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特許7083461折り畳み式楽器スタンド及び多楽器用楽器スタンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】折り畳み式楽器スタンド及び多楽器用楽器スタンド
(51)【国際特許分類】
   G10G 5/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
G10G5/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020174890
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022049633
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】202010973530.X
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520405293
【氏名又は名称】オファラ,インク.
【氏名又は名称原語表記】OFALA, INC.
【住所又は居所原語表記】2 E Valley BLVD STE 280 Alhambra, California 91801, United States
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李沐良
【審査官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0141844(US,A1)
【文献】フェンダーギタースタンド 折りたたみ式 FENDER 折り畳みミニスタンド の商品情報,[online],2020年01月18日,<URL: https://aucfree.com/items/b440842831>,[令和3年10月20日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定構造と、支持構造とを含み、使用時に、収納しやすい折り畳み状態から開いた状態となることが可能な折り畳み式楽器スタンドであって、
前記支持構造は主支持部材と、第1側方支持部材及び第2側方支持部材と、第1側方接続部材及び第2側方接続部材と、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームとを含み、
前記主支持部材は前記固定構造にヒンジ接続され、
前記第1側方接続部材の両端は前記主支持部材及び前記第1側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、
前記第2側方接続部材の両端は前記主支持部材及び前記第2側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、
前記第1サポートフレーム及び前記第2サポートフレームはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端で前記主支持部材にヒンジ接続され、又は、前記第1サポートフレームの前記L字形の長手辺の末端が前記第1側方支持部材にヒンジ接続され、且つ前記第2サポートフレームの前記L字形の長手辺の末端が前記第2側方支持部材にヒンジ接続され、
前記第1側方支持部材で前記第1サポートフレームから離れた一端において前記第1側方支持部材にヒンジ接続された第1規制部材が設けられ、且つ前記第2側方支持部材で前記第2サポートフレームから離れた一端において前記第2側方支持部材にヒンジ接続された第2規制部材が設けられ、
前記開いた状態において、前記第1側方接続部材及び前記第2側方接続部材と前記主支持部材とがそれぞれ夾角を形成して、前記第1側方支持部材及び前記第2側方支持部材はそれぞれ両側に走って前記主支持部材から離れていき、且つ前記第1側方接続部材と前記第1側方支持部材においても、前記第2側方支持部材と前記第2側方接続部材においてもそれぞれ一定角度が形成されて、前記折り畳み式楽器スタンドは蝶翼のような形状になり、前記第1側方支持部材、前記第2側方支持部材、前記第1側方接続部材、前記第2側方接続部材、前記第1サポートフレーム、前記第2サポートフレーム、前記第1規制部材及び前記第2規制部材は共に楽器をセットするスペースを構成する折り畳み式楽器スタンド。
【請求項2】
前記支持構造は第1補助側方接続部材と、第2補助側方接続部材とをさらに含み、
前記第1補助側方接続部材の両端は前記第1側方接続部材の前記両端と異なる位置において前記主支持部材及び前記第1側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、
前記第2補助側方接続部材の両端は前記第2側方接続部材の前記両端と異なる位置において前記主支持部材及び前記第2側方支持部材にそれぞれヒンジ接続される請求項1に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項3】
前記主支持部材は重力セルフロック構造をさらに含み、
ただし、前記重力セルフロック構造は前記主支持部材に取り付けられた弾性変形部品と、前記弾性変形部品に取り付けられた摺動部品とを含み、前記摺動部品は前記主支持部材の長さ方向に摺動することができ、
前記第1サポートフレーム、前記第2サポートフレーム、前記第1補助側方接続部材及び前記第2補助側方接続部材はそれぞれ前記摺動部品にヒンジ接続され、
前記楽器が前記第1サポートフレーム及び前記第2サポートフレームにセットされた場合に、前記第1サポートフレーム及び前記第2サポートフレームは前記楽器の重力の作用で下向きに移動して、前記弾性変形部品を変形させ且つ前記摺動部品を下へ移動させて、前記第1補助側方接続部材及び前記第2補助側方接続部材を連れて回転させ、前記第1側方支持部材上の前記第1規制部材及び前記第2側方支持部材上の前記第2規制部材は前記主支持部材に向かって移動すると、前記楽器のボディ部がロックされ、
前記楽器スタンドから前記楽器が取られた場合に、前記弾性変形部品が前記変形した状態から少なくとも一部復元して、前記摺動部品は上向きに移動して、前記第1補助側方接続部材及び前記第2補助側方接続部材を連れて前記楽器が前記楽器スタンドにセットされる場合と逆の状態で回転すると、前記第1側方支持部材上の前記第1規制部材及び前記第2側方支持部材上の第2規制部材は前記主支持部材から離れるように移動して、前記楽器のボディ部が解放される請求項2に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項4】
前記主支持部材は側壁と、前記側壁に取り囲まれた空洞とを有する筒体であり、前記側壁には前記筒体の長さ方向に延在する1つ又は複数の短冊状の開口が設けられ、
前記重力セルフロック構造の前記弾性変形部品及び前記摺動部品は前記空洞内に設けられ、前記第1サポートフレーム、前記第2サポートフレーム、前記第1補助側方接続部材及び前記第2補助側方接続部材は前記1つ又は複数の短冊状の開口によって前記摺動部品にヒンジ接続される請求項3に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項5】
前記主支持部材は柱体であり、
前記重力セルフロック構造の前記弾性変形部品及び前記摺動部品は前記柱体の外部に設けられ、且つ前記摺動部品は少なくとも一部が前記柱体の外周を取り囲む請求項3に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項6】
前記弾性変形部品は引張ばね、圧縮ばね、少なくとも1つの弾性金属ストリップ又は弾性金属シート、少なくとも1つの弾性ゴムストリップ又は弾性ゴムシートから選ばれた1種又は複数種である請求項3~5のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項7】
前記摺動部品に係合するように前記主支持部材に設けられたスライドレールをさらに含む請求項3~5のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項8】
前記摺動部品は金属摺動部材、プラスチック摺動部材、ナイロン摺動部材、すべり軸受、転がり軸受から選ばれた1種又は複数種である請求項3~5のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項9】
前記固定構造はベース、接続ロッド及びフックから選ばれた1種又は複数種である請求項2又は請求項3に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項10】
前記ベースは板型ベース又は支脚型ベースのいずれかの1種であり、
前記支脚型ベースは中心接続部材と、前記中心接続部材に接続され且つ前記中心接続部材から外側に径方向に延在する少なくとも3つの支脚とを含み、ただし、前記少なくとも3つの支脚の長さはほぼ同じであり、且つ前記少なくとも3つの支脚のうちの少なくとも2つは前記中心接続部材にヒンジ接続され、前記主支持部材は前記中心接続部材にヒンジ接続される請求項9に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項11】
前記固定構造と前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第1側方接続部材と前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第1側方接続部材と前記第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2側方接続部材と前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2側方接続部材と前記第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第1サポートフレームと前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2サポートフレームと前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、及び前記第1規制部材と前記第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2規制部材と前記第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所、前記支脚と前記中心接続部材とのヒンジ接続箇所、前記第1補助側方接続部材と前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第1補助側方接続部材と前記第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2補助側方接続部材と前記主支持部材とのヒンジ接続箇所、前記第2補助側方接続部材と前記第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所のうちの1箇所又は複数の箇所に1つ又は複数のロック構造が設けられる請求項10に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項12】
前記第1規制部材及び前記第2規制部材の少なくとも一方はL字形であり、且つ前記L字形の長手辺の末端において対応する前記第1側方支持部材及び前記第2側方支持部材の少なくとも一方にヒンジ接続される請求項1~3のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項13】
前記楽器のボディ部を持たせるための補助支持部材をさらに含み、前記補助支持部材は前記主支持部材にヒンジ接続され且つ前記第1規制部材及び前記第2規制部材と同一の方向に延在し、前記補助支持部材の長さは前記第1規制部材及び前記第2規制部材の長さより小さい請求項1~3のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項14】
前記主支持部材、前記第1サポートフレーム、前記第2サポートフレーム、前記第1規制部材及び前記第2規制部材のうちの少なくとも一方に可撓性緩衝材料からなるブッシュが嵌設されている請求項1~3のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項15】
前記楽器はギター、ベース、ウクレレ、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、琵琶、阮咸、柳琴、三弦、モリンホール、ドンブラから選ばれた1種又は複数種である請求項1~3のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンド。
【請求項16】
多楽器用楽器スタンドであって、少なくとも1つの接続ロッドによって直列に接続された複数の請求項1~15のいずれか1項に記載の折り畳み式楽器スタンドを含む多楽器用楽器スタンド。
【請求項17】
前記複数の折り畳み式楽器スタンドは同一の直線上に、又は互いに平行の異なる直線上に配列される請求項16に記載の多楽器用楽器スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、折り畳み式楽器スタンド及び多楽器用楽器スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽の鑑賞は心を落ち着かせ、生活を楽しくすることができる。音楽ホール、クラブ、ミュージックレストランのような室内の場所でも、大型音楽祭、街頭又は公園に開催されるコンサートのような室外の場所でも、演奏者が音楽で人々を楽しませることができる。
【0003】
楽器スタンドが設置されていない仮設の会場で演奏者がパ演奏する場合は、演奏しない時に楽器をセットするために、持ち運びやすく収納しやすいポータブル式の楽器スタンドが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも一実施例は、折り畳み式楽器スタンドであって、固定構造と、支持構造とを含み、ただし、当該支持構造は主支持部材と、第1側方支持部材及び第2側方支持部材と、第1側方接続部材及び第2側方接続部材と、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームとを含み、主支持部材は固定構造にヒンジ接続され、第1側方接続部材の両端は主支持部材及び第1側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材の両端は主支持部材及び第2側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材にヒンジ接続され、又は、第1サポートフレームのL字形の長手辺の末端が第1側方支持部材にヒンジ接続され、且つ第2サポートフレームのL字形の長手辺の末端が第2側方支持部材にヒンジ接続され、第1側方支持部材で第1サポートフレームから離れた一端において第1側方支持部材にヒンジ接続された第1規制部材が設けられ、且つ第2側方支持部材で第2サポートフレームから離れた一端において第2側方支持部材にヒンジ接続された第2規制部材が設けられ、主支持部材、第1側方支持部材、第2側方支持部材、第1側方接続部材、第2側方接続部材、第1サポートフレーム、第2サポートフレーム、第1規制部材及び第2規制部材はそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する折り畳み式楽器スタンドを提供する。
【0005】
いくつかの実施例では、支持構造は第1補助側方接続部材と、第2補助側方接続部材とをさらに含み、当該第1補助側方接続部材の両端は第1側方接続部材の両端と異なる位置において主支持部材及び第1側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、当該第2補助側方接続部材の両端は第2側方接続部材の両端と異なる位置において主支持部材及び第2側方支持部材にそれぞれヒンジ接続される。
【0006】
いくつかの実施例では、主支持部材は重力セルフロック構造をさらに含み、ただし、当該重力セルフロック構造は主支持部材に取り付けられた弾性変形部品と、当該弾性変形部品に取り付けられた摺動部品とを含み、摺動部品は主支持部材の長さ方向に摺動することができ、第1サポートフレーム、第2サポートフレーム、第1補助接続部材及び第2補助接続部材はそれぞれ摺動部品にヒンジ接続され、楽器が第1サポートフレーム及び第2サポートフレームにセットされた場合に、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームは楽器の重力の作用で下向きに移動して、弾性変形部品を変形させ且つ摺動部品を下へ移動させて、第1補助接続部材及び第2補助接続部材を連れて回転させ、第1側方支持部材上の第1規制部材及び第2側方支持部材上の第2規制部材は主支持部材に向かって移動すると、楽器のボディ部がロックされ、楽器スタンドから楽器が取られた場合に、弾性変形部品が変形した状態から少なくとも一部復元して、摺動部品は上向きに移動して、第1補助接続部材及び第2補助接続部材を連れて楽器が楽器スタンドにセットされる場合と逆の状態で回転すると、第1側方支持部材上の第1規制部材及び第2側方支持部材上の第2規制部材は主支持部材から離れるように移動して、楽器のボディ部が解放される。
【0007】
いくつかの実施例では、主支持部材は側壁と、側壁に取り囲まれた空洞とを有する筒体であり、側壁には筒体の長さ方向に延在する1つ又は複数の短冊状の開口が設けられ、重力セルフロック構造の弾性変形部品及び摺動部品は空洞内に設けられ、第1サポートフレーム、第2サポートフレーム、第1補助接続部材及び第2補助接続部材は1つ又は複数の短冊状の開口によって摺動部品にヒンジ接続される。
【0008】
いくつかの実施例では、主支持部材は柱体であり、重力セルフロック構造の弾性変形部品及び摺動部品は柱体の外部に設けられ、且つ摺動部品は少なくとも一部が柱体の外周を取り囲む。
【0009】
いくつかの実施例では、弾性変形部品は引張ばね、圧縮ばね、少なくとも1つの弾性金属ストリップ又は弾性金属シート、少なくとも1つの弾性ゴムストリップ又は弾性ゴムシートから選ばれた1種又は複数種である。
【0010】
いくつかの実施例では、折り畳み式楽器スタンドは摺動部品と係合するように主支持部材に設けられたスライドレールをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施例では、摺動部品は金属摺動部材、プラスチック摺動部材、ナイロン摺動部材、すべり軸受、転がり軸受から選ばれた1種又は複数種である。
【0012】
いくつかの実施例では、固定構造はベース、接続ロッド及びフックから選ばれた1種又は複数種である。
【0013】
いくつかの実施例では、ベースは板型ベース又は支脚型ベースのいずれかの1種であり、そのうち、支脚型ベースは中心接続部材と、中心接続部材に接続され且つ中心接続部材から外側に径方向に延在する少なくとも3つの支脚とを含み、ただし、少なくとも3つの支脚の長さはほぼ同じであり、且つ少なくとも3つの支脚のうちの少なくとも2つは中心接続部材にヒンジ接続され、前記主支持部材は前記中心接続部材にヒンジ接続される。
【0014】
いくつかの実施例では、固定構造と主支持部材とのヒンジ接続箇所、第1側方接続部材と主支持部材とのヒンジ接続箇所、第1側方接続部材と第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、第2側方接続部材と主支持部材とのヒンジ接続箇所、第2側方接続部材と第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所、第1サポートフレームと主支持部材とのヒンジ接続箇所、第2サポートフレームと主支持部材とのヒンジ接続箇所、及び第1規制部材と第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、第2規制部材と第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所、支脚と中心接続部材とのヒンジ接続箇所、第1補助側方接続部材と主支持部材とのヒンジ接続箇所、第1補助側方接続部材と第1側方支持部材とのヒンジ接続箇所、第2補助側方接続部材と主支持部材とのヒンジ接続箇所、第2補助側方接続部材と第2側方支持部材とのヒンジ接続箇所のうちの1つ又は複数の箇所に1つ又は複数のロック構造が設けられる。
【0015】
いくつかの実施例では、第1規制部材及び第2規制部材の少なくとも一方はL字形であり、且つL字形の長手辺の末端において対応する第1側方支持部材及び第2側方支持部材の少なくとも一方にヒンジ接続される。
【0016】
いくつかの実施例では、折り畳み式楽器スタンドは楽器のボディ部を持たせるための補助支持部材をさらに含み、補助支持部材は主支持部材にヒンジ接続され且つ第1規制部材及び第2規制部材と同一の方向に延在し、補助支持部材の長さは第1規制部材及び第2規制部材の長さより小さい。
【0017】
いくつかの実施例では、主支持部材、第1サポートフレーム、第2サポートフレーム、第1規制部材及び第2規制部材のうちの少なくとも一方に可撓性緩衝材料からなるブッシュが嵌設されている。
【0018】
いくつかの実施例では、楽器はギター、ベース、ウクレレ、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、琵琶、阮咸、柳琴、三弦、モリンホール、ドンブラから選ばれた1種又は複数種である。
【0019】
本開示の少なくとも一実施例は、多楽器用楽器スタンドであって、少なくとも1つの接続ロッドによって直列に接続された複数の本開示の少なくとも一実施例に記載の折り畳み式楽器スタンドを含む多楽器用楽器スタンドをさらに提供する。
【0020】
いくつかの実施例では、複数の折り畳み式楽器スタンドは同一の直線上に、又は互いに平行の異なる直線上に配列される
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本開示の実施例の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例の図面を簡単に説明する。言うまでもないが、次に説明される図面は本開示のいくつかの実施例に関わるものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
図1図1は本開示の少なくとも一実施例に適用される固定装置の模式図である。
図2図2は本開示の一実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。
図3図3は本開示の別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。
図4図4は本開示のまた別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。
図5図5は本開示のさらに別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。
図6図6は本開示のまたさらに別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。
図7図7は本開示の一実施例による多楽器用楽器スタンドの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるよう、本開示の実施例の図面と結び付けて、本開示の実施例の技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。言うまでもないが、説明される実施例は本開示の全ての実施例ではなく、その一部の実施例に過ぎない。当業者が本開示に説明される実施例に基づき、新規性のある作業をすることなく得ているその他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。図面中の各部分の形状及び大きさは各部分の実際の寸法関係を反映しておらず、本開示の内容を例示的に説明するものに過ぎない。
【0023】
特段定義がある場合を除き、ここで使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解している通常の意味を有するものである。本開示で使用された「第1」、「第2」及び類似する用語は決して順番、数量又は重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区分するものに過ぎない。同様に、「含む」及びこれに類似する用語は当該用語の前に記載の部材又は物体は当該用語の後に記載の部材又は物体、及びその同等物をカバーすることを意味し、他の部材又は物体を除外するものではない。「接続」又は「連結」等の類似する用語は物理的な接続又は機械的な接続に限定されるものではなく、直接的な接続か間接的な接続かに関わらず、電気的接続をも含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すものに過ぎず、説明された対象の絶対的位置が変更した場合に、当該相対的な位置関係もこれに応じて変わる可能性がある。
【0024】
楽器は壊れやすい精密な装置であり、そのため使用しないときは楽器スタンドに置いて保管する必要がある。演奏者は音楽ホール、クラブのような永久的な場所だけでなく、室外音楽祭、街頭、公園のような臨時的な場所でも演奏をするため、持ち運びやすく且つ楽器を効果的に保管できるポータブル式の楽器スタンドが必要であり、その例には折り畳み式楽器スタンドを含むが、これに限定されない。
【0025】
折り畳み式楽器スタンドは、楽器の底部を支えるためのサポートフレームと、楽器のボディ部を持たせるための支持部材又は楽器のネック部をロックするためのフォークとを含み、ただし、サポートフレーム、支持部材又はフォークのうちの1つ又は複数は折り畳むことができる。このような折り畳み式楽器スタンドは楽器のボディ部がスタンドから落下しやすく又はそれにセットされた楽器を取り出しにくいという問題がある。
【0026】
本発明者が、楽器のボディ部の移動を制限するための規制部材を設けることで、楽器の取り出しに支障をきたすことなく楽器の落下を防止でき、上記の問題及び他の問題を解決できることを発見した。
【0027】
本開示の少なくとも一実施例は、折り畳み式楽器スタンドであって、固定構造と、支持構造とを含み、ただし、当該支持構造は主支持部材と、第1側方支持部材及び第2側方支持部材と、第1側方接続部材及び第2側方接続部材と、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームとを含み、主支持部材は固定構造にヒンジ接続され、第1側方接続部材の両端は主支持部材及び第1側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材の両端は主支持部材及び第2側方支持部材にそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム及び第2サポートフレームはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材にヒンジ接続され、又は、第1サポートフレームのL字形の長手辺の末端が第1側方支持部材にヒンジ接続され、且つ第2サポートフレームのL字形の長手辺の末端が第2側方支持部材にヒンジ接続され、第1側方支持部材で第1サポートフレームから離れた一端において第1側方支持部材にヒンジ接続された第1規制部材が設けられ、且つ第2側方支持部材で第2サポートフレームから離れた一端において第2側方支持部材にヒンジ接続された第2規制部材が設けられ、主支持部材、第1側方支持部材、第2側方支持部材、第1側方接続部材、第2側方接続部材、第1サポートフレーム、第2サポートフレーム、第1規制部材及び第2規制部材はそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する折り畳み式楽器スタンドを提供する。
【0028】
上記の実施例の少なくともいくつかの例では、固定装置は使用時に当該折り畳み式楽器スタンドを固定するために用いられる。例えば、固定装置は、ベース、接続ロッド、フックのうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0029】
図1は、本開示の少なくとも一実施例に適用される固定装置の模式図を示し、(a)ベースと、(b)接続ロッドと、(c)フックとを含む。
【0030】
例えば、ベースは板型ベース又は支脚型ベースのいずれかの1種である。ただし、板型ベースは円形、三角形、長方形等の形状の平板から形成されたベースであってもよく、支脚型ベースは中心接続部材と、当該中心接続部材に接続され且つ当該中心接続部材から外側に径方向に延在する少なくとも3つの支脚とを含み、ただし、少なくとも3つの支脚の長さはほぼ同じであり、且つ少なくとも3つの支脚のうちの少なくとも2つは中心接続部材にヒンジ接続され、主支持部材は当該中心接続部材にヒンジ接続される。使用時は、ベースの少なくとも一部が当該平面に接触して楽器スタンドが当該平面に対して垂直に立つことで、楽器スタンドは固定される。
【0031】
さらに、ベースは十分な強度を有する金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチック、木質材料のうちの1種又は複数種から形成されてもよい。例えば、ベースの材料は、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTのうちの1種又は複数種を含んでもよい。さらに、当該ベースの少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層又はコーディング層等を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0032】
例えば、接続ロッドは一端が折り畳み式楽器スタンドに接続され、且つ他端はクランプ、ボルト等を含むがこれらに限定されない取り外し可能な固定装置を備えてもよい。又は、例えば、接続ロッドは両端が折り畳み式楽器スタンドに対して湾曲し、且つ当該折り畳み式楽器スタンドに接続された直線ロッドであってもよく、当該直線ロッドは、クランプ、ボルト等を含むがこれらに限定されない取り外し可能な固定装置を1つ又は複数備える。使用時は、接続ロッドはその上の取り外し可能な固定装置によって壁面、横棒又は縦棒に取り外し可能に固定されることで、楽器スタンドは固定される。いくつかの例では、当該固定装置は、クランプ、ボルト等を含むが、これに限定されない。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0033】
さらに、接続ロッドは十分な強度を有する金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチック、木質材料のうちの1種又は複数種から形成されてもよい。例えば、接続ロッドの材料は、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTのうちの1種又は複数種を含んでもよい。さらに、当該接続ロッドの少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層、コーディング層等を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0034】
例えば、フックは疑問符「?」のような形状を有し、且つ当該疑問符の直線端が折り畳み式楽器スタンドに接続された鉤状体であってもよい。使用時は、フックが、例えば、空中に水平に配置されたロッド、ロープ(これらに限定されない)に掛けられ、又は壁面の別のフックに固定されることにより、楽器スタンドは固定される。
【0035】
さらに、フックは十分な強度を有する金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチック、木質材料のうちの1種又は複数種から形成されてもよい。例えば、フックの材料は、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTのうちの1種又は複数種を含んでもよい。さらに、当該フックの少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層、コーディング層等を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0036】
図1は、本開示の少なくとも一実施例に適用される固定構造を示しているが、本開示の実施例はこれに限定されず、折り畳み式楽器スタンドをその設置場所に対して固定できる他の構造も、本開示の実施例に用いることができ、ここでそれらを一つずつ列挙しない。
【0037】
上記の実施例のいくつかの例では、楽器はボディ部と、当該ボディ部に接続されたネック部とを有する楽器を含むが、これらに限定されない。例えば、楽器は、ギター、ベース、ウクレレ、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、琵琶、阮咸、柳琴、三弦、モリンホール、ドンブラから選ばれた1種又は複数種を含んでもよい。
【0038】
本開示の少なくとも一実施例は、多楽器用楽器スタンドであって、少なくとも1つの接続ロッドによって直列に接続された複数の本開示の少なくとも一実施例に記載の折り畳み式楽器スタンドを含む多楽器用楽器スタンドをさらに提供する。
【0039】
以下、図面と結び付けて本開示の複数の実施例をそれぞれ説明する。説明の簡素化のために、次の実施例では、固定構造がベースである場合を例にして説明するが、本開示の実施例はこれらの例に限定されない。
【0040】
図2は本開示の一実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。図2に示すように、当該折り畳み式楽器スタンドは固定構造201と、支持構造202とを含む。固定構造201は支脚型ベースであり、且つ中心接続部材2011と、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cとを含み、ただし、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの少なくとも2つは当該中心接続部材2011にヒンジ接続される。支持構造202は主支持部材2021と、第1側方支持部材2022a及び第2側方支持部材2022bと、第1側方接続部材2023a及び第2側方接続部材2023bと、第1サポートフレーム2024a及び第2サポートフレーム2024bとを含む。主支持部材2021は固定構造201の中心接続部材2011にヒンジ接続され、第1側方接続部材2023aの両端は主支持部材2021及び第1側方支持部材2022aにそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材2023bの両端は主支持部材2021及び第2側方支持部材2022bにそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム2024a及び第2サポートフレーム2024bはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材2021にヒンジ接続される。第1側方支持部材2022aで第1サポートフレーム2024aから離れた一端において第1側方支持部材2022aにヒンジ接続された第1規制部材2026aが設けられ、且つ第2側方支持部材2022bで第2サポートフレーム2024bから離れた一端において第2側方支持部材2022bにヒンジ接続された第2規制部材2026bが設けられ、主支持部材2021、第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bはそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する。
【0041】
中心接続部材2011は固定構造201の略中央の位置に位置し、且つ第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cを接続させて、使用時に折り畳み式楽器スタンドがその設置平面に立てるようにするためのベースを構成するために用いられる。図2に示す実施例では、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの少なくとも2つは当該中心接続部材2011にヒンジ接続される。なお、本開示の他の実施例では、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cの3つが全て中心接続部材2011にヒンジ接続されてもよい。
【0042】
第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cはそれぞれ独立的に、例えば、横断面が円形、長方形である(これらに限定されない)略短冊状の部品であり、それぞれの第1端は中心接続部材2011に接続され、且つ第2端が楽器スタンドの設置平面に接触することで、当該楽器スタンドは使用時に安定的に立つことが可能である。第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの任意の2つの間の角度が同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの任意の2つの間の角度が同じで、即ち、約120°であってもよいし、又は、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの2つの支脚の間の角度が約150°であり、この2つの支脚と3つ目との間の角度がそれぞれ約105°等であってもよいが、これらに限定されない。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0043】
さらに、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのうちの1つ又は複数の第2端にはこれらの支脚をより堅牢に楽器スタンドの設置平面に接着させるための、高摩擦材料、例えば、ゴムパッド等、又は真空吸着装置、例えば、吸盤等が設けられてもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0044】
主支持部材2021は、円形又は長方形(これらに限定されない)の横断面を有する略柱状の部品であり、且つ固定構造201の中心接続部材2011にヒンジ接続される。いくつかの例では、主支持部材2021は開位置において、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012cのそれぞれの第2端によって決定された平面に略垂直である。本開示の実施例では、用語「略垂直」とは一般に、少なくとも75°~90°の角度、例えば、80°~90°又は85°~90°の角度が形成されたこと、又は、90°の角度が形成されたことである。本開示の実施例ではこれについて限定しない。
【0045】
第1サポートフレーム2024a及び第2サポートフレーム2024bは、円形又は長方形(これらに限定されない)の横断面を有する略「L」形の棒状部品であって、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材2021にヒンジ接続されて、使用時に折り畳み式楽器スタンドにセットされた楽器のボディ部を受けるものであってもよい。第1サポートフレーム2024a及び第2サポートフレーム2024bのL字形の長手辺の長さは一定であってもよいし、又は、当該L字形の長手辺の長さは、それにセットされる楽器のサイズに対応するよう調整できるものであってもよい。本開示の実施例ではこれについて限定しない。
【0046】
第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a及び第2側方接続部材2023bはそれぞれ独立的に、円形又は長方形(これらに限定されない)の横断面を有する略棒状の部品であってもよい。第1側方接続部材2023aはその両端において主支持部材2021及び第1側方支持部材2022aにそれぞれヒンジ接続されて、第1側方支持部材2022aが間接的に主支持部材2021に接続され、第2側方接続部材2023bはその両端において主支持部材2021及び第2側方支持部材2022bにそれぞれヒンジ接続されて、第2側方支持部材2022bが間接的に主支持部材2021に接続される。
【0047】
第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bは円形又は長方形(これらに限定されない)の横断面を有する略棒状の部品であってもよい。第1規制部材2026aは第1側方支持部材2022aにおける第1サポートフレーム2024aから離れた一端にヒンジ接続され、第2規制部材2026bは第2側方支持部材2022bにおける第2サポートフレーム2024bから離れた一端にヒンジ接続される。
【0048】
第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bのうちの1つ又は複数が折り畳み位置にある場合には、折り畳み式楽器スタンドの体積が縮小され、収納しやすい。第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bが開位置にある場合には、第1側方接続部材2023a及び第2側方接続部材2023bと主支持部材2021とがそれぞれ一定角度を形成して、第1側方支持部材2022a及び第2側方支持部材2022bはそれぞれ主支持部材2021から両側に離れるようになり、且つ第1側方接続部材2023aと第1側方支持部材2022aにおいても、第2側方支持部材2022bと第2側方接続部材2023bにおいてもそれぞれ一定角度が形成されて、折り畳み式楽器スタンドは蝶翼のような形状になる。このときに、第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bは共に楽器をセットするスペースを構成する。
【0049】
図2に示す実施例では、固定構造201中の中心接続部材2011、第1支脚2012a、第2支脚2012b及び第3支脚2012c、並びに支持構造202中の主支持部材2021、第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bはそれぞれ独立的に、十分な強度を有する金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチックのうちの1種又は複数種から形成されてもよい。例えば、上記の部品のそれぞれの材料はそれぞれ独立的に、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTのうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。さらに、中心接続部材2011、第1支脚2012a、第2支脚2012b、第3支脚2012c、主支持部材2021、第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bのうちの少なくとも一方の少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層、コーディング層等を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0050】
図2に示す実施例のいくつかの例では、第1支脚2012a、第2支脚2012b及び第3支脚2012c、並びに主支持部材2021、第1側方支持部材2022a、第2側方支持部材2022b、第1側方接続部材2023a、第2側方接続部材2023b、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2026bはそれぞれ独立的に、中実又は中空の部品であってもよく、本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0051】
さらに、図2に示す実施例では、主支持部材2021、第1サポートフレーム2024a、第2サポートフレーム2024b、第1規制部材2026a及び第2規制部材2024bのうちの一方又は複数には、可撓性緩衝材料からなるブッシュが嵌設されてもよい。例えば、可撓性緩衝材料は、発泡プラスチック、ゴム、ラテックス、弾性樹脂等を含んでもよいが、これらに限定されない。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0052】
図2に示す実施例では、3つの支脚を有する支脚型ベースを固定構造201として用いられる。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、折り畳み式楽器スタンドを固定できる他の構造、例えば、3つの以上の支脚を有する支脚型ベース、板型ベース、フック、又は接続ロッドから選ばれた1種又は複数種に変更してもよく、これらに限定されない。
【0053】
図2に示す実施例では、第1サポートフレーム2024a及び第2サポートフレーム2024bは主支持部材2021にヒンジ接続される。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、第1サポートフレーム2024aが第1側方支持部材2022aにヒンジ接続され、第2サポートフレーム2024bが第2側方支持部材2022bにヒンジ接続されるようにしてもよい。
【0054】
図2に示す実施例では、中心接続部材2011と主支持部材2021とのヒンジ接続箇所、第1側方接続部材2023aと主支持部材2021とのヒンジ接続箇所、第1側方接続部材2023aと第1側方支持部材2022aとのヒンジ接続箇所、第2側方接続部材2023bと主支持部材2021とのヒンジ接続箇所、第2側方接続部材2023bと第2側方支持部材2022bとのヒンジ接続箇所、第1サポートフレーム2024aと主支持部材2021とのヒンジ接続箇所、第2サポートフレーム2024bと主支持部材2021とのヒンジ接続箇所、及び第1規制部材2026aと第1側方支持部材2022aとのヒンジ接続箇所、第2規制部材2026bと第2側方支持部材2022bとのヒンジ接続箇所、第1支脚2012aと中心接続部材2011とのヒンジ接続箇所、第2支脚2012bと中心接続部材2011とのヒンジ接続箇所、第3支脚2012cと中心接続部材2011とのヒンジ接続箇所のうちの1箇所又は複数の箇所に1つ又は複数のロック構造が設けられ、これにより折り畳み式楽器スタンドの使用時の全体的な構造安定性が向上する。
【0055】
図2に示す実施例は少なくとも次の利点を有する。当該折り畳み式楽器スタンドにおいて、規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、当該スペースはその内部にセットされた楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。
【0056】
図3は本開示の別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。図3に示すように、当該折り畳み式楽器スタンドは固定構造301と、支持構造302とを含む。固定構造301は支脚型ベースであり、且つ中心接続部材3011と、第1支脚3012a、第2支脚3012b、第3支脚3012cとを含み、ただし、第1支脚3012a、第2支脚3012b、第3支脚3012cのうちの少なくとも2つは当該中心接続部材3011にヒンジ接続される。支持構造302は主支持部材3021と、第1側方支持部材3022a及び第2側方支持部材3022bと、第1側方接続部材3023a及び第2側方接続部材3023bと、第1サポートフレーム3024a及び第2サポートフレーム3024bと、第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025bとを含む。主支持部材3021は固定構造301の中心接続部材3011にヒンジ接続され、第1側方接続部材3023aの両端は主支持部材3021及び第1側方支持部材3022aにそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材3023bの両端は主支持部材3021及び第2側方支持部材3022bにそれぞれヒンジ接続され、第1補助側方接続部材3025aの両端は第1側方接続部材2023aの両端と異なる位置において主支持部材3021及び第1側方支持部材3022aにそれぞれヒンジ接続され、第2補助側方接続部材3025bの両端は第2側方接続部材3023bの両端と異なる位置において主支持部材3021及び第2側方支持部材3022bにそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム3024a及び第2サポートフレーム3024bはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材3021にヒンジ接続される。第1側方支持部材3022aで第1サポートフレーム3024aから離れた一端において第1側方支持部材3022aにヒンジ接続された第1規制部材3026aが設けられ、且つ第2側方支持部材3022bで第2サポートフレーム3024bから離れた一端において第2側方支持部材3022bにヒンジ接続された第2規制部材3026bが設けられ、主支持部材3021、第1側方支持部材3022a、第2側方支持部材3022b、第1側方接続部材3023a、第2側方接続部材3023b、第1サポートフレーム3024a、第2サポートフレーム3024b、第1規制部材3026a及び第2規制部材3026bはそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する。
【0057】
図3に示す実施例で中心接続部材3011、第1支脚3012a、第2支脚3012b、第3支脚3012c、主支持部材3021、第1サポートフレーム3024a、第2サポートフレーム3024b、第1側方支持部材3022a、第2側方支持部材3022b、第1側方接続部材3023a及び第2側方接続部材3023b、第1規制部材3026a及び第2規制部材3026bの形状と材質はいずれも図2に示す実施例に類似するため、ここで再度説明しない。
【0058】
第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025bはそれぞれ独立的に、円形又は長方形(これらに限定されない)の横断面を有する略棒状の部品である。第1補助側方接続部材3025aの両端はそれぞれ第1側方接続部材3023aと異なる場所において主支持部材3021及び第1側方支持部材3022aにヒンジ接続され、第2補助側方接続部材3025bの両端はそれぞれ第2側方接続部材3023bと異なる場所において主支持部材3021及び第2側方支持部材3022bにヒンジ接続され、これにより折り畳み式楽器スタンドの使用時の全体的な構造安定性が向上する。
【0059】
さらに、第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025bはそれぞれ独立的に、十分な強度を有する金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチックのうちの1種又は複数種から形成されてもよい。例えば、第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025bの材料はそれぞれ独立的に、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTのうちの1種又は複数種を含んでもよく、これらに限定されない。さらに、第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025の少なくとも一方の少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層、コーディング層等を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0060】
図3に示す実施例では、第1補助側方接続部材3025a及び第2補助側方接続部材3025bはそれぞれ独立的に、中実又は中空の部品であってもよく、本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0061】
図3に示す実施例では、支脚型ベースを固定構造301として用いられる。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、折り畳み式楽器スタンドを固定できる他の構造、例えば、板型ベース、フック又は接続ロッドに変更してもよい。
【0062】
図3に示す実施例では、第1補助側方接続部材3025aと主支持部材3021及び第1側方支持部材3022aのそれぞれとのヒンジ接続箇所、並びに第2補助側方接続部材3025bと主支持部材3021及び第2側方支持部材3022bのそれぞれとのヒンジ接続箇所のうちの1箇所又は複数の箇所に1つ又は複数のロック構造が設けられ、これにより折り畳み式楽器スタンドの使用時の全体的な構造安定性が向上する。
【0063】
図3に示す実施例は少なくとも次の利点を有する。当該折り畳み式楽器スタンドにおいて、規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、当該スペースはその内部にセットされた楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。
【0064】
図4は本開示のまた別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。図4に示すように、当該折り畳み式楽器スタンドは固定構造401と、支持構造402と、重力セルフロック装置403とを含む。
【0065】
固定構造401は支脚型ベースであり、且つ中心接続部材4011と、第1支脚4012a、第2支脚4012b、第3支脚4012cとを含み、ただし、第1支脚4012a、第2支脚4012b、第3支脚4012cのうちの少なくとも2つは当該中心接続部材4011にヒンジ接続される。
【0066】
支持構造402は主支持部材4021と、第1側方支持部材4022a及び第2側方支持部材4022bと、第1側方接続部材4023a及び第2側方接続部材4023bと、第1サポートフレーム4024a及び第2サポートフレーム4024bと、第1補助側方接続部材4025a及び第2補助側方接続部材4025bとを含む。主支持部材4021は側壁と、当該側壁に取り囲まれた空洞とを有する筒体であり、当該筒体は中心接続部材4011にヒンジ接続された第1端と、当該第1端と逆の第2端とを有する。第1側方接続部材4023aの両端は主支持部材4021及び第1側方支持部材4022aにそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材4023bの両端は主支持部材4021及び第2側方支持部材4022bにそれぞれヒンジ接続され、第1補助側方接続部材4025aの両端は第1側方接続部材2023aの両端と異なる位置において主支持部材4021及び第1側方支持部材4022aにそれぞれヒンジ接続され、第2補助側方接続部材4025bの両端は第2側方接続部材4023bの両端と異なる位置において主支持部材4021及び第2側方支持部材4022bにそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム4024a及び第2サポートフレーム4024bはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材4021ヒンジ接続される。第1側方支持部材4022aで第1サポートフレーム4024aから離れた一端において第1側方支持部材4022aにヒンジ接続された第1規制部材4026aが設けられ、且つ第2側方支持部材4022bで第2サポートフレーム4024bから離れた一端において第2側方支持部材4022bにヒンジ接続された第2規制部材4026bが設けられ、主支持部材4021、第1側方支持部材4022a、第2側方支持部材4022b、第1側方接続部材4023a、第2側方接続部材4023b、第1サポートフレーム4024a、第2サポートフレーム4024b、第1規制部材4026a及び第2規制部材4026bはそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する。
【0067】
重力セルフロック構造403は弾性変形部品4031と、摺動部品4032とを含む。図4に示すように、弾性変形部品4031及び摺動部品4032はいずれも当該主支持部材4021の空洞内に設けられ、且つ弾性変形部品4031の両端は主支持部材4021の第1端及び摺動部品4032にそれぞれ接続される。主支持部材4021の側壁には、筒体の長さ方向に延在する3つの短冊状の開口が設けられる。この3つの短冊状の開口のうち、2つはそれぞれ第1補助側方接続部材4025a及び第2補助側方接続部材4025bの同一側に位置し、残り1つは第1サポートフレーム4024a及び第2サポートフレーム4024bの同一側に位置する。第1サポートフレーム4024a、第2サポートフレーム4024b、第1補助接続部材4025a及び第2補助接続部材4025bは対応する開口によって摺動部品4032にそれぞれヒンジ接続される。
【0068】
楽器が第1サポートフレーム4024aと第2サポートフレーム4024bにセットされた場合に、当該第1サポートフレーム4024a及び第2サポートフレーム4024bは当該楽器の重力の作用で下向きに移動して、弾性変形部品4031を変形させ且つ摺動部品4032を下へ移動させて、第1補助接続部材4025a及び第2補助接続部材4025bを連れて回転させ、第1側方支持部材4022a上の第1規制部材4026a及び第2側方支持部材4022b上の第2規制部材4026bは主支持部材4021に向かって移動して、楽器のボディ部がロックされる。楽器スタンドから楽器が取られた場合に、弾性変形部品4031が変形した状態から少なくとも一部復元して、摺動部品4032は上向きに移動して、第1補助接続部材4025a及び第2補助接続部材4025bを連れて楽器が楽器スタンドにセットされる場合と逆の状態で回転すると、第1側方支持部材4022a上の第1規制部材4026a及び第2側方支持部材4022b上の第2規制部材4026bは主支持部材4021から離れるように移動して、楽器のボディ部が解放される。
【0069】
図4に示す実施例で中心接続部材4011、第1支脚4012a、第2支脚4012b、第3支脚4012c、第1側方支持部材4022a、第2側方支持部材4022b、第1側方接続部材4023a、第2側方接続部材4023b、第1サポートフレーム4024a、第2サポートフレーム4024b、第1補助側方接続部材4025a、第2補助側方接続部材4025b、第1規制部材4026a及び第2規制部材4026bの形状と材質並びに主支持部材4021の材質はいずれも図3に示す実施例に類似するため、ここで再度説明しない。
【0070】
図4に示す実施例では、弾性変形部品4031は引張ばねであり、且つ主支持部材4021における中心接続部材4011から離れた第2端に取り付けられる。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、弾性変形部品4031は他の弾性変形材料もしくは構造、及び/又は他の位置において主支持部材4021に取り付けられたものであってもよい。例えば、弾性変形部品4031は、主支持部材4021における中心接続部材4011に近い第1端に取り付けられた圧縮ばね、主支持部材4021の第1端、第2端もしくは中央に取り付けられた少なくとも1つの弾性金属ストリップもしくは弾性金属シート、主支持部材4021の第1端及び/又は第2端に取り付けられた少なくとも1つの弾性ゴムストリップもしくは弾性ゴムシート等から選ばれた1種又は複数種の組み合わせであってもよく、これらに限定されない。
【0071】
図4に示す実施例では、摺動部品4032はすべり軸受である。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、摺動部品4032は主支持部材4021の長さ方向に摺動できる任意の摺動部品、例えば、金属摺動部材、プラスチック摺動部材、ナイロン摺動部材、転がり軸受から選ばれた1種又は複数種であってもよく、これらに限定されない。いくつかの例では、主支持部材4021の空洞の内壁には、摺動部品4032に係合するスライドレールが設けられてもよく、これにより摺動部品4032はよりスムーズに摺動できる。
【0072】
図4に示す実施例では、主支持部材4021の側壁に3つの開口が形成されており、第1サポートフレーム4024a、第2サポートフレーム4024b、第1補助接続部材4025a及び第2補助接続部材4025bはそれぞれこの3つの開口の1つによって当該主支持部材4021内の摺動部品4032にヒンジ接続される。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、主支持部材4021の側壁により多くの又は少ない開口が形成されてもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0073】
図4に示す実施例は少なくとも次の利点を有する。当該折り畳み式楽器スタンドにおいて、規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、当該スペースはその内部にセットされた楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。また、当該折り畳み式楽器スタンドは重力セルフロック構造が用いられることにより、使用時はそれにセットされた楽器をより効果的に固定することができる。
【0074】
図5は本開示のさらに別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。図5に示すように、当該折り畳み式楽器スタンドは固定構造501と、支持構造502と、重力セルフロック装置503とを含む。
【0075】
固定構造501は支脚型ベースであり、且つ中心接続部材5011と、第1支脚5012a、第2支脚5012b、第3支脚5012cとを含み、ただし、第1支脚5012a、第2支脚5012b、第3支脚5012cのうちの少なくとも2つは当該中心接続部材5011にヒンジ接続される。
【0076】
支持構造502は主支持部材5021と、第1側方支持部材5022a及び第2側方支持部材5022bと、第1側方接続部材5023a及び第2側方接続部材5023bと、第1サポートフレーム5024a及び第2サポートフレーム5024bと、第1補助側方接続部材5025a及び第2補助側方接続部材5025bとを含む。主支持部材5021が本体であり、且つ中心接続部材5011にヒンジ接続された第1端と、当該第1端と逆の第2端とを有する。第1側方接続部材5023aの両端は主支持部材5021及び第1側方支持部材5022aにそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材5023bの両端は主支持部材5021及び第2側方支持部材5022bにそれぞれヒンジ接続され、第1補助側方接続部材5025aの両端は第1側方接続部材2023aの両端と異なる位置において主支持部材5021及び第1側方支持部材5022aにそれぞれヒンジ接続され、第2補助側方接続部材5025bの両端は第2側方接続部材5023bの両端と異なる位置において主支持部材5021及び第2側方支持部材5022bにそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム5024a及び第2サポートフレーム5024bはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材5021にヒンジ接続される。第1側方支持部材5022aで第1サポートフレーム5024aから離れた一端において第1側方支持部材5022aにヒンジ接続された第1規制部材5026aが設けられ、且つ第2側方支持部材5022bで第2サポートフレーム5024bから離れた一端において第2側方支持部材5022bにヒンジ接続された第2規制部材5026bが設けられ、主支持部材5021、第1側方支持部材5022a、第2側方支持部材5022b、第1側方接続部材5023a、第2側方接続部材5023b、第1サポートフレーム5024a、第2サポートフレーム5024b、第1規制部材5026a及び第2規制部材5026bはそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する。
【0077】
重力セルフロック構造503は弾性変形部品5031と、摺動部品5032とを含む。図5に示すように、弾性変形部品5031及び摺動部品5032はいずれも主支持部材5021の柱体を取り囲んで設けられ、且つ弾性変形部品5031の両端は主支持部材5021の第1端及び摺動部品5032にそれぞれ接続される。第1サポートフレーム5024a、第2サポートフレーム5024b、第1補助接続部材5025a及び第2補助接続部材5025bはそれぞれ摺動部品5032にヒンジ接続される。
【0078】
楽器が第1サポートフレーム5024aと第2サポートフレーム5024bにセットされた場合に、当該第1サポートフレーム5024a及び第2サポートフレーム5024bは当該楽器の重力の作用で下向きに移動して、弾性変形部品5031を変形させ且つ摺動部品5032を下へ移動させて、第1補助接続部材5025a及び第2補助接続部材5025bを連れて回転させ、第1側方支持部材5022a上の第1規制部材5026a及び第2側方支持部材5022b上の第2規制部材5026bは主支持部材5021に向かって移動して、楽器のボディ部がロックされる。楽器スタンドから楽器が取られた場合に、弾性変形部品5031が変形した状態から少なくとも一部復元して、摺動部品5032は上向きに移動して、第1補助接続部材5025a及び第2補助接続部材5025bを連れて楽器が楽器スタンドにセットされる場合と逆の状態で回転すると、第1側方支持部材5022a上の第1規制部材5026a及び第2側方支持部材5022b上の第2規制部材5026bは主支持部材5021から離れるように移動して、楽器のボディ部が解放される。
【0079】
図5に示す実施例で中心接続部材5011、第1支脚5012a、第2支脚5012b、第3支脚5012c、第1側方支持部材5022a、第2側方支持部材5022b、第1側方接続部材5023a、第2側方接続部材5023b、第1サポートフレーム5024a、第2サポートフレーム5024b、第1補助側方接続部材5025a、第2補助側方接続部材5025b、第1規制部材5026a及び第2規制部材5026bの形状と材質及び主支持部材5021の材質はいずれも図3に示す実施例に類似するため、ここで再度説明しない。
【0080】
図5に示す実施例では、弾性変形部品5031は圧縮ばねであり、且つ主支持部材5021における中心接続部材5011から離れた第1端に取り付けられる。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、弾性変形部品5031は他の弾性変形材料もしくは構造、及び/又は他の位置において主支持部材5021に取り付けられたものであってもよい。例えば、弾性変形部品5031は、主支持部材5021における中心接続部材5011から離れた第2端に取り付けられた引張ばね、主支持部材5021の第1端、第2端もしくは中央に取り付けられた少なくとも1つの弾性金属ストリップもしくは弾性金属シート、主支持部材5021の第1端及び/又は第2端に取り付けられた少なくとも1つの弾性ゴムストリップもしくは弾性ゴムシート等から選ばれた1種又は複数種の組み合わせであってもよく、これらに限定されない。
【0081】
図5に示す実施例では、摺動部品5032はスリーブ式のPTFE摺動部材である。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、摺動部品5032は主支持部材5021の長さ方向に摺動できる任意の摺動部品、例えば、金属摺動部材、プラスチック摺動部材、ナイロン摺動部材、すべり軸受、転がり軸受から選ばれた1種又は複数種であってもよく、これらに限定されない。いくつかの例では、主支持部材5021の柱体の外壁には、摺動部品5032に係合するスライドレールが設けられてもよく、これにより摺動部品5032はよりスムーズに摺動できる。
【0082】
図5に示す実施例は少なくとも次の利点を有する。当該折り畳み式楽器スタンドにおいて、規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、当該スペースはその内部にセットされた楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。また、当該折り畳み式楽器スタンドは重力セルフロック構造が用いられることにより、使用時はそれにセットされた楽器をより効果的に固定することができる。
【0083】
図6は本開示のまたさらに別の実施例による折り畳み式楽器スタンドの模式図である。図6に示すように、当該折り畳み式楽器スタンドは固定構造601と、支持構造602とを含む。固定構造601は板型ベースである。支持構造602は主支持部材6021と、第1側方支持部材6022a及び第2側方支持部材6022bと、第1側方接続部材6023a及び第2側方接続部材6023bと、第1サポートフレーム6024a及び第2サポートフレーム6024bと、第1補助側方接続部材6025a及び第2補助側方接続部材6025bと、補助支持部材6029とを含む。主支持部材6021は固定構造601の中心接続部材6011にヒンジ接続され、第1側方接続部材6023aの両端は主支持部材6021及び第1側方支持部材6022aにそれぞれヒンジ接続され、第2側方接続部材6023bの両端は主支持部材6021及び第2側方支持部材6022bにそれぞれヒンジ接続され、第1補助側方接続部材6025aの両端は第1側方接続部材6023aの両端と異なる位置において主支持部材6021及び第1側方支持部材6022aにそれぞれヒンジ接続され、第2補助側方接続部材6025bの両端は第2側方接続部材6023bの両端と異なる位置において主支持部材6021及び第2側方支持部材6022bにそれぞれヒンジ接続され、第1サポートフレーム6024a及び第2サポートフレーム6024bはいずれもL字形であり、且つそれぞれのL字形の長手辺の末端において主支持部材6021にヒンジ接続される。補助支持部材6029は主支持部材6021にヒンジ接続され、且つ第1規制部材6026a及び前記第2規制部材6026bと同一の方向に延在する。当該補助支持部材6029の長さは第1規制部材6026a及び第2規制部材6026bの長さより小さい。第1側方支持部材6022aで第1サポートフレーム6024aから離れた一端において第1側方支持部材6022aにヒンジ接続された第1規制部材6026aが設けられ、且つ第2側方支持部材6022bで第2サポートフレーム6024bから離れた一端において第2側方支持部材6022bにヒンジ接続された第2規制部材6026bが設けられ、主支持部材6021、第1側方支持部材6022a、第2側方支持部材6022b、第1側方接続部材6023a、第2側方接続部材6023b、第1サポートフレーム6024a、第2サポートフレーム6024b、第1規制部材6026a及び第2規制部材6026bはそれぞれ開位置及び折り畳み位置を有する。
【0084】
図6に示す実施例で主支持部材6021、第1側方支持部材6022a及び第2側方支持部材6022b、第1側方接続部材6023a及び第2側方接続部材6023b、第1サポートフレーム6024a及び第2サポートフレーム6024b、第1補助側方接続部材6025a及び第2補助側方接続部材6025b、第1規制部材6026a及び第2規制部材6026bの形状と材質はいずれも図3に示す実施例に類似するため、ここで再度説明しない。
【0085】
補助支持部材6029は主支持部材6021にヒンジ接続された接続部と、楽器のボディ部を持たせるための支持部とを有する。当該支持部は、例えば、楽器のボディ部に接触する平面又は複数の突起を有する表面を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0086】
いくつかの例では、補助支持部材6029の接続部及び支持部はそれぞれ独立的に、金属、合金、硬質エンジニアリングプラスチックから選ばれた1種又は複数種を含んでもよい。例えば、接続部の材料はステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等から選ばれた金属材料を含むが、これらに限定されず、且つ支持部の材料はステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料、又はABS、PS、PMMA、PC、PET、PBTから選ばれた1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。さらに、接続部の少なくとも一部には、その表面特性を改善するパッシベーション層、メッキ層、コーディング層等を有してもよく、支持部の少なくとも一部には、高摩擦材料、例えば、ゴムパッド等、又は真空吸着装置、例えば吸盤を有してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0087】
図6に示す実施例では、板型ベースを固定構造601として用いられる。なお、本開示のいくつかの他の実施例では、折り畳み式楽器スタンドを固定できる他の構造、例えば、支脚型ベース、フック、又は接続ロッドに変更してもよく、これらに限定されない。
【0088】
図6に示す実施例では、第1補助側方接続部材6025aと主支持部材6021及び第1側方支持部材6022aのそれぞれとのヒンジ接続箇所、並びに第2補助側方接続部材6025bと主支持部材6021及び第2側方支持部材6022bのそれぞれとのヒンジ接続箇所のうちの1箇所又は複数の箇所に1つ又は複数のロック構造が設けられてもよく、これにより折り畳み式楽器スタンドの使用時の全体的な構造安定性が向上する。
【0089】
さらに、図6に示す実施例では、主支持部材6021、第1サポートフレーム6024a、第2サポートフレーム6024b、第1規制部材6026a及び第2規制部材6026bのうちの1つ又は複数には、可撓性緩衝材料からなるブッシュが嵌設されてもよい。例えば、可撓性緩衝材料は発泡プラスチック、ゴム、ラテックス、弾性樹脂等を含んでもよいが、これらに限定されない。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0090】
図6に示す実施例は少なくとも次の利点を有する。当該折り畳み式楽器スタンドにおいて、規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、且つ補助支持部材に楽器のボディ部を持たせることで、楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。
【0091】
本開示の少なくとも一実施例は、多楽器用楽器スタンドであって、少なくとも1つの接続ロッドによって直列に接続された複数の本開示の少なくとも一実施例に記載の折り畳み式楽器スタンドを含む多楽器用楽器スタンドをさらに提供する。
【0092】
図7は本開示の一実施例による多楽器用楽器スタンドの模式図である。図7に示すように、当該多楽器用楽器スタンドは2つの折り畳み式楽器スタンド701aと、701bとを含み、当該折り畳み式楽器スタンド701a及び701bは2つの接続ロッド702、702'によって直列に接続される。
【0093】
図7に示す実施例で折り畳み式楽器スタンド701a及び701bは図2に示す実施例に類似するため、ここで再度説明しない。
【0094】
接続ロッド702、702'はそれぞれ独立的に、円形又は長方形の横断面(これらに限定されない)を有する略棒状の部品であり、且つ係止、ボルト接続等の方式(これらに限定されない)によって、折り畳み式楽器スタンド701aと701bが取り出し可能に直列に接続される。
【0095】
図7に示す実施例では、多楽器用楽器スタンドは2つの折り畳み式楽器スタンド701aと、701bとを含む。なお、本開示のいくつかの他の実施形態では、多楽器用楽器スタンドはより多くの折り畳み式楽器スタンド、例えば、701a、701b......701nを含んでもよく、ただし、nは3ないし10の整数である。
【0096】
図7に示す実施例では、折り畳み式楽器スタンド701a及び701bは同一直線上に配列される。なお、本開示のいくつかの他の実施形態では、複数の折り畳み式楽器スタンドは互いに平行の異なる直線上に配列されてもよい。
【0097】
図7の実施形態は少なくとも次の利点を有する。当該多楽器用楽器スタンドの各折り畳み式楽器スタンドはいずれも規制部材と主支持部材及びサポートフレームとの組み合わせにより楽器のボディ部をセットするスペースが限定され、楽器を効果的に支持することができ、これにより楽器は楽器スタンドに堅牢にセットされ、落下しにくく、しかも楽器の取り出しに支障をきたすことはない。接続ロッドを用いて複数の折り畳み式楽器スタンドを直列に接続させることにより、複数の楽器をセットすることができ、楽器スタンドの使用時の全体的な構造安定性が一層向上する。
【0098】
本開示に関しては、次のいくつかの注意すべき事項がある。
【0099】
(1)本開示の実施例では、図面は本開示の実施例に関連する構造のみに関わるものであり、他の構造は通常の設計を参照できる。
【0100】
(2)明確性のために、本開示の実施例を説明するための図面では、層又は領域の厚さは拡大又は縮小されており、つまり、これらの図面は実際の寸法関係に従って描画されるとは限らない。
【0101】
(3)矛盾がない限りは、本開示の実施例及び実施例に係る特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0102】
上述した内容が本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するためのものではなく、本開示の保護範囲は特許請求の範囲により決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7