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特許7083308凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/08 20060101AFI20220603BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220603BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20220603BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20220603BHJP
   A61F 7/10 20060101ALI20220603BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
A61F7/08 361C
A41D13/005 101
A41D13/005 103
A41D13/06 105
A61F5/01 N
A61F7/10 311Z
A61F13/06 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018525534
(86)(22)【出願日】2016-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 US2016044930
(87)【国際公開番号】W WO2017023822
(87)【国際公開日】2017-02-09
【審査請求日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/199,623
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518033956
【氏名又は名称】リオーダン、マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リオーダン、マイケル
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-255347(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0298915(US,A1)
【文献】特表2001-513394(JP,A)
【文献】特開2003-290270(JP,A)
【文献】特開昭63-237938(JP,A)
【文献】特開昭49-096588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0083605(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/08
A61F 5/01
A41D 13/005
A41D 13/06
A61F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の一部を巻くための装置であって、
前記体の一部を覆うように構成された弾性ゲル材料であって、該弾性ゲル材料は、層として形成され、かつ第1の表面と第2の表面とを有し、前記弾性ゲル材料は、高温または低温の環境に曝されて前記高温または低温を前記体の一部に伝達するように構成された、前記弾性ゲル材料と、
前記弾性ゲル材料の前記第1の表面および前記第2の表面に接着された弾性布であって、前記第1の表面に対する保護カバーと前記第2の表面に対する裏地とを提供するように構成され、前記裏地は前記弾性ゲル材料と前記体の一部との間に位置付けられた、前記弾性布と
を備え、
前記弾性ゲル材料が、テーパのついた管形状に構成され、前記テーパのついた管形状が、第1の径を有する第1の弾性布開口と、第2の径を有する第2の弾性布開口とを有し、前記第1の径が前記第2の径よりも大き
前記弾性布が、前記弾性ゲル材料を包み、
前記テーパのついた管形状が第1の直線状縁部と第2の直線状縁部とを有し、前記第1の直線状縁部と前記第2の直線状縁部とが固着されて、前記テーパのついた管形状を形成している装置。
【請求項2】
請求項1に記載された装置を製造する方法であって、
第1の表面と第2の表面とを有する弾性ゲル材料を金型内に形成するステップであって、前記弾性ゲル材料が、前記体の一部に高温または低温を伝達し、前記体の一部を圧迫するように構成されている、形成するステップと、
第1の弾性布と第2の弾性布とを有する弾性布の間に前記弾性ゲル材料を位置付けるステップであって、前記第1の弾性布が前記第1の表面に接着し、前記第2の弾性布が前記弾性ゲル材料の前記第2の表面に接着し、前記弾性布が、前記第1の表面に対する保護カバーと、前記第2の表面に対する裏地とを提供するように構成されている、位置付けるステップと、
前記弾性ゲル材料に対して前記弾性布を加圧するステップと、
前記第2の弾性布に第1の弾性布を密閉して前記弾性ゲル材料を内部に保持するステップとを含み、
前記弾性ゲル材料が、テーパのついた管形状に構成され、前記テーパのついた管形状が第1の直線状縁部と第2の直線状縁部とを有し、前記第1の直線状縁部と前記第2の直線状縁部とが固着されて前記テーパのついた管形状を形成しており、前記テーパのついた管形状が、第1の径を有する第1の弾性布開口と、第2の径を有する第2の弾性布開口とを有し、前記第1の径が前記第2の径よりも大きい、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、四肢または体の一部のカバーに関する。
【0002】
より具体的には、本開示は、体の一部の捻挫、緊張、または打撲を治療するために、凍結療法と圧迫とを組み合わせた寒冷および圧迫療法用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
筋肉および関節の損傷は、生活、スポーツ、および運動においてよく起こる。肘、膝、または足首の捻挫等の損傷後は出来るだけ早く、痛みおよび腫れを緩和させ、静養、氷、圧迫、および持ち上げにより治癒を促進することが可能である。具体的には、氷は痛みおよび腫れを低減するし、圧迫、または損傷もしくは疼痛部位を弾性包帯(Ace wrap等)で巻くことは、腫れを低減させる助けになるだろう。
【0004】
炎症は、特に損傷に対する反応として、体の一部が赤くなり、腫れ、熱を持ち、痛みを伴うことも多い、局部の身体状態である。
【0005】
1つの手法は、靱帯捻挫、筋挫傷、打撲等の部位の上の皮膚をアイシングするか、または氷を適用する(凍結療法)という概念である。氷はまた、手根管症候群、テニス肘、棘上筋腱炎、腸脛靱帯症候群、膝蓋大腿痛症候群、脛骨過労性骨膜炎、足裏筋膜炎、または腱炎等の慢性的な酷使または組織の疲労損傷、特に反復性損傷からの関節の治癒の助けとなることが多い。
【0006】
この手法による1つの欠点は、氷は湿っており、特にいったん溶け始めると滑りやすく、損傷部位の所定位置に保持するのが困難になる。さらに、氷は、堅く、適合せず、温度によって変動し、最初は過度に冷たく、次に、いったん氷が部分的に溶けると損傷と氷との間に断熱する水を残すため、十分に冷たくない。さらに、氷は、皮膚に直接適用されるべきでなく、むしろ、タオルまたは他の布裏地が、皮膚と氷との間に配置されるべきである。
【0007】
別の手法は、上に列挙された損傷のうちの1つ等の損傷部位に対する圧迫療法または圧迫の適用という概念である。圧迫は、単純かつ有用な機械的原則であり、靱帯捻挫、筋挫傷、打撲または同様のものの部位の周りに弾性帯を適用することで、損傷を安静にし、腫れを引かせるものである。
【0008】
この手法の1つの欠点は、弾性帯を過度に密着して巻くと、損傷部位の腫れを悪化させてしまうことである。さらに、この手法は、弾性帯を所定位置に保持するために、クリップもしくはバックル等の外部締付具を必要とする。さらに、肘、膝、足首、または肩等の関節の周りに弾性帯を巻くというこの手法では、関節の使用または運動中にそのグリップが緩んでしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上で考察された問題の少なくともいくつかの態様に取り組むために設計された凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法の必要性が満たされていないとの認識があることは、容易に明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
簡潔に記載すると、例示的な実施形態において、本発明の装置は、上に述べた欠点を解消し、層もしくは円筒として形成され、かつ高温または低温を保持し、ユーザの皮膚と弾性材料との間に保護カバーおよび布裏地を提供し、よってユーザの体に合わせて均一に分配された全体的な低温もしくは高温の適用を提供する機能、ユーザの皮膚と温熱もしくは寒冷療法との間の布裏地、さらにはクリップもしくはバックルを必要としない圧迫療法の適用を提供することができる、弾性材料との接触および弾性材料に接着された弾性布を通してそのような温度を照射することができる、一般に、弾性材料または他の伸縮性材料を含む、凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法に対する認識された必要性を満たす。
【0011】
例示的な実施形態において、体の一部を巻くための装置であって、層として形成され、かつ第1の表面と第2の表面とを有する弾性材料であって、体の一部に高温または低温を伝達し、体の一部を圧迫するように構成された、弾性材料と、弾性材料の第1の表面および第2の表面に接着された弾性布であって、第1の表面に対する保護カバーと第2の表面に対する裏地とを提供するように構成された、弾性布と、を含む装置。
【0012】
高温または低温の伝達および圧迫スリーブを利用してユーザの体の一部を内部に巻く方法のさらなる例示的な実施形態において、第1の表面と第2の表面とを有する弾性材料を金型内に形成するステップであって、弾性材料が、体の一部に高温または低温を伝達し、体の一部を圧迫するように構成されている、形成するステップと、第1の弾性布と第2の弾性布とを有する弾性布の上に弾性材料を位置付けるステップであって、第1の弾性布が第1の表面に接着し、第2の弾性布が弾性材料の第2の表面に接着し、弾性布が、第1の表面に対する保護カバーと第2の表面に対する裏地とを提供するように構成されている、位置付けるステップと、弾性材料に対して弾性布を加圧するステップと、第2の弾性布に第1の弾性布を密閉して弾性材料を内部に保持するステップと、第2の弾性布の第2の布縁部に第1の弾性布の第1の布縁部を固着させて開口管を形成するステップと、を含む方法。
【0013】
したがって、凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法の特徴は、層、円筒、または他の形状として形成され、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分を覆うように構成された、弾性材料もしくは他の互換性のある温熱/寒冷多方向伸縮性材料を利用することができることである。
【0014】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法の別の特徴は、ユーザの皮膚と弾性材料との間の遷移バリアとして機能する、弾性材料に対する外部保護カバーと弾性材料に対する内側布裏地とを提供するように構成された、弾性布もしくは他の互換性のある多方向伸縮性布を利用することができることである。
【0015】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、円筒状に形成されるか、もしくは管形状であることができ、または一端から他端へのテーパ状および各端上の開口を有するか、もしくは有せずに形成可能であることである。
【0016】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分等の標的部位を完全に覆うか、または囲み、その適合および配置を維持することができることである。
【0017】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、ピン、締付具、紐、包み、金具、または他の締付具を使用せずに、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分等のユーザの標的部位上に片手を装着することができることである。
【0018】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、平らな構成で保存することができることであり、特に冷凍庫で冷却するときに、積み重ねるか、巻くか、もしくは折り畳むことで小さい空間を占めることができる。
【0019】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、熱いか、温かいか、涼しいか、もしくは冷たいかどうかに関わらず、いつでもその軟性で柔軟な形態を維持することができることである。
【0020】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、その形状を失わずに、加熱および冷却することができることである。
【0021】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、弾性布により完全に封入された弾性材料を提供することである。
【0022】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、スリーブを共に加熱または冷却することを可能にする弾性布により封入された一体的な弾性材料を提供することである。
【0023】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、皮膚と冷却源との間に位置付けられた一体的な布裏地を有する弾性布により封入された一体的な弾性材料を提供することである。
【0024】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、氷、氷嚢、またはゲルパックとは異なる弾性布スリーブにより封入された一体的な弾性材料を形成する不凝縮状態を提供することで、氷、氷嚢、またはゲルパックを損傷部位上の所定位置に保持することが困難になることである。
【0025】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、弾性布スリーブにより封入された、柔軟に適合する一体的な弾性材料を提供することである。
【0026】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、弾性材料対大きな温度変動から形成された、より一定の温度装置を提供することで、最初は過度に冷たく、次に、いったん氷または氷嚢が溶け始めると十分に冷たくないことである。
【0027】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、種々の大きさの弾性布スリーブにより封入された柔軟に適合する一体的な弾性材料を提供することで、過度に密着して適合することによる損傷部位の腫れの悪化を防ぐことである。
【0028】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、弾性帯を所定位置に保持するために、クリップもしくはバックル等の外部締付具を必要としない弾性布スリーブにより封入された柔軟に適合する一体的な弾性材料を提供することである。
【0029】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、肘、膝、または肩等の関節の周りで緩まないか、または関節の使用または運動中にそのグリップを緩めない、弾性布スリーブにより封入された柔軟に適合する一体的な弾性材料を提供することである。
【0030】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、安全、単純、安価かつ自己適用が容易であることである。
【0031】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、患部に対する痛み、筋肉の痙攣、炎症、および出血もしくは腫れを低減させる行為の後に、迅速かつ容易な適用による寒冷および圧迫の両方を可能にすることである。
【0032】
凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法のまた別の特徴は、痛みおよび炎症を引き起こす化学物質の放出を低減させるために、寒冷および圧迫の両方を可能にすることである。
【0033】
これらおよび他の凍結療法および圧迫スリーブならびに使用方法は、添付の図に照らして読んだときに、下記の実施形態の詳細な説明および特許請求の範囲から当業者により明らかになるだろう。
【0034】
本凍結療法および圧迫スリーブならびに方法は、同様の符号が同様の構造を表し、全体を通して同様の要素を指す、添付の図を参照して実施形態の詳細な説明を読むことにより、より理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、凍結療法および圧迫スリーブの例示的な実施形態の側面斜視図である。
図2図2は、図1に示す凍結療法および圧迫スリーブの断面図である。
図3図3は、図1に示す凍結療法および圧迫スリーブの例示的な実施形態の複数の着用可能な位置により示すユーザの正面図である。
図4図4は、図1に示す凍結療法および圧迫スリーブの例示的な実施形態の弾性材料を形成するために利用された金型トレイの斜視図である。
図5図5は、図1に示す凍結療法および圧迫スリーブの弾性布に固着された弾性材料の斜視図である。
図6図6は、図1に示す凍結療法および圧迫スリーブの弾性布に固着された一体的な弾性材料を形成するステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
提示されている図は、図示のためにのみ企図されており、したがって、請求された本発明にとって本質的であると見なされ得る限りのものを除いて、示されている構造の正確な詳細のいずれかに、またはそのすべてに、本開示を限定するものとして記載されておらず、またそのように企図されてもいないことに留意すべきである。
【0037】
本開示の例示的な実施形態を記載するにあたって、図1~6に図示されるように、特定の専門用語は、明確化のために用いられている。しかしながら、本開示は、そのようにして選択された特定の専門用語に限定されることを企図するものではなく、各特定の要素は、同様の機能を達成するために同様の方法で動作するすべての技術的等価物を含むことが理解されるべきである。しかしながら、特許請求の範囲の実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。本明細書に記載されている実施例は、非制限的な例であって、他の可能な例中の単なる例である。
【0038】
次に、図1を参照すると、凍結療法および圧迫スリーブ10の例示的な実施形態が図示される。凍結療法および圧迫スリーブ10は、スリーブ本体20を含み得、スリーブ本体20は、管もしくは円筒形状または開口端式の管状スリーブの形態に構成または形状決めされ得る。本明細書中で、スリーブ本体20は、管もしくは円筒の形態で形状決めされるか、または平面形状で形成され、かつ管もしくは円筒へと巻かれ得ると考えられる。さらに、スリーブ本体20は、第1のスリーブ開口21および第2のスリーブ開口22等の1つ以上の開口もしくは穴を含み得る。本明細書中でさらに、スリーブ本体20は、第1のスリーブ開口21と第2のスリーブ開口22との間でテーパ状であり得る。このように、第1のスリーブ開口21は、第1のスリーブ開口径31が(直径で)第2のスリーブ開口径32を超え、これに対してテーパ状であるか、またはその逆等、より大きい半径(これを超える)もしくはスリーブ開口径30を有するように構成され得ると考えられる。さらに、凍結療法および圧迫スリーブ10またはスリーブ本体20は、スリーブ本体20の第1のスリーブ開口21および第2のスリーブ開口22の周囲に及ぶか、またはこれを横断する第1のスリーブ縁部28および第2のスリーブ縁部29、ならびに/またはスリーブ本体20の長さに及ぶか、これを横断する第1のスリーブ直線状縁部26.1および第2のスリーブ直線状縁部26.2等の1つ以上の縁部を含み得る。第1のスリーブ縁部28および第2のスリーブ縁部29のいずれかは、折り畳みスリーブ縁部27または巻締めスリーブ縁部24を含み得る。第1のスリーブ直線状縁部26.1、第2のスリーブ直線状縁部26.2、および/または第1のスリーブ縁部28は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して縫合されること等により、密閉され(密閉部)、固着され得るか、または別様に、凍結療法および圧迫スリーブ10またはスリーブ本体20を管もしくは円筒の形態に構成するか、もしくは形状決めするように取り付けられ得る。
【0039】
使用時に、例えば、第1のスリーブ開口21および第2のスリーブ開口22を通してユーザの手をスライドさせ、凍結療法および圧迫スリーブ10をユーザの二頭筋まで引っ張るか、もしくはスライドさせてユーザの肘の周りにスリーブ本体20を位置付けるときに、より大きい開口の第1のスリーブ開口21が、ユーザの二頭筋を把持し、より小さい開口の第2のスリーブ開口22が、ユーザの前腕を把持する。ユーザの手首、前腕、膝、足首、および他の体の一部に対して、同様の使用が認識される。
【0040】
次に、図2を参照すると、凍結療法および圧迫スリーブ10の共通区分の断面図の例示的な実施形態が図示される。凍結療法および圧迫スリーブ10またはスリーブ本体20は、弾性材料40等の柔軟な温熱もしくは寒冷伝達材料もしくはゲル、または層、管、円筒、曲げとして、もしくは別様に形状決めされることができ、かつ高温または低温を保持し、接触を通してそのような温度変化または伝達を照射することができる、他の伸縮可能な材料を含み得る。本明細書中で、弾性材料40は、90度もしくは任意の他の鋭角での管もしくは円筒または曲げの形態で形状決めされ得るか、または平面形状で形成され、かつ直径30を有する筒もしくは円筒へと巻かれ得ると考えられる。一実施形態において、弾性材料40は、周縁部43または第1の材料側部41および第2の材料側部42等の1つ以上の材料側部を有する平面形状で形成され得る。さらに、弾性材料40は、第1の材料表面44および第2の材料表面46等の1つ以上の表面45を有するように構成され得る。
【0041】
弾性材料40は、好ましくは、温熱/寒冷吸収および伝達可能材料(熱伝達)および/または多方向伸縮弾性材料から形成されるか、またはそのような材料が十分な温熱/寒冷吸収および伝達能力を有すると仮定して使用され得る、ポリマー、ゲル、または同様のもの等の他の好適な材料、および/または、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分を覆う、層、円筒、または他の形状として形成されることができ、かつ本明細書で記載されている目的を満たすような耐久性を有する、多方向伸縮弾性材料から構築される。
【0042】
さらに、凍結療法および圧迫スリーブ10またはスリーブ本体20は、弾性材料40もしくは布裏地の周りの保護カバーまたはユーザの皮膚と弾性材料40との間の断熱を提供するように構成された弾性布50等の伸縮可能な布もしくは裏地を含み得る。本明細書中で、弾性布50は、第1の材料表面45および第2の材料表面46等の1つ以上の表面45に接着される(接着)か、または固着され得、弾性布50は、第1の材料表面45に固着もしくは接着された第1の弾性布51等の保護外部カバーと、第2の材料表面46に固着または接着された第2の弾性布52等の保護内部もしくは断熱カバーとを含み得ると考えられる。
【0043】
またさらに、第1の材料側部41は、第1の布縁部61を形成するように第1の材料側部41から延在する第1の弾性布51と第2の弾性布52とを含み得、第1の布縁部61は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して縫合される71等、密閉され、固着され得るか、または別様に、弾性布50の内部に弾性材料40を保持するように取り付けられ得る。同様に、第2の材料側部42は、第2の布層縁部62を形成するように、第2の材料側部42から延在する第1の弾性布51と第2の弾性布52とを含み得、第2の布層縁部62は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して縫合される72等、密閉され、固着され得るか、または別様に、弾性布50の内部に弾性材料40を保持するように取り付けられ得る。
【0044】
一実施形態において、第1の布縁部61および第2の布縁部62は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して縫合される73等、密閉され、固着され得るか、または別様に、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分を覆う直径30または他の形状を有する、円筒、スリーブ形状、または管、管形状、もしくは開口管として弾性材料40と組み合わせるか、またはこれと一体的な、多方向伸縮弾性布50を形成するように取り付けられ得る。
【0045】
弾性布50は、好ましくは、そのような材料が十分な温熱/寒冷吸収および伝達能力を有すると仮定して使用され得る、多方向伸縮性材料もしくは圧迫布、またはナイロン、合成繊維、ポリマー、スパンデックス、または同様のもの等の他の好適な材料、および/または足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等の体の一部もしくは四肢の区分を覆う、層、円筒、または他の形状として形成されることができ、かつ本明細書で記載されている目的を満たすような耐久性もしくは抗菌性を有する、多方向伸縮弾性材料から形成される。
【0046】
次に、図3を参照すると、ユーザUの上に位置付けられた1つ以上の凍結療法および圧迫スリーブ10の例示的な実施形態が図示される。使用時に、凍結療法および圧迫スリーブ10.1は、手用スリーブとしてユーザUの左手または右手Hの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.2は、腕用スリーブとしてユーザUの左または右前腕F(手H、手首W、および/または前腕F)の上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.3は、肘用スリーブとしてユーザUの左または右肘Eの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.4は、肩用スリーブとしてユーザUの左または右肩Sの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.5は、脚用スリーブとしてユーザUの左または右脚Ftの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.6は、足首用スリーブとしてユーザUの左または右足首Aの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.7は、ユーザUの左または右脛Shの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.8は、膝スリーブとしてユーザUの左または右膝Kの上に適合または位置付けられ得、凍結療法および圧迫スリーブ10.9は、大腿部用スリーブとしてユーザUの左または右大腿部Tの上に適合または位置付けられ得、ユーザUの体の一部もしくは四肢の区分、または他の体の一部の任意の他の組み合わせの上に適合または位置付けられ得る。凍結療法および圧迫スリーブ10をユーザUの体の一部もしくは四肢の区分、または他の体の一部の上に位置付けるために、ユーザUは、手Hまたは脚Ftを第1のスリーブ開口21の内部に位置付け、第1のスリーブ縁部28を引っ張り、ユーザUの体の一部もしくは四肢の区分をスリーブ本体20の内部に挿入して、スリーブ本体20をユーザUの体の一部もしくは四肢の区分、またはユーザUの他の体の一部の上に位置付け、かつ任意の取り付け具、金具、または同様のものを使用せずに、弾性材料40と組み合わせるか、またはこれと一体的な、ユーザUおよび弾性布50に対する直径30の大きさで所定位置に保持しなければならない。
【0047】
次に、図4を参照すると、弾性材料40を形成するために利用された金型トレイの例示的な実施形態が図示される。プレ弾性材料40の溶液もしくは混合物を、トレイ48等の金型もしくは鋳型内に注入して、1つ以上の弾性材料40の平面区分を硬化させる。いったん硬化されるか、または大部分が硬化されると、凍結療法および圧迫スリーブ10として組み立てるためにトレイ48から取り除き得る。
【0048】
次に、図5を参照すると、凍結療法および圧迫スリーブ10の組立体の例示的な実施形態が図示される。硬化されたか、部分的または大部分が硬化された弾性材料40が、弾性布50の第1の区分の上に位置付けられ得、より具体的には、第1の材料表面44が、第1の弾性布51の上に位置付けられ得る。次に、弾性布50の第2の区分(または示されている折り畳み区分)が、弾性材料40の上に位置付けられ得、より具体的には、第2の弾性布52が、第2の材料表面46の上に位置付けられ得る。次に、凍結療法および圧迫スリーブ10の基部構成要素を形成するために、第2の弾性布52、弾性材料40、および第1の弾性布51を共に圧迫するように、圧力Pを適用する。好ましくは、弾性布52、弾性材料40、および第1の弾性布51は、非硬化または部分的に非硬化の弾性材料40の粘り気、粘着性、もしくはタック性に起因して、結合、固着、または付着する。本明細書中で、弾性布52、弾性材料40、および第1の弾性布51は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して結合、固着、もしくは付着し得るか、または別様に、凍結療法および圧迫スリーブ10もしくはスリーブ本体20を平らな2次元平面、管もしくは円筒の形態に構成または形状決めするように取り付けられ得ると考えられる。次に、第1の弾性布51および第2の弾性布52は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して周縁部70の周りに縫合され71得るか、または別様に、弾性材料40を弾性布50の内部に保持するように取り付けられ得る。次に、第1の弾性布51および第2の弾性布52は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して周縁部70の周りに縫合され72得るか、または別様に、弾性材料40を弾性布50の内部に保持するように取り付けられ得る。次に、第1の弾性布51および第2の弾性布52は、単一もしくは複数の縫い、縁取り、糊付け、紐、編み、加熱、熱圧着、ステープル綴じ、スナップ止め、面ファスナー、テープ止めを介して周縁部70の周りに縫合され74得るか、または別様に、弾性材料40を弾性布50の内部に保持するように取り付けられ得る。本明細書中で、第1の弾性布51および第2の弾性布52は、弾性材料40を弾性布50の内部に保持するように、1つ以上またはすべての側部上で縫合されるか、または別様に取り付けられ得ると考えられる。
【0049】
次に、図6を参照すると、図1~5に示す弾性材料40と組み合わせるか、または一体的な弾性布50の主な要素を有する凍結療法および圧迫スリーブ10を製造および使用する方法のフロー図600が図示される。ブロックまたはステップ610において、トレイ48等の金型もしくは鋳型内に1つ以上の弾性材料40の平面または管状もしくは円筒状区分を形成する。ブロックまたはステップ615Aにおいて、弾性布50の上に弾性材料40を位置付け、より具体的には、第1の材料表面44が、第1の弾性布51の上に位置付けられるか、またはこれに固着され得る。ブロックまたはステップ615Bにおいて、弾性布50を弾性材料40の上に位置付けるか、または弾性材料40の上で折り畳み、より具体的には、第1の材料表面44は、第2の弾性布52の上に位置付けられるか、または第2の弾性布52に固着され得る。ブロックまたはステップ620において、圧力Pを加えるか、または第2の弾性布52、弾性材料40、および第1の弾性布51を共に固着させて、凍結療法および圧迫スリーブ10の基部構成要素を形成する。ブロックまたはステップ625において、弾性材料40を内部に保持するために、第1の弾性布51および第2の弾性布52を周縁部70の周りに固着させるか、または密閉する。ブロックまたはステップ630において、第1の布縁部61および第2の布縁部62を固着させて、足首、膝、手首、肘、または他の体の一部等のユーザUの体の一部もしくは四肢の区分を覆う、直径30もしくは他の形状(または凍結療法および圧迫スリーブ10)を有する、円筒、スリーブ形状、または管、管形状、もしくは開口管として弾性材料40を組み合わせるか、または一体的な多方向伸縮弾性布50を形成する。ブロックまたはステップ635において、凍結療法および圧迫スリーブ10を低温もしくは高温にするのに必要な持続時間の間、凍結療法および圧迫スリーブ10を、冷凍庫もしくはマイクロ波等の低温もしくは高温環境に曝す。ブロックまたはステップ640において、凍結療法および圧迫スリーブ10の第1のスリーブ開口21および第2のスリーブ開口22を通して位置付けるか、または適合させる。ブロックまたはステップ645において、ユーザUの体の一部もしくは四肢の区分を覆うように高温または低温を伝達し、ユーザUの体の一部もしくは四肢の区分を組み合わせ圧迫する。
【0050】
前述の説明および図は、本発明の図示的な実施形態を含む。例示的な実施形態をそのように記載したが、本開示内で例示するのみであり、本発明の範囲内で、種々の他の代替、適合、および変形を行ってもよいことが、当業者により留意されるべきである。方法のステップを単に一定の順序で列挙するか、または符号付けすることは、この方法のステップの順序に対するいかなる限定を構成するものではない。本発明が関連する当業者であれば、前述の説明および関連する図内に提示された教示の利益を有する、本発明の多くの変形例および他の実施形態を思い付くだろう。本明細書中に特定の用語が用いられている場合があるが、それらは、一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定するためのものではない。さらに、本発明は、詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、これに種々の変更、置換、および代替を行うことができることが理解されるべきである。したがって、本発明は、本明細書に図示されている特定の実施形態に限定されないが、下記の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6