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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】全血分離装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20220603BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
G01N33/48 H
G01N33/48 S
G01N1/10 B
G01N1/10 V
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019524980
(86)(22)【出願日】2017-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 US2017061963
(87)【国際公開番号】W WO2018094012
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】62/423,062
(32)【優先日】2016-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/464,331
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516282776
【氏名又は名称】クイデル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブランディ,アイリーン シン
(72)【発明者】
【氏名】シーセン,レイナ
(72)【発明者】
【氏名】フォール,スコット アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】リード,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ワイラー,ロバート
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-518221(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147748(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0018575(US,A1)
【文献】国際公開第2016/073415(WO,A2)
【文献】特開平05-187976(JP,A)
【文献】国際公開第2015/191777(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0093551(US,A1)
【文献】特表2011-515171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48
G01N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバを備える容器と、
試料装置であって、
流体試料を受容するための流入チャンバであって、毛細管を備える流入チャンバと、
混合チャンバと、
前記流入チャンバと前記混合チャンバとを分離し、処理試薬を含むパッドであって、前記流入チャンバの前記毛細管からの試料の流れを直接受容するパッドと、
前記混合チャンバに隣接する流出口と、
前記リザーバが前記混合チャンバと流体連通するように前記試料装置を前記容器に密閉接続するためのインターフェースと、を備える試料装置と、を備えるキット。
【請求項2】
前記毛細管は、一定量の流体試料を採取するように選択された長さを有する、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記試料装置はさらに、前記混合チャンバと前記流出口との間にフィルタをさらに備える、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記リザーバ内に緩衝液をさらに備える、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記処理試薬は赤血球凝集物質である、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
試料装置であって、
流入チャンバであって、液体試料を受容するためのパッドを備えた流入チャンバと、
出口を有する混合チャンバと、を備える試料装置と、
容器であって
溶液を収容するように構成された又は溶液を収容するリザーバと、
前記リザーバが前記混合チャンバと流体連通するように前記試料装置を前記容器に密閉接続するためのインターフェースと、を備える容器と、
備える、キット。
【請求項7】
前記液体試料を採取するための採取装置をさらに備える、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
前記採取装置は、毛細管と、前記毛細管と流体連通した球形部と、を備える、請求項に記載のキット。
【請求項9】
前記パッドは処理試薬を含む、請求項6に記載のキット。
【請求項10】
前記処理試薬は赤血球凝集物質である、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
であって
を収容している又は収容するように構成されたリザーバと、
混合チャンバと、
前記混合チャンバから前記リザーバを分離する障壁と、を備える容器と
料装置であって
液体試料を受容するための流入チャンバと、
チャネルと、
前記流入チャンバと前記チャネルとの間に配置される、パッドと、を備る試料装置と
ディスペンサであって
流出口と、
前記混合チャンバが前記流出口と流体連通するように前記ディスペンサを前記容器に密閉接続するためのインターフェースであって、前記ディスペンサが前記容器に接続されたときに前記試料装置を付勢し前記障壁を通過させる、インターフェースと、を備えるディスペンサと、
を備える、キット。
【請求項12】
前記ディスペンサはさらに、前記ディスペンサが前記容器に接続されたときに前記混合チャンバと前記流出口との間に存在するフィルタを備える、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記フィルタは、前記ディスペンサの対向する開口部間に位置決めされる、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
前記容器は、前記混合チャンバ内の前記試料装置の少なくとも一部を固定するために少なくとも1つの突起部を備える、請求項11に記載のキット。
【請求項15】
前記ディスペンサは、前記ディスペンサが前記容器に接続されたときに前記試料装置の少なくとも一部を付勢し前記少なくとも1つの突起部を通過させるように構成される、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記容器は、複数の突起部を備えることにより、前記複数の突起部間及び前記混合チャンバ内で前記試料装置の少なくとも一部を固定する、請求項11に記載のキット。
【請求項17】
前記パッドは処理試薬を含む、請求項11に記載のキット。
【請求項18】
前記処理試薬は赤血球凝集物質である、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
試薬を備えるリザーバを有するディスペンサをさらに備える、請求項1に記載のキット。
【請求項20】
試薬を備えるリザーバを有するディスペンサをさらに備える、請求項6に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、2016年11月16日に出願された米国仮特許出願第62/423,062号及び2017年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/464,331号の利益を主張するものであり、これらの特許の各々の内容全体が参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して、血液細胞及び血漿への全血の分離等の生体試料からの細胞成分の分離に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 特定の水溶性成分の有無に関して体液を分析するために様々な技術が採用され得る。例えば、尿中のグルコース、尿酸若しくは尿タンパクを検出するために、又は、血中のグルコース、トリグリセリド、カリウムイオン若しくはコレステロールを検出するために、検査が可能である。例えば、流体試料を別個の部分又は画分に分離するために、検査の前に体液を処理するための装置及び方法が使用される。例えば、全血の細胞成分は、特定の水溶性成分を検査するアッセイで使用するために、血漿若しくは血清から分離され得る。得られた血漿又は血清は、血漿又は血清の1つ又は複数の水溶性成分に対して迅速かつ正確な定性的若しくは定量的アッセイを提供するために反応がないか検査され得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 例えば、後述する様々な態様に従って、対象技術について説明する。
【0005】
[0005] 本開示のいくつかの実施形態によれば、キットは、溶液を受容するためのリザーバを含む容器と、液体試料を受容するための流入チャンバ、混合チャンバ、流入チャンバと混合チャンバとの間のパッドであって、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含むパッド、混合チャンバに隣接する流出口、及びリザーバが混合チャンバと流体連通するように試料装置を容器に密閉接続するためのインターフェースを含む試料装置と、を含み得る。
【0006】
[0006] 流入チャンバは、毛細管を含み得る。試料装置はさらに、混合チャンバと流出口との間にフィルタを含み得る。キットはさらに、リザーバ内の溶液を含み得る。
【0007】
[0007] 本開示のいくつかの実施形態によれば、方法は、試料装置の流入チャンバを使用して、液体試料を受容するステップと、液体試料が、例えば、血液である場合に、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含むパッドにおいて第2部分を保持することによって液体試料の第2部分から液体試料の第1部分の分離を促進するステップと、パッドを通過して混合チャンバに入る液体試料の第1部分の流れを促進するステップと、緩衝液を収容するリザーバを含む容器に試料装置を密閉接続するステップと、液体試料の第1部分を緩衝液と混合して混合物を作成するステップと、混合チャンバから試料装置の流出口を通して混合物の少なくとも一部を分注するステップと、を含み得る。
【0008】
[0008] 分注するステップは、試料装置又は容器の少なくとも一部を変形させて混合チャンバ内の圧力を上昇させるステップを含み得る。分注するステップはさらに、混合チャンバと流出口との間のフィルタを通過する流れを促進するステップを含み得る。分注するステップはさらに、試料装置又は容器に方向性のある力を加えて混合物の少なくとも一部を放出させるステップを含み得る。
【0009】
[0009] 本開示のいくつかの実施形態によれば、キットは、液体試料を受容するためのパッドであって、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含むパッド、及び、流出口を有するチャンバを含む試料装置と、溶液を収容する又は溶液を収容するように構成されたリザーバ、及び、リザーバがチャンバと流体連通するように試料装置を容器に密閉接続するためのインターフェースを含む容器と、を含み得る。
【0010】
[0010] キットはさらに、患者から血液試料又は尿試料又は喀痰試料のような液体試料を採取するための採取装置を含み得る。採取装置は、毛細管及び毛細管と流体連通した球形部(bulb)を含み得る。
【0011】
[0011] 本開示のいくつかの実施形態によれば、方法は、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含む試料装置のパッドを使用して、液体試料を受容するステップと、溶液を収容する又は溶液を収容するように構成されたリザーバを含む容器に試料装置を密閉接続するステップと、パッドにおいて第2部分を保持することによって液体試料の第2部分から液体試料の第1部分の分離を促進するステップと、試料装置のチャンバ内で液体試料の第1部分を溶液と混合して混合物を作成するステップと、チャンバから試料装置の流出口を通して混合物の少なくとも一部を分注するステップと、を含み得る。
【0012】
[0012] 分注するステップは、試料装置又は容器の少なくとも一部を変形させてチャンバ内の圧力を上昇させるステップを含み得る。分注するステップはさらに、チャンバと流出口との間のフィルタを通過する流れを促進するステップを含み得る。分注するステップはさらに、試料装置又は容器に方向性のある力を加えて混合物の少なくとも一部を放出させるステップを含み得る。方法はさらに、患者から液体試料(例えば、血液試料)を採取するための採取装置の毛細管を使用して液体試料を採取するステップを含み得、液体試料を受容するステップは、毛細管と流体連通している球形部の少なくとも一部を変形させることによって毛細管から試料を分注するステップを含み得る。
【0013】
[0013] 本開示のいくつかの実施形態によれば、キットは、溶液を収容する又は溶液を収容するように構成されたリザーバ、混合チャンバ、リザーバを混合チャンバから分離する障壁を含む容器と、液体試料を受容するための流入チャンバ、チャネル、流入チャンバとチャネルとの間のパッドであって、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含むパッドを含む試料装置と、流出口、混合チャンバが流出口と流体連通するようにディスペンサを容器に密閉接続するためのインターフェースを含むディスペンサであって、ディスペンサが容器に接続されたときに試料装置に障壁を通過させるように構成されるディスペンサと、を含み得る。
【0014】
[0014] 流入チャンバは毛細管を含み得る。ディスペンサはさらに、ディスペンサが容器に接続されたときに混合チャンバと流出口との間に存在するフィルタを含み得る。容器は、混合チャンバ内の試料装置の少なくとも一部を固定するために少なくとも1つの突起部を含み得る。
【0015】
[0015] 本開示のいくつかの実施形態によれば、方法は、試料装置の流入チャンバを使用して、試料装置の少なくとも一部が容器内にある間に液体試料を受容するステップと、任意で赤血球凝集物質のような処理試薬を含むパッドにおいて第2部分を保持することによって液体試料の第2部分から液体試料の第1部分の分離を促進するステップと、ディスペンサを使用して、試料装置に、容器の混合チャンバから容器のリザーバを分離する障壁を通過させるステップと、ディスペンサを容器に密閉接続するステップと、液体試料の第1部分をリザーバ内の溶液と混合して混合物を作成するステップと、混合チャンバから試料装置の流出口を通して混合物の少なくとも一部を分注するステップと、を含み得る。
【0016】
[0016] 分注するステップは、容器の少なくとも一部を変形させて混合チャンバ内の圧力を上昇させるステップを含み得る。分注するステップはさらに、混合チャンバと流出口との間のフィルタを通過する流れを促進するステップを含み得る。分注するステップはさらに、試料装置又は容器に方向性のある力を加えて混合物の少なくとも一部を放出させるステップを含み得る。
【0017】
[0017] 上述の例示的な態様及び実施形態に加えて、図面を参照し、以下の詳細な説明を検証することにより、さらに別の態様及び実施形態が明らかになるであろう。
【0018】
[0018] 以下の説明、図面、実施例、及び特許請求の範囲から、本開示の方法及び構成などのさらに別の実施形態が明らかになるであろう。上記説明及び以下の説明から理解され得るように、本明細書に記載されているどの特徴も、及びこのような特徴の2つ以上のどのような組み合わせも、このような組み合わせに含まれる特徴が互いに矛盾しなければ、本開示の範囲内に含まれる。さらに、任意の特徴又は特徴の組み合わせが、本発明の任意の実施形態から特定して除外される場合もある。本発明のさらに別の態様及び利点を、特に、添付の実施例及び図面と併せて検討した場合について、以下の説明及び特許請求の範囲で述べる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0019]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置の斜視図である。
図2】[0020]本開示のいくつかの実施形態に係る、図1の試料装置の断面図である。
図3】[0021]本開示のいくつかの実施形態に係る、容器の斜視図である。
図4】[0022]本開示のいくつかの実施形態に係る、図3の容器の断面図である。
図5】[0023]本開示のいくつかの実施形態に係る、ディスペンサの側面図である。
図6】[0024]本開示のいくつかの実施形態に係る、図5のディスペンサ及び図3の容器の斜視図である。
図7】[0025]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料を受容する図1の試料装置の図である。
図8】[0026]本開示のいくつかの実施形態に係る、図7の試料装置の図である。
図9】[0027]本開示のいくつかの実施形態に係る、図8の試料装置及び図3の容器の斜視図である。
図10】[0028]本開示のいくつかの実施形態に係る、図9の試料装置及び容器の斜視図である。
図11A】[0029]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置及び容器の斜視図である。
図11B】[0029]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置及び容器の斜視図である。
図12】[0030]本開示のいくつかの実施形態に係る、採取装置の側面図である。
図13】[0031]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置の側面図である。
図14】[0032]本開示のいくつかの実施形態に係る、図13の試料装置の断面図である。
図15】[0033]本開示のいくつかの実施形態に係る、容器の斜視図である。
図16】[0034]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料を受容する図12の採取装置の図である。
図17】[0035]本開示のいくつかの実施形態に係る、図16の採取装置及び図13ならびに図14の試料装置の図である。
図18】[0036]本開示のいくつかの実施形態に係る、図17の試料装置及び図15の容器の図である。
図19】[0037]本開示のいくつかの実施形態に係る、図18の試料装置及び容器の図である。
図20】[0038]本開示のいくつかの実施形態に係る、図19の試料装置及び容器の図である。
図21A】[0039]本開示のいくつかの実施形態に係る、内容物の全て又は一部を分注するための図20の試料装置及び容器の図である。
図21B】[0039]本開示のいくつかの実施形態に係る、内容物の全て又は一部を分注するための図20の試料装置及び容器の図である。
図22】[0040]本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置の斜視図である。
図23】[0041]本開示のいくつかの実施形態に係る、図22の試料装置の断面図である。
図24】[0042]本開示のいくつかの実施形態に係る、図22の試料装置及び容器の断面図である。
図25】[0042]本開示のいくつかの実施形態に係る、図22の試料装置及び容器の断面図である。
図26】[0042]本開示のいくつかの実施形態に係る、図22の試料装置及び容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0043] 以下、様々な態様についてさらに詳細に説明する。しかしながら、このような態様は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈すべきでなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものになるように、そして当業者に本開示の範囲を十分に伝えるために提示されるものである。
【0021】
[0044] 全血の細胞成分、特に、赤血球は、全血の水溶性成分のアッセイにおける主要な妨害物質である。多くの血液検査は発色性検査であり、全血の水溶性成分は特定の試薬と相互作用して、水溶性成分の有無の定性的指標として独自の着色合成物若しくは派生物を生成するか、又は水溶性成分の有無の定量的指標として可変色強度の着色合成物又は派生物を生成する。全血試料の深紅色は、かなりこれらの発色性検査の妨げになるので、通常は、血液試料が特定の水溶性成分に対してアッセイされる前に濃色の赤血球が血漿又は血清から分離される。また、赤血球の存在は、様々な非発色性血液アッセイの妨げになる可能性があるため、アッセイ結果は矛盾した結果になるか、あるいは矛盾がなくても、不正確な結果となる。さらに、白血球を含む他の細胞成分も、標準的な発色性血液アッセイの妨げになり得る。
【0022】
[0045] 通常、血漿又は血清は、遠心分離又は凝固によって全血の細胞物質から分離され得る。細胞物質は、遠心分離機又は試料管の底に集まり、上清の血漿又は血清が移される。従って、実質的なバックグラウンドの妨害が避けられるように、全血の妨害細胞成分は十分に取り除かれる。しかしながら、遠心分離方法では、大量の血液試料、長時間の遠心分離時間、及び適切な設備が必要である。さらに、遠心分離方法には、いくつかの操作ステップが必要である。血清を採取する凝固方法では、凝固を発生させるのに長時間(30~60分)が必要であり、凝固の発生後に遠心分離が必要であり得る。
【0023】
[0046] 他の技術は、分析のための試料のラテラルフロー用のテストストリップを伴い得る。しかしながら、いくつかの設計では、赤血球は、ケミカルストリップ内にラテラルフローを妨害する凝集物又は妨害物を形成する。このような妨害物が、不正確及び/又は無効な結果をもたらすことが多い。
【0024】
[0047] 本明細書では、少量の全血を効果的に分離し、正確にアッセイするための改良技術について説明する。分離技術は、技術者を血液試料との接触から保護し、時間遅延を防ぎ、正確で再現可能な結果をもたらし得る。本開示に基づく技術は、血漿又は血清から全血の細胞成分を基本的に完全に分離するために、特定の水溶性成分に対する全血、又は他の生体液の試料の安全で、正確で、コストのかからないアッセイを可能にし得る。本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、様々な流体試料と共に使用するために熟考されており、本明細書の説明はモデル試料として血液を使用しているが、システム、装置、及び方法は他の流体試料と共に使用されてもよいことは理解されるであろう。
【0025】
[0048] 本開示の実施形態は、1回使用の使い捨て装置を含み得る。一実施形態では、装置は、ドロッパーを含む完全内蔵式押し潰し可能な容器内の全血分離装置である。血液試料と共に使用するための本明細書に記載されている実施形態は、(1)正確に標的血液量を採血する毛細管と、(2)赤血球が化学的に及び/又は物理的にパッド材料内に捕捉されるように赤血球と化学的に相互作用するパッドと、(3)拡散又は能動的混合によってパッドから血漿を回収するための機構と、(4)検査装置への混合物の分注を容易にするドロッパー先端と、を含み得る。本開示の実施形態は、血液毛細管を血液量監視機構と組み合わせ得る。本開示の実施形態は、血漿と緩衝液とをテストストリップに加えることができるように、指先穿刺全血試料の患者の静脈穿刺からの赤血球の除去を容易にし得る。本開示の設計は、最終使用者のためにワークフローを簡略化することができ、血漿マトリックスを必要とする全血試料を利用するアッセイに普遍的に適用され得る。
【0026】
[0049] 化学的に又は物理的に赤血球をパッド材料内に捕捉することにより、血漿分離の効率を高め、特に、パッド材料内への赤血球捕捉の効率を高め、このことは、血漿を回収するのに必要な溶液量を低減し(試料希釈効果を低減する)、使用時に赤血球が溶解し、及び/又は検査装置のパッドから漏出することを防止する。赤血球の処理は、緩衝液との接触の前に行われ得るので、試料と緩衝液が混合されたときに、又は試料溶液を出すために容器に圧力が加えられたときに、赤血球が緩衝液中に放出されない、又は緩衝液中への放出が最小限に抑えられる。
【0027】
[0050] システムは、流体又は液体の試料、特に、人の患者又は他の哺乳動物からの全血試料の処理を容易にし得る。一実施形態では、システムは、全血試料と共に使用するためのシステムであり、図示されているように、システムは血漿の分離及び分注を行うが、その一方で細胞成分はシステム内で保持される。システムは、患者からの液体試料を受容し、処理するための試料装置を含み得る。図1及び図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る、試料装置100を示している。いくつかの実施形態によれば、例えば、図1及び図2に示されているように、試料装置100は、試料を受容するための流入チャンバ110を含み得る。流入チャンバ110は、試料装置100の第1側に位置する開口端を有する毛細管を含み得る。流入チャンバ110は、パッド140によって混合チャンバ130から分離され得る。パッド140は、任意で、パッド140内への血液細胞の採取を促進するように構成された、例えば、抗ヒト赤血球抗体のような抗RBC試薬のような処理試薬を含み得る。パッド140は、赤血球が自由に入り込むように細孔径が細胞成分、例えば、赤血球より大きいが、処理済み細胞成分、例えば、(例えば、抗ヒトRBC抗体と相互作用させることによって凝集された)凝集赤血球より小さい繊維膜又はポリマー膜であり得る。試料装置100はさらに、流入チャンバ110及びパッド140を通る経路以外の経路を経由して混合チャンバ130との流体連通を生じさせるチャネル150を含み得る。本明細書にさらに記載されているように、チャネル150は、試薬を保持する容器に試料装置100を接続した後の試薬用の経路となる。
【0028】
[0051] 試料装置100はさらに、混合チャンバ130と流出口190との間にフィルタ160を含み得る。フィルタ160は、血液試料の血漿画分のような液体試料の第1画分又は部分を通過させると同時に、フィルタ160において、全血試料の細胞成分のような液体試料の第2画分又は部分をずっと保持することができるように構成され得る。フィルタ160は、試料の成分を捕捉するために非対称の多孔性の分離膜(例えば、ポリスルホン材料)を含み得る。あるいは、又は組み合わせて、フィルタ160は、凝集赤血球のような液体試料の処理済み、又は非処理済み部分より小さい細孔径を有することによりパッド140から漏出し得るこの部分を全て捕捉するフィルタ部分(ポリマー、ガラス繊維、網目織布など)を含み得る。フィルタ160の厚さは、最少量の血漿又は試薬を保持しながら必要とされる濾過量を得ることができるように選択され得る。流出口190は、流入チャンバ110の反対側の試料装置100の一端に配置され、フィルタ160から出た試料の一部(例えば、血液試料の血漿部分)の分注を可能にし得る。いくつかの実施形態では、フィルタ160は含まれず、試料の一部(例えば、細胞成分)はパッド140内に保持される。試料装置100は、本明細書でさらに詳細に説明するように、試料装置100を容器に接続して固定するのを容易にし得る装置インターフェース120(例えば、ねじ山)を含み得る。
【0029】
[0052] システムは、試料と試薬との混合を促進するのを助ける容器を含み得る。図3及び図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る、容器200を示している。いくつかの実施形態によれば、例えば、図3及び図4に示されているように、容器200は、例えば、処理液、水、生理食塩水、緩衝剤、リン酸緩衝生理食塩水、電解液などの液体を含む溶液のような試薬を保持し、及び/又は受容するためのリザーバ220を含み得る。リザーバ220は、試料装置100の流体(液体)と容器200からの流体(液体)とが混合され得るように、試料装置100の少なくとも一部と流体連通する形で配置され得る。例えば、リザーバ220は、試料装置100の混合チャンバ130と流体連通する形で配置され得る。容器200は、容器200を試料装置100に接続して固定するのを容易にし得る容器インターフェース210(例えば、ねじ山)を含み得る。例えば、試料装置100は、装置インターフェース120を容器インターフェース210と係合させることによって容器200に接続され得る。例えば、装置インターフェース120及び容器インターフェース210は、試料装置100と容器200との間の接続を維持する。さらに、装置インターフェース120と容器インターフェース210とは、試料装置100及び容器200内の空間を密閉して、空間内の材料を外部環境から分離し得る。本明細書でさらに詳細に説明されるように、容器200の少なくとも一部は、使用者が容器200を押し潰して流体を分注することができるように、変形可能であり得る。
【0030】
[0053] システムは、液体試料を第1部分と第2部分とに分離するのを促進するためにシステムの他の構成要素と共に使用するための物質、例えば、全血分離に必要な物質を含み得る。図5は、本開示のいくつかの実施形態に係る、ディスペンサ300内の溶液を含む溶液のような試薬20を示している。いくつかの実施形態によれば、例えば、図5に示されているように、ディスペンサ300は、流体を保持し、及び/又は分注するためのリザーバ310を含み得る。例えば、ディスペンサ300は、所定量の試薬を含むアンプルであり得る。リザーバ310は、取り外し可能なキャップ330によって最初は密閉され得る。
【0031】
[0054] 実施形態によれば、部品キットは、システムの構成要素を含み得る。例えば、1つ又は複数の部品キットは、試料装置100、容器200、及び/又は、ディスペンサ300を含み得る。使用説明書(「DFU」)は、キットに付属される。試料装置100、容器200、及びディスペンサ300のうちの1つ又は複数は、使い捨て可能であり、1回限りの使用として包装され得る。
【0032】
[0055] 本明細書に記載されているように、方法は、全血分離のような液体試料の処理を実現するためにシステム又はキットの構成要素を使用し得る。いくつかの実施形態によれば、例えば、図6に示されているように、試薬20は、ディスペンサ300から容器200のリザーバ220内へ分注され得る。あるいは、容器200は、液体を収容するように構成され、容器のリザーバには、システム又はキットの最終使用者によって液体が充填され得る。
【0033】
[0056] いくつかの実施形態によれば、例えば、図7に示されているように、血液のような試料10は、試料装置100の流入チャンバ110によって流入チャンバ110内へと採取され得る。試料装置100は、流入チャンバ110の充填の間、水平方向に又は実質的に水平方向に保持され得る。流入チャンバ110は、流入チャンバ110が充填されると、自動的に停止して試料10を採取することができる。例えば、流入チャンバが毛細管であるように構成されている場合、採取は毛細管が限度いっぱいになったときに停止し得るので、液体試料(例えば、血液)を流入させるための表面が残らない。このような飽和状態では、流入チャンバ110は、これ以上液体を吸収しなくなる。従って、一実施形態では、試料装置の流入チャンバは、流体試料の一定量を採取する規定の長さを有する毛細管として構成される。
【0034】
[0057] いくつかの実施形態によれば、例えば、図8に示されているように、試料装置100は、流入チャンバ110が重力的に混合チャンバ130(図8には図示せず)の上になるように垂直方向に位置決めされ得る。 試料装置100がこのような姿勢の間は、試料10は流入チャンバ110からパッド140及び/又は混合チャンバ130(例えば、パッド140を通って)へと流出することが可能になり得る。試料10は、パッド140を通過するので、パッド140内の物質(例えば、抗RBC抗体)と反応し得る。例えば、試料10の少なくとも一部(例えば、血漿又は血清)は、試料10の第2部分(例えば、赤血球)をパッド140において保持することによって、第2部分(例えば、赤血球)から分離され得る。試料装置100は、試料10をこの流入チャンバ110から流出させるのに十分な時間の間(例えば、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、又は60秒より長く)、垂直方向に保持され得る。
【0035】
[0058] いくつかの実施形態によれば、例えば、図9に示されているように、試料装置100は、容器200に接続され得る。例えば、流入チャンバ110は、容器200のリザーバ220に挿入され得る。装置インターフェース120は、試料装置100と容器200との間の空間を密閉するように容器インターフェース210と係合し得る。試料装置100は、流出口190が露出されるように、又は露出可能に容器200に接続され得る。
【0036】
[0059] いくつかの実施形態によれば、例えば、図10に示されているように、試料装置100及び容器200は、試料装置100内の試料10の少なくとも一部を容器200内の試薬20の少なくとも一部と混合するために、攪拌され、及び/又は振盪され得る。混合は、少なくとも一部は、混合チャンバ130内で生じ得る。例えば、混合の間、試薬20はチャネル150を通って混合チャンバ130に入り得る。混合チャンバ130内では、試薬はパッド140上又はパッド140内にある試料10と混合され得る。試料装置100及び容器200は、手動で、又は機械によって、攪拌され、及び/又は、振盪され得る。
【0037】
[0060] いくつかの実施形態によれば、例えば、図11A図11Bに示されているように、攪拌及び/又は振盪によって作成された混合物は、試料装置100及び容器200から分注され得る。 流出口190は、カセット400のレセプタクル410に向けられ得る。一実施形態では、容器200及び/又は試料装置100の少なくとも一部は、図11Aに矢印で示されているように、混合チャンバ130内に圧力を加えるために変形され得る。この圧力上昇に応答して、混合チャンバ130内の混合物30の一部は、強制的にフィルタ160に通されて流出口190から分注され得る。混合物30の少なくとも一部は、混合チャンバ130内で保持され得る。例えば、大きすぎてフィルタ160を通り抜けることができない細胞成分は、混合チャンバ130内で保持され得るが、血漿はフィルタ160及び流出口190を通過する。別の実施形態では、図11Bに示されているように、試料装置100は、流出口190を囲繞するスカート部193であって、レセプタクル410のような外部ドッキング位置又は試料受容ゾーンと係合するように構成されたスカート部を備える。混合物30は、試料装置又は容器に方向性のある力を加えて混合物放出機構と係合する又は混合物放出機構を作動させることによって、混合チャンバから分注される。一実施形態では、方向性のある力は、重力基準系に対して、下方の力である。下方に加えられた力は、試料装置から流体混合物を放出させる。使用者によって加えられた下方の力に応答する機構は、「押圧放出」機構又は「押圧分注」機構と呼ばれる。一実施形態では、混合チャンバから混合物を分注するステップは、方向性のある力を加えて混合物を放出するステップを含み、混合チャンバ内の混合物の実質的に全てが分注される。他の実施形態では、混合チャンバ内の混合物の90%、95%、98%、又は99%が分注される。
【0038】
[0061] 一実施形態では、流出口190の内表面の一部又は全てが、混合物を放出しやすくする材料で加工される。例えば、表面(つまり、液体混合物の表面)張力を変えるために、親水性材料又は疎水性材料が、流出口、容器、混合チャンバの内表面、又は試料装置及び容器の他の表面に塗布され得る、又は被覆され得る。
【0039】
[0062] 上述の実施形態の代替として、あるいは、上述の実施形態と組み合わせて、システムは、全血試料又は喀痰試料又は尿試料のような流体試料を、血漿又はタンパク質を含まない喀痰若しくは尿のような第1部分と、血液の細胞成分、喀痰若しくは尿のタンパク質若しくは細胞のような第2試料部分とに分離するために処理すること、及びシステムから第1部分のみを分注すること(すなわち、第2部分は該システム内に保持される)を容易にし得る。いくつかの実施形態によれば、システムは、患者からの試料を受容するための試料装置を含み得る。図12は、本開示のいくつかの実施形態に係る、採取装置500を示している。いくつかの実施形態によれば、例えば、図12に示されているように、採取装置500は、試料を受容するための流入チャンバ510を含み得る。 流入チャンバ510は、採取装置500の第1側に位置する開口端を有する毛細管を含み得るが、流入チャンバは毛細管である必要はあるが、他の構成及び形状を有するものであってもよいことは理解されるであろう。流入チャンバ510は、圧縮チャンバ520と流体連通し得る。採取装置500の少なくとも一部は、様々な圧力条件下で流入チャンバ内への試料の採取を容易にするために変形可能であり得る。採取装置500は、流入チャンバ510の長さに沿った目標充填表示のためのマーカ530を含み得る。一実施形態では、流入チャンバは、毛細管として構成され、流入チャンバは、一定量の、既知量の、及び/又は所定量の試料を採取するための規定長さを有する。
【0040】
[0063] システムは、患者からの試料を受容し、及び/又は採取装置から試料を受容ための試料装置を含み得る。図13は、本開示のいくつかの実施形態に係る試料装置600を示す。いくつかの実施形態によれば、例えば、図13及び図14に示されているように、試料装置600は、試料を受容するためのパッド610を含み得る。パッド610は、パッド610内への血液細胞の採取を促進するように構成された、例えば、抗RBC試薬のような処理試薬を含み得る。試料装置600はさらに、本明細書にさらに詳細に記載されているように、容器に接続されたときに、試料及び/又は試薬を受容するためのチャンバ630(図14に示されている)を含み得る。
【0041】
[0064] 図14を参照すると、試料装置600はさらに、チャンバ630と流出口690との間にフィルタ660を含み得る。フィルタ660は、血漿のような試料の第1画分を通過させると同時に、フィルタ660において、試料の細胞成分のような試料の第2画分をずっと保持することができるように構成され得る。一実施形態では、フィルタはガラス繊維フィルタである。流出口690は、パッド610の反対側の試料装置600の端部に配置され、フィルタ660から出た試料の画分又は一部(例えば、血漿)の分注を可能にし得る。いくつかの実施形態では、フィルタ660は含まれず、細胞成分はパッド610内に保持される。試料装置600は、本明細書でさらに詳細に説明するように、試料装置600を容器に接続して固定するのを容易にし得る装置インターフェース620(例えば、ねじ山)を含み得る。
【0042】
[0065] システムは、試料と試薬との混合を促進するのを助ける容器を含み得る。図15は、本開示のいくつかの実施形態に係る容器700を示す。いくつかの実施形態によれば、例えば、図15に示されているように、容器700は、流体又は試薬(例えば、緩衝剤を含む溶液)を保持し、及び/又は受容するためのリザーバ720を含み得る。 リザーバ720は、試料装置600からの流体と容器700からの流体とが混合され得るように、試料装置600の少なくとも一部と流体連通する形で配置され得る。例えば、リザーバ720は、試料装置600の混合チャンバ630と流体連通する形で配置され得る。容器700は、容器700を試料装置600に接続して固定するのを容易にし得る容器インターフェース710(例えば、ねじ山)を含み得る。例えば、試料装置600は、装置インターフェース620を容器インターフェース710と係合させることによって容器700に接続され得る。装置インターフェース620と容器インターフェース710とは、係合されている間は、試料装置と容器との間は、接続状態、好ましくは、液密接続状態を維持する。さらに、装置インターフェース620と容器インターフェース710とは、試料装置600及び容器700内の空間を密閉して、空間内の材料を外部環境から分離し得る。一実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明されるように、容器700の少なくとも一部は、使用者が容器700を押し潰して流体を分注することができるように、変形可能であり得る。
【0043】
[0066] 実施形態によれば、部品キットは、システムの構成要素を含み得る。例えば、1つ又は複数の部品キットは、採取装置500、試料装置600、及び/又は容器700を含み得る。使用説明書(「DFU」)は、キットに付属される。採取装置500、試料装置600、及び容器700のうちの1つ又は複数は、使い捨て可能であり、1回限りの使用として包装され得る。
【0044】
[0067] 本明細書に記載されているように、方法は、全血試料の2つの部分への処理のような液体試料の処理を実現するためにシステム又はキットの構成要素を使用し得る。いくつかの実施形態によれば、例えば、図16に示されているように、血液のような試料10は、採取装置500の流入チャンバ510によって、流入チャンバ510内へと採取され得る。採取装置500は、流入チャンバ510の充填の間、水平方向に又は実質的に水平方向に保持され得る。圧縮チャンバ520は、採取の前に圧縮され、その後、流入チャンバ510の圧力を下げて流入チャンバ510に流入する流れを形成するために解放され得る。採取は、試料10がマーカ530に達するまで継続され得る。
【0045】
[0068] いくつかの実施形態によれば、例えば、図17に示されているように、採取装置500は、試料10の全て又は一部を試料装置600のパッド610に分注するように位置決めされ得る。圧縮チャンバ520は、流入チャンバ510の圧力を上昇させて流入チャンバ510から流出する流れを形成するために圧縮され得る。試料10は、パッド610へと吸収され得る。一実施形態では、採取装置は、一定量の、既知量の、及び/又は所定量の試料を採取するように構成される。一実施形態では、採取装置の流入チャンバ内の試料の90%、95%、98%、又は99%がパッド610に分注される。
【0046】
[0069] いくつかの実施形態によれば、例えば、図18及び図19に示されているように、試料装置600は、容器700に接続され得る。例えば、パッド610は、容器700のリザーバ720に挿入され得る。装置インターフェース620は、試料装置600と容器700との間の空間を密閉するように容器インターフェース710と係合し得る。試料装置600は、流出口690が露出されるように、又は露出可能に容器700に接続され得る。
【0047】
[0070] いくつかの実施形態によれば、例えば、図20に示されているように、試料装置600及び容器700は、試料装置600内の試料10の少なくとも一部と容器700内の試薬20(図18及び図19には図示せず)の少なくとも一部とを混合するために、攪拌され、及び/又は振盪され得る。混合は、少なくとも一部はチャンバ630内で生じ得る。チャンバ630及びリザーバ720内では、試薬20はパッド610上又はパッド610内にある試料10と混合され得る。試料装置600及び容器700は、手動で、又は機械によって、攪拌され、及び/又は、振盪され得る。
【0048】
[0071] いくつかの実施形態によれば、例えば、図21A及び図21Bに示されているように、攪拌及び/又は振盪によって生成された混合物は、試料装置600及び容器700から分注され得る。 流出口690は、カセット800のレセプタクル810に向けられ得る。一実施形態では、図21Aに示されているように、容器700及び/又は試料装置600の少なくとも一部は、チャンバ630内に圧力を加えるために変形され得る。この圧力上昇に応答して、チャンバ630内の混合物30の一部は、強制的にフィルタ660に通されて流出口690から分注され得る。混合物30の少なくとも一部は、チャンバ630内で保持され得る。例えば、大きすぎてフィルタ660を通り抜けることができない細胞成分は、チャンバ630内で保持され得るが、血漿はフィルタ660及び流出口690を通過する。別の実施形態では、図21Bに示されているように、試料装置600は、流出口690を囲繞するスカート部693であって、レセプタクル810のような外部ドッキング位置又は試料受容ゾーンと係合するように構成されたスカート部を備える。試料装置のチャンバ内の流体混合物は、試料装置又は取りつけられた容器に方向性のある力を加えて混合物放出機構と係合する又は混合物放出機構を作動させることによって、分注される。一実施形態では、方向性のある力は、重力基準系に対して、下方の力である。下方に加えられた力は、試料装置から流体混合物を放出させる。使用者によって加えられた下方の力に応答する機構は、「押圧放出」機構又は「押圧分注」機構と呼ばれる。一実施形態では、チャンバ630から混合物を分注するステップは、方向性のある力を加えて混合物を放出するステップを含み、チャンバ内の混合物の実質的に全てが分注される。他の実施形態では、チャンバ内の混合物の90%、95%、98%、又は99%が分注される。
【0049】
[0072] システムは、全血分離及び血漿の分注を容易にし得るが、その一方で細胞成分は保持される。システムは、患者からの試料を受容し、処理するための試料装置を含み得る。図22及び図23は、本開示のいくつかの実施形態に係る試料装置950を示す。いくつかの実施形態によれば、例えば、図22及び図23に示されているように、試料装置950は、試料を受容するための流入チャンバ960を含み得る。流入チャンバ960は、試料装置950の第1側に位置する開口端を有する毛細管を含み得る。流入チャンバ960は、パッド980によってチャネル990から分離され、及び/又はチャネル990を分割し得る。パッド980は、パッド980内への血液細胞の採取を促進するように構成された抗RBC試薬を含み得る。チャネル990は、パッド980の1つ又は複数の側でパッド980への経路を形成し得る。本明細書にさらに詳細に記載されているように、チャネル990は、試薬を保持する容器内で試料装置950を作動させた後の試薬用の経路となる。
【0050】
[0073] システムは、試料と試薬との混合を促進するのを助ける容器を含み得る。図24図26は、本開示のいくつかの実施形態に係る容器900を示す。いくつかの実施形態によれば、例えば、図24に示されているように、容器900は、緩衝剤を含む溶液のような試薬20を保持し、及び/又は受容するためのリザーバ940を含み得る。リザーバ940は、少なくとも一部は、フォイルカバーのような障壁930によって密閉され得る。障壁930は、障壁930が穿孔される、破られる、又は除去されるまで、リザーバ940を容器900のチャンバ920から隔離し得る。
【0051】
[0074] 試料装置950は、少なくとも一部は容器900内に配置され得る。例えば、容器900は、試料装置950の少なくとも一部を固定し得る突起部922を含み得る。例えば、1つ又は複数の突起部922は、外力が試料装置950を移動させて1つ又は複数の突起部922を越えさせるまで試料装置950が容器900内で固定されるように、試料装置950の一部の両側に配置され得る。
【0052】
[0075] 本明細書に記載されているように、方法は、全血分離を実現するためにシステムの構成要素を使用し得る。いくつかの実施形態によれば、血液のような試料は、試料装置950の流入チャンバ960によって流入チャンバ110内へと採取され得る。試料装置950は、流入チャンバ960の充填の間、容器900内で固定された状態で水平方向に又は実質的に水平方向に保持され得る。
【0053】
[0076] いくつかの実施形態によれば、例えば、図24示されているように、試料装置950は、流入チャンバ960が重力的にパッド980の上になる形で垂直方向に配置され得る。試料装置950がこのような姿勢の間は、試料は流入チャンバ960からパッド980及び/又はチャネル990(例えば、パッド980を通って)へと流出することが可能になり得る。試料は、パッド980を通過するので、パッド980内の物質(例えば、抗RBC試薬)と反応し得る。例えば、試料の少なくとも一部は、試料の第2部分をパッド980において保持することによって、試料の第2部分から分離され得る。試料装置950は、試料をこの流入チャンバ960から流出させるのに十分な時間の間(例えば、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、又は60秒より長く)、垂直方向に保持され得る。
【0054】
[0077] いくつかの実施形態によれば、例えば、図24図26に示されているように、試料装置950は、試薬を放出するために容器900内で前進され得る。例えば、試料装置950の一端992は、障壁930を穿孔し、その少なくとも一部が容器900のリザーバ940に挿入され得る。試料装置950は、試料装置950を支持する1つ又は複数の突起部922によって生じる力に打ち勝つことによって前進され得る。例えば、ディスペンサ912は、試料装置950を前進させるのに使用され得る。ディスペンサインターフェース918は、容器900内の空間(例えば、チャンバ920)を密閉するように容器インターフェース910と係合し得る。例えば、容器900は、容器900を試料装置950に接続して固定するのを容易にし得る容器インターフェース910(例えば、ねじ山)を含み得る。試料装置950は、ディスペンサインターフェース918を容器インターフェース910と係合させることによって容器900に接続され得る。ディスペンサインターフェース918と容器インターフェース910とは、係合されている間は、ディスペンサ912と容器900との接続状態を維持する。さらに、ディスペンサインターフェース918と容器インターフェース910とは、容器900内の空間を密閉して、空間内の材料を外部環境から分離し得る。ディスペンサ912が取り付けられると、ディスペンサ912は試料装置950に力を加えて、試料装置950の一端992を障壁930に通過させ得る。このような構成では、試薬20は、パッド980内の試料と混合され得る。例えば、試薬20は、チャネル990内を移動して、パッド980及びチャンバ920に入ることができる。
【0055】
[0078] いくつかの実施形態によれば、試料装置950及び容器900は、試料装置950内の試料の少なくとも一部を容器900内の試薬20の少なくとも一部と混合するために、攪拌され、及び/又は振盪され得る。 混合は、少なくとも一部は、チャネル990内で生じ得る。チャネル990内では、試薬はパッド980上又はパッド980内にある試料と混合され得る。試料装置950及び容器900は、手動で、又は機械によって、攪拌され、及び/又は、振盪され得る。
【0056】
[0079] いくつかの実施形態によれば、攪拌及び/又は振盪によって作成された混合物は、試料装置950及び容器900からディスペンサ912を通して分注され得る。ディスペンサ912の流出口916は、カセットのレセプタクル(図示せず)に向けられ得る。容器900の少なくとも一部は、チャネル990内に圧力を加えるために変形され得る。この圧力上昇に応答して、容器900内の混合物の一部は、強制的にディスペンサ912のフィルタ914に通されて流出口916から分注され得る。フィルタ914は、例えば、ガラス繊維を含み、血漿を通過させると同時に、フィルタ914において、試料の細胞成分をずっと保持することができるように構成され得る。混合物の少なくとも一部は、チャネル990内で保持され得る。例えば、大きすぎてフィルタ914を通り抜けることができない細胞成分は、チャネル990内で保持され得るが、血漿はフィルタ914及び流出口916を通過する。いくつかの実施形態では、フィルタ914は含まれず、細胞成分はパッド980内に保持される。
【0057】
[0080] 実施形態によれば、部品キットは、システムの構成要素を含み得る。例えば、1つ又は複数の部品キットは、試料装置950、容器900、及び/又はディスペンサ912を含み得る。使用説明書(「DFU」)は、キットに付属される。試料装置950、容器900、及びディスペンサ912のうちの1つ又は複数は、使い捨て可能であり、1回限りの使用として包装され得る。
【0058】
実施例
[0081] Quidel社のFDA承認済みSOFIA(登録商標)のライム病FIA検査装置を使用した血清血漿検査方法と比較して、記載されている指先穿刺全血による全血分離装置の使用を評価するために、研究が実施された。この前向き研究は、米国全体にわたってライム病流行地に位置する11の現場においてライム病の疑いがあってライム病の症状を呈する529人の被験者から採取された適合血液検体(指先穿刺及び血清/血漿)試料を使用して実施された。全血試料採取及びライム病免疫学的測定は、11の臨床現場の各々においてCLIA認定免除の担当者によって即座に実施された。このことは、訓練を受けていない担当者の手で使用しやすいことを実証している。CLIA認定免除の検査場とは異なる中央規準研究所において、既承認のライム病IgM・IgGアッセイ及びウェスタンブロットのライム病IgM・IgGアッセイが実施された。SOFIA(登録商標)によるライム病IgM・IgGアッセイを使用した指先穿刺全血による全血分離装置と血漿血清非分離装置との比較の一次結果が表1及び表2に示されている。条件間で統計的差異(p>0.05)は見られない、つまり、全血分離装置では血漿及び血清を用いた検査と同様の成績が得られることを示している。
【表1】

【表2】
【0059】
[0082] 臨床成績は、毛細血管の全血を検査したときのSofiaによるライム病FIA結果と、適合血清検体又は血漿検体を検査する3つの異なる一次IgM・IgG比較方法によって得られた結果との比較に基づいて評価された。指先穿刺全血による全血分離装置と血漿及び血清による非分離装置との比較により、比較検査装置に対するSOFIA(登録商標)のライム病IgM・IgGの陽性一致率及び陰性一致率が評価された。このデータは、表3及び表4に示されている。条件間で統計的差異(p>0.05)は見られない、つまり、全血分離装置では血漿及び血清を用いた検査と同様の成績が得られることを示している。
【表3】

【表4】
【0060】
[0083] 次のIgM・IgGウェスタンブロットによる二次検査は、全ての一次陽性結果に対して実施された。二次結果は、指先穿刺全血による全血分離装置と血漿及び血清による非分離装置との比較により評価された。このデータは、表5に示されている。条件間で、IgM二次陽性結果及びIgG二次陽性結果に対して統計的差異(p>0.05)は見られない、つまり、全血分離装置では血漿及び血清を用いた検査と同様の成績が得られることを示している。
【表5】
【0061】
[0084] 次のIgM・IgGウェスタンブロットによる二次検査は、SOFIA(登録商標)全血分離装置及び全血分離装置を使用しない全ての比較方法によって得られた一次陽性結果に対して実施された。ライム病IgMに関して、結果は、比較方法(陽性結果は77~95)と比較してSOFIA(登録商標)全血分離装置を使用した二次陽性結果(106)の方が多いことを実証している。つまり、病気の初期段階のライム病陽性の疑いのある患者の数は、SOFIA(登録商標)IgM全血方法を使用して診断される場合の方が多いということである。ライム病IgGに関して、結果は、比較方法(陽性結果は57~72)と比較してSofia全血分離装置を使用した二次陽性結果(72)の数はほぼ同数であることを実証している。つまり、場合によっては、ライム病陽性の疑いのある患者の数は、SOFIA(登録商標)IgG全血方法を使用して診断される場合の方が多いといことである。その結果は、表6にまとめられている。
【表6】
【0062】
[0085] 記載されている全血分離装置は、従来の血清及び血漿方法よりも多くの利点を有する。例えば、記載されている全血分離は、少量の試料(静脈穿刺管から採取される多量の血液ではなく、指先穿刺による25μlの血液)で可能である。別の例として、記載されている全血分離は、遠心分離(>15分)と比較して、迅速な所要時間(<60秒)を可能にする。さらに別の例として、記載されている全血分離は、遠心分離と比較して使いやすいので、訓練を受けた研究所の担当者ではなく、CLIA認定免除の担当者にいる使用が可能である。さらに別の例として、記載されている全血分離では、追加の設備が必要でないので、遠心分離機のような研究室用器具ではなく、一回限りの使用の分離装置を提供することができる。さらに別の例として、記載されている全血分離により、血清及び血漿によるライム病IgM・IgG結果と比較して同様の一次結果成績が得られる。さらに別の例として、記載されている全血分離により、ライム病IgM・IgGに対して、従来の方法と比較して改善された二次結果成績が得られる。
【0063】
[0086] 上記説明は、当業者が本明細書に記載されている様々な構成を実施することができるように記載されている。対象技術は、特に、様々な図及び構成を参照して説明されているが、これらの図及び構成は単に例示目的で示されており、対象技術の範囲を制限するものと捉えるべきではないことは理解されたい。
【0064】
[0087] 「一態様」のような表現は、このような態様が対象技術に不可欠であること、又はこのような態様が対象技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。一態様に関する開示内容は、全ての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用され得る。一態様は、本開示の1つ又は複数の実施例を提供し得る。「一態様」のような表現は、1つ又は複数の態様とも呼ばれ得る、又はその逆もあり得る。「一実施形態」のような表現は、このような実施形態が対象技術に不可欠であること、又はこのような実施形態が対象技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。一実施形態に関する開示内容は、全ての実施形態、又は1つ若しくは複数の実施形態に適用され得る。一実施形態は、本開示の1つ又は複数の実施例を提供し得る。「一実施形態」のような表現は、1つ又は複数の実施形態とも呼ばれ得る、又はその逆もあり得る。「一構成」のような表現は、このような構成が対象技術に不可欠であること、又はこのような構成が対象技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。一構成に関する開示内容は、全ての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用され得る。一構成は、本開示の1つ又は複数の実施例を提供し得る。「一構成」のような表現は、1つ又は複数の構成とも呼ばれ得る、又はその逆もあり得る。
【0065】
[0088] 対象技術を実施するのに多くの他の方法があり得る。本明細書に記載されている様々な機能及び要素は、対象技術の範囲から逸脱せずに図示されているものとは異なる形で分割され得る。これらの構成の様々な修正は、当業者には容易に明らかになるであろう。また本明細書内で定義されている一般的原理は、他の構成に適用され得る。従って、対象技術の範囲から逸脱せずに、当業者によって対象技術に多くの変更及び修正がなされてもよい。
【0066】
[0089] 開示されているプロセスのステップの特定の順序又は階層は例示的手法の一例であることを理解されたい。設計の好みに応じて、プロセスのステップの特定の順序又は階層は再配置され得る。ステップのいくつかは、同時に実行され得る。添付の方法クレームは、模範的な順序で様々なステップの要素を示しており、提示されている特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0067】
[0090] 本明細書で使用される場合、「及び」若しくは「又は」を使用してアイテムのいずれかを分割して一連のアイテムの前に置かれる「~の少なくとも1つ」という表現は、リストの各々の部材(すなわち、各々のアイテム)ではなく、リスト全体をまとめて修飾する。「~の少なくとも1つ」という表現は、列挙された各々のアイテムの少なくとも1つを選択する必要はなく、むしろ、この表現はアイテムの任意の1つのアイテムの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの各々の少なくとも1つを含むという意味で解釈可能である。例として、「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、若しくはCの少なくとも1つ」という表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、及び/又はA、B、及びCの各々の少なくとも1つを指す。
【0068】
[0091] 「上部」、「底部」、「前部」、「後部」などの用語は、本開示内で使用される場合、通常の重力基準系ではなく、任意の基準系を指すものと理解されたい。従って、上面、底面、前面、及び後面は、重力基準系内で上方に、下方に、対角線上に、又は水平方向に延在し得る。
【0069】
[0092] さらに、「含む」、「有する」などの用語は、本明細書又は特許請求の範囲で使用される限りにおいて、「備える」が請求項内の転換語として使用されるときに解釈される意味のように、「備える」と同様に包括的な意味を示す。
【0070】
[0093] 用語「例示的な」は、本明細書では「1つの例、実例、例示としての役割を果たす」意味を示すのに使用される。本明細書に記載されている実施形態のいずれも、必ずしも他の実施形態よりも好適である、又は有利であると解釈すべきでない。
【0071】
[0094] 単数形の要素の言及は、特に断りの無い限り、「唯一の」の意味を指すのではなく、むしろ「1つ又は複数」の意味を示すものとする。男性形容詞(例えば、彼の)は女性形容詞及び中性形容詞(例えば、彼女の、及びその)を含み、その逆も言える。用語「いくつかの」は、1つ又は複数を指す。下線付き及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜のみを目的として使用されており、対象技術を制限するものではなく、対象技術の説明の解釈に関する表現ではない。当業者に周知の又は後に知られるようになる、本開示全体を通して記載されている様々な構成の要素の全ての構造的及び機能的均等物は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、対象技術によって包含されるものとする。さらに、開示内容が上記説明内で明示的に列挙されているかどうかに関係なく、本明細書に開示されている内容はどれも一般の人を対象にしたものではない。
【0072】
[0095] 対象技術の特定の態様及び実施形態について説明したが、これらの態様及び実施形態は、単なる例として示されており、対象技術の範囲を制限するものではない。実際に、本明細書に記載されている新奇な方法及びシステムは、対象技術の精神から逸脱せずに、様々な他の形態で具現化されてよい。添付の請求項及びその同等の内容は、対象技術の範囲及び精神の範囲内にある、そのような他の形態又は修正形態を包含するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図11A
図11B
図12
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図21B
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