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  • 特許-入力支援装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】入力支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/166 20200101AFI20220606BHJP
   G06F 40/151 20200101ALI20220606BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/151
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020109199
(22)【出願日】2020-06-24
(62)【分割の表示】P 2015217157の分割
【原出願日】2015-11-04
(65)【公開番号】P2020187755
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】301049892
【氏名又は名称】株式会社あいほっと
(72)【発明者】
【氏名】榎本 昌史
【審査官】長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-032376(JP,A)
【文献】特開2013-125432(JP,A)
【文献】特開昭62-034272(JP,A)
【文献】特開平11-175514(JP,A)
【文献】特開平05-012267(JP,A)
【文献】特開平03-218561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文章に含まれる文字列の中から、画像埋め込みを指示するための文字列と、前記画像の埋め込みを指示するための文字列に続けて、前記画像のファイルを識別し、かつ前記画像の種類を示す文字を含むファイル識別子とを含むソース文字列を抽出し、抽出したソース文字列を入力する入力部と、
前記ソース文字列に含まれるファイル識別子をファイル名に含む画像ファイルを所定のフォルダから検索し、特定した前記画像ファイルにアクセスするためのパスを生成するパス生成部と、
前記ソース文字列の位置に前記パスにより特定される画像ファイルの画像を埋め込む取込部と、
前記ファイル識別子から前記画像の種類を示す文字を抽出し、抽出した文字に関連付けられているタグの種類に適合するタグ文字列を生成し、前記取込部により埋め込まれた画像の直前に、生成したタグ文字列を挿入するタグ生成部と、
を備えることを特徴とする入力支援装置。
【請求項2】
前記タグ文字列は、埋め込まれた画像の種類を示す文字と、文に埋め込まれた画像の順に応じた連続番号とを含むことを特徴とする請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項3】
前記ファイル識別子をファイル名に含む画像ファイルが前記所定のフォルダに存在しない場合、前記パス生成部は、予め決められたルールで前記所定のフォルダのパスと前記ファイル識別子とを組み合わせて画像ファイルのパスを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の入力支援装置。
【請求項4】
文章に埋め込まれた画像のファイル名と、その画像の直前に挿入されたタグ文字列を、出願書類に含まれる書類名毎に表記した一覧を提示する提示部を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力支援装置。
【請求項5】
コンピュータを、
文章に含まれる文字列の中から、画像埋め込みを指示するための文字列と、前記画像の埋め込みを指示するための文字列に続けて、前記画像のファイルを識別し、かつ前記画像の種類を示す文字を含むファイル識別子とを含むソース文字列を抽出し、抽出したソース文字列を入力する入力部、
前記ソース文字列に含まれるファイル識別子をファイル名に含む画像ファイルを所定のフォルダから検索し、特定した前記画像ファイルにアクセスするためのパスを生成するパス生成部、
前記ソース文字列の位置に前記パスにより特定される画像ファイルの画像を埋め込む取込部、
前記ファイル識別子から前記画像の種類を示す文字を抽出し、抽出した文字に関連付けられているタグの種類に適合するタグ文字列を生成し、前記取込部により埋め込まれた画像の直前に、生成したタグ文字列を挿入するタグ生成部、
として機能させる入力支援プログラム。
【請求項6】
前記ファイル識別子をファイル名に含む画像ファイルが前記所定のフォルダに存在しない場合、前記パス生成部は、予め決められたルールで前記所定のフォルダのパスと前記ファイル識別子とを組み合わせて画像ファイルのパスを生成することを特徴とする請求項5に記載の入力支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を作成する装置に関し、特に文書の入力を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願書類を作成する場合、各書類を規則に従って記載する必要がある。例えば、発明を構成する各要素には数字およびアルファベットで符号を付ける必要がある。こうした特殊な規則に従って文書を作成するため、作成者にとっては相当の負担になり、符号の重複などミスも生じやすい。そこで文書中の文字列を検索し、既出の文字列から要素名と符号を入力する装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4293348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
符号の入力を改善するための技術は提案されているものの、一般に、特許出願書類を作成するためにはかなりの時間を要する。また、一般にワードプロセッサで編集中の文書に画像を挿入する場合、マウスで画像挿入メニューを選択し、表示された画像選択ダイアログを利用して挿入すべき画像ファイルを選択する必要がある。この操作は、ユーザにとってストレスの溜まる面倒な操作である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特許出願書類などの文書を現状よりも短い時間で作成する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は入力支援装置である。この装置は、文章を構成する要素を含むコマンドの入力を受け付ける入力部と、前記コマンドが所定のルールに適合するか否かを判定する判定部と、前記ルールに適合する場合、前記コマンドに関連付けられた文章パターンに適合する前記要素を含む文章に変換する生成部とを備える。
【0006】
本発明の別の態様も入力支援装置である。この装置は、符号を含む文字列の入力を受け付ける入力部と、符号と部材名とを対応付けて保持する辞書と、入力した文字列に含まれる符号を抽出し、前記辞書を参照して、抽出した符号に対応する部材名を取得する変換部と、抽出した符号の直前にその符号に対応する部材名が存在しない場合に、部材名と符号とが連なるように部材名を挿入する生成部とを備える。
【0007】
本発明の更に別の態様も入力支援装置である。この装置は、画像ファイルの挿入を指示するコマンドを受け付ける入力部と、前記コマンドに基づいて画像ファイルにアクセスするためのパスを特定するパス生成部と、前記コマンドをパスにより特定される画像ファイルに置き換える取込部とを備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、文章の入力に必要なキータイプの回数が減るため効率的に文書を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る文書作成支援装置の構成図である。
図2図1の文書作成支援装置に入力されるソース文字列と出力を示す図である。
図3図1の画像変換部の内部構成図である。
図4図1の提示部が提示する一覧の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特許出願書類(以下、「出願書類」または「文書」という)を作成するためには、請求項を作り、それに対応した図面を作り、図面に含まれる部材に符号を付与し、図面を参照しながら発明の詳細な説明を作り、最後に出願書類全体の見直しや修正をする。請求項や図面を作成する作業は作成者の専門的な思考が大部分を締め、作業時間の長短は作成者の思考力に依存する。一方、図面を参照しながら図面の説明をつくる作業は、請求項を作る作業に比べて思考力は必要とされず、文章を書く、具体的には、文字をタイプするという指先を動かす操作が大部分をしめる。
【0012】
例えば、「図○は、実施の形態に係る○○○システム××の全体図である。」という文をタイプする場合、29文字のタイプが必要である。タイプする文字の数が減れば単純にタイプに必要な時間は短くなる。一般に出願書類に含まれる表現は定型的なものが多く、一部の要素さえ分かれば文を完成させることができる。先にあげた表現の場合、図番号「図○」と要素「○○○システム××」とが分かれば後は定形表現にはめ込めば良い。更に、符号「××」と要素名「○○○システム」とを対応付けて辞書に登録しておけば、「図○」と「××」とが分かれば、符号「××」に対応する要素名を辞書から取得し文を完成させることができる。この場合、4文字分のタイプで済むので、25文字のタイプに必要な時間だけ短くなる。
【0013】
実施の形態で説明する装置は、このような観点で出願書類の作成を支援する装置を具現化するひとつの形態である。
【0014】
図1は、実施の形態に係る文書作成支援装置100の構成図である。文書作成支援装置100は、パーソナルコンピュータやタブレットなどの一般的に普及しているコンピュータであり、プログラムを実行することにより実現される。文書作成支援装置100は、いわゆるアドインという形式でワードプロセッサに組み込まれ、プログラムが実行されることにより実現されるワードプロセッサと協調して機能し、ワードプロセッサが編集中の文書に直接アクセスできるよう構成されている。
【0015】
入力部10は、ユーザが特定のキー操作(以下、「実行操作」という)をおこなったことを契機に現在のカーソル位置から前方の区切り文字までの文字列(以下、「ソース文字列」という)を入力として取り込む。つまり、実行操作をおこなうことで、入力部10として機能するプログラムが実行され一連の処理が開始される。区切り文字は、句点、スペース、改行などである。判定部12はソース文字列が所定のルールに適合するか否かを判定し、適合する場合にルールに応じた変換処理をおこなうよう生成部20に指示する。
【0016】
図2は、図1の文書作成支援装置100に入力されるソース文字列と出力を示す図である。図2(a)は、ソース文字列として「図1 10」が入力され、「図1は、情報管理システム10の全体図である。」が出力されている。「図○」「全角スペース」「符号」がルールである。このルールを満たす場合、「図○」が主語になるように文が生成される。
【0017】
図2(b)は、ソース文字列として「図2 20」が入力され、「図2は、管理テーブル20のデータ構造の一例を示す図である。」が出力されている。これも「図○」「全角スペース」「符号」というルールを満たすが、文の末尾部分が図2(a)とは異なっている。これは、符号で特定される部材に応じて、表現が変化されることを示したものである。このように、ルールが一致していてもそこに含まれる要素に応じて、文書作成支援装置100は表現を変える。
【0018】
図2(c)は、ソース文字列として「10 12,14,16」が入力され、「情報管理システム10は、管理装置12、端末装置14およびDB16を備える。」が出力されている。「符号」「全角スペース」「カンマ区切りの符号」がルールであり、このルールに一致する場合、先頭の符号が主語になり、カンマで区切られる符号が構成要素として表現される。
【0019】
出願種類に含まれる定型的な記載パターンや文章表現は複数あり、それらを特定するためにそれぞれのルール(以下、「コマンド」という)が設けられる。
【0020】
図1の文章変換部24は、ソース文字列が文章変換のルール(以下、「文章変換コマンド」という)を満たしている場合、ソース文字列に含まれる要素に自立語や付属語を補完して主語や述語など文章を構成するために必要な文言を含む文章に変換する。文章変換部24は、定型的な記載パターンを保持し、その記載パターンに文章変換コマンドに含まれる要素を組み込むことで文章に変換する。
【0021】
符号変換部26は、ソース文字列に含まれる符号の前方に要素名を補い、出願書類で使用される一般的な記載パターンに変換する。辞書16は符号と要素名とを関連付けて保持する。符号変換部26は辞書16を参照して符号に関連付けられた要素名を取得する。そして、符号変換部26は、符号の直前に要素名が既に記載されているか否かを判断し、記載されていない場合に要素名を符号の直前に挿入する。これにより、既に要素名が含まれる文章に対して変換処理をおこなっても、要素名が何度も符号の前に挿入されない。
【0022】
例えば、ソース文字列として「図1 10」が入力された場合、文章変換部24は「図1は、10の全体図である。」という文章に変換する。その後、符号変換部26は辞書16を参照して、符号「10」に対応付けられた要素名「情報管理システム」を取得する。そして文章変換部24が生成した文章に含まれる「10」の直前に「情報管理システム」を挿入して「図1は、情報管理システム10の全体図である。」という文章が生成される。この文章に対して、再び符号変換処理をおこなっても、符号「10」の前方に「情報管理システム」が挿入されているので、要素名は挿入せずに変換処理を終える。
【0023】
一般に符号は、数字とアルファベットで構成された文字列のため、Y=aX+bのような数式や10kgのような単位を符号として認識しないように除外する必要がある。除外部30は、こうした符号の条件は満たすが、符号ではない文字列(以下、「除外文字」という)か否かを判定する。つまり、符号変換部26は、符号の候補(以下、「符号候補」という)として文字列を抽出し、符号候補が符号であるか否かを除外部30に判定させる。符号候補が除外文字と判定された場合、符号変換部26は符号変換の処理をしない。
【0024】
除外部30は、除外文字の判定条件を予め保持し、その条件に基づいて判定する。判定条件は、判定のための処理モジュールとして除外部30に組み込まれる。処理モジュールとしては、例えば、数式であることを判定するための数式判定モジュール、単位であることを判定する単位判定モジュールなどがある。更に、除外部30は除外文字のリスト(以下、「除外リスト」という)を保持し、そのリストに含まれている文字列を除外文字と判定する。
【0025】
登録部14は符号と要素名のペアを辞書16に登録する。登録のために、登録部14は符号と要素名とを対応付けて登録するための入力画面をユーザに提示する。符号変換部26は、辞書16に符号が登録されていない場合に、辞書に登録するか否かをユーザに問い合わせる。ユーザが登録することを指示した場合、登録部14に登録画面の提示を指示する。また、ユーザが登録しないことを指示した場合、符号変換部26はその符号を除外リストに追加することを除外部30に指示する。もちろん、登録部14は、ユーザから指示を受けた場合に随時登録画面を提示してもよい。
【0026】
認識部28は、符号に関連付けられた要素名に応じて文章を構成する文言を切り替える。例えば、図の説明の対象がシステムであれば、「図1は○○システムの全体図である。」と変換され、テーブルであれば「図1は○○テーブルのデータ構造の一例である。と変換される。このように要素の種類に応じて、文章に含まれる文言を変えるために認識部28が設けられている。
【0027】
符号の他に、段落の前に段落番号を付与し、文書中に含まれる画像の前には墨付き括弧で「化1」のような文字列を囲ったタグ(以下、「要素タグ」という)を記載する必要がある。要素タグは、画像の種類に応じて決まる「数」「化」「表」「図」に連続番号を付した文字列を墨付き括弧で囲ったものである。
【0028】
連続番号変換部32は、段落番号タグ、要素タグがそれぞれ連続するように変換する。それぞれのタグは墨付き括弧で囲まれており、段落番号であれば4桁の数字が墨付き括弧で囲まれる。数式タグであれば「数」の後に数字が続く。連続番号変換部32はこうしたタグの特徴を文書の先頭から抽出し、抽出した順番に番号をカウントする。そして、カウントした数字と抽出したタグの番号が異なれば、カウントした数字に置き換える。この変換処理は、実行操作がされたことを契機に実行される。
【0029】
ソース文字列として「全角スペース」が与えられた場合、連続番号変換部32は段落番号タグを生成し、全角スペースに続けて生成した段落番号タグを挿入する。段落番号は4桁の数字を墨付き括弧で囲むことになっているので、通常であれば6文字分のタイプが必要だが、本装置によれば1文字分のタイプで済む。また、段落番号も自動的に連続番号になるよう更新されるので、段落番号のミスも防止できる。
【0030】
画像変換部22は、ソース文字列が画像を埋め込むためのルール(以下、「画像挿入コマンド」という)を満たしている場合に、ソース文字列が記載されている位置に、該当する画像を埋め込む。例えば、画像挿入コマンドは「##」に続けてファイル識別子としてファイル名の一部を記載するルールであり、画像挿入コマンド「##f001」であれば、画像変換部22は所定のフォルダから「f001」を含む画像ファイルを特定し、その画像ファイルを文書に組み込む。更に画像変換部22は、組み込んだ画像の直前に数式タグを挿入する。所定のフォルダは、文書作成支援装置100が処理の対象としている出願書類の保存先であってもよいし、ファイルサーバの特定のフォルダであってもよい。
【0031】
図3は、図1の画像変換部22の内部構成図である。画像挿入コマンド入力部40は、判定部12から画像挿入コマンドを受け付ける。パス生成部42は、画像挿入コマンドに含まれるファイル識別子を取得し、編集中の出願書類が保存されているパス(以下、「カレントフォルダ」という)を基準に特定されるフォルダを検索し、ファイル識別子で特定される画像ファイルのパスを特定する。
【0032】
パス生成部42は、ファイル識別子で特定される画像ファイルが見つからない場合、予め決められたルールで画像ファイルのパスを生成する。例えば、42は、「ファイル識別子」にファイルの拡張子として「gif]を付加してパスを生成する。ファイルの拡張子は、「png」や「jpg」などの出願書類で使用を許されている画像種類の中から任意に決められてよい。
【0033】
取込部44は画像ファイルのパスから画像ファイルを取り込み画像挿入コマンドの位置に組み込む。ユーザは、画像を挿入するために、マウスを操作する必要がなくなり、キーボードでタイプをする作業が途切れること無く、画像を挿入できる。これにより、マウスに持ち替え、メニューを選択し、画像を選択するという一連の作業がなくなり、作業時間の短縮が期待される。
【0034】
タグ生成部46は、組み込んだ画像の直前に、その画像ファイルの種類に応じて要素タグを挿入する。画像ファイルのファイル名を、例えば「画像種類+数字」のように画像の種類を含むという命名規則に準じて設定しておくことで、タグ生成部46は、画像ファイル名に含まれる画像種類に応じて適切な要素タグを挿入できる。
【0035】
タグ生成部46はファイル識別子もしくは画像ファイル名から画像種類を示す文字を抽出し、抽出した文字に関連付けられているタグの種類に適合するように要素タグを生成する。例えば、ファイル名に「f」または「数」が含まれていれば数式タグを生成し、「c」または「化」が含まれていれば化学式タグを生成し、「t」または「表」が含まれていれば表タグを生成する。これにより、要素タグをタイプする時間も短縮される。
【0036】
図1の提示部34は、文書中に含まれる画像ファイルの一覧をその画像に対応付けられている要素タグとともに提示する。出願書類は、明細書、特許請求の範囲、および図面を書類として含み、それぞれの書類の中で1から始まる要素タグが付与される。明細書の中で「数2」であった数式が、特許請求の範囲では「数1」になる場合もある。
【0037】
図4は、図1の提示部34が提示する一覧の一例を示す図である。ファイル名欄には、ファイル名が表示される。明細書欄、特許請求の範囲欄、および図面欄には、それぞれの書類の中で対応する要素タグが表示される。例えば、ファイル名「f001.gif」は、明細書の中で「数1」として利用されており、特許請求の範囲および図面では利用されていない。ファイル名「f002.gif」は、明細書の中で「数2」として利用されており、特許請求の範囲の中で「数1」として利用されている。このような一覧を表示させることで、適切な画像ファイルが挿入されているか確認することができる。
【0038】
図1の検査部36は、文書中にコマンドが残っていないか否かを検査し、コマンドが残っている場合にその旨を提示する。36はこの検査処理をユーザの指示を契機におこなっても良いし、文書の保存操作などワードプロセッサに対する所定の操作を契機におこなってもよい。これにより、文書中に文章表現として不完全な箇所を見つけることができる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0040】
こうした変形例として、図1の入力部10は、カーソルを含む段落の先頭から、順次、区切り文字を末尾とする文を取り込み、変換処理をしてもよい。これにより、複数のコマンドを一括して変換することができ、実行操作の回数を減らすことができる。また、符号だけを含む文章をタイプすればよいので、視認性が増し、文章を作成しやすい。
【0041】
更に別の変形例として、図1の生成部20は、コマンドを文献番号のフォーマットに変換する文献番号変換部を更に備えてもよい。例えば、文献番号変換部は「2012-1234」というコマンドを、「特開2012-01234号公報」に変換する。また、この文献番号の前方には「特許文献n」を墨付き括弧で囲んだ文献タグを挿入する。このようなコマンドに応じた変換部を、生成部20は複数備えてよい。
【0042】
更に別の変形例として、図1の登録部14は、ワードプロセッサで開かれている文書を解析して、自動的に符号と対応する要素名を抽出し辞書16に登録してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 入力部
12 判定部
14 登録部
16 辞書
20 生成部
22 画像変換部
24 文章変換部
26 符号変換部
28 認識部
30 除外部
32 連続番号変換部
34 提示部
36 検査部
40 画像挿入コマンド入力部
42 パス生成部
44 取込部
46 タグ生成部
100 文書作成支援装置
図1
図2
図3
図4