(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】移動ロボットを制御するための方法、装置及び制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220603BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2020550723
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2019096743
(87)【国際公開番号】W WO2020103477
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】201811382006.4
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ゼーリン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,インナン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,ウェンロン
(72)【発明者】
【氏名】フー,シ
【審査官】黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108482372(CN,A)
【文献】特開2016-051353(JP,A)
【文献】特開2014-186694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0116485(US,A1)
【文献】特開2012-111011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットを制御する方法であって
、
移動ロボットから送信され
、前記移動ロボットの識別子を含む起動要求を受信したことに応答して、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップと、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあると判断したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するステップと、
取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するステップと、
前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するステップと、
を含
み、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップは、
前記識別子を、予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得するステップを含み、
前記運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連付けられたものであり、前記運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか又は運動できない状態にあるかを示すために用いられる、方法。
【請求項2】
取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するステップは、
取得した情報を、前記移動ロボットに対して予め決定された速度制限モデルに入力して、前記移動ロボットの速度制限値を取得するステップを含み、
前記速度制限モデルは、位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報と前記移動ロボットの速度制限値とが関連付けられたものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するステップは、
前記速度制限値を含む起動指令を、OTA技術を利用して、前記移動ロボットへ送信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得するステップと、
前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定するステップと、
前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信するステップと、
をさらに含む、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記移動ロボットは、無人車である、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
移動ロボットを制御するための装置であって、
移動ロボットから送信され
、前記移動ロボットの識別子を含む起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成された第1の取得ユニットと、
取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するように構成された第1の決定ユニットと、
前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するように構成された第1の送信ユニットと、
を備え
、
前記第1の取得ユニットは、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するように構成された判定モジュールと、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあると判断したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成された取得モジュールと、
を備え、
前記判定モジュールは、前記識別子を、予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得するように構成された入力サブモジュールを含み、
前記運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連付けられたものであり、前記運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか又は運動できない状態にあるかを示すために用いられる、装置。
【請求項7】
前記第1の決定ユニットは、取得した情報を、前記移動ロボットに対して予め決定された速度制限モデルに入力して、前記移動ロボットの速度制限値を取得する入力モジュールを備え、
前記速度制限モデルは、位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報と前記移動ロボットの速度制限値とが関連付けられたものである、
請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の送信ユニットは、
前記速度制限値を含む起動指令を、OTA技術を利用して、前記移動ロボットへ送信するように構成された送信モジュールを備える、
請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得するように構成された第2の取得ユニットと、
前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定するように構成された第1の決定ユニットと、
前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信するように構成された第2の送信ユニットと、
をさらに備える、請求項
6乃至
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記移動ロボットは、無人車である、請求項
6乃至
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
移動ロボットと、前記移動ロボットを支援するサーバとを含む制御システムであって、
前記移動ロボットは、ユーザから入力された起動指令に応じて、前記サーバに
前記移動ロボットの識別子を含む起動要求を送信するように構成され、
前記サーバは、
移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定し、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあると判断したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、
取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定し、
前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信する、
ように構成され
、
前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定することは、
前記識別子を、予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得することを含み、
前記運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連付けられたものであり、前記運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか又は運動できない状態にあるかを示すために用いられる、
制御システム。
【請求項12】
前記移動ロボットは、さらに、前記速度制限値以下の速度で運動するように構成される、
請求項1
1に記載の制御システム。
【請求項13】
前記サーバは、さらに、
前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得し、
前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定し、
前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信する、
ように構成される、請求項1
1又は1
2に記載の制御システム。
【請求項14】
電子機器であって、
1または複数のプロセッサと、
1または複数のコンピュータプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、
前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の方法を実現させる電子機器。
【請求項15】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、請求項1乃至
5のいずれかに記載の方法を実現するコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサに実行されると、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、コンピュータ技術分野に関し、具体的には、移動ロボットを制御するための方法、装置及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動ロボットは、自律的に動作する機械装置である。移動ロボットは、人間の指令を受け入れることの他、予め編集されたプログラムを実行することと、人工知能技術によって確立された原則に従って動作することもできる。
現在、移動ロボットは、現在の道路状況、歩行者状況、車両状況及び乗客状況等に基づき、その運動速度を自動的に決定することが一般てきである。無人車を例とすると、無人車の車両速度の制限は、一般的に車両の現在位置する車線の車線の速度制限に基づいて行われる。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施例は、移動ロボットを制御するための方法、装置及び制御システムを提供する。
【0004】
第1の態様によれば、移動ロボットを制御する方法であって、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するステップと、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するステップと、前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するステップと、を含む、方法を提供する。
【0005】
幾つかの実施例において、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するステップは、前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップと、前記移動ロボットが運動可能な状態にあると判断したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するステップと、を含む。
【0006】
幾つかの実施例において、前記起動要求は、前記移動ロボットの識別子を含み、前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップは、前記識別子を、予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得するステップを含み、前記運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連付けられたものであり、前記運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか又は運動できないな状態にあるかを示すために用いられる。
【0007】
幾つかの実施例において、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するステップは、取得した情報を、前記移動ロボットに対して予め決定された速度制限モデルに入力して、前記移動ロボットの速度制限値を取得するステップを含み、前記速度制限モデルは、位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報と前記移動ロボットの速度制限値とが関連付けられたものである。
【0008】
幾つかの実施例において、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するステップは、前記速度制限値を含む起動指令を、OTA技術を利用して、前記移動ロボットへ送信するステップを含む。
【0009】
幾つかの実施例において、前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得するステップと、前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定するステップと、前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信するステップと、をさらに含む。
【0010】
幾つかの実施例において、前記移動ロボットは、無人車である。
【0011】
第2の態様によれば、移動ロボットを制御するための装置であって、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成された第1の取得ユニットと、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定するように構成された第1の決定ユニットと、前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信するように構成された第1の送信ユニットと、を備える、装置を提供する。
【0012】
幾つかの実施例において、前記第1の取得ユニットは、前記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するように構成された判定モジュールと、前記移動ロボットが運動可能な状態にあると判断したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成された取得モジュールと、を備える。
【0013】
幾つかの実施例において、前記起動要求は、前記移動ロボットの識別子を含み、前記判定モジュールは、前記識別子を、予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得するように構成された入力サブモジュールを含み、前記運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連付けられたものであり、前記運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか又は運動できないな状態にあるかを示すために用いられる。
【0014】
幾つかの実施例において、前記第1の決定ユニットは、取得した情報を、前記移動ロボットに対して予め決定された速度制限モデルに入力して、前記移動ロボットの速度制限値を取得する入力モジュールを備え、前記速度制限モデルは、位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報と前記移動ロボットの速度制限値とが関連付けられたものである。
【0015】
幾つかの実施例において、前記第1の送信ユニットは、前記速度制限値を含む起動指令を、OTA技術を利用して、前記移動ロボットへ送信するように構成された送信モジュールを備える。
【0016】
幾つかの実施例において、当該装置は、前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得するように構成された第2の取得ユニットと、前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定するように構成された第1の決定ユニットと、前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信するように構成された第2の送信ユニットと、をさらに備える。
【0017】
幾つかの実施例において、前記移動ロボットは、無人車である。
【0018】
第3の態様によれば、移動ロボットと、前記移動ロボットを支援するサーバとを含む制御システムであって、前記移動ロボットは、ユーザから入力された起動指令に応じて、前記サーバに起動要求を送信するように構成され、前記サーバは、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定し、前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信する、ように構成される、制御システムを提供する。
【0019】
幾つかの実施例において、前記移動ロボットは、さらに、前記速度制限値以下の速度で運動するように構成される。
【0020】
幾つかの実施例において、前記サーバは、さらに、前記移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得し、前記リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定し、前記リアルタイム運動速度の速度値が前記リアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、前記移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信する、ように構成される。
【0021】
第4の態様によれば、電子機器であって、1または複数のプロセッサと、1または複数のコンピュータプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、移動ロボットを制御するための方法のいずれか一つの実施例に記載の方法を実現させる電子機器を提供する。
【0022】
第5の態様によれば、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、移動ロボットを制御するための方法のいずれか一つの実施例に記載の方法を実現させるコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
第6の態様によれば、コンピュータプログラムであって、プロセッサに実行されると、第1の態様に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【0023】
本願の実施例が提供する移動ロボットを制御するための方法、装置及び制御システムは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するし、その後、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定し、最後に、前記移動ロボットが前記速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を前記移動ロボットへ送信する。これにより、位置情報と状況情報のうちの少なくとも一つに基づいて、移動ロボットの制限速度を決定することで、移動ロボットの制限速度を遠隔制御することができ、さらに移動ロボットの運動の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本出願の他の特徴、目的及び利点は、以下の図面を参照してなされる非限定的な実施例に係る詳細な説明を読むことにより、より明らかになる。
【
図1】本願の一実施例を適用可能な例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本願に係る移動ロボットを制御するための方法の一実施例のフローチャートである。
【
図3】本願に係る移動ロボットを制御するための方法の適用シナリオの概略図である。
【
図4】本願に係る移動ロボットを制御するための方法の他の実施例のフローチャートである。
【
図5】本願に係る移動ロボットを制御するための装置の一実施例の概略構成図である。
【
図6】本願に係る制御システムの一実施例のインタラクションプロセスの概略図である。
【
図7】本願に係る電子機器を実現するのに好適なコンピュータシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び実施例を参照しながら本出願をより詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、関連する発明を説明するためのものに過ぎず、当該発明を限定するものではないことを理解されたい。また、説明の便宜上、図面には発明に関連する部分のみが示されていることに留意されたい。
【0026】
なお、なお、本出願の実施例及び実施例における特徴は、矛盾を生じない限り、相互に組み合わせることができる。以下、図面及び実施例を参照しながら本出願を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本願の実施例に係る移動ロボットを制御するための方法、移動ロボットを制御するための装置または制御システムの実施形態を適用可能なシステムアーキテクチャ100を示す図である。
【0028】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、端末装置101、102、サーバ103、ネットワーク104及び移動ロボット105、106を含むことができる。ネットワーク104は、端末装置101、102と、サーバ103と、移動ロボット105、106との間で通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク104には、有線又は無線的な通信回線、光ファイバケーブル等の各種の接続形態が含まれていてもよい。
【0029】
端末装置101、102、サーバ103、移動ロボット105、106は、ネットワーク104を介してインタラクションを行い、データを送受信することができる(例えば、移動ロボット105、106は、自身が位置する位置情報及び自身の状況情報を、ネットワーク104を介して端末装置101、102又はサーバ103に送信する)。端末装置101、102には、例えば、データ処理クラスアプリケーション、画像処理クラスアプリケーション、ウェブブラウザアプリケーション、ショッピングアプリケーション、検索クラスアプリケーション、インスタントコミュニケーションツール、メールクライアント、ソーシャルプラットフォームソフト等の、各種通信クライアントアプリケーションがインストールされていてもよい。
【0030】
端末装置101、102は、ハードウェアであってもよいし、ソフトウェアであってもよい。端末装置101、102がハードウェアの場合、様々な電子機器であってもよく、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型携帯コンピュータ及びデスクトップコンピュータ等を含むがこれらに限定されない。端末装置101、102がソフトウェアの場合には、上記に例示した電子機器に実装することができる。それは、複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール(例えば分散型サービスを提供するためのソフトウェア又はソフトウェアモジュール)として実施されても良く、単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実施されてもよい。ここで、特に限定するものではない。一例として、端末装置101、102にインストールされたソフトウェアは、受信したデータ(例えば移動ロボット105、106が位置する位置情報及び自身の状況情報)を処理し、処理の結果(例えば位置情報及び自身の状況情報の中の少なくとも一つの情報に基づいて決定された移動ロボットの速度制限値)を移動ロボット105、106にフィードバックすることができる。
【0031】
サーバ103は、例えば、移動ロボット105、106が送信するデータを処理するバックグラウンドサーバなど、様々なサービスを提供するサーバであってよい。バックグラウンドサーバは、受信したデータ(例えば、移動ロボット105、106自身が位置する位置情報及び自身の状況情報)を処理し、処理の結果(例えば、位置情報及び自身の状況情報のうちの少なくとも一つの情報に基づいて決定された移動ロボットの速度制限値)を移動ロボット105、106にフィードバックすることができる。
【0032】
なお、サーバは、ハードウェアであってもよく、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアの場合、複数のサーバで構成される分散型サーバクラスタとして実施されてもよく、単一のサーバとして実施されてもよい。サーバがソフトウェアの場合、複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール(例えば分散型サービスを提供するためのソフトウェア又はソフトウェアモジュール)として実施されてもよく、単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実施されてもよい。ここで特に限定するものではない。
【0033】
移動ロボット105、106は、移動(すなわち移動)可能な種々の機械装置であってよい。例えば、移動ロボット105、106は、空中ロボット(例えば無人機)、ホイール式移動ロボット(例えば無人車)、歩行移動ロボット(片足式、両足式及び多足式移動ロボット)、クローラ式移動ロボット、クリープロボット、蠕動ロボット、遊動ロボット、医療ロボット、軍用ロボット、助残ロボット、洗浄ロボット等を含むことができるが、これに限定されない。移動ロボット105、106は、端末装置101、102またはサーバ103に起動要求を送信して、移動を要求することができる。また、移動ロボット105、106は、端末装置101、102またはサーバ103に、移動ロボットの速度制限値を決定するための位置情報、状況情報の少なくとも1つを送信するようにしてもよい。移動ロボット105、106は、上記速度制限値を含む起動指令を受信すると、上記速度制限値以下の速度で運動するようにしてもよい。
【0034】
なお、本願の実施例による移動ロボットを制御するための方法は、サーバ103により実行される。それに応じて、移動ロボットを制御するための装置は、サーバ103に設けられる。また、本願の実施例による移動ロボットを制御するための方法は、端末装置101、102により実行される。それに応じて、移動ロボットの制御装置は、端末装置101、102に設けられる。あるいは、本願の実施例による移動ロボットを制御するための方法は、移動ロボット105、106によって実行される。それに応じて、移動ロボットを制御するための装置も移動ロボット105、106に設けられる。
【0035】
なお、
図1の端末装置、ネットワーク、サーバ、および移動ロボットの数は一例である。必要に応じて、任意の数の端末装置、ネットワーク、サーバ及び移動ロボットを有することができる。また、移動ロボットを制御するための方法が動作している電子機器が、移動ロボット以外の電子機器との間でデータ伝送を行う必要がない場合には、システム構成は、移動ロボットを制御するための方法が動作している電子機器と移動ロボットのみで構成されていてもよい。
【0036】
図2を参照すると、本願の移動ロボットを制御するための方法の一実施例に係るフロー200が示されている。該移動ロボットを制御するための方法は、以下のステップを含む。
【0037】
ステップ201において、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答し、移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する。
【0038】
本実施例において、移動ロボットを制御するための方法の実行主体(例えば
図1に示すサーバ又は端末装置)は、移動ロボットから送信された起動要求を受信すると、移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するようにしてもよい。
【0039】
上記移動ロボットは、様々な運動(すなわち移動)可能な機械装置であってもよい。例えば、移動ロボットは、空中ロボット(例えば無人機)、ホイール式移動ロボット、歩行移動ロボット(片足式、両足式及び多足式移動ロボット)、クローラ式移動ロボット、クリープロボット、蠕動ロボット、遊動ロボット、医療ロボット、軍用ロボット、助残ロボット、洗浄ロボット等を含むことができるが、これに限定されない。
【0040】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、移動ロボットは、無人車であってもよい。
【0041】
前記起動要求は、移動ロボットが移動を開始する前に前記実行主体に送信される情報であってもよい。この起動要求は、移動ロボットに動作開始直前を指示するために用いられる。幾つかの状況では、移動ロボットは、上記実行主体以外の他の電子機器を介してユーザから送信された起動指示を受信した後に、上記実行主体に向けて移動要求を送信するようにしてもよい。
【0042】
上記位置情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前のその位置を示すために用いられる。
【0043】
上記状況情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前の移動ロボットの状況を示すために用いられる。例えば、状況情報は、故障が存在するか否かの情報、故障が運動に影響を与えるか否かの情報、故障点が位置する位置の情報などを含むことができるが、これに限定されない。
【0044】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、該ステップ201は、以下のステップを含んでもよい。
【0045】
ステップ1において、移動ロボットから送信された起動要求を受信した場合、移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定する。
【0046】
例えば、上記実行主体は、移動ロボットから送信された起動要求を受信した場合に、まず、起動要求を受信した時刻を決定し、決定した時刻が移動ロボット用に予め定められた期間(例えば、0時~6時)である場合に、移動ロボットが移動できない状態にあると判定し、決定した時刻が移動ロボット用に予め定められた期間(例えば、0時~6時)でない場合に、移動ロボットが運動可能な状態にあると判定するようにしてもよい。
【0047】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、起動要求は、移動ロボットの識別子を含むことができる。識別子は、数字、アルファベット、記号(例えば、下線等)等からなる文字列であってもよい。これにより、前記実行主体は、以下のステップにより、前記移動ロボットが運動可能な状態であるか否かを判定する。
識別子を予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を得る。そのうち、運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とが関連つけられたモデルである。移動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか、又は移動できない状態にあるかを示すために用いられる。
【0048】
上記運動状態モデルは、例えば、各移動ロボットの識別子と各移動ロボットの運動状態情報とが格納された2次元テーブルやデータベースであってもよい。選択的に、上記運動状態モデルは、各移動ロボットの識別子と各移動ロボットの運動状態情報とが格納されたプロファイルであってもよい。
【0049】
さらに他の例として、上記運動状態モデルは、機械学習アルゴリズムを用いて、初期モデル(例えばコンボリューションニューラルネットワーク)を訓練したモデルであってもよい。ここで、機械学習アルゴリズムを用いて訓練してモデルを得る技術は、現在広く研究されている周知技術であり、ここでは説明を省略する。
【0050】
ステップ2において、移動ロボットが運動可能な状態にあると判定された場合、移動ロボットの位置情報、状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する。
【0051】
ステップ202において、取得した情報に基づき、移動ロボットの速度制限値を決定する。
【0052】
本実施例において、ステップ201で取得された情報(位置情報及び状況情報の少なくとも一つを含む)に基づき、上記実行主体は、移動ロボットの速度制限値を決定することができる。ここで、速度制限値は、上記移動ロボットが運動可能な最大速度(線速度であってもよく、角速度であってもよい)を特徴づけるための速度値であってもよい。
【0053】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、上記実行主体は、以下のステップにより該ステップ202を実行する。
取得された情報を移動ロボットに対して予め定められた速度制限モデルに入力し、移動ロボットの速度制限値を取得する。そのうち、速度制限モデルは位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つと移動ロボットの速度制限値との間の対応関係を示すものである。
【0054】
ここで、取得した情報が状況情報を含まず位置情報を含む場合には、上述した速度制限モデルは、移動ロボットの位置情報と移動ロボットの速度制限値とを関連付けるために用いられる。この適用シナリオにおいて、該速度制限モデルは、該移動ロボットの位置情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納された2次元テーブル又はデータベースであってもよい。選択的に、上記速度制限モデルは、該移動ロボットの位置情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納されたプロファイルであってもよい。
【0055】
取得した情報が位置情報を含まず状況情報を含む場合に、前記速度制限モデルは、移動ロボットの状況情報と移動ロボットの速度制限値とを関連付けるために用いられる。この適用シナリオにおいて、該速度制限モデルは、該移動ロボットの状況情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納された2次元テーブル又はデータベースであってもよい。あるいは、上記速度制限モデルは、該移動ロボットの状況情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納されたプロファイルであってもよい。
【0056】
取得された情報に位置情報と状況情報とが含まれる場合に、上記速度制限モデルは、移動ロボットの位置情報と状況情報と移動ロボットの速度制限値とを関連付けるために用いられる。この適用シナリオにおいて、該速度制限モデルは、該移動ロボットの位置情報、状況情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納された2次元テーブル又はデータベースであってもよい。選択的に、上記速度制限モデルは、該移動ロボットの位置情報、状況情報及び該移動ロボットの速度制限値が格納されたプロファイルであってもよい。
【0057】
さらに他の例として、上記速度制限モデルは、機械学習アルゴリズムを用いて、初期モデル(例えばコンボリューションニューラルネットワーク)を訓練して得られたモデルであってもよい。ここで、機械学習アルゴリズムを用いて訓練してモデルを得る技術は、現在広く研究されている周知技術であり、ここでは説明を省略する。
【0058】
または、上記実行本体は、さらに以下のステップにより移動ロボットの速度制限値を決定するようにしてもよい。
前記実行主体は、取得した情報に位置情報が含まれている場合には、当該位置情報が示す位置に許容される移動ロボットの移動速度の最大速度値を決定し(例えば、当該位置が車線である場合には、当該位置が位置する車線の制限速度の速度制限値を、許容される前記移動ロボットの移動速度の最大速度値としてもよい)、取得した情報に状態情報が含まれている場合には、当該状態情報が示す状態で運動する移動ロボットの移動速度の速度値を決定してもよい。そして、前記実行主体は、前記決定された速度のうち小さい方の速度値を前記移動ロボットの速度制限値として決定するようにしてもよい。取得した情報が位置情報及び状況情報のうちのいずれか一方のみを含む場合、上記実行主体は一つの速度値のみを決定してもよい。この場合、上記実行主体に決定された一つの速度値は、移動ロボットの速度制限値とされてもよい。
【0059】
ステップ203において、移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御するための速度制限値を含む起動指令を移動ロボットへ送信する。
【0060】
本実施例において、上記実行本体は、移動ロボットへ速度制限値を含む起動指令を送信して、移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御することができる。ここで、起動指令は、移動ロボットに運動開始を指示するために用いることができる。
【0061】
本実施例のいくつかの選択可能な実現方式において、上記実行本体は、移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信するには、空中ダウンロード技術(Over the Air Technology、OTA)を利用してもよい。
【0062】
ここで、エアダウンロード技術とは、移動通信のエアインタフェースを介してSIMカードデータ及びアプリケーションを遠隔管理する技術である。空中ダウンロード技術を採用することにより、移動ロボットに起動指令を送信する処理手順を簡略化することができる。
【0063】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、上記実行主体は、さらに以下のステップを実行することができる。
【0064】
まず、移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得する。
【0065】
上記リアルタイム運動速度は、取得ステップ(即ち、移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報を所定頻度で取得する)の実行時の移動ロボットの運動速度であってもよい。前記リアルタイム位置情報は、前記取得ステップの実行時に、前記移動ロボットが位置する位置を示す情報であってもよい。前記リアルタイム状態情報は、前記取得ステップの実行時に、前記移動ロボットの状態を示す情報であってもよい。前記リアルタイム環境情報は、前記取得ステップの実行時に、前記移動ロボットが存在する環境を示す情報であってもよい。例えば、リアルタイム環境情報は、天候情報、道路状況情報、障害物位置情報の中の少なくとも1つの情報を含むことができるが、これに限定されない。
【0066】
続いて、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報に基づいて、移動ロボットのリアルタイム速度制限値を決定する。
【0067】
例示として、前記実行本体は、前記移動ロボットに対して予め決められた速度制限2次元テーブルにおいて前記リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索することができる。ここで、上記速度制限2次元テーブルは、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報のリアルタイム環境情報とリアルタイム速度制限値とを関連付けることに用いられる。
【0068】
選択的な実施例としてに、前記実行本体は、さらに前記移動ロボットに対して予め決定された第1の速度制限2次元テーブルにおいて、取得されたリアルタイム位置情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索して、第1の速度制限値とし、上記移動ロボットに対して予め決定された第2の制限速度2次元テーブルにおいて、取得されたリアルタイム状況情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索し、第2の速度制限値とし、上記移動ロボットに対して予め決定された第3の制限速度2次元テーブルにおいて、取得されたリアルタイム環境情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索して、第3の速度制限値とし、そして、第1の速度制限値、第2の速度制限値及び第3の速度制限値のうち最小の速度制限値を上記移動ロボットのリアルタイム速度制限値に決定するようにしてもよい。ここで、第1の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム位置情報とリアルタイム速度制限値とを関連付けることに用いられる。第2の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム状況情報とリアルタイム速度制限値との間の対応関係を関連付けることに用いられる。第3の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム環境情報とリアルタイム速度制限値とを関連つけることに用いられる。
【0069】
最後に、リアルタイム運動速度の速度値がリアルタイム速度制限値より大きいと判定した場合、移動ロボットへ、警告情報及び減速指令うちの少なくとも一つを送信する。
【0070】
ここで、上記警告情報は、移動ロボット、又は移動ロボットを制御するユーザに対し、現在移動ロボットの速度が大きすぎる(現在移動ロボットが運動可能な最大速度を超える)旨を提示するための情報であってもよい。減速指令は、移動ロボットの減速を指示する情報であってもよい。
【0071】
図3を参照する。
図3は本実施例に係る移動ロボットを制御するための方法の適用シナリオの概略図である。
図3の適用シナリオにおいて、クラウドサーバ302は、移動ロボット301(図示では無人車)から送信された起動要求311を受信した場合、クラウドサーバ302は、移動ロボット301の位置情報及び状況情報312(図示では「位置情報:XX高速道路、状況情報:良好」)を取得する。その後、クラウド側サーバ302は、取得した情報312に基づいて、移動ロボット301の速度制限値313を決定する(図示において、クラウド側サーバ302は、予め位置情報、状況情報及び速度制限値が格納された2次元テーブルにより、速度制限値が60キロメートルパーアワーであると決定する)。最後に、クラウドサーバ302は、移動ロボット301に速度制限値を含む起動コマンド314を送信(例えば空中ダウンロード技術を用いて送信)して、それにより移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御する。
【0072】
本願の上記実施例が提供する方法は、移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答して、前記移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記移動ロボットの速度制限値を決定し、その後、移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、前記速度制限値を含む起動指令を移動ロボットへ送信することで、位置情報と状況情報のうちの少なくとも一つにより、移動ロボットの限定速度を決定し、それにより、移動ロボットの限定速度を遠隔制御することができ、従来技術(例えば起動指令を受信すると、移動ロボットは起動指令に指示された運動速度に基づいて運動を開始する技術)に対して、移動ロボットの運動の安全性を向上させる。
【0073】
さらに、
図4を参照すると、移動ロボットを制御するための方法の他の実施例のフロー400が示されている。該移動ロボットを制御するための方法のフロー400は、以下のステップを含む。
【0074】
ステップ401において、無人車から送信された起動要求を受信したことに応答し、無人車が運動可能な状態にあるか否かを判定する。
【0075】
本実施例において、移動ロボットを制御するための方法の実行主体(例えば
図1に示すサーバ又は端末装置)は、無人車から送信された起動要求を受信した場合、無人車が運動可能な状態にあるか否かを判定することができる。
【0076】
一例として、上記実行主体は、無人車から送信された起動要求を受信した場合、まず、起動要求を受信した時刻を決定し、決定された時間が該無人車に対して予め決められた期間(例えば0時から6時)にある場合、上記実行主体は、無人車が移動できない状態にあると判定し、決定された時刻が該無人車に対して予め決められた期間(例えば0時から6時)にない場合、上記実行主体は、無人車が運動可能な状態にあると判定することができる。
【0077】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、起動要求は、無人車の識別子を含むことができる。識別子は、数字、アルファベット、記号(例えば、下線等)等からなる文字列であってもよい。これにより、前記実行主体は、前記無人車が運動可能な状態であるか否かを判定する。
【0078】
識別子を予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を得る。ここで、運動状態モデルは、無人車の識別子と無人車の運動状態情報とを関連付けるために用いられる。運動状態情報は、無人車が運動可能状態であかるか、または運動できない状態であるかを示すものである。
【0079】
一例として、上記運動状態モデルは、各無人車の識別子と各無人車の運動状態情報とが格納された2次元テーブル又はデータベースであってもよい。
【0080】
ステップ402において、無人車が運動可能な状態にあると判定したことに応答し、無人車の位置情報を取得する。
【0081】
本実施例において、無人車が運動可能な状態にあると判定された場合、上記実行主体は、無人車の位置情報を取得することができる。そのうち、上記位置情報は、無人車が起動要求を送信する時又は送信する前のその位置を示すために用いられる。
【0082】
ステップ403において、位置情報に基づいて、無人車の速度制限値を決定する。
【0083】
本実施例において、上記実行主体は、位置情報に基づいて、無人車の速度制限値を決定することができる。
【0084】
ここで、上記実行主体は、ステップ402で取得された位置情報を該無人車に対して予め決められた速度制限モデルに入力し、該無人車の速度制限値を得ることができる。ここで、速度制限モデルは、該無人車の位置情報と該無人車の速度制限値とを関連つけるために用いられる。該速度制限モデルは、該無人車の位置情報と該無人車の速度制限値とが格納された2次元テーブル又はデータベースであってもよい。選択的に、上記速度制限モデルは、該無人車の位置情報及び該無人車の速度制限値とが格納されたプロファイルであってもよい。
【0085】
ステップ404において、空中ダウンロード技術を利用して、無人車に速度制限値を含む起動指令を送信する。
【0086】
本実施例において、上記実行主体は、無人車が速度制限値以下の速度で運動するように制御するために、空中ダウンロード技術を利用して、ステップ403で決定された速度制限値を含む起動指令を無人車に送信することができる。ここで、起動指令は、無人車の運動開始を指示することに用いられる。
【0087】
ここで、エアダウンロード技術とは、移動体通信のエアインタフェースを介してSIMカードデータ及びアプリケーションを遠隔管理するための技術である。空中ダウンロード技術を利用することにより、無人車に起動指令を送信する処理手順を簡略化することができる。
【0088】
図4から分かるように、
図2に対応する実施例に比べ、本実施例における移動ロボットを制御するための方法のフロー400は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップを強調するとともに、移動ロボットを無人車として具現化することにより、無人車の走行の安全性を向上させる。
【0089】
さらに
図5を参照し、上記各図に示す方法に対する実施形態として、本願は、移動ロボットを制御するための装置の実施例を提供する。該装置の実施例は、
図2に示す方法の実施例に対応し、以下に記載の特徴に加え、該装置の実施例はさらに
図2に示す方法の実施例と同一又は対応する特徴を含むことができる。この装置は、特に様々な電子機器に適用することができる。
【0090】
図5に示すように、本実施例の移動ロボットを制御するための装置500は、第1の取得ユニット501と、第1の決定ユニット502と第1の送信ユニット503とを含む。ここで、第1の取得ユニット501は、移動ロボットから送信された起動要求を受信すると、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成される。第1の決定ユニット502は、取得された情報に基づいて移動ロボットの速度制限値を決定するように構成される。第1の送信ユニット503は、移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、移動ロボットに速度制限値を含む起動指示を送信するように構成される。
【0091】
本実施例において、移動ロボットを制御する装置500の第1の取得ユニット501は、移動ロボットから送信された起動要求を受信した場合、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つを取得することができる。
【0092】
上記移動ロボットは、様々な移動(すなわち移動)可能な機械装置であってもよい。例えば、移動ロボットは、空中ロボット(例えば無人機)、ホイール式移動ロボット、歩行移動ロボット(片足式、両足式及び多足式移動ロボット)、クローラ式移動ロボット、クリープロボット、蠕動ロボット、遊動ロボット、医療ロボット、軍用ロボット、助残ロボット、洗浄ロボット等を含むことができるが、これに限定されない。
【0093】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、移動ロボットは、無人車であってもよい。
【0094】
上記起動要求は、移動ロボットが移動を開始する前に上記装置500に送信する情報であってもよい。この起動要求は、移動ロボットに動作開始直前を指示するために利用することができる。幾つかの状況では、移動ロボットは、ユーザから上記装置500以外の他の電子機器を介して送信された起動指示を受信した後に、起動要求を上記装置500に送信するようにしてもよい。
【0095】
上記位置情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前のその位置を示すために用いられる。
【0096】
上記状況情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前の、移動ロボットの状況を示すために用いられる。例えば、状況情報には、障害の有無、障害が運動に影響を与えるか否か、障害点が位置する位置の情報などが含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0097】
本実施例において、第1の取得ユニット501が取得した情報に基づいて、上記第1の決定ユニット502は、移動ロボットの速度制限値を決定することができる。ここで、速度制限値は、上記移動ロボットが運動可能な最大速度を示すための速度値であってもよい。
【0098】
本実施例において、上記第1の送信ユニット503は、移動ロボットが速度制限値以下の速度で運動するように制御するための、移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信することができる。ここで、起動指令は、移動ロボットに運動開始を指示するために用いられる。
【0099】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、第1の取得ユニット501は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するように構成された判断モジュール(図示せず)と、移動ロボットが運動可能な状態にあると判定したことに応答し、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するように構成された取得モジュール(図示せず)とを備える。
【0100】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、起動要求は、移動ロボットの識別子を含む。決定モジュールは、識別子を予め決められた運動状態モデルに入力して、運動状態情報を取得するように構成された入力サブモジュール(図示せず)を備え、ここで、運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とを関連付けるために用いられ、運動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか、又は移動できない状態にあるかを示すために用いられる。
【0101】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、第1の決定ユニットは、取得された情報を移動ロボットに対して予め決定された速度制限モデルに入力し、移動ロボットの速度制限値を取得するように構成された入力モジュール(図示せず)はを備え、ここで、速度制限モデルは、位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つと移動ロボットの速度制限値とを関連付けるために用いられる。
【0102】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、第1の送信ユニットは、空中ダウンロード技術を利用して、移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信するように構成された送信モジュール(図示せず)を備える。
【0103】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、該装置500は、移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報、及びリアルタイム環境情報を所定の頻度で取得するように構成された第2の取得ユニットと、リアルタイム位置情報、前記リアルタイム状況情報及び前記リアルタイム環境情報に基づいて、前記移動ロボットのリアルタイムの速度制限値を決定するように構成された第1の決定ユニットと、リアルタイム運動速度の速度値がリアルタイムの速度制限値より大きいことを判定したことに応答して、移動ロボットへ、警告情報及び減速指令のうちの少なくとも一つを送信するように構成された第2の送信ユニットとをさらに備える。
【0104】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、移動ロボットは無人車である。
【0105】
本願の上記実施例が提供する装置では、第1の取得ユニット501は、移動ロボットが送信した起動要求に応答し、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、その後、第1の決定ユニット502は、取得した情報に基づいて、移動ロボットの速度制限値を決定し、最後に、第1の送信ユニット503は移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信し、それにより移動ロボットを速度制限値以下の速度で運動するように制御することにより、装置500は、位置情報と状況情報のうちの少なくとも一つにより、移動ロボットの制限速度を決定し、それにより移動ロボットの制限速度を遠隔制御することができ、従来技術(例えば起動指令を受信すると、移動ロボットは起動指令に指示された運動速度に基づいて運動を開始する技術)に対して、移動ロボットの運動の安全性を向上させる。
【0106】
引き続き
図6を参照する。
図6は、本願に係る制御システムの一つの実施例のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【0107】
本願の実施例における制御システムは、移動ロボット及び移動ロボットにサポートするために用いられるサーバを含むことができる。そのうち、移動ロボットは、ユーザから入力された起動指令を受信すると、サーバに起動要求を送信するように構成される。サーバは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つを取得し、取得された情報に基づき、移動ロボットの速度制限値を決定し、動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信するように構成される。
【0108】
図6に示すように、ステップ601において、移動ロボットは、ユーザが入力した起動指示を受信する。
【0109】
本実施例において、移動ロボットは、ユーザから入力された起動指示を受信することができる。
【0110】
上記移動ロボットは、様々な移動(すなわち移動)可能な機械装置であってもよい。例えば、移動ロボットは空中ロボット(例えば無人機)、ホイール式移動ロボット(例えば無人車)、歩行移動ロボット(片足式、両足式及び多足式移動ロボット)、クローラ式移動ロボット、クリープロボット、蠕動ロボット、遊動ロボット、医療ロボット、軍用ロボット、助残ロボット、洗浄ロボット等を含むことができるが、これに限定されない。前記起動指令は、移動ロボットの運動開始を指示するために用いることができる。該起動指令は、ユーザが移動ロボットに直接入力するものであってもよく、ユーザがそれに使用され、移動ロボットと通信接続された制御装置に入力した後、該制御装置は前記移動ロボットに送信するものであってもよい。前記サーバはクラウドサーバであってもよい。
【0111】
ステップ602において、移動ロボットはサーバに起動要求を送信する。
【0112】
本実施例において、移動ロボットは、サーバに起動要求を送信することができる。
【0113】
前記起動要求は、移動ロボットが移動を開始する前に前記サーバに送信する情報であってもよい。この起動要求は、移動ロボットに動作開始直前を指示するために用いられる。幾つかの状況では、移動ロボットは、上記サーバ以外の他の電子機器を介して送信された起動指示を受信した後に、起動要求を上記サーバに送信することであってもよい。
【0114】
選択的な実施例として、起動要求は、移動ロボットの識別子を含んでもよい。識別子は、数字、アルファベット、記号(例えば、下線等)等からなる文字列であってもよい。
【0115】
ステップ603において、サーバは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する。
【0116】
本実施例において、サーバは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得するようにしてもよい。
【0117】
上記位置情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前のその位置を示すために用いられる。
【0118】
上記状況情報は、移動ロボットが起動要求を送信する時又は起動要求を送信する前の、移動ロボットの状況を示すために用いられる。例えば、状況情報には、障害の有無、障害が動きに影響を与えるか否か、障害点が位置する位置の情報などが含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0119】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、該ステップ603は、以下のステップを含むことができる。
【0120】
ステップ1において、サーバは、移動ロボットから送信された起動要求を取得した場合、移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定する。
【0121】
例えば、上記サーバは、移動ロボットから送信された起動要求を取得した場合、まず、起動要求を受信した時間を決定し、決定した時間が該移動ロボットに対して予め決められた期間(例えば0時から6時)にある場合、上記サーバは、移動ロボットが可動状態にあると判定し、決定した時間が該移動ロボットに対して予め決められた期間(例えば0時から6時)にない場合、上記サーバは、移動ロボットが可動状態にあると判定するようにしてもよい。
【0122】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、起動要求は、移動ロボットの識別子を含むことができる。これにより、前記サーバは、さらに以下のステップにより上記移動ロボットが運動可能な状態にあるか否かを判定するステップを実行することができる。
即ち、識別子を予め決められた運動状態モデルに入力し、運動状態情報を得る。ここで、運動状態モデルは、移動ロボットの識別子と移動ロボットの運動状態情報とを関連付けるために用いられる。移動状態情報は、移動ロボットが運動可能な状態にあるか、又は移動できない状態にあるかを示すものである。
【0123】
上記運動状態モデルは、例えば、各移動ロボットの識別子と各移動ロボットの運動状態情報とが格納された2次元テーブルやデータベースであってもよい。選択的な実施例として、上記運動状態モデルは、各移動ロボットの識別子と各移動ロボットの運動状態情報とが格納されたプロファイルであってもよい。
【0124】
ステップ2において、移動ロボットが運動可能な状態にあると判定された場合、移動ロボットの置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する。
【0125】
ステップ604において、サーバは、取得した情報に基づいて、移動ロボットの速度制限値を決定する。
【0126】
本実施例において、サーバは、取得した情報に基づいて、移動ロボットの速度制限値を決定することができる。ここで、速度制限値は、上記移動ロボットが運動可能な最大速度を示すための速度値であってもよい。
【0127】
ここで、該ステップ604は、
図2に対応する実施例におけるステップ202と基本的に一致し、ここでは説明を省略する。
【0128】
ステップ605において、サーバは、移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信する。
【0129】
本実施例において、サーバは、移動ロボッ トに速度制限値を含む起動指示を送信することができる。
【0130】
ここで、該ステップ605は、
図2に対応する実施例におけるステップ203と基本的に一致し、ここでは説明を省略する。
【0131】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、移動ロボットは、さらに速度制限値以下の速度で運動するようにしてもよい。
【0132】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、サーバは、さらに以下のステップを実行することができる。
【0133】
まず、予め決められた頻度に基づき、移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報を取得する。
【0134】
上記リアルタイム運動速度は取得ステップ(すなわち予め決められた頻度に基づいて、移動ロボットのリアルタイム運動速度、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報を取得するステップ)の実行時の、移動ロボットの運動速度であってもよい。前記リアルタイム位置情報は、前記取得ステップの実行時の、前記移動ロボットが位置する位置を示す情報であってもよい。リアルタイム状況情報は、この取得ステップの実行時の移動ロボットの状況を示す情報である。前記リアルタイム環境情報は、前記取得ステップの実行時の、前記移動ロボットが存在する環境を示す情報であってもよい。例えば、リアルタイム環境情報は、天候情報、道路状況情報、障害物情報の中の少なくとも1つを含んでもよいが、これに限定されない。
【0135】
そして、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報に基づいて、移動ロボットのリアルタイム速度制限値を決定する。
【0136】
例示的に、前記サーバは、前記移動ロボットに対して予め決められた速度制限2次元テーブルにおいて前記リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報及びリアルタイム環境情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索するようにしてもよい。ここで、上記速度制限2次元テーブルは、リアルタイム位置情報、リアルタイム状況情報のリアルタイム環境情報とリアルタイム速度制限値とを関連つけることに用いられる。
【0137】
選択的な実施例として、前記サーバは、さらに前記移動ロボットに対して予め定められた第1の速度制限2次元テーブルにおいて取得されたリアルタイム位置情報に対応するリアルタイム速度制限値を検索して第1の速度制限値とし、上記移動ロボットに対して予め定められた第2の制限速度2次元テーブルにおいて取得されたリアルタイム状況情報に対応するリアルタイム速度制限値を第2の速度制限値として検索し、上記移動ロボットに対して予め定められた第3の制限速度2次元テーブルにおいて取得されたリアルタイム環境情報に対応するリアルタイム速度制限値を第3の速度制限値として検索し、そして第1の速度制限値、第2の速度制限値及び第3の速度制限値のうち最小の速度制限値を上記移動ロボットのリアルタイム速度制限値に決定するようにしてもよい。ここで、第1の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム位置情報とリアルタイム速度制限値とを関連付けることに用いられる。第2の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム状況情報とリアルタイム速度制限値とを関連付けることに用いられる。第3の制限速度2次元テーブルは、リアルタイム環境情報とリアルタイム速度制限値とを関連付けることに用いられる。
【0138】
最後に、リアルタイム運動速度の速度値がリアルタイム速度制限値より大きいと判定した場合、移動ロボットに警告情報及び減速指令の少なくとも一つを送信する。
【0139】
ここで、上記警告情報は、移動ロボット又は移動ロボットを制御するユーザに対し、現在移動ロボットの速度が大きすぎる(現在移動ロボットが運動可能な最大速度を超える)旨を提示するための情報であってもよい。減速指令は、移動ロボットの減速を指示する情報であってもよい。
【0140】
本願の実施例が提供する制御システムによれば、移動ロボットは、まず、ユーザから入力された起動指令を受信し、続いて、移動ロボットは、サーバに起動要求を送信し、それから、サーバは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、その後、サーバは、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つを取得し、最後に、サーバは、移動ロボットに速度制限値を含む起動指令を送信することにより、位置情報と状況情報のうちの少なくとも一つにより、移動ロボットの限定速度を決定し、それにより移動ロボットの限定速度を遠隔制御することができ、従来技術(例えば起動指令を受信すると、移動ロボットは起動指令に指示された運動速度に基づいて運動を開始する技術)に対して、移動ロボットの運動の安全性を向上させる。
【0141】
次に、
図7を参照して、本発明の実施形態に係るサーバを実現するために好適なコンピュータシステム700の構成を説明する。なお、
図7に示す電子機器はあくまで一例であり、本願の実施形態の機能および使用範囲を何ら限定するものではない。
【0142】
図7に示すように、コンピュータシステム700は、CPU(Central Processing Unit)701を備えており、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の動作および処理を実行することが可能である。RAM703にはまた、システム700の動作に必要な各種プログラムやデータが格納される。CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。バス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0143】
入出力インタフェース705には、例えば、タッチパネル、タッチパネル、キーボード、マウス、カメラ、マイク、加速度計、ジャイロなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal Display)、スピーカ、バイブレータなどよりなる出力部707、磁気テープ、ハードディスクなどよりなる記憶部708、通信部709が接続されている。通信部709は、電子機器700と他の機器との間で無線または有線による通信を行い、データの授受を行うことができる。なお、
図7では、様々なデバイスを有する電子機器700を示しているが、必ずしも全てのデバイスを実施または備える必要はない。また、より多くの装置を実施してもよいし、より少ない装置を実施してもよい。
図7に示す各ブロックは1つの装置を代表してもよいし、必要に応じて複数の装置を代表してもよい。
【0144】
特に、本開示の実施例によれば、上記のフローチャートを参照しながら記載されたプロセスは、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ可読媒体に具現化されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を備え、該コンピュータプログラムは、フローチャートで示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例では、該コンピュータプログラムは、通信装置709によりネットワークからダウンロードされてインストールされることが可能であり、又は記憶部708からインストールされ得る。該コンピュータプログラムがプロセッサ701によって実行されると、本開示の実施例の方法で限定された上記の機能を実行する。
【0145】
注意すべきなのは、本開示の実施例に記載されたコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体、又はこれらの選択可能な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置もしくはデバイス、又はこれらの選択可能な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本又は複数の導線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光メモリ、磁気メモリ、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。本開示の実施例において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用可能な、又はそれらに組み込まれて使用可能なプログラムを包含又は格納する任意の有形の媒体であってもよい。本開示の実施例において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンド内の、又は搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができ、その中にコンピュータ可読プログラムコードが担持されている。かかる伝搬されたデータ信号は、様々な形態をとることができ、電磁信号、光信号、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、更にコンピュータ可読記憶媒体以外の選択可能なコンピュータ可読媒体であってもよい。当該コンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用されるか、又はそれらに組み込まれて使用されるプログラムを、送信、伝搬又は伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは任意の適切な媒体で伝送することができ、当該任意の適切な媒体とは、電線、光ケーブル、RF(無線頻度)など、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0146】
本開示の実施例の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1種以上のプログラミング言語、又はそれらの組み合わせで作成されることができ、プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されることも、単独のソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されながら部分的にリモートコンピュータで実行されることも、又は完全にリモートコンピュータもしくはサーバで実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダによるインターネットサービスを介して)外部のコンピュータに接続することができる。
【0147】
図面のうちのフローチャート及びブロック図は、本出願の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品によって実現できるアーキテクチャ、機能及び動作の表示例である。これについては、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができる。当該モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部には、所定のロジック機能を実現するための1つ又は複数の実行可能命令が含まれている。さらに注意すべきなのは、一部の代替となる実施態様においては、ブロックに示されている機能は図面に示されているものとは異なる順序で実行することも可能である。例えば、連続して示された二つのブロックは、実際には係る機能に応じて、ほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。さらに注意すべきなのは、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるすべてのブロック、ならびにブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実現することもできれば、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現することもできる。
【0148】
本願の実施例に関連して説明したユニットはソフトウェアの形態によって実現でき、ハードウェアの形態によって実現できる。記述されたユニットはプロセッサに設けられてもよく、例えば、以下のように記述することができる。一種類のプロセッサは第1の取得ユニット、第1の決定ユニット及び第1の送信ユニットを含む。ここで、これらのユニットの名称はある場合に該ユニット自体を限定するものではなく、例えば、第1の取得ユニットはさらに「移動ロボットの位置情報及び状況情報の少なくとも一つを取得するユニット」と記述することができる。
【0149】
他の局面として、本願はさらにコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、該コンピュータ読み取り可能な媒体は上記実施例に記載の電子装置に含まれてもよい。単独で存在し、該電子装置に組み込まれていない。上記コンピュータ読み取り可能な媒体に一つ又は複数のプログラムが搭載され、上記一つ又は複数のプログラムが該電子機器に実行される時、該電子機器移動ロボットから送信された起動要求を受信したことに応答し、移動ロボットの位置情報及び状況情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、取得された情報に基づいて、移動ロボットの速度制限値を決定し、移動ロボットを速度制限値以下の速度で運動するように制御するための速度制限値を含む起動指令を移動ロボットに送信することを実現させる。
【0150】
以上の記載は、本出願の好ましい実施例、及び使用された技術的原理に関する説明に過ぎない。当業者であれば、本出願に係る発明の範囲が、上記の技術的特徴の特定の組み合わせからなる解決策に限定されるものではなく、上記の本出願の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の技術的特徴又はそれらの同等の特徴の選択可能な組み合わせからなる他の解決策も含むべきであることを理解すべきである。例えば、上記の特徴と本出願に開示された類似の機能を有する技術的特徴(それらに限られない)とを相互に置き換えてなる解決策が該当する。
【0151】
本願は、2018年11月20日に提出され、出願番号が201811382006.4、出願人がバイドゥ・オンライン・ネットワーク・テクノロジー(ベイジン)・カンパニー・リミテッド、発明の名称が「移動ロボットを制御するための方法、装置及び制御システム」の中国特許出願に基づく優先権を主張する。当該出願の全文は、本願に援用されている。