方向に対して左右にずれるように配置し、前記中段コードは、前記スラットの短手方向に対して斜めに前記スラットを支持することを特徴とする、横型ブラインドが提供される。
【0008】
本願構成によれば、前後の縦コードを左右にずらして中段コードをスラットの短手方向に対して斜めに配置することにより、中段コードに易折曲部がない一般的なラダーコードを使用しながら、スラットの全閉時または逆全閉時において、縦コードの位置をずらさないときと比べてスラットに対する中段コードの傾斜角度がより垂直方向に近づき、前後の縦コード同士が近づいてスラットの傾斜角度を大きくすることができることから、遮蔽性を向上できる。
【0009】
また、中段コードがスラットの短手方向に対して斜めにスラットを支持するため、例えばスラットの昇降時において、スラットの端部が障害物に引っかかってしまっても、中段コードからスラットにかかる応力が分散され、スラットの折れ曲がりを防止することができる。
【0010】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は適宜組み合わせることが可能である。
例えば、前記スラットには、前記ラダーコードのずれを防止するずれ防止部が備えられているようにしてもよい。これによれば、ずれ防止部により前後の縦コードが横ずれして中段コードがスラットに対して直交に配置されるのを防止することができる。
【0011】
また、前記ずれ防止部は、スラットの前後の側縁のうち少なくとも一方に形成されるとともに、前記縦コード又は前記中段コードが挿通する切欠部としてもよい。これによれば、縦コードあるいは中段コードを切欠部に挿通させることにより、例えばスラット昇降時において、縦コードあるいは中段コードが切欠部で規制されるために前後の縦コードが横ずれして中段コードがスラットに対して直交に配置されるのを防止することができる。
【0012】
また、前記中段コードは一対の上下コードを備え、前記上下コードにより交叉部分が形成されており、前記上下コード間に前記スラットが挿入され、前記交叉部分に前記スラット側縁を接触させたうえで、前記上下コードで前記スラットを挟んで支持するようにしてもよい。これによれば、交叉部分がスラット短手方向に斜めに配置されるため、例えば、スラットの側縁に切欠部が無い場合において、上下コードの間にスラットを挿入させるための位置合わせが容易になり組立性が向上できる。また、スラットの側縁に切欠部を有したときにおいて、スラットを上下で支持できる範囲を増やすことにより、スラットにかかる応力が分散され、切欠部からスラットが折れ曲がるのを防止することができる。
【0013】
また、前記前後の縦コードの上端は、前記ヘッドボックスの挿通孔から導出されるときに前記ヘッドボックスに対して左右にずれるようにして垂下するようにしてもよい。これによれば、縦コードはヘッドボックスの挿通孔から導出されるときからヘッドボックスに対して左右にずれているため、例えば部品点数の追加やスラットに追加の加工をすることなく、ラダーコードをスラットの短手方向に対して左右ずれるように配置することができる。
【0014】
また、前記前後の縦コードの下端は、前記ボトムレールにラダーホルダによって連結されており、前記ラダーホルダには、前記前後の縦コードを案内する案内溝が前記ボトムレールの短手方向に対して左右にずれるように形成されているようにしてもよい。これによれば、ラダーホルダに形成された案内溝に前後の縦コードを組付けることにより、前後の縦コードをボトムレールの短手方向に対して左右ずれるように容易に組立ができる。
【0015】
また、前記スラットには、前記中段コードを前記スラットの短手方向に対して斜めに固定するためのスラットクリップが設けられているようにしてもよい。これによれば、スラットクリップを設けることにより、例えば最上段のスラットまたはスラットの上下方向の途中位置にあるスラットに、中段コードをスラットの短手方向に対して斜めに配置させることができ、かつラダーコードの横ずれを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ラダーテープに特別な加工を施していない一般的なラダーコードを使用してもスラットの傾斜角度を大きくすることができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態の横型ブラインド100の全体構成を示す正面図である。
【
図2】ヘッドボックスから縦コードが導出される状態を説明するための図である。
【
図3】スラットに対するラダーコード及び昇降コードの配置の状態を説明するための図である。
【
図4】スラットにラダーコードをスラットクリップで連結する状態を説明するための図であり、(a)はスラットクリップの構成を説明するための図であり、(b)はスラットクリップの使用状態を説明するための図である。
【
図5】ボトムレールにラダーコードをラダーホルダで連結する状態を説明するための図であり、(a)はラダーホルダを説明するための図であり、(b)はラダーホルダの使用状態を説明するための図である。
【
図6】横型ブラインド100の動作を説明するための図であり、(a)はスラットが全閉状態の正面図であり、(b)はスラットが全閉状態の側面図及びそのときのラダーコード120のみを示す平面図であり、(c)は従来の横型ブラインドが全閉状態の側面図及びそのときのラダーコードのみを示す平面図である。
【
図7】横型ブラインド100の動作を説明するための図であり、(a)はスラットが水平状態の図であり、(b)はスラットが全閉状態の図であり、(c)はスラットが逆全閉状態の図である。
【
図8】スラットが全閉状態のときの横型ブラインド100の全体の状態を示す正面図である。
【
図9】第2の実施形態の横型ブラインドのラダーコード及び昇降コードの構成を説明するための図である。
【
図10】第3の実施形態の横型ブラインドのスラット、ラダーコード及び昇降コードの構成を説明するための図である。
【
図11】第4の実施形態の横型ブラインドのスラットの平面図である。
【
図12】第5の実施形態の横型ブラインドのスラットの平面図である。
【
図13】第6の実施形態の横型ブラインドのスラット630の平面図である。
【
図14】第7の実施形態の横型ブラインド700の全体構成を示す正面図である。
【
図15】スラットが全閉状態のときの横型ブラインド700の全体の状態を示す正面図である。
【
図16】第8の実施形態の横型ブラインド800の構成を説明するための図であり、(a)は全体構成を示す正面図であり、(b)はヘッドボックスから縦コード及び昇降コードが導出される状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る横型ブラインド100の全体構成について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る横型ブラインド100の全体構成を説明するための正面図である。
図2は、ヘッドボックス110から前後の縦コード122-1、122-2が導出される状態を説明するための図である。
図3は、スラット130に対するラダーコード120及び昇降コード150の配置の状態を説明するための図である。
【0020】
本実施形態の横型ブラインド100は、
図1に示したように、ヘッドボックス110から吊り下げられるラダーコード120と、ラダーコード120によって整列状態に支持される複数のスラット130と、ラダーコード120の下端が連結されるボトムレール140と、を備える。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0021】
(ヘッドボックス110)
ヘッドボックス110は、図示していない窓枠や天井等に固定される。ヘッドボックス110からは、
図1に示したように、複数のスラット130を整列状態に吊下げるラダーコード120とスラット130を昇降させる昇降コード150とが垂下している。
【0022】
また、ヘッドボックス110内には、ラダーコード120の上端を所定の長さだけ巻き取り及び巻き解き可能であるとともに、昇降コード150を巻取り及び巻解き可能な巻取ドラム112が配置されている。巻取ドラム112は、ドラム受け114によってヘッドボックス110に回転可能に支持されている。巻取ドラム112にはヘッドボックス110の長手方向ほぼ全長にわたって設けられる回転軸116が一体回転するように貫通している。回転軸116は、ヘッドボックス110一端に設けられる操作コード118によって回転が操作されて、巻取ドラム112にラダーコード120の前後の縦コード122-1、122-2、及び昇降コード150が巻き取り及び巻き解かれる。
【0023】
ヘッドボックス110及びドラム受け114の底部には、
図2に示したように、前後の縦コード122-1及び122-2を導出するための第1、第2挿通孔119a、119bが設けられている。第1挿通孔119aは、ヘッドボックス110の長手方向において、前後の縦コード122-1、122-2が巻取ドラム112に連結される位置を含む位置、すなわち、ドラム受け114の
図2中に右端部に設けられている。第2挿通孔119bは、ドラム受け114の長手方向ほぼ中央位置に設けられている。
【0024】
第1挿通孔119aには前の縦コード122-1と昇降コード150が挿通し、前の縦コード122-1と昇降コード150が互いに沿った状態で垂下する。一方、第2挿通孔119bには後の縦コード122-2が挿通して垂下する。このように、前後の縦コード122-1、122-2は、スラット130の長手方向に対して左右にずれるように配置されるようにヘッドボックス110から導出される。なお、前の縦コード122-1と昇降コード150とはそれぞれ別の挿通孔を挿通させるようにしてもよい。
【0025】
(ラダーコード120)
ラダーコード120は、複数のスラット130を整列状態に支持するものである。ラダーコード120は、
図1に示したように、ヘッドボックス110の長手方向の複数か所に配置され、前述のように、上端が巻取ドラム112にそれぞれ連結される。
【0026】
ラダーコード120は、上下方向に延びる前後の縦コード122-1、122-2と前後の縦コード122を連結する中段コード124によってはしご状に構成されている。前後の縦コード122-1、122-2は、スラット130の長手方向に対して左右にずれるように配置され、中段コード124は、スラット130の短手方向に対して斜めにスラット130を支持する(
図3参照)。このように配されるラダーコード120は、少なくともスラット130の両端に配されるラダーコード120であればよく、それ以外のラダーコードは、同様に配してもよいし、斜めの方向を異方向としてもよいし、前後の縦コードが、スラットの長手方向に対して左右にずれない通常のラダーコードと同様に配してもよい。
【0027】
前後の縦コード122-1、122-2は、スラット130の長手方向に対して左右にずれるように配置される。この構成について、
図2を参照しながら説明する。前の縦コード122-1は、巻取ドラム112に連結された位置でそのまま垂下して、ヘッドボックス110の第1挿通孔119aから導出される。一方、後の縦コード122-2は、巻取ドラム112に連結された位置からドラム受け114の底部まで垂下し、ドラム受け114の底部をドラム受け114の長手方向略中央位置まで配回され、第2挿通孔119bから導出される。
【0028】
このように、前後の縦コード122-1、122-2の上端は、ヘッドボックス110の第1、第2挿通孔119a、119bから導出されるときにヘッドボックス110に対して左右にずれるようにして垂下する。よって、前後の縦コード122-1、122-2は、スラット130の長手方向に対して、左右方向にずれるように配される。
【0029】
なお、ヘッドボックス110内のラダーコード120の設置方法は本実施形態の方法に限定されない。例えば、前後の縦コード122-1、122-2が巻取ドラム112と接続される位置を軸方向にずらすことによって、前後の縦コード122-1、122-2をスラット130の長手方向に対して左右方向にずれるように配してもよい。
【0030】
よって、中段コード124は、
図3に示したように、前の縦コード122-1側がスラット130の長手方向内側に、後の縦コード122-2側がスラット130の長手方向外側にそれぞれ位置するように、スラット130の短手方向に対して斜めに配置されてスラット130を支持する。また、中段コード124は、一対の上下コード124-1、124-2により交叉部分が形成されて構成されている。上下コード124-1、124-2の間にはスラット130が挿入される。上下コード124-1、124-2は、交叉部分にスラット130の側縁を接触させたうえで、スラット130を挟んで支持する。
【0031】
(スラット130)
複数のスラット130は、開口部を遮蔽したり開放したりするものである。複数のスラット130は、
図1に示したように、ラダーコード120によって整列状態に支持されており、ラダーコード120が傾動することによって回転する。スラット130には、
図3に示したように、前後の側縁に長手方向に対して左右にずれるように前後の切欠部132-1、132-2が設けられている。前の切欠部132-1には前の縦コード122-1、あるいは中段コード124が挿通し、後の切欠部132-2には後の縦コード122-2、あるいは中段コード124が挿通する。このため、前後の縦コード122-1、122-2及び中段コード124は、前後の切欠部132-1、132-2によってスラット130の短手方向に対して斜めに配置されるとともに位置ずれが防止される。
【0032】
複数のスラット130のうち、一部のスラット130の前の切欠部132-1には、
図3に示したように、さらに後述する昇降コード150も配置される。前の切欠部132-1に配置される昇降コード150は、前の縦コード122-1よりもスラット130寄りに配置され、一対の上下コード124-1、124-2の交叉部分を挿通している。
【0033】
ここで、スラット130の幅と、ラダーコード120の中段コード124の長さとの関係について説明する。一般にスラットは短手方向の幅が25mm、35mm、50mmのものが用いられる。このとき従来のように中段コードをスラットに対して直交に配置するときは、中段コードの長さは、スラットの幅よりも数mm長くなる。例えば、35mm幅のスラットに対応する中段コードの長さは約38mmであり、50mm幅のスラットに対応する中段コードの長さは約54mmである。
【0034】
本実施形態では、スラット130の幅が25mmであるときには、ラダーコード120として一つ幅の広い35mm幅のスラット用のものを用いることができる。また、スラット130の幅が35mmであるときには、ラダーコード120として一つ幅の広い50mm幅のスラット用のものを用いることができる。このようにして、既存のラダーコードを有効に利用することができる。
【0035】
このように、スラット130の幅が35mmであるときには、中段コード124の長さは54mmとすることができる。このとき、中段コード124の角度は、スラット130の短手方向に対して46°~50°程度斜めになる。また、スラット130の幅が25mmであるときには、中段コード124の長さは38mmとすることができる。このとき、中段コード124の角度は、スラット130の短手方向に対して44°~49°程度斜めになる。
【0036】
実験によれば、中段コード124の角度がスラット130の短手方向に対して30°程度以上斜めであると、スラット130の回転性や耐折れ曲がりに有効である。以上をまとめると、中段コード124の角度は、スラット130の短手方向に対して30°~50°程度斜めにすることが好ましい。
【0037】
(ボトムレール140)
ボトムレール140は、ラダーコード120及び昇降コード150に張力を与えるものである。ボトムレール140は、
図1に示したように、最下段のスラット130の下方に設けられて、前後の縦コード122-1、122-2の下端及び昇降コード150の下端が連結される。前後の縦コード122-1、122-2は、後述するラダーホルダ170によってスラット130の長手方向に対して左右にずれる位置を保ちながらボトムレール140に連結される。
【0038】
(昇降コード150)
昇降コード150は、スラット130を昇降させるものである。昇降コード150は、
図1に示したように、ヘッドボックス110から垂下し、スラット130の列の前側を通ってボトムレール140に連結されている。昇降コード150の上端は、前述のように、巻取ドラム112に巻取り及び巻解き可能に連結されており、前の縦コード122-1とともにヘッドボックス110の第1挿通孔119aを挿通して、前の縦コード122-1に沿った状態で垂下する。
【0039】
昇降コード150は、
図3に示したように、複数のスラット130のうち、一部のスラット130の前の切欠部132-1に配置される。前の切欠部132-1に配置される昇降コード150は、前の縦コード122-1よりもスラット130寄りに配置され、一対の上下コード124-1、124-2の交叉部分を挿通している。
【0040】
(スラットクリップ160)
スラット130には、
図4に示したように、ラダーコード120の中段コード124を固定するためのスラットクリップ160が設けられており、スラットクリップ160は中段コード124をスラット130に対して斜めに配置されるように設けられる。以下、スラットクリップ160について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、スラット130にラダーコード120をスラットクリップ160で連結する状態を説明するための図であり、(a)はスラットクリップ160の構成を説明するための図であり、(b)はスラットクリップ160の使用状態を説明するための図である。
【0041】
スラットクリップ160は、
図4(a)に示したように、対向する2つの片とこれらを連結する片とから構成された略コ字状をしている。スラットクリップ160の対向する2つの片には、これらの両端部にスラット130に係止するための係止爪162が形成されている。また、対向する2つの片の全ての係止爪162に隣り合う位置には、スラット130の前後の切欠部132-1、132-2とほぼ同じ深さの切欠部164が形成されている。なお、スラットクリップの形状は必ずしも略コ字状でなくてもよく、中段コード124をスラット130に対して斜めに配置可能であれば、例えば略I字状等であってもよく、その形状は問わない。
【0042】
1つの片に形成される左右の切欠部164の幅は、前後の切欠部132-1、132-2のスラット130の長手方向における幅に対応している。よって、スラット130の左右の端部において、前後の切欠部132-1、132-2は左右対称の位置となっているが、同じスラットクリップ160をスラット130の左右どちらの端部にも用いることができる。
【0043】
スラットクリップ160は、
図4(b)に示したように、切欠部164の位置をスラット130の前後の切欠部132-1、132-2の位置と合わせるように係止爪162をスラット130の前後の側縁に係止させることによってスラット130に取り付けられる。このように取り付けられたスラットクリップ160は、スラット130の前後の切欠部132-1、132-2の作用を妨げることなく、下方に位置する上コード124-1をスラット130との間で挟みつけて、中段コード124を固定する。
【0044】
(ラダーホルダ170)
ラダーホルダ170は、前後の縦コード122-1、122-2をボトムレール140に連結するためのものである。ラダーホルダ170は、
図5(a)に示したように、平面視方形状をしており、中央に前後の縦コード122-1、122-2を連結する連結部172が設けられている。連結部172は、回転することによって前後の縦コード122-1、122-2を外周面に巻き付ける構成としてもよい。
【0045】
ラダーホルダ170には、連結部172までコードを引き込むための案内溝174が形成されている。案内溝174は、連結部172を挟んで前後方向に対称に略Y字状であり、全体として略X字状に形成されている。案内溝174は、ラダーホルダ170の前後の端部から連結部172まで形成されており、略Y字状の二股の上端部がラダーホルダ170の前後の端部に位置する。このため、
図5(b)に示したように、前の縦コード122-1と後の縦コード122-2とは、ラダーホルダ170の左右方向にずれた位置の案内溝174からラダーホルダ170内に引き込まれる。案内溝174が略Y字状の溝であるため、前後の縦コード122-1、122-2がずれる方向にかかわらず、同じラダーホルダ170を用いることができる。
【0046】
以上、横型ブラインド100の全体の構成について説明した。次に、横型ブラインド100の動作について、
図6~
図8を参照しながら、従来の横型ブラインドと対比して説明する。
図6は、横型ブラインド100の動作を説明するための図であり、(a)はスラット130が全閉状態の正面図であり、(b)はスラット130が全閉状態の側面図及びそのときのラダーコード120のみを示す平面図であり、(c)は従来の横型ブラインドが全閉状態の側面図及びそのときのラダーコードのみを示す平面図である。
図7は、横型ブラインド100の動作を説明するための図であり、(a)はスラット130が水平状態の図であり、(b)はスラット130が全閉状態の図であり、(c)はスラット130が逆全閉状態の図である。
図8は、スラット130が全閉状態のときの横型ブラインド100の全体の状態を示す正面図である。
【0047】
横型ブラインド100は、
図7(a)に示したように、スラット130を水平状態にすると、スラット130間から眺望が保たれる。このとき、上コード124-1がスラット130を下から支持し、下コード124-2がスラット130を凸面に沿って支持する。
【0048】
スラット130を全閉状態にすると、従来の横型ブラインドでは、
図6(c)に示したように、中段コードがスラットを長手方向に対して略直交するように配されるため、スラットを全閉状態にすると、側面視における縦コードと上コードがなす角度θ
2はスラット短手方向にのみ発生し、前後の縦コードが接近することが阻害されてしまう(前後の縦コードの距離はAとなる)。このため、スラットが垂直状態まで傾斜することを上コードが邪魔(角度θ
2部分による反発が作用)して、遮蔽性が低下する。
【0049】
これに対して、本願横型ブラインド100は、
図6(a)、
図6(b)、
図7(b)及び
図8に示したように、上コード124-1は、スラット130の凹面側をスラット130の短手方向に対して斜めに支持するため、縦コード122-1と上コード124-1がなす角度θは、スラットの長手方向にも発生(正確にはスラットを斜めに横切る方向に距離A及び角度θ
1が発生)する。このとき、上コード124-1と縦コード122-1、122-2との接続部分の高低差Xは従来の横型ブラインドと同等であるが、側面視における縦コード122-1と上コード124-1がなす角度θ
1はθ
2よりも小さくなるため、前後の縦コード122-1、122-2が接近(前後の縦コード122-1、122-2の距離はAよりも短いA’となる)してスラット130が垂直状態まで傾斜し、遮光性が向上する。また、スラット130を逆全閉状態にするときも、
図7(c)に示したように、全閉状態と同様に、遮光性が向上する。なお、上コード124-1と下コード124-2に交叉部分を形成するために上下の関係を入れ替えてその間にスラット130を挿入するものとしたが、上コード124-1と下コード124-2の上下関係を入れ替えずに上コード124-1と下コード124-2の上にスラット130を支持する構造としても、同様に遮蔽性が向上する。
【0050】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、前後の縦コード122-1、122-2を左右にずらして中段コード124をスラット130の短手方向に対して斜めに配置することにより、中段コード124に易折曲部がない一般的なラダーコード120を使用しながら、スラット130の全閉時または逆全閉時において、縦コードの位置をずらさないときと比べてスラット130に対する中段コード124の傾斜角度がより垂直方向に近づき、前後の縦コード122-1、122-2同士が近づいてスラット130の傾斜角度を大きくすることができることから、遮蔽性を向上できる。
【0051】
また、中段コード124がスラット130の短手方向に対して斜めにスラット130を支持するため、例えばスラット130の昇降時において、スラット130の端部が障害物に引っかかってしまっても、中段コード124からスラット130にかかる応力が分散され、折れ曲がりを防止することができる。
【0052】
また、前後の縦コード122-1、122-2あるいは中段コード124を切欠部132に挿通させることにより、例えば、スラット130の昇降時において、前後の縦コード122-1、122-2あるいは中段コード124が切欠部132で規制されるために前後の縦コード122-1、122-2が横ずれして中段コード124がスラット130に対して直交に配置されるのを防止することができる。
【0053】
また、中段コード124の交叉部分がスラット130の短手方向に斜めに配置されるため、スラット130を上下で支持できる範囲を増やすことができる。よって、スラット130の側縁に切欠部132を有していても、スラット130にかかる応力が分散され、切欠部132からスラット130が折れ曲がるのを防止することができる。また、例えば、スラット130の側縁に切欠部が無いときにおいて、上下コード124-1、124-2の間にスラット130を挿入させるための位置合わせが容易になり組立性が向上できる。
【0054】
また、前後の縦コード122-1、122-2はヘッドボックス110の第1、第2挿通孔119a、119bから導出されるときからヘッドボックス110に対して左右にずれているため、例えば部品点数の追加やスラット130に追加の加工をすることなく、前後の縦コード122-1、122-2をスラットの短手方向に対して左右ずれるように配置することができる。
【0055】
また、ラダーホルダ170に形成された案内溝174に前後の縦コード122-1、122-2を組付けることにより、前後の縦コード122-1、122-2をボトムレール140の短手方向に対して左右ずれるように容易に組立ができる。
【0056】
また、スラットクリップ160を設けることにより、例えば最上段のスラット130またはスラット130の上下方向の途中位置にあるスラット130に、中段コード124をスラット130の短手方向に対して斜めに配置させることができ、かつラダーコード120の横ずれを防止できる。
【0057】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る横型ブラインドについて、
図9を参照しながら説明する。
図9は、第2の実施形態の横型ブラインドのラダーコード220及び昇降コード250の構成を説明するための図である。本実施形態は、スラット130の構成は上記第1の実施形態と同様であるが、ラダーコード220及び昇降コード250の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0058】
ラダーコード220は、
図9に示したように、前の縦コード222-1と中段コード224との連結位置に前方の突出するループ状部226が設けられている。ループ状部226には、昇降コード250が挿通している。よって、上記第1の実施形態では、スラット130の前の切欠部132-1に昇降コード150が挿入される構成であったが、本実施形態では、スラット130の前の切欠部132-1に昇降コード250は挿入されない。
【0059】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る横型ブラインドについて、
図10を参照しながら説明する。
図10は、第3の実施形態の横型ブラインドのスラット330、ラダーコード320及び昇降コード350の構成を説明するための図である。本実施形態は、スラット330、ラダーコード320及び昇降コード350の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0061】
スラット330は、
図10に示したように、上記第1の実施形態のスラット130で設けた後の切欠部132-2は設けられておらず、前の切欠部332-1のみが設けられている。前の切欠部332-1は、上記第1の実施形態の前の切欠部132-1と同様の形状である。
【0062】
よって、ラダーコード320は、後の縦コード322-2は、スラット330の側縁部に沿って配置され、前の縦コード322-1又は前の縦コード322-1側の中段コード324のみが前の切欠部332-1に挿入される。前の縦コード322-1には第2の実施形態のループ状部226と同様のループ状部326が設けられて昇降コード350が挿通している。
【0063】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0064】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る横型ブラインドについて、
図11を参照しながら説明する。
図11は、第4の実施形態の横型ブラインドのスラット430の平面図である。本実施形態は、スラット430の切欠部432の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0065】
スラット430の切欠部432は、
図11に示したように、略L字状をしている。前の切欠部432-1は、略L字の上端がスラット430の中央寄りに位置するように左右対称に形成されている。後の切欠部432-2は、略L字の上端がスラット430の端部寄りに位置するように左右対称に形成されている。前後の縦コード122-1、122-2は、前後の切欠部432-1、432-2の略L字の下部先端部に係止されるため、中段コード124をスラット430の短手方向に対して斜めに配置することができるとともに、中段コード124の張力により、係止された位置に保持される。また、切欠部432の開口が小さいため、前後の縦コード122-1、122-2が切欠部432から外れることが防止されている。
【0066】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加え、切欠部432が略L字状の形状のため、前後の切欠部432-1、432-2が係止された位置に保持される。また、切欠部432の開口が小さいため、前後の縦コード122-1、122-2が切欠部432から外れることが防止される。
【0067】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る横型ブラインドについて、
図12を参照しながら説明する。
図12は、第5の実施形態の横型ブラインドのスラットの平面図である。本実施形態は、スラット530の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0068】
スラット530は、
図12に示したように、上記第1の実施形態の切欠部132が設けられている位置に切欠部に代えて段差532が設けられている。スラット530の前の側縁に設けられる前の段差532-1は、スラット530の長手方向端部側が突き出ていて、中央側がへ込んだ凹状である。一方、スラット530の後の側縁に設けられる後の段差532-2は、スラット530の長手方向端部側がへ込んで、中央寄りが突き出た凸状である。
【0069】
前の縦コード122-1は、前の段差532-1のへ込んだ部分に配置され、スラット530の長手方向において端部方向への移動が規制される。後の縦コード122-2は、後の段差532-2のへ込んだ部分に配置され、スラット530の長手方向において中央方向への移動が規制される。よって、前後の縦コード122-1、122-2は、スラット530の長手方向に対して左右にずれるように配置された位置が保持される。
【0070】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係る横型ブラインドについて、
図13を参照しながら説明する。
図13は、第6の実施形態の横型ブラインドのスラット630の平面図である。本実施形態は、スラット130の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0072】
スラット630の前後の側縁には、上記第1の実施形態のような切欠部が設けられていない。また、スラット630には、昇降コード150が挿通する昇降コード挿通孔632が設けられている。前後の縦コード122-1、122-2はスラット630の前後の側縁に沿って配される。また、スラット630は、中段コード124の上コード124-1と下コード124-2の間に挿入されるのではなく、中段コード124の上コード124-1と下コード124-2はともにスラット630の下面を通る。昇降コード150は、第1の実施形態では前の縦コード122-1に沿って配されていたが、本実施形態では、昇降コード挿通孔632を挿通して配される。
【0073】
(第6の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
(第7の実施形態)
第7の実施形態に係る横型ブラインド700について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
図14は、第7の実施形態の横型ブラインド700の全体構成を示す正面図である。
図15は、スラットが全閉状態のときの横型ブラインド700の全体の状態を示す正面図である。本実施形態は、前後の縦コード722-1、722-2の配回しの構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0075】
前後の縦コード722-1、722-2は、
図14に示したように、ヘッドボックス110の同じ位置から導出される。前の縦コード722-1はそのまま垂下させて最上段のスラット130に設けられるスラットクリップ160のスラット130の長手方向中央寄りの切欠部164に導かれる。一方、後の縦コード722-2は、ヘッドボックス110から導出された後に第1の実施形態の後の縦コード122-2と同様に、スラットクリップ160のスラット130の長手方向端部寄りの切欠部164に導かれる。このように、前後の縦コード722-1、722-2を配置した状態で中段コード724がスラットクリップ160によって固定される。よって、中段コード724は、
図15に示したように、スラット130の短手方向に対して斜めに支持される。最上段のスラット130には後の縦コード722-2による張力でスラットを長手方向(ヘッドボックス110からの導出位置方向)に移動させようとする力が作用するが、左右両端部のラダーコードの縦コード722-1、722-2の配置を左右対称とすることで最上段スラットの移動を防ぐことができる。
【0076】
上下方向途中位置にあるスラット130に設けられているスラットクリップ160に対しても上記と同様に前後の縦コード722-1、722-2を配置して中段コード724を固定し、ずれ防止部として機能させる。
【0077】
(第7の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ヘッドボックス110に異なる位置から前後の縦コード722-1、722-2を導出させる加工を施さなくても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0078】
(第8の実施形態)
第8の実施形態に係る横型ブラインド800について、
図16を参照しながら説明する。
図16(a)は、第8の実施形態の横型ブラインド800の全体構成を示す正面図である。
図16(b)は、ヘッドボックスから縦コード及び昇降コードが導出される状態を説明するための図である。本実施形態は、前後の縦コード822-1、822-2及び昇降コード850の配回しの構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0079】
図16(a)及び(b)に示したように、後ろの縦コード822-2は、巻取ドラム112に連結された位置でそのまま垂下して、ヘッドボックス110の第1挿通孔から導出される。一方、前の縦コード822-1は、巻取ドラム112に連結された位置からドラム受けの底部まで垂下し、ドラム受けの底部をドラム受けの長手方向略中央位置まで配回され、第2挿通孔から導出される。このように、前後の縦コード822-1、822-2の上端は、ヘッドボックス110の第1、第2挿通孔から導出されるときにヘッドボックス110に対して左右にずれるようにして垂下する。よって、前後の縦コード822-1、822-2は、スラット130の長手方向に対して、左右方向にずれるように配される。一方、昇降コード850は、巻取ドラム112への巻取開始位置からそのまま垂下して、ヘッドボックス110の第1挿通孔から導出され、後の縦コード822-2に沿った状態で垂下する。
(第8の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、昇降コード850をスラット130の後側に垂下させながら、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
例えば、上記実施形態では、ずれ防止部として、切欠部132、432や段差532-1、532-2、あるいはスラットクリップ160を設けたが、本発明はこの例に限定されない。スラットの加工コストや、ずれを防止したい方向などを考慮して、任意のずれ防止部を設計することができる。
【0082】
また、上記第1~5及び第7の実施形態では、上下コード124-1、124-2の交叉部分にスラット130(430、530)の側縁を接触させたうえで、上下コード124-1、124-2でスラット130(430、530)を挟んで支持する構成としたが、本発明はこの例に限定されず、スラット130(430、530)の側縁は交差部分に必ずしも接触させなくてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、前後の縦コード122-1、122-2の下端は、ボトムレール140にラダーホルダ170によって連結され構成としたが、本発明は必ずしもこの例に限定されず、前後の縦コードがボトムレールの短手方向に対して左右にずれるよう連結されれば、適宜構成とすることができる。
【0084】
また、上記実施形態では、スラット130には、中段コード124をスラット130の短手方向に対して斜めに固定するためのスラットクリップ160が設けられている構成としたが、本発明は必ずしもこの例に限定されず、中段コード124をスラット130の短手方向に対して斜めに配置されれば、適宜構成とすることができる。
【0085】
上記実施形態、応用例、変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
100、700、800 横型ブラインド
110 ヘッドボックス
112 巻取ドラム
114 ドラム受け
116 回転軸
118 操作コード
119a 第1挿通孔
119b 第2挿通孔
120、220、320 ラダーコード
122-1、222-1、322-1、722-1、822-1 前の縦コード
122-2、322-2、722-2、822-2 後の縦コード
124、224、324、724 中段コード
124-1 上コード
124-2 下コード
130、330、430、530、630 スラット
132、432 切欠部
132-1、332-1、432-1 前の切欠部
132-2、432-2 後の切欠部
140 ボトムレール
150、250、350、850 昇降コード
160 スラットクリップ
162 係止爪
164 切欠部
170 ラダーホルダ
172 連結部
174 案内溝
226、326 ループ状部
532 段差
532-1 前の段差
532-2 後の段差
632 昇降コード挿通孔